JP2007245409A - 意匠性積層シート、および、意匠性積層シート被覆金属板 - Google Patents

意匠性積層シート、および、意匠性積層シート被覆金属板 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン含有樹脂を使用せず、良好な加工性を有し、平滑で透明な表面を通して視認できる、深み感、立体感のある内部エンボスを有するとともに、沸騰水浸漬試験でも問題がなく、ユニットバス用途に好適に使用出来る意匠性積層シート被覆金属板を提供する。
【解決手段】基材層10、接着剤層20、および表層30の少なくとも3層がこの順で積層されている積層シート100であって、基材層がポリエステル系樹脂を主成分とし、顔料を含み、接着剤層側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する、無配向の層であり、接着剤層が紫外線硬化型接着剤、および、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを所定の割合で含む混合組成物を主成分としてなり、当該硬化物が所定の貯蔵弾性率を有し、その厚みが基材層のエンボス凸部を完全に埋める以上の厚みを有する層であり、表層がポリエステル系樹脂を主成分としてなる、透明延伸層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、意匠性積層シート、および、意匠性積層シート被覆金属板に関する。特に、ユニットバス部材、ドア材、建築内装材等として用いることができる意匠性積層シート被覆金属板、および、この金属板の被覆材料である意匠性積層シートに関する。
従来、建築内装材等に用いられる意匠性樹脂被覆金属板としては、いわゆる鏡面意匠が付与されたタイプと、エンボス意匠が付与されたタイプが用いられてきた。鏡面意匠が付与されたタイプとしては、例えば、顔料の添加により着色された軟質ポリビニルクロライド(以下、ポリビニルクロライドを「PVC」と省略する場合がある。)等のシートの上に印刷柄を付与し、さらにその上に透明で平滑性の良い樹脂フィルムを被覆した構成のものが用いられていた。また、エンボス意匠が付与されたタイプとしては、例えば、単層の軟質PVCシートの表面にエンボスを付与したものが一般的に用いられていた。
しかし、近年、生活様式の変化と、個人の嗜好の多様化が、住空間に影響を与え、それを反映した製品作りが求められており、建築内装材等に用いられる意匠性樹脂被覆金属板としても、より優れた意匠性を有することが求められている。そして、深み感、立体感などを得ることができる構成として、内部エンボス構成を有する意匠性樹脂被覆金属板に対する要求が高くなっている。ここで、内部エンボス構成とは、透明、または半透明で平滑性の高い表面を有する表面層を通して、内部に存在する凹凸模様(エンボス意匠)が視認できる構成をいう。
このような内部エンボス構成の意匠性樹脂被覆金属板に関して、特許文献1には、表面にエンボスを施した着色軟質PVCシート等の凹凸面に透明なPVCペースト等をコートする方法が記載されている。また、特許文献2には、表面にエンボス加工した熱可塑性樹脂シートの表面に無溶剤タイプの硬化型樹脂を充填硬化させる方法が記載されている。また、特許文献3には、熱可塑性樹脂シートのエンボスを付与した表面に、ドライラミ接着剤により透明な熱可塑性樹脂層を付与したものが記載されている。また、特許文献4や特許文献5には、表面にエンボスおよび印刷を施した着色軟質PVCシートの凹凸面と透明な表層との間に紫外線硬化型接着剤を充填し、さらに透明なトップフィルムを被覆する等の方法が記載されている。
特開平1−141050号公報 特開平1−275138号公報 特許第2960173号公報 特許第3384508号公報 特許第3337176号公報
しかし、特許文献1の化粧シートでは、エンボスを施した軟質PVCシートの上に、更にPVCペーストをコートした後、該ペーストをゲル化させるために焼付け処理が必要である。また、同時に、表面を平滑化するために加熱下で一対の加圧ロール間を通過させる等の処理が必要である。また、軟質PVCのエンボス耐熱性は、通常の使用環境下においては充分なものではあるが、本来的にあまり高いものではない。このため、上記の加熱・加圧処理の間にエンボス戻りが発生し、最終的に得られる化粧シートに充分な深み感のある内部エンボス意匠を付与するのは難しい。また、近年、内装建材用途において、揮発性有機化合物(VOC)、内分泌撹乱物質を有する懸念のある材料を用いることは制限を受けるようになっており、このような点から、軟質PVCの使用は制限を受けるようになってきた。
特許文献2により得られたものは、無溶剤型の硬化型樹脂層が最表面となることから、かかる層の耐傷入り性を良好なものとする必要があり、且つ、樹脂被覆金属板としての二次加工性、特に折り曲げ加工性も確保する必要があることから、樹脂被覆金属板用途に適用するには、かかる最表面を形成する接着剤として非常に困難な材料設計を必要とし、その結果として安価に製品を得ることが困難であった。
また、特許文献3によれば、最表層は熱可塑性樹脂フィルムを用いるので、2軸延伸PET系フィルム等を用いるなど表層を適宜選択することで、樹脂被覆金属板としての傷入り性、加工性とも両立させることが可能であるが、ドライラミネート用接着剤は溶剤系であり、厚塗りすることができず、従って、深い内部エンボス意匠を付与することができなかった。
また、特許文献4、5により得られたものは、紫外線硬化型接着剤の物性に起因して、樹脂被覆金属板としての加工性(柔軟性)とユニットバス用途の評価項目として一般的に含まれる沸騰水浸漬試験を同時に満たすことが困難であった。即ち、紫外線硬化型接着剤の硬化物として硬質のものを用いた場合は、良好な加工性を得ることが困難であり、柔軟なものを用いた場合は、沸騰水浸漬試験に合格することが困難であった。
樹脂被覆金属板用の軟質PVCシートを非PVCの熱可塑性樹脂製シートに置き換える検討自体は進んでおり、鏡面意匠に用いる下地シートやエンボス意匠のシートに関しては既に着色されたポリエステル系樹脂シートや、着色ポリオレフィン系樹脂シートよりなるものが市販されているが、内部エンボス構成のものに関しては良いものが得られていない。
その理由としては、深み感、立体感を強くするためにはどうしてもある程度厚みのある着色樹脂層を用いて、深いエンボスを付与する必要があるが、ポリオレフィン系樹脂からなる着色基材シートにある程度の厚みを持たせて形成した場合は、樹脂被覆金属板とした後の加工において、折り曲げ白化を生じ易い問題点があった。
また、着色樹脂層としてポリエステル系樹脂を用いた場合に関しては、この問題は回避されるものの、エンボスを埋め込むために用いる透明なPVCペーストに変わるべき好ましいコート剤が存在しないという問題があった。また、紫外線硬化型接着剤を用いて、表層を透明なトップフィルムで被覆した場合は、上記の特許文献4および5と同様に、沸騰水浸漬性または加工性に問題が発生した。
また、紫外線硬化型接着剤に替えて、通常の溶剤系の硬化型接着剤を用いた場合は、接着剤が溶液であるので厚塗りが困難であり、また、塗布した接着剤層の溶剤が揮散する分、接着剤層の乾燥膜厚がさらに薄くなることから、深いエンボスを埋めて、さらに透明な表層の表面に平滑性を得るに充分な塗布厚みを確保することができなかった。
また、無溶剤系のシアネート硬化型接着剤では、樹脂被覆金属板としての折り曲げ加工性と沸騰水浸漬試験に耐える性能を持たせようとすると、接着剤の粘度が著しく高いものとなってしまい、接着剤の塗工性が悪くなってしまった。一方、塗工性を確保した場合は、満足な硬化物物性が得られないという問題があった。また、このシアネート硬化型接着剤では、塗布後の硬化に時間を要することから、硬化するまでの間、透明な表層と着色樹脂層との間にズレが生じないように、あるいは、接着剤層に外力による窪み等の変形が発生しないように、するための特別な工夫が必要であった。よって、無溶剤系のシアネート硬化型接着剤を用いた方法においては、実用的な生産性と性能を有するものが得られていなかった。
そこで、本発明は、ハロゲン含有樹脂を使用せず、良好な加工性を有し、また、平滑で透明な表面を通して、内部のエンボスを視認することができる、深み感、立体感のある内部エンボス構成を有するとともに、沸騰水浸漬試験でも問題を発生することがなくユニットバス用途において好適に用いることができる意匠性積層シート被覆金属板およびこの金属板を製造するための意匠性積層シートを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、基材層(10)、接着剤層(20)、および表層(30)の少なくとも3層を有し、これらの層がこの順で積層されている積層シートであって、基材層(10)が、ポリエステル系樹脂を主成分とし、顔料を含み、接着剤層(20)と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有し、無配向で厚みが100μm以上、300μm以下の層であり、接着剤層(20)が、紫外線硬化型接着剤を50質量%以上96質量%以下、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを4質量%以上50質量%以下の割合で含む混合組成物を主成分としてなり、該混合組成物の硬化物についての動的粘弾性引張り法10Hzでの貯蔵弾性率が、20℃で、2.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下、かつ100℃で、2.0×10Pa以上、4.0×10Pa以下であり、その厚みが、基材層(10)のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有する層であり、表層(30)が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなる、透明延伸層である、意匠性積層シート(100a)である。
