JP2002242079A - スエード調人工皮革 - Google Patents

スエード調人工皮革

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JP2002242079A
JP2002242079A JP2001039924A JP2001039924A JP2002242079A JP 2002242079 A JP2002242079 A JP 2002242079A JP 2001039924 A JP2001039924 A JP 2001039924A JP 2001039924 A JP2001039924 A JP 2001039924A JP 2002242079 A JP2002242079 A JP 2002242079A
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suede
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pigment
artificial
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Kyoko Yokoi
京子 横井
Takashi Hashimoto
貴史 橋本
Koji Watanabe
幸二 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イラツキがなく優美な表面品位を有し、かつ、
高耐光性を有したスエード調人工皮革を提供する。 【解決手段】主として繊維太さが0.7d tex以下
のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体と高分子弾性
体からなるスエード調人工皮革であり、該人工皮革表面
の850nmにおける赤外線反射率が60%以上であ
り、かつ、該高分子弾性体が顔料によって着色されてな
り、かつ、該人工皮革が染色されてなることを特徴とす
るスエード調人工皮革。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光堅牢性に優
れ、かつ、イラツキがなく優美な表面品位に優れたスエ
ード調人工皮革に関するものである。
【0002】
【従来の技術】極細繊維からなるスエード調もしくはヌ
バック調人工皮革はその高級外観、表面タッチ、発色性
の点から、衣料分野はもとより、自動車内装材や家具用
途に幅広く適用されている。しかしながら、これら人工
皮革に対する感性、機能面からの要求はますます高度に
なっている。感性面の要求としては柔軟性の向上、表面
品位の向上といったものが、また機能面の要求としては
耐光性の向上があげられ特に自動車内装材用途では最も
重要な要求特性のひとつである。
【0003】高級感のある表面品位を得るため、特に中
濃色分野においては表面に未着色の高分子弾性体が露出
するいわゆるイラツキ現象を緩和し色濃度の補完を行う
目的でこれまで高分子弾性体にカーボンブラックを添加
し着色することが一般に行われてきた。しかしながら、
高分子弾性体にカーボンを添加した従来の人工皮革はカ
ーボン未添加の人工皮革と比べると耐光堅牢性が低下す
る。
【0004】従来の耐光堅牢性向上技術としては染料の
改善、紫外線吸収剤や酸化防止剤ならびに光安定剤など
の耐光剤を用いることなどが知られている。これら従来
技術により、衣料分野などさほど耐光堅牢性を必要とさ
れない分野ではある程度満足のゆくレベルが得られるよ
うになったが、高温で長時間光照射される自動車内装材
用途などの分野に対しては未だ満足のゆくものは得られ
ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況から鑑み、
感性、機能両面からの要求を満足する耐光性に優れた人
工皮革が強く望まれていた。
【0006】本発明の目的は、イラツキのない優美な表
面品位を有し、かつ、高耐光性を有したスエード調人工
皮革を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は基本的には以下の構成を有する。すなわ
ち、主として繊維太さが0.7d tex以下のポリエ
ステル極細繊維を含む繊維絡合体と高分子弾性体からな
るスエード調人工皮革であり、該人工皮革表面の850
nmにおける赤外線反射率が60%以上であり、かつ、
該高分子弾性体が顔料によって着色されてなり、かつ、
該人工皮革が染色されてなることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明のスエード調人工皮革は主として平
均繊度0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含
む繊維絡合体と高分子弾性体とで構成されるものであっ
て、該人工皮革表面の850nmにおける赤外線反射率
は60%以上必要である。60%以上でないと本発明の
