JP2007270325A - ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜1.5%、P、Sを適正範囲に調整した組成と、平均粒径が10μm超〜20μm未満のフェライトと、フェライト粒内炭化物の平均粒径が0.3〜1.5μmである、組織とを有する鋼板とする。これにより、FB加工性、金型寿命、およびFB加工後の加工性(サイドベンド伸び性)に優れた鋼板となる。
【選択図】図1
Description
通常の打抜き加工では、工具間のクリアランスは、被打抜き材である金属板の板厚の5〜10%程度であるが、ファインブランキング加工は、通常の打抜き加工とは異なり、工具間のクリアランスをほぼゼロ(実際は、被打抜き材である金属板の板厚の2%以下程度)と極めて小さく設定すると共に、さらに工具切刃付近の材料に圧縮応力を作用させて打抜く加工方法である。そして、ファインブランキング加工は、
(1)工具切刃からの亀裂発生を抑制して、通常の打抜き加工で見られる破断面がほぼゼロとなり、加工面(打抜き端面)がほぼ100%剪断面の、平滑な加工面が得られる、
(2)寸法精度がよい、
(3)複雑な形状を1工程で打抜ける
などの特徴を有している。しかし、ファインブランキング加工においては、材料(金属板)の受ける加工度は極めて厳しいものとなる。また、ファインブランキング加工では、工具間のクリアランスをほぼゼロとして行うため、金型への負荷が過大となり、金型寿命が短くなるという問題がある。このため、ファインブランキング加工を適用される材料には、優れたファインブランキング加工性を具備するとともに、金型寿命の低下を防止することが要求されてきた。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みて成されたものであり、ファインブランキング加工性に優れ、さらにファインブランキング加工後の成形加工性にも優れた鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
その結果、FB加工性、FB加工後の成形加工性および金型寿命は、フェライト粒内に存在する炭化物の粒径およびフェライト粒径と密接な関係にあることを見出した。そして、所定範囲の組成を有する鋼素材に、熱間圧延の仕上圧延条件およびその後の冷却を適正条件として、ほぼ100%のパーライト組織を有する熱延鋼板とし、さらに適正条件の熱延板焼鈍を施して、金属組織を、平均フェライト粒径が10μm超20μm未満、フェライト粒内の炭化物の平均粒径を0.3〜1.5μmとした、フェライト+セメンタイト(粒状炭化物)組織とすることにより、FB加工性、金型寿命およびFB加工後の成形加工性(サイドベンド伸び)が顕著に向上することを新たに見出した。
質量%で、0.34%C−0.2%Si−0.8%Mnを含有する高炭素鋼スラブ(S35C相当)に、1150℃に加熱後、5パスの粗圧延、7パスの仕上圧延からなる熱間圧延を施し、板厚4.2mmの熱延鋼板とした。なお、熱間圧延の仕上圧延における総圧下率を10〜40%に変化し、圧延終了温度を860℃、巻取温度を600℃とし、仕上圧延後に冷却速度を空冷(5℃/s)〜250℃/sまで変化させて冷却した。なお、空冷以外の冷却(強制冷却)を行った場合の冷却停止温度は650℃とした。ついでこれら熱延鋼板に酸洗を施した後、熱延板焼鈍としてバッチ焼鈍(720℃×40h)を行った。
金属組織の観察では、得られた鋼板から試験片を採取し、該試験片の圧延方向に平行な断面を研磨し、ナイタール腐食したのち、板厚1/4位置について、走査型電子顕微鏡(SEM)で金属組織を観察し撮像して、フェライト粒径およびフェライト粒内炭化物粒径を測定した。
Rz ave=(Rz 1+ Rz 2+ Rz 3+ Rz 4)/4
(ここで、Rz 1,Rz 2,Rz 3,Rz 4:各面のRz)
で定義される平均表面粗さ:R z ave(μm)を算出した。
また、使用した工具(金型)の寿命を評価した。FB加工における打抜き回数が30000回に達した時点でのサンプル端面(打抜き面)の表面粗さ(十点平均粗さRz)を上記と同様に測定し、金型寿命を評価した。
サイドベンド試験は、長井ら(長井美憲、永井康友:PK技報、N0.6(1995)、p14)の方法に準拠して、試験片の側面(板面)を拘束した状態で、サイドベンド試験を実施し、板厚貫通割れ時の伸びを測定した。伸びを評価する側の試験片端面は、170mm長さ側のFB加工面とした。なお、試験片には、破断時の伸びを評価するための標点を標点間距離50mmでけがき線を記入した。試験数は、各鋼板2枚とし、得られた伸び値の平均値をサイドベンド伸び値とした。
図1は、フェライト平均粒径とサイドベンド伸びとの関係を示す。図1から、フェライト平均粒径が10μm超となると、サイドベンド伸びが45%を超え、非常に良好な値を示し、良好なFB加工後の加工性を示すことがわかる。なお、フェライト平均粒径が20μm以上では、FB加工後のバリが大きくなり、FB加工性が低下した。また、図2はフェライト平均粒径が10μm超20μm未満の場合における、フェライト粒内炭化物平均粒径とFB加工打抜き面の平均表面粗さRz aveの関係を示す。図2から、フェライト粒内炭化物平均粒径が1.5μm以下の場合には、Rz aveが10μm以下と良好なFB加工性を示すことがわかる。なお、フェライト粒内炭化物平均粒径が0.3μm未満の場合、30000回打抜き後の打抜き面の平均表面粗さが10μmを超え、金型寿命が低下した。
