JP2007236362A - 食用調味料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ネギ由来の不快臭を除去した、ネギの風味を手軽に簡単に得ることのできる調味料を提供する。
【解決手段】 ネギを水やエタノールまたは、含水エタノール中にて磨砕し、搾汁した溶液の溶媒を溜去することによりネギ由来の不快臭を一緒に除去する。このようにして得られたエキスが調味料としての機能を有する。
【選択図】なし
【解決手段】 ネギを水やエタノールまたは、含水エタノール中にて磨砕し、搾汁した溶液の溶媒を溜去することによりネギ由来の不快臭を一緒に除去する。このようにして得られたエキスが調味料としての機能を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ネギの不快臭が除去された良好な風味を有する料理の炒め物やスープ類、焼き鳥や焼き肉などの焼き物料理に利用される調味料に関する。
ネギは独特の風味を有し、料理の風味や味覚を向上させるため、家庭や飲食店などにおいて様々な料理に使用されている。代表的なものとして、そばやうどん、ラーメンなどの麺類の薬味としての利用や、チャーハンや八宝菜、チンジャオロース、中華スープなどの中華料理系や肉類、野菜類、魚介類などの炒め物に幅広く利用されている。また、焼き鳥の俗に言うネギ間は、そのネギの味も美味であるが、焼いた時の香ばしい匂いも食欲をそそり、大変人気のある料理のひとつである。しかし、ネギは生ものであるため、貯蔵性に劣り、日数が経つにつれて、保存中に腐ったり、冷蔵庫保存中に乾燥したり、風味が低下したりして、廃棄される割合が高い。特に家庭においては、薬味としてのネギの利用は少量で済むため、使いきれず、無駄になりやすい。また、調理時にネギを刻む必要があるので、手や包丁、まな板にネギの独特の臭いが付着するので、家庭においては、ネギの使用は敬遠され気味である。焼き鳥などもタイや中国などからの冷凍輸入ものが多くなり、鶏肉からだけ成るネギの入っていないものが多くなってきている。
ネギの風味を手軽に得るための加工品として、乾燥ネギも市販されているが、ネギの風味は劣り、味も弱く、薬味の利用に限定されており、炒め物などに利用されることはない。ネギを利用した調味料としては、ラーメンや炒めものに利用されるネギ油が市販されているが、油臭が強く、油のため、空気や光により酸化され品質の低下を生じやすいという欠点がある。
他にネギを利用した調味料としては、ネギペースト調味料が開発されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)
特公開2001−275605号公報 特公開2002−40827号公報 特公開2004−321188号公報
これらの特許で公開されているネギペーストの調味料は、ペーストすることによりネギの不快臭が発生する。これらのペースト製法では、ネギの発する不快臭を除去することができないため、調味料やこしょうなどの香辛料やワサビやニンニクを加えることにより、マスキングしているが、ネギ本来の風味を封殺してしまっている。また、ペースト化では、利用できるネギの風味の抽出効率が悪い。特許文献2、3では利用される部分は茎の部分であるため、栄養成分が豊富でネギの風味を有する葉の部分が利用されていない。
家庭や飲食店などにおいて、生のネギの利用に替わる手軽に使用できるネギの風味を活かした調味料などが求められている。この調味料は、不快臭を有しない、他の香り成分でマスキングする必要のない、ネギの風味が活かされる必要がある。また、ネギの旨みのエキス成分は油溶性ばかりでなく、水溶性成分が主であるため、ネギの風味を活かした調味料を製造するためには、ネギ油では不十分であり、その風味を最大限に活かすため、水溶性成分を主成分とする製造法が求められている。また、栄養成分の豊富なネギの葉を利用する手段も求められている。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記の課題を解決する方法を見出し、本発明を完成した。
本発明は、チャーハンや野菜炒めなどの炒めものや中華風のスープ、麺類などや焼き鳥や焼き肉などの焼き物に利用されるネギ風味の調味料を提示することにある。
ネギに水やエタノール、含水エタノールを加えて破砕し、搾る。ろ過や遠心などで不溶物を除去した搾汁液を得る。この搾汁液を噴霧乾燥や減圧濃縮、エバポレートなどにより水分等を除去することにより、ネギの発する不快臭を一緒に除去する。必要に応じて、粉末化材や他の調味料を添加したり、ソース状などに加工して完成である。
最初に、ネギに水を加えて破砕し、そのまま、噴霧乾燥や凍結乾燥する方法を試みもしたが、ネギの不快臭が消えず、吸湿しやすい、風味が弱いなどの欠点があった。また、乾燥前に食品添加物用の粉末化材を添加すると吸湿は防げるが、不快臭も消えず、鍋やフライパンで加熱時に用いたときの風味が弱かった。
