JP4305534B2 - 静電霧化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電霧化現象によりナノサイズのマイナスイオンミストを発生させる静電霧化装置に関するものである。
静電霧化装置とは、放電極と、放電極に対向して位置する対向電極と、放電極に水を供給する供給手段とを備え、放電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電極に保持される水を霧化させ、ナノサイズで強い電荷を持つマイナスイオンミスト(以下、これをナノイオンミストという)を発生させるものである(特許文献1参照)。ナノイオンミストの粒径は3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、このナノイオンミストの暴露により角質層表面の奥までも水分が十分に補給されて、高い保湿効果が得られるようになっている。また、脱臭効果や毛髪の保湿効果等の他の効果も得られるようになっているので、多様な商品に備えることで多様な効果が得られるものである。
しかし、上記特許文献1に示されたような従来の静電霧化装置は、水の供給手段として、水が充填される水タンクと、水タンク内の水を毛細管現象により放電極にまで搬送する水搬送部を備えた構造であることから、使用者は水タンク内に継続的に水を補給する必要があり、面倒な水補給の手間が強いられるという問題があった。また、上記の静電霧化装置においては、水タンクに補給する水が水道水のようなCa,Mg等の不純物を含む水であった場合には、この不純物が空気中のCOと反応して水搬送部の先端部にCaCOやMgO等を析出付着させ、ナノイオンミストの発生を妨げるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するためには、上記水タンクの代りに、冷却により空気中の水分を基に水を生成させるための冷却部を備え、ここで生成された水を水搬送部を介して放電極にまで搬送させる構成が考えられる。上記構成によれば、水を補給する手間が不要になるとともに、得られた水には不純物が含まれないことからCaCOやMgO等の析出付着が防止されるからである。
しかしながら、上記構成の静電霧化装置においては、冷却部にて冷却を開始してから生成された水を放電極にまで搬送し、ナノイオンミストを発生させるまでの間に少なくとも数分程度の時間がかかってしまい、ヘアドライヤ等の短時間だけ使用する商品に備えるには不適であるという問題がある。また、静電霧化装置内に冷却部や水搬送部を備える必要があることからコンパクト化が困難であるという問題がある。
特許第3260150号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、使用者に水補給の手間や付着物除去の手間を強いることなく使用することが可能であるとともに素早くミストを発生させることが可能であり、且つコンパクトで、且つ安定的に水を生成してナノイオンミストを安定的に発生させることが可能である共に外部にナノイオンを勢い良く誘引できる静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明を、放電極4と、放電極4に対向して位置する対向電極6と、放電極4に水を供給する供給手段とを備え、放電極4と対向電極6との間に高電圧を印加することで放電極4に保持される水を霧化させる静電霧化装置において、上記供給手段として、空気中の水分を基に放電極4部分に水が生成されるように、冷却部2と放熱部3とを有するぺルチェユニット1を備えて該ぺルチェユニット1の冷却部2側に放電極4を設け、放電極4の放電部4bを支持枠5の放電空間S1内に位置させ、該支持枠5に放電空間S1内に外気を導入するための通風口19を設けると共に、静電霧化により生成されたナノイオンミストを外部に吐出するための上記通風口19とは別のミスト吐出口23を設けたものとする。このようにすることで、放電極4には空気中の水分を基にして水が供給されるので水を補給する必要がなく、しかも生成される水には不純物が含まれないので付着物除去の手間も不要な静電霧化装置となる。加えて、放電極4に直接水が生成される構造なので冷却を開始してから素早い時間でミストを発生させることが可能であり、例えばヘアドライヤ等の短時間だけ使用する商品に備えるにも適したものとなる。そして、上記のような静電霧化装置を形成する為の冷却手段としてぺルチェユニット1を用いているので、コンパクトでありながら素早く且つ強力に放電極4を冷却してミストを発生させることが可能なものである。また、放電極4の放電部4bを支持枠5の放電空間S1内に位置させ、該支持枠5に放電空間S1内に外気を導入するための通風口19を設けたので、支持枠5の放電空間S1内の放電極4の周囲には通風口19を介して常に新たな外気が導入され、したがって放電極4部分には安定的に水が生成されるので、ナノイオンミストMを安定的に発生させることが可能である。また、この通風口19から支持枠5内に導入されてミスト吐出口23から吐出される空気の流れに乗って、ナノイオンミストMは外部へと勢い良く誘引されるものである。
