JP2007211197A - ポリ乳酸可塑剤およびその製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸可塑剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ乳酸との相溶性、耐加水分解性に優れ、残存ラクチド量が少ないポリ乳酸可塑剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエーテルグリコール、ポリ乳酸からなるブロック共重合体であり、重金属元素を10〜1500ppm、リン元素を10〜2000ppm含有するポリ乳酸可塑剤であり、ポリ乳酸の数平均分子量が3000〜10000であり、ポリエーテルグリコールの数平均分子量が5000〜20000であり、ポリエーテルグリコールの含有量が10〜60重量%であるポリ乳酸可塑剤により達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸との相溶性、耐加水分解性に優れ、残存ラクチド量が少ないポリ乳酸可塑剤に関する。
ポリ乳酸は、植物由来のグリーンプラスチック、生分解性プラスチックとして環境に優しいことから、ゴミ袋などの包装材料や自動車用部品など、需要が拡大してきている。
しかし、従来のポリ乳酸は押出成形してシート化すると、脆く、耐衝撃性に劣るため、共重合、アロイ、可塑剤の添加などによって機械特性の改良が図られてきた。特にラクチドは加水分解に寄与し、ポリ乳酸のポリマー主鎖の切断を促進し、さらに、ラクチドは重合触媒の副反応によっても再生することから、ラクチドの除去、及び生成抑制などの検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には重合触媒に対して特定量のリン化合物を添加し、重合反応を制御することで高分子量のポリラクチドを製造する方法が挙げられている。しかし、触媒の失活が不十分であるため、加水分解、脆化の原因であるラクチド及びラクチドの加水分解物である乳酸がポリラクチド中に残存し、耐加水分解性が低下する。
特許文献2にはポリヒドロキシカルボン酸の精製方法について記載されており、触媒を除去する方法が挙げられているが、ラクチドや乳酸の除去は不十分であり、ポリヒドロキシカルボン酸のみでは耐衝撃性などの機械特性も不十分である。
特許文献3には乳酸系ポリエステルについて記載されており、失活剤を添加することによって触媒を失活する方法、薄膜蒸留機などによりラクチドを除去する方法が具体的に挙げられている。しかし、ポリエステルとポリ乳酸を反応させ、乳酸ポリエステルを製造するに際し、失活剤として使用するリン化合物は、ポリエステルに使用される重合触媒に対しても作用するため、失活剤が不足し、ラクチドが残存したり、再溶融時に再生することがある。
特許文献4にも、触媒を失活する方法、薄膜蒸留機などによるラクチドの除去方法、乳酸系ポリエステルの製造方法について記載されているが、失活させた乳酸系ポリエステルとポリエステルとを溶融混練する方法では、ポリエステル中の触媒によってポリ乳酸系ポリエステルの分子鎖が切断されたり、ラクチドが再生することがある。
特開昭62−25121号公報(第3頁右上段9行目〜左下段18行目) 特開平6−116381号公報(段落0017〜0020) 特開平8−301993号公報(段落0039〜0050、0058〜0078、0052〜0076、0090〜0116) 特開平9−104809号公報(段落0021、0045〜0047、段落0056〜0065)
本発明の目的は、これら従来技術の欠点を解消せしめ、柔軟性、耐加水分解性に優れたポリ乳酸可塑剤を提供することにある。
ポリエーテルグリコール、ポリ乳酸からなるブロック共重合体であり、重金属元素を10〜1500ppm、リン元素を10〜2000ppm含有するポリ乳酸可塑剤により達成される。
本発明によれば、柔軟性、耐加水分解性に優れるポリ乳酸可塑剤を提供することができる。また、本発明の組成物を、ポリ乳酸の添加剤として使用することにより、耐加水分解性を損なうことなく、ポリ乳酸の柔軟性が向上するため、シートおよびフィルム、射出成形体に加工でき、包装、ラミネーション等の用途に使用することができる。
本発明のポリ乳酸可塑剤は、ポリエーテルグリコール、ポリ乳酸からなるブロック共重合体であり、重金属元素の含有量が10〜1500ppm、リン元素の含有量が10〜2000ppmである。
本発明のポリ乳酸可塑剤に使用するポリエーテルグリコールは、耐熱性、柔軟性の点から炭素数2〜4の直鎖状グリコールの重縮合体であることが好ましく、具体的にはポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを挙げることができ、中でも、バイオ法による1,3−プロパンジオールを原料としたポリトリメチレングリコールを用いると、植物由来の原料100%となり、環境の点から好ましい。