第1の本発明において、基材層(10)を構成するポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂全体の質量を100質量%として、20質量%以上80質量%以下のポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、「PBT系樹脂」と省略することがある。)、および/または、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂(以下、「PTT系樹脂」と省略することがある。)と、残りの成分である20質量%以上80質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂との混合物であることが好ましい。基材層(10)を構成するポリエステル系樹脂が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂のみからなる場合は、意匠性積層シートに対して、エンボス加工等を容易に行えるメリットがあるが、かかる実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂のガラス転移温度が100℃に満たないことから、意匠性積層シートが沸騰水浸漬試験を満足することができないおそれがある。そこで、ポリエステル系樹脂として、PBT系樹脂、または、PTT系樹脂、あるいはこれらの混合物を含有させることで、これらの樹脂が結晶化して、これらの結晶融点近くまで、基材層(10)の弾性率を高く維持することができ、沸騰水浸漬試験で問題を生じないものとすることができる。また、基材層(10)は、金属板(50)へラミネートされる層であり、このラミネートを従来の軟質PVCを金属板に貼り付けていたのと同様の温度範囲で行ったとしても、十分な接着強度を得られるものとすることができる。
また、この実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分全体を100モル%として、ジオール成分の20モル%以上80モル%以下が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエステルであることが好ましい。このような組成の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、上記の基材層(10)の効果をより好適に担保するとともに、商業的に入手し易く、原料供給の安定性およびコストメリットの点から好ましい。
第1の本発明において、表層(30)としては、透明延伸ポリエステル樹脂シートを用いることが好ましい。表層(30)として、軟質PVCのオーバーレイ用途としても用いられてきた実績のある材料である透明延伸ポリエステル樹脂シートを用いることで、ユニットバス用積層シート被覆金属板として浴室で用いた場合も各種表面物性に問題を生じるおそれがないものとすることができる。また、この樹脂シートは、良好な平滑性を有することから、いわゆる鏡面外観を容易に得ることができる。また、世界的に広く使用されている材料であることから、供給の安定性やコストのメリットも得ることができる。
第1の本発明において、基材層(10)は、接着剤層(20)側に面し光輝性顔料を含む第1基材層(12)と、接着剤層(20)側とは反対側に位置し、隠ぺい力のある着色顔料を含む第2基材層(14)の少なくとも2層より構成することもできる。このような構成とすることによって、光輝性顔料を添加することによる内部エンボスの形状視認性を向上させる効果を十分に発揮させ、かつ、隠ぺい力のある着色顔料により、金属板(50)に貼り付けた際において、金属板(50)の表面状態や色味の変化に左右されず、安定した色調を有する意匠性積層シート被覆金属板(200)を得ることができる。
第1の本発明において、接着剤層(20)と基材層(10)との間、接着剤層(20)と第1基材層(12)との間、または第1基材層(12)と第2基材層(14)との間には、印刷層(40)が付与されていてもよい。これにより、着色意匠、表面平滑意匠、内部エンボス意匠に加えて、印刷による柄および色彩の意匠をも付与することができる。また、接着剤層(20)と第1基材層(12)との間、および、第1基材層(12)と第2基材層(14)との間、の双方に、印刷層(40)を形成してもよい。
また、印刷層(40)は、光輝性顔料を含む印刷インクにより形成された第1印刷層(42)と、一般的な着色顔料を含む印刷インクにより形成された第2印刷層(44)の少なくとも2層より構成してもよい。この場合は、光輝性顔料を含む第1印刷層(42)により、内部エンボスの形状視認性を向上することができ、また、第2印刷層(44)により、柄および色彩の意匠を付与することができる。
第1印刷層(42)および第2印刷層(44)は、図1(c)に示したように、接着剤層(20)および基材層(10)の間に、両方の印刷層を形成してもよいし、あるいは、第1印刷層(42)を接着剤層(20)および第1基材層(12)の間に形成するとともに、第2印刷層(44)を第1基材層(12)および第2基材層(14)の間に形成してもよい。また、基材層(10)として、光輝性顔料を含む第1基材層(12)を設けずに、印刷層(40)として光輝性顔料を含む第1印刷層(42)を設けてもよい。
第2の本発明は、上記の意匠性積層シート(100)および金属板(50)を有し、意匠性積層シート(100)の基材層(10)側の表面が金属板(50)に積層されている、意匠性積層シート被覆金属板(200)である。
本発明の意匠性積層シート被覆金属板(200)は、平滑で透明な表面を通して、内部のエンボスを視認することができることから、深み感および立体感を有する、いわゆる内部エンボス構造を有するものである。また、本発明の意匠性積層シート被覆金属板(200)は、上記意匠を有するとともに、耐傷入り性、加工性に優れると伴に、耐沸騰水浸漬性にも優れることから、ユニットバス用途に好適に用いることができるものである。
第3の本発明は、第2の本発明の積層シート被覆金属板(200)を用いた、ドア材、ユニットバス部材、パーティション材、および、一般壁材からなる群より選ばれる建築内装材である。なお、ユニットバス部材としては、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材等が挙げられる。
本発明の意匠性積層シート(100)において、接着剤層(20)を所定の混合組成物を主成分とするものとし、かつ、この混合組成物の硬化物についての貯蔵弾性率が所定の範囲であることによって、低温での折り曲げ加工性と沸騰水浸漬性を両立させることが可能であり、また、層間の密着力を充分なものとすることができる。また、接着剤層(20)を構成する混合組成物が、無溶剤系の接着剤であることから、基材層(10)の表面に比較的深くエンボスによる凹凸が付与されたとしても、これを完全に埋めて、透明な表層(30)の表面に平滑性を得るに充分な塗布厚みを確保することが容易である。これにより、平滑で透明な表面を通して、内部のエンボスを視認することができる、深み感、立体感のある内部エンボス構成を付与することができる。さらに、上記接着剤組成は紫外線照射によって充分な初期硬化が得られるため、シアネート硬化型接着剤を用いた場合のように養生に特別な工夫をする必要がなく、生産性に優れている。また、本発明の意匠性積層シート(100)は、ハロゲン含有樹脂を使用せず環境に優しいものである。
以下、本発明を具体化した実施の形態を説明する。
図1は、本発明の意匠性積層シート100a〜100fおよび意匠性積層シート被覆金属板200の層構成を示した模式図である。
なお、本発明の意匠性積層シート100の各層として用いる樹脂「シート」は、その厚み範囲からすると、「フィルムおよびシート」と記すのがより正しいが、本発明においては、一般的には「フィルム」と呼称する範囲に関しても便宜上「シート」という単一呼称を用いた。
また、無配向という表現は、シートに何らかの性能を付与するために意図して延伸操作等の配向処理を行ったものではないことであり、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取り(ドロー)で発生するような配向等まで存在していないという意味ではない。
本発明の意匠性積層シートの最も基本的な構成としては、図1(a)に示したように、基材層10、接着剤層20、および表層30の少なくとも3層を有し、これらの層がこの順で積層されている構成、つまり、基材層10の上に、接着剤層20を有し、その上に表層30を有する構成の積層シート100aである。以下、これらの各層について順に説明する。
<基材層10>
基材層10は、ポリエステル系樹脂を主成分とする層であって、顔料を含み、また、以下において説明する接着剤層20と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有し、無配向で厚みが100μm以上、300μm以下の層である。