(1)質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜1.5%、P:0.03%以下、S:0.02%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトおよび炭化物を主体とする組織を有し、前記フェライトの平均粒径が10μm超20μm未満、前記炭化物のうち、フェライト粒内に存在する炭化物の平均粒径が0.3〜1.5μmであることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする鋼板。
(6)(4)または(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする鋼板の製造方法。
C:0.1〜0.5%
Cは、熱延焼鈍後および焼入れ後の硬さに影響する元素であり、本発明では0.1%以上の含有を必要とする。Cが0.1%未満では、自動車用部品として要求される硬さを得ることができなくなる。一方、0.5%を超える多量の含有は、鋼板が硬質化するため、工業的に十分な金型寿命が確保できなくなる。このため、Cは0.1〜0.5%の範囲に限定した。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶強化により強度(硬さ)を増加させる元素であるが、0.5%を超えて多量に含有するとフェライトが硬質化し、FB加工性を低下させる。また0.5%を超えてSiを含有すると、熱延段階で赤スケールと呼ばれる表面欠陥を生じる。このため、Siは0.5%以下に限定した。なお、好ましくは0.35%以下である。
Mnは、固溶強化により鋼の強度を増加するとともに、焼入れ性向上に有効に作用する元素である。このような効果を得るためには、0.2%以上含有することが望ましいが、1.5%を超えて過剰に含有すると、固溶強化が強くなりすぎてフェライトが硬質化し、FB加工性が低下する。このため、Mnは0.2〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.2〜1.0%、より好ましくは0.6〜0.9%である。
Pは、粒界等に偏析し加工性を低下させるため、本発明では極力低減することが望ましいが、0.03%までは許容できる。このようなことから、Pは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
S:0.02%以下
Sは、鋼中ではMnSなどの硫化物を形成して介在物として存在し、FB加工性を低下させる元素であり、極力低減することが望ましいが、0.02%までは許容できる。このようなことから、Sは0.02%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合してAlNを形成し、オーステナイト粒の粗大化防止に寄与する元素である。Bとともに含有する場合には、Nを固定し、焼入れ性向上に有効なB量の低減を防止する効果も有する。このような効果は0.02%以上の含有で顕著となるが、0.1%を超える含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、含有する場合には、Alは0.1%以下に限定することが好ましい。なお、不可避的不純物としてのAlは0.01%以下である。
Cr:3.5%以下
Crは、焼入れ性の向上に有効な元素であり、このような効果を得るためは0.1%以上含有することが好ましいが、3.5%を超える含有は、FB加工性が低下するとともに、焼戻軟化抵抗の過度の増大を招く。このため、Crは含有する場合には3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.2〜1.5%である。
Moは、焼入れ性の向上に有効に作用する元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上含有することが好ましいが、0.7%を超える含有は鋼の硬質化を招き、FB加工性が低下する。このため、Moは含有する場合には0.7%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜0.3%である。
Niは、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上含有することが好ましいが、3.5%を超える含有は鋼の硬質化を招き、FB加工性が低下する。このため、Niは含有する場合には3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜2.0%である。
Tiは、Nと結合しTiNを形成しやすく、焼入れ時のγ粒の粗大化防止に有効に作用する元素である。また、Bとともに含有する場合にはBNを形成するNを低減するため、焼入れ性向上に必要なBの添加量を少なくすることができるという効果も有する。このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える含有は、TiCなどの析出によりフェライトが析出強化されて硬質化し、金型寿命の低下を招く。このため、含有する場合には、Tiは0.01〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.015〜0.08%である。
