JP2007239111A - スエード調人工皮革 - Google Patents

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亨 竹原
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Abstract

【課題】太陽光源下と、白色蛍光灯光源下で見える色の見え方の差が小さくすることが可能なスエード調人工皮革を提供すること。
【解決手段】表面に0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなるスエード調の立毛を有し、かつ5種類以上の染料、好ましくは6種類以上の染料を用いて染色されたスエード調人工皮革であり、該スエード調の立毛を有する面で測定されるF6光源とD65光源での色差ΔEが1.2以下であることを特徴とするスエード調人工皮革。
【選択図】なし

Description

本発明は、スエード調人工皮革に関し、さらに詳しくは、標準光源(太陽光源)下と、白色蛍光灯光源下で見える色の見え方の差が小さい、染色されたスエード調人工皮革に関する。
極細繊維からなるスエード調人工皮革は、その高級外観、表面タッチ、発色性などの点から、衣料分野はもとより、自動車内装材や家具用途に幅広く用いられている。
特に、これらの用途でも、その高級価格ゾーンにおいての使用に耐え得る人工皮革を得るには0.3dtex以下などの極細合成繊維が特に用いられている。
そして、特に近年、このような衣料分野や、また高級価格ゾーンの自動車内装材や家具用途において色のことが注目されることが多くなった。
特に、極細の合成繊維とポリウレタン樹脂などの高分子弾性体とが組み合わされて、かつ表面には立毛が存在するという、ある程度、立体的な構造とも言える本発明の主たる対象としているスエード調人工皮革は、良好な発色性(色の鮮明さ、色の深みなど)はもちろん、該発色性の優れた耐光性と耐久性もさらに望まれるものである。
このようなスエード調人工皮革が呈する色の問題に関連して、例えば、発色性に優れ、かつ、高耐光性を有した人工皮革として、繊度0.7dtex以下のポリエステル類からなる極細繊維および/または極細繊維束に高分子弾性体が付与されてなる人工皮革であって、該極細繊維が紫外線吸収剤および/または無機系顔料を1〜30重量%含有し、さらに染色されてなる人工皮革が提案されている(特許文献1)。
かかる特許文献1にかかるスエード調の人工皮革においては、良好な発色性と耐光堅牢性を実現した上で優れたものであったが、さらに改善の余地があるものとして、演色性があるということがあった。
ここで、演色性とは、照明光が、それで照明した種々の物体の色の見え方に及ぼす効果のことをいい、特に、自然光(太陽光)も含めた各種の照明光源による着色物の色の見え方(本発明では、染色されたスエード調人工皮革の色の見え方)の違いをいう。簡単に言うと、染色されたスエード調人工皮革が、白色蛍光灯などのもとで視覚的に認識される色と、太陽光のもとで視覚的に認識される色とが、相違するという現象があり、そのような光源の相違に基づいて視覚的に認識される色が、極力、相違しないものである方が良いものである。
このような点について、上述した特許文献1の発明では検討されおらず、また、過去の技術事例でも着目をした例は、見あたらないのが実態である。
特開2000−45186号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、標準光源(太陽光源)下と、白色蛍光灯光源下で見える色の見え方の差が小さい、染色されたスエード調人工皮革を提供することにある。
より具体的には、実際のスエード調人工皮革が、生地としての展示や見本商品・製品としての展示、さらに商談時などのそれら見本商品・製品などとしての展示・提示、さらには、最終ユーザーへの納品などと、さまざまな人工光源・自然光源のもとで、さまざまなシーンで人の視覚にさらされて、商品・製品の展開がされていく上で、各種の光源のもとでの色の見え方の違いが、より顕れないスエード調人工皮革を実現し提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明のスエード調人工皮革は、以下の(1) の構成からなる。
(1)表面に0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなるスエード調の立毛を有し、かつ5種類以上の染料を用いて染色されたスエード調人工皮革であり、該スエード調の立毛を有する面で測定されるF6光源とD65光源での色差ΔEが1.2以下であることを特徴とするスエード調人工皮革。
また、かかる本発明のスエード調人工皮革において、より好ましくは、以下の(2) 〜(8) の具体的構成からなるものである。
(2)染料が6種類以上用いられて染色されていることを特徴とする上記(1) 記載のスエード調人工皮革。
(3)染料のうちの1種として、CI No.Disperese Violet 57が用いられていることを特徴とする上記(1) または(2) 記載のスエード調人工皮革。
