JP2010129806A - 電力用半導体装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で冷却性能に優れた電力用半導体装置を提供する。
【解決手段】電力用の半導体素子43又は電力用の半導体モジュール13を冷却できる電力用半導体装置11であって、使用時に発熱する電力用の半導体素子43と、半導体素子43と接触する伝熱性のモジュール基板41とを有する電力用の半導体モジュール13と、モジュール基板41に熱伝導可能に固定された伝熱性の伝熱板15と、伝熱板15を挟持する溝部20を有し、伝熱板15から伝わる熱を放散する放熱板23とを備え、各溝部20は、側壁の少なくとも一方が伝熱板15とともに塑性変形をして接触する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電力用半導体装置に関し、特に、電力用の半導体素子又は電力用の半導体モジュールを冷却できる装置に関する。
電力用半導体装置は、鉄道車両、ハイブリッドカー、電気自動車等の車両、家電機器、産業用機械等において、比較的大きな電力を制御、整流するために利用されている。電力用半導体装置を使用する場合、通電、スイッチング等に伴って半導体素子に電力損失が生じる。電力損失は、半導体素子の発熱を引き起こす。半導体素子は、動作温度を超えると、破壊されて機能しなくなる。そのため、半導体素子を冷却する技術は、電力用半導体装置を利用するために重要な技術要素である。特に、電力用半導体装置が制御等する電力が大きくなる程、半導体素子の発熱は大きくなり、半導体素子を冷却する技術はより重要になる。
従来、電力用の半導体素子を含む半導体モジュールを冷却するための冷却部を備える電力用半導体装置が提案されている。特許文献1には、モールド樹脂でカバーされたモールド面と、これに対向する放熱面とを有する少なくとも一対のパワーモジュールと、パワーモジュールのそれぞれのモールド面が互いに当接し、放熱面が当接するようにパワーモジュールを挟持する一対の冷却フィンとを備える電力用半導体装置が記載されている。
また、特許文献2には、U字状フィンまたはコルゲート状フィンの折り曲げ部をベースプレートのフィン取り付け面に設けられた溝部に配し、折り曲げ部の内側に金属部材を配して、その金属部材を塑性変形させることによって、折り曲げ部を溝部にかしめて固定するヒートシンクが記載されている。
特開2006−190972号公報 特開2002−172447号公報
電力用半導体装置を利用する場合、それを取り付けるためのスペースは限られている。例えば自動車等の車両の場合、比較的狭く限定されたスペースに、電力用半導体装置を含む種々の装置を搭載する必要がある。そのため、電力用半導体装置を取り付けるためのスペースも狭くなる。例えば、エンジンのみを動力とする自動車の構造設計を基本としてモーター駆動装置を追加したハイブリッド型自動車の場合、電力用半導体装置を容易に車両に搭載するためには、補機バッテリーを搭載する場所をエンジンルームから移し、空いた領域に電力用半導体装置を収納する方法がある。従って、電力用半導体装置は補機バッテリーの容積に収まる大きさであることが望ましい。そのため、より小型で冷却性能に優れた電力用半導体装置の提供が課題になっている。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するため、小型で冷却性能に優れた電力用半導体装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の電力用半導体装置は、電力用の半導体素子又は電力用の半導体モジュールを冷却できる電力用半導体装置であって、使用時に発熱する電力用の半導体素子と、上記半導体素子と接触する伝熱性のモジュール基板とを有する電力用の半導体モジュールと、上記モジュール基板に熱伝導可能に固定された伝熱性の伝熱板と、上記伝熱板を挟持する溝部を有し、伝熱板から伝わる熱を放散する放熱板とを備え、上記溝部は、側壁の少なくとも一方が上記伝熱板とともに塑性変形をして接触する。
