JP5050386B2 - ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents

ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車部品等の用途に好適な鋼板に係り、とくに精密打抜き加工(以下、ファインブランキング加工、あるいはFB加工ともいう)を施される使途に好適な、ファインブランキング加工性に優れた鋼板に関する。
複雑な機械部品を製造するうえでは、寸法精度の向上、製造工程の短縮等の観点から、ファインブランキング加工が、切削加工に比べて極めて有利な加工方法であることが知られている。
通常の打抜き加工では、工具間のクリアランスは、被打抜き材である金属板の板厚の5〜10%程度であるが、ファインブランキング加工は、通常の打抜き加工とは異なり、工具間のクリアランスをほぼゼロ(実際は、被打抜き材である金属板の板厚の2%以下程度)と極めて小さく設定すると共に、さらに工具切刃付近の材料に圧縮応力を作用させて打抜く加工方法である。そして、ファインブランキング加工は、
(1)工具切刃からの亀裂発生を抑制して、通常の打抜き加工で見られる破断面がほぼゼロとなり、加工面(打抜き端面)がほぼ100%剪断面の、平滑な加工面が得られる、
(2)寸法精度がよい、
(3)複雑な形状を1工程で打抜ける
などの特徴を有している。しかし、ファインブランキング加工においては、材料(金属板)の受ける加工度は極めて厳しいものとなる。また、ファインブランキング加工では、工具間のクリアランスをほぼゼロとして行うため、金型への負荷が過大となり、金型寿命が短くなるという問題がある。
このため、ファインブランキング加工を適用される材料には、優れたファインブランキング加工性を具備するとともに、金型寿命の低下を防止することが要求されてきた。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、C:0.15〜0.90重量%、Si:0.4重量%以下、Mn:0.3〜1.0重量%を含有する組成と、球状化率80%以上、平均粒径0.4〜1.0μmの炭化物がフェライトマトリックスに分散した組織を有し、切欠き引張伸びが20%以上である、精密打抜き加工性に優れた高炭素鋼板が提案されている。特許文献1に記載された技術によれば、精密打抜き性が改善され、さらに金型寿命も改善されるとしている。しかし、特許文献1に記載された高炭素鋼板は、ファインブランキング加工後の成形加工性が劣るという問題があった。
また、特許文献2には、C:0.08〜0.19%、Si、Mn、Alを適正量含有し、Cr:0.05〜0.80%、B:0.0005〜0.005%を含有する鋼片に、適正な熱間圧延を施して鋼板とした、精密打抜き用鋼板が提案されている。特許文献2に記載された鋼板は、降伏強度が低く、かつ衝撃値が高くファインブランキング加工性に優れ、低歪域n値が高く複合成形加工性に優れ、さらに短時間急速加熱焼入性にも優れた鋼板であるとされる。しかし、特許文献2には、ファインブランキング加工性についての具体的な評価は示されていない。また、特許文献2に記載された鋼板は、ファインブランキング加工後の成形加工性が劣るという問題があった。
また、特許文献3には、C:0.15〜0.45%を含み、Si、Mn、P、S、Al、N含有量を適正範囲に調整した組成を有し、さらに、パーライト+セメンタイト分率が10%以下、かつフェライト粒の平均粒径が10〜20μmである組織を有する、転造加工やファインブランキング加工における成形性に優れた高炭素鋼板が提案されている。特許文献3に記載された高炭素鋼板では、ファインブランキング加工性に優れ、さらにファインブランキング加工における金型寿命も改善されるとしている。しかし、特許文献3に記載された高炭素鋼板は、ファインブランキング加工後の成形加工性が劣るという問題があった。
さらに、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された鋼板は、いずれも、最近の厳しい加工条件のファインブランキング加工においては、満足できる十分なファインブランキング加工性を具備しているとはいえず、また金型寿命も十分に改善されているわけではないうえ、ファインブランキング加工後の成形加工性が劣るという問題が残されていた。
当初、ファインブランキング加工は、ギア部品などでも、ファインブランキング加工後に加工を施されない部品に適用されてきた。しかし、最近では、自動車部品(リクライニング部品など)へのファインブランキング加工の適用が拡大される傾向にあり、ファインブランキング加工後に伸びフランジ加工や張出し加工などを必要とする部品への適用が検討されている。このため、自動車部品として、ファインブランキング加工性に優れるうえ、ファインブランキング加工後の、伸びフランジ加工や張出し加工などの成形加工性にも優れた鋼板が熱望されている。