基材層10に用いるポリエステル系樹脂としては、エンボス加工による凹凸意匠の付与が容易であり、かつ、本発明の積層シート100をラミネートした意匠性積層シート被覆金属板200としての加工性が確保され、沸騰水浸漬時にシートが変形するおそれがないものであれば制限なく使用することができる。この中でも、基材層10を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリエステル系樹脂全体の質量を基準(100質量%)として、20質量%以上80質量%以下のPBT系樹脂および/またはPTT系樹脂と、残りの成分である20質量%以上80質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂との混合物を用いることが好ましい。また、ポリエステル系樹脂全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上80質量%以下のPBT系樹脂および/またはPTT系樹脂と、残りの成分である20質量%以上75質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂との混合物を用いることがさらに好ましい。
基材層10を上記の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂のみで構成すると、深さのあるエンボスを容易に付与することはできるが、商業的レベルで入手可能な実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、ガラス転移温度が100℃より低いため、意匠性積層シート被覆金属板200を沸騰水浸漬試験に供した場合、基材層10が流動変形を起こしてしまう。
逆に、基材層10をPBT系樹脂やPTT系樹脂等の結晶性樹脂のみからなる構成とすると、これらの樹脂の融点まで基材層10の弾性率が保持されることから、沸騰水浸漬試験では問題を生ずることはないが、エンボスを付与する方法に制約を受け、特に本発明に必要な深さのあるエンボスを付与するのが難しい。また、結晶性樹脂のみからなる構成とした場合は、金属板50にラミネートする際に、従来の軟質PVCをラミネートしていた温度条件よりは、やや高めの温度に金属板50を加熱しなければ充分な接着強度は得られず、従来使用されてきた金属板裏面用塗料をより耐熱性のあるものに変更する必要がある。なお、ここでの金属板裏面用塗料とは、裏面の防食の目的で塗布されるものである。さらに、以下において説明する印刷層40を付与した構成では、従来から使用されていた一般的なインクよりも耐熱性の高い印刷インクを用いる必要がある等の問題点が生じる。
本発明の意匠性積層シート100においては、上記したように、基材層10をPBT系樹脂またはPTT系樹脂と、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂とを所定の組成で含む混合物とすることによって、エンボスの付与が比較的容易となり、また、沸騰水浸漬試験において、流動変形を起こすことがない。また、金属板50とのラミネートの際も従来の軟質PVCをラミネートしていた温度範囲で充分な接着強度を得ることができる。
また、PBT系樹脂およびPTT系樹脂は、無配向で結晶化した状態でもPET系樹脂に比べて良好な加工性を有し、これらを含む混合物を基材層10とする意匠性積層シート100で被覆した金属板200の加工性を良好なものにすることができる。これに対して、無配向のPET系樹脂を基材層10に用いると、PET系樹脂が結晶化した状態では、その融点が高くなりすぎてしまい、従来軟質PVCをラミネートしていた温度条件では金属板50との充分な接着強度を得ることができず、また、このシートで被覆した樹脂被覆金属板の加工性を良好なものとするのは難しい。また、PET系樹脂が非晶の状態では、結晶化速度が遅いことから、沸騰水浸漬時に基材層10が流動変形し、樹脂被覆金属板の外観品質不良が発生する。
基材層10を構成するPBT系樹脂としては、融点が210℃以上230℃以下の範囲のものを用いるのが好ましい。融点がこれより低いPBT系樹脂は、結晶化速度が遅く意匠性積層シート被覆金属板200の沸騰水浸漬性を良好なものにできないおそれがあり、また、原料価格が高価であり好ましくない。具体的には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸、ジオール成分として1.4−ブタンジオールの各単一成分を用いた、いわゆるホモPBT樹脂(意図せざる共重合成分が含まれていても良い。)を用いることが好ましい。このホモPBT樹脂は融点が約225℃であり、それより低い融点を有する共重合PBT系樹脂より、コストや安定供給性の点から有利である。
また、PBT系樹脂としては、上記のホモPBT樹脂以外にも、酸成分の一部をイソフタル酸等のジカルボン酸で置換したもので、融点が210℃以上もの、ポリトリメチレングリコール(PTMG)を共重合したもの等を用いることができる。押出し製膜法により基材層10のシートを作製する場合は、原料の固有粘度が1.0〜1.4程度の範囲のものを選ぶのが一般的であり、各社から市販の原料を入手することができる。
また、コスト面やグレード選択の自由度、安定供給の点ではPBT系樹脂に及ばないが、PBT系樹脂と類似の融点を有し、同様に結晶化速度の速いPTT系樹脂も本発明の基材層10に用いることができる。
基材層10を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂とは、示差走査熱量計による測定(DSC)で明確な結晶化挙動、もしくは結晶融解挙動が認められないもののみでなく、結晶性は認められるが、結晶化速度が極めて遅いもの、結晶融解熱量が極めて小さく、実質的に非晶性ポリエステル系樹脂として取り扱うことができるもの等も含むものである。
これら実質的に非晶性のポリエステル系樹脂の中でも、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分全体を100モル%として、ジオール成分の20モル%以上80モル%以下が1.4−シクロヘキサンジメタノール(以下、1.4−CHDMと省略する場合がある。)で、残りの成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
ここで、「主体とし」とは、ジカルボン酸成分全体を基準(100モル%)として、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸を80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むことをいう。
共重合されるジオール成分である1.4−CHDMの量が少な過ぎると、共重合ポリエステルの結晶性が顕著になり、エンボス付与機等を用いて加熱した基材層10にエンボス柄の転写を行う際に結晶化が進行してエンボス付与が困難になるおそれがある。また、このように結晶化した場合、得られる意匠性積層シート被覆金属板200の加工性が低下するため好ましくない。一方、1.4−CHDMの量が多すぎる場合も、共重合ポリエステルの結晶性が顕著になり、同様の問題を生ずるため好ましくない。
上記組成範囲の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂の一例としては、世界的に広く使用されており、商業的に入手し易く、また生産量が多いことから低コスト化が図られているいわゆるPET−Gを挙げることができる。PET−Gとしては、例えば、イーストマンケミカル・カンパニー社の「イースターPET−G・6763」を用いることが好ましい。
「イースターPET−G・6763」は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のジオール成分の約30モル%を1.4−CHDMで置換した構造を有するもので、DSCによる測定で、結晶性に起因する熱的挙動が認められない実質的に非晶性のポリエステル系樹脂である。
また、他の例としては、特定の条件では結晶性を示すが通常の条件では非晶性樹脂として取り扱うことが可能なイーストマンケミカル・カンパニー社の「PCTG・5445」等を用いることもできる。該樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のジオール成分の約65モル%を1.4−CHDMで置換した構造を有するものである。また、これ以外に、ジオール成分の一部をネオペンチルグリコールで置換した共重合PET系樹脂で実質的に非晶性のものや、イソフタル酸を共重合したPET系樹脂で結晶性の低いものなどの、共重合成分により結晶化を阻害した組成のポリエステル系樹脂も同様に使用することができる。
基材層10には、意匠性の付与、被覆される金属板50の視覚的隠蔽効果の付与、エンボス意匠の視認性の向上、さらに、表面に印刷層40を付与する場合には、その発色の向上等の目的で顔料が添加される。使用される顔料は上記目的のために一般的に用いられているもので良く、その添加量に関しても上記目的のために一般的に添加される量で良い。顔料の一例としては、白系の着色では、隠蔽効果が高く、かつ粒径が微細であることから積層シートの加工性に与える影響の少ない酸化チタン顔料を用いることができる。また、白系の有彩色の着色では、この酸化チタン顔料をベースとして、色味の調整のため有彩色の有機、無機の顔料を少量添加したものを用いることができる。エンボス意匠の視認性を向上させる方法として、光輝性顔料等を添加しても良い。
