JP7201658B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子素子(例:半導体素子)等の発熱性素子を冷却する冷却装置に関する。
ここで、本発明に係る冷却装置の上下方向は限定されるものではないが、本明細書及び特許請求の範囲では、冷却装置の構成を理解し易くするため、冷却装置における発熱性素子が搭載される側を冷却装置の上側、及び、その反対側を冷却装置の下側と定義する。
さらに、本発明に係る冷却装置では、冷却装置の各構成部材の厚さ方向に垂直な面を各構成部材の平面といい、各構成部材の平面に平行な方向を各構成部材の平面方向という。
また、本明細書では、特に文中に明示する場合を除いて、「アルミニウム」の語は純アルミニウム及びアルミニウム合金の双方を含む意味で用いられ、「銅」の語は純銅及び銅合金の双方を含む意味で用いられる。
金属-炭素粒子複合材として、例えば特許第5150905号公報(特許文献1)や(特許第5145591号公報(特許文献2)に記載されているように、金属層と炭素繊維層が交互に複数積層された状態で接合一体化された金属-炭素繊維複合材が知られている。また、国際公開第2009/051094号(特許文献3)は、炭素粒子として鱗片状黒鉛粒子を用いた金属-鱗片状黒鉛粒子複合材を開示している。
金属-炭素粒子複合材について開示したその他の特許文献として、特開2015-25158号公報(特許文献4)、特開2015-217655号公報(特許文献5)、特開2017-88913号公報(特許文献6)等がある。
上述した金属-炭素粒子複合材は熱伝導性に異方性を有するものであり、高い熱伝導性が要求される部材の材料としての利用が期待されている。
ところで、発熱性素子として例えば半導体素子を冷却する冷却装置には、高い冷却性能を得るために高い熱伝導性が要求される。そこで、冷却装置を構成する部材の材料として金属-炭素粒子複合材を用いることが、特開2016-132113号公報(特許文献7)、特開2016-152241号公報(特許文献8)、特開2016-207799号公報(特許文献9)等に提案されている。
また、特開2012-222160号公報(特許文献10)は、発熱体モジュールの熱拡散板の材料として、互いに直交する三方向のうち二方向に高熱伝導性を有し、残りの一方向に低熱伝導性を有する配向性の高い炭素系材料を用いることを開示している。
このような冷却装置は、互いに積層状に接合一体化された複数の冷却装置構成部材を備えており、複数の構成部材として、セラミック材等からなる絶縁層と、絶縁層の上側に配置される上熱伝導部材(例:上配線層)と、絶縁層の下側に配置される下熱伝導部材(例:下配線層、緩衝層、冷却部材)とを含んでいる。すなわち、絶縁層は上熱伝導部材と下熱伝導部材との間に配置されている。発熱性素子は上熱伝導部材の上側に搭載される。
特許第5150905号公報 特許第5145591号公報 国際公開第2009/051094号 特開2015-25158号公報 特開2015-217655号公報 特開2017-88913号公報 特開2016-132113号公報 特開2016-152241号公報 特開2016-207799号公報 特開2012-222160号公報
このような積層構造を有する冷却装置に対して、近年、発熱性素子の高性能化及び発熱量の増加に伴い益々高い冷却性能が要求されてきている。
そこで本発明は、高い冷却性能を有する冷却装置を提供することを目的とする。本発明のその他の目的及び利点は、以下の好ましい実施形態から明らかにされるであろう。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 発熱性素子を冷却する冷却装置であって、
互いに積層状に接合一体化された複数の冷却装置構成部材を備え、
前記複数の構成部材として、絶縁層と、前記絶縁層の上側に配置される上熱伝導部材と、前記絶縁層の下側に配置される下熱伝導部材とを含み、
前記上熱伝導部材は、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが前記厚さ方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、
前記下熱伝導部材は、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが前記厚さ方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、
前記上熱伝導部材と前記下熱伝導部材は、前記上熱伝導部材の前記第1方向と前記下熱伝導部材の前記第1方向とが平面視において交差するように配置されている、冷却装置。
[2] 前記上熱伝導部材の厚さと前記下熱伝導部材の厚さが相異しており、
前記上熱伝導部材と前記下熱伝導部材のうち少なくとも厚い方の熱伝導部材は長手方向及び短手方向を有するとともに、前記厚い方の熱伝導部材の前記第1方向が前記厚い方の熱伝導部材の前記長手方向に向いている前項1記載の冷却装置。
[3] 前記厚い方の熱伝導部材は前記下熱伝導部材である前項2記載の冷却装置。
[4] 前記下熱伝導部材は長手方向及び短手方向を有するとともに、前記下熱伝導部材の前記第1方向が前記下熱伝導部材の前記長手方向に向いている前項1記載の冷却装置。
[5] 前記上熱伝導部材及び前記下熱伝導部材のうち少なくとも一つは、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した異方性粒子とを含む金属-異方性粒子複合材で形成されており、
前記異方性粒子は鱗片状黒鉛粒子及び炭素繊維の両方を含んでいる前項1~4のいずれかに記載の冷却装置。
[6] 前記複数の構成部材として、前記上熱伝導部材の上側に配置される上緩衝層を更に含み、