伸びフランジ加工性を改善する技術としては、これまで数多くの提案がなされている。例えば、特許文献4には、C:0.20〜0.33%を含み、Si、Mn、P、S、sol.Al、N含有量を適正範囲に調整し、さらにCr:0.15〜0.7%を含有する組成を有し、パーライトを含んでいてよいフェライト・ベイナイト混合組織を有する、伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板が提案されている。特許文献4に記載された熱延鋼板では、上記した組織とすることにより、穴拡げ率が高くなり、伸びフランジ性が向上するとしている。また、特許文献5には、C:0.2〜0.7%を含有する組成を有し、炭化物平均粒径が0.1μm以上1.2μm未満、炭化物を含まないフェライト粒の体積率が15%以下である組織を有する伸びフランジ性に優れた高炭素鋼板が提案されている。特許文献5に記載された高炭素鋼板では、打抜き時の端面におけるボイドの発生を抑制し、穴拡げ加工におけるクラックの成長を遅くすることができ、伸びフランジ性が向上するとしている。
また、特許文献6には、C:0.2%以上を含む組成を有し、フェライトおよび炭化物を主体とし、炭化物粒径が0.2μm以下、フェライト粒径が0.5〜1μmである組織を有する打抜き性と焼入れ性に優れた高炭素鋼板が提案されている。これにより、バリ高さと金型寿命とで決定される打抜き性と、焼入れ性がともに向上するとしている。
特開2000-265240号公報 特開昭59-76861号公報 特開2001-140037号公報 特開平9-49065号公報 特開2001-214234号公報 特開平9-316595号公報
しかしながら、特許文献4、特許文献5に記載された技術はいずれも、従来の打抜き加工を施すことを前提にしたものであり、クリアランスがほぼゼロとなるファインブランキング加工の適用を考慮したものではない。したがって、厳しいファインブランキング加工後に、同様の伸びフランジ性を確保することは難しく、たとえ確保できても金型寿命が短くなるという問題がある。
また、特許文献6に記載された技術では、フェライト粒径を0.5〜1μmの範囲にする必要があり、このようなフェライト粒径を有する鋼板を安定して工業的に製造することは困難であり、製品歩留の低下に繋がるという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みて成されたものであり、ファインブランキング加工性に優れ、さらにファインブランキング加工後の成形加工性にも優れた鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、ファインブランキング加工性(以下、FB加工性と略す)に及ぼす金属組織の影響、とくにフェライト、パーライトの形態および分布状態について鋭意研究した。その結果、FB加工性、FB加工後の成形加工性およびFB加工時の金型寿命は、パーライトコロニーの径、あるいはさらにパーライトブロックの分散形態およびフェライト粒径と密接な関係にあることを見出した。
FB加工では、クリアランスゼロ、圧縮応力状態で材料が加工される。そのため、材料には、大きな変形を受けたのちに、亀裂が発生する。大きな変形中に、多数の亀裂が発生すると、FB加工性は大幅に低下することになる。材料がパーライトを含む組織を有する場合、亀裂の発生防止には、パーライトの微細化が重要であるといわれている。しかし、FB加工においては、たとえパーライトが微細であっても、それらが集合して存在する場合には、FB加工において微小亀裂の多量発生は避けられない。そのため、FB加工後さらに伸びフランジ加工が施される場合には、FB加工時に発生した微小亀裂同士が連結して伸びフランジ性の低下をもたらすことになると本発明者らは考えた。また、金型寿命に関しても、パーライトが集合して存在すると、工具切刃の摩耗が促進され、金型寿命が低下することになる、また、パーライトが集合して存在すると、FB加工時発生した微細クラックの連結が促進され、粗大な割れが生成しやすくなり、破断面を生じやすくなる、と本発明者らは推察した。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
質量%で、0.34%C−0.2%Si−0.8%Mnを含有する高炭素鋼スラブ(S35C相当)に、1150℃に加熱後、5パスの粗圧延、7パスの仕上圧延からなる熱間圧延を施し、板厚4.3mmの熱延鋼板とした。なお、熱間圧延の仕上圧延では、780℃〜840℃の温度域における総圧下率を10〜40%の間で変化させた。また、仕上圧延の終了温度は780〜840℃とし、仕上圧延終了後、60℃/sの平均冷却速度で500℃〜650℃まで冷却し巻き取った。
ついでこれら熱延鋼板について、金属組織を観察するとともにFB加工性を評価した。
