JP3928648B2 - 静電霧化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電霧化現象によりナノメータサイズの帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置に関するものである。
静電霧化装置とは、放電極に水を供給するとともに該放電極に高電圧を印加することで、放電極に保持される水を霧化させ、ナノメータサイズで高い電荷を持つ帯電微粒子水を発生させるものである(特許文献1参照)。帯電微粒子水の粒径は3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、この帯電微粒子水の暴露により角質層表面の奥までも水分が十分に補給されて、高い保湿効果が得られるようになっている。また、脱臭効果や毛髪の保湿効果等の他の効果も得られるので、多様な商品に備えることで多様な効果が得られるものである。
しかし、上記の特許文献1に示されたような従来の静電霧化装置は、水の供給手段として、水を充填させる水タンクや、この水タンク内の水を毛細管現象により放電極にまで搬送させる水搬送部を備えた構造であり、この為に使用者とっては水タンク内に継続的に水を供給する手間が強いられるという問題があった。また、上記の従来の静電霧化装置においては、水タンク内に補給する水が水道水のようなCa,Mg等の不純物を含む水であった場合には、この不純物が空気中のCOと反応して析出するCaCO,MgO等が帯電微粒子水の発生を妨げるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するために本出願人はまず、水の供給手段として、水タンクを備える代わりにペルチェユニットを備え、ペルチェユニットにより空気を冷却させることで空気中の水分を基に水を生成させ、ここで生成された水を水搬送部を通じて放電極にまで搬送させる構成を考えた。上記構成によれば、水を補給する手間が不要になるとともに、得られた水にはCa,Mg等の不純物が含まれないことからCaCO,MgO等の析出が防止されるからである。
更に本出願人は、ペルチェユニットへの通電を開始してから、生成された水を放電極に搬送して帯電微粒子水を発生させるまでも間に少なくとも数分程度の時間がかかるといった問題を解決するために、ペルチェユニットの冷却側に備えてある冷却板に放電極を立設させて該放電極を冷却させる構成を考えた。上記構成によれば、空気中の水分を基にして放電極に直接水を生成させることができるので、冷却を開始してから素早い時間で帯電微粒子水を発生可能になるからである。
ところが、上記のような、ペルチェユニットの冷却板に放電極を立設して該放電極に直接水を生成させる構成の静電霧化装置にあっては、放電極で生成された水がペルチェユニット側に侵入することで下記の問題が生じる。これは、絶縁体である冷却板の放電極との接合部分やペルチェユニット内の回路部分に水が付着した場合には、これらの付着部分においてマイグレーションを生じ、結果的に、放電極とペルチェユニットとの間の絶縁不良や、回路部分での短絡を生じる恐れがあるといった問題である。加えて、ペルチェユニット内の電気回路と放電極との間に水が貯まることで絶縁破壊を生じる恐れがあるといった問題もある。なお、ここでのマイグレーションとは、電流、電圧の存在下で、絶縁体の水の吸着に伴って金属材料が絶縁体の内部に移行する現象である。つまり、放電極と冷却板との接合部分にあっては、水の吸着に伴って、放電極を成す導電性の金属材料が冷却板を成す絶縁材料の表面又は内部に移行する現象であり、ペルチェユニット内の回路部分にあっては、水の吸着に伴って、回路を形成する金属材料が冷却板や放熱板を成す絶縁材料の表面又は内部に移行する現象である。
特許第3260150号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、ペルチェユニットの冷却板に放電極を立設した構造にすることで、水補給や付着物除去の手間を不要にするとともに帯電微粒子水を素早く発生させることが可能であり、しかも、水の侵入によって放電極とペルチェユニットとの間の絶縁性が破壊されることやペルチェユニット内の回路で短絡を生じることが確実に防止された静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明を、冷却板2及び放熱板3を有するペルチェユニット1と、該ペルチェユニット1の冷却板2上に立設される放電極4とを具備し、ペルチェユニット1の冷却板2により放電極4を冷却して該放電極4上に空気中の水分を基に水を生成させるとともに、放電極4に高電圧を印加することで、放電極4に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置であって、開口を有する収容枠体17を具備し、上記収容枠体17に貫設してある貫通孔20に放電極4を挿通させた状態で上記収容枠体17内に冷却板2を収容するとともに上記収容枠体17の開口縁部18cを放熱板3に固着させ、収容枠体17と冷却板2とを接着させ且つ貫通孔20を封止するシール層Lを設けることで、収容枠体17と放熱板3とで囲まれる密閉空間Sを形成したものとする。