高い耐光堅牢性が得られず、より高い耐光堅牢性を得る
ためには80%以上であることが好ましい。
【0010】本発明でいう850nmにおける赤外線反
射率は、以下のようにして測定する。
【0011】測定機として、日立自記分光光度計U34
00を用いる。
【0012】基準となる白板にはフッ化マグネシウムを
用い、まず、分光光度計から850nmの光を白板に照
射し、反射した光を積分球で集めて反射光の強度を測定
し、その値をR100とする。次に白板を測定したい試
料に替えて同様の測定を行い、得られた値をRSamp
とする。これらの値を用いて求めた(Rsamp)/
(R100)×100を、本発明における反射率とす
る。
【0013】本発明のポリエステル極細繊維としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの共
重合体類、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの
共重合体類、ポリプロピレンテレフタレートおよびこれ
らの共重合体類が好ましく用いられる。
【0014】本発明に用いられる極細繊維は従来法によ
る直接紡糸法、あるいは極細繊維発生型繊維の少なくと
も1成分を溶解除去する方法により得られる。また、そ
の断面形状は特に限定されるものではない。
【0015】本発明に用いる極細繊維の単繊維繊度は、
繊度0.7d tex以下であるが、表面の平滑性や柔
軟な風合いを出すためには0.5dtex以下であるこ
とが好ましい。さらには緻密性、発色性の点から0.0
1dtex以上0.3dtex以下の範囲が好ましい。
【0016】極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分
を除去して極細繊維を発生させる場合、除去するポリマ
ー成分は、極細繊維に実質的な損傷を与えずに化学的も
しくは物理的に除去できる組み合わせであれば特に制限
はなく、極細繊維のポリマーと溶剤溶解性、または分解
性を異にするのが好ましい。具体例としては、ポリオレ
フィン、ポリスチレンおよびその共重合体類、ポリビニ
ルアルコール、ポリアミド、アルカリ可溶型共重合ポリ
エステル類などが好ましい。
【0017】かかる繊維の形態としては、通常の丸断面
の他に、中空断面、三角型やY型の異形断面や芯鞘複合
構造繊維を採用することができる。これらの中から極細
繊維の断面形成性、紡糸性、延伸性などを考慮して組み
合わせればよい。
【0018】本発明において、繊維絡合体を形成するに
当たり、カードクロスラッパーもしくはランダムウエッ
バーなど常法によりウェブを形成した後、ニードルパン
チあるいはウォータジェットパンチ、もしくはこれを組
み合わせて行うことにより絡合シートを形成する。この
絡合シートをより高強度化するために、繊維絡合体が極
細繊維を含む不織布と織物、もしくは編物とが一体化し
た構造とすることが好ましい。かかる構造体は、上記ウ
ェブ中の繊維と織物もしくは編物との絡合一体化によっ
て得ることができる。極細繊維発生可能型繊維を使用す
る場合、その後、溶剤、熱処理、あるいは機械的処理に
より極細化する。
【0019】なお、この際、ウェブの両面もしくは片面
に織物を積層し絡合処理する方法や、さらに該繊維絡合
体を複数重ねて再度絡合処理し、後工程で、厚み方向に
直角にスライスして1/2厚さのものを2枚取りとする
方法など、目的に応じ使用可能である。
【0020】織物もしくは編物を構成する糸種として
は、フィラメントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊
維の混紡糸などを用いることができ、特に限定されるも
のではない。また、織物もしくは編み物の種類として
は、経編、トリコット編みで代表される緯編、レース編
みおよびそれらの編み方を基本とした各種編み物、ある
いは平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本と
した各種織物などいずれも採用することができ、特に限
定されるものではない。
【0021】糸種によっては、ニードルパンチで複合繊
維と織物もしくは編み物との絡合を強固にする場合、切
断されやすいことがあり、これを防止する手段として、
該織物または編み物の構成糸の少なくとも一部に強撚糸
を使用したものが好ましい。強撚糸の撚り数としては5
00T/m以上、4500T/m以下が好ましく、より
好ましくは、1500T/m以上、最も好ましくは20
00T/m以上である。500T/m未満では糸を構成
する単糸同士の絞まりが不十分であるため、ニードルパ
ンチ時にニードルに引っかかり損傷しやすく十分な強力
が得られない。また撚り数が4000T/m以上になる
と繊維が硬くなりすぎ、製品風合い柔軟化の点から好ま
しくない。
【0022】織物もしくは編物を構成する繊維は、ポリ
エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン類およびそれらの共重合体類を用いるのが好まし