前記上熱伝導部材の平面方向の線膨張係数のうち最小の線膨張係数よりも、前記上緩衝層における、前記上熱伝導部材の前記最小線膨張係数の方向と同じ方向の線膨張係数の方が小さい前項1~5のいずれかに記載の冷却装置。
本発明は以下の効果を奏する。
前項1では、上熱伝導部材と下熱伝導部材が、上熱伝導部材の第1方向と下熱伝導部材の第1方向とが平面視において交差するように配置されることにより、発熱性素子の位置から冷却部材に向かう方向における冷却装置の熱伝導率が高くなる。これにより、高い冷却性能を有する冷却装置を提供できる。また、熱伝導部材に対して必ずしも複雑な加工を施すことを要せず、したがって冷却装置を安価に製造可能である。
前項2~4では、いずれも冷却装置の冷却性能の向上を図りうる。
前項5及び6では、いずれも冷却装置の冷却性能の向上を図りうるし、更に、冷却装置に発生する熱応力等の応力を緩和することができ、そのため冷却装置の信頼性の向上も図りうる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る冷却装置の概略斜視図である。 図2は、同冷却装置の概略正面図である。 図3は、異方性材の方位を説明する概略斜視図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る冷却装置の概略斜視図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る冷却装置の概略斜視図である。 図6は、本発明の第4実施形態に係る冷却装置の概略斜視図である。 図7は、冷却装置の冷却性能をシミュレーションにより評価するために用いた冷却装置の概略正面図である。 図8は、同冷却装置の概略平面図である。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1及び2に示すように、本発明の第1実施形態に係る冷却装置1は、発熱性素子8用のものであり、すなわち発熱性素子8を冷却するためのものである。発熱性素子8としては例えばパワー半導体素子(例:IGBT素子)等の半導体素子が挙げられる。
冷却装置1は、互いに積層状に接合一体化された複数の冷却装置構成部材を備えたものであり、具体的には、複数の構成部材として、絶縁層3と、絶縁層3の上側に配置された少なくとも一つの上熱伝導部材11と、絶縁層3の下側に配置された少なくとも一つの下熱伝導部材12とを備えている。
本第1実施形態では、上熱伝導部材11の数は一つであり、それは上配線層2である。下熱伝導部材12の数は複数であり、具体的には三つである。説明の便宜上、三つの下熱伝導部材12を上から下へ順に第1~第3下熱伝導部材とするとき、第1下熱伝導部材12は下配線層4、第2下熱伝導部材12は緩衝層5、及び、第3下熱伝導部材12は板状の冷却部材6である。そして、上配線層2、絶縁層3、下配線層4、緩衝層5及び冷却部材6が上から下へこの記載の順に積層された状態で所定の接合手段により接合一体化されており、これにより冷却装置1が形成されている。
接合手段は限定されるものではなく、ろう付け、クラッド圧延、焼結(例:放電プラズマ焼結)などが用いられる。
上配線層2(上熱伝導部材11)は上回路層とも呼ばれているものであり、その上面からなる平坦状の搭載面1aを有している。発熱性素子8はこの搭載面1aの略中央部にはんだ層9で接合される。はんだ層9はすず合金(Sn合金)等からなる。もし発熱性素子8が半導体素子である場合、半導体素子が上配線層2の搭載面1aに接合されることにより半導体素子モジュール10が形成される。
絶縁層3は電気絶縁性を有するものであり、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素、アルミナ等のセラミック材で形成されている。上配線層2は絶縁層3の上面に接合されている。
下配線層4(第1下熱伝導部材12)は下回路層とも呼ばれているものであり、絶縁層3の下面に接合されている。
緩衝層5(第2下熱伝導部材12)は冷却装置1に発生する熱応力等の応力を緩和するための層である。
冷却部材6(第3下熱伝導部材12)は、発熱性素子8を冷却するものであり、本第1実施形態では冷却部材6は冷却板である。
なお本発明では、冷却部材6は冷却板であることに限定されるものではなく、その他に例えば、発熱性素子8の熱を放散することで発熱性素子8を冷却する放熱部材(例:ヒートシンク、放熱板)であって良いし、熱拡散部材(例:熱拡散板)であっても良い。さらに本発明では、冷却部材6は、発熱性素子8から冷却部材6に伝導されてきた熱を冷却媒体に移動させることで発熱性素子8を冷却する液冷式又は空冷式のものであっても良い。冷却部材6が例えば液冷式のものである場合、一般に冷却部材6の内部には冷却媒体としての冷却液が流通する流路(図示せず)が設けられる。
冷却装置1では、発熱性素子8に発生した熱は発熱性素子8からはんだ層9、上配線層2、絶縁層3、下配線層4、緩衝層5及び冷却部材6に順次伝導し、その結果、発熱性素子8が冷却されてその温度が低下する。
図1及び2中の矢印X、Y及びZは、それぞれ、冷却装置1の各構成部材(上配線層2、絶縁層3、下配線層4、緩衝層5及び冷却部材6)の長手方向X、短手方向Y及び厚さ方向Zを示している。長手方向X、短手方向Y及び厚さ方向Zは例えば互いに直交している。なお、各構成部材の長手方向X、短手方向Y及び厚さ方向は、冷却装置1の長手方向、短手方向及び厚さ方向と一致している。
上配線層2は長手方向X及び短手方向Yを有するものであり、詳述すると上配線層2の平面視の形状は略長方形状である。さらに、上配線層2は熱伝導性に異方性を有する異方性材で形成されている。