上記構成の静電霧化装置にあっては、静電霧化に供する水は放電極4に直接生成されるので使用者自身が水を補給する手間が不要であるとともに、生成された水には水道水のようなCaやMg等の不純物が含まれないことからCaCOやMgO等の析出付着が防止される。また、水は放電極4に直接生成されるので、運転開始後に帯電微粒子水を発生させるまでの時間が短くて済むという利点や、水を充填させておく為のタンクや、タンク内の水を放電極4にまで搬送する為の搬送手段が不要であるから装置全体がコンパクト化されるという利点がある。
しかも、本例の静電霧化装置にあっては上記の密閉空間S内に冷却板2を収容させることができるので、放電極4側で生成された水が上記密閉空間S内に侵入することが確実に防止される。これにより、冷却板2の放電極4との接合部分やペルチェユニット1内の回路部分に水が付着することがないので、マイグレーションを生じて結果的に放電極4とペルチェユニット1内の回路との絶縁不良を生じるといった問題や、ペルチェユニット1内の回路部分で短絡を生じるといった問題が解消される。また、放電極4とペルチェユニット1内の回路との間に水が貯まることで絶縁破壊を生じるといった問題も解消されるものである。
また、上記構成の静電霧化装置が、放電極4と対向して位置する対向電極13を備え、放電極4と対向電極13との間に高電圧を印可することで、放電極4に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させるものであることも好適である。このようにした場合には、放電極4と対向電極13との間の放電電流を確認することができるので、その電流値に基づいて放電霧化を安定制御することが可能である。
また、上記のシール層Lを、収容枠体17の少なくとも貫通孔20を囲む底壁18a部分よりも、弾性係数が低くなるように設けることも好適である。このようにすれば、収容枠体17の底壁18a部分と冷却板2との間に介在するシール層Lのクッション性によって、ペルチェユニット1内で生じる熱応力を緩和することができる。
また、上記の収容枠体17の外表面に、貫通孔20から突出する放電極4の基端側部分4aを封止し且つ上記シール層Lと接合される外側シール層L′を積層させることも好適である。このように、外側シール層L′をシール層L上に積層されるように設けることで、収容枠体17内への水の侵入を更に確実に防止することができる。
また、上記の外側シール層L′を断熱性に設けることも好適である。このようにすることで、冷却板2の影響で外側シール層L′の表面温度が低下することを抑制し、外側シール層L′表面での過剰結露を防止することができる。
また、上記の収容枠体17よりも熱伝導率の高い材質から成る伝熱部材28を、収容枠体17の外表面と近接又は接触するように放熱板3に立設させることも好適である。このようにすることで、高温となっている放熱板3からの熱によって伝熱部材28を加熱し、伝熱部材28からの熱伝導によって収容枠体17の表面温度を上昇させることができる。これにより、収容枠体17の表面での過剰結露を防止することが可能である。
また、上記の収容枠体17の外表面の貫通孔20を囲む部分に貯水部22を形成することも好適である。このようにすることで、放電極4等で生成された水の余剰分は貯水部22内に貯められることとなり、収容枠体17外に水が漏出して外部の制御回路等に短絡を生じるといった事態が防止されるものである。
なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜組合せ可能である。
本発明は、ペルチェユニットの冷却板に放電極を立設した構造にすることで、水補給や付着物除去の手間を不要にするとともに帯電微粒子水を素早く発生させることが可能であり、しかも、水の侵入により放電極とペルチェユニットとの間の絶縁性が破壊されることやペルチェユニット内の回路で短絡を生じることを確実に防止するという効果を奏する。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1、図2には、本発明の実施形態における一例の静電霧化装置を示している。本例の静電霧化装置は、冷却板2と放熱板3とを有するペルチェユニット1を用いたもので、上記冷却板2上に放電極4を立設して冷却自在としている。
上記ペルチェユニット1は、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料(本例ではアルミナ)から成りその片面側に電気回路6を形成してある一対の平板状の回路基板5を、互いの電気回路6側が向い合うように対向させ、少なくとも1対(本例では8対)列設してある焼結材又は熔製材から成るペルチェ素子7を両回路基板5間で挟持するとともに、隣接するペルチェ素子7同士が両側の電気回路6で電気的に接続されるように半田付けし、ペルチェ入力リード線8を介して為されるペルチェ素子7への通電によって一方の回路基板5(即ち、これが冷却側の回路基板5となる)から他方の回路基板5(即ち、これが放熱側の回路基板5となる)に向けて熱が移動するように設けたものである。