い。
【0023】次いで、本発明はこれらの極細繊維を含む
繊維絡合体に高分子弾性体を付与する。
【0024】本発明に用いられる高分子弾性体として
は、例えばポリウレタンエラストマー、アクリロニトリ
ル、ブダジエンラバー、天然ゴム、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミドなどを用いることができる。
【0025】特に加工性および製品品位などの観点から
ポリウレタンエラストマーが好ましく、特に平均分子量
500〜3000のポリエステルジオール系、ポリエー
テルジオール系、ポリカーボネートジオール系を用いて
なるポリウレタンを単独もしくは組み合わせて用いるこ
とができるが、耐久性の観点から全ポリマージオール中
ポリカーボネートジオールを30重量%以上90重量%
以下含有されてなるポリウレタンエラストマーを用いる
のがさらに好ましい。30重量%未満であると耐久性が
不十分なので好ましくなく、90%を越えると風合いが
硬くなるので好ましくない場合がある。ここでいうポリ
カーボネートジオールとは、ジオール骨格がカーボネー
ト結合を介して連結されて高分子鎖を形成し、その両末
端に水酸基を有するものである。該ジオール骨格は、原
料として用いるグリコールにより決定されるが、その種
類は特に制限されることはなく、例えば、1,6−ヘキ
サンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
及びこれらの混合物などを用いることができる。
【0026】本発明は、これら高分子弾性体を溶剤ある
いは分散剤で分散させた溶液を上記繊維絡合体に含浸さ
せ凝固させる。凝固方法は湿式、乾式いずれでもよいが
柔軟な風合いを得ようとする場合は湿式が好ましい。高
分子弾性体中には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、制電剤、難燃剤、柔軟剤、凝固調整
剤、着色剤などの添加剤を配合するが、本発明は繊維絡
合体に付与するこれら高分子弾性体中に顔料が含有する
ことが必要である。顔料による着色がない場合、スエー
ド調人工皮革の表面に露出した高分子弾性体が白茶けて
見えるいわゆるイラツキ現象が発生し優美な高級感を得
ることができない。
【0027】本発明にかかる人工皮革は、その表面が赤
外線を反射することにより光照射時の蓄熱による温度上
昇を抑制し耐光劣化を防止するものであり人工皮革表面
の850nmにおける赤外線反射率は60%以上必要で
ある。このような赤外線反射能を有する本発明の人工皮
革を製造するには、人工皮革を構成する高分子弾性体表
面が上記反射率を示す必要があり、このためには高分子
弾性体に添加される顔料の850nmにおける赤外線反
射率が60%以上であることが必要である。
【0028】ここでいう顔料の赤外線反射率とは、ポリ
ウレタン中に顔料をポリウレタン樹脂固形分に対して3
%配合したものを厚さ50μmのフィルム状にし分光光
度計積分球で測定した850nmの反射率が60%以上
を示すことをいう。反射率の測定方法は前記の方法に従
って行う。
【0029】顔料の色相は、特に限定はされなく、例え
ば赤色、青色、黄色、茶色、灰色、黒色など何色でも使
用することができる。黒色や灰色などの無彩色を用いた
場合は人工皮革を何色に染色しても高分子弾性体と繊維
との色バランスが良いため汎用性があり幅広い色相で使
用することができる。また、赤、青等の有彩色について
は、高分子弾性体をこれらの色相で着色することで極細
繊維の発色性の補完が可能となり、鮮明で高発色なスエ
ード調人工皮革を得ることができる。
【0030】この赤外線を反射する顔料としては、例え
ば黒顔料ではアゾメチンアゾ系化合物のクロモファイン
ブラックA−1103、ペリレン系化合物のパリオゲン
ブラックS0084などが上げられる。また、赤顔料で
は、例えばアントラキノン系、ペリレン系、キナクリド
ン系、ポリアゾ系、イミダゾロン系などが、青色顔料で
は例えばフタロシアニン系、スレン系などが、黄色顔料
では例えばアントラキノン系、アゾ系、イソインドリン
系などの化合物がそれぞれ上げられるがこれらに限定さ
れるものではない。顔料は単独で用いても、2種以上を
配合して用いても構わない。混合した状態での850n
mにおける赤外線反射率が60%以上であれば、単独で
は上記赤外線反射能を有しない顔料を組み合わせて用い
ることができる。
【0031】顔料の添加量は高分子弾性体固形分に対し
て0.03〜5%含有できる範囲が好ましい。より好ま
しくは0.05〜3%の範囲である。0.03%以下で
は高分子弾性体が着色されずイラツキ防止効果が得られ
ない。また50%以上では製品の物性に影響を及ぼす。
【0032】このシートを必要に応じて厚み方向に半裁
(1/2厚みになるようにスライス裁断すること)し、
少なくとも一面を起毛処理することにより、着色された
