JP2007258972A - シェーディング補正方法および露光装置、シェーディング補正プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な方法によって、露光装置の主走査方向における光量のムラを高精度に補正することが可能なシェーディング補正方法および露光装置、シェーディング補正プログラムを提供する。
【解決手段】本シェーディング補正方法は、プリント露光部14に含まれるレンズ等の光学系の特性に依存して生じる主走査方向における光量のムラを補正するためのシェーディング補正方法であって、主走査方向に沿ってテストプリントTPの測色を行う際には、テストプリントTPの両端部x1,x2では、中央部x3よりも細かいピッチで測色を行う。
【選択図】図11

Description

本発明は、感光材料に対して露光処理を施して画像形成を行う露光装置のシェーディング補正方法および露光装置、シェーディング補正プログラムに関する。
近年、レーザエンジン等の露光装置を搭載した写真処理装置によって、感光材料に対してデジタル画像データに基づいて写真プリントが行われている。
このような写真処理装置に搭載された露光装置では、ミラーやレンズ等の光学系を用いてレーザ光を走査させて主走査方向における露光処理を行い、感光材料を所定の搬送方向に搬送させることで副走査方向の露光処理を行っている。このうち、主走査方向における露光処理については、感光材料における中央部から端部に移動するにしたがって、光学系を介して照射されるレーザ光の照射距離が長くなり、感光材料における中央部と両端部とでレーザ光の走査速度が変化して主走査方向における露光ムラとなって現れる。
例えば、特許文献1には、このような主走査方向における露光ムラの発生を抑制するために、光学系に含まれるレンズとして、主走査方向において均一な着色透明性、吸収特性および/または透過特性を有するレンズを少なくとも1枚含む光走査装置(露光装置)について開示されている。
特開2001−318334号公報(平成13年11月16日公開)
しかしながら、上記従来の光走査装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された光走査装置では、主走査方向において光源から照射されたレーザを走査するための光学系に含まれるレンズを変更しているが、主走査方向における光量差(シェーディング)を低減させるための特殊なレンズが必要になるため、コストアップの要因となる。
本発明の課題は、安価な方法によって、露光装置の主走査方向における光量のムラを高精度に補正することが可能なシェーディング補正方法および露光装置、シェーディング補正プログラムを提供することにある。
第1の発明に係るシェーディング補正方法は、光源から照射される光を主走査方向に走査して感光材料に対して露光処理を行う際の主走査方向における光量のムラを補正する露光装置のシェーディング補正方法であって、第1から第3のステップを備えている。第1のステップは、露光装置によって露光処理が施されたテストプリントを形成する。第2のステップは、露光装置による主走査方向に沿って測色装置によってテストプリントの測色を行うとともに、測色を行う際には、テストプリントの端部では中央部よりも細かいピッチで測色を行う。第3のステップは、測色装置における測色結果に基づいて、露光装置の主走査方向における光量のムラを補正する。
ここでは、テストプリントにおける露光装置の主走査方向に沿って複数ポイントで測色を行い、ここでの測色結果に基づいてシェーディング補正を行うシェーディング補正方法において、テストプリントの測色を、主走査方向における端部では中央部付近よりも細かいピッチで行う。
通常、露光装置によって露光処理されたテストプリントについて主走査方向に沿って測色した結果を示すグラフでは、中央部から両端部にかけて濃度値が急激に低下していく傾向がある。
そこで、本発明のシェーディング補正方法では、濃度値の変化が比較的小さい中央部付近よりも、変化が大きい両端部付近において細かいピッチで測色を行う。
これにより、中央部付近と比較して測色結果としての濃度値の変化が大きい両端部付近において細かいピッチで正確に測色を行うことで、高精度なシェーディング補正を行うことが可能になる。また、反対に、濃度値の変化が比較的小さい中央部付近における測色を、端部よりも粗いピッチで行うことで、濃度値の変化の小さい中央部付近における測色を効率よく完了させて、効率よくシェーディング補正を実施することができる。
第2の発明に係るシェーディング補正方法は、第1の発明に係るシェーディング補正方法であって、第2のステップでは、テストプリントにおける一方の端部から他方の端部まで所定間隔の測色ポイントを設定した後、テストプリントの中央部における測色ポイントを間引きして測色を行う。
ここでは、所定間隔ごとに設定された測色ピッチのうち、中央部付近に設定された測色ポイントを、例えば1つおきに間引いて測色を行う。
これにより、比較的光量の変動が少ないテストプリントの中央部付近における測色ポイントの数を効果的に減らすことができるため、さらに効率よくテストプリントの主走査方向における測色を行うことができる。この結果、上記複数の測色ポイントにおける測色結果に基づいて、高精度なシェーディング補正を実施することが可能になる。
第3の発明に係るシェーディング補正方法は、第1または第2の発明に係るシェーディング補正方法であって、第2のステップでは、測色装置における測色位置がテストプリントにおける中央部付近に相当する際には、テストプリントの搬送速度を上げるように測色装置を制御する。
ここでは、テストプリントにおける中央部と端部とにおける測色ピッチを変更するための手段として、測色装置におけるテストプリントの搬送速度を切り換えている。
これにより、例えば、テストプリントの端部を測色する際には、1回分のピッチ送りをされるごとに測色を行うとともに、中央部を測色する際には、2回分のピッチ送りをされるごとに測色を行うことで、中央部における測色ポイントを容易に間引くことができる。
