JP2007246445A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、縮合反応における着色を抑えてかつ粘度の調節(特に、高粘度領域における調節)が可能な(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.9〜1.15であり、かつ、(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率が95%以下とすることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して、着色を抑えてかつ粘度を調節できる(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法に関する。
従来より、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとの脱水エステル化反応や、(メタ)アクリル酸アルキルとアルコールとのエステル交換反応、あるいはエポキシ化合物への(メタ)アクリル酸の付加反応が一般的に行われている。これらのうち、特に、脱水エステル化反応は、(メタ)アクリル酸エステルの製造が容易であると共に、製造可能な(メタ)アクリル酸エステルが多様であることから、有用な製造方法である(例えば、特許文献1〜6を参照)。
この脱水エステル化反応を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法においては、製造条件によって、製造される(メタ)アクリル酸エステルの着色が顕著になる場合があった。かかる着色が生じると、光学材料に使用された場合に透過光の偏光、特定波長の吸収や反応率低下、コーティング材に使用された場合に調色不良等の不都合が生じる。
また、脱水エステル化反応を用いた(メタ)アクリル酸エステルを製造方法においては、通常、製品の着色に影響を及ぼす副反応を抑えるために、原料の配合量等の製造条件は固定されており、そのため原料の多価アルコールの構造に応じて製品となる(メタ)アクリル酸エステルの粘度はほぼ一定のものとなっていた。
しかしながら、近年、(メタ)アクリル酸エステルの使用目的に応じて、広範な粘度を有する同種の(メタ)アクリル酸エステルを供給してほしいという市場からの強い要望がある。もちろん、脱水エステル化における副反応を極力抑えて、着色の少ない低色調の製品とすることも重要である。
特開平7−101901号公報 特開平11−263779号公報 特開2001−213844号公報 特開2001−247516号公報 特開2001−48831号公報 特開2001−48838号公報
本発明は、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、縮合反応における着色を抑えてかつ粘度の調節(特に、高粘度領域における調節)が可能な(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程において、原料の仕込み比率を特定の範囲とし、かつ、(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率を特定の範囲とすることにより、製品の着色を抑制し、かつ、粘度を広範囲に調製できることを見出した。かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
項1.(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.9〜1.15であり、かつ、(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率を95%以下とすることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
項2.多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.93〜1.1である項1に記載の製造方法。
項3.(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率が80〜95%である項1又は2に記載の製造方法。
項4.多価アルコールがジトリメチロールプロパンであり、製造される(メタ)アクリル酸エステルの円錐平板型粘度計(25℃)で測定される粘度が500mPa・s以上である項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5.多価アルコールがジペンタエリスリトールであり、製造される(メタ)アクリル酸エステルの円錐平板型粘度計(25℃)で測定される粘度が7000mPa・s以上である項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
以下、本発明を詳述する。
本発明の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法では、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を0.9〜1.15とし、かつ、(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率が95%以下とすることを特徴とする。
本発明において使用する多価アルコールは、ジオール、3個以上の水酸基を有するポリオールが挙げられる。
ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジメチロール等が挙げられる。
トリオールの具体例としては、例えば、グリセリン、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリオールの具体例としては、例えば、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、並びにこれらポリオールのエチレンオキサイド付加物、ポリオールのプロピレンオキサイド付加物、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらの多価アルコールのうち、常温(例えば、10〜30℃)で固体のポリオールが好ましく、具体的には、ジトリメチロールプロパン(融点:105〜115℃)、ジペンタエリスリトール(融点:210〜220℃)、ペンタエリスリトール(融点:260℃)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(融点:250〜320℃)等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法は、次に示す条件下にて、酸性触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを加熱・攪拌して実施する。