ポリエーテルグリコールの数平均分子量としては5000〜20000であることが柔軟性の点から好ましい。さらには5000〜9500とすると食品衛生性の点から好ましい。
このようなポリエーテルグリコールの含有量としては本発明のポリ乳酸可塑剤に対して10〜60重量%であることが柔軟性の点から好ましく、さらには30〜60重量%であることが好ましい。10重量%未満では柔軟性が不足し、60重量%を超えると、ポリ乳酸可塑剤とポリ乳酸との相溶性が低下し、成形後のブリードアウト、及び、経時変化による脆化の原因になる。
本発明の可塑剤に含有するポリ乳酸は、数平均分子量が3000〜10000であることが耐熱性、相溶性、ハンドリング性の点で好ましく、さらには4000〜8000であることが連続重合性の点で好ましい。数平均分子量が3000未満の場合、ポリ乳酸可塑剤とポリ乳酸との相溶性が低下し、ポリ乳酸可塑剤のブリードアウト、経時変化による脆化の原因となる。数平均分子量が10000を超えると、ポリ乳酸可塑剤の溶融粘度が高くなり、リン化合物と重金属化合物との反応効率が低下するため、重合触媒が失活せず再溶融時にラクチドが再生する原因となる。
本発明のポリ乳酸可塑剤に使用する重金属化合物は、ポリ乳酸の重合触媒として機能し、具体的には、金属種としては錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、コバルト等が挙げられ、化合物としては、これらの金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が知られている。より具体的には、オクタン酸錫、塩化錫、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムが挙げられ、中でもオクタン酸錫が反応性、耐熱性、ハンドリング性の点から好ましい。
重金属元素の含有量としては、ポリ乳酸可塑剤に対して10〜1500ppmであることが反応性の点から必要であり、さらには50〜1000ppmであることが色調の点から好ましい。重金属含有量が1500ppmを超えると、重合反応だけでなく、分解反応も促進するため、再溶融時にラクチドが副生し、耐加水分解性が悪化することがある。10ppm未満であるとポリ乳酸部分の重合度が不足することがある。
重金属モル量としてはポリ乳酸可塑剤に対して0.1〜15mmol/kgであることが反応性の点から好ましく、さらには1.0〜3.0mmol/kgであることが耐熱性、色調の点から好ましい。
本発明のポリ乳酸可塑剤に使用するリン化合物は、特に限定されないが、例えば、リン酸、亜リン酸、及びこれらのエステル類と無機金属塩が挙げられる。エステル類である場合、少なくとも官能基の一つは水酸基であることが重金属化合物との反応性の点から好ましい。無機金属塩である場合、少なくとも官能基の一つが水酸基であり、金属種としてはカリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属であることが耐熱性、重金属化合物との反応性の点から好ましい。特にリン酸、及び亜リン酸が重金属化合物との反応性の点から好ましい。
本発明のポリ乳酸可塑剤中のリン元素の含有量は、反応性、耐熱性、耐加水分解性の点から10〜2000ppmであることが必要であり、50〜1000ppmとすることが連続重合性、色調の点から好ましい。リン元素の含有量が2000ppmを超えると、反応釜の残留物によって、次バッチの重合触媒が失活してしまい、ポリ乳酸可塑剤の重合度が低下したり、ポリ乳酸可塑剤の結晶化を阻害してハンドリング性が悪化することがある。
本発明のポリ乳酸可塑剤中に含有するリン元素量は重金属元素に対して1〜5倍モルとすることが耐熱性、耐加水分解性の点から好ましい。重金属元素に対するリン元素のモル比が5倍モルを超えると、連続的にポリ乳酸可塑剤を製造する際に、反応釜の残留物によって後続ロットの反応率が低下する原因となり、1倍モル未満である場合、重金属化合物の失活が不十分となり、ベント式二軸押出機でポリ乳酸と混練する際に昇華物が多量に発生してロスが大きくなったり、ポリ乳酸可塑剤の耐加水分解性が低下する原因となる。
例えば、重金属元素が錫である場合、Sn:P=1:2.5〜3.1(モル比)の金属塩を形成していると耐熱性、耐加水分解性の点から好ましく、さらにはSn:P=1:2.7〜3.1、特にSn:P=1:2.8〜3.1とすることが耐加水分解性の点から好ましい。本発明のポリ乳酸可塑剤中の錫元素に対するリン元素の含有量を、P/Sn=3〜5(モル比)とすると効率的に金属塩を生成することができる。P/Snが5を超えると、連続的にポリ乳酸可塑剤を製造する際に、反応釜の残留物によって後続ロットの反応率が低下する原因となる。また、P/Snが3未満である場合、錫化合物の失活が不十分となり、ポリ乳酸可塑剤の耐加水分解性が低下する原因となる。