金属組織観察は、得られた鋼板から試験片を採取し、該試験片の圧延方向に平行な断面を研磨し、ナイタール腐食したのち、板厚1/4位置について、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:1500〜5000倍)で金属組織を撮像し、パーライトコロニー粒径を測定した。パーライトコロニー粒径は、各パーライトコロニーについて、個々の面積を測定し、得られた面積から円相当径を算出し、各パーライトコロニーの粒径とし、得られた粒径の算術平均を求め、各鋼板のパーライトコロニー平均粒径とした。さらに、撮像された金属組織を利用し、単位面積(1mm)あたりに存在する各パーライトブロックについて、該各パーライトブロック内のパーライトコロニー数を測定し、パーライトコロニー数が2個以下のパーライトブロックの数を求め、パーライトコロニーの数が2個以下のパーライトブロックの数の、パーライトブロック全数に対する比率(存在比率)を算出した。なお、本発明でいう「パーライトコロニー」とは、パーライト中のフェライトの結晶方位が同じで、かつセメンタイトの方向が一定の方向に揃った領域を言うものとする。また、本発明でいう「パーライトブロック」とは、パーライト中のフェライトの結晶方位を同じとする領域をいうものとする。また、金属組織中に存在するフェライト粒についても、参考として平均粒径を同様に測定した。
また、得られた鋼板から試験板(大きさ:100×80mm)を採取し、ファインブランキングテスト(FBテスト)を実施した。FBテストは、110t油圧プレス機を用いて、試験片から、大きさ:60mm×40mm(コーナー部半径R:10mm)のサンプルを、クリアランス:0.060mm(板厚の1.5%)、加工力:8.5ton、潤滑:有りの条件で打抜いた。打抜かれたサンプルの端面(打抜き面)について、表面粗さ(十点平均粗さRz)を測定して、FB加工性を評価した。なお、試験片は、クリアランスに対する板厚偏差の影響を除くため、予め両面を等量ずつ研削し、板厚を4.0±0.010mmとした。
表面粗さの測定は、R部を除く4つの端面とし、各端面で図2に示すように、パンチ側表面0.5mmから板厚方向に3.9mmまでの範囲でかつ表面に平行に(X方向)10mmの領域を、触針式表面粗度計で繰返し板厚方向(t方向)に100μmピッチで35回走査し、JIS B 0601-1994に準拠して、各走査線における表面粗さRzを測定した。さらに、測定面の表面粗さRzは、各々の走査線のRzを合計して、その平均値とした。上記と同様の方法で4つの端面を測定して、次式
Rz ave=(Rz 1+ Rz 2+ Rz 3+ Rz 4)/4
(ここで、Rz 1,Rz 2,Rz 3,Rz 4:各面のRz)
で定義される平均表面粗さ:Rz ave(μm)を算出した。
一般には、打抜き端面における破断面の出現が10%以下の場合を「FB加工性に優れる」とするが、本発明では、平均表面粗さ:Rz aveが、15μm以下となる場合をFB加工性に優れるとする。なお、上記と異なる板厚の試験片の平均表面粗さRz aveを求める場合は、上記と同様に表面0.5mmから板厚方向に、(板厚(mm)−0.1mm)程度の範囲でかつ表面に平行に10mmの領域を板厚方向に繰り返し100μmピッチで走査して各面のRzを求め、各面のRzからRz aveを求めればよい。
得られた結果を図1に示す。
図1から、パーライトコロニー平均粒径が5μm以下と小さくなると、FB加工後のRz aveは15μm以下となり、FB加工性が顕著に向上することが分かる。
なお、図1に示す例は、フェライトを含む場合で、フェライト平均粒径が8μmの場合である。
また、パーライトブロックについても観察したところ、パーライトコロニーの数が2個以下と少ないパーライトブロックが多い方が、すなわち小さなパーライトブロックが細かく分散するほど、Rz aveが小さくなり、FB加工性が良好になる傾向にあり、特に上記したパーライトコロニーの数が2個以下のパーライトブロックの存在比率が60%以上の比率となると、Rz aveが特に小さくなることがわかった。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに研究を重ねて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜1.5%、P:0.03%以下、S:0.02%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、パーライトが体積率で50%超である組織を有し、前記パーライトのパーライトコロニー平均粒径が1〜5μmであることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板。
(2)(1)において、前記パーライトにおけるパーライトブロック全数のうちの60%以上が、パーライトコロニー数が2個以下のパーライトブロックであることを特徴とする鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組織がパーライトが体積率で50%超であり、残部はフェライトを主体とする組織からなり、該フェライトの平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする鋼板。