(4)染料が7種類以上用いられて染色されており、かつ該染料のうちの1種として、CI No.Disperese Violet 57が用いられてなることを特徴とする上記(1) 、(2) または(3) 記載のスエード調人工皮革。
(5)耐光堅牢度がグレースケールで3級以上であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) または(4) 記載のスエード調人工皮革。
(6)0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなる繊維構造物にポリウレタン樹脂が含浸されて人工皮革の基布が構成されていることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または(5) 記載のスエード調人工皮革。
(7)グレー色系に染色されていることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) または(6) 記載のスエード調人工皮革。
(8)ベージュ色系に染色されていることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) または(6) 記載のスエード調人工皮革。
本発明のスエード調人工皮革によれば、実際のスエード調人工皮革が、生地としての展示や見本商品・製品としての展示、さらに商談時などのそれら見本商品・製品などとしての展示・提示、さらには、最終ユーザーへの納品などと、さまざまな人工光源・自然光源のもとで、さまざまなシーンで人の視覚にさらされて、商品・製品の展開と流通がされていく上で、各種の光源のもとでの色の見え方の違いが、より顕れないスエード調人工皮革が提供される。
以下、更に詳しく本発明のスエード調人工皮革について、説明する。
本発明では、実際のスエード調人工皮革が、生地としての展示や実際の見本商品・製品としての展示、さらに商談時などのそれら見本商品・製品などとしての提示から、さらには、最終ユーザーへの納品などと、さまざまな人工光源・自然光源のもとで、さまざまな人の視覚にさらされて商品・製品の展開と生産・納品がされていく上で、各種の光源のもとでの色の見え方の違いが、より顕れないスエード調人工皮革を実現し提供することを目的に各種検討を重ねた結果、本発明に到達した。
本発明のスエード調人工皮革は、表面に0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなるスエード調の立毛を有していて、かつ5種類以上の染料を用いて染色されたスエード調人工皮革であり、そのスエード調の立毛を有する面で測定されるF6光源とD65光源での色差ΔEが1.2以下であることを特徴とする。
ここで、JISで規定されているように、F6光源とは白色蛍光体光源のことであり、D65光源とは標準光源(太陽光源)のことである。
本発明のスエード調人工皮革では、該F6光源の色値とD65光源での色値との差、すなわち、それらの色差ΔEが1.2以下であることが必要である。
該色差ΔEの下限値は、実質的に0であることが好ましいが、完全にゼロとするにはより多くの染料種類の混合使用などの煩雑な手法を用いても一般的に難しいので、実際の演色性のレベルやコストとの兼合い等から、本発明者らの知見によれば、一般に0.2程度である。
結局、本発明の効果としての実際の演色性のレベルや、全体コストとの兼ね合いからすれば、本発明者らの知見では、該F6光源の色値とD65光源での色差ΔEは、0.2〜0.8の範囲内に入ることが好ましい。
該F6光源の色値とD65光源での色差ΔEが1.2以下のものを得るには、また、該染色されたスエード調人工皮革の色などにもよるので、特定の手法だけに限定されるものではないが、本発明者らの各種知見によれば、一例として、5種類以上の染料を用いて染色をすることにより得ることができる。
一般に5種類以上もの染料を用いると、光の波長帯域の特定の帯域において、特定色の光の吸収ピークが存在するということが少なくなり、光源差に基づく、色の見え方の差の問題が解消されるのである。
本発明者らの各種知見によれば、中でも、染料は6種類以上が用いられて染色されていることが好ましい。
また、使用される染料のうちの1種として、染料CI No.Disperese Violet 57が使用されていることが好ましい。
特に、染料が7種類以上用いられて染色されていて、かつ、その7種類の染料のうちの1種として、染料CI No.Disperese Violet 57が使用されていることが好ましい。
特に、本発明者らの知見によれば、該染料CI No.Disperese Violet 57が使用されることにより、赤色と青色のほぼ中間の550〜580nmに吸収波長のピークができるので、光の波長領域の広い領域において、具体的には420〜660nmの可視光領域において、なだらかで平坦な光の吸収線が形成されるようになって、光源差に基づく色の見え方の差はより小さくなる。