下地の視覚的隠蔽効果に関しては、用途によって重要度が異なり一概には規定できないが、一つの目安としては内装建材用途の意匠性積層シート被覆金属板200においては、JIS K5400 7.2「塗料一般試験方法・隠蔽率」に準拠して測定した隠蔽率が、0.98以上であることが好ましい。
図1(d)に示したように、基材層10は、単層ではなく、接着剤層20側に面し光輝性顔料が添加された第1基材層12と、接着剤層20とは反対側に位置し、隠蔽力のある着色顔料が添加された第2基材層14の少なくとも2層よりなる構成としても良い。光輝性顔料を添加することにより内部エンボスの形状視認性が向上することは知られており、特に白系の着色を施した基材層10では効果が顕著であるが、基材層10が単層である場合は、隠蔽力の強い酸化チタンなどの着色顔料と光輝性顔料を同一の層に錬り込むこととなり、光輝性顔料の効果が不充分なものとなり易いことから、上記2層構成の基材層12、14を用いることが特に好ましい。
さらに、光輝性顔料は一般に隠蔽力に劣ることから、その下に隠蔽力のある着色顔料が添加された層を配することで、金属板50の表面状態や色味の変化に左右されず、安定した色調を有する意匠性積層シート被覆金属板200を得ることができる。
光輝性顔料としては、チタンコート等の表面修飾を施した、いわゆるパールマイカを代表とする各種パール顔料や、銀、ニッケル等の各種金属を無電解メッキ処理したガラスフレーク、アルミフレーク等の金属フレーク、アルミ箔等の金属箔を細かく裁断したもの、エポキシ樹脂等で表面処理を施したアルミ箔等の金属箔を細かく裁断したもの、各種金属を無電解メッキ処理した樹脂シートを細かく裁断したもの等を用いることができる。
また、基材層10はエンボス付与機によるエンボス付与適性を与える目的で、「WO04/098883」や「特願2004−285225号」に記載されるような多層構成としても良い。一例として、「WO04/098883」に記載の発明におけるエンボス付与機でのエンボス付与適性に優れた積層シートを用いた場合について、図1(e)および図1(f)に層構成の一実施形態を示した。これらの構成においては、基材層10は、光輝性顔料を含む層15(上層)、20〜40質量%のPBT系樹脂と80〜60質量%の実質的に非晶性のポリエステル樹脂との混合物組成からなり着色顔料を含む層16(中層)、および、PBT系樹脂を主体としてなる層17(下層)の三層から構成される。また、これらの構成においては、光輝性顔料を含む層15の樹脂組成も、20〜40質量%のPBT系樹脂と60〜80質量%の実質的に非晶性のポリエステル樹脂との混合物組成とすることが好ましい。また、後で説明する印刷層40は、光輝性顔料を含む層15および着色顔料を含む層16の間に設けてもよいし(図1(e)の形態)、また、光輝性顔料を含む層15および接着剤層20の間に設けてもよい(図1(f)の形態)。
基材層10には、その性質を損なわない範囲において、各種添加剤を適宜な量添加しても良い。一般的な添加剤としては、燐系、フェノール系等の各種酸化防止剤;ラクトン系、フェノールアクリレート系等のプロセス安定剤;熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、各種加工助剤、金属不活化剤、滑剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料分散性改良剤、充填・増量剤等を挙げることができる。さらに、基材層10がポリエステル系樹脂を主体としてなることから、カルボジイミド系、エポキシ系、オキサゾリン系等の末端カルボン酸封止剤、あるいは加水分解防止剤等と呼ばれるものを添加しても良い。
基材層10の好ましい厚みは、100μm以上、300μm以下の範囲である。これより薄い場合は、付与することができるエンボスの版種が制限され、立体感や深み感に富むエンボス柄を転写することが難しくなり、結果として積層シート100に深み感を付与することが難しくなる。なお、基材層10に付与されるエンボスは、最大高さ(Ry)が50μm以上であることが好ましく、75μm以上あることがより好ましい。
深み感や立体感の意匠をより強く発現させるには、基材層10は厚みがある程、より深いエンボス柄を転写できる点においては良いのであるが、厚みが300μmを超える場合は、いかに接着剤層20の組成に工夫を凝らしても、意匠性積層シート被覆金属板200の加工性が悪くなる。また、従来、軟質PVC樹脂被覆金属板の折り曲げ加工などの成形加工に用いて来た成形金型の使用が困難になり、新規に金型を作製する必要が生じる。
<接着剤層20>
接着剤層20は、紫外線硬化型接着剤を50質量%以上96質量%以下、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを4質量%以上50質量%以下の割合で含む混合組成物を主成分としてなり、該混合組成物の硬化物についての動的粘弾性引張り法10Hzでの貯蔵弾性率が、20℃で、2.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下、かつ100℃で、2.0×10Pa以上、4.0×10Pa以下であり、その厚みが、前記基材層10のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有する層である。
接着剤層20を構成する混合組成物の硬化物についての20℃における貯蔵弾性率が高すぎる場合は、積層シート被覆金属板200の低温での折り曲げ加工性が充分なものとならず、逆に、低すぎる場合は、基材層10との密着強度が不充分となり易く、積層シート被覆金属板200としての使用中に基材層10と接着剤層20との界面の剥離不良を生ずる懸念がある。また、20℃における貯蔵弾性率が低すぎる場合は、積層シート被覆金属板200の表面から長時間の応力が付加された場合などに、接着剤層20が塑性変形を起こし外観不良となる懸念もある。低温での折り曲げ加工性の点からは、20℃の貯蔵弾性率は、2.0×10Pa以上、1.0×10Pa以下であることがさらに好ましい。
また、接着剤層20を構成する混合組成物の硬化物についての100℃における貯蔵弾性率が低すぎる場合は、沸騰水浸漬試験において、接着剤層20が流動変形を生じる恐れがあり、結果として外観不良となりやすい。また、100℃での貯蔵弾性率が高すぎる場合は、20℃における貯蔵弾性率を好ましい範囲とすることが難しい。
接着剤層20を構成する紫外線硬化型接着剤とは、活性エネルギー線の照射により重合して硬化被膜を形成する常用のモノマーやオリゴマー、ポリマー、光重合開始剤、および有機溶剤から構成されている。このモノマー、オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のモノマーやオリゴマーが用いられる。これらのいくつかを例示すると、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、N−ビニルピロリドンなど、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する単官能および多官能のアクリルモノマー、メタクリルモノマー、ビニルモノマー類が挙げられる。
これらのモノマーのうち、単官能モノマーとしては、例えばジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドおよびジイソプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、アクリロイルモルフォリン、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のn−アルキル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等のイソアルキル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、紫外線硬化型接着剤の具体例としては、市販のアロニックス(東亜合成社製)、ダイキュア(大日本インキ化学工業社製)、ニューフロンティア(第一工業製薬社製)、アートレジン(根上工業社製)などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
なお、紫外線硬化型接着剤のガラス転移温度は、−40℃〜100℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度が高すぎると、得られる接着剤層20と表層30との密着性が劣ったり、意匠性積層シート被覆金属板200とした場合の加工性が劣ったりする傾向があり、また、ガラス転移温度が低すぎると、沸騰水浸漬後の接着剤層20と表層30との密着性が劣る傾向があるとともに、沸騰水浸漬時に接着剤層20自体が軟化し、流動変形してしまうため、意匠性積層シート被覆金属板200の外観が悪くなる傾向がある。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、市販品としてはIRUGACURE184、651、500、907、CG1369、CG24−61、Darocure1116、1173(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、LucirineLR8728(BASF社製)、ユベクリルP36(ダイセル・サイテック社製)等を挙げることができる。また、可視光で硬化させる場合にはカンファーキノン等の可視光増感型光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤は、紫外線硬化型接着剤の質量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%を配合することが好ましい。