第4の発明に係るシェーディング補正プログラムは、第1から第3の発明のいずれか1つに係るシェーディング補正方法をコンピュータに実行させる。
ここでは、上述したシェーディング補正方法をコンピュータに実行させるシェーディング補正プログラムを構成する。
これにより、中央部付近と比較して測色結果としての濃度値の変化が大きい両端部付近において細かいピッチで正確に測色を行うことで、高精度なシェーディング補正を行うことが可能になる。また、反対に、濃度値の変化が比較的小さい中央部付近における測色を、端部よりも粗いピッチで行うことで、濃度値の変化の小さい中央部付近における測色を効率よく完了させて、効率よくシェーディング補正を実施することができる。
第5の発明に係る露光装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係るシェーディング補正方法により、搭載された光源から照射される光量の補正を行う。
ここでは、上述したシェーディング補正方法を実施する補正部を含むように、露光装置を構成する。
これにより、中央部付近と比較して測色結果としての濃度値の変化が大きい両端部付近において細かいピッチで正確に測色を行うことで、高精度なシェーディング補正を行うことが可能になる。また、反対に、濃度値の変化が比較的小さい中央部付近における測色を、端部よりも粗いピッチで行うことで、濃度値の変化の小さい中央部付近における測色を効率よく完了させて、効率よくシェーディング補正を実施することができる。
第1の発明に係るシェーディング補正方法によれば、高精度なシェーディング補正を、効率よく実施することができる。
第2の発明に係るシェーディング補正方法によれば、さらに効率よくテストプリントの主走査方向における測色を行って高精度なシェーディング補正を実施することができる。
第3の発明に係るシェーディング補正方法によれば、中央部における測色ポイントを容易に間引くことができる。
第4の発明に係るシェーディング補正方法によれば、高精度なシェーディング補正を、効率よく実施することができる。
第5の発明に係るシェーディング補正方法によれば、高精度なシェーディング補正を、効率よく実施することができる。
本発明の一実施形態に係るシェーディング補正方法について、図1〜図12を用いて説明すれば以下の通りである。
[写真プリントシステム1全体の構成]
本実施形態に係る写真プリントシステム1は、図1に示すように、いわゆるデジタルミニラボと呼ばれる写真プリントシステムである。また、写真プリントシステム1は、操作ステーション2と、プリントステーション3とを備えている。
操作ステーション2は、現像された写真フィルムやデジタルカメラ等で撮影されたデジタル画像データが保存されたメモリカード等のメディアM(図3参照)から画像データを取り込んでプリントデータを作成し、ケーブル4を介して接続されたプリントステーション3に対して送信する。
プリントステーション3は、操作ステーション2から受信したプリントデータに基づいて、印画紙(感光材料)Pに対して露光処理および現像処理を行って写真プリント画像を形成する。
[プリントステーション3の構成]
プリントステーション3は、図1に示すように、ケーブル4を介して接続された操作ステーション2から受信したプリントデータに基づいて、印画紙Pを搬送しながら印画紙Pに対して露光処理および現像処理を行って写真プリント画像やテストプリント画像を形成する写真処理装置である。
プリントステーション3は、図2に示すように、内部に、2つの印画紙マガジン11と、シートカッター12と、バックプリント部13と、プリント露光部14と、処理槽ユニット15(発色現像槽15a,漂白定着槽15b,安定処理槽15c)と、コンベア16と、ソータ17(図1参照)と、印画紙搬送機構18と、を有している。
2つの印画紙マガジン11は、プリントステーション3の内部において幅(主走査方向における長さ)が異なるロール状の印画紙Pを1個ずつ収納しており、印画紙搬送機構18によって適宜必要な量の印画紙Pが引き出される。なお、後述するシェーディング補正用のテストプリントTPを形成する際には、幅が広い方のロール状の印画紙Pを収納している印画紙マガジン11から印画紙Pが供給される。
シートカッター12は、印画紙搬送機構18の一部と隣接するように配置されており、印画紙マガジン11から引き出された印画紙Pをプリントサイズに切断する。
バックプリント部13は、シートカッター12の下流側であって印画紙搬送機構18と隣接する位置に配置されており、プリントサイズに切断された印画紙Pの裏面側に、色補正情報やコマ番号等のプリント処理情報を印刷する。
プリント露光部14は、バックプリント部13の下流側における印画紙搬送機構18に隣接するように配置されており、プリントサイズに切断された印画紙Pの表面に対して、プリントする撮影画像やシェーディング補正用テストプリント画像の露光処理を行う。また、プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対してRGBの3色のレーザ光線を照射する図示しないライン露光ヘッドと、これらのレーザ光線を主走査方向に沿って移動させる光学系部材(ポリゴンミラー、レンズ等)と、を有している。
処理槽ユニット15は、プリント露光部14の下流側に配置されており、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15a、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15b、安定処理液を貯留する安定処理槽15cを有している。そして、露光後の印画紙Pがこれらの各処理槽15a〜15cをこの順で経由しながら印画紙搬送機構18によって搬送されることで、所望の写真プリント画像やテストプリント画像等が印画紙Pの表面に形成される。
コンベア16は、プリントステーション3の上部に露出しており、写真プリント画像やテストプリント画像等が表面に形成されて乾燥処理後に排出された印画紙Pをソータ17の方向へ搬送する(図1および図2参照)。