本発明によると、放熱板と伝熱板とは、互いに塑性変形した部分で接触する。一般に、塑性変形を伴う接触の場合、塑性変形を伴わない接触の場合に比べて、その接触部分での伝熱効率が飛躍的に向上する。従って、伝熱板から放熱板への伝熱効率が向上し、その結果、小型で冷却性能に優れた電力用半導体装置を実現することが可能になる。
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。全図を通して同一の部位には同一の符号を付す。
(実施の形態)
図1から図3は、本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置を示す。図1は、実施の形態1の電力用半導体装置の一部を切り欠いて示す斜視図であり、図2は、同装置の側方断面図であり、図3は、同装置の平面図である。
電力用半導体装置11は、比較的大きな電力を制御、整流するための装置であり、半導体モジュール13と、伝熱板15と、放熱板16と、冷却部27とを備える。
半導体モジュール13は、それぞれ、電力用の半導体素子43と、半導体素子43及び内部配線45を支持するモジュール基板41と、外部配線に接続するための端子49とを有する。半導体素子43と内部配線45とモジュール基板41とは、樹脂47によってモールドされている。樹脂47の材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シリコンゲル、シリコンゴム等から適宜選択される。ゲルやゴムを流し込んで熱硬化させる場合は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)を成型した、モジュール形状を規定するための枠を用いる。樹脂モールドによって、半導体モジュール13の内部は、外気、水分、油分、塵埃等の外部環境から保護される他、電気的に絶縁されて電気的に保護されるとともに、機械的な負荷及び衝撃から保護される。
モジュール基板41は、伝熱性と電気的な絶縁性とを備える薄板である。モジュール基板41の材料は、例えば窒化物又は酸化物である。モジュール基板41の全部又は一部は、樹脂モールドされておらず、半導体モジュール13の外壁の一部を形成する。また、モジュール基板41は半導体素子43と接触している。このような構成によって、半導体素子43が発生させる熱は、モジュール基板41を介して外部に伝達される。
端子49は、放熱板16の反対側の半導体モジュール13に設けられる。そのため、端子49は、モジュール基板41を挟んで放熱板16とは反対側にのみ配置され、電力用半導体装置11において、端子49に接続する配線側と放熱側とが明確に分離される。その結果、装置全体の構造を簡略化することができ、装置の小型化が可能になる。
端子49は、半導体素子43から電気的に接続される配線の端部である引出端子51と、外部配線を接続するための接続用端子53とを有する。引出端子51と接続用端子53とは、100A程度の大電力を制御するために、機械的な強度と、高温でもクリープを起こしにくい安定性と、小さい抵抗とが実現できるように接続されている。引出端子51と接続用端子53とは、例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接により接続される。TIG溶接は、非消耗電極方式のアーク溶接法の1つである。
伝熱板15は、銅、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属又はそれらを主成分とする合金を用いて作られた、伝熱性を有する四角形の金属板である。伝熱板15は、モジュール基板41が取り付けられるモジュール取付部と、放熱板16に固定される固定部とを含む。
伝熱板15のモジュール取付部には、電力モジュール13のモジュール基板41が固定される。この固定には、はんだ等のロウ材、接着剤等が用いられる。熱伝導率を向上させるために銀等を含むものが用いてもよい。このように、電力モジュール13はロウ材、接着剤等を用いて伝熱板15に固着されるため、従来のように半導体モジュールを挟持する場合に比べると、電力モジュール13に外圧等の負荷はほとんど掛からない。そのため、半導体モジュールの機械的強度は弱くても構わず、半導体モジュール13小型化や軽量化が可能になる。