(6)質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜1.5%、P:0.03%以下、S:0.02%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材に、熱間圧延を施して熱延鋼板とするに当り、前記熱間圧延の仕上げ圧延が、Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率:25%以上、圧延終了温度:Ar変態点〜850℃とし、圧延終了後、50℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、500〜650℃の温度域で冷却を停止し、巻取り温度:500〜650℃とする圧延であることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板の製造方法。
(7)(6)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする鋼板の製造方法。
)(6)または7)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする鋼板の製造方法。
本発明によれば、FB加工性に優れ、しかもFB加工後の成形加工性にも優れた鋼板を容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、FB加工性に優れた鋼板となり、FB加工後の端面処理を行う必要がなくなり、製造工期の短縮が可能で生産性が向上するとともに、製造コストの削減が可能となるという効果もある。
まず、本発明鋼板の組成限定理由について説明する。なお、組成における質量%はとくに断わらないかぎり、単に%と記す。
C:0.1〜0.5%
Cは、焼鈍後および焼入れ後の硬さに影響する元素であり、本発明では0.1%以上の含有を必要とする。Cが0.1%未満では、自動車用部品として要求される硬さを得ることができなくなる。一方、0.5%を超える多量の含有は、鋼板が硬質化するため、工業的に十分な金型寿命が確保できなくなる。このため、Cは0.1〜0.5%の範囲に限定した。
Si:0.5%以下
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶強化により強度(硬さ)を増加させる元素であり、0.5%を超えて多量に含有するとフェライトが硬質化し、FB加工性を低下させる。また0.5%を超えてSiを含有すると、熱延段階で赤スケールと呼ばれる表面欠陥を生じる。このため、Siは0.5%以下に限定した。なお、好ましくは0.35%以下である。
Mn:0.2〜1.5%
Mnは、固溶強化により鋼の強度を増加するとともに、焼入れ性向上に有効に作用する元素である。このような効果を得るためには、0.2%以上含有することが望ましいが、1.5%を超えて過剰に含有すると、固溶強化が強くなりすぎてパーライト以外の相としてフェライトを有する場合、フェライトが硬質化し、FB加工性が低下する。このため、Mnは0.2〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.6〜0.9%である。
P:0.03%以下
Pは、粒界等に偏析し加工性を低下させるため、本発明では極力低減することが望ましいが、0.03%までは許容できる。このようなことから、Pは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
S:0.02%以下
Sは、鋼中ではMnSなどの硫化物を形成して介在物として存在し、FB加工性を低下させる元素であり、極力低減することが望ましいが、0.02%までは許容できる。このようなことから、Sは0.02%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
上記した成分が基本組成であるが、本発明では上記した基本組成に加えて、Al、および/または、Cr、Mo、Ni、TiおよびBのうちから選ばれた1種または2種以上を含有できる。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合してAlNを形成し、オーステナイト粒の粗大化防止に寄与する元素である。Bとともに含有する場合には、Nを固定し、BがBNとなり焼入れ性向上に有効なB量の低減を防止する効果も有する。このような効果は0.02%以上の含有で顕著となるが、0.1%を超える含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、含有する場合には、Alは0.1%以下に限定することが好ましい。なお、不可避的不純物としてのAlは0.01%以下である。
Cr、Mo、Ni、Ti、Bはいずれも、焼入れ性の向上、あるいはさらに焼戻軟化抵抗の向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
Cr:3.5%以下