多価アルコールと(メタ)アクリル酸の配合割合は、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.9〜1.15の範囲とする。好ましくは0.93〜1.1、より好ましくは0.95〜1.0である。
酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。触媒の使用量は、多価アルコールと(メタ)アクリル酸の合計量に対して、0.01〜10.0重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲であればよい。
本発明で用いる有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ブタノール等が挙げられ、これらを単独でまたは二種以上を組合せて用いることができるが、取扱いの点からトルエン単独が好ましい。
また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、70℃〜140℃程度、好ましくは70〜90℃程度である。反応圧力は、例えば、45kPa〜常圧、好ましくは50〜60kPa程度である。反応時間は、通常、後述する(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率に応じて調節すればよく、例えば、8〜20時間程度であればよい。
上記反応においては、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合防止剤を添加することができる。このような重合防止剤としては、例えば、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅などの無機重合防止剤、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキノン、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,6-tertブチル−p−クレゾール、パラベンゾキノン、2,5-ジフェニルパラベンゾキノン、フェノチアジン、ジフェニルアミンなどの有機重合防止剤が使用される。この中では、製品の貯蔵時、及び使用時に着色の少ない重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルが好適に使用される。これらの重合防止剤の使用量は、反応液に対して、100〜2000質量ppm程度であればよい。
また、脱水エステル化反応(脱水縮合反応)は、原料の(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率を95%以下に制御することが重要である。ここで、「(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率」とは、原料の多価アルコールの水酸基のモル数に対する消費された(メタ)アクリル酸のモル数の割合(モル%)を意味する。
この反応率は、反応液中の酸価を測定することにより算出される。つまり、反応液中の酸価を測定することにより、残存する(メタ)アクリル酸と酸触媒の量が明らかとなり、そこから消費された(メタ)アクリル酸の量が算出される。
具体例として、水酸基を4個有する多価アルコール1モルとアクリル酸4.2モルを仕込んだ場合、反応率の分母はジトリメチロールプロパン1モル×4個(水酸基)=4モルとなり、分子は、アクリル酸の消費量(モル)、即ち、反応液の酸価測定により0.6モル残っていたら、4.2−0.6=3.6モルとなり、反応率は、(3.6/4)*100=90%となる。
(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率は、好ましくは80〜95%、より好ましくは80〜93%、特に好ましくは82〜92%である。
エステル化反応の終了後、反応液の酸分の中和処理を行う。アルカリ水溶液で中和時のエステル分解(ケン価)を抑えるため、中和処理の前に、水(蒸留水)又は中性塩水溶液を加えて水洗処理を行うことが好ましい。中和処理工程は常法に従って行えばよく、例えば、反応液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性の水溶液を添加し、攪拌、混合する方法等が挙げられる。この場合、アルカリ成分の量は、通常は、反応液の酸分に対してモル比にて1倍以上、好ましくは1.1〜1.6倍であればよい。さらに、水洗処理工程も常法に従って行えばよく、上記中和処理後の反応液に水を添加し、攪拌、混合する方法等が挙げられる。
上記水洗処理及び中和処理後、生成した(メタ)アクリル酸エステル類を含有する有機層を分離し、次いで、この有機層から有機溶媒を公知の方法で除去することにより、(メタ)アクリル酸エステルを得る。
上記のように、本発明の製法では、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比、及び(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率を、上記の範囲に設定することにより、製品である(メタ)アクリル酸エステルの着色を抑えて、かつ広範囲の粘度を任意に調製することができる。特に、着色を抑えて、従来では調製が難しかった高粘度領域のアクリレートが調製可能となった点は特筆すべきである。
例えば、本発明の製法で得られる(メタ)アクリル酸エステルの色調(APHA)は200以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下となる。色調(APHA)は、JIS−K−0071−1に則した比色法にて測定した値である。
