以下に説明する弾球遊技機は、例えば、配置ライン数の異なる複数の種類の演出形態のいずれかから他の演出形態へ切り替えられた際に、変動開始時に表示させる図柄組合せとして、大当たりや確率変動への移行による所定の演出の開始を伴う図柄組合せを表示させない構成としている。なお、以下の説明では図1〜図7を参照して、本実施例における弾球遊技機における基本的な構造および遊技過程を説明し、図8〜図11を参照して演出形態を切り替える際の表示図柄の処理について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、その上部に抽選保留ランプ20が設けられ、左側部に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示へ入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技および変動短縮遊技が開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が相対的に長く設定される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を1回または複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数、大入賞口66の特定領域への通過検出の有無に基づいて、単位遊技を継続させるか否か、すなわち次回の単位遊技を開始するか否かを判定する。次回の単位遊技を開始するための継続条件が満足されない場合、または単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確率変動状態における遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、当否抽選値が特定遊技へ移行すべき値であった場合、特別遊技後の遊技状態を確率変動状態へ移行させる。確率変動状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
なお、本実施例においては、特別遊技を遊技者に把握させないくらいの短時間で終了させた後、確率変動へ移行する当たり(以下、突然確変大当たりという)が設けられている。通常の特別遊技(以下、第1特別遊技という)を発生させる当たりと区別するため、このような短時間の特別遊技(以下、第2特別遊技という)が発生する当たり図柄としては、複数の図柄が揃わない特定の不一致図柄の組み合わせが設定されている。例えば、「123」、「135」、「234」等の不一致図柄の組合せである。以下、第1特別遊技と第2特別遊技について説明する。
第1特別遊技:
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回を限度として繰り返される。
第2特別遊技:
大入賞口66は、約0.2秒開放された後、一旦閉鎖される。閉鎖後、所定時間、たとえば、0.1秒経過した後に大入賞口66は再び0.2秒程度開放されて、その後閉鎖される。こうして、第2特別遊技は終了する。このように、第2特別遊技は、遊技者にとって実質的に大入賞口66へ遊技球を入賞させることが困難な遊技として設計されている。
演出画像の変動パターンは、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出形態切替手段136は、操作ボタン82が受け付けた指示に基づいて演出表示装置60に装飾図柄として変動表示させるべき図柄組合せの配置ライン数を切り替える。切替時表示図柄決定手段138は、演出形態切替手段136により配置ライン数が切り替えられた際に演出表示装置60において装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せを、それぞれの配置ラインにおいて、所定の演出の開始を伴う図柄組合せ以外の外れ図柄組合せに決定する。
(ぱちんこ遊技機の動作過程)
図4は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図5は、図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図6は、図5におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112は当否抽選値の当否を当否判定テーブルを参照して判定する(S50)。確変大当たりであれば(S52のY)、特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後に高確率状態へ移行する設定にする(S54)。突然確変大当たりであれば(S52のN、S56のY)、特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後に高確率状態へ移行する設定にする(S58)。非確変大当たりであれば(S56のN、S60のY)、特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後に低確率状態へ移行する設定にする(S62)。外れであれば(S52のN、S56のN、S60のN)、特別図柄抽選の確率は変動しない。図柄決定手段114は、パターン抽選値を取得して、特別図柄の変動パターンを決定する(S64)。