本発明のポリ乳酸可塑剤の溶融粘度としては220℃において1000〜2000mPa・sであることが、ポリ乳酸との相溶性の点で好ましい。溶融粘度が1000mPa・s未満の場合、ポリ乳酸に対して粘度が低すぎるため、ベント式二軸押出機などで混練する際、ベント口からポリ乳酸可塑剤が昇華し、混練時のロスが大きくなる。また、2000mPa・sより大きくなると、重合反応時間を長くしたり、反応温度を上げたり、触媒である重金属化合物の添加量を増やしたりして、ポリ乳酸可塑剤のポリ乳酸部分の分子量を高くする必要があるが、この際に色調が悪化する可能性ある。
本発明のポリ乳酸可塑剤は、例えば、溶解させたポリエーテルグリコールに、ラクチド、重金属化合物を加えて重合反応を行い、重合反応後にリン化合物を添加しストランド状に吐出、カッティングすることによって得られる。
具体的には、ポリエーテルグリコールを120〜160℃で溶解、攪拌しながら、30〜120分間1330Pa以下に減圧する。この時、ポリエーテルグリコールの水分率を1500ppm以下とすることが、反応率向上の点で好ましく、さらには1000ppm以下とすることが好ましい。水分率が1500ppmを超えていると、この後に添加する重金属触媒の一部が失活したり、ラクチドの一部が加水分解して乳酸になるため、分子量が低下する。
次に、120〜140℃に保持したポリエーテルグリコールにラクチドを添加し、完全に溶解し、相溶したところで重金属触媒を添加する。この時、重金属触媒は、そのまま添加してもよいし、トルエンなどの有機溶媒に希釈して添加してもよい。ただし、有機溶媒が残存していると反応にバラツキが出るため、添加後5〜15分の間に1〜5分間13300Pa以下に減圧し、有機溶媒を排出することが好ましい。
重金属触媒を添加した後、重合反応を140〜160℃、常圧、窒素雰囲気下で2〜10時間実施し、リン化合物を添加する。この時のリン化合物は、重金属触媒と効率よく反応させるためにはリン酸、または亜リン酸を用いることが好ましいが、その中でも特に、リン酸結晶、亜リン酸結晶を用いることが最も好ましい。リン化合物の中には、潮解・吸湿しやすい化合物や、リン酸のように水溶液(75〜85%水溶液)として市販されているものもあるが、水を添加すると、重金属触媒とリン化合物との反応が阻害され、効率よく反応しないため耐加水分解性低下の原因となる。水分を多く含むリン化合物の好ましい添加方法としては、あらかじめポリエーテルグリコールにリン化合物を1〜10重量%となる様に混合し、160℃、1330Pa以下に減圧し、3時間以上攪拌することで水分を除き、リン化合物のポリエーテルグリコール分散体として添加する方法が挙げられる。
(A.ポリ乳酸可塑剤の溶融粘度)
BL型B型粘度計 ((株)東京計器製作所製)を用い、220℃で測定を行った。
(B.ポリ乳酸可塑剤中の重金属元素、リン元素の含有量)
ポリ乳酸可塑剤6gを板状に溶融成形してサンプル片を作成した。このサンプル片について理学電機社製蛍光X線装置(型番3270)により、蛍光X線の強度を測定した。この値を含有量既知のサンプルで予め作成した検量線を用い、重金属元素量、リン元素量をそれぞれ定量した。
(C.ポリ乳酸から分離した金属塩の分析)
ポリ乳酸可塑剤をテトラヒドロフランに25℃で溶解し、不溶分を遠心分離器にて分離した。分離物0.1gに、ホットプレート上で硫酸、硝酸、及び過塩素酸を順次加えて加熱分解して有機物を除去し、硫酸白煙が生じるまで濃縮した。濃縮後の溶液にふっ化水素酸を加えてさらに加熱して無機物を溶解し、希硝酸で加温溶解して放冷した。放冷後、希硝酸で20mlに定容とした。
この溶液を適宜希釈した後、ICP発光分光分析法(SII・ナノテクノロジー製:シーケンシャル型ICP発光分光分析装置SPS4000を使用)でSn、Pを定量し、SnとPのモル比を求めた。
測定条件
測定波長 Sn:189nm、P:177nm
高周波出力 1.3kw
プラズマガス流量 16L/min
補助ガス流量 0.5L/min
キャリアガス流量 1.0L/min
測光高さ 15mm
(D.水分率の測定)
ポリエーテルグリコールの乾燥処理が終了後、溶融状態(100℃以上)のまま少量抜き出し、窒素雰囲気下で固化させたサンプルを平沼水分気化装置EV−2000を用い、120℃にて水分率を測定した。
(E.ポリ乳酸部分の数平均分子量及び残留ラクチドの定量)
H−NMR(核磁気共鳴装置)400MHzを用いて測定した。サンプル15mgを秤量し、重クロロホルムに溶解させ、ラクチドのピーク(5.0ppm)とポリ乳酸部分のピーク(5.2ppm)、ポリアルキレンエーテルのアルキル鎖部分のピーク(3〜4ppm)との積分強度から次式を用いて算出した。
rL=Mn[PLA]×∫(L)×Mn[PLA−E]×2×∫(E)×100・・・(式A)
※Mn[PLA]:PLAセグメントの分子量
Mn[PLA]=72×4×∫(P)×Mn(E)/∫(E)×44
∫(P):PLAセグメントの積分強度
Mn[E]:ポリエーテル分子量
∫(E):ポリエーテルの積分強度
rL:残留ラクチド(wt%)
∫(L):ラクチドの積分強度
Mn[PLA−E]:組成物全体の分子量 Mn[PLA]+Mn[E]