絶縁層3は長手方向X及び短手方向Yを有するものであり、詳述すると絶縁層3の平面視の形状は略長方形状である。さらに、絶縁層3は上述したようにセラミック材で形成されており、熱伝導性に異方性を有していない。
下配線層4は長手方向X及び短手方向Yを有するものであり、詳述すると下配線層4の平面視の形状は上配線層2の平面視の形状と略同じ、即ち略長方形状である。さらに、下配線層4は熱伝導性に異方性を有する異方性材で形成されている。
緩衝層5は長手方向X及び短手方向Yを有するものであり、詳述すると緩衝層5の平面視の形状は上配線層2の平面視の形状と略同じ、即ち略長方形状である。さらに、本第1実施形態では、緩衝層5はアルミニウム、銅等の金属材で形成されており、熱伝導性に異方性を有していない。
冷却部材6は長手方向X及び短手方向Yを有するものであり、詳述すると冷却部材6の平面視の形状は上配線層2の平面視の形状と略同じ、即ち略長方形状である。さらに、本第1実施形態では、冷却部材6はアルミニウム、銅等の金属材で形成されており、熱伝導性に異方性を有していない。
上配線層2の長さ(即ち上配線層2の長手方向Xの長さ)及び幅(即ち上配線層2の短手方向Yの長さ)はそれぞれ絶縁層3の長さ及び幅よりも小さい。下配線層4の長さ及び幅はそれぞれ上配線層2の長さ及び幅と略等しい。緩衝層5の長さ及び幅はそれぞれ上配線層2の長さ及び幅と略等しい。冷却部材6の長さ及び幅はそれぞれ上配線層2の長さ及び幅よりも大きい。
そして、冷却装置1では、上配線層2、絶縁層3、下配線層4、緩衝層5及び冷却部材6は、平面視において、それぞれの長手方向X及び短手方向Yが互いに一致し且つそれぞれの中心位置も互いに一致するように積層されている。
上配線層2の厚さは限定されるものではなく、好ましくは0.1~2mmの範囲であることが良い。絶縁層3の厚さは限定されるものではなく、例えば0.1~2mmの範囲である。下配線層4の厚さは限定されるものではなく、好ましくは0.1~2mmの範囲であることが良い。緩衝層5の厚さは限定されるものではなく、好ましくは0.1~3mmの範囲であることが良い。冷却部材6の厚さは限定されるものではなく、好ましくは0.2~3mmの範囲であることが良い。
発熱性素子8は平面視略長方形状のものであり、例えば、平面視において、発熱性素子8の長手方向X及び短手方向Yが上配線層2の長手方向X及び短手方向Yと一致し且つ発熱性素子8の中心位置が上配線層2の搭載面1aの中心位置と一致するようにはんだ層9で接合されている。
次に、上配線層2及び下配線層4を形成する上述の異方性材について図3を参照して以下に説明する。
同図中の矢印a、b及びcは、異方性材20における互いに交差する三つの軸方向を示している。本第1実施形態では、a軸方向、b軸方向及びc軸方向は互いに直交している。
同図に示すように、異方性材20はa軸方向、b軸方向及びc軸方向のうちの二方向であるa軸方向及びb軸方向の熱伝導率が他の一方向であるc軸方向の熱伝導率よりも高いという異方性を有している。
すなわち、異方性材20のa軸方向、b軸方向及びc軸方向の熱伝導率をそれぞれka、kb及びkcとするとき、異方性材20の熱伝導率は「ka>kc」及び「kb>kc」という関係を満たしている。また、kaとkbは等しい(即ち「ka=kb」)。ただし本発明では、kaとkbは等しいことに限定されず相異していても良い。
したがって、異方性材20において、a軸方向とb軸方向とが作る面が異方性材20の高熱伝導面(ドットハッチングで示す)ABであり、高熱伝導面ABに平行な方向(a軸方向及びb軸方向を含む)が異方性材20の高熱伝導方向であり、高熱伝導面ABに垂直な方向であるc軸方向が異方性材20の低熱伝導方向である。
なお、同図中の符号「BC」は異方性材20におけるb軸方向とc軸方向とが作る面、符号「CA」は異方性材20におけるc軸方向とa軸方向とが作る面である。
異方性材20の高熱伝導面ABに平行な方向の熱伝導率(ka、kb)は限定されるものではなく、好ましくは400W/(m・K)以上であることが良い。また、異方性材20のc軸方向の熱伝導率kcは限定されるものではなく、好ましくは30W/(m・K)以上であることが良い。
異方性材20は、熱伝導性に上述したような異方性を有するものであれば限定されるものではなく、好ましくは、金属マトリックス(図示せず)と金属マトリックス中に分散した多数の異方性粒子(図示せず)とを含む金属-異方性粒子複合材からなるものであることが良い。この場合、熱伝導部材11、12の熱伝導率を確実に高めることができる。
異方性粒子は、熱伝導性に異方性を有するものであり、詳述すると例えば、粒子の厚さ方向の熱伝導率よりも当該粒子の平面方向の熱伝導率の方が高いという異方性を有するものである。なお、粒子の平面とは粒子の厚さ方向に垂直な面をいい、粒子の平面方向とは粒子の平面に平行な方向をいう。
異方性粒子としては炭素粒子、六方晶窒化ホウ素粒子(h-BN粒子)等が用いられる。炭素粒子としては鱗片状黒鉛粒子、炭素繊維等が用いられる。金属マトリックスの金属としてはアルミニウム、銅等が用いられる。金属-異方性粒子複合材では、一般に多数の異方性粒子は異方性材20の高熱伝導面方向に配向した状態で金属マトリックス中に分散している。異方性粒子が炭素粒子である場合、金属-異方性粒子複合材は金属-炭素粒子複合材とも呼ばれる。
炭素繊維としては繊維状の炭素粒子(例:短炭素繊維)を用いることができる。具体的には、炭素繊維として、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、気相成長炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる群より選択される一種又は二種以上が用いられる。二種以上が用いられる場合、当該二種以上が混合されて用いられることが好ましい。