図7は、図4におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S88)。以上の説明は、特別遊技が前述の第1特別遊技である場合であるが、特別遊技が第2特別遊技である場合、S76において判定の基準となる開放時間はごく短時間に設定されており、S82のラウンド数は2に設定されている。
(演出形態の切り替え)
次に、本実施例におけるぱちんこ遊技機における演出形態について説明する。ぱちんこ遊技機10は、選択画面上で2つの遊技モードからいずれかを遊技者に選択させた上で、さらに2つの遊技ステージからいずれかを遊技者に選択させる。2つの遊技モードは、演出形態として抽選結果の報知の方法が異なるノーマルモード、完全先告知モードからなる。2つの遊技ステージは、演出形態として配置ライン数が異なる1ラインステージA、5ラインステージBからなる。ここで、完全先告知モードは、抽選結果が当たりであった場合にその旨を必ず変動中に告知するモードである。ノーマルモードは、完全先告知モードがオフになった通常の遊技を提供するモードである。1ラインステージA、5ラインステージBは、図柄組合せの配置ライン数が異なるのに加えて、図柄の種類、図柄変動の形態等が異なる。遊技モードと遊技ステージの組合せは4通りであり、4通りの異なる遊技態様が実現される。
図1に示すように、本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、遊技者からの手動操作による入力を受け付ける操作ボタン82を備える。操作ボタン82は、図柄組合せの演出形態を複数の種類(本実施例におけるぱちんこ遊技機10においては4種類)の中から選択するための指示を遊技者の操作を介して受け付ける演出形態選択装置として機能する。また、操作ボタン82は、図柄組合せの配置ライン数の種類を複数の種類(本実施例におけるぱちんこ遊技機10においては2種類)の中から選択するための指示を遊技者の操作を介して受け付けるライン数選択装置としても機能する。
遊技者は、遊技モードと遊技ステージを操作ボタン82への手動操作を介して設定する。操作ボタン82は、例えば機械的なボタンとして形成されてもよく、また赤外線センサやタッチセンサとして形成されてもよい。また、操作ボタン82は、演出表示装置60に表示された複数の画面の中からいずれかを選択するために十字状に配置された複数のボタンで構成されていてもよい。遊技者は、操作ボタン82に対して押下等の所定の手動操作を行うことで、操作ボタン82への指示入力を行うことができる。操作ボタン82は、遊技者が空いている左手で操作できるようぱちんこ遊技機10の左側に設けられることが好ましい。さらに、操作ボタン82はその径が比較的大きめに形成されているので、遊技者にとって操作が容易である。そのような操作を介し、遊技者は自分の好みに応じて遊技モードと遊技ステージを選択し、設定できる。
ぱちんこ遊技機10は、遊技効果ランプ90およびスピーカ18をさらに備える。遊技者が遊技モードを完全先告知モードに設定した場合、ぱちんこ遊技機10は、演出表示装置60への表示、遊技効果ランプ90の点灯、スピーカ18からの音声出力のいずれかを用いて、抽選結果が大当たりである旨を遊技者に告知する。例えば、演出表示装置60において、現在変動表示中の図柄が大当たりとなる旨を示唆する告知画像を表示してもよいし、その表示に合わせて特別な効果音をスピーカ18から出力してもよいし、遊技効果ランプ90を点滅させてもよい。遊技効果ランプ90、スピーカ18、告知画像の3通りの告知手段のうち、いずれか一つをランダムで用いて告知してもよいし、これらのうちいくつかの手段を合わせて告知してもよい。
図3に示す、演出形態切替手段136は、操作ボタン82を介して入力される遊技モードおよび遊技ステージの設定に関する遊技者の指示を検出する。図柄変動が停止している間に遊技者による操作ボタン82の押下が演出形態切替手段136により検出されると、演出表示制御手段134は遊技モードおよび遊技ステージに関して遊技者に選択する指示をさせるための選択画面を演出表示装置60に表示させる。その選択画面において遊技者は操作ボタン82の押下を介して所望の遊技モードと所望の遊技ステージをそれぞれ選択する。演出決定手段132は、演出形態切替手段136から受け取る遊技者の選択指示に基づいて、遊技モードおよび遊技ステージを設定する。演出決定手段132は、遊技ステージごとに異なる表示パターンのテーブルをもち、設定された遊技ステージに応じて異なるテーブルを参照して表示パターンを決定する。
図8を参照して2つの遊技ステージにおける画面例を示す。図8(a)は、1ラインステージAにおける画面例を示す図である。ステージAでは、3つの図柄が横方向の一つのライン上に停止する。演出表示制御手段134は、ライオンを模した第1キャラクタ214を演出表示装置60に表示させる。図柄の回転方向216は縦方向である。但し、図柄の回転方向は、図柄によって上から下へ回転する図柄と下から上へ回転する図柄が混在し、図柄の停止順序は回転ごとに異なるなど変則的である。
図8(b)は、5ラインステージBにおける画面例を示す図である。5ラインステージBでは、7つの図柄が5つのライン上に停止する。すなわち、横方向に第1ライン226および第2ライン228が形成され、斜め方向に第3ライン230および第4ライン232が形成され、縦方向に第5ライン234が形成される。演出表示制御手段134は、ゴリラを模した第2キャラクタ222を演出表示装置60に表示させる。図柄の回転方向224は横方向である。