ソータ17は、プリントステーション3の前面側に鉛直方向に複数のトレイを並べた状態で配置されており、コンベア16によって搬送されるプリント済の印画紙Pを、オーダー単位で各トレイに振り分ける(図1参照)。
印画紙搬送機構18は、プリントステーション3の内部において、印画紙マガジン11に収容されたロール状の印画紙Pを引き出すとともに、プリントサイズに切断された印画紙Pを、印画紙Pに対して行われる様々な処理に対応した搬送速度で搬送する。また、印画紙搬送機構18は、印画紙Pの搬送方向におけるプリント露光部14の上流側および下流側にそれぞれ配置されたチャッカー式搬送ユニット(チャッカー)18aと、複数の挟持搬送ローラ対(ローラ対)18bと、を有している。
チャッカー式搬送ユニット18aは、プリントサイズに切断された印画紙Pの下流側(先端側)の端部を搬送方向における両側からつまむようにして搬送する。
挟持搬送ローラ対18bは、2つのローラを組み合わせて構成されており、2つのローラの間の隙間に印画紙Pを挟みこんで回転することで印画紙Pを下流側へと搬送する。
[操作ステーション2の構成]
操作ステーション2は、図3に示すように、デスク90周辺に配置された、自動濃度測定装置(測色装置)20と、フィルムスキャナ80と、モニタ82と、キーボード84と、マウス86と、メディアリーダ88aと、コンピュータユニット(補正部)88と、を有している。
自動濃度測定装置20は、シェーディング補正用のテストプリントとして作成された濃度が約0.9DのテストプリントTP(図7参照)の濃度を主走査方向に沿って自動的に測定する。なお、この自動濃度測定装置20の詳細な構成については後段にて詳述する。
フィルムスキャナ80は、写真フィルムに現像された撮影コマに対応する画像をデジタル画像データとして取り込む。
メディアリーダ88aは、本写真プリントシステム1のコントローラとして機能するコンピュータユニット88に搭載されており、デジタルカメラ等で撮影された画像のデジタルデータをメモリカードや各種半導体メモリ、CD−R等のメディアから取り込む。
コンピュータユニット88は、モニタ82、キーボード84、マウス86と接続されており、プリントステーション3に含まれる各部の動作や画像処理、自動濃度測定装置20における測色、自動濃度測定装置20における測色結果に基づくシェーディング補正等の制御を行う。そして、ユーザは、モニタ82に表示された画像を見ながら、キーボード84、マウス86等のポインティングデバイスを用いて画像処理やシェーディング補正等の各種処理の設定を行う。
[自動濃度測定装置20の構成]
自動濃度測定装置20は、図4〜図6に示すように、主として、筐体100aと、カラーメータ6と、第1搬送機構7と、第2搬送機構8と、押し付け機構60と、を備えている。
筐体100aは、板金製部材と合成樹脂部材とを組み合わせて構成されている。カラーメータ6は、測定部6aを備えている。第1搬送機構7は、校正プレートCPを測定部6aの直下に搬送する。第2搬送機構8は、テストプリントTPを測定部6aの直下に向かって間欠搬送する。押し付け機構60は、測定部6aの直下に搬送された校正プレートCPまたはテストプリントTPを測定部6aの下面の方向に向かって押し上げる(図6参照)。
第1搬送機構7および第2搬送機構8は、共通の駆動源として図示しないステッピングモータを備えている。カラーメータ6の測定部6aには、下向きの開口部6bが設けられており、この開口部6bの上方に複数のLED6Lと受光素子6Pとが設けられている。LED6Lは、少なくともRGBの各色に対応する互いに波長領域の異なる3個のLEDを含んでいる。互いに波長領域の異なるLEDは同時に発光されることはなく、各波長領域毎に所定の順序で交互に発光する。発光された光は、押し付け機構60によって測定部6aの開口部6b付近に押し付けられた被測定物(校正プレートCPまたはテストプリントTP)の面で反射し、開口部6bに戻る光の強度が受光素子6Pによって各波長領域別に検出される。このため、被測定物の面の濃度(または反射率)の算出が各波長領域毎に可能となる。なお、カラーメータ6は、筐体100a内の所定箇所に着脱自在に配置されているため、自動濃度測定装置20から適宜取り外してモニタの表示部の測色に用いることができる。
校正プレートCPを搬送するための第1搬送機構7は、図5に示すように、校正プレートCPを着脱自在に嵌め込むことの可能な係合凹部10aを備えたトレイ10を有する。トレイ10は、自動濃度測定装置20が測定位置にある時、オペレータから見て前後方向に移動可能なように、図示しない左右の案内レール上に摺動支持されている。トレイ10の下面にはラックギヤ10c(図6参照)が形成されており、トレイ10の下方には、ラックギヤ10cの一部と噛合するピニオンギヤ(従動ギヤの一例)が水平な支持軸上に回転可能に設けられている。ステッピングモータの正転および逆転向きの回転駆動力は、後述する伝動機構によってピニオンギヤに伝えられる。これにより、トレイ10を前後に往復移動させることができる。トレイ10の係合凹部10aは異形輪郭を持つ校正プレートCPの外形輪郭とほぼ完全に一致する形状で形成されている。このため、トレイ10の係合凹部10aに校正プレートCPを嵌め込むと、オペレータから見て黒色の第1スポットS1が奥側に、白色の第2スポットS2が手前側に配置される。このとき、上述したように、校正プレートCPは、白色の第2スポットS2に近接した角の一方のみが曲率の大きな曲線を描く異形となっているため、校正プレートCPを誤って反対向きあるいは裏向きにセットしてしまうことを防止できる。