ここで、放電極4に対向して位置する対向電極6を支持枠5に支持することが好ましい。
本発明は、使用者に水補給の手間や付着物除去の手間を強いることなく使用することが可能であるとともに、素早くミストを発生させることが可能であり、且つコンパクトに形成されるものである。しかも、放電極の放電部を支持枠の放電空間内に位置させ、該支持枠に放電空間内に外気を導入するための通風口を設けると共に、静電霧化により生成されたナノイオンミストを外部に吐出するための上記通風口とは別のミスト吐出口を設けたので、支持枠の放電空間内の放電極の周囲には通風口を介して常に新たな外気が導入され、したがって放電極部分には安定的に水が生成されるので、ナノイオンミストを安定的に発生させることが可能である。また、この通風口から支持枠内に導入されてミスト吐出口から吐出される空気の流れに乗って、ナノイオンミストは外部へと勢い良く誘引されるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1〜図3には、本発明の実施の形態における第一例の静電霧化装置を示している。本例の静電霧化装置は、放熱部3と冷却部2とを有するぺルチェユニット1を用いたもので、ぺルチェユニット1の放熱部3側に放電極4を接続させて冷却自在としている。また、ぺルチェユニット1に連結させてある支持枠5の先端に対向電極6を支持させることで、放電極4と対向電極6とを所定間隔を隔てて互いに対向する位置に固定させている。
上記ぺルチェユニット1は、熱伝導性の高いアルミナや窒化アルミニウムから成る絶縁板25の片面側に回路8を形成してある一対のぺルチェ回路板7を、互いの回路8側が向い合うように対向させ、多数列設してあるBiTe系の熱電素子9を両ぺルチェ回路板7間で挟持するとともに隣接する熱電素子9同士を両側の回路8で電気的に接続させ、ぺルチェ入力リード線22を介して為される熱電素子9への通電により一方のぺルチェ回路板7側から他方のぺルチェ回路板7側に向けて熱が移動するように設けたものである。更に、上記一方の側(以下、冷却側という)のぺルチェ回路板7の外側にはアルミナや窒化アルミニウム等から成り高熱伝導性及び高耐電性の高い冷却用絶縁板10を接続させており、上記他方の側(以下、放熱側という)のぺルチェ回路板7の外側にはアルミニウム等の金属から成る高熱伝導性の放熱板11を接続させている。なお、上記ぺルチェ回路板7としてはエポキシ樹脂やポリイミド樹脂から成る絶縁板に回路8を形成したものであってもよいし、これら樹脂に熱伝導性の高いフィラーを含有させたものであってもよい。
本例においては冷却側のぺルチェ回路板7の絶縁板25と冷却用絶縁板10とで冷却部2を形成し、放熱側のぺルチェ回路板7の絶縁板25と放熱板11とで放熱部3を形成するものであり、熱電素子9を介して冷却部2側から放熱部3側へと熱が移動するようになっている。なお、放熱板11の代りに放熱フィンを備えて放熱部3を形成しても構わない。
上記支持枠5は、PBT樹脂やポリカーボネートやPPS樹脂等の絶縁材料を用いて両端の貫通した筒状に形成したものであり、一端側の開口部の外周縁にはその全周に亘って連結用のフランジ部12を突設するとともに、他端側の開口部(以下、これをミスト吐出口23という)にはインサート成形等を用いて一体成形したリング状の対向電極6を位置させている。上記フランジ部12には周方向に等間隔を隔てて複数のねじ穴13を貫設しており、ねじ穴13を介してフランジ部12を放熱板11の周縁部にねじ止めすることで支持枠5をぺルチェユニット1に連結させている。連結手段としては上記ねじ止めに限定されず、例えば支持枠5をぺルチェユニット1に加圧させながら両者5,11を接着させることも好適である。支持枠5の内周面からはその内部空間を放電空間S1と封止空間S2とに二分割する隔壁14を延設しており、この隔壁14の中央には両空間S1,S2を連通させる連通穴15を穿設している。なお、上記のように支持枠5に対向電極6を固定するのではなく、支持枠5の放電極4との対向個所に図3に示すような導電性膜26を被覆させることで対向電極6部分を形成してもよい。この場合には対向電極6の位置精度が高まるとともに、組立工程が減少することで低コスト化が実現されるものである。