Crは、焼入れ性の向上に有効な元素であり、このような効果を得るためは0.1%以上含有することが好ましいが、3.5%を超える含有は、FB加工性が低下するとともに、焼戻軟化抵抗の過度の増大を招く。このため、Crは含有する場合には3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.2〜1.5%である。
Mo:0.7%以下
Moは、焼入れ性の向上に有効に作用する元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上含有することが好ましいが、0.7%を超える含有は鋼の硬質化を招き、FB加工性が低下する。このため、Moは含有する場合には0.7%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜0.3%である。
Ni:3.5%以下、
Niは、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上含有することが好ましいが、3.5%を超える含有は鋼の硬質化を招き、FB加工性が低下する。このため、含有する場合には、Niは3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜2.0%である。
Ti:0.01〜0.1%
Tiは、Nと結合しTiNを形成しやすく、焼入れ時のオーステナイト(γ)粒の粗大化防止に有効に作用する元素である。また、Bとともに含有する場合にはBNを形成するNを低減するため、焼入れ性向上に必要なBの添加量を少なくすることができるという効果も有する。このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える含有は、TiCなどの析出によりフェライトが析出強化されて硬質化し、金型寿命の低下を招く。このため、含有する場合には、Tiは0.01〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.015〜0.08%である。
B:0.0005〜0.005%
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、微量で焼入れ性を改善させる元素であり、特にTiと複合添加した場合に効果的である。焼入れ性改善のためには、0.0005%以上の含有を必要とする。一方、0.005%を超えて含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、含有する場合には、Bは0.0005〜0.005%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0008〜0.004%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、例えば、N:0.01%以下、O:0.01%以下、Cu:0.1%以下が許容できる。
次に、本発明鋼板の組織限定理由について説明する。
本発明鋼板は、パーライトを主体とする組織を有する。ここでいう「パーライトを主体とする組織」とは、パーライト単一組織、またはパーライトが体積率で50%超である組織をいうものとする。なお、パーライト以外の組織としては、フェライト、ベイナイト、マルテンサイト等が単独またはそれらが複合した組織が例示できる。
本発明鋼板では、パーライトにおけるパーライトコロニー平均粒径を1〜5μmとする。なお、ここでいう「パーライトコロニー」とはフェライトの結晶方位が同じで、しかもセメンタイトのラメラーの方向が一定である領域をいうものとする。
パーライトコロニーの平均粒径が1μm未満では、鋼板が硬質化し、FB加工時の金型寿命が低下する。一方、パーライトコロニーの平均粒径が5μmを超えて大きくなると、FB加工時に亀裂が発生しやすくなり、加工部の端面が粗くなりFB加工性が低下する。このため、パーライトコロニーの平均粒径は1〜5μmの範囲に限定した。
また、本発明鋼板では、パーライトにおけるパーライトブロックの全数のうちの60%以上が、パーライトコロニー数が2個以下のパーライトブロックであることが好ましい。上記のようにパーライトコロニーの大きさを調整するとともに、パーライトコロニー数が2個以下と小さなパーライトブロックの存在比率を60%以上として、細かく分散させることにより、FB加工等の亀裂の連結を起こしにくくすることができる。また、このような亀裂の連結を起こしにくくすることは、FB加工後の伸びフランジ性を向上させることになる。このため、パーライトコロニー数が2個以下のパーライトブロックの存在比率を全パーライトブロック数のうちの60%以上とすることが好ましい。なお、ここでいう「パーライトブロック」とは、パーライト中のセメンタイトの方位は異なるが、フェライトの結晶方位が同じあるパーライトコロニーから構成された領域をいうものとする。
また、本発明鋼板では、FB加工性の観点から、パーライトのパーライトブロック径(サイズ)は、10μm以下と、小さければ小さいほど好ましい。パーライトブロック径(サイズ)が10μmを超えて大きくなると、FB加工時の亀裂伝播の抑制効果が小さくなり、加工面が粗くなりFB加工性が低下する。