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、微量で焼入れ性を改善させる元素であり、特にTiと複合添加した場合に効果的である。焼入れ性改善のためには、0.0005%以上の含有を必要とする。一方、0.005%を超えて含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、含有する場合には、Bは0.0005〜0.005%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0008〜0.004%である。
次に、本発明鋼板の組織限定理由について説明する。
本発明鋼板は、フェライトおよび炭化物を主体とする組織を有する。フェライトおよび炭化物を主体とする組織とは、フェライトと炭化物とで体積率で95%以上となる組織をいうものとする。すなわち、本発明鋼板は、ほぼフェライトおよび炭化物からなる組成を有するが、フェライト、炭化物以外の相を体積率で5%程度まで許容することができる。
上記した組成を有する溶鋼を、転炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法で鋼素材(スラブ)とすることが好ましい。
ついで、得られた鋼素材には、鋼素材を加熱し圧延して熱延板とする熱間圧延を施す。
熱間圧延は、仕上圧延における800〜950℃の温度域の総圧下率を25%以上、仕上圧延の終了温度を800〜950℃とし、該仕上圧延の終了後に、50℃/s以上120℃/s未満の平均冷却速度で冷却し、500〜700℃の範囲の温度で該冷却を停止し、450〜600℃で巻取る処理とする。
熱間圧延の仕上圧延において、圧下率を大きくすることにより、オーステナイト粒径が小さくなり、それに伴って変態後のパーライト粒径が微細となり、熱延板焼鈍において、微細なパーライトが有する高い粒界エネルギーを駆動力として、フェライト粒の成長が促進される。
パーライトは、熱延板焼鈍により、ポリゴナルフェライトと球状セメンタイトに変化する。この熱延板焼鈍により生成するフェライトの平均粒径を10μm超20μm未満とするには、仕上圧延における800〜950℃の温度域の総圧下率を、通常行われる圧延より大きな圧下率である、25%以上とする。800〜950℃の温度域の総圧下率が25%未満では、圧下率が不足し、フェライト粒径を所望の範囲とすることが困難となる。なお、総圧下率の上限は圧延負荷の観点から35%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは25〜33%である。
仕上圧延の終了温度が950℃を超えて高くなると、発生するスケールが厚くなり酸洗性が低下するうえ、鋼板表層で脱炭層を生じる場合があり、フェライト粒径が粗大になりやすい。一方、仕上圧延の終了温度が800℃未満では、圧延負荷の増大が著しくなり、圧延機への過大な負荷が問題となる。このため、仕上圧延の終了温度は800〜950℃の範囲内の温度とすることが好ましい。
仕上圧延終了後、50℃/s以上の平均冷却速度で冷却する。なお、該平均冷却速度は仕上圧延の終了温度から該冷却(強制冷却)の停止温度までの平均冷却速度である。平均冷却速度が50℃/s未満では、冷却中に炭化物を含まないフェライトを生じ、冷却後の組織がフェライト+パーライトの不均一な組織となり、ほぼ100%のパーライトからなる均一な組織を確保できなくなる。熱延板組織がフェライト+パーライトの不均一な組織では、炭化物の分布も不均一となり、その後の熱延板焼鈍をいかに工夫しても、粒内に存在する炭化物が粗大となりやすいため、仕上圧延終了後の平均冷却速度を50℃/s以上に限定することが好ましい。なお、仕上圧延終了後の平均冷却速度は120℃/s未満とすることが、ベイナイトの生成を防止する観点から好ましい。平均冷却速度が120℃/s以上となると、鋼板表層部と板厚中央部で組織が異なりやすく、熱延板焼鈍後に表層部と板厚中央部とで変形能が異なるため、金型寿命、FB加工性、FB加工後の成形加工性が低下しやすくなる。このため、仕上圧延終了後の平均冷却速度は50℃/s以上120℃/s未満とすることが好ましい。
上記冷却(強制冷却)を停止する温度は500〜700℃とすることが好ましい。冷却停止温度が500℃未満では、硬質なベイナイトやマルテンサイトを生じて熱延板焼鈍が長時間となるという問題や、巻取時に割れを生じるなど操業上の問題を生じる。一方、冷却停止温度が700℃を超えて高温となると、フェライト変態ノーズが700℃近傍であるため、冷却停止後の放冷中にフェライトを生じ、ほぼ100%のパーライトからなる均一な組織を確保できなくなる。このようなことから、冷却の停止温度は、500〜700℃の範囲内の温度に限定することが好ましい。なお、より好ましくは500〜650℃、さらに好ましくは500〜600℃である。
巻取り温度:450〜600℃
巻取り温度が450℃未満では、巻取り時に鋼板に割れが発生し、操業上問題となる。一方、巻取り温度が600℃を超えると、巻取り中にフェライトが生成するという問題がある。なお、好ましくは500〜600℃である。