伝熱板15の固定部は、伝熱板15の一端面である底面及びその近傍の一定幅の帯状部分であり、後述する放熱板16の溝部20に挟持される部分である。
放熱板16は、半導体素子43から伝熱板15を介して伝わる熱を、水や空気等の冷媒中に放散する金属板である。放熱板16の材料は、銅、アルミニウム等の金属及びそれらを用いた合金等の伝熱性を有するものであり、熱伝導率が高いものが好ましい。
放熱板16は、四角形の平板部17と、フィン25とを有する。平板部17は、互いに対向する表裏の関係にある取付面18と放熱面23とを有する。取付面18は、複数の伝熱板15が取り付けられる面であり、放熱面23は、熱を放散する面である。
放熱板16の取付面18は、平行な複数の溝を形成する複数の溝部20を有する。各溝部20は、各伝熱板15の固定部を挟持し、これによって、各伝熱板15が放熱板16に伝熱可能に立設される。隣接する溝部20の間隔は、半導体モジュール13の厚さに応じて、適宜決定される。これにより、複数の伝熱板15を取付面18に並べて立設することが可能になる。そのため、放熱板16に半導体モジュール13を高密度で取り付けることができ、電力用半導体装置11の小型化が可能になる。
さらに、放熱板16の取付面18は、図2及び図3に示すように、各溝部20の長さ方向に沿って、複数の窪み部22と、複数の塑性変形部24とを有する。
窪み部22はそれぞれ、パンチを上方から没入させることによって形成された窪みを有し、溝部20の開口が有する長辺の一方から一定の距離だけ離れた位置に、一定の間隔で形成される。本実施の形態において、窪み部22を上方から見た場合、その形状は、長方形である。各窪み部22が有する窪みの深さ、間隔、位置等は、良好な熱伝達と堅固な固定が可能になるように決定され、これらは、必ずしも一定でなくてもよい。例えば、窪み毎にその深さや溝に対する窪みの位置が異なってもよい。また、窪みの間隔が、一定でなくてもよい。
塑性変形部24は、パンチを上方から没入させることによって、窪み部22から溝部20の溝の中へ突き出すように塑性変形した部分である。塑性変形部24の一部は、伝熱板15の固定部に食い込んでいる。従って、塑性変形部24と接触する伝熱板15の固定部も塑性変形している。
伝熱板15と放熱板16との接触部分は、伝熱板15から放熱板16への主たる熱伝導路である。上述のように伝熱板15と放熱板16との接触部分は、両者の塑性変形を伴って形成される。一般に、塑性変形を伴う接触の場合、塑性変形を伴わない接触の場合と比較して、接触部分の伝熱抵抗は著しく小さくなる。この現象の原因は、塑性変形を伴う接触の場合、接触面の微小な凹凸によるすき間が減少すること、密着した接触面の間では電子が自由に移動できるようになること等であると考えられる。このような現象によって、伝熱板15と放熱板16との間の伝熱抵抗が著しく小さくなり、その結果、伝熱効率を飛躍的に向上させることが可能になる。
また、溝部20の壁部は、その開口側に塑性変形部24を有する一方、その底部側に塑性変形しない部分を有する。そのため、塑性変形部24は伝熱板15の上方向及び左右方向の移動を係止することができ、伝熱板15を堅固に固定するアンカー効果が得られる。車載用途等の振動環境下の使用においても安定した特性を維持することが可能になる。
また、上述のような堅固な固定と優れた伝熱効率とは、放熱板16にパンチを没入させて、窪み部22を形成するという簡単な工程で実現できる。そのため、固定に要する時間を短くすることができ、電力用半導体装置の生産効率を向上させることが可能になる。
放熱板16の放熱面23は、冷媒としての水が内部を流れる冷却部27の上部を画するものであり、冷却部27の中へ突き出た複数のフィン25を有する。冷却部27の中を流れる水は、流入管31から流入して、隔壁32で画された内部流路29及び配管35により形成される一連の流路を通過して、排水管33から排水される。内部流路29には上記フィン25の表面が冷媒に曝されるように配置されているため、冷媒との熱交換が促進され、効率的な放熱が可能になる。