本例の静電霧化装置は、上記冷却側の回路基板5によって、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い冷却板2を形成し、上記放熱側の回路基板5によって、同じく絶縁性であり且つ熱伝導率の高い放熱板3を形成したものであって、平面視における放熱板3の縦横寸法を冷却板2の縦横寸法よりも充分大きく形成することで、後述のように放熱板3と接合される絶縁性の収容枠体17と該放熱板3との間に、冷却板2やペルチェ素子7を密閉可能としている。寸法として具体的には、冷却板2の縦横寸法が5.1×5.1mmであり厚さが0.65mmであるのに対して、放熱板3の縦横寸法は28×20mmであり厚さが0.5mmである。なお、ペルチェ素子7の縦横寸法は0.65×0.65mmであり高さが1mmである。
放熱板3(即ち放熱側の回路基板5)の、電気回路6を形成してある側と反対側の面には、平面視において放熱板3よりも更に大きな縦横寸法となるように熱伝導率の高い材料(本例ではアルミニウム)を用いて形成した放熱フィン11を接続させている。放熱板3と放熱フィン11との間には、熱伝導グリースを介在させることが好適である。
放熱フィン11の放熱板3と接続される側の面(図中の上面11a)の、放熱板3との接続部分を囲む周縁部分には、左右一対の支持体12を立設させている。上記支持体12は、絶縁性の材料(本例ではPBT)を用いて円柱状に形成したものであり、両支持体12の先端部に対向電極13を支持させている。対向電極13は、電気伝導率の高い材料(本例ではSUS)を用いたものであり、内径8mm、外径12mm、厚さ0.5mmである平面視リング状の本体部13aと、この本体部13aから延設される一対の接続部13bとで形成され、各接続部13bがそれぞれ支持体12に固定される構造になっている。
放電極4は、電気伝導率及び熱伝導率の高い材料(本例ではCu)を用いて直径0.5mmの細長い円柱形状に形成したものであり、表面にNi鍍金を施した後にAu鍍金を施している。冷却板2(即ち冷却側の回路基板5)の電気回路6を形成してある側と逆側の面には、その中央位置に接合用の凹凸部分(図示せず)を設けており、この凹凸部分に、放電極4の基端に形成してある直径1mmの基台部(図示せず)を位置決めして半田付けすることで、放電極4と冷却板2とを接合させている。上記半田としては熱伝導率の高い半田を用いる。放電極4と冷却板2の接合用に接着剤を用いる場合には、当然に熱伝導率の高い接着剤を用いる。上記接合状態において、支持体12に支持される対向電極13は放電極4の先端から高さ3mmの位置に設置されるものであり、対向電極13の一方の接続部13bと、一端側が放電極4に電気的に接続された高電圧リード14の他端側とを、高圧印加部15及び電流計16を介して電気的に接続させている。
なお、冷却板2及び放熱板3の電気回路6は、MoMnから成る厚さ10μmの下地層に厚さ4μmのNi/Au鍍金を施したものであり、冷却板2側の放電極4接合用の凹凸形状は、上記下地層と同様の凸条部を設けることで形成したものである。
収容枠体17は、矩形状の底壁18aの周縁から図中下方に側周壁18bを延設して成る容器状の主体部18と、主体部18の底壁18aの周縁から上記側周壁18bとは反対方向に延設される周壁19とから成る部材であり、底壁18aの中央部分には直径3mmの貫通孔20を貫設している。換言すれば、上記収容枠体17は、両端の貫通した筒状部材(即ち、上記周壁19及び側周壁18b)の内周面からその内部空間を二分する隔壁(即ち、上記底壁18a)を延設した構造である。この収容枠体17は、絶縁性であり且つ遮水性の高い材料(本例ではPBT)を用いて一体成形される。
そして、上記の開口を有する容器状の主体部18を被せて該主体部18内に冷却板2やペルチェ素子7を収容するとともに底壁18aの貫通孔20に放電極4を挿通して主体部18外に突出させ、側周壁18bの先端に形成される開口縁部18cを放熱板3と突き合せる。この状態で、主体部18の開口縁部18cと放熱板3との間、及び、主体部18の底壁18aと冷却板2との間を、絶縁性であり且つ遮水性の高いエポキシ系の接着剤21を介して固着させることで、収容枠体17の主体部18と放熱板3とで囲まれる囲まれる密閉空間S内に冷却板2やペルチェ素子7を収容することができる。ここで、底壁18aと冷却板2との間の0.5mm程度の隙間に配される接着剤21は、底壁18aと冷却板2とを接着させると同時に放電極4を挿通させてある貫通孔20を完全に封止する、絶縁性のシール層Lを成すものである。