異方性粒子の大きさは限定されるものではなく、例えば、異方性粒子の最長軸方向の平均長さは0.1μm~2mmである。
金属-異方性粒子複合材の製造方法は限定されるものではなく、例えば、溶湯撹拌法、粉末焼結法、粉末押出法、塗工+焼結法などが挙げられる。
溶湯撹拌法とは、溶融した金属(例:アルミニウム溶湯)に異方性粒子としての異方性粉末(例:鱗片状黒鉛粉末)を入れて撹拌混合し冷却凝固させる方法である。粉末焼結法とは、金属粉末(例:アルミニウム粉末)と異方性粒子としての異方性粉末(例:鱗片状黒鉛粉末)との混合物を加圧焼結する方法である。粉末押出法とは、金属粉末(例:アルミニウム粉末)と異方性粒子としての異方性粉末(例:鱗片状黒鉛粉末)との混合物を押出加工する方法である。塗工+焼結法とは、金属箔(例:アルミニウム箔)上に異方性粒子としての異方性粉末(例:鱗片状黒鉛粉末)を塗工して得られた塗工箔を複数積層して焼結一体化する方法である。
図1に示すように、本第1実施形態では、上配線層2は、異方性材20の高熱伝導面(二点鎖線で示す)ABが上配線層2の短手方向Y及び厚さ方向Zと略平行になるように異方性材20で形成されている。したがって、上配線層2の厚さ方向Zの熱伝導率と短手方向Yの熱伝導率は上配線層2の長手方向Xの熱伝導率よりも高い。
ここで、上配線層2の短手方向Yは、特許請求の範囲に記載された、上熱伝導部材の平面に沿う第1方向に対応しており、また上配線層2の長手方向Xは、特許請求の範囲に記載された、上熱伝導部材の厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向に対応している。
したがって、上配線層2の第1方向は上配線層2の短手方向Yに向いており、詳述すると上配線層2の第1方向は上配線層2の短手方向Yと一致している。上配線層2の第2方向は上配線層2の長手方向Xに向いており、詳述すると上配線層2の第2方向は上配線層2の長手方向Xと一致している。
下配線層4は、異方性材20の高熱伝導面(二点鎖線で示す)ABが下配線層4の厚さ方向Z及び長手方向Xと略平行になるように異方性材20で形成されている。したがって、下配線層4の厚さ方向Zの熱伝導率と長手方向Xの熱伝導率は下配線層4の短手方向Yの熱伝導率よりも高い。
ここで、下配線層4の長手方向Xは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の平面に沿う第1方向に対応しており、また下配線層4の短手方向Yは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向に対応している。
したがって、下配線層4の第1方向は下配線層4の長手方向Xに向いており、詳述すると下配線層4の第1方向は下配線層4の長手方向Xと一致している。下配線層4の第2方向は下配線層4の短手方向Yに向いており、詳述すると下配線層4の第2方向は下配線層4の短手方向Yと一致している。
さらに、上述したように上配線層2の第1方向が上配線層2の短手方向Yに向くとともに下配線層4の第1方向が下配線層4の長手方向Xに向いていることから、上配線層2と下配線層4は、上配線層2の第1方向と下配線層4の第1方向とが冷却装置1の平面視において交差(詳述すると直交)するように絶縁層3の上下両側に配置されている。
本第1実施形態の冷却装置1には次のような利点がある。
上配線層2の厚さ方向Zの熱伝導率と下配線層4の厚さ方向Zの熱伝導率がともに高いことにより、発熱性素子8の熱が冷却部材6に向かって迅速に伝導する。これにより、冷却装置1の冷却性能が高められている。
さらに、上配線層2と下配線層は4、上配線層2の第1方向(短手方向Y)と下配線層4の第1方向(長手方向X)とが平面視において交差(詳述すると直交)するように配置されていることにより、発熱性素子8の熱が発熱性素子8から冷却部材6に伝導する時に熱の拡散方向が変化する。そのため、熱は冷却装置1の平面方向に効果的に拡散される。これにより、冷却装置1の冷却性能が向上する。
さらに、上配線層2及び下配線層4のうち一方の配線層の第1方向がその長手方向Xに向いていることにより、発熱性素子8の熱は当該一方の配線層の平面方向に広く拡散される。これにより、冷却装置1の冷却性能が向上する。
さらに、上配線層2及び下配線層4のうち冷却装置1における発熱性素子8の熱の熱伝導方向において発熱性素子8の位置からより遠い位置に配置されている熱伝導部材は下配線層4であって、この下配線層4の第1方向がその長手方向Xに向いていることにより、上配線層2の第1方向がその長手方向Xに向いている場合に比べて冷却装置1の冷却性能が向上する。
したがって、冷却装置1は高い冷却性能を有している。
また、上配線層2及び下配線層4に対して必ずしも複雑な加工を施すことを要せず、したがって冷却装置1を安価に製造可能である。
ここで、冷却装置1において、上配線層2及び下配線層4のうち少なくとも一方は、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した異方性粒子とを含む金属-異方性粒子複合材で形成されており、異方性粒子は鱗片状黒鉛粒子及び炭素繊維の両方を含んでいることが好ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、金属-異方性粒子複合材の金属マトリックス中に鱗片状黒鉛粒子が分散している場合、当該複合材は高い熱伝導率を有する。さらに、複合材の金属マトリックス中に鱗片状黒鉛粒子だけではなく炭素繊維が分散している場合、当該複合材は高い熱伝導率を保持したままで当該複合材の線膨張係数を小さくできる。