以上のように、1ラインステージA、5ラインステージBは、それぞれ図柄組合せの配置ライン数、ライン方向、表示されるキャラクタ、図柄の回転方向、図柄の停止順序、予告方法等、図柄変動の態様の少なくともいずれかが異なる演出形態として設定されている。遊技者は好みに合わせて所望の遊技ステージを選択できるので、1台で数台分の遊技を楽しむことができる。
図9を参照して遊技モードおよび遊技ステージの選択画面を説明する。図9(a)は、遊技モードの選択画面を示す図である。演出表示制御手段134は、演出表示装置60において、入力指示240として「好きなモードでPUSH!を押して下さい。」と表示させ、遊技者に選択方法を説明する。演出表示制御手段134は、さらに遊技モードの選択肢を示す第1選択画像242、第2選択画像244を演出表示装置60に表示させる。第1選択画像242はノーマルモードを示し、第2選択画像244は完全先告知モードを示す。演出表示制御手段134は、額縁状の枠を形成する候補マーク248を第1選択画像242、第2選択画像244のいずれかに1.5秒ずつ順次重なるよう循環的に移動させながら表示させる。演出形態切替手段136は、遊技者が操作ボタン82を押下すると、その押下したときに候補マーク248が重なっていた選択画像が示す遊技モードを選択する。
図9(b)は、遊技ステージの選択画面を示す図である。演出表示制御手段134は、演出表示装置60において、入力指示250として「好きなステージでPUSH!を押して下さい。」と表示させ、遊技者に選択方法を説明する。演出表示制御手段134は、さらに遊技ステージの選択肢を示す第1選択画像252、第2選択画像256を演出表示装置60に表示させる。第1選択画像252は1ラインステージAを示し、第2選択画像256は5ラインステージBを示す。演出表示制御手段134は、額縁状の枠を形成する候補マーク258を第1選択画像252、第2選択画像256のいずれかに1.5秒ずつ順次重なるよう循環的に移動させながら表示させる。遊技者が操作ボタン82を押下すると、演出形態切替手段136は、その押下したときに候補マーク258が重なっていた選択画像が示す遊技ステージを選択する。演出形態切替手段136は、選択した遊技モードと遊技ステージの組合せにより遊技内容を確定させる。
図10は、遊技モードおよび遊技ステージを選択するための処理過程を示すフローチャートである。演出表示制御手段134および演出形態切替手段136は、所定のタイミングにてこのフローに示す処理を実行する。まず、図柄が変動中の場合は(S90のY)、このフローを終了する。図柄が変動中でなければ(S90のN)、演出表示制御手段134は初期画面を演出表示装置60に表示させ(S92)、操作ボタン82の押下があれば(S94のY)、演出表示制御手段134は、演出表示装置60に遊技モードの選択画面を表示させる(S96)。S94において、操作ボタン82の押下がなければ(S94のN)、S90に戻る。演出表示制御手段134は、S96で選択画面を表示した後、候補マーク248を表示開始し(S98)、その表示開始から15秒が経過する前であって(S100のN)、表示開始から1.5秒が経過するまでは(S102のN)、操作ボタン82の押下を監視する(S104)。操作ボタン82の押下があった場合(S104のY)、演出形態切替手段136はその押下のときに候補マーク248が示す遊技モードを設定し(S106)、操作ボタン82の押下がなければ(S104のN)、S102に戻る。S104において操作ボタン82の押下がないまま、表示開始から1.5秒が経過した場合(S102のY)、演出表示制御手段134は候補マーク248を隣の画像に移動させてS100へ戻る(S105)。
S100〜S104を繰り返し、操作ボタン82の押下がないまま15秒が経過すると(S100のY)、演出形態切替手段は15秒経過した時点で候補マーク248が示す遊技モードを設定する(S106)。遊技モードが設定された直後は遊技ステージがまだ設定されていないので(S108のN)、S96へ戻る。演出表示制御手段134は遊技ステージの選択画面を表示し(S96)、候補マーク258を表示開始する(S98)。演出形態切替手段136は、遊技モードの選択と同様の処理をS100〜S106にて繰り返した後、遊技モードと遊技ステージの組合せを決定する(S108)。
遊技モードと遊技ステージとが共に決定されている場合(S108のY)、切替時表示図柄決定手段138は、その後の装飾図柄の変動開始時に演出表示装置60に表示させる図柄組合せを決定し、フローを終了する(S112)。
(表示図柄決定処理)
次に、切替時表示図柄決定手段138について詳述する。本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、前述したように、3つの図柄を一組とした図柄組合せの配置ライン数が異なる演出形態の間で切り替えることができる。前述のように、このようなぱちんこ遊技機10において遊技の演出形態を切り替える場合、切り替えた演出形態に合わせて無作為に図柄の組合せを変更すると、偶然大当たりや確率変動状態を示す特定の図柄の組合せを表示してしまう可能性がある。このような場合、遊技者が大当たりや確率変動への移行が発生したと誤解して戸惑うこともあり、スムーズな遊技の妨げになるおそれもある。