また、(メタ)アクリル酸エステルの粘度は、原料の多価アルコールの種類によって大きく変動するが、同一原料の場合、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を徐々に下げるに従い、上昇していく傾向にある。なお、粘度は、JIS−Z−8803に従い円錐平板型粘度計(25℃)を用いて測定した値を意味する。
具体例として、多価アルコールがジトリメチロールプロパンの場合は、製造される(メタ)アクリル酸エステルの粘度は500mPa・s以上(特に、500〜1400Pa・s)となり、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を、0.9〜1.15の範囲で減少させると粘度は上昇する。
また、多価アルコールがジペンタエリスリトールの場合は、製造される(メタ)アクリル酸エステルの粘度は7000mPa・s以上(特に、7000〜10000mPa・s)となり、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を、0.9〜1.15の範囲で減少させると粘度は上昇する。
本発明の製法で製造される低色調かつ高粘度の(メタ)アクリル酸エステルは、コート時や成形時に粘度調製が簡便でありしかも厚膜化できるため、例えば、クリアコーティング材料や光学材料等の用途に好適に用いられる。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、縮合反応における着色を抑えてかつ粘度の調節(特に、高粘度領域における調節)が可能となる。
次に、本発明を比較例と共に実施例によって更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
(1)反応工程
攪拌機及び温度計、ディーンスターク装置を備えた2L反応器に、ジトリメチロールプロパン590g(2.36モル)、アクリル酸663g(9.21モル)、トルエン425g、塩化第二銅1.7g、70%メタンスルフォン酸水溶液34g及び50%次亜リン酸水溶液3.4gを仕込み、53kPaの圧力下、反応器を加熱して脱水エステル化反応を行った。アクリル酸消費量をベースとした反応率は90%であった。本条件における反応時間は8時間であった。
なお、この「アクリル酸消費量をベースとした反応率」は、次のようにして算出した。反応液の酸価は0.60meq./gであり、これから計算される消費アクリル酸は、8.5molとなる。よって反応率は、8.5/(2.36×4)*100=90%となる。
(2)中和工程
反応液を冷却した後、トルエン1400gを加えて希釈した。このようにして得られた反応液を中和処理用の槽に移し、蒸留水200gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
上層の酸分を中和するために20%水酸化ナトリウム水溶液600gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(3)水洗浄工程
上層に、蒸留水500gを加え充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(4)溶剤除去工程
上層にハイドロキノンモノメチルエーテル400ppmを添加して、空気を吹き込みながら、減圧下でトルエン濃度1%以下になるまで脱溶剤処理を行った。得られた粗アクリレート500gに対して、ラヂオライト#200(昭和化学工業製)8.4gを添加し、よく攪拌混合した。その混合物を、定性ろ紙No.2を備えた加圧濾過装置にて濾過しアクリレートを得た。
こうして得られたアクリレートは、2100AN型濁度計(HACH社製)を用いて濁度測定に供した。なお、かかる測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正し、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU;Nephelometric Turbidity Unit)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断し、物性測定に供した。
実施例2
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを574g(2.30モル)、アクリル酸661g(9.18モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
実施例3
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを559g(2.24モル)、アクリル酸676g(9.39モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
実施例4
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを545g(2.18モル)、アクリル酸691g(9.60モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
実施例5
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを538g(2.15モル)、アクリル酸713g(9.90モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
実施例6
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを613g(2.45モル)、アクリル酸640g(8.89モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
比較例1
実施例1記載の反応工程において、ジトリメチロールプロパンを525g(2.10モル)、アクリル酸726g(10.08モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
比較例2
比較例1記載の反応工程において、アクリル酸消費量をベースとした反応率を99%に変更した以外は、比較例1と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。このときの反応工程における反応時間は12時間であった。
比較例3
実施例4記載の反応工程において、アクリル酸消費量をベースとした反応率を98%に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。このときの反応工程における反応時間は12時間であった。