その他増感作用を有する添加剤を加えて光重合の感度を向上することもできる。その光増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等があり、市販品としては、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。これらの光増感剤は、紫外線硬化型接着剤の質量を基準(100質量%)として、0.001〜10質量%を配合することが好ましい。
接着剤層20は、基材層10の表面に付与されたエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有するものである。これは、接着剤層20の紫外線照射による硬化時に、接着剤層20の厚み方向の硬化収縮が多少発生した場合も、基材層10のエンボス凸部に相当する部分が盛り上がり状に表層30の表面に反映されることを防止するためである。接着剤層20を基材層10のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上に付与することにより、表層30の表面に、基材層10のエンボス凸部に起因する盛り上がりが反映されることなく、平滑な状態が維持され、表層30の表面に鏡面性を確保することができる。
接着剤層20の塗布厚みが基材層10のエンボス凸部の高さより低い場合は、表層30の表面に平滑性を付与することができず、また接着剤層20の塗工時や表層30の積層時に気泡入り等の問題が発生する。接着剤層20の塗布厚みが基材層10のエンボス凸部の高さとほぼ同等な場合も、接着剤層20の硬化時において厚み方向のわずかな体積収縮が起こった場合に、表層30の表面に平滑性を付与することができない。つまり、本発明における接着剤層20の厚みについて、「基材層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚み」とは、接着剤層20が硬化した後においても、表層30の表面に基材層10の凸形状が反映されないような厚み、換言すれば、基材層10上に接着剤層20を形成し、これを硬化させた際に、接着剤層20が収縮したとしても、接着剤層20の表面に基材層10の凸形状が現れてこないような厚みをいう。
上記したように、基材層10のエンボス意匠による立体感を得るためには、基材層10に付与されるエンボスは、最大高さ(Ry)で50μm以上あることが好ましい。よって、接着剤層20は少なくともこれを超える厚みで塗布しなければならない。このような厚塗りは溶剤系の接着剤では困難であり、無溶剤系の接着剤を用いることが必要となるが、従来、熱硬化型の接着剤、紫外線硬化型の接着剤とも満足な性能のものは得られていなかった。
そこで、本発明においては、接着剤層20として、混合組成物全体の質量を基準(100質量%)として、紫外線硬化型接着剤を50質量%以上96質量%以下、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを残りの成分である4質量%以上50質量%以下の割合で含む混合組成物を主成分とするものである。また、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーは、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
イソシアネート末端のウレタンプレポリマーの添加量が少な過ぎる場合は、接着剤層20と以下で説明する表層30との密着性を得るのが難しい。また、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーの添加量が多すぎる場合は、沸騰水浸漬後に接着剤層20が発泡するなど外観品質に劣るなどの問題が出るおそれがある。
接着剤層20において、紫外線硬化型接着剤と混合して使用されるイソシアネート末端のウレタンプレポリマーとは、有機ポリイソシアネートとポリオールとを有機ポリイソシアネートの過剰のもとで常法により調製されるウレタンプレポリマーである。
有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートを挙げることができ、また、これらは2種以上の混合物として用いてもよい。
また、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオールを挙げることができ、また、これらの2種以上の混合物を用いることもできる。ポリオールとしては、例えば、複合金属シアン化合物錯体を触媒として製造されたポリオールを用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコールの1種または2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリオールおよびポリオキシテトラメチレンポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体およびプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、例えばポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。又、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールグリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の低分子ポリオールも挙げられる。
なお、接着剤層20には、必要に応じて溶剤、無機充填剤、少量のプロセスオイル、可塑剤、揺変剤、顔料、耐侯性の維持向上のための紫外線防止剤、安定剤等各種添加剤、触媒などを含んでいてもよい。
<表層30>
表層30が付与される目的は、鏡面外観と呼ばれる平滑性の高い意匠性外観を得るため、および、表層30と接着剤層20を通して、基材層10に付与されたエンボス意匠が視認されることによる深み感と立体感のある意匠(内部エンボス構成)を得るためである。
表層30としては、軟質PVC系樹脂被覆金属板に用いられてきた透明延伸ポリエステル系樹脂シート、すなわち軟質PVCの表面に付与された印刷層の保護、樹脂被覆金属板表面の各種物性の改良等の目的で用いられてきた透明延伸ポリエステル系樹脂シートと同じものを使用することができる。
中でも透明性や平滑性、表面の耐傷入り、耐アルカリ性などの各種薬品に対する耐性等の点から2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂シートが好適に用いられる。
表層30の厚みは、38μm以上125μm以下であることが好ましく、50μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。表層30の厚みが薄過ぎると、接着剤層20の硬化収縮に起因する平滑性の低下を抑えるのが難しく、表層30の厚みが厚すぎると、意匠性積層シート被覆金属板200としての充分な加工性を得ることが困難となる。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートとしては、各社から市販されているものを用いることができ、適宜、高透明グレードや易接着処理グレード等を用いても良い。また、基材層10に付与されたエンボス意匠の視認を妨げない範囲において、バックプリントと呼ばれる裏面印刷を施したものを用いても良く、同様に艶消し剤等を配合して艶消し性が付与された2軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂シート等を用いても良い。
鏡面外観と呼ばれる平滑な表面意匠ではなく、表層30の表面にもエンボス意匠が求められる場合は、易加工性2軸延伸ポリエチレンテレフタレート等と呼ばれるものを用いても良い。これは耐薬品性などの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートとしての基本性能を損なうことなく、配向の制御等により、下層に柔軟性を有する樹脂層を積層した状態でエンボス付与適性を得られるものであり、このような易加工性2軸延伸ポリエチレンテレフタレートとしてはテイジンデュポンフィルム社製の「テフレックス」や、東レ社製の「ニューコンセプトルミラー」などを挙げることができる。
<印刷層40>
図1(b)に層構成を示したように、本発明の意匠性積層シート100においては、接着剤層20と基材層10との間に、印刷層40を形成することができる。印刷層40は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法で施される。印刷層40の絵柄は、任意であり、例えば、石目調、木目調、あるいは幾何学模様、抽象模様等を挙げることができる。印刷は、部分印刷でも全面ベタ印刷でも良く、部分印刷層とベタ印刷層の両方が施されていても良い。また、着色層である基材層10が、光輝性顔料が添加された第1基材層12を有さない場合は、印刷層40に光輝性顔料を添加してもよく、また、図1(c)に層構成を示したように、光輝性顔料を含む印刷インクにより形成された第1印刷層42と、一般的な着色顔料を含む印刷インクにより形成された第2印刷層44の2層からなる構成としてもよい。このように、印刷層に光輝性顔料を添加することによって、内部エンボスの視認性を向上させることができる。図1(c)においては、第2印刷層44の上に第1印刷層42を積層する構成が示されており、この構成が内部エンボスの視認性を向上させる点から基本構成である。しかし、得ようとする印刷意匠によっては、第1印刷層42の上に第2印刷層44を積層する構成としてもよい。