なお、パーライト単一組織以外の場合には、パーライト以外の組織としては、フェライト、ベイナイト、マルテンサイト等が例示できるが、とくに金型寿命の観点からフェライトを主体とする、すなわち、フェライトの、パーライト以外の組織に占める割合を50%超とすることが好ましい。パーライト以外の組織である第二相が存在する場合には、第二相は体積率で50%未満とすることが好ましい。第二相が体積率で50%以上と多くなると、パーライトを主体とする組織とすることができず、FB加工性が低下する。
また、パーライト以外の組織が、フェライトを主体とする組織の場合、フェライトの平均粒径は1〜10μmとすることが好ましい。フェライトの平均粒径が1μm未満では、鋼板が高質化しやすく、FB加工性、FB加工時の金型寿命、FB加工後の成形加工性が低下しやすい。一方、フェライトの平均粒径が10μmを超えて粗大化すると、金型寿命は向上するものの、バリ高さが高くなりやすい。このため、フェライトの平均粒径は1〜10μmに限定することが好ましい。なお、より好ましくは5〜10μmである。
つぎに、本発明鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉等の方法で溶製し、あるいはさらに真空脱ガス炉にて2次精錬を行う、常用の溶製方法とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、通常の公知の溶製方法がすべて適用できる。また、溶鋼は、生産性、品質上の観点から、連続鋳造法を用いて鋼素材とすることが好ましいが、造塊−分塊法を用いて鋼素材としても何ら問題はない。
ついで、鋼素材は、熱間圧延を施される。
熱間圧延を施すに当り、鋼素材は熱間圧延のための加熱を施される。鋼素材の加熱温度は通常の1000〜1300℃とすることが好ましい。しかし、鋼素材が所定以上の温度を保持している場合には、加熱を施されることなく、鋳造後直ちに、または補熱を目的とした加熱を施され、そのまま熱間圧延を行う、いわゆる直送圧延を行なうことができる。また、鋳造後直ちに、粗圧延を施し、仕上げ圧延前で加熱を行ってもよい。また、鋳造後直ちに、あるいは鋼素材を加熱して、粗圧延を施しシートバーとした後に、シートバーを接合し連続熱間圧延を行っても、また、シートバーを加熱した後に、シートバーを接合し連続熱間圧延を行ってもよい。
鋼素材に施す熱間圧延では、仕上げ圧延を、Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率:25%以上、圧延終了温度:Ar変態点〜850℃、あるいはさらに仕上圧延終了後、50℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、500〜700℃の温度域で冷却を停止し、巻取り温度:500〜650℃とする圧延とすることが好ましい。
Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率:25%以上
熱間圧延における仕上圧延段階で、圧下率を大きくすることは、γ→α変態前のオーステナイト(γ)粒径を小さくすることができ、それに伴ってγ→α変態後のパーライトブロック径およびパーライトコロニー粒径を小さくすることができる。パーライトコロニー平均粒径を1〜5μmとするためには、熱間圧延の仕上圧延段階における、Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率を25%以上とすることが好ましい。Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率が25%未満では、γ→α変態前のオーステナイト(γ)粒を小さくすることができず、γ→α変態後のパーライトコロニー平均粒径を5μm以下とすることができない。また、Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率が25%未満では、パーライト以外の相にフェライトを有する場合、フェライトの平均粒径を10μm以下とすることができない。このため、熱間圧延の仕上圧延におけるAr変態点〜850℃の温度域の総圧下率を25%以上に限定することが好ましい。なお、ここでAr3変態点は、従来公知の方法で求めればよく、例えば下記大内らの推定式(C.Ouchi et al:Trans.ISIJ,22(1982)p214)により求めることができる。
Ar3変態点(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo+0.35(t−8)
ただし、t:板厚(mm)、C、Mn、Cu、Cr、Ni、Mo:各元素の含有量(質量%)
仕上圧延の圧延終了温度:Ar変態点〜850℃