したがって、複合材の金属マトリックス中に鱗片状黒鉛粒子と炭素繊維との両方が分散している場合、冷却装置1の冷却性能の向上を図りうるし、更に、冷却装置1に発生する熱応力等の応力を緩和することができ、そのため冷却装置1の信頼性(例:接合信頼性)の向上も図りうる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る冷却装置101を説明するための図である。同図において、上記第1実施形態の冷却装置1の要素と同じ作用を奏する要素には、冷却装置1の要素に付された符号に100を加算した符号が付されている。以下、本第2実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に以下に説明する。
本第2実施形態の冷却装置101では、下配線層104はアルミニウム、銅等の金属材で形成されており、熱伝導性に異方性を有していない。
緩衝層105は熱伝導性に異方性を有する異方性材で形成されている。詳述すると、緩衝層105は、異方性材(図3参照、符号20)の高熱伝導面ABが緩衝層105の厚さ方向Z及び長手方向Xと略平行になるように異方性材20で形成されている。したがって、緩衝層105の厚さ方向Zの熱伝導率と長手方向Xの熱伝導率は緩衝層105の短手方向Yの熱伝導率よりも高い。
また、緩衝層105の厚さは上配線層102の厚さよりも厚い。
ここで、緩衝層105の長手方向Xは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の平面に沿う第1方向に対応しており、また緩衝層105の短手方向Yは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向に対応している。
したがって、緩衝層105の第1方向は緩衝層105の長手方向Xに向いており、詳述すると緩衝層105の第1方向は緩衝層105の長手方向Xと一致している。緩衝層105の第2方向は緩衝層105の短手方向Yに向いており、詳述すると緩衝層105の第2方向は緩衝層105の短手方向Yと一致している。
さらに、上配線層102と緩衝層105は、上配線層102の第1方向(短手方向Y)と緩衝層105の第1方向(長手方向X)とが平面視において交差(詳述すると直交)するように絶縁層103の上下両側に配置されている。
本第2実施形態の冷却装置101によれば、緩衝層105の厚さが上配線層102の厚さよりも厚いことにより、発熱性素子8の熱は緩衝層105の平面方向により広く拡散される。これにより、冷却装置101の冷却性能が向上する。
したがって、冷却装置101は高い冷却性能を有している。
ここで、冷却装置101において、上配線層102及び緩衝層105のうち少なくとも一方は、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した異方性粒子とを含む金属-異方性粒子複合材で形成されており、異方性粒子は鱗片状黒鉛粒子及び炭素繊維の両方を含んでいることが好ましい。その理由は上述のとおりである。
図5は、本発明の第3実施形態に係る冷却装置201を説明するための図である。同図において、上記第1実施形態の冷却装置1の要素と同じ作用を奏する要素には、冷却装置1の要素に付された符号に200を加算した符号が付されている。以下、本第3実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に以下に説明する。
本第3実施形態の冷却装置201では、下配線層204はアルミニウム、銅等の金属材で形成されており、熱伝導性に異方性を有していない。
冷却部材206は熱伝導性に異方性を有する異方性材で形成されている。詳述すると、冷却部材206は、異方性材(図3参照、符号20)の高熱伝導面ABが冷却部材206の厚さ方向Z及び長手方向Xと略平行になるように異方性材20で形成されている。したがって、冷却部材206の厚さ方向Zの熱伝導率と長手方向Xの熱伝導率は冷却部材206の短手方向Yの熱伝導率よりも高い。
また、冷却部材206の厚さは上配線層202の厚さよりも厚い。
ここで、冷却部材206の長手方向Xは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の平面に沿う第1方向に対応しており、また冷却部材206の短手方向Yは、特許請求の範囲に記載された、下熱伝導部材の厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向に対応している。
したがって、冷却部材206の第1方向は冷却部材206の長手方向Xに向いており、詳述すると冷却部材206の第1方向は冷却部材206の長手方向Xと一致している。冷却部材206の第2方向は冷却部材206の短手方向Yに向いており、詳述すると冷却部材206の第2方向は冷却部材206の短手方向Yと一致している。
さらに、上配線層202と冷却部材206は、上配線層202の第1方向(短手方向Y)と冷却部材206の第1方向(長手方向X)とが平面視において交差(詳述すると直交)するように絶縁層203の上下両側に配置されている。
本第3実施形態の冷却装置201によれば、冷却部材206の厚さが上配線層202の厚さよりも厚いことにより、発熱性素子8の熱は冷却部材206の平面方向により広く拡散される。これにより、冷却装置201の冷却性能が向上する。
したがって、冷却装置201は高い冷却性能を有している。
ここで、冷却装置201において、上配線層202及び冷却部材206のうち少なくとも一方は、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した異方性粒子とを含む金属-異方性粒子複合材で形成されており、異方性粒子は鱗片状黒鉛粒子及び炭素繊維の両方を含んでいることが好ましい。その理由は上述のとおりである。