残存ラクチド量が0.5重量%以上のものを不合格とした。
(F.ポリエーテルグリコールの数平均分子量の測定)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィーにてポリスチレン換算で測定を行った。
(G.連続重合性)
1バッチ重合反応が終了した後、釜洗浄を行わず、次の原料を仕込んだ場合の重合反応性を評価し、×を不合格とした。
○・・・ 同品質のポリマーが得られる。
△・・・ 1バッチ目と比較して、ポリ乳酸可塑剤の分子量が10%以上低下している。
×・・・ 全く反応しない。
(H.混練性)
ポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部を220℃にてベント式二軸押出機に供給したときのポリマーロス量で評価し、ベント口上部の詰まり物量がポリマー供給量に対して10重量%以下を合格とした。
○・・・・5重量%未満
△・・・・5重量%以上10重量%以下
×・・・・10重量%より多い
(I.相溶性)
ポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とをベント式二軸押出機で混練したものをシートに成形後、25℃、60%RHで1週間保管した。この時のシート表面の析出物の有無で相溶性を評価し、目視で明らかに析出物が観察できるものを不合格とした。
(J.伸度保持率)
ポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とをベント式二軸押出機で混練したものをシートに成形した。成形直後のシートの伸度を100%とし、30℃、80%RHで一ヶ月保管したシートの伸度を100分率で比較し、柔軟性及び耐加水分解性の評価とした。
○・・・80%以上
△・・・50%以上80%未満
×・・・50%未満
実施例1
ポリエチレングリコール(数平均分子量:10000)50重量部を140℃で溶解後、攪拌しながら160℃、1330Paで90分間処理した。
この時のポリエチレングリコールの水分率は850ppmであった。
ポリエチレングリコールの処理が終了した後、乾燥窒素で常圧に戻し、L−ラクチド/D−ラクチド混合物(NatureWorks社製)50重量部を添加、溶解後、オクタン酸錫0.1重量部(溶媒なし)を添加し、乾燥窒素雰囲気下、160℃、3時間重合反応を実施した。
重合反応終了後、リン酸結晶(アルドリッチ社製)を0.1重量部添加し、乾燥窒素雰囲気下で30分攪拌する。
160℃、1330Pa以下で90分間攪拌しながら重合反応を行い、ポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
実施例2
リン化合物を亜リン酸結晶に変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった
実施例3
オクタン酸錫のトルエン溶液(0.1mol/l)を使用する以外は実施例1と同様にポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
実施例4
ポリエチレングリコール(数平均分子量:10000)100重量部、リン酸(85%水溶液)11.8重量部を混合し、160℃、1330Pa以下、3時間攪拌しながら処理を行い、ポリエチレングリコールのリン酸マスターを得た。
リン化合物を、ポリエチレングリコールのリン酸マスターに変更し、添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
実施例5
ポリエチレングリコールの数平均分子量と添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
溶融粘度が1000mPa・sを下回っているにもかかわらず、相溶性が良好となっている理由は、ポリ乳酸可塑剤中のポリ乳酸部分の分子量が大きかったため、ブリードアウトしなかったものと推測する。
実施例6
ポリエチレングリコールの処理条件を変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
ポリ乳酸部分の分子量が実施例1に比べ低下し、ポリ乳酸可塑剤の溶融粘度が低下していることがわかる。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)の混練ポリマーは、柔軟性は問題なかったが、黄色の着色が認められた。
溶融粘度が1000mPa・sを下回っているにもかかわらず、相溶性が良好となっている理由は、ポリ乳酸可塑剤中のポリ乳酸部分の分子量が大きかったため、ブリードアウトしなかったものと推測する。
実施例7
ポリエーテルグリコールとしてポリトリメチレングリコール(数平均分子量15000)を使用し、添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
実施例8