また、特に、自動車シートや内装材の用途では、自動車が屋外を走行し、屋外にあることも多くあることから、上述した演色性の他に良好な耐光堅牢性をも有することが好ましく、具体的には、耐光堅牢度がグレースケールで3級以上を示すものであることが好ましい。耐光堅牢度がかかるグレースケールで3級以上を実現するには、例えば、前述した特許文献1に提案されているように、極細ポリエステル繊維として、紫外線吸収剤および/または無機系顔料を1〜30重量%含有しているものを使用することにより達成することができる。また、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系とトリアジン系またはベンゾトリアゾール系とベンゾフェノン系の混合、あるいは、これら3種の混合使用が好ましい。
本発明のスエード調人工皮革において、人工皮革基布は、実質的に、0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維100%からなっていてもよいが、ポリウレタン樹脂などの高分子弾性体樹脂が含浸されていてもよい。
特に、従来から存在するスエード調人工皮革は、ポリウレタン樹脂が含浸されているものが多く、強度面などではポリウレタン樹脂が含浸されているものが好ましい。但し、高分子弾性体樹脂の含浸量によっては、演色性に影響があるので、含浸させるのであれば、10〜40重量%(対繊維重量%)程度の範囲内とするのがよく、ポリウレタン樹脂などの高分子弾性体が含浸されていなくても基布の強度が十分に高いものであれば、高分子弾性体が含浸されていないものであってもよい。
本発明は、F6光源の色値とD65光源での色値の色差ΔEが1.2以下であって、演色性の少ない染色されたスエード調人工皮革に関するが、該色が何色に染色されたものであるかによっても演色性のレベルが相違する。
本発明者らの知見によれば、一般的に、特に、演色性が問題となるが多いと考えられるグレー系あるいはベージュ系に染色されたものにおいて、本発明の効果は大きいものである。グレー系色、ベージュ系色とは、L値で表すと19以上85未満を言う。また、特にグレー系において効果が大きく、ベージュとグレーでは認識できる演色性・色差ΔEも異なる。グレーは色目の変化がベージュに比べ認識しやすいために、光源差のΔEの許容値が1.0以下であるが、黄色成分を多く含むベージュは、光源差のΔEの許容値は1.7未満である。また、本発明の効果は、L値19未満、85以上の色は、ベージュ、グレー色であっても、F6とD65光源の色差Δが1.7を超えても事実上問題にならない(目立たず気にならない)。
本発明におけるベージュとグレーの定義は、それぞれ下記のものとする。
(1)グレー:a値の範囲:±3.5、b値の範囲:±3.5
(2)ベージュ:a値の範囲:±4、 b値の範囲:+7〜23
測色光源:D65
本発明のスエード調人工皮革を製造するに際しては、極細繊維および/または極細繊維束の絡合体に、必要に応じて高分子弾性体が付与された立毛シートを、まず形成する。
高分子弾性体は付与されないものであってもよい。
具体的には、例えば、該極細繊維発生型の海島型等の複合繊維を短繊維化し、カードクロスラッパーもしくはランダムウエッバーなど常法によりウエブを作り、その後、ニードルパンチあるいはウォータジェトパンチなどを施すことにより絡合シートを形成する。
この絡合シートを必要に応じて高密度化処理あるいはポリビニルアルコールなどの糊剤を付与した後、海成分を除去し、次いで、必要に応じて、高分子弾性体を付与する。
高分子弾性体としては、例えば、ポリエステル系、ポリエステル・ポリエーテルジオール系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系ポリウレタンあるいはアクリル樹脂、硬化シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンラバー、ブタジエンラバー、天然ゴム、ポリ塩化ビニール、ポリアミドなどを使用することができる。
これらの高分子弾性体中に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料などの着色剤、制電剤、難燃剤、柔軟剤、凝固調整剤などの添加剤を配合してもよい。
このシートを必要に応じて半裁(半裁:厚み方向に何枚かに切断すること。代表的には2枚。)し、少なくとも半裁面の一面を起毛処理することにより、スエード調の立毛シートが得られる。
さらに好ましい実施態様として、製品強力を高めるために、前述した複合繊維のウエッブを織物もしくは編み物と積層し、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチあるいはこれらの組み合わせにより絡合一体化する。積層方法としては、繊維ウェブの両方もしくは片面に、織物もしくは編み物を積層し絡合する方法、あるいは片面に積層し絡合処理した後さらに絡合体を複数重ねて再度絡合処理し、後工程でスライス(スライス:半裁と同じ意味、繊維絡合体シートあるいは繊維ウェッブと織物とが絡合一体化されたシートあるいは高分子弾性体が含浸されたシートを厚み方向に切断する)する方法などが用いられる。必要に応じて高密度化処理あるいはポリビニルアルコールなどの糊剤を付与した後、海成分を除去し、次いで高分子弾性体を付与する。このシートを必要に応じて半裁し、半裁面を起毛処理することにより高強力な立毛シートが得られる。