上記の如く、本例の静電霧化装置は、電気回路6を介して電気的に接続される多数のペルチェ素子7の冷却側に、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料から成る冷却板2を連結させ、放熱側には同じく絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料から成る放熱板3を連結させることで構成されるペルチェユニット1を、放電極4に水を供給する為の手段として用いたものであって、このペルチェユニット1の冷却板2上に熱伝導率の高い半田或いは接着剤を介して立設される熱伝導率の高い柱状の放電極4と、放電極4の先端と対向して位置する対向電極13と、放電極4と対向電極13との間に高電圧を印加する高圧印加部15とを具備しているので、ペルチェユニット1内のペルチェ素子7への通電により該ペルチェユニット1の冷却板2を介して放電極4自体を冷却し、放電極4の表面上に空気中の水分を基にして水を生成させるとともに、高圧印加部15によって、放電極4側がマイナス電極となって電荷が集中するように放電極4と対向電極13との間に高電圧(本例では4.5kV)を印加させることで、放電極4上に直接生成されて保持される水を先端側に引き寄せるとともに先端部分で静電霧化現象により霧化させ、ナノメータサイズで高い電荷を持つ帯電微粒子水を発生させることができる。この帯電微粒子水は、対向電極13のリング状を成す本体部13aの中央穴を通過して静電霧化装置の外部へと放出されるものである。
ここでの静電霧化現象とは、放電極4と対向電極13との間に印加した電圧により放電極4に保持される水が帯電し、この帯電した水にクーロン力が働くことで該水の液面が局所的に円錐形状(テイラーコーン)を成すように盛り上がり、円錐形状となった水の先端に電荷が集中して高密度となった電荷の反発力で弾けるようにして水が分裂、飛散(レイリー分裂)して静電霧化を行う現象であると考えられる。
つまり、本例の静電霧化装置においては、使用者自身が水を補給する手間が不要であるとともに、生成された水には不純物が含まれないことから放電極4におけるCaCOやMgO等の析出付着が防止されるものである。しかも、水が放電極4に直接生成されるので静電霧化装置の運転を開始(即ち、ペルチェ素子7への通電を開始)してから帯電微粒子水を発生させるまでの時間が短くて済むという利点や、水を充填させておく為のタンクや、タンク内の水を放電極4にまで搬送する為の搬送手段を備える必要がないので装置全体がコンパクト化されるという利点がある。
加えて、本例の静電霧化装置にあっては上記の如く、底壁18aと側周壁18bとを有する容器状の主体部18の該底壁18aの中央に貫通孔20を貫設して成る収容枠体17を具備しており、この収容枠体17の側周壁18bの先端に形成される開口縁部18c側から放電極4や冷却板2やペルチェ素子7を収容枠体17内に収容するとともに、該放電極4を貫通孔20に挿通させてその先端側を収容枠体17外に突出させた状態で、上記収容枠体17の主体部18の開口縁部18cを放熱板3上に接着剤21を介して固着させ、更に、収容枠体17の主体部18の底壁18aと冷却板2とを接着させると同時に貫通孔20を封止する、絶縁性であり且つ遮水性の高いシール層Lを該収容枠体17内に設けることで、開口を有する容器状の収容枠体17と該開口を塞ぐ平板状の放熱板3とで囲まれる密閉空間Sを形成しており、この密閉空間S内に冷却板2やペルチェ素子7が密閉されるものである。
つまり、本例にあっては放電極4側で生成された水が上記密閉空間S内に侵入することが収容枠体17やシール層Lにより確実に防止されるので、絶縁体である冷却板2の放電極4との接合部分やペルチェユニット1内の回路部分に水が付着することがない。したがって、水の付着によるマイグレーションを生じて、結果的に放電極4とペルチェユニット1内の回路との絶縁不良を生じるといった事態や、ペルチェユニット1内の回路部分で短絡を生じるといった事態が防止される。また、放電極4とペルチェユニット1内の回路との間に水が貯まることで絶縁破壊を生じるといった事態も防止される。
加えて、本例の静電霧化装置にあっては上記の如く、収容枠体17の容器状を成す主体部18の底壁18aの外表面の、貫通孔20を囲む周縁部分から周壁19を延設することで、放電極4の突出部分の周囲に、周壁19に囲まれて成る凹状の貯水部22を形成しているので、放電極4に生成された水の余剰分は貯水部22内に貯留されることとなる。つまり、収容枠体17外に水が漏出して外部の制御回路等に短絡を生じるといった事態が防止されるものである。
なお、本例の放電極4における水の生成は、放電極4の冷却により周囲の空気が結露点以下にまで冷却されることで空気中の水分が結露して生成されるものが主であるが、ペルチェユニット1の冷却能力が強過ぎる場合には空気中の水分が放電極4に氷結してしまうことがあり、この場合には氷結した氷を溶解させることで水を生成することができる。溶解手段としてはペルチェユニット1への通電を低下又は停止させて放電極4の温度を上昇させることや、極性の逆転によりペルチェユニット1の冷却側と放熱側を一時的に入換えて放電極4を加熱することが適当である。