本発明の調味料はネギの不快臭もなく、ネギの甘い風味がし、従来にない新しい調味料であり、製造コストも低い。特に加熱したときや焼いたときは香ばしい、食欲をそそる匂いを発する。家庭などにおいて、従来のように生のネギや乾燥ネギを用意していなくても、手軽にネギの風味を付与された料理を得ることができる。
以下、本発明についてその好ましい様態をあげ、より具体的に述べる。
材料となるネギ(学名:Allium fistulosum L.)は、ユリ科植物であり、ネブカネギ、シモニタネギ、ヤグラネギ、ワケギ、葉ネギなど通常食用されているものが用いられる。
本発明において、ネギは通常、水洗し、水切りを行う。その後、貯蔵が短期間であるなら、冷蔵保存を、長期間であるなら冷凍保存する。または、凍結乾燥処理を行い、保存してもよいし、品質が劣化しない程度に乾燥処理し保存してもよい。
ネギを適宜切断し、ネギの重量の3〜10倍量の水や2〜10倍量のエタノール、または2〜10倍量の含水エタノールと一緒にジューサーやブレンダーなどの破砕機に加え、金属刃などの高速回転などを利用した機械的剪断力によりネギを破砕する。このときの含水エタノールのエタノール濃度は0〜100%(V/V)で任意である。ネギは葉の部分や茎の部分どちらでもよいし、両者の混合でもよい。この際、予めネギは細断したほうが破砕効率がよい。大きな葉の繊維が目で確認されなければ、破砕終了である。次にこの破砕物を搾汁やろ過や遠心、またはこれらの組み合わせなどにより、搾汁液を得る。この残渣を回収し、再び、水やエタノールや含水エタノールを加え破砕処理し、同様に搾汁、ろ過などにより搾汁液を集め、最初の搾汁液と一緒にしてもよい。
次に、この搾汁液の水分やエタノール分を溜去する。溜去することにより「えぐみ」を発するネギの不快臭が一緒に除去される。溜去の方法としては、減圧や加熱を単独、もしくは組み合わせることになるが、噴霧乾燥や遠心乾燥、エバポレーターによ加熱減圧濃縮など一般的に行われている方法でよい。完全に乾固されなくてもネギの不快臭が除去されるとその時点で終了してもよい。
単純に水分やエタノール分が溜去されると、粘稠なエキスが得られる。このまま、水や香辛料や各食材のエキスなど添加して、ソース状に加工してもよいし、食品添加物用の粉末化材などを添加して、粉末化してもよい。調味料としての加工のしやすさや腐敗などを考慮すると粉末化のほうが一般的に扱いやすい。粉末化材としては、デンプン由来やデキストリン由来など糖類が多く用いられるが、カルシウムなどの無機塩などの使用や多種の混合、複合使用など、なんら限定されるものでない。また、搾汁後や乾固する前に粉末化材を添加してから、濃縮や水やエタノールなどの溜去を行い、粉末化したほうが製造しやすい。
本調味料は特に炒め物や焼き物などの料理に威力を発揮するものであり、鍋やフライパンやオーブン、ガスや薪で焼いたり加熱することにより、ネギの香ばしい風味が得られるものである。また、さまざまな料理において、ネギの有する独特の甘い味覚が発揮されるものである。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これは単に例示の目的で述べるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
市販のネブカネギを購入後、水洗し、水切りした。緑色の葉の部分を茎から切り離し、葉の部分を100g得、はさみで1〜2cmに切断した。これを市販のミキサー(MX25050;ブラウンジレットジャパンインコーポレイテッド社製)に入れ、水400mlを加え、90秒間金属刃を高速回転し、破砕した。次に、日本薬局方のガーゼ30cm×30cmを5枚重ねし、破砕液をガーゼにて少量ずつ濾しながら、手で搾った。搾った溶液をプラスチックの容器に移し、−40℃の冷凍庫に一晩放置し、冷凍した。次に容器を37℃の恒温槽に移し、解凍した。ときどき、容器を軽く振盪した。解凍後、ブフナーロートにろ紙を敷き、ろ紙の上に日本薬局方のガーゼ30cm×30cmを3枚重ねしたのを置き、溶液をろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで、乾固するまで40℃で減圧濃縮した。このとき、ネギの不快臭はしなかった。得られた収量は4.9gであった。
これに水を50ml加えて溶解した。この水で溶解した液に、別に食品添加物用の粉末化剤としてデキストリン系のパインデックス(商品名;松谷化学工業社製)7.4gを水70mlに溶解したものを混入し、撹拌した。これを凍結乾燥処理し、調味料を完成した。炒飯を作るときに、加熱したフライパンに油をひいて、この調味料を添加し、野菜や肉と一緒に炒めたところ、非常に香ばしい匂いがし、炒飯の風味が増した。