上記放電極4は、アルミニウムや銅、タングステン、チタン、ステンレス等の熱伝導性及び導電性の高い材料を用いてその主体部4aが円柱状を成すように形成したものであり、主体部4aの先端に尖鋭形状の放電部4bを形成し、基端側には主体部4aよりも大径の被挟持部4cを形成している。支持枠5をぺルチェユニット1に連結する際に、上記放電極4の主体部4aを連通穴15に嵌合させるとともに放電部4b側を放電空間S1内に位置させ、被挟持部4c側を封止空間S2内に位置させることで、支持枠5の隔壁14が放電極4の被挟持部4cとぺルチェユニット1の冷却用絶縁板10とを挟み込むものであり、この挟み込みによって放電極4がぺルチェユニット1の冷却部2側に押圧されて接続状態となる。
即ち、上記支持枠5は、ぺルチェユニット1の冷却部2と放電極4とを接続状態に固定する為に両者2,4を挟み込む挟持部材27としての役割を果たすものであり、同時に、ぺルチェユニット1内部の回路8や熱電素子9を水分の侵入しない封止状態に保持する封止部材としての役割をも果たすものである。図中の符号18はエポキシ樹脂から成る封止樹脂であり、ぺルチェユニット1内部を更に確実な封止状態に保持する為のものであるが、図示のように支持枠5と冷却用絶縁板10との間や、支持枠5と放電極4との間に配することに限定されず、ぺルチェユニット1内部にまで充填させてあっても構わない。
支持枠5の放電空間S1内に放電極4の放電部4b側の半部が位置し、支持枠5の先端に支持される対向電極6がこの放電部4bと所定距離を隔てて対向する位置に固定されることは上記した通りであるが、更に、支持枠5の放電空間S1側の側周壁には通風口19を複数開口させており、放電空間S1は対向電極6の固定されるミスト吐出口23と通風口19とを介して外部空間に連通する状態となっている。図中の符号20は、支持枠5の放電空間S1内にて一端側が放電極4に接続されるとともに他端側が支持枠5外に引き出されて高電圧印加部21に接続されるように金属又は導電性プラスチックを用いて形成した高圧リード線であり、この高圧リード線20を介して放電極4と電気的に接続された高電圧印加部21を更に対向電極6と電気的に接続させることで、両電極4,6間に高電圧が印加されるように設けている。
しかして、上記構成の静電霧化装置において、支持枠5と放熱板11の連結により封止状態にある熱電素子9に対してぺルチェ入力リード線22を介して通電を行うと、各熱電素子9内において同一方向への熱の移動が生じ、この熱移動の冷却側に接続される冷却部2を介して放電極4が冷却され、支持枠5の放電空間S1内において放電極4の周囲の空気が冷却されることで、空気中の水分が結露等により液化されて放電極4表面に水が生成されるものである。そして、放電極4の特に放電部4bに水が生成され且つ保持された状態で、高電圧印加部21により放電極4の放電部4b側がマイナス電極となって電荷が集中するように該放電極4と対向電極6との間に高電圧を印加すると、放電部4bに保持される水が大きなエネルギを受けてレイリー分裂を繰返し、ナノイオンミストMを大量に発生させる。ナノイオンミストMは放電極4と対向して位置する対向電極6に向けて移動し、ミスト吐出口23内に固定される対向電極6の中央穴を通過して静電霧化装置の外部へと放出される。支持枠5の放電空間S1内の放電極4の周囲には通風口19を介して常に新たな外気が導入され、したがって放電極4部分には安定的に水が生成されるので、ナノイオンミストMは安定的に発生させることが可能である。また、この通風口19から支持枠5内に導入されてミスト吐出口23から吐出される空気の流れに乗って、ナノイオンミストMは外部へと勢い良く誘引されるものである。
このように、本例の静電霧化装置においては、静電霧化する為の水を放電極4に供給する供給手段として、冷却部2と放熱部3とを有するぺルチェユニット1を備えて該ぺルチェユニット1の冷却部2側に放電極4を接続させることで、空気中の水分を基に放電極4部分(特に放電部4b)に水が直接生成されるように設けているので、使用者自身が水を補給する手間が不要であるとともに、生成された水には不純物が含まれないことから放電部4bにおけるCaCOやMgO等の析出付着が防止されるものである。しかも、水が放電極4に直接生成されることから、静電霧化装置の運転を開始(即ち、熱電素子9への通電を開始)してからナノイオンミストMを発生させるまでの時間が短くて済み、ヘアドライヤ等の短時間だけ使用する商品にも問題なく備えることができる。加えて、水を充填させておく為のタンクや、タンク内の水を放電極4にまで搬送する為の搬送部を備える必要がないので装置全体がコンパクト化されるものである。