図3、図4、図5、図6には、本例の静電霧化装置において更に、放電極4とペルチェユニット1内の電気回路6との間の絶縁破壊を更に確実に防止しようとする各種の変形例を示している。
図3(a)に示すものは、冷却板2のシール層Lと接着される側の面(図中上面)を凹凸面23とし、接着剤21から成るシール層Lと冷却板2との密着性をアンカー効果によって向上させた変形例であり、図3(b)に示すものは、冷却板2のシール層Lと接着される側の面にカップリング剤24を塗布しておき、このカップリング剤24の介在により冷却板2とシール層Lとの密着性を向上させた変形例である。いずれの変形例にあっても、冷却板2とシール層Lとの界面の密着性が劣化し難くなり、界面に水が貯まって絶縁が破壊されるという事態が更に確実に防止される。また、図3(a)のように冷却板2に凹凸面23を設けた場合にあっては、共に絶縁体である冷却板2とシール層Lとの界面を通る絶縁沿面距離が長くなり、この点においても絶縁破壊は防止されるものである。上記凹凸面23を設けるには、冷却板2の回路基板5を成形する際の型に、鏡面とならない程度の凹凸形状をエッチングにより設けておけばよい。
また、図4(a)に示すように、収容枠体17の主体部18の底壁18aのシール層Lと接着される側の面(図中下面)を凹凸面25とし、接着剤21から成るシール層Lと収容枠体17との密着性をアンカー効果によって向上させてもよいし、また、図3(b)に示すように、上記底壁18aのシール層Lと接着される側の面にカップリング剤26を塗布しておき、このカップリング剤26の介在により収容枠体17とシール層Lとの密着性を向上させてもよい。いずれの場合においても収容枠体17とシール層Lとの界面の密着性が劣化し難くなり、界面に水が貯まって絶縁が破壊されるという事態が更に確実に防止される。また、図4(a)のように収容枠体17に凹凸面25を設けた場合にあっては、共に絶縁体である収容枠体17とシール層Lとの界面を通る絶縁沿面距離が長くなり、この点においても絶縁破壊は防止される。上記凹凸面25を設けるには、収容枠体17を成形する際の型に、エッチングにより鏡面とならない程度の凹凸形状を設けておけばよい。
図5に示すものは、収容枠体17の主体部18の開口部分の縦横寸法が11.5×11.5mmであるのに対して、冷却板2の縦横寸法を10.5×10.5mmに設定した変形例である。このように、冷却板2が収容枠体17の主体部18内に収容される状態において上記冷却板2と上記主体部18との間の縦横方向の隙間が0.5mm程度の僅かな隙間となるように寸法を設定することで、シール層Lを成す接着剤21を、上記主体部18の底壁18aと冷却板2との隙間だけでなく、側周壁8と冷却板2との隙間(即ち、冷却板5の側方)に至るまでの広範囲に充填させることができる。これにより、シール層Lを介した冷却板2と収容枠体17との密着性が向上し、シール層Lと冷却板2との界面やシール層Lと収容枠体17との界面に水が貯まって絶縁が破壊されるという事態が防止される。また、上記界面を通る絶縁沿面距離も長くなり、この点においても絶縁破壊は防止される。
図6に示すものは、収容枠体17の主体部18の底壁18a内面から、貫通孔20を囲む周壁27を0.5mmの高さで突設した変形例である。上記周壁27は、上記主体部18内に冷却板2が収容されて貫通孔20から放電極4が突出する状態において、縦横方向の僅かな隙間を介して冷却板2を囲むように形成しているので、シール層Lを成す接着剤21を、上記底壁18aと冷却板2との隙間だけでなく、周壁27と冷却板2との隙間(即ち、冷却板5の側方)に至るまでの広範囲に充填させることができる。これにより、シール層Lを介した冷却板2と収容枠体17との密着性が向上し、シール層Lと冷却板2との界面やシール層Lと収容枠体17との界面に水が貯まって絶縁が破壊されるという事態が防止されるとともに、上記界面を通る絶縁沿面距離も長くなり、この点においても絶縁破壊は防止される。
図7、図8には、本例の静電霧化装置において更に、収容枠体17自体に結露水が生じることを抑制した変形例を示している。
図7(a)に示すものは、収容枠体17よりも充分に熱伝導率が高い材質(本例ではCu)を用いて形成した伝熱部材28を、収容枠体17の外表面(即ち、側周壁18b及び周壁19の外表面)と近接するように放熱板3上の収容枠体17を囲む位置に立設させた変形例であり、図7(b)に示すものは上記伝熱部材28を収容枠体17の外表面と接触するように放熱板3上の収容枠体17を囲む位置に立設させた変形例である。上記伝熱部材28は、板状を成す立壁部28aと、立壁部28aの端縁から直交方向に延設されるフランジ部28bとから成る厚さ1mmの断面L字状の部材であり、フランジ部28bの底面を放熱板3に固着させることで、立壁部28aの壁面を収容枠体17の外表面に近接又は接触させる構造である。