テストプリントTPを間欠搬送するための第2搬送機構8は、図5および図6に示すように、駆動軸に固定された左右の第1搬送ローラ21a,21bと、その駆動軸よりも奥側の駆動軸に固定された左右の第2搬送ローラ22a,22bも弾性材料によって形成された周面を有している。各駆動軸の間には、タイミングプーリとタイミングベルトからなる伝動機構が設けられている。そして、2つの駆動軸は、この伝動機構によって常に同一の回転数で同期的に回転する。個々の搬送ローラ21a,21b,22a,22bの上方には、図6に示すように、挿入されたテストプリントTPを各搬送ローラ21a,21b,22a,22bに押し付けるための金属製の圧着ローラ119(合計4個)が遊転可能な状態で設けられている。第1搬送ローラ21a,21bおよび第2搬送ローラ22a,22bは、いずれも互いに同期して回転駆動される左右一対のローラを形成するため、テストプリントTPは蛇行することなく安定した姿勢で送り込まれる。なお、コンピュータユニット88によるテストプリントTPの測色を行う際における第2搬送機構8の搬送制御については、後段にて詳述する。
筐体100aには、図4および図5に示すように、オペレータが載置するテストプリントTPを支持し、カラーメータ6の開口部6b側へ案内するための水平で上向きの案内支持面100fが設けられている。図4および図6に示すように、案内支持面100fの最も手前側の部位の上方には、カラーメータ6および圧着ローラ119を収納している上部筐体104は配置されておらず、テストプリントTPをカラーメータ6の下方に向けて挿入するためのプリント挿入部100gが形成されている。テストプリントTPは、図6に示すように、案内支持面100f上に載置した状態でプリント挿入部100gに押し込まれると、テストプリントTPの先端が第1搬送ローラ21a,21bとこれに対応する圧着ローラ119の間に挟み込まれる。搬送ローラ21a,21b,22a,22bと圧着ローラ119との接点、すなわちテストプリントTPが搬送される搬送面は、第2搬送機構8によって搬送中のテストプリントTPが校正プレートCPあるいはトレイ10と接触しないように、校正プレートCPあるいはトレイ10の上面よりも十分上方のレベルに設けられている。
また、プリント挿入部100g付近に相当する案内支持面100fの一部は、図5に示すように、手前側に抜き外しが可能なカバー部材106となっている。すなわち、トレイ10が最も手前側の待機位置にある時にカバー部材106を取り外すと、トレイ10の係合凹部10aに嵌め込まれた校正プレートCPが見え、被測定箇所(第1スポットS1と第2スポットS2)が汚染されていないか、あるいは褪色していないか等、校正プレートCPの状態を確認することができる。カバー部材106は、オペレータが不用意に校正プレートCPの面に触れて被測定箇所を汚すことや、校正プレートCPの表面に粉塵などが堆積すること、外部からの光線で第1スポットS1や第2スポットS2が褪色することを防止するために設けられている。なお、オペレータはカバー部材106を外して観察することで定期的に校正プレートCPの状態を確認し、被測定箇所が汚染されたり、粉塵、紙粉、毛髪などの異物が載っていれば、校正プレートCPの表面をクリーニングしたり、新しい校正プレートCPに取り替えたりする等の措置を採ることができる。
カラーメータ6を収納した部位は、テストプリントTPの前後方向の長さに関わらず全ての被測定面の測色操作が可能となるように、テストプリントTPの案内支持面100fに対して片持ち状に構成されている。すなわち、図5に示すように、自動濃度測定装置20の筐体100aは、第1搬送ローラ21a,21b、第2搬送ローラ22a,22b、および押し付け機構60等を収納した下部筐体102と、カラーメータ6および圧着ローラ119を収納している上部筐体104とを有している。そして、テストプリントTPは、下部筐体102と上部筐体104との間に挿入される。上部筐体104および下部筐体102は、図5に示すように、オペレータから見て左側の端部に設けられた連結部103において連結された片持ち構造になっている。
また、筐体100aの案内支持面100fの左右には、図4および図5に示すように、テストプリントTPの左端部付近を案内する固定式の左端ガイド42と、テストプリントTPの右端部付近を案内する可動式の右端ガイド43とが設けられている。これにより、テストプリントTPの左右の端部を、特にテストプリントTPが搬送ローラ21a,21b,22a,22bと圧着ローラ19の間に挟着されるまでの間、平面視における前後方向に直線状に案内し、かつテストプリントTPが案内支持面100fから大きく上向きに偏向しないように案内することができる。
(テストプリントTPの構成)
本実施形態の写真プリントシステム1において、シェーディング補正用の補正値を算出する基になる測色結果は、以下で説明するテストプリントTPを主走査方向に沿って測色することで取得される。
すなわち、テストプリントTPは、図7に示すように、上述した印画紙マガジン11の一方から引き出された主走査方向に長い最大幅の印画紙Pに対して、プリント露光部14において所定のパターンが露光操作により形成された後、現状の処理液によって現像処理されて形成される。そして、テストプリントTPには、約0.9Dに相当する濃度の単一の帯Fが形成される。
通常、プリントステーション3から出力されるプリントの品質(各色の濃度等)は、特に、印画紙Pの搬送方向に直交する方向、つまり印画紙Pの幅方向(テストプリントTPの主走査方向)におけるサイズが大きくなればなるほど、図8に示すように、主走査方向における両端部x1,x2(図7参照)の濃度が中央部x3(図7参照)付近よりも低下して光量の変化が大きくなり易い。この主走査方向におけるムラは、プリント露光部14に含まれるレンズ等を含む光学系の特性に依存するものである。
このため、本実施形態では、図7に示すように、複数の濃度帯の中で発色特性の活性が最も高い濃度が約0.9Dの帯Fを、プリントステーション3において搬送可能な最大幅のテストプリントTPに形成し、自動濃度測定装置20においてこのテストプリントTPの濃度を、主走査方向に沿って両端部x1,x2付近では細かく、中央部x3付近では粗く測定している。
ここで、印画紙Pに形成された最も発色特性の活性が高い濃度とは、図10に示す感光材料(印画紙)の特性曲線を示すセンシメトリの片対数グラフにおける直線部分に相当する最も傾きが大きい濃度部分を意味する。