印刷層40は、接着剤層20と基材層10との間、接着剤層20と第1基材層12との間、あるいは第1基材層12と第2基材層14との間に付与することができる。基材層10をエンボス柄を付与していない平滑な状態のシートとして製膜しておき、該表面に印刷を施した後にエンボス付与機により印刷面にエンボスを施す等の方法により基材層10に印刷層40を形成し、かつ、エンボスを形成することができる。
また、基材層10にエンボス柄を付与した後、インク噴射タイプの印刷装置等により、凹凸面に印刷を施す等の方法により行っても良い。あるいは、第1基材層12と第2基材層14とを共押出し法によるダイス内での積層一体化としない場合は、第1基材層12のいずれか一方の表面または両表面、あるいは第2基材層14における第1基材層12と積層される側の表面に印刷層40を付与しても良い。
<意匠性積層シート100および意匠性積層シート被覆金属板200の製造方法>
次に、本発明の意匠性積層シート100および意匠性積層シート被覆金属板200の製造方法について説明する。基材層10の製膜方法としては公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やインフレーション法などを採用することができ、特に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好ましい。
基材層10へのエンボス柄の付与方法としては、押出し製膜時のキャスティングロールとしてエンボス版が刻印されたものを用いTダイから熔融状態で流れ出た樹脂に直接エンボス柄を付与する方法、後工程でエンボス付与機により製膜したシートを再加熱してエンボス柄を付与する方法、エンボス柄の転写無しで製膜した基材層10を金属板50にラミネートする際の加熱で基材層10を再熔融させてエンボスロールで柄を転写し、その後に接着剤層20、および表層30を積層する方法、その他、熱可塑性樹脂シートにエンボスを付与する方法であれば、特に制限なく用いることができる。この中でも、積層シートに印刷層40を付与する場合は、平滑なシートに印刷を施したほうが作業性が良いことから、後二者やそれに類する方法が好ましく、基材層10を「WO04/098883」や「特願2004−285225号」に記載されるような多層構成としてエンボス付与機への適正を付与し、エンボス付与機での柄転写を行えるようにすることが、小ロット対応性の点から特に好ましい。
図3は、基材層10を上層15、中層16および下層17からなる多層構成とした場合におけるエンボス付与の様子を示した説明図である。エンボス付与機300において、加熱ロール310上に、中層16および下層17からなる積層シート、上層15の単層シートの順に巻き取られて積層加熱されたシート材料は、テイクオフロール320を経て、赤外ヒーター330により所定の処理をされ、さらに、ニップロール340、エンボスロー
ル350、冷却ロール360へと送られる。
該エンボスを施した基材層10に、接着剤層20を付与する方法としては、特に限定されるものではなく、接着剤層20の混合組成物の粘度に応じて公知の方法に従い行うことができる。例えば、温度調節可能な二液供給装置、ミキサー、ダイコーターやスクイズ方式のコーター等を使用することにより、表層30の積層する側の表面に塗布により接着剤層20を形成し、これを基材層10に貼り付ける方法、あるいは基材層10のエンボスによる凹凸が付与された側の表面に接着剤層20を供給し、さらに表層30を被覆する方法等を挙げることができる。
接着剤層20を塗布した表層30と基材層10、または、接着剤層20を塗布した基材層10と表層30とは、充分な厚みで塗工された接着剤層20の介在により、基材層10のエンボスの凸部と表層30の積層側の表面が直接接することがないようにされ、さらに一定のクリアランスを有する一対のゴムロールの間を通過させる等して、表層30の最表面が平滑な状態に維持されるように積層一体化される。しかる後に、紫外線照射ランプを表層30側表面より照射し、接着層20の硬化を行うものである。
上記のようにして得られた意匠性積層シート100を金属板50にラミネートする方法は特に制限されないが、熱硬化型接着剤60によるラミネートが一般的である。接着剤60としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等の従来より軟質PVCのシートを金属板50にラミネートする目的で用いられて来た熱硬化型接着剤を挙げることができる。この中でも、基材層10がポリエステル系樹脂よりなることから、熱硬化型ポリエステル系接着剤を用いることが密着力が得やすい点から好ましい。具体的なラミネート方法の例としては、金属板50にリバースコーター、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用して、意匠性積層シート100を貼り合わせる金属面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜10μm程度になるように、上記の熱硬化型接着剤60を塗布する。
次いで、赤外線ヒーターおよび、または熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板50の表面温度を、230〜250℃程度の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネーターを用いて意匠性積層シ−ト100の基材層10側が接着面となるように被覆、冷却することにより意匠性積層シート被覆金属板200を得ることができる。
本発明の対象になる金属板50としては、従来、樹脂被覆金属板用として用いられて来たものを特に制限なく使用することができ、例えば、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ティンフリースチール、ステンレス鋼板等の各種鋼板やアルミニウム系合金板、ニッケル系合金板、チタン系合金板等が使用できる。
金属板50の厚さは、意匠性積層シート被覆金属板200の用途等により異なるが、0.1〜10mmの範囲で選ぶことができ、一例として、ユニットバスの用途では0.3〜0.8mmの厚みのものが用いられることが多い。
本発明の意匠性積層シート被覆金属板200は、深み感、立体感のある内部エンボス構造を有する意匠性材料であり、また、良好な加工性を有するため、ドア材、パーティション材、一般壁材等の建築内装材に好適に用いることができる。また、沸騰水浸漬試験で問題を生じないことから、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材等として、特に好適に用いることができるものである。
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に示した意匠性積層シート被覆金属板200の物性の測定規格、試験法は以下の通りである。
<測定規格、試験法>
(接着層20を構成する混合組成物の硬化物についての貯蔵弾性率測定)
岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターにより、接着剤層20の硬化後の樹脂組成物に関し測定を行った。測定方法は通常の引張り法・温度分散測定に順じ、−100℃から3℃/分で昇温し、200℃迄の測定を実施した後、20℃、および100℃における貯蔵弾性率を読み取った。なお、接着剤層20の硬化物の作製は、表面に離型性が付与された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、接着剤層20の各組成物を混合して滴下し、さらにその上にも離型性を付与した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを被せて、ハンドロールで押圧しながら塗り広げて厚みを均一化し、次いで、紫外線照射装置により硬化させ、さらに23℃で24時間の養生をした後、離型性のPETフィルム上から剥がしとり測定用サンプルとした。測定サンプルの厚みは約100μmであった。
(外観評価)
意匠性積層シート被覆金属板200の樹脂層を平板の状態で目視により観察した。良好な表面の平滑性が得られているものを「○」、多少表面に波打ち等の荒れが認められ平滑性に劣るものを「△」、著しい表面の波打ちや皺入り等で全く表面の平滑感が得られていないものを「×」として評価した。
(低温加工性評価・0℃環境下での折り曲げ加工性試験)
40mm×60mmの意匠性積層シート被覆金属板200に「JIS Z−2248」で規定されるV曲げ法の評価を行った。V曲げ法では、図4(a)に全体図を示したスクリュー曲げ試験装置400を使用する。スクリュー曲げ試験装置400は、上型昇降用ハンドル410、上型昇降スクリュー420、上型設置部分430および下型設置部分440を備えている。上型昇降スクリュー420上部に設けられた上型昇降用ハンドル410を手動で回すことによって、上型昇降スクリュー420が上下方向に移動し、それに伴って、上型昇降スクリュー420の下端に設けられた上型設置部分430が上下方向に移動する。また、図4(b)にV曲げ部分の拡大図を示したように、上型設置部分430には、V曲げ用上型450が設けられ、下型設置部分440には、V曲げ用下型460が設けられている。そして、上型昇降用ハンドル410を操作することによって、上型設置部分430に設けたV曲げ用上型450を下方向に移動し、試験片480をV曲げ用下型460との間で挟み込むことによって、試験片480をV型に変形させる。試験片は樹脂被覆面が折り曲げ後に外表面となるように設置され、該試験装置は0℃に保たれた恒温室内に置かれており、測定試験片も0℃で1時間以上保った後に予備曲げ、およびスクリュー密着曲げに供する。