冷却板2の影響で収容枠体17が冷却されて表面に過剰な結露水を生じれば、この結露水によって絶縁破壊や短絡を生じる恐れがあるのだが、これに対して上記伝熱部材28を備えることで過剰結露を防止している。つまり、放熱板3によって伝熱部材28全体をフランジ部28b側から加熱させ、立壁部28aの接触又は輻射による熱伝導によって収容枠体17の温度を上昇させ、該収容枠体17の過剰結露を防止するものである。なお、図7(b)のように伝熱部材28の立壁部28aを収容枠体17に接触させる構造の場合には、この立壁部28aを、収容枠体17の外表面に被覆される厚さ0.1mm以下の皮膜により構成しても構わない。
図8に示すものは、収容枠体17の外表面(即ち、側周壁18b及び周壁19の外表面)を断熱材29で覆った変形例である。ペルチェユニット1への通電により冷却板2を冷却した際に、断熱材29の表面温度は収容枠体17の表面温度に比して高くなるので、上記断熱材29を収容枠体17の外表面と接触するように放熱板3上に立設させておくことで収容枠体17の温度低下を抑制し、収容枠体17の過剰結露を防止するものである。
図9には、本例の静電霧化装置において更に、収容枠体17と放熱板3とで囲まれる密閉空間S内での結露を防止した変形例を示している。図示例は、収容枠体17の主体部18の開口縁部18cから外方に向けて1mmの長さで鍔部18dを延設したものであり、この鍔部18dと放熱板3とを接着剤21を介して密着させることで、収容枠体17を放熱板3に固着させている。上記構成によれば、接着剤21の収容枠体17側との接着面積も放熱板3側との接着面積も増大するので、結果的に収容枠体17と放熱板3との接着性を大幅に増大させて密閉空間S内に水分を含む空気が侵入することを防止し、収容枠体17の主体部18内での結露水の発生を防止するものである。
上記鍔部18dと放熱板3との接着性を更に向上させる為には、例えば図3、図4で示したものと同様の凹凸形状やカップリング剤を、鍔部18d側の接着面と放熱板3側の接着面の少なくとも一方に設けることも好適であるし、また、放熱板3側の接着面にガラスコーティングを施すことも好適である。
図10には、本発明の静電霧化装置において更に、ペルチェユニット1内で生じる熱応力を緩和させる構造とした変形例を示している。図示例は、主体部18の開口縁部18cと放熱板3との間、及び、主体部18の底壁18aと冷却板2との間を密着状態で固定させる為に、エポキシ系の接着剤21の代わりに、絶縁性であり且つクッション性を有するシリコン系の接着剤30を用いたものである。即ち、図示例の主体部18の底壁18aと冷却板2との間にあっては、シリコン系の接着剤30から成る厚さ0.5mm程度のシール層Lを介して両者18a,2を接着させるとともに貫通孔20を封止している。収容枠体17を成すPBTの弾性係数が約10GPaであるの対して、シリコン系の接着剤30の弾性係数は約0.1GPaと大幅に低いので、ペルチェ素子7の接合部分に熱応力が生じても接着剤30のクッション性により上記熱応力を緩和することができる。なお、上記接着剤30は、収容枠体17うち少なくとも主体部18の底壁18aよりも低い弾性係数を有するものであればよい。
図11、図12、図13、図14、図15には、本例の静電霧化装置において更に、ペルチェユニット1内で生じる熱応力を緩和させ、且つ、収容枠体17内への水の侵入を確実に防止するようにした変形例を示している。
図11に示すものは、主体部18の開口縁部18cと放熱板3とを接着させる為にエポキシ系の接着剤21を用いる一方で、主体部18の底壁18aと冷却板2とを接着させて貫通孔20を封止する為に、絶縁性であり且つクッション性を有するシリコン系の接着剤30から成るシール層Lを用いた変形例である。そして、図示例にあっては上記のシール層L上に更に外側シール層L′を積層させることで、収容枠体17内への水の侵入を確実に防止している。外側シール層L′は、収容枠体17の主体部18の底壁18aの周壁19で囲まれる外表面全体を覆うように充填される、絶縁性であり且つ遮水性の高いエポキシ系の封止樹脂9から成り、貫通孔20を通じて収容枠体17外に突出する放電極4の基端側部分4aを封止するとともに貫通孔20内にまで侵入し、該貫通孔20内にて下側のシール層Lと接合されるものである。
図示例にあっては、シール層Lを成すシリコン系の接着剤30が収容枠体17と比して大幅に低い弾性係数を有しており、充分なクッション性を有するので、ペルチェ素子7の接合部分に熱応力が生じてもシール層Lのクッション性により上記熱応力を緩和することができる。しかも、エポキシ系の接着剤21や封止樹脂9は確実に遮水を為すので、主体部18の開口縁部18cと放熱板3との間に介在される接着剤21と、エポキシ系の封止樹脂9から成りシール層L上に積層される外側シール層L′とで、収容枠体17内への水の侵入が確実に防止されるものである。