図6は、本発明の第4実施形態に係る冷却装置301を説明するための図である。同図において、上記第1実施形態の冷却装置1の要素と同じ作用を奏する要素には、冷却装置1の要素に付された符号に300を加算した符号が付されている。以下、本第4実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に以下に説明する。
本第4実施形態の冷却装置301は、複数の冷却装置構成部材として、上配線層302の上側に配置される上緩衝層307を更に含んでいる。
上緩衝層307は、冷却装置301に発生する熱応力等の応力を緩和するための層であり、上配線層302に対して上側に積層された状態で上配線層302に接合されている。
上緩衝層307の厚さは下配線層302の厚さよりも薄い。上緩衝層307はその上面からなる搭載面301aを有している。
さらに、上配線層302の平面方向の線膨張係数のうち最小の線膨張係数よりも、上緩衝層307における、上配線層302の最小線膨張係数の方向と同じ方向の線膨張係数の方が小さくなっている。
ここで、上述の線膨張係数とは25~300℃の範囲における平均線膨張係数を意味している。
本第4実施形態の冷却装置301によれば、上配線層302の上側に上緩衝層307が配置されているので、冷却装置301に発生する熱応力等の応力を緩和することができ、そのため冷却装置301の信頼性(例:接合信頼性)の向上を図りうる。
上緩衝層307の材料は限定されるものではなく、特に、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した炭素繊維とを含む金属-炭素繊維複合材であることが好ましい。この場合、上緩衝層307の線膨張係数を確実に小さくすることができる。
ここで、本発明に係る冷却装置では、上緩衝層307は、上記第2実施形態の冷却装置101の上配線層102の上側に配置されていてもよいし、上記第3実施形態の冷却装置201の上配線層202の上側に配置されていてもよい。
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
また、上記第1~第4実施形態では、絶縁層の下側に下配線層、緩衝層及び冷却部材が配置されているが、本発明では、その他に例えば、絶縁層の下側に緩衝層が配置されていなくても良いし、絶縁層の下側に下配線層が配置されていなくても良い。
さらに、本発明では、上熱伝導部材の数が複数であって当該複数の上熱伝導部材のうち二つ以上が、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、これらの上熱伝導部材と下熱伝導部材が、これらの上熱伝導部材の第1方向と下熱伝導部材の第1方向とが平面視において交差するように配置されていても良い。
さらに、本発明では、下熱伝導部材の数が複数であって当該複数の下熱伝導部材のうち二つ以上が、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが厚さ方向及び第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、上熱伝導部材とこれらの下熱伝導部材が、上熱伝導部材の第1方向とこれらの下熱伝導部材の第1方向とが平面視において交差するように配置されていても良い。
[冷却装置の冷却性能の評価]
次に、本発明に係る冷却装置の冷却性能を評価するため、冷却装置の上配線層の搭載面に搭載された発熱性素子の最高温度を様々な条件でシミュレーションにより調べた。
シミュレーションに用いたソフトウェアはMentor Graphics Corporation社製の熱流体解析ソフトウェア「FloTHERM」である。
このシミュレーションでそのモデルとして用いた冷却装置501を図7及び8に示す。これらの図に示すように、冷却装置501は、上から下へ順に上配線層502、絶縁層503、下配線層504、緩衝層505及び冷却部材506が積層された状態でこれらが接合一体化されて形成されたものである。冷却部材506は具体的には冷却板である。上配線層502は上熱伝導部材511に対応し、下配線層504、緩衝層505及び冷却部材506はいずれも下熱伝導部材512に対応している。
冷却装置501において、上配線層502、絶縁層503、下配線層504、緩衝層505及び冷却部材506は、それぞれ平面視略長方形状のものであり、図8に示すように、平面視において、それぞれの長手方向X及び短手方向Yが互いに一致し且つそれぞれの中心位置も互いに一致するように積層されている。なお、図8には冷却部材506は図示されていない。
発熱性素子508は平面視略長方形状のものであり、平面視において、発熱性素子508の長手方向X及び短手方向Yが上配線層502の長手方向X及び短手方向Yと一致し且つ発熱性素子508の中心位置が上配線層502の搭載面501aの中心位置と一致するようにはんだ層509で接合されている。
シミュレーションに適用した冷却装置501の各構成部材の条件を表1に示す。
Figure 0007201658000001
表1に示すように、発熱性素子508の熱伝導率を温度t(単位:℃)に依存するように設定した。また、上配線層502の厚さを0.4、0.6及び1.0mmの三種類に設定した。
なお、上配線層502、下配線層504及び緩衝層505の熱伝導率欄において、「kab」は異方性材(図3参照、符号20)の高熱伝導面ABに平行な方向の熱伝導率であり、「kc」は異方性材20の低熱伝導方向であるc軸方向の熱伝導率である。異方性材の高熱伝導面ABは上述したように異方性材のa軸方向とb軸方向とで作る面であり、a軸方向の熱伝導率kaとb軸方向の熱伝導率kbとは等しいと設定した。