(耐沸騰水浸漬性)
60mm×60mmの意匠性積層シート被覆金属板200に「JIS K−6744」で規定されるエリクセン試験装置を用いて、意匠性積層シート100被覆側が凸になるようにして6mmの張り出し加工を施した後、沸騰水中に3時間浸漬し、樹脂層の状態を目視で観察した。その結果、全く変化のなかったものを「○」、樹脂層の層間にわずかに剥離が認められるものや、若干表面に荒れが出たものを「△」、著しい層間剥離を生じたものや、樹脂層に著しい膨れ等の変形が生じたものを「×」として評価した。
(表層30と基材層10との間の接着力)
20mm×100mmの意匠性積層シート被覆金属板200を試験片として、「JIS Z−0237・粘着テープ、粘着シート試験方法−試験片に対する180度引き剥がし粘着力」に準拠した剥離強度測定を測定幅20mmで行い、接着剤層20を介在した表層30と基材層10との間の接着力を評価した。接着力が10N/20mm以上で、充分な接着力があると判断されたものを「○」、接着力が5N/20mmより大きく10N/20mm未満で、相対的に接着力が低いが実用上は支障ないと判断されたものを「△」、接着力が5N/20mm以下で接着力が不充分と判断されたものを「×」として評価した。
(意匠性積層シート100と金属板50との接着力)
20mm×100mmの意匠性積層シート被覆金属板200を試験片として、「JIS Z−0237・粘着テープ、粘着シート試験方法−試験片に対する180度引き剥がし粘着力」に準拠した剥離強度測定を測定幅20mmで行い、積層シートと基材金属間の接着力を評価した。接着力が40N/20mm以上で、充分な接着力があると判断されたものを「○」、接着力が20N/20mmより大きく40N/20mm未満で、相対的に接着力が低いが実用上は支障ないと判断されたものを「△」、接着力が20N/20mm以下で接着力が不充分と判断されたものを「×」として評価した。
(意匠性積層シート100の作製)
2台の二軸混練押出機を用いて、フィードブロック方式による共押出し製膜法により、表1に示す樹脂組成で、総厚み200μmの2層より成るポリエステル系樹脂を主成分とするシート(C−1〜C−12)を製膜した。2層の内訳は、厚み150μmの隠蔽層(第2基材層14)と、厚み50μmの光輝層(第1基材層12)であり、各層の樹脂組成は同一である。隠蔽層に関しては、着色顔料として、チタン白およびチタン黄を合計16質量部含み、光輝層に関しては、光輝性顔料として、粒子径が5〜15μmのパールマイカ顔料を3質量部含んでいる(それぞれ、樹脂成分の合計量を100質量部とした値である。)。
これらの共押出しシートに対して、最大高さ(Ry)で85μmである抽象柄のエンボス版が刻印されたキャスティングロールを用い、Tダイより押し出されると同時に該キャスティングロールで引き取りを行うことにより、光輝層側にエンボス柄の転写を行った。
C−13のシートは、基材層10として「特願2003−132182号」に記載の発明におけるエンボス付与機でのエンボス付与適性に優れた積層シートを用いた例である。C−13のシートの製法について、以下、説明する。光輝性顔料を含む上層15を二軸混練押出機により単層で押し出し、厚み50μmの単層シートとして製膜した。そして、中層16および下層17を2台の二軸混練押出機を用いて、フィードブロック方式による共押出し製膜法により総厚み150μmの2層よりなる共押出シートとして製膜した。2層の内訳は、厚み100μmの着色顔料を含む中層16と、厚み50μmの顔料が添加されていない下層17である。各層の樹脂組成を表1に示した。
次いで、共押出シートの中層16側の表面に、抽象柄の模様印刷をグラビア印刷方式で印刷し、この共押出シートの印刷を施した側と、上層15の単層シートとが接するようにして積層し、図3に示すオフラインのエンボス付与機に導入した。エンボス付与機においては、下層17側の表面がエンボス付与機300の加熱ドラム310と接するように通し、熱融着積層一体化すると同時に、上層15側の表面に最大高さ(Ry)で85μmの抽象柄のエンボス版が刻印されているエンボス版ロール350でエンボス柄の転写を行った。なお、着色顔料としては、チタン白、およびチタン黄を合計24質量部用いており、光輝性顔料としては、粒子径が5〜15μmのパールマイカ顔料を3質量部用いている(それぞれ、樹脂成分の合計量を100質量部とした値である。)。
Figure 2007245409
表1中に記載した樹脂組成として具体的に以下のものを用いた。
「イースターPET−G・6763」は、イーストマンケミカル・カンパニー社製、ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約30モル%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約70モル%がエチレングリコールである実質的に非晶性である共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である。ガラス転移温度は78℃、融点は観察されない。
「PCTG・5445」は、イ−ストマン・ケミカル・カンパニー社製、ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約65モル%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約35モル%がエチレングリコールである実質的に非晶性である共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である。ガラス転移温度は86℃、融点は観察されない。
「ノバデュラン5020S」は、三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリブチレンテレフタレート(ホモPBT)樹脂である。固有粘度が1.2の押出製膜用標準グレードであり、融点は225℃である。
「コルテラCP509200」は、シェル社製のポリトリメチレンテレフタレート(ホモPTT)樹脂である。融点は225℃である。
表層30の透明延伸ポリエステル樹脂シートとしては、全ての実施例、及び比較例について、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである帝人デュポンフィルム社製の「テトロン SG−2」の厚み75μmのものを用いた。
接着剤層20の接着剤組成としては、表2に示す比率で紫外線硬化型接着剤とイソシアネート(NCO)末端のウレタンプレポリマーとをブレンドした接着剤組成物を用いた。
Figure 2007245409
表2中に記載した紫外線硬化型接着剤としては具体的に以下のものを用いた。
「ニューフロンティアR1213」は、第一工業製薬社製の無黄変タイプ紫外線硬化型接着剤であり、ウレタンアクリレート組成物を約50質量%、単官能アクリレートモノマーを50質量%含有しており、Tgは−39℃である。
「ニューフロンティアR1303」は、第一工業製薬社製の無黄変タイプ紫外線硬化型接着剤であり、ウレタンアクリレート組成物を約60質量%、単官能アクリレートモノマーを40質量%含有しており、Tgは20℃である。
「ニューフロンティアR1304」は、第一工業製薬社製の無黄変タイプ紫外線硬化型接着剤であり、ウレタンアクリレート組成物を65〜75質量%、アルカンジオールアクリレートを25〜35質量%含有しており、Tgは60℃である。
「アートレジンNPC18」は、根上工業社製の無黄変タイプ紫外線硬化型接着剤であり、紫外線硬化型ウレタンアクリレート組成物を100質量%含有しており、Tgは−15℃である。
各接着剤組成は、光増感剤として、イルガキュア184(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を(紫外線硬化型接着剤の量を100質量部として)3質量部含んでいる。
また、実施例5は、紫外線硬化型反応性希釈モノマーとして、ジメチルアクリルアミド(DMAA)(興人社製)が18質量%配合されている。
実施例1〜5および比較例1〜5
基材層10としてC−6を用いて、接着剤層20として表2に示す接着剤組成物を用いて、意匠性積層シート100を作製した。具体的な製造方法としては、エンボスが付与された基材層10の表面に対し、ダイコーターを用いて連続的に接着剤層20の接着剤組成物を塗布すると同時に、表層30の二軸延伸ポリエステルフィルムを連続的に供給し、ロールギャップを適宜調整可能な一対のシリコーンゴムロールの間を通すことで、基材層10のエンボス凸部が表層30に直接接触することのない厚みの接着剤層20を介在させた状態で表層30を積層一体化し、その直後に配置された紫外線照射装置により接着剤層20の硬化処理を施して意匠性積層シート100を作製した。なお、紫外線照射装置の照射強度は全ての実施例および比較例において同一である。
実施例6〜17