図12に示すものは、図10の変形例と同様に、主体部18の開口縁部18cと放熱板3との間のシール層Lをシリコン系の接着剤30で形成するとともに、主体部18の底壁18aと冷却板2とを同じくシリコン系の接着剤30で接着させた変形例であり、更に、接着剤30から成るシール層L上を図11の変形例と同様のエポキシ系の封止樹脂9から成る外側シール層L′で封止させるとともに、収容枠体17と放熱板3との間の接着剤30の周囲を、同様のエポキシ系の封止樹脂9から成る外側シール層L′で封止したものである。
図示例の放熱板3上の収容枠体17の周囲部分には、収容枠体17の主体部18の側周壁18bを囲む周壁状の第二枠体31を固定させており、収容枠体17と第二枠体31との間にエポキシ系の封止樹脂9を充填させることで、収容枠体17と放熱板3との間の接着剤30の周囲を封止する上記の外側シール層L′を形成している。
図示例にあっては、シール層Lを成すシリコン系の接着剤30と、収容枠体17と放熱板3との間の接着剤30とが、収容枠体17と比して大幅に低い弾性係数を有していて充分なクッション性を有するので、ペルチェ素子7の接合部分に熱応力が生じても両側の接着剤30のクッション性により上記熱応力を緩和することができる。しかも、両側の接着剤30を封止する外側シール層L′はいずれもエポキシ系の封止樹脂9から形成されていて確実に遮水を為すので、収容枠体17内への水の侵入は確実に防止されるものである。
図13(a)及び図13(b)に示すものは、図12に示した変形例のシール層Lに積層される外側シール層L′を、下記の各構成により断熱性に設けたものである。
図13(a)には、外側シール層L′を、断熱性材料から成る断熱層32と、断熱層32上に積層される樹脂層33とで形成した変形例を示している。上記断熱層32は、収容枠体17の主体部18の、貫通孔20を穿設してある底壁18aの周壁19で囲まれる外表面全体を覆うように充填される多孔質な断熱性材料から成り、貫通孔20から収容枠体17外に突出する放電極4の基端側部分4aを封止するとともに貫通孔20内にまで侵入し、該貫通孔20内にて下側のシール層Lと接合される構成である。また、上記樹脂層33は、断熱層32の周壁19で囲まれる外表面全体を覆うように充填されるエポキシ系の封止樹脂9から成る。
図13(b)には、外側シール層L′を、断熱性の空気層34と、空気層34上に積層される樹脂層33とで形成した変形例を示している。上記空気層34は、収容枠体17の主体部18の底壁18a外表面上に載置される支持脚35aと、支持脚35aにより上記底壁18aから所定間隔を隔てて支持される平板35bとから成る空気枠35内に空気が封入されることで形成される。この平板35bは、放電極4が貫通する貫通孔35cを中央に有し、この貫通孔35c内に放電極4が嵌合した状態で周壁19内に隙間無く嵌合するものである。また、上記樹脂層33は、空気枠35の平板35b上に積層されるものである。
図13(a)、(b)の変形例のいずれにあっても、断熱性に設けた外側シール層L′の外表面(即ち、冷却板2から遠い側の表面)の温度が冷却板2の影響で低下することが抑制されるので、外側シール層L′の外表面(図示例では樹脂層33の外表面)の過剰結露が防止されることとなる。
図14に示すものは、収容枠体17の主体部18の底壁18a外表面に、貫通孔20を囲む筒壁36を突設し、該筒壁36内を、シール層L上に積層される外側シール層L′で封止した変形例である。この筒壁36は内径3mm、外径4mm、高さ3mmの円柱型であり、周壁19よりも内側に形成されている。上記筒壁36を備えることで、外側シール層L′を図11〜図13のように主体部18の底壁18a全体に形成しなくても済む。これにより、収容枠体17の弾力性を確保してペルチェユニット1内で生じる熱応力を緩和させることができるとともに、外側シール層L′形成に必要な樹脂量を抑制することができる。図14(a)には、エポキシ系の封止樹脂9を筒壁36内に充填させて外側シール層L′を形成した変形例を示している。また、図14(b)には、エポキシ系の封止樹脂9を筒壁36内に充填させた後に断熱性材料を充填させて外側シール層L′を形成した変形例を示している。図14(b)の場合、外側シール層L′は樹脂層33上に断熱層32を積層させた断熱性のシール層となる。
図15に示すものは、収容枠体17の主体部18上に周壁19を立設せず、その代わりに、主体部18の周囲を囲むように放熱板3上に立設される周壁状の第二枠体31を主体部18よりも充分に高く設定するとともに、第二枠体31と収容枠体17との間に、エポキシ系の封止樹脂9を収容枠体17全体が埋没するまで充填させて外側シール層L′を形成した変形例である。この場合の封止樹脂9としては、放電極4及び放熱板3との接着性が良好で水を通し難いものであればよく、収容枠体17や第二枠体31との接着性は重要でない。