このように、半導体素子とモジュール基板41、モジュール基板41と伝熱板15、伝熱板15と放熱板16が、それぞれ伝熱可能に接続されている。そのため、半導体素子の熱は放熱板16の放熱面から放熱される。従って、半導体素子の温度上昇を抑えることができ、半導体素子ないし電力用半導体装置の本来の機能を持続して発揮させることができる。
この構造は半導体モジュール13を接近して配列し、全体を小型化出来るメリットがある。例えばSiCベースの化合物半導体素子の機能を維持するために十分な熱を伝熱板15から放熱板16に伝えることができる。SiCベースの化合物半導体デバイスでは、オン抵抗がSi半導体デバイスより1/2〜1/5程度と低い。電力損失もオン抵抗に比例して1/2〜1/5程度になる。具体的には、SiのIGBTのオン抵抗が20mΩ・cm程度であるのに対し、SiCのMOSFETでは、3〜10mΩ・cm程度のオン抵抗である。又、SiCベースの半導体素子は、動作温度の上限が300℃程度ときわめて高く、Siに比べて温度上昇に対する制約が緩やかである。従って、塑性変形を利用して伝熱板15を放熱板16に固定する上述の方法は、SiCデバイスを用いた半導体装置に適用できる。
上記特性から、SiCベースの化合物半導体素子を実装する場合は、半導体チップ間の熱干渉による制約も小さいため、チップ間の距離を小さくとって、モジュール寸法を極小化することが可能であり、本方式のメリットをさらに享受することが出来る。
また、溝部20の底部近傍の塑性変形をしない部分と伝熱板15との間に生じるすき間に、はんだ等のロウ材、接着剤等を充填してもよい。これにより、固定がより強固になるだけでなく、充填材を介して熱が伝わるため、伝熱板15から放熱板16へ伝わる熱量をさらに増加させることができる。接着剤を用いる場合には、より熱伝導率を向上させるために、銀粒子を多く含有するものを利用することが好ましい。例えば、熱伝導率が30W/m・Kより高い接着剤を用いて、60mm程度の面積で接続した場合、接続部分での熱抵抗は、0.3℃/W以下になる。例えば、半導体素子がSiベースのIGBTとダイオードで構成されている場合、ピーク電流75A、キャリア周波数3kHzで150Wの損失があるとすると、接続部分の熱抵抗が0.3℃/Wであるならば、温度上昇は45℃となる。Siベースの半導体素子の一般的な動作温度上限は150℃程度であるため、適切な冷却部を前提とすれば、接続部以外の部材の熱抵抗を考慮しても、動作温度の範囲を超えない設計を行うことは容易である。従って、本発明によれば、大電流容量のSiベースの半導体素子を動作させることができる小型の電力用半導体装置を提供することが可能になる。
これまで、電力用半導体装置11の構成について説明した。ここから、電力用半導体装置11の製造方法、特に伝熱板15を放熱板16に固定する方法について、図を参照して説明する。
図4は、パンチ63が放熱板16を押圧する前の状態を側方から示す断面図であり、図5は、パンチ63が放熱板16を押圧した状態を側方から示す断面図である。パンチ63は、放熱板16よりも硬い材料を用いたものを使用する。また、本実施の形態に係るパンチ63の先端の横断面の形状は、窪み部22を上方から見た形状に対応した、長方形である。
図4に示すように、伝熱板15が、取付面18に対してほぼ垂直に起立した状態で、載置台61の上に載置された放熱板16の溝部20の中に挿入される。この状態で、上方から伝熱板15と平行な方向(図4の矢印64の方向)にパンチ63を下方へ移動させる。下方へ移動したパンチ63の先端は、放熱板16の取付面18に当接する(図示せず)。
さらにパンチ63を下方へ移動させると、パンチ63が放熱板16よりも硬い材料からなるため、パンチ63の先端は、放熱板16の取付面18の下方に没入する。パンチ63が放熱板16に没入すると、放熱板16のパンチ63の周辺部分が押圧され、パンチ63が押圧する部分と溝部20の上部開口との間が、溝部20の中へ突き出すように塑性変形する。
さらに、パンチ63が深く没入するに従って、塑性変形した部分は、開口近傍から次第に溝部20の底部側へと広がりながら、伝熱板5の方へ伸びる。やがて、塑性変形した部分は、伝熱板15に当接して、伝熱板15の固定部の側面に食い込む。