基材層10として表1に示すものを用いて、接着剤層20として実施例1と同一の接着剤組成物を用いて、上記と同様にして意匠性積層シート100を作製した。
(意匠性積層シート被覆金属板200の作製)
ポリ塩化ビニル被覆金属板用として一般的に用いられているポリエステル系接着剤を、亜鉛めっき鋼板(厚み:0.45mm)の表面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように塗布し、次いで熱風加熱炉および赤外線ヒーターにより塗布面の乾燥および加熱を行い、鋼板の表面温度を240℃、および245℃に設定し、直ちにロールラミネーターを用いて、上記で作製した意匠性積層シート100を被覆、空冷冷却することにより意匠性積層シート被覆金属板200を作製した。鋼板50とのラミネートに用いた接着剤の種類、塗布条件は全ての実施例および比較例において同一である。得られた金属板に対して、上記した各項目について評価した。評価結果を表3および表4に示した。
Figure 2007245409
Figure 2007245409
(評価結果)
表3、および表4より以下の評価結果が得られた。
比較例1は、接着剤層20の接着剤組成として20℃と100℃の貯蔵弾性率が本発明の範囲より、それぞれ高いものを用いた場合であり、低温加工性が悪く、表層30である二軸延伸PETフィルムが折り曲げ加工部分で割れる結果となった。
比較例2は、接着剤層20の20℃の貯蔵弾性率が本発明の範囲より低い場合であり、剥離強度が不充分なものとなった。剥離の形態は表層30である二軸延伸PETフィルムと接着剤層20との界面剥離であった。
比較例3は、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを配合せずに、紫外線硬化型接着剤のみを用いた場合であり、20℃、及び100℃の貯蔵弾性率は本発明の範囲にあるが、沸騰水浸漬試験で外観の著しい悪化を来たした。
比較例4は、比較例3に比べると沸騰水浸漬試験後の外観に関し、多少の改善が見られたが、充分な改善効果とはいえなかった。これは、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを混合した効果は認められるものの、その混合量が本発明の範囲より少ないことによる。
比較例5は、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーの添加量が本発明の範囲より多い場合で、低温加工性や表層30/基材層10間の剥離強度に問題は出なかったが、余剰のイソシアネートが沸騰水浸漬時に水分と反応し発泡現象を起こし著しい外観不良を生じたものである。
これらに対し、本発明の実施例(実施例1〜17)においては良好な結果が得られている。実施例1は、接着剤層20の各温度の貯蔵弾性率が本発明の範囲にあり、20℃での値が特に好ましい範囲にあることから、低温での加工性も良好である。これに対し実施例2は、接着剤層20の20℃の貯蔵弾性率が本発明の範囲ではあるが、やや高めの場合であり、低温での折り曲げ加工で表層30に微細なクラックが入り、わずかに白化となって観察された。
実施例4は、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーの添加量が本発明の範囲の上限に近い場合で、沸騰水浸漬時に若干の発泡現象を起こしやや外観不良となった。
実施例6は、基材層10の樹脂組成として実質的に非晶性であるポリエステルのみを用いた場合であり、沸騰水浸漬試験で基材層10が流動変形を生じ著しい外観荒れとなった。該実施例6は、ユニットバス用途には適さないと考えられる。
実施例7は、結晶性のポリエステル樹脂であるPBTが配合されたことにより、実施例6に比べると沸騰水浸漬性が改善されているが、多少の表面荒れを生じた。
実施例8〜17では沸騰水浸漬試験で問題を生じておらず、ユニットバス用途(ユニットバス用途においては、該試験が評価項目として含まれている。)に特に好適に用いることができる。
実施例15は、基材層10の樹脂組成としてPBT樹脂の比率が多いものを用いた場合であり、従来からの軟質PVCシートのラミネート条件では、金属板50との接着強度がやや弱い結果となった。実施例16は、PTT樹脂のみからなる基材層10を用いた場合であり、実施例15よりもさらに金属板50との接着力が低下した。よって、従来の軟質PVCシートをラミネートするのと同様の温度条件を用いる場合は、実施例15および実施例16で用いた基材層10は用いないことが好ましい。ただし、ラミネート時の金属板50の温度を従来の温度より5℃高くした場合は、これらに関しても良好な接着力を得ることができた。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う意匠性積層シート、および意匠性シート被覆金属板もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の意匠性積層シート100の層構成を示す概念図である。 本発明の意匠性積層シート被覆金属板200の層構成を示す概念図である。 エンボス付与機300の概念図である。 スクリュー曲げ試験装置400の概念図である。
符号の説明
10 基材層
20 接着剤層
30 表層
40 印刷層
15 上層
16 中層
17 下層
50 金属板
60 接着剤
100 意匠性積層シート
200 意匠性積層シート被覆金属板
300 エンボス付与機
400 スクリュー曲げ試験装置

Claims (11)

  1. 基材層、接着剤層、および表層の少なくとも3層を有し、これらの層がこの順で積層されている積層シートであって、
    前記基材層が、ポリエステル系樹脂を主成分とし、顔料を含み、前記接着剤層と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有し、無配向で厚みが100μm以上300μm以下の層であり、
    前記接着剤層が、紫外線硬化型接着剤を50質量%以上96質量%以下、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを4質量%以上50質量%以下の割合で含む混合組成物を主成分としてなり、該混合組成物の硬化物についての動的粘弾性引張り法10Hzでの貯蔵弾性率が、20℃で、2.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下、かつ100℃で、2.0×10Pa以上、4.0×10Pa以下であり、その厚みが、前記基材層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有する層であり、
    前記表層が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなる、透明延伸層である、
    意匠性積層シート。
  2. 前記基材層を構成するポリエステル系樹脂が、該ポリエステル系樹脂全体の質量を100質量%として、20質量%以上80質量%以下のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂、および/または、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)系樹脂と、残りの成分である20質量%以上80質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂との混合物である、請求項1に記載の意匠性積層シート。
  3. 前記実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分全体を100モル%として、ジオール成分の20モル%以上80モル%以下を1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)とし、残りの成分の20モル%以上80モル%以下をエチレングリコールとする共重合ポリエステルである、請求項2に記載の意匠性積層シート。
  4. 前記接着剤層と前記基材層との間に、印刷層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の意匠性積層シート。
  5. 前記印刷層が、光輝性顔料を含む印刷インクにより形成された第1印刷層と、一般的な着色顔料を含む印刷インクにより形成された第2印刷層の少なくとも2層よりなる、請求項4に記載の意匠性積層シート。
  6. 前記基材層が、前記接着剤層側に面し光輝性顔料を含む第1基材層と、該接着剤層側とは反対側に位置し、隠蔽力のある着色顔料を含む第2基材層の少なくとも2層よりなる、請求項1〜5のいずれかに記載の意匠性積層シート。
  7. 前記接着剤層と前記第1基材層との間、および/または、前記第1基材層と前記第2基材層との間に、印刷層を有する、請求項6に記載の意匠性積層シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の意匠性積層シートおよび金属板を有し、前記意匠性積層シートの基材層側の表面が金属板に積層されている、意匠性積層シート被覆金属板。
  9. 請求項8に記載の意匠性積層シート被覆金属板を用いた、ユニットバス部材。
  10. 請求項8に記載の意匠性積層シート被覆金属板を用いた、ドア材。
  11. 請求項8に記載の意匠性積層シート被覆金属板を用いた、建築内装材。
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