本例の放電極4における水の生成は、放電極4の冷却により周囲の空気が結露点以下にまで冷却されることで空気中の水分が結露して生成されるものが主であるが、ぺルチェユニット1の冷却能力が強過ぎる場合には空気の水分が放電極4に氷結してしまうことがあり、この場合には氷結した氷を溶解させることで水を生成することができる。溶解手段としてはぺルチェユニット1への通電を低下又は停止させて放電極4の温度を上昇させることや、極性の逆転によりぺルチェユニット1の冷却側と放熱側を一時的に入換えて放電極4を加熱することが適当である。
ナノイオンミストMを素早く且つ大量に発生させる為には放電極4を高効率で冷却させる必要があるが、本例においては放電極4の基端側に被挟持部4cといった大径部分を設けて該大径部分を冷却用絶縁板10と接触させる構造を用いているので、大きな接触面を介して放電極4が効率良く冷却されるようになっている。また、放電極4と冷却用絶縁板10との間や、冷却用絶縁板10と冷却側のぺルチェ回路板7との間や、放熱側のぺルチェ回路板7と放熱板11との間には、熱抵抗を低下させる為に熱伝導性グリースや熱伝導性シートから成る熱伝導性膜(図示せず)を介在させておくことが好ましく、上記熱抵抗の低下により放電極4の高効率での冷却が実現されるものである。
放電極4の表面に結露等により生成された水のうちミスト化されずに残された余剰分は、支持枠5の隔壁14上に溜められることとなるが、支持枠5の側周壁が放電極4を囲む位置で水の漏出を防止する環状壁24として機能することで、放電極4部分に生成された水が支持枠5から外部に漏出して短絡等を生じることを防止している。
また、本例のように支持枠5をぺルチェユニット1と連結させて備える場合に、仮に支持枠5をぺルチェユニット1の冷却部2側に連結させる構造であれば、この連結部分を介して支持枠5が冷却され、支持枠5の表面に発生した結露水により短絡等を生じる危険性が高くなるが、上記したように支持枠5はぺルチェユニット1の放熱部3側である放熱板11に直接ねじ止めして連結させる構造であるから、この連結部分を介して放熱部3側の熱が支持枠5にまで伝達されて結露水の発生を防止するようになっている。
次に、図4に基づいて本発明の実施の形態における第二例の静電霧化装置について説明する。なお、本例の構成は上記第一例の構成と基本的には一致するので、共通の構成については説明を省略して相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。
本例の静電霧化装置においては、放電極4の被挟持部4cと支持枠5との間に高圧リード線20を介在させており、支持枠5によって、被挟持部4cを冷却部2側に押付けて放電極4と冷却部2とを接続させると同時に高圧リード線20を被挟持部4cに押付けて放電極4と高圧リード線20とを接続させように設けている。したがって、高圧リード線20は放電極4の大径部分である被挟持部4cの表面に確実に接続されるものである。
また、本例の冷却部2は冷却用絶縁板10を備えずにぺルチェ回路板7の絶縁板25のみで形成されており、放熱部3はぺルチェ回路板7の絶縁板25と放熱板11、若しくはこれに放熱フィン(図示せず)を加えてもので形成されている。上記放熱フィンは放熱板11の周縁部に貫設してある取付け穴30を介して、放熱板11のぺルチェ回路板7との接続側と逆側の面に接続されるものである。
次に、図5〜図7に基づいて本発明の実施の形態における第三例の静電霧化装置について説明する。なお、本例の構成は上記第一例の構成と基本的には一致するので、共通の構成については説明を省略して相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。図5に示すように、本例の冷却部2は冷却用絶縁板10を備えずにペルチェ回路板7の絶縁板25のみで形成されており、絶縁板25上に金属膜40を設けるとともに該金属膜40上に半田41を介して放電極4の基端側を接合させ、この接合個所を介して金属から成る高圧リード線20を放電極4に半田付けしている。