立毛シートが得られる。
【0033】本発明のさらなる重要なポイントは、該ス
エード調人工皮革が染色されてなることである。すなわ
ち、染色されていることによって、高級感のある優美な
表面品位の人工皮革が得られるのである。
【0034】染色にあたって、使用する染色機は通常用
いるものが使用でき、サーキュラー、ユニエースなどの
液流染色機が好ましく用いられる。使用される染料は分
散染料、バット染料などから選ばれた耐光性の優れたも
のを用いることが好ましい。さらに、本発明に依る人工
皮革はその表面の850nmにおける赤外線反射率を6
0%以上とすることにより、光照射時の蓄熱による温度
上昇を抑制し耐光劣化を防止するものであり、用いられ
る染料は850nmにおける赤外線反射率が60%以上
であることが好ましい。
【0035】ここでいう染料の赤外線反射率とは、ポリ
ウレタン中に染料をポリウレタン樹脂固形分に対して3
%配合したものを厚さ50μmのフィルム状にし分光光
度計積分球で測定した850nmにおける反射率が60
%以上を示すことをいう。反射率の測定方法は前記の方
法に従って行う。
【0036】スエード調人工皮革表面の光照射時の温度
上昇を抑制することによって、本発明の意図するイラツ
キがなく、かつ高耐光性に優れたスエード調人工皮革を
得ることを可能としたものである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明の有効性はこれらによって限定され
たり制約されたりするものではない。
【0038】実施例および比較例における耐光性および
イラツキの評価、ならびに赤外線反射率、試料温度の測
定は以下に示す方法によるものである。 (1)耐光性 JASO(日本自動車技術会) M346−93規定の
キセノンウェザーメータ(SC750−WAP(スガ試
験器(株)社製))を用い、厚み10mmのウレタンフ
ォーム裏打ちを行い、(A)放射照度150W/m2
ブラックパネル73℃、湿度50%RH、3.8時間照
射。(B)放射照度0W/m2 、ブラックパネル38
℃、湿度95%RH、1時間照射。(A)+(B)を1
サイクルとし、38サイクル光照射後、JIS L08
04規定の変褪色用グレースケールで等級を判定した。 (2)赤外線反射率 日立自記分光光度計U3400(日立製作所製)積分球
を用いて850nmにおける反射率を測定した。
【0039】測定に当たっては、人工皮革、顔料、染料
のそれぞれにおいて、以下の方法に依った。
【0040】人工皮革の場合は、人工皮革を5cm四方
にカットしたものを作成し、基準となる白板にはフッ化
マグネシウム用い、まず、分光光度計から850nmの
光を白板に照射し、反射した光を積分球で集めて反射光
の強度を測定し、その値をR100とする。次に白板を
この試料に替え、表面である立毛面が光照射されるよう
にして同様の測定を行い、得られた値をRSampとす
る。これらの値を用いて求めた(Rsamp)/(R1
00)×100を、本発明における反射率とした。
【0041】顔料の場合は、ポリウレタン中に顔料をポ
リウレタン樹脂固形分に対して3重量%配合したものを
厚さ50μmのフィルム状にしたものを作成し、これを
5cm四方にカットし、基準となる白板にはフッ化マグ
ネシウムを用い、まず、分光光度計から850nmの光
を白板に照射し、反射した光を積分球で集めて反射光の
強度を測定し、その値をR100とする。次に白板をこ
の試料に替えて同様の測定を行い、得られた値をRSa
mpとする。これらの値を用いて求めた(Rsamp)
/(R100)×100を、本発明における反射率とし
た。
【0042】染料の場合は、ポリウレタン中に染料をポ
リウレタン樹脂固形分に対して3重量%配合したものを
厚さ50μmのフィルム状にしたものを作成し、これを
5cm四方にカットし、基準となる白板にはフッ化マグ
ネシウムを用い、まず、分光光度計から850nmの光
を白板に照射し、反射した光を積分球で集めて反射光の
強度を測定し、その値をR100とする。次に白板をこ
の試料に替えて同様の測定を行い、得られた値をRSa
mpとする。これらの値を用いて求めた(Rsamp)
/(R100)×100を、本発明における反射率とし
た。 (3) イラツキ 肉眼で評価し、イラツキ(PU淡色化による外観品位低
下)の発生がないものを○、目立つものを△、非常に目
立つものを×で示した。 実施例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリス
チレン、島/海比率=80/20重量%、島数25島、
複合繊維太さ約5d texの高分子相互配列体繊維の
ステープルを用い、このステープルをカード・クロスラ
ッパーでウェブとし、ニードルパンチして目付600g
/m2 のフェルトを作り、このフェルトを収縮処理し乾
燥した。次いで、このフェルトにポリビニールアルコー
ル水溶液に含浸し、乾燥した。このシートをトリクロー
ルエチレン中に浸漬、圧搾し脱海し乾燥した。その後、