このようにして得た熱延板(熱延鋼板)は、ついで、酸洗またはショットブラストなどにより表面の酸化スケールを除去された後、焼鈍温度:600〜720℃とする熱延板焼鈍を施される。ほぼ100%のパーライト組織を有する熱延板に適正な熱延板焼鈍を施すことにより、炭化物の球状化が促進され、フェライト粒径を所望の範囲に調整されるとともに、フェライト粒内の炭化物粒径を所定の範囲に調整することができるようになる。
焼鈍温度が600℃未満では、フェライト粒内の炭化物の平均粒径が0.3μm未満となる。一方、720℃を超えて高温となると、フェライト粒内の炭化物の平均粒径が1.5μmを超え、FB加工性が低下する。なお、熱延板焼鈍の保持時間はとくに限定する必要はないが、炭化物粒径を所望の範囲内に調整するためには、8h以上とすることが好ましい。また、80hを超えるとフェライト粒が過度に粗大化し、フェライト粒内炭化物平均粒径が1.5μmを超える恐れがあるため、80h以下とすることが好ましい。
(1)組織観察
得られた鋼板から組織観察用試験片を採取した。そして、試験片の圧延方向に平行な断面を研磨し、ナイタール腐食したのち、板厚1/4位置について、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率、フェライト:1000倍、炭化物:3000倍)で金属組織を観察(視野数:30個所)し、Media Cybernetics社製の画像解析ソフト“Image Pro Plus ver.4.0”を使用して画像解析処理にて、フェライトおよび炭化物の体積率、フェライト粒径、フェライト粒内炭化物粒径を測定した。
フェライト粒径は、各フェライト粒についてその面積を測定し、得られた面積から円相当径を求め、おのおのの粒径とした。得られた各フェライト粒径を算術平均し、その値を、その鋼板のフェライト平均粒径とした。なお、測定した面積率は各500個とした。
得られた鋼板から試験片(大きさ:100×80mm)を採取し、FBテストを実施した。FBテストは、110t油圧プレス機を用いて、試験片から、大きさ:60mm×40mm(コーナー部半径R:10mm)のサンプルを、工具間のクリアランス:0.060mm(板厚の1.5%)、加工力:8.5ton、潤滑:有りの条件で打抜いた。打抜かれたサンプルの端面(打抜き面)について、表面粗さ(十点平均粗さRz)を測定して、FB加工性を評価した。なお、試験片は、クリアランスに対する板厚偏差の影響を除くため、予め両面を等量ずつ研削し、板厚を4.0±0.010mmとした。
Rz ave=(Rz 1+ Rz 2+ Rz 3+ Rz 4)/4
(ここで、Rz 1,Rz 2,Rz 3,Rz 4:各面のRz)
で定義される平均表面粗さ:R z ave(μm)を算出し、FB加工性を評価した。
また、FB加工として問題となるような大きなバリ(高バリ)の発生の有無を観察した。
また、使用した工具(金型)の寿命を評価した。FB加工における打抜き回数が30000回に達した時点でのサンプル端面(打抜き面)の表面粗さ(十点平均粗さRz)を測定し、金型寿命を評価した。なお、表面粗さの測定方法は上記した方法と同じとした。サンプル端面の平均表面粗さRz aveが10μm以下を○、10μm超え〜16μm以下を△、16μm超えを×として評価した。
得られた鋼板から、FB加工により試験片(大きさ:40mm×170mm(圧延方向))を打抜き、サイドベンド試験を実施し、FB加工後の加工性(サイドベンド伸び性)を評価した。なお、試験片は、クリアランスに対する板厚偏差の影響を除くため、予め両面を等量ずつ研削し、板厚を4.0±0.10mmとした。FB加工は、工具間のクリアランス:0.060mm(板厚の1.5%)、加工力:8.5ton、潤滑:有りの条件で行った。
Claims (6)
- 質量%で、
C:0.1〜0.5%、 Si:0.5%以下、
Mn:0.2〜1.5%、 P:0.03%以下、
S:0.02%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトおよび炭化物を主体とする組織を有し、前記フェライトの平均粒径が10μm超20μm未満、前記炭化物のうち、フェライト粒内に存在する炭化物の平均粒径が0.3〜1.5μmであることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板。
- 鋼素材を加熱し圧延を施し熱延板とする熱間圧延と、該熱延板に焼鈍を施す熱延板焼鈍と、を順次施す鋼板の製造方法において、
前記鋼素材を、質量%で、
C:0.1〜0.5%、 Si:0.5%以下、
Mn:0.2〜1.5%、 P:0.03%以下、
S:0.02%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
前記熱間圧延を、仕上圧延における800〜950℃の温度域の総圧下率を25%以上、仕上圧延の終了温度を800〜950℃とし、該仕上圧延の終了後に、50℃/s以上120℃/s未満の平均冷却速度で冷却し、500〜700℃の範囲の温度で該冷却を停止し、450〜600℃で巻取る処理とし、前記熱延板焼鈍を、焼鈍温度:600〜720℃とする処理とすることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項4に記載の鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項4または5に記載の鋼板の製造方法。
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