上記のように放電極4と絶縁板25とを半田接合させることで、第一例の場合と比べて両者4,25間の熱抵抗を低減させて放電極4の冷却効率を向上させることができる。加えて、本例においては放電極4と絶縁板25との間に金属膜40を介在させてあることで両者4,25間の熱抵抗が更に低減されるとともに放電極4の半田付けも容易になっている。そして、図7(a)に示すように放電極4を更に金属膜46で被覆しておいた場合には、放電極4と絶縁板25との間の熱抵抗を更に低減させることや、放電極4の半田付けを更に容易にすることや、放電極4の材質を任意に選択することが可能になる。また、放電極4の耐摩耗性を向上させるには図7(b)に示すように放電極4の少なくとも先端側を白金や金から成る貴金属膜47で被覆することが好適である。
本例の放熱部3は、アルミニウム等を用いた金属板42の片面側に絶縁層43を介して回路8を形成して成る放熱回路板44の上記金属板42と絶縁層43、若しくはこれに放熱フィン(図示せず)を加えたもので形成されている。上記放熱回路板44は、冷却側のぺルチェ回路板7と互いの回路8側が向い合うように対向させて熱電素子9を両回路板7,44間に挟持し、隣接する熱電素子9同士を両側の回路8で電気的に接続させるものである。なお、放熱回路板44の周縁部には取付け穴45を貫設してあり、この取付け穴45を介して放熱回路板44の熱電素子9との接続側と逆側の面に放熱フィンが接続されるように設けている。
また、本例の支持枠5は第一例のような隔壁14を備えない筒状部材であり、熱電素子9やぺルチェ回路板7や放電極4を収納する状態で放熱回路板44に接合させることで、ぺルチェユニット1と連結させている(図6参照)。支持枠5と放熱回路板44との接合箇所、及び、支持枠5とぺルチェ回路板7との間には封止樹脂18を配しており、ぺルチェユニット1内部を確実な封止状態に保持するように設けている。
次に、図8に基づいて本発明の実施の形態における第四例の静電霧化装置について説明する。なお、本例の構成は上記第三例の構成と基本的には一致するので、共通の構成については説明を省略して相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例の冷却部2を形成する絶縁板25には、導電性の接着剤50を介して放電極4を接合させており、この接合個所を介して導電性プラスチックから成る高圧リード線20を放電極4に接着させている。そして、上記接着剤50を介した接着によっても、第一例の場合と比べて両者4,25間の熱抵抗を低減させて放電極4の冷却効率を向上させることが可能になっている。
また、本例の放熱部3は、放熱側のぺルチェ回路板7の絶縁板25、若しくはこれに放熱フィン(図示せず)を加えたもので形成されている。上記放熱側のぺルチェ回路板7は、第一例と同様に冷却側のぺルチェ回路板7と互いの回路8側が向い合うように対向して熱電素子9を両回路板7間に挟持し、隣接する熱電素子9同士を両側の回路8で電気的に接続させるものであるが、本例においては放熱側のぺルチェ回路板7の周縁部に取付け穴51を貫設することで、この取付け穴51を介してぺルチェ回路板7の熱電素子9との接続側と逆側の面に放熱フィンが接続されるように設けている。
次に、図9、図10に基づいて本発明の実施の形態における第五例の静電霧化装置について説明する。なお、本例の構成は上記第三例の構成と基本的には一致するので、共通の構成については説明を省略して相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。図9に示すように、本例の放電極4と絶縁板25とはアルミナや窒化アルミニウム等の絶縁材料を用いて一体に成形されており、上記一体部材の放電極4部分の基端側に高圧リード線20が接続され、放電極4部分表面に保持される水を介して先端の放電部4bと対向電極6との間で放電が為されるようになっている。このように放電極4と絶縁板25を一部材で設けることで、第三例や第四例と比べても放電極4部分の冷却効率が更に向上するとともに、組立工程が減少することで低コスト化が実現されるものである。
また、上記放電極4部分の表面に図10に示すような導電性膜60を形成しておくことも好適であり、これにより放電部4bにおける高電圧での放電が可能となる。本例のように放電極4部分を絶縁材料を用いて形成した場合には、放電極4と高圧リード線20との接続箇所を封止樹脂18内に埋設されず放電空間S1内に露出した状態に設ける必要があるが、上記導電性膜60を形成したものであれば接続個所が封止樹脂18内に埋設されていても構わない。なお、本例以外の各例においても放電極4を絶縁材料により形成し、放電極4の表面に保持される水を介して放電部4bにまで通電を行うことは可能であるが、その場合には放電極4と高圧リード線20との接続個所を封止樹脂18内に埋設されず放電空間S1内に露出した状態に設ける必要があることは勿論である。