リン酸結晶の添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。(1バッチ目)錫元素と、リン元素のモル比を調べたところ、P/Sn=12.4であり、2バッチ目を続けて重合したところ、ポリ乳酸部分の数平均分子量が低下していた。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部(1バッチ目)とポリ乳酸70重量部(D体:重量平均分子量13万)とをベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、昇華物も少なく、問題なく混練でき、柔軟性も十分であった。
比較例1
リン酸結晶を添加しない以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
得られたポリ乳酸可塑剤は、残存ラクチド量が多く、耐加水分解性において十分な効果が期待できないものであった。
得られたポリ乳酸可塑剤30重量部とポリ乳酸70重量部とをベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、ベント上部に昇華物が約20重量部析出しており、柔軟性も不十分であった。
ポリ乳酸可塑剤中のポリ乳酸部分の分子量が実施例5とほぼ同じであるのに混練性、相溶性が不良となった理由は、ポリ乳酸可塑剤中の錫が失活できていないため、混練中にラクチドが再生して昇華し、さらにシートに成形後も残存したラクチド、ラクチドが加水分解して生成した乳酸、混練中のラクチド再生や成形後の加水分解で分子量が小さくなったポリ乳酸可塑剤などがブリードアウトしたものと推測する。
比較例2
リン酸結晶の代わりにリン酸(85%水溶液)を5重量部添加する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤を得た。
ポリ乳酸とベント付き二軸押出機で混練を行ったところ、ベント上部に約20重量部の昇華物が析出し、柔軟性も不十分であり、成形後のブリードアウト物がシート表面に析出していた。
比較例3
オクタン酸錫の添加量を0.001重量部(錫元素として2.9ppm相当)とする以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸可塑剤の重合を行ったが、リン化合物添加後の減圧工程において約30重量部が昇華し、得られたポリ乳酸可塑剤の溶融粘度も300mPa・sと低粘度であった。
Figure 2007211197
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Claims (13)

  1. ポリエーテルグリコール、ポリ乳酸からなるブロック共重合体であり、重金属元素を10〜1500ppm、リン元素を10〜2000ppm含有するポリ乳酸可塑剤。
  2. ポリ乳酸の数平均分子量が3000〜10000である請求項1に記載のポリ乳酸可塑剤。
  3. ポリエーテルグリコールの数平均分子量が5000〜20000である請求項1または2に記載のポリ乳酸可塑剤。
  4. ポリエーテルグリコールの含有量が、10〜60重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤。
  5. ポリエーテルグリコールがポリエチレングリコール、またはポリトリメチレングリコールである請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤。
  6. 220℃での溶融粘度が1000〜2000mPa・sである請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤。
  7. 重金属元素が錫元素である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤。
  8. ポリ乳酸可塑剤中の錫元素に対するリン元素の含有量が3倍モル〜5倍モルである請求項7に記載のポリ乳酸可塑剤。
  9. ポリ乳酸可塑剤から分離した金属塩に含まれる錫元素とリン元素のモル比が1:2.5〜3.1である請求項7または8に記載のポリ乳酸可塑剤。
  10. ポリエーテルグリコールにラクチド、重金属化合物を加えて重合反応を行った後、リン化合物を添加することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤の製造方法。
  11. ポリエーテルグリコールの水分率を1500ppm以下とする請求項10に記載のポリ乳酸可塑剤の製造方法。
  12. リン化合物が、リン酸結晶、及び/または亜リン酸結晶である請求項10または11に記載のポリ乳酸可塑剤の製造方法。
  13. リン化合物をポリエ−テルグリコールに分散、乾燥後、添加する請求項10〜12のいずれか1項に記載のポリ乳酸可塑剤の製造方法。
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