織物もしくは編物を構成する糸種としては、フィラメントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊維の混紡糸などを用いることができ、特に限定されるものではない。また、織物もしくは編み物の種類としては、経編、トリコット編みで代表される緯編、レース編みおよびそれらの編み方を基本とした各種編物、あるいは平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本とした各種織物などいずれも採用することができ、特に限定されるものではない。
糸種によっては、ニードルパンチで複合繊維と織物もしくは編物との絡合を強固にする場合、切断されやすいことがあり、これを防止する手段として、該織物または編物の構成糸の少なくとも一部に強撚糸を使用したものが、高強力を発揮するのに良い。強撚糸の撚り数としては500T/m以上、4500T/m以下が好ましく、より好ましくは、1500T/m以上、最も好ましくは2000T/m以上である。500T/m未満では糸を構成する単糸どおしの絞まりが不十分であるため、ニードルに引っかかり損傷しやすく、また撚り数が多すぎても繊維が硬くなりすぎ、製品風合い柔軟化の点から好ましくなくなるので4000T/m以下が良い。
こうして得られたスエード調人工皮革は、染料の使用種類を5種類以上にした染色加工に供されて、スエード調の立毛を有する面で測定されるF6光源とD65光源での色差ΔEが1.2以下である染色スエード調人工皮革とされる。
染色にあたって、使用する染色機は、従来から人工皮革の染色において通常用いられているものが使用でき、サーキュラー、ユニエースなどの液流染色機が好ましく用いられる。また、使用する染料は分散染料、バット染料、スレン染料中から耐光性の良好な染料を用いることが好ましいが、生産安定性の面からは、分散染料が好ましいと言える。
以下、本発明のスエード調人工皮革を実施例に従って、より具体的に説明する。
各物性値は、以下に説明する方法によって測定された値である。
なお、その染色された人工皮革において、何種類の染料が使用されいるかという点については、本発明の対象物であるスエード調人工皮革のサンプルから有機溶媒で抽出した染料を薄層クロマト紙上に滴下し、現れる米粒状シミの数を数えることによって、染色に使われた染料数が確認できる。本法は、薄層クロマト法として知られており、雑誌「染色工業」Vol.45、No.2に記載されている方法である。
(1)F6光源とD65光源での色差ΔEの算出:
演色性:F6光源とD65光源での色差ΔE
測色機:マクベス社製 CE−3000
測色機の設定条件: 測定窓の径:25.4mm丸
鏡面光沢含む(SCI)。
紫外線含む(UVIN)。
測定方法:
(a)上記設定条件に設定した測色機CE−3000(マクベス社製)にて、サンプルの反射率(波長400nm〜700nmを20nm間隔)を求める。
サンプルは、約15cm四方程度のサンプルを採取し、そのサンプル表面をエチケットブラシで軽くブラッシングし、表面の毛羽方向を整えた後、測色する。サンプル内の異なる3箇所を測色し、その平均値を求める。
(b)次いで、JIS Z8701(色の表示方法−XYZ表色系及びX101010表色系)に従って、F6光源とD65光源での三刺激値を求める。
(c)次いで、(b)で得られた各光源の三刺激値をJIS Z8729(色の表示方法−L* * * 表色系及びL* * * 表色系)に従って、各光源でのL* 、a* 、b* 値に変換する。
(d)次いで JIS Z8730(2002)(L* のb* 表色系による色差式)に従い、D65光源とF6光源でのそれぞれのL* 、a* 、b* 値から、F6光源とD65光源での色差ΔEを下記式により求める。
ΔE=√{(a* −a* ′)2 +(b* −b* ′)2 +(L* −L* ′)2
ここで、
* :D65光源でのa* 値、 a* ′:F6光源でのa* 値、
* :D65光源でのb* 値、 b* ′:F6光源でのb* 値、
* :D65光源でのL* 値、 L* ′:F6光源でのL* 値、
である。
(2)L値
D65光源でのL値を示し、算出方法は、上述のとおりである。
(3)耐光堅牢度:
JASO M346−93自動車用内層部品のキセノンアークランプによる促進耐光性試験方法に準ずる。裏面のスポンジ裏当てはせず、キセノン照射前後の色の変化を変退色用グレースケールの等級で表す。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチレン、島/海比率=80/20重量%、島数16島、複合繊維太さ約4dtexの高分子相互配列体繊維のステープルを用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウェブとし、ニードルパンチして目付600g/m2 のフェルトを作り、このフェルトを収縮処理し乾燥した。
次いで、このフェルトにポリビニールアルコール水溶液に含浸し、乾燥した。このシートをトリクロールエチレン中に浸漬、圧搾し脱海し乾燥した。その後、ポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンをジメチルホルムアミドに溶解させた溶液を固形分として対島繊維当たり約35部となるように含浸し、湿式凝固し乾燥した。