次に、図11に基づいて本発明の実施の形態における第六例の静電霧化装置について説明する。なお、本例の構成は上記第三例の構成と基本的には一致するので、共通の構成については説明を省略して相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例のぺルチェユニット1は、絶縁板25の片面側に回路8を形成してある一対のぺルチェ回路板7を、互いの回路8側が向い合うように対向させ、多数列設してある熱電素子9を両ぺルチェ回路板7間に挟持して回路8で電気的に接続させたものであり、冷却側のぺルチェ回路7の外側に冷却用絶縁板10を配し、放熱側のぺルチェ回路7の外側に放熱板11を配している。そして、本例においては冷却側のぺルチェ回路板7の絶縁板25と冷却用絶縁板10とで冷却部2を形成し、放熱側のぺルチェ回路板7の絶縁板25と放熱板11、若しくはこれに放熱フィン(図示せず)を加えてもので放熱部3を形成している。放熱板11の周縁部には取付け穴70を貫設しており、この取付け穴70を介して放熱板11のぺルチェ回路7との接続側と逆側の面に放熱フィン(図示せず)が接続される構造である。
そして、本例においては冷却側のぺルチェ回路7と冷却用絶縁板10とを半田41又は接着剤50を介して接合させており、また、放熱側のぺルチェ回路7と放熱板11も同様に半田41又は接着剤50を介して接合させている。したがって、第一例のように支持枠5と放電板11との間で挟み込むことでぺルチェユニット1内の各部材を固定する構造でなくても、熱電素子9やぺルチェ回路7や冷却用絶縁板10を確実に固定することが可能になっている。
本発明の実施の形態における第一例の静電霧化装置を示す断面図である。 同上の静電霧化装置を示しており、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 同上の静電霧化装置の別形態の対向電極を示す説明図である。 本発明の実施の形態における第二例の静電霧化装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態における第三例の静電霧化装置を示す断面図である。 同上の静電霧化装置の組立工程の一部を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の放電極の別形態を示す説明図であり、(a)は金属膜を設けた場合、(b)は貴金属膜を設けた場合である。 本発明の実施の形態における第四例の静電霧化装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態における第五例の静電霧化装置を示す断面図である。 同上の静電霧化装置の放電極部分の別形態を示す説明図である。 本発明の実施の形態における第六例の静電霧化装置を示す断面図である。
符号の説明
1 ぺルチェユニット
2 冷却部
3 放熱部
4 放電極
4b 放電部
5 支持枠
6 対向電極
19 通風口
M ナノイオンミスト
S1 放電空間

Claims (2)

  1. 放電極と、放電極に対向して位置する対向電極と、放電極に水を供給する供給手段とを備え、放電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電極に保持される水を霧化させる静電霧化装置において、上記供給手段として、空気中の水分を基に放電極部分に水が生成されるように、冷却部と放熱部とを有するぺルチェユニットを備えて該ぺルチェユニットの冷却部側に放電極を設け、放電極の放電部を支持枠の放電空間内に位置させ、該支持枠に放電空間内に外気を導入するための通風口を設けると共に、静電霧化により生成されたナノイオンミストを外部に吐出するための上記通風口とは別のミスト吐出口を設けて成ることを特徴とする静電霧化装置。
  2. 放電極に対向して位置する対向電極を支持枠に支持して成ることを特徴とする請求項1記載の静電霧化装置。
JP2007062211A 2007-03-12 2007-03-12 静電霧化装置 Expired - Lifetime JP4305534B2 (ja)

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