本実施形態では、このような発色特性の活性が高い濃度からなる帯FをテストプリントTPに形成し、自動濃度測定装置20において主走査方向における濃度測定を行う。これにより、プリント露光部14の主走査方向における光量の変化が、濃度ムラとなってテストプリントTPに現れ易くなるため、この主走査方向における濃度を測定することでシェーディング補正を高精度に実施することができる。
<自動濃度測定装置20によるテストプリントTPの主走査方向における濃度測定>
本実施形態の写真プリントシステム1では、シェーディング補正用の補正値を算出するために、図11に示すフローチャートに従って、自動濃度測定装置20において、上述したテストプリントTPの主走査方向における濃度を測定する。
すなわち、ステップS1において、まず、コンピュータユニット88が、操作ステーション2およびプリントステーション3を制御して、上述した図7に示す濃度約0.9Dの帯Fを含むテストプリントTPを作成する。
次に、ステップS2において、高精度な測色を実施するために、自動濃度測定装置20の校正を行う。
詳細には、自動濃度測定装置20による濃度測定の結果は、自動濃度測定装置20に用いられている発光ダイオードの経時変化等による発光特性の変動によって測定誤差が生じる傾向がある。このため、テストプリントTPの主走査方向における測色を行う前に、先ず、校正プレートCPと呼ばれる基準サンプルに設けられた基準となる濃度の被測定スポットを自動濃度測定装置20によって測定して自動濃度測定装置20の特性変化に基づく測定誤差の補正を行う。これにより、自動濃度測定装置20の測定誤差のない自動濃度測定装置20によってテストプリントTPの濃度測定を行うことができる。
この自動濃度測定装置20の測定誤差の補正に用いられる校正プレートCPは、図5に示すように、厚さが2〜3mm程度の合成樹脂製の板の表面に一対の被測定スポットを形成したものである。被測定スポットは、通常の写真プリント上で想定し得る最も低い反射率を持つ黒色の第1スポットS1と、通常の写真プリント上で想定し得る最も高い反射率を持つ白色の第2スポットS2とを有している。
測色操作では、上述したように、カラーメータ6のLEDは各波長領域毎に所定の順序で交互に発光され、校正プレートCPの第1スポットS1および第2スポットS2からの反射光の強度が受光素子6Pによって検出される。一方、このとき、操作ステーション2のコンピュータユニット88では、カラーメータ6によって得られた第1スポットS1と第2スポットS2の反射率の値に基づいて自動濃度測定装置20の校正が行われる。
以上のような校正処理が完了した後、ステップS3では、自動濃度測定装置20に対してテストプリントTPが主走査方向に沿って挿入される。
そして、ステップS4において、自動濃度測定装置20が、シェーディング補正用に作成されたテストプリントTPの測色を開始する。
具体的には、トレイ10が待機位置に復帰すると、モニタ82にはテストプリントTPを自動濃度測定装置20に挿入するように指示が表示される。この指示に従って、図4に矢印で示す向きにテストプリントTPが自動濃度測定装置20の案内支持面100fに沿って挿入されると、テストプリントTPの先端が図示しないセンサによって検出される。これにより、ステッピングモータが正転駆動され、第1搬送ローラ21a,21bと第2搬送ローラ22a,22bとが回転駆動される。この結果、第1搬送ローラ21a,21bと圧着ローラ19との間に挟着されたテストプリントTPは、帯Fの端部x1がカラーメータ6の開口部6bの直下に位置するまで下流側へと搬送される。
次に、テストプリントTPの先端が、さらに下流側に配置された図示しないセンサによって検出されると、ステッピングモータが一旦停止する。そして、このセンサによるテストプリントTPの先端の検出位置を基準にして、テストプリントTPの帯Fにおける測色操作(反射率の測定)が順次行われる。
ここでも、カラーメータ6のLEDは、各波長領域毎に所定の順序で交互に発光し、テストプリントTPの帯Fからの反射光の強度が受光素子6Pによって検出される。
続いて、ステップS5では、テストプリントTPが、自動濃度測定装置20によって所定の測色ポイントにおいて濃度測定を行うごとに、第1搬送ローラ21a,21bと第2搬送ローラ22a,22bとによって間欠搬送される。このとき、最初に濃度が変化した地点を基準にしてステッピングモータには所定のパルス数が付与され、所定の距離だけ進んだ位置において、繰り返しテストプリントTPに形成された濃度約0.9Dの帯の濃度測定(測色)が実施される。
本実施形態においては、搬送ローラ22a,22bによる間欠搬送の1ピッチ分の距離は、12.0mmに設定されている。そして、ステップS5においては、図7に示す端部x1,x2においては間欠搬送1回分の12.0mmピッチで測色を行い、中央部x3においては間欠搬送の2回分の24.0mmピッチで測色を行う。つまり、自動濃度測定装置20では、端部x1において1回の間欠搬送ごとに測色を行った後、中央部x3における測色が開始されると、最初の測色ポイントにおいて測色を行った後、間欠搬送によって12.0mm分だけテストプリントTPを下流側へ搬送する。コンピュータユニット88は、この位置で測色を行うことなく、続けて間欠搬送してさらに12.0mm分だけテストプリントTPを下流側へと搬送した後、測色を行なうように自動濃度測定装置20を制御する。この結果、図8に示すように、中央部x3に相当するグラフの領域では、両端部x1,x2に相当するグラフの領域よりも粗いピッチでの測色結果が表示される。なお、以上のように、中央部x3においては両端部x1,x2よりも測色ポイントを減らせるのは、中央部x3付近においてはレンズ等の光学系の影響による光量のムラが少なく、両端部x1,x2の方が光学系の影響による光量のムラが大きくなるという性質に起因するものである。