仕上圧延の圧延終了温度は、Ar変態点〜850℃の範囲内の温度とすることが好ましい。仕上圧延の終了温度が850℃を超えて高くなると、発生するスケールが厚くなり酸洗性が低下するうえ、鋼板表層で脱炭層を生じる場合がある。一方、仕上圧延の終了温度がAr変態点未満では、圧延負荷の増大が著しくなり、圧延機への過大な負荷が問題となる。このため、仕上圧延の圧延終了温度はAr変態点〜850℃の範囲内の温度とすることが好ましい。
仕上圧延終了後の平均冷却速度:50℃/s以上
本発明では、仕上圧延後の冷却は、空冷としてもよいが、γ→α変態後のパーライトコロニー、あるいはさらにフェライト粒の粗大化を防止し、パーライトコロニー粒径、パーライトブロック径、さらにフェライト粒径を好ましい範囲に調整するために、仕上圧延終了後、強制冷却することが好ましい。仕上圧延終了後の平均冷却速度が50℃/s未満では、パーライトコロニー、パーライトブロック、あるいはさらにフェライト粒が粗大化しやすく、かつパーライトブロックやフェライトが集合しやすくなり、FB加工時の亀裂の伝播が容易となり、FB加工面が粗くなりFB加工性が低下しやすくなる。このため、仕上圧延終了後の平均冷却速度は50℃/s以上とすることが好ましい。
冷却の停止温度:500〜650
上記した冷却(強制冷却)を停止する温度は500〜650℃とすることが好ましい。冷却停止温度が500℃未満では、硬質なベイナイトやマルテンサイトを多量に生じて、巻取時に割れを生じるなど操業上の問題を生じる。一方、冷却停止温度が700℃を超えて高温となると、フェライト変態ノーズが700℃近傍であるため、冷却停止後の放冷中にフェライトを生じ、パーライトを主体とする組織を確保できなくなる。このようなことから、強制冷却の停止温度は、500〜700℃の範囲内の温度に限定することが好ましい。なお、より好ましくは500〜650℃、さらに好ましくは500〜600℃である。
巻取り温度:500〜650℃
巻取り温度が500℃未満では、巻取り時に鋼板に割れが発生し、操業上問題となるだけでなく、硬質化しすぎて、FB加工時の金型寿命が低下する。一方、巻取り温度が650℃を超えると、巻取り中にパーライトコロニーが成長するという問題がある。このため、本発明では巻取り温度は500〜650℃とすることが好ましい。
表1に示す組成の鋼素材(スラブ)に、表2に示す熱間圧延を施し、熱延鋼板(板厚:4.3mm)とした。なお、表1には、下記推定式により求めたAr変態点を併記した。
Ar3変態点(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo+0.35(t−8)
ただし、t:板厚(mm); C、Mn、Cu、Cr、Ni、Mo:各元素の含有量(質量%)
得られた熱延鋼板について、組織、FB加工性、FB加工後の伸びフランジ性を調査した。調査方法はつぎのとおりとした。
(1)組織
得られた鋼板から組織観察用試験片を採取した。そして、試験片の圧延方向に平行な板厚断面を研磨し、ナイタール腐食したのち、板厚1/4位置について、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:1500〜5000倍)で金属組織を観察(視野数:30個所)し、金属組織を撮像し、パーライトコロニー粒径、フェライト粒径、パーライトブロック径を測定した。パーライトコロニー粒径、フェライト粒径、パーライトブロック径は、パーライトコロニー、フェライト、パーライトブロックのおのおのについて、その面積を測定し、得られた面積から円相当径を求め、おのおのの粒径とした。得られた各粒径を算術平均し、その値を、その鋼板における各平均粒径とした。また、さらに単位面積(1mm2)当り、各々のパーライトブロック内に存在するパーライトコロニーの数を測定し、パーライトコロニーの数が2個以下のパーライトブロックの数を求め、パーライトブロック全数に対する比率(存在比率)(%)を算出した。
(2)FB加工性
得られた鋼板から試験板(大きさ:100×80mm)を採取し、FBテストを実施した。FBテストは、110t油圧プレス機を用いて、試験片から、大きさ:60mm×40mm(コーナー部半径R:10mm)のサンプルを、工具間のクリアランス:0.060mm(板厚の1.5%)、加工力:8.5ton、潤滑:有りの条件で打抜いた。打抜かれたサンプルの端面(打抜き面)について、前記したと同様に表面粗さ(十点平均粗さRz)を測定して、FB加工性を評価した。なお、試験片は、クリアランスに対する板厚偏差の影響を除くため、予め両面を等量ずつ研削し、板厚を4.0±0.010mmとした。
すなわち、表面粗さの測定は、R部を除く4つの端面とし、各端面(板厚面)で、図2に示すように、パンチ側表面0.5mmから板厚方向に3.9mmまでの範囲でかつ表面に平行に(X方向)10mmの領域を、触針式表面粗度計で板厚方向(t方向)に100μmピッチで35回走査し、JIS B 0601-1994に準拠して、各走査線における表面粗さRzを測定した。さらに、測定面の表面粗さRzは、各々の走査線のRzを合計して、その平均値とした。上記と同様の方法で4つの端面を測定して、次式
Rz ave=(Rz 1+ Rz 2+ Rz 3+ Rz 4)/4
(ここで、Rz 1,Rz 2,Rz 3,Rz 4:各面のRz)