また、冷却装置501の周囲には熱伝導率が3W/(m・K)の封止材(図示せず)が充填されていると設定した。発熱性素子508は発熱性素子508の上面で均一に発熱すると仮定し、発熱性素子508の上面に熱源128.65Wを設定した。この熱は、発熱性素子508から、はんだ層509、上配線層502、絶縁層503、下配線層504及び緩衝層505を順に伝導する過程を経て、最終的に冷却部材506から放熱される。そこで、冷却部材506の底面に熱伝達係数15000W/(m・K)を設定することで、上述の熱伝導過程を模した。そして、初期温度として環境温度を25℃に設定し、冷却装置501の温度変化が定常状態になった時の発熱性素子508の最高温度を、発熱性素子508の最高温度とした。
<シミュレーション例1>
冷却装置501の複数の熱伝導部材(即ち上配線層502、下配線層504、緩衝層505及び冷却部材506)のうち材料及び厚さを変更する熱伝導部材を上配線層502だけに設定し、更に、下配線層504の厚さを0.6mm、下配線層504の材料を純アルミニウム(純Al)、緩衝層505の厚さを1.2mm及び緩衝層505の材料を純アルミニウム(純Al)に設定した。また、熱伝導部材の材料が純アルミニウムである場合、当該熱伝導部材は熱伝導性に異方性を有していないものと設定した。そして、上配線層502の材料として純アルミニウムと異方性材を用いた場合の発熱性素子508の最高温度をシミュレーションにより調べた。その結果(発熱性素子508の最高温度)を表2に示す。
Figure 0007201658000002
表2において、「純Al」とは上配線層502の材料が純アルミニウムであることを意味している。「異方性材(ZX)」とは上配線層502の材料が異方性材であって異方性材の高熱伝導面が上配線層502の厚さ方向Z及び長手方向Xと平行になるように上配線層502が異方性材で形成されていること、すなわち上配線層502の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xであることを意味している。「異方性材(YZ)」とは上配線層502の材料が異方性材であって異方性材の高熱伝導面が上配線層502の短手方向Y及び厚さ方向Zと平行になるように上配線層502が異方性材で形成されていること、すなわち上配線層502の高熱伝導方向が短手方向Y及び厚さ方向Zであることを意味している。
なお、以下の表3~5中の「純Al」、「異方性材(ZX)」及び「異方性材(YZ)」の意味も上記と同様である。
さらに、表2において、「厚さ0.4mm」、「厚さ0.6mm」及び「厚さ1.0mm」とはそれぞれ上配線層502の厚さである。
表2から分かるように、熱伝導部材としての上配線層502の厚さが0.4、0.6及び1.0mmのどの場合でも、上配線層502の材料が異方性材である場合の方が上配線層502の材料が純アルミニウムである場合よりも発熱性素子508の最高温度が低かった。また、上配線層502の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合の方が上配線層502の高熱伝導方向が短手方向Y及び厚さ方向Zである場合よりも発熱性素子508の最高温度が低かった。また、上配線層502が厚い方が発熱性素子508の最高温度が低かった。
したがって、冷却装置501の冷却性能を高くするためには、熱伝導部材の材料が異方性材であって熱伝導部材の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xであること、及び、熱伝導部材が厚い方が良いことが分かった。
<シミュレーション例2>
上配線層502の厚さを0.6mm、下配線層504の厚さを0.6mm、緩衝層505の厚さを1.2mm及び緩衝層505の材料を純アルミニウムに設定し、上配線層502及び下配線層504の材料として純アルミニウムと異方性材を用いた場合の発熱性素子508の最高温度をシミュレーションにより調べた。その結果を表3に示す。
Figure 0007201658000003
表3から分かるように、発熱性素子508の最高温度が最も低いのは、上配線層502の材料が異方性材であって上配線層502の高熱伝導方向が短手方向Y及び厚さ方向Zであり且つ下配線層504の材料が異方性材であって下配線層504の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合であった。また、この場合の発熱性素子508の最高温度は76.87℃であった。
この結果は、冷却装置501の平面視において上熱伝導部材511の高熱伝導方向と下熱伝導部材512の高熱伝導方向とが相異(交差)している場合の方が上熱伝導部材511の高熱伝導方向と下熱伝導部材512の高熱伝導方向とが一致(平行)している場合よりも冷却装置501の冷却性能が向上すること、及び、下熱伝導部材512の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合の方が上熱伝導部材511の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合よりも冷却装置501の冷却性能が向上することを示している。
<シミュレーション例3>
上配線層502の厚さを0.6mm、上配線層502の材料を純アルミニウム、下配線層504の厚さを0.6mm及び緩衝層505の厚さを1.2mmに設定し、下配線層504及び緩衝層505の材料として純アルミニウムと異方性材を用いた場合の発熱性素子508の最高温度をシミュレーションにより調べた。その結果を表4に示す。
Figure 0007201658000004
表4から分かるように、発熱性素子508の最高温度が最も低いのは、下配線層504の材料が異方性材であって下配線層504の高熱伝導方向が短手方向Y及び厚さ方向Zであり且つ緩衝層505の材料が異方性材であって緩衝層505の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合であった。また、この場合の発熱性素子508の最高温度は77.73℃であった。