上記構成にあっては、収容枠体17の材質として水を通過させ難い材質を選択する必要が無くなるので、収容枠体17の製造コストを下げることができる。また、収容枠体17と放熱板3との接着性も重要でないことから、接着剤のコスト削減という効果や、組み立て時の管理が容易となって生産性が向上するという効果もある。
次に、本発明の実施形態における他例の静電霧化装置について、図16に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち既述した一例の静電霧化装置と同様の構成については同一符号を付して詳細な説明を省略し、一例とは相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例の静電霧化装置は、一例のような対向電極13を備えることなく、放電極4に対して高電圧を印加させることで帯電微粒子水を発生させるものである。即ち、本例の静電霧化装置は、放電極4側がマイナス電極となって電荷が集中するように、一例よりも更に高い電圧(本例では6kV)を印加する高圧印加部37を具備し、この電圧印加により、放電極4上に保持される水を先端側に引き寄せるとともに静電霧化現象により霧化させて帯電微粒子水を外部の放出する構造になっている。図示のペルチェ電源38は、放電極4上に結露水が生じる程度にペルチェ素子7に電流を流すものであり、高圧印加部37のGND側のリード線は上記ペルチェ電源38のGND側に接続させている。
本例の静電霧化装置にあっては、一例のように対向電極13を備えたものと比べて装置全体を小型化することができる。また、放電極4から放出される帯電微粒子水が対向電極13に付着するといった問題もないので、大気中に放出可能な帯電微粒子水の量を増加させることができる。これに対して、対向電極13を具備する一例の静電霧化装置にあっては、電流計16(図1参照)を用いて放電極4と対向電極13との間の放電電流を確認することが可能なので、その電流値に基づいて静電霧化現象を安定制御することができるという利点がある。
なお、本例にあっても図3〜図15に示した各変形例の構成が適用可能であることは勿論である。
本発明の実施形態における一例の静電霧化装置の説明図である。 同上の静電霧化装置を示す斜視図であり、(a)は収容枠体を外した状態、(b)は収容枠体を取付けた状態を示している。 (a)、(b)は同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の変形例を示す説明図である。 本発明の実施形態における他例の静電霧化装置の説明図である。
符号の説明
1 ペルチェユニット
2 冷却板
3 放熱板
4 放電極
4a 基端側部分
13 対向電極
17 収容枠体
18c 開口縁部
20 貫通孔
22 貯水部
28 伝熱部材
L シール層
L′ 外側シール層
S 密閉空間

Claims (7)

  1. 冷却板及び放熱板を有するペルチェユニットと、該ペルチェユニットの冷却板上に立設される放電極とを具備し、ペルチェユニットの冷却板により放電極を冷却して該放電極上に空気中の水分を基に水を生成させるとともに、放電極に高電圧を印加することで、放電極に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置であって、開口を有する収容枠体を具備し、上記収容枠体に貫設してある貫通孔に放電極を挿通させた状態で上記収容枠体内に冷却板を収容するとともに上記収容枠体の開口縁部を放熱板に固着させ、収容枠体と冷却板とを接着させ且つ貫通孔を封止するシール層を設けることで、収容枠体と放熱板とで囲まれる密閉空間を形成したものであることを特徴とする静電霧化装置。
  2. 放電極と対向して位置する対向電極を備え、放電極と対向電極との間に高電圧を印可することで、放電極に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. シール層を、収容枠体の少なくとも貫通孔を囲む底壁部分よりも、弾性係数が低くなるように設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電霧化装置。
  4. 収容枠体の外表面に、貫通孔から突出する放電極の基端側部分を封止し且つ上記シール層と接合される外側シール層を積層させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  5. 外側シール層を、断熱性に設けることを特徴とする請求項4に記載の静電霧化装置。
  6. 収容枠体よりも熱伝導率の高い材質から成る伝熱部材を、収容枠体の外表面と近接又は接触するように放熱板に立設させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  7. 収容枠体の外表面の貫通孔を囲む部分に、貯水部を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
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