で定義される平均表面粗さ:R z ave(μm)を算出した。
また、使用した工具(金型)の寿命を評価した。FB加工における打抜き回数が30000回に達した時点でのサンプル端面(打抜き面)の表面粗さ(十点平均粗さRz)を測定し、金型寿命を評価した。なお、表面粗さの測定方法は上記した方法と同じとした。サンプル端面の平均表面粗さR z aveが15μm以下を○、15μm超えを×として評価した。
(3)FB加工後の伸びフランジ性
得られた熱延鋼板から、試験片(大きさ:100×100mm)を採取し、伸びフランジ性を調査した。
伸びフランジ性は、穴拡げ試験を実施して穴拡げ率λを求めて評価した。穴拡げ試験は、試験片にFB加工で10mmφ(d0)のポンチ穴を打抜いたのち、該ポンチ穴を治具で押し広げる方法で行い、ポンチ穴縁に板厚貫通クラックが発生した時点での穴径dを測定し、次式
λ(%)=(d−d0)/d0×100
で定義される穴拡げ率λ(%)を求めた。なお、試験片はクリアランスに対する板厚偏差の影響を除くため、予め両面を等量ずつ研削し、板厚を4.0±0.010mmとし、FB加工は、工具間のクリアランス:0.060mm(板厚の1.5%)、加工力:8.5ton、潤滑:有りの条件で行った。
得られた結果を表2に併記する。
Figure 0005050386
Figure 0005050386
Figure 0005050386
Figure 0005050386
本発明例はいずれも、打抜き面の平均表面粗さがR z ave が15μm以下であり、FB加工性に優れ、また、打抜き回数:30000回時の打ち抜き面表面も滑らか(評価:○)であり、金型寿命の低下も認められない。また、本発明例は、FB加工後の伸びフランジ性にも優れている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、打抜き面の表面粗さがRz :15μmを超えて粗くなりFB加工性が低下し、また、金型寿命の低下も認められ、伸びフランジ性が低下している。
FB加工性(打抜き面の表面粗さ)とパーライトコロニーの平均粒径との関係を示すグラフである。 FB加工後の打抜き面の表面粗さ測定領域を模式的に説明する説明図である。

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C:0.1〜0.5%、 Si:0.5%以下、
    Mn:0.2〜1.5%、 P:0.03%以下、
    S:0.02%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、パーライトが体積率で50%超である組織を有し、前記パーライトのパーライトコロニー平均粒径が1〜5μmであることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板。
  2. 前記パーライトにおけるパーライトブロック全数のうちの60%以上が、パーライトコロニー数が2個以下のパーライトブロックであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板。
  3. 前記組織がパーライトが体積率で50%超であり、残部はフェライトを主体とする組織からなり、該フェライトの平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鋼板。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼板。
  6. 質量%で、
    C:0.1〜0.5%、 Si:0.5%以下、
    Mn:0.2〜1.5%、 P:0.03%以下、
    S:0.02%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材に、熱間圧延を施して熱延鋼板とするに当り、前記熱間圧延の仕上げ圧延が、Ar変態点〜850℃の温度域における総圧下率:25%以上、圧延終了温度:Ar変態点〜850℃とし、圧延終了後、50℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、500〜650℃の温度域で冷却を停止し、巻取り温度:500〜650℃とする圧延であることを特徴とするファインブランキング加工性に優れた鋼板の製造方法。
  7. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項6に記載の鋼板の製造方法。
  8. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:3.5%以下、Mo:0.7%以下、Ni:3.5%以下、Ti:0.01〜0.1%およびB:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項6または7に記載の鋼板の製造方法。
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