アゾメチンアゾ系黒顔料(850nmにおける赤外線反
射率88%)をポリウレタン固形分に対して2.0重量
%ならびにポリカーボネート系ポリウレタンを固形分で
12重量%をジメチルホルムアミドに溶解させた溶液を
固形分で対島繊維当たり約29部となるように含浸し、
湿式凝固し乾燥した。
【0043】次いで、このシートを厚み方向に2枚にス
ライスし、片面をサンドペーパーで起毛処理を行ない立
毛シートを得た。この立毛シートを、850nmにおけ
る赤外線反射率が83%の耐光性の優れた分散染料を用
いワインレッドに染色し仕上げ処理した。このスエード
調人工皮革を構成するポリエステル極細繊維の平均単繊
維繊度は約0.2d texであった。
【0044】このスエード調人工皮革はイラツキがな
く、高級感のある落ち着いた色調のスエード調の人工皮
革であった。
【0045】このスエード調人工皮革の850nmにお
ける赤外線反射率を測定したところ85%であった。ま
た、耐光性を評価したところ3−4級と優れた性能を示
した。結果を表1に示す。 実施例2、実施例3、比較例1、比較例2 高分子弾性体に添加する顔料および濃度を表1に記載の
内容で行う以外は実施例1と同様にしてスエード調人工
皮革を得た。結果を表1に示す。 比較例3 高分子弾性体に顔料を添加しない以外は実施例1と同様
にしてスエード調人工皮革を得た。この人工皮革の85
0nmにおける反射率を測定したところ89%であっ
た。このスエード調人工皮革は表1に示したごとく、耐
光性は優れているもののイラツキが目立ち高級感が劣っ
たスエード調人工皮革であった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明により、極細繊維を用いたスエー
ド調人工皮革の課題であった、イラツキのない優美な表
面品位を有し、かつ、高耐光性を有したスエード調人工
皮革を可能としたものである。
【0048】かくして得られた本発明のスエード調人工
皮革は、自動車内装材、家具用途、鞄、靴、手袋などの
資材用途としてはもちろんのこと、衣料用途としても好
適に用いることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 3/32 D06P 3/32 Z Fターム(参考) 4F055 AA02 BA11 CA16 CA18 DA20 EA04 EA12 EA22 EA24 EA28 FA20 FA39 GA02 HA22 4H057 AA01 BA81 DA01 DA34 4L033 AA07 AB05 AB07 AC11 CA52 4L047 AA21 AA27 BA16 BC12 CA04 CB10 CC16 DA00 4L048 AA15 AA20 AA24 AB01 AB07 AB14 AB16 BA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として繊維太さが0.7d tex以下
    のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体と高分子弾性
    体からなるスエード調人工皮革であり、該人工皮革表面
    の850nmにおける赤外線反射率が60%以上であ
    り、かつ、該高分子弾性体が顔料によって着色されてな
    り、かつ、該人工皮革が染色されてなることを特徴とす
    るスエード調人工皮革。
  2. 【請求項2】高分子弾性体に含有する顔料の850nm
    における赤外線反射率が60%以上であることを特徴と
    する請求項1記載のスエード調人工皮革。
  3. 【請求項3】高分子弾性体に含有する顔料がアゾメチン
    アゾ系またはペリレン系化合物であることを特徴とする
    請求項1または2記載のスエード調人工皮革。
  4. 【請求項4】高分子弾性体に含有する顔料の重量が、高
    分子弾性体重量に対して0.03〜5重量%含有するこ
    とを特徴とする請求項1、2または3に記載のスエード
    調人工皮革。
  5. 【請求項5】高分子弾性体がポリカーボネート系ポリウ
    レタンであることを特徴とする請求項1、2、3または
    4記載のスエード調人工皮革。
  6. 【請求項6】極細繊維が織物もしくは編み物と絡合一体
    化された構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    のスエード調人工皮革。
  7. 【請求項7】織物もしくは編み物の構成糸の少なくとも
    一部に500T/m以上、4500T/m以下の強撚糸
    が用いられて構成されてなることを特徴とする請求項6
    記載のスエード調人工皮革。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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