市販のネブカネギを購入後、水洗し、水切りした。葉を茎から切り離し、茎のみを100g得、はさみで1〜2cmに切断した。市販のミキサー(MX25050;ブラウンジレットジャパンインコーポレイテッド社製)に入れ、水400mlを加え、90秒間金属刃を高速回転し、破砕した。次に、日本薬局方のガーゼ30cm×30cmを5枚重ねし、破砕液をガーゼにて少量ずつ濾しながら、手で搾った。搾った溶液をブフナーロートにろ紙を敷いて、ろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで、乾固するまで40℃で減圧濃縮した。このとき、ネギの不快臭はしなかった。得られた収量は4.9gであった。
これに水を50ml加えて溶解した。この水で溶解した液に、別に食品添加物用の粉末化剤としてデキストリン系のパインデックス(商品名;松谷化学工業社製)9.8gを水100mlに溶解したものを混入し、撹拌した。これを凍結乾燥処理し、調味料を完成した。餃子の皮を作るときに、小麦粉にこの調味料を5%(W/W)添加し、捏ね、皮の中にあんを詰め完成した。この餃子を加熱したフライパンに油をひいて、焼いたところ、非常に香ばしい匂いがし、餃子の風味が格段に向上した。
市販のネブカネギを購入後、水洗し、水切りした。緑色の葉の部分を茎から切り離し、葉の部分を50g得、はさみで1〜2cmに切断した。これを市販のミキサー(MX25050;ブラウンジレットジャパンインコーポレイテッド社製)に入れ、70%(V/V)エタノール200mlを加え、90秒間金属刃を高速回転し、破砕した。次に、日本薬局方のガーゼ30cm×30cmを5枚重ねし、破砕液をガーゼにて少量ずつ濾しながら、手で搾った。搾った溶液をガラスろ過器でろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで、乾固するまで30℃で減圧濃縮した。このとき、ネギの不快臭はしなかった。得られた収量は2.4gであった。
これにエタノール30mlと水を10ml加えて溶解した。この溶解した液に、別に食品添加物用の粉末化剤としてデキストリン系のパインデックス(商品名;松谷化学工業社製)9.6gを水100mlに溶解したものを混入し、撹拌し、ロータリーエバポレーターで、エタノール臭がなくなる約50mlまで30℃で減圧濃縮した。この濃縮液を凍結乾燥し、調味料を完成した。鳥の正肉からだけなる串に刺した焼き鳥をガス火で焼くとき、この得られた調味料を焼き鳥にふりかけると、非常に香ばしい匂いがし、焼き鳥の風味が増した。
Claims (3)
- ネギを水やエタノールまたは、含水エタノール中にて磨砕し、搾汁した水やエタノールを溜去することにより、ネギの不快臭を除去して得られるエキスを特徴とする調味料。
- 請求項1でのエキスを粉末化材にて粉末成形した調味料。
- 請求項1でのエキスを含有する調味料及び食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006100111A JP2007236362A (ja) | 2006-03-03 | 2006-03-03 | 食用調味料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006100111A JP2007236362A (ja) | 2006-03-03 | 2006-03-03 | 食用調味料 |
Publications (1)
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JP2007236362A true JP2007236362A (ja) | 2007-09-20 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2006100111A Pending JP2007236362A (ja) | 2006-03-03 | 2006-03-03 | 食用調味料 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2905028A1 (en) * | 2014-02-07 | 2015-08-12 | Legacy Healthcare Holding Ltd. | Method of neutralizing the odor of onion |
CN107772411A (zh) * | 2017-11-01 | 2018-03-09 | 王成林 | 一种鲜大茴香调味液的制作方法 |
-
2006
- 2006-03-03 JP JP2006100111A patent/JP2007236362A/ja active Pending
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