実施例6
(1)反応工程
攪拌機及び温度計、ディーンスターク装置を備えた2L反応器に、ジペンタエリスリトール402g(1.58モル)、アクリル酸684g(9.50モル)、トルエン595g、塩化第二銅1.7g及び78%硫酸17gを仕込み、54kPaの圧力下、反応器を加熱して脱水エステル化反応を行った。アクリル酸消費量をベースとした反応率は90%であった。本条件における反応時間は10時間であった。
(2)中和工程
反応液を冷却した後、トルエン1000gを加えて希釈した。このようにして得られた反応液を中和処理用の槽に移し、蒸留水400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
上層の酸分を中和するために20%水酸化ナトリウム水溶液400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。更に20%水酸化ナトリウム水溶液400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(3)水洗浄工程
上層に、蒸留水500gを加え充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(4)溶剤除去工程
上層にハイドロキノンモノメチルエーテル400ppmを添加して、空気を吹き込みながら、減圧下でトルエン濃度1%以下になるまで脱溶剤処理を行った。得られた粗アクリレート500gに対して、ラヂオライト#200(昭和化学工業製)8.4gを添加し、よく攪拌混合した。その混合物を、定性ろ紙No.2を備えた加圧濾過装置にて濾過しアクリレートを得た。
こうして得られたアクリレートは、2100AN型濁度計(HACH社製)を用いて濁度測定に供した。なお、かかる測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正し、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断し、物性測定に供した。
比較例4
実施例6記載の反応工程において、ジペンタエリスリトールを357g(1.41モル)、アクリル酸729g(10.13モル)に変更した以外は、実施例6と同様の操作を行い、透明なアクリレートを得た。
上記実施例及び比較例における、原料アルコールとアクリル酸のモル比、原料アルコールの持つ水酸基1モルあたりのアクリル酸のモル比、及びアクリル酸の消費量をベースとした反応率を表1に示す。
試験例1
上記実施例及び比較例で得られた各アクリレートの色調(APHA)を、JIS−K−0071−1に則した比色法にて測定した。具体的には白金とコバルトの試薬を溶解して調製した標準液を用い、試料の色と同等の濃さの標準液稀釈液を比較により求め、その「度数」として表示するものである。その結果を表1に示す。
また、上記実施例及び比較例で得られた各アクリレートの25℃における粘度(JIS−Z−8803)を、円錐平板型回転粘度計を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007246445
アクリレートの色調が200以下であれば着色の程度が低いため適しており、200を越えると目視でかなり褐色〜赤褐色に着色が確認されるため不適とした。
アルコールとしてジトリメチロールプロパンを用いた場合、アクリレートの粘度が500mPa・s以上を有効であるとした。また、アルコールとしてジペンタエリスリトールを用いた場合、アクリレートの粘度が7000mPa・s以上を有効であるとした。
表1より、実施例1〜6では、色調が低く着色の程度が低いことが分かった。しかも、アクリル酸の仕込み比率を減少させることによって、得られるアクリレートの粘度は上昇した。しかも、その比率の減少が大きくなるに従って、得られるアクリレートの粘度は上昇する傾向にある。即ち、アクリル酸比率を調整することにより、目的とする粘度のアクリレートを得ることが出来ることが分かった。
これに対し、比較例1のように、ジトリメチロールプロパンに対し一定比率以上のアクリル酸を仕込んだ場合には、粘度は500mPa・s以下となり、目的の粘度にはならなかった。
また、比較例2のように、ジトリメチロールプロパンに対し一定比率以上のアクリル酸を仕込み、粘度を上げるためにアクリル酸の反応率を上げる場合には、粘度は上がるがアクリレートの色調は300となり顕著な着色が確認された。
さらに、比較例3のように、アクリル酸の反応率が高い場合には、アクリレートの色調は600となり顕著な着色の悪化が確認された。
上記の傾向は、多価アルコールをジトリメチロールプロパンからジペンタエリスリトールに変えた実施例6及び比較例4の結果からも容易に理解できる。なお、比較例4では、粘度は7000mPa・s以下となり、目的の粘度にはならなかった。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.9〜1.15であり、かつ、(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率を95%以下とすることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.93〜1.1である請求項1に記載の製造方法。
  3. (メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率が80〜95%である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 多価アルコールがジトリメチロールプロパンであり、製造される(メタ)アクリル酸エステルの円錐平板型粘度計(25℃)で測定される粘度が500mPa・s以上である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 多価アルコールがジペンタエリスリトールであり、製造される(メタ)アクリル酸エステルの円錐平板型粘度計(25℃)で測定される粘度が7000mPa・s以上である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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