パンチ63は、図5に示すような塑性変形部24が形成されるまで没入する。同図の塑性変形部24は、伝熱板の固定部の側面に食い込んでおり、かつ、溝部20の底部近傍に塑性変形しない部分が残る大きさである。パンチ63の形状及びそれを没入させる条件、例えばパンチ63の先端の大きさや、1つの溝部20当たりに押圧するパンチの数、パンチを押圧する溝部20に対する位置、パンチを没入させる深さ等は、溝部20の幅、溝部20の深さ、伝熱板15の厚み等を考慮して、望ましいアンカー効果と熱伝達が達成できるように決定される。
ここで、パンチ63の押し込み圧力と、パンチ63を放熱板16に没入させる深さ(以下、「没入深さ」という。)と、実質的に熱伝導路となる接触部分の面積(以下、「実効接触面積」という。)との関係について、説明する。
没入深さは、パンチの押し込み圧力との関係で決まる。具体的には、パンチの押し込み圧力が一定以上であって、放熱板16の変位が閾値を超える場合、没入深さは、指数関数的に増加する。また、没入深さは、実効接触面積に影響する。具体的には、没入深さが第1閾値を超えると、伝熱板15と放熱板16とが接触する。そして、没入深さが深くなるにつれて実効接触面積は次第に大きくなるが、没入深さが(第1閾値より大きい)第2閾値にまでなると、実効接触面積の増加は、急激に逓減する。ここで、第1閾値は、塑性変形部24が溝部20と伝熱板15とのすき間と同じだけ突き出す没入深さである。
このような、パンチ63の押し込み圧力と実効接触面積との関係の概要を図6に示す。同図の実効接触面積は、伝熱板15から放熱板16へ伝わる熱量を測定することによって算出されたものである。図6では、第1閾値に対応する押し込み圧力が500MPaである例を示す。
例えば、放熱板16の材料がJIS番号A5052等のアルミ合金であり、パンチの断面積が1〜5mm、溝部20と伝熱板15とのすき間が0.05mm〜0.20mmの条件である場合、押し込み圧力300〜500MPa以上で固定が可能であり、望ましい押し込み圧力は、700MPa以上である。押し込み圧力の上限は、工具鋼材料の特性から、約1000〜1500MPaである。工具鋼材料の特性に基づく制約のため、伝熱板15は、望ましくは、少なくとも固定部の塑性変形する部分において、銅、アルミ等、引張強さが350MPa以下の軟質材料を用いて作られる。
銅を外面部分に用いたクラッド材の場合、上記の適切な条件にて100μm程度の食い込み深さが見込まれる。そのため、固定部の塑性変形する部分の銅の厚みは、少なくとも100μm以上であり、望ましくは150μm以上である。溝部20の深さは、深い程、大きい塑性変形部24が形成されるため、より大きなアンカー効果を得ることができる。そのため、上記の溝部20と伝熱板15とのすき間が0.05mm〜0.20mmの条件において、好ましい溝部20の深さは、1.5〜3.0mmである。アンカー効果を十分に発揮するために、溝部20の幅と深さのアスペクト比が、幅1.0に対して深さ1.3以上であることが望ましい。
最後に、パンチ63を上方に引き上げることによって、伝熱板15の放熱板16への固定は完了する。この固定方法を実行することによって、伝熱板15の取付面18に、パンチ63が没入した痕である窪み部22が形成されるとともに、塑性変形部24が形成され、その結果、堅固にかつ良好に熱伝達できるように、伝熱板15が放熱板16に固定される。
ここで、電力用半導体装置11は、複数の塑性変形部24を備えるが、複数の塑性変形部24は、1つ又は複数のパンチ63を用いて上述の固定方法を複数回繰り返すことによって形成されてもよい。また、形成すべき塑性変形部24と同じ数のパンチ63を用いて上述の固定動作を1回実行することによって、複数の塑性変形部24のすべてが形成されてもよい。
このように、伝熱板15を溝部20に挿入した後に、放熱板16の取付面18の所定位置にパンチ63を没入させるという、極めて簡単な工程で伝熱板15を放熱板16に固定することができる。そのため、固定に要する時間を短くすることができ、電力用半導体装置の生産効率を向上させることが可能になる。