テストプリントTPの送り込み制御では、まず、テストプリントTPの先端の検出後、自動濃度測定装置20において濃度変化が検出されるまで、つまりテストプリントTPに形成された濃度が約0.9Dの帯Fを検出するまで、テストプリントTPを送り込む。そして、最初に濃度変化が検出されると、コンピュータユニット88はこれを測色対象である帯Fの部分と判断し、図7に示す帯F部分の端部x1において測色を行った後、さらにテストプリントTPを所定の距離だけ間欠搬送する。
テストプリントTPにおける端部x1から中央部x3への切り替わり、および中央部x3から端部x2への切り替わりのタイミングは、所定の間欠搬送の回数(図8に示す例では、16回目、36回目)を終えたことによりそれぞれ認識される。そして、その認識されたタイミングで、測色制御が、毎回測色から1回おきに測色、毎回測色の順に切り換えられる。なお、測色ポイントが中央部x3に入ったことを認識する手段としては、これ以外にも、予め設定された搬送距離等に基づいて認識されるようにしてもよい。
この動作を、測色結果の濃度がほぼ0に近い値なるまで繰り返し行うことで、測色結果として濃度がほぼ0となった測色ポイントの直前に測色した結果を、他方の端部x2における測色結果として記憶部に格納して、テストプリントTPの濃度測定を完了する。
自動濃度測定装置20においては、このようにステッピングモータによって所定距離間隔の間欠搬送を行いながら、濃度が約0.9Dの帯部分に含まれる両端部x1,x2と中央部x3とを含む所望の測色ポイントに応じた回数の測色を行う。
そして、ここで取得された複数の測色結果は、ステップS6において、コンピュータユニット88内の記憶部に記録され、この測色結果に基づいて後述するシェーディング補正が実施される。
なお、テストプリントTPの送り込みは、押し付け機構60の押し付け部分を退避姿勢にして行われ、帯Fの濃度測定のためにテストプリントTPを停止させている間は、押し付け機構60の押し付け部分が押し付け姿勢のまま保持される。
次に、ステップS7において、テストプリントTPの一方の端部から他方の端部までの濃度測定が完了すると、ステップS8において、ステッピングモータが逆転してテストプリントTPを挿入部100gから手前側に排出する。そして、テストプリントTPの先端が図示しないセンサによって未検出の状態になると、ステッピングモータの回転が停止する。オペレータがテストプリントTPを案内支持面100fから取り上げると、コイルバネ33の付勢力によって揺動レバー32が休止姿勢に復帰する。
<測色結果に基づくシェーディング補正方法>
本実施形態の写真プリントシステム1では、上述のように、自動濃度測定装置20において、図7に示すテストプリントTPについて主走査方向に沿って測色された結果に基づいて、図12に示すフローチャートに従ってシェーディング補正を行う。
すなわち、コンピュータユニット88では、上述した測色工程において取得された複数の測色ポイント(両端部x1,x2および中央部x3を含む)における測定結果を、図8に示すグラフに示す状態から図9に示すグラフに示す状態へ補正するために、プリント露光部14の主走査方向における光量のムラをほぼ均一化するためのシェーディング補正用の補正値を算出する。
具体的には、コンピュータユニット88は、まず、ステップS11において、図示しない記憶部に格納された複数の測色ポイントにおける測色結果を読み出す。
そして、ステップS12において、測定結果として得られた濃度値の平均値を、CMYの各色ごとに算出する。本実施形態においては、図9のグラフに示すように、例えば、「C(シアン)」の測色結果に対応する平均値として約0.88、「M(マゼンタ)」の測色結果に対応する平均値として約0.82、「Y(イエロ)」の測色結果に対応する平均値として約0.76を算出する。
このとき、本実施形態においては、テストプリントTPの中央部x3に相当する部分の測色結果は、両端部x1,x2における測色結果よりも少なくなっている。しかし、図8に示すように、中央部x3に相当する部分においては、測色結果の変化が両端部x1,x2に相当する部分よりも小さいため、中央部x3における測色ポイントを間引いても、高精度に補正値を算出する基になる平均値を算出することができる。
次に、ステップS13において、CMYの3原色のそれぞれについて、テストプリントTPの主走査方向における複数の測色結果が、ステップS12において算出された各平均値に近づくように補正値を算出する。例えば、「C」の測色結果については、主走査方向における両端部x1,x2(図7参照)については、平均値である約0.88よりも測色結果の方が濃度値が小さい。一方、主走査方向におけるほぼ中央部x3(図7参照)については、平均値である約0.88よりも測色結果の方が濃度値が大きい。このため、コンピュータユニット88では、上記平均値に近づくように、両端部x1,x2については、測色結果を大きくする方向への補正値が算出される一方、中央部x3については、測色結果を小さくする方向への補正値が算出される。なお、他の色「M」および「Y」についても、同様にして、主走査方向における各測色ポイントごとに適切な補正値が算出される。
次に、ステップS14では、ステップS13において算出された補正値を用いてシェーディング補正を行い、描画のドット毎における補正値をプリント露光部14に対して登録する。そして、この補正値に基づいて、使用されるプリント露光部14の出力状態を調整する。
[本シェーディング補正方法の特徴]
(1)
本実施形態のシェーディング補正方法は、プリント露光部14に含まれるレンズ等の光学系の特性に依存して生じる主走査方向における光量のムラを補正するためのシェーディング補正方法であって、図11に示すように、主走査方向に沿ってテストプリントTPの測色を行う際には(ステップS5)、テストプリントTPの両端部x1,x2では、中央部x3よりも細かいピッチで測色を行う。
これにより、図8のグラフに示すように、主走査方向における光量のムラを示す測色結果(濃度値)は、両端部x1,x2において変化の度合いが大きくなるため、その変化の大きい部分においては細かいピッチで測色を行うことで、測色結果に基づいて光量の変化を的確に認識することができる。