さらに、この最高温度77.73℃は上記シミュレーション例2の場合における最も低い発熱性素子508の最高温度76.87℃よりも高い。したがって、二つの熱伝導部材の材料としてそれぞれ異方性材を用いる場合において、当該二つの熱伝導部材の間に絶縁層503を配置する場合(即ちシミュレーション例2の場合)の方が当該二つの熱伝導部材の上側又は下側に絶縁層503を配置する場合(即ちシミュレーション例3の場合)よりも冷却装置501の冷却性能が向上すると推測される。
<シミュレーション例4>
上配線層502の厚さを0.6mm、下配線層504の厚さを0.6mm、下配線層504の材料を純アルミニウム及び緩衝層505の厚さを1.2mmに設定し、上配線層502及び緩衝層505の材料として純アルミニウムと異方性材を用いた場合の発熱性素子508の最高温度をシミュレーションにより調べた。その結果を表5に示す。
Figure 0007201658000005
表5から分かるように、発熱性素子508の最高温度が最も低いのは、上配線層502の材料が異方性材であって上配線層502の高熱伝導方向が短手方向Y及び厚さ方向Zであり且つ緩衝層505の材料が異方性材であって緩衝層505の高熱伝導方向が厚さ方向Z及び長手方向Xである場合であった。また、この場合の発熱性素子508の最高温度は76.30℃であった。
さらに、この最高温度76.30℃は上記シミュレーション例2の場合における最も低い発熱性素子508の最高温度76.87℃よりも低い。したがって、厚い熱伝導部材の材料として異方性材を用いる場合(即ちシミュレーション例4の場合)の方が薄い熱伝導部材の材料として異方性材を用いる場合(即ちシミュレーション例2の場合)よりも冷却装置501の冷却性能が向上すると推測される。
本願は、2018年2月16日付で出願された日本国特許出願の特願2018-025867号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載したが、本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではなく、この開示に基づいていわゆる当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態をも包含するものである。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施例に限定されるべきではなく、そのような実施例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「preferably」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
本発明は、電子素子(例:半導体素子)等の発熱性素子を冷却する冷却装置に利用可能である。
1、101、201、301:冷却装置
2、102、202、302:上配線層
3、103、203、303:絶縁層
4、104、204、304:下配線層
5、105、205、305:緩衝層
6、106、206、306:冷却部材
307:上緩衝層
8、108、208、308:発熱性素子
11、111、211、311:上熱伝導部材
12、112、212、312:下熱伝導部材

Claims (4)

  1. 発熱性素子を冷却する冷却装置であって、
    互いに積層状に接合一体化された複数の冷却装置構成部材を備え、
    前記複数の構成部材として、絶縁層と、前記絶縁層の上側に配置される上熱伝導部材と、前記絶縁層の下側に配置される下熱伝導部材とを含み、
    前記上熱伝導部材は、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが前記厚さ方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、
    前記下熱伝導部材は、厚さ方向の熱伝導率と平面に沿う第1方向の熱伝導率とが前記厚さ方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高いものであり、
    前記上熱伝導部材と前記下熱伝導部材は、前記上熱伝導部材の前記第1方向と前記下熱伝導部材の前記第1方向とが平面視において交差するように配置されており、
    前記上熱伝導部材の厚さと前記下熱伝導部材の厚さが相異しており、
    前記上熱伝導部材と前記下熱伝導部材のうち少なくとも厚い方の熱伝導部材は長手方向及び短手方向を有するとともに、前記厚い方の熱伝導部材の前記第1方向が前記厚い方の熱伝導部材の前記長手方向に向いている冷却装置。
  2. 前記厚い方の熱伝導部材は前記下熱伝導部材である請求項記載の冷却装置。
  3. 前記上熱伝導部材及び前記下熱伝導部材のうち少なくとも一つは、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した異方性粒子とを含む金属-異方性粒子複合材で形成されており、
    前記異方性粒子は鱗片状黒鉛粒子及び炭素繊維の両方を含んでいる請求項1又は2記載の冷却装置。
  4. 前記複数の構成部材として、前記上熱伝導部材の上側に配置される上緩衝層を更に含み、
    前記上熱伝導部材の平面方向の線膨張係数のうち最小の線膨張係数よりも、前記上緩衝層における、前記上熱伝導部材の前記最小線膨張係数の方向と同じ方向の線膨張係数の方が小さい請求項1~のいずれかに記載の冷却装置。
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