また、上述の固定方法では、伝熱板15と放熱板16とを固定するために、他の部品を使用しない。そのため、他の部品を配置するための製造工程を減少させることができる。そのため、少ない簡単な工程で製造でき、その結果、生産効率を向上させることが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、以下の変形例も本発明に含まれる。
例えば、伝熱板15は、1種類の金属からなるだけでなく、モジュール基板41との熱膨張係数の差異を考慮して、異種組成の金属を積層したクラッド材と呼ばれる複合金属板であってもよい。具体例として、銅/インバー合金/銅からなる3層の金属板や、銅と他の金属を組み合わせた2層の金属板を挙げることができる。さらに、同じ理由から伝熱板15は、Al−SiC等のアルミニウムとセラミックスからなる複合材料(いわゆる、Metal Matrix Composite)であってもよい。上述の材料又はその他の材料を適宜選択して用いることによって、伝熱板15の熱膨張率を調整することができ、半導体モジュール13のモジュール基板41及び後述する放熱板16と、伝熱板15との接触状態を適切に維持して、伝熱効率を向上させることが可能になる。
また例えば、実施の形態に係る冷却部27での放熱方法は、水冷式であるとしたが、この放熱方法は、種々の放熱方法を実現する一例にすぎない。冷却部の放熱方法は、空冷、自然放熱等の他の方法であってもよい。また、放熱板16の放熱面23は、フィンを有するとしたが、フィンを有していなくてもよい。放熱板16の放熱面がフィンを有するか否かは、いかなる放熱方法とも任意に組み合わせてよい。
また例えば、フィン25を水冷する場合、フィン25を空冷する場合とは異なり、フィン25からの放熱量が大きいため、伝熱板15と放熱板16との間の伝熱抵抗を無視できない。そのため、伝熱板15と放熱板16との接触部分に熱伝導性に優れた物質を介在させることよって、伝熱板15と放熱板16との接続部分の伝熱抵抗をさらに低減させてもよい。具体的には、伝熱板15の溝部20に、予め、熱伝導性グリース、熱伝導性ゲル、銀粒子分散ペースト、銀粒子分散液等を塗布した状態で、又は、薄いグラファイトシートを予め取り付けた状態で、取付面18を押圧することによって、実現できる。
例えば、伝熱板15及び放熱板16の材料は、実施の形態に挙げたような金属であるが、これらは、良好な熱伝達と十分なアンカー効果とを実現するために、好ましい組み合わせが適宜選択されてもよい。上方から押圧された放熱板16は、押圧された部分を中心に全方向に変形するが、伝熱板15の取付面18の形状のため、主に溝部20の方へ変形する。そのため、放熱板16の材料は、伝熱板15の固定部の材料より軟らかくてもよい。
また例えば、本実施の形態において、パンチの先端の横断面の形状は、長方形であるとしたが、その形状は、円形その他の形状であってもよく、伝熱板15と放熱板16とを堅固に固定させ、かつ、良好な熱伝達を保持できる塑性変形部24を形成できる形状が、適宜選択されてよい。この場合、窪み部22を上方から見た形状は、パンチの先端の横断面の形状に対応して円形等になるのはもちろんである。
また例えば、パンチの先端は、側方から見た場合に、伝熱板15から離れるに従って下方へ伸びるように傾斜していてもよい。パンチ63の先端が、このような傾斜を有することによって、塑性変形部24が伝熱板15の方へより大きく突き出すことになり、その結果、伝熱板15をより堅固に固定し且つ/又は効率よく熱伝達するように接触する塑性変形部24を形成することが可能になる。この場合、窪み部22の側方断面において、窪み部22の底部は、パンチの先端の形状に対応して、伝熱板15から離れるに従って深くなるように傾斜する。
また例えば、溝部20の幅と伝熱板15の厚さの差をできるだけ小さくして、溝部20の両側の近傍の取付面18を上方からパンチを没入させることによって、伝熱板15を放熱板16に固定してもよい。