また、変化が小さい部分(中央部x3)においては粗いピッチで測色を行うことで、シェーディング補正用の補正値を算出するための測色工程を短時間で効率よく終わらせることができる。
なお、本実施形態のように、プリント露光部14から照射される光を単一のレーザ光とすることで、主走査方向における高周波成分のムラの影響を排除することができる。よって、本実施形態では、上述したシェーディング補正方法によって、プリント露光部14に含まれるレンズ等の光学系の特性に起因して発生する低周波ムラを効果的に補正することで、プリントステーション3において高精度な画像形成を実施することができる。
(2)
本実施形態のシェーディング補正方法では、12.0mmピッチの間欠搬送によってテストプリントTPを下流側へと搬送する際に、テストプリントTPにおける中央部x3においては、図8に示すように、測色ポイントを1回おきに間引いて測色を行っている。
これにより、容易に、両端部x1,x2における測色ポイントのピッチを中央部x3よりも細かく設定することができる。この結果、シェーディング補正用の補正値を算出するための測色工程を、効率よく高精度に実施することができる。
(3)
本実施形態の写真プリントシステム1では、上述したように、自動濃度測定装置20において、テストプリントTPの主走査方向における両端部x1,x2においては、中央部x3よりも細かいピッチで測色を行い、コンピュータユニット88が、この測色結果に基づいてシェーディング補正を行う。
これにより、主走査方向における光量の変化の度合いが大きいテストプリントTPの両端部x1,x2における測色の結果を、12.0mmの細かいピッチで取得することで、より高精度なシェーディング補正を実施することができるとともに、変化の度合いが小さい中央部x3においては24.0mmの粗いピッチで測色を行って、測色工程を短時間で終了させて、効率よくシェーディング補正を実施することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、テストプリントTPを間欠搬送しながら、両端部x1,x2では1回分(12.0mm)の間欠搬送が完了するごとに、中央部x3では2回分(24.0mm)の間欠搬送が完了するごとに、それぞれ測色を行うことで、中央部x3よりも両端部x1,x2における測色を細かいピッチで実施する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、テストプリントの中央部においては、両端部よりもテストプリントの搬送速度を高速化することで、測色ポイントのピッチを変化させるようにすることもできる。
(B)
上記実施形態では、テストプリントTPを間欠搬送しながら、両端部x1,x2では1回分の間欠搬送が完了するごとに、中央部x3では2回分の間欠搬送が完了するごとに、それぞれ測色を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、中央部x3における測色を、間欠搬送を3回以上分行うごとに実施するようにしてもよい。この場合には、さらに中央部における測色ポイントを少なくすることができるため、より効率よく測色工程を実施して、シェーディング補正に要する時間を短縮することができる。
(C)
上記実施形態では、テストプリントTPの搬送に関し、12.0mmピッチでの間欠搬送を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
間欠搬送を行う1ピッチ分に相当する搬送距離としては、例えば、20.0mm以上に設定されていてもよいし、10.0mm以下に設定されていてもよい。
1ピッチ分に相当する搬送距離を長く設定した場合には、測色ポイントの数を減らすことができるため、シェーディング補正を高速化できる。一方、1ピッチ分に相当する搬送距離を短く設定した場合には、主走査方向における光量の変化を細かく検出することができるため、より高精度なシェーディング補正を実施することができる。
(D)
上記実施形態では、テストプリントTPの主走査方向に沿って配置された複数の測色ポイントの測色結果の平均値を算出し、各測色結果がこれに近づくようにシェーディング補正用の補正値を算出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、測色結果の平均値を補正値算出の基準とする替わりに、所定の濃度値を基準にして補正値を算出するようにしてもよい。
また、前後複数の測色ポイントにおける測色結果の移動平均を算出し、この移動平均に基づいて、シェーディング補正用の補正値を求めることもできる。この場合には、測色装置におけるノイズ成分やゴミの影響による測色結果の変動による影響を低減して、さらに高精度なシェーディング補正を実施することができる。
(E)
上記実施形態では、自動濃度測定装置(測色装置)20において測色を行う際のテストプリントTPの搬送を、ステップ送り(間欠搬送)で行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、スキャナ等の装置を用いて測色を行う場合には、テストプリントTPを連続送りしながら、主走査方向における両端部付近においては細かく、中央部付近においては粗く測色を行うようにしてもよい。
(F)
上記実施形態では、上述した主走査方向におけるテストプリントTPの測色を行った後、測色結果に基づいてプリント露光部14のシェーディング補正を1回行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、シェーディング補正を行う回数としては、1回に限らず、複数回のシェーディング補正を繰り返し実施するようにしてもよい。これにより、シェーディング補正の精度をさらに向上させることができる。
(G)