図11(a)は、1ラインステージAにおける画面例を示す図である。図11(b)は、5ラインステージBにおける画面例を示す図である。図11(c)は、5ラインステージBにおける画面例を示す図である。例えば、ぱちんこ遊技機10において、遊技ステージとして1ラインステージAが選択されており、図11(a)に示すような図柄組合せ「312」で変動表示が終了した状態で、遊技者が遊技ステージを5ラインステージBに切り替えた場合について説明する。
図11(b)に示すように、1ラインステージAで表示されていた図柄組合せをそのまま5ラインステージBの第3ライン230に表示したとしても、5ラインステージBに必要な7つの図柄を充足することができない。そのため、ぱちんこ遊技機10は、何らかの方法によって、残りの4つの図柄を決定し表示させることになる。しかし、これを無作為に決定すると、例えば図11(b)に示すように、当たり図柄組合せ「111」が第4ライン232に表示される可能性がある。
そこで、本実施例における切替時表示図柄決定手段138は、配置ライン数が切り替えられた際に、装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せとして、所定の演出の開始を伴う図柄組合せ以外の外れ図柄組合せに決定する。また、切替時表示図柄決定手段138は、配置ラインが複数ある場合は、変動開始時に表示させる図柄組合せを、それぞれの配置ラインごとに外れ図柄組合せになるように決定する。所定の演出の開始を伴う図柄組合せとは、例えば、遊技者に大当たりによる特別遊技や確率変動遊技への移行を期待させる「777」、「333」、「111」等、3つの図柄が同じである図柄組合せである。切替時表示図柄決定手段138は、切り替え後の演出形態が5ラインステージBである場合、第1ライン226から第5ライン234までの5つのラインにおいて、所定の演出の開始を伴う上述の当たり図柄組合せとならないような外れ図柄組合せを選択し、装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せとして決定する。表示させる図柄組合せとしては、「312」、「946」、「183」等の遊技者に当たりに対する期待感を抱かせにくい図柄組合せであればよい。これにより、遊技者が配置ライン数を切り替えた場合に、表示された装飾図柄の図柄組合せにより所定の演出が開始すると誤解して戸惑うことを回避し、遊技をスムーズに行うことで遊技性を高めることができる。具体的には、切替時表示図柄決定手段138は、第1ライン226から第5ライン234までの5つのラインにおいて、装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せを、図11(c)に示すように外れ図柄組合せに決定する。
また、切替時表示図柄決定手段138は、前述の第2特別遊技を発生させる当たり図柄である「123」、「135」、「234」等の不一致図柄の組合せとならないような外れ図柄組合せを選択し、装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せとして決定するとよい。特に、第2特別遊技はごく短時間で終了するため、遊技者が第2特別遊技が実行されたか否かを把握することは困難であり、配置ライン数を切り替えた後に前述の規則的に並んだ不一致図柄を表示させないことは遊技者に誤解を与えにくい点で効果がある。これにより、遊技者が配置ライン数を切り替えた場合に、表示された装飾図柄の図柄組合せにより所定の演出が開始すると誤解して戸惑うことを回避し、遊技をスムーズに行うことで遊技性を高めることができる。
また、図柄組合せの決定にはある程度の時間を要するため、演出形態を切り替えた際にスムーズな遊技の妨げになる可能性もある。そこで、切替時表示図柄決定手段138は、上述の外れ図柄組合せを、演出形態の種類ごとに、遊技者による演出形態の切り替え指示に先だって予め決定していてもよい。これにより、いずれの演出形態が選択されても外れ図柄組合せをすぐに表示することが可能となり、演出形態の切替を行っても遊技をスムーズに行うことができる。
切替時表示図柄決定手段138による外れ図柄組合せの決定は、例えば、抽選により図柄組合せの候補を抽出し、それぞれの配置ラインごとに、所定の演出の開始を伴う図柄組合せでないかをチェックし、所定の演出の開始を伴う図柄組合せであれば再度抽選を行う、という手順を繰り返し、外れ図柄組合せを決定してもよい。
なお、ぱちんこ遊技機10においては、遊技ステージにおける配置ライン数が同じであっても、遊技モードによって所定の演出の開始を伴う図柄組合せが遊技モードによって異なる設定がなされている場合も想定される。そこで、このような遊技モードの切り替え時においても、切替時表示図柄決定手段138は、装飾図柄の変動開始時に表示させる図柄組合せを、所定の演出の開始を伴う図柄組合せ以外の外れ図柄組合せから決定するとよい。遊技者が遊技モードを切り替えた場合に、表示された装飾図柄の図柄組合せにより所定の演出が開始すると誤解して戸惑うことを回避し、遊技をスムーズに行うことで遊技性を高めることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 82 操作ボタン、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 136 演出形態切替手段、 138 切替時表示図柄決定手段、 190 装飾図柄。