また例えば、実施の形態において、パンチ63は、溝部20の一方の長辺の近傍のみを押圧することとしたが、溝部20の対向する長辺の両方の近傍を押圧してもよい。ここで、近傍とは、良好な熱伝達と堅固な固定が可能になるように決定される、溝部20に対する場所である。このように、溝部20の長辺の両方の近傍を押圧することによって、対向して突き出す塑性変形部が形成される。そのため、伝熱板15と放熱板16とが塑性変形を伴って接触する部分の面積を大きくすることができ、伝熱効率を向上させることが可能になる。また、この場合、アンカー効果もより大きくなる。
本発明は、電力用の半導体素子又は電力用の半導体モジュールを備える電力用半導体装置等に適用できる。
本発明の実施の形態に係る電力用半導体装置の一部を切り欠いて示す斜視図。 本発明の実施の形態に係る電力用半導体装置の側方断面図。 本発明の実施の形態に係る電力用半導体装置の平面図。 パンチが放熱板を押圧する前の状態を側方から示す断面図。 パンチが放熱板を押圧した状態を側方から示す断面図。 本発明の実施の形態に係る伝熱板の固定部の実効接触面積の特性を説明する図。
符号の説明
11 電力用半導体装置、13 半導体モジュール、15 伝熱板、16 放熱板、17 平板部、18 取付面、20 溝部、22 窪み部、23 放熱面、24 塑性変形部、25 フィン、27 冷却部、29 流路、31 流入管、32 隔壁、33 排水管、35 配管、41 モジュール基板、43 半導体素子、45 配線、47 樹脂、49 端子、51 引出端子、53 接続用端子。

Claims (7)

  1. 電力用の半導体素子又は電力用の半導体モジュールを冷却できる電力用半導体装置であって、
    使用時に発熱する電力用の半導体素子と、上記半導体素子と接触する伝熱性のモジュール基板とを有する電力用の半導体モジュールと、
    上記モジュール基板に熱伝導可能に固定された伝熱性の伝熱板と、
    上記伝熱板を挟持する溝部を有し、伝熱板から伝わる熱を放散する放熱板とを備え、
    上記溝部は、側壁の少なくとも一方が上記伝熱板とともに塑性変形をして接触することを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 上記放熱板は、上記溝の近傍を上方から押圧することによって形成された窪み部を上記溝に沿って有することを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
  3. 上記窪み部は、上記溝に沿って所定の間隔で複数設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記溝部の塑性変形した側壁は、上記溝部の開口近傍に塑性変形した部分を有し、上記溝部の底部近傍において塑性変形していない部分を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  5. 上記伝熱板は、少なくとも塑性変形を生じる部分の引張強さが350MPa以下である軟質材料からなることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  6. 上記溝部が形成する溝の幅と伝熱板の厚みの差が0.05mm〜0.20mmであり、上記溝の深さが1.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  7. 使用時に発熱する電力用の半導体素子と、上記半導体素子と接触する伝熱性のモジュール基板とを有する電力用の半導体モジュールと、
    上記モジュール基板に熱伝導可能に固定された伝熱性の伝熱板と、
    上記伝熱板を挟持する溝部を有し、伝熱板から伝わる熱を放散する放熱板とを備える電力用半導体装置の製造方法であって、
    上記溝部が有する溝に上記伝熱板を挿入するステップと、
    上記伝熱板に挿入された上記溝部の側壁の少なくとも一方を塑性変形させるステップとを含み、
    上記塑性変形させるステップにおいて、上記塑性変形した側壁は、上記伝熱板に接触し、さらに上記伝熱板を押圧して塑性変形させることを特徴とする電力用半導体装置の製造方法。
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