上記実施形態では、上述した主走査方向におけるテストプリントTPの測色を行った後、測色結果に基づいてプリント露光部14のシェーディング補正を1回行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態のように自動濃度測定装置20における測色の結果に基づいてプリント露光部14のシェーディング補正を行った後、ステップS15において、プリント露光部14によって改めてテストプリントTPを作成し、ステップS16において、自動濃度測定装置20によって、シェーディング補正後に作成されたテストプリントTPの濃度を主走査方向に沿って測定し、最後に、ステップS17において、主走査方向における濃度(反射率)が、図9に示すように、主走査方向においてほぼ均一になっていることが確認された後、シェーディング補正に関する一連の工程を終了するようにしてもよい。
この場合には、シェーディング補正による効果を確認することができるとともに、複数回のシェーディング補正を実施することで、より高精度なシェーディング補正を行うことが可能になる。
(H)
上記実施形態では、主走査方向に長いテストプリントTPを形成する際には、図7に示すように、主走査方向における両端部に余白を形成する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、主走査方向における両端部まで所定の濃度の帯が形成されたテストプリントを形成してシェーディング補正を行なうようにしてもよい。
(I)
上記実施形態では、本発明のシェーディング補正方法を実行する写真プリントシステム1に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、例えば、写真プリントシステム1に含まれる記憶部に格納されており、制御部(CPU)によって読み込まれることで、上述したシェーディング補正方法を実行させるシェーディング補正プログラムとしても実現することが可能である。
本発明のシェーディング補正方法は、高精度なシェーディング補正を、効率よく実施することができるという効果を奏することから、レーザを光学系を介して主走査方向に照射して露光処理を行う露光装置を搭載した各種装置に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る写真プリントシステムの構成を示す斜視図。 図1に含まれるプリントステーションの内部の構成を示す断面図。 図1に含まれる操作ステーションの構成を示す斜視図。 図3の操作ステーションが備えている自動濃度測定装置の構成を示す斜視図。 図3の操作ステーションが備えている自動濃度測定装置の詳細な構成を示す部分断面図。 図3の操作ステーションが備えている自動濃度測定装置の内部の構成を示す側断面図。 図1の写真プリントシステムにおいてセットアップ用に形成されるテストプリントの構成を示す平面図。 図7のテストプリントを主走査方向に沿って測色した結果を示すグラフ。 図8のグラフをシェーディング補正した後に作成されたテストプリントを主走査方向に沿って測色した結果を示すグラフ。 テストプリントが形成される感光材料の特性曲線を示すグラフ。 図1の写真プリントシステムにおいてシェーディング補正を行う際のテストプリントの測色を行う際の流れを示すフローチャート。 図11において取得された測色結果を用いてシェーディング補正を行う際の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 写真プリントシステム(露光装置)
2 操作ステーション
3 プリントステーション
4 ケーブル
11 印画紙マガジン
12 シートカッター
13 バックプリント部
14 プリント露光部
15 処理槽ユニット
15a 発色現像槽
15b 漂白定着槽
15c 安定処理槽
16 コンベア
17 ソータ
18 印画紙搬送機構
20 自動濃度測定装置(測色装置)
82 モニタ
84 キーボード
86 マウス
88 コンピュータユニット(補正部)
88a メディアリーダ
90 デスク
100a 筐体
100f 案内支持面
100g プリント挿入部
F 帯
P 印画紙
TP テストプリント
CP 校正プレート
x1,x2 両端部
x3 中央部

Claims (5)

  1. 光源から照射される光を主走査方向に走査して感光材料に対して露光処理を行う際の主走査方向における光量のムラを補正する露光装置のシェーディング補正方法であって、
    前記露光装置によって露光処理が施されたテストプリントを形成する第1のステップと、
    前記露光装置による主走査方向に沿って測色装置によって前記テストプリントの測色を行うとともに、前記測色を行う際には、前記テストプリントの端部では中央部よりも細かいピッチで測色を行う第2のステップと、
    前記測色装置における測色結果に基づいて、前記露光装置の主走査方向における光量のムラを補正する第3のステップと、
    を備えているシェーディング補正方法。
  2. 前記第2のステップでは、前記テストプリントにおける一方の端部から他方の端部まで所定間隔の測色ポイントを設定した後、前記テストプリントの中央部における測色ポイントを間引きして測色を行う、
    請求項1に記載のシェーディング補正方法。
  3. 前記第2のステップでは、前記測色装置における測色位置が前記テストプリントにおける中央部付近に相当する際には、前記テストプリントの搬送速度を上げるように前記測色装置を制御する、
    請求項1または2に記載のシェーディング補正方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のシェーディング補正方法をコンピュータに実行させる、シェーディング補正プログラム。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載のシェーディング補正方法により、搭載された光源から照射される光量の補正を行う補正部を備えている、
    露光装置。
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