次いで、このシートをスライスし、非スライス面をサンドペーパーで起毛処理を行ない、ピンク系の極細繊維の束の絡合体にポリウレタンが付与されたスエード調立毛シートを得た。
このスエード調立毛シートを、以下の6種類の染料とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(サンライフ LPS950 日華化学製)3.5%owf.とトリアジン系紫外線吸収剤(CIBA FAST P チバスペシャリティケミカルズ製)3.5%owf.を用い、120℃、30分間染色し、グレー色に染め上げ、仕上げ処理した。
SY163
R86
B60
B77
B56
V57
グレーに染色された約0.22dtexのポリエチレンテレフタレートの極細繊維束の絡合体に高分子弾性体が付与された立毛シートは、表1に示したごとく、F6光源とD65光源での色差ΔEは0.81であり、演色性、発色性、耐光性に優れたスエード調の人工皮革であった。
実施例2
実施例1と同様のポリマー構成で、島/海比率=80/20重量%、島数16島とした複合繊度約4dtexの高分子相互配列体繊維のステープルを用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウェブとし、ニードルパンチして目付600g/m2 のフェルトを作り、このフェルトを収縮処理し乾燥した。次いで、実施例1と同条件でポリビニールアルコールを付与する処理をした後、ポリウレタンを含浸し、湿式凝固し乾燥した。このシートをトリクロールエチレン中に浸漬、圧搾し脱海した後、乾燥した。次いで、実施例1と同様にスライス、起毛処理を行ないスエード調立毛シートを得た。
この立毛シートを、以下の7種類の染料を用いてグレーに染色し、仕上げ処理した。
Disperse Yellow 2RL(オージ(株)製)、
Disperse Yellow BRS(オージ(株)製)、
Disperse Red T2GL(オージ(株)製)、
Disperse Red T2BL(オージ(株)製)、
Disperse Blue T2BL(オージ(株)製)、
Disperse Turq.Blue TGLL(オージ(株)製)、
Terasil Violet BL(Ciba社製)
グレーに染色された約0.22dtexのポリエチレンテレフタレートの極細繊維束の絡合体に高分子弾性体が付与された立毛シートは、表1に示したごとく、F6光源とD65光源での色差ΔEは0.47であり、演色性、発色性、耐光性に優れたスエード調の人工皮革であった。
比較例1
実施例1で使用した染色前のスエード調立毛シートを用いて、以下の3種類の染料を用いてグレーに染色し、仕上げ処理した。
CI. DISP. SY163
CI. DISP. R86
CI. DISP. B60
グレーに染色された約0.22dtexのポリエチレンテレフタレートの極細繊維束の絡合体に高分子弾性体が付与された立毛シートは、表1に示したごとく、F6光源とD65光源での色差ΔEは1.68であり、発色性や耐光性に問題ないものの、演色性が強く、商品としての価値を大きく減じていた。
Figure 2007239111

Claims (8)

  1. 表面に0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなるスエード調の立毛を有し、かつ5種類以上の染料を用いて染色されたスエード調人工皮革であり、該スエード調の立毛を有する面で測定されるF6光源とD65光源での色差ΔEが1.2以下であることを特徴とするスエード調人工皮革。
  2. 染料が6種類以上用いられて染色されていることを特徴とする請求項1記載のスエード調人工皮革。
  3. 染料のうちの1種として、CI No.Disperese Violet 57が用いられていることを特徴とする請求項1または2記載のスエード調人工皮革。
  4. 染料が7種類以上用いられて染色されており、かつ該染料のうちの1種として、CI No.Disperese Violet 57が用いられてなることを特徴とする請求項1、2または3記載のスエード調人工皮革。
  5. 耐光堅牢度がグレースケールで3級以上であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のスエード調人工皮革。
  6. 0.3dtex以下の極細ポリエステル繊維からなる繊維構造物にポリウレタン樹脂が含浸されて人工皮革の基布が構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のスエード調人工皮革。
  7. グレー色系に染色されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のスエード調人工皮革。
  8. ベージュ色系に染色されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のスエード調人工皮革。
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