JP5652518B2 - ポリエチレンテレフタレート組成物およびフィルム - Google Patents
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Description
POxHyMz ・・・(I )
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはカリウムおよび/またはナトリウムである。)により達成される。
POxHyMz ・・・(I)
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはカリウムおよび/またはナトリウムである。)
緩衝剤の含有量はポリエチレンテレフタレート組成物に対して、0.1〜5.0mol/tであることが必要であり、さらには0.3〜3.0mol/tであることが好ましい。0.1mol/t未満の場合、十分な耐加水分解性が得られず、長期使用時には徐々に加水分解が進行して機械特性低下の原因となる。5.0mol/tを超えると、過剰なアルカリ金属によって分解反応が促進されるため、分子量の低下、機械特性低下の原因となる。
POxHyMz ・・・(I)
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはカリウムおよび/またはナトリウムである。)
本発明の触媒残渣による析出物とは、触媒残渣が重合反応過程において析出し、粒子化、或いは異物化した物であり、具体的にはポリマーをオルトクロロフェノールに溶解したときに不溶物として検出される化合物である。この触媒残渣による析出物の含有量は、ポリエチレンテレフタレート組成物に対して0.001重量%以下である必要がある。触媒残渣による析出物が0.01重量%を越えると、フィルム化した際にフィッシュアイなどの欠点になったり、触媒残渣の析出過程においてアルカリ金属が析出物内に取り込まれることによって耐加水分解性が低下することがある。
本願のポリエチレンテレフタレート組成物は、テレフタル酸ジメチルを原料とするDMT法、テレフタル酸を原料とする直重法のどちらの方法でも製造することができるが、直重法で製造する方が、使用する触媒金属量が少なく、触媒残渣起因の分解反応が起こりにくいため好ましい。
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(B.ポリマー中のリン量の定量)
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて測定した。
(C.ポリマー中のアルカリ金属量の定量)
原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
(D.カルボン酸末端基量)
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
(E.ガラス転移点の測定)
TA Instrument社製温度変調DSCを用いて下記条件にて測定を行った。
温度校正:高純度インジウムおよび錫の融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
温度ステップ:5K
試料重量:5mg
試料容器:アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器:アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移点は下記式より算出した。
(F.耐加水分解性の評価)
160℃、8時間真空乾燥したポリマーを、155℃、飽和水蒸気中において4時間処理した後の固有粘度、カルボン酸末端基の測定を行った。
[η]:処理前の固有粘度
[ηt]:処理後の固有粘度
(G.重合反応性評価)
固有粘度0.65に到達するまでの時間をブランク(参考例2)と比較して以下の様に評価し、◎、○を合格とした。
○・・・遅延が15分以上30分未満
△・・・遅延が30分以上45未満
×・・・遅延が45分以上
(H.触媒残渣による析出物の定量)
ポリエチレンテレフタレート組成物100gを、オルトクロロフェノール1L、100℃にて10時間溶解、遠心分離を行う。
ASTM−d882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて、下記条件にて測定した。
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
引張速度:200mm/分
測定環境:23℃、65%RH
(参考例1)
触媒A.クエン酸キレートチタン化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を減圧下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
ビスヒドロキシエチルテレフタル酸(試薬:アルドリッチ製)66重量部を250℃、窒素雰囲気下で溶解し、高純度テレフタル酸43.2重量部とエチレングリコール18.6重量部のスラリーを2.5時間かけて徐々に添加し、エステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、リン酸トリメチル0.01重量部を添加後5分攪拌、酢酸マグネシウム0.05重量部、三酸化アンチモン0.12重量部を添加し、290℃まで昇温、減圧し、最終的には133Pa以下の真空度で重縮合反応を行い、固有粘度0.65、カルボン酸末端基29.3eq/tのポリエチレンテレフタレートを得た。
参考例2で得られたポリエチレンテレフタレート組成物を160℃、4時間真空乾燥した後、220℃、8時間、133Pa以下の真空度で固相重合反応を行い、固有粘度0.85のポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
ビスヒドロキシエチルテレフタル酸(試薬:アルドリッチ製)66重量部を250℃、窒素雰囲気下で溶解し、高純度テレフタル酸43.2重量部とエチレングリコール18.6重量部のスラリーを2.5時間かけて徐々に添加し、エステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、リン酸トリメチル0.01重量部を添加後5分攪拌、酢酸マグネシウム0.05重量部、三酸化アンチモン0.12重量部を添加後5分攪拌、緩衝剤としてリン酸水素二カリウム0.013重量部(0.75mol/t相当)を添加し、290℃まで昇温、減圧し、最終的には133Pa以下の真空度で重縮合反応を行い、固有粘度0.65、カルボン酸末端基16.2eq/tのポリエチレンテレフタレートを得た。
三酸化アンチモンを二酸化ゲルマニウム0.017重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエチレンtレフタレートを得た。
リン酸水素二カリウムを、クエン酸二水素カリウム0.034重量部(1.5mol/t相当)に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
三酸化アンチモンを触媒A0.013重量部とする以外は実施例4と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
リン酸水素二カリウムの添加量を0.026重量部(1.5mol/t相当)とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
リン酸水素二カリウムをリン酸0.007重量部、水酸化カリウム0.008重量部(1.5mol/t相当)とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
リン酸水素二カリウムをリン酸二水素ナトリウム2水和物0.012重竜部(0.75mol/t相当)とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
緩衝剤としてリン酸水素二カリウム0.013重量部(0.75mol/t相当)、リン酸二水素ナトリウム2水和物0.012(0.75mol/t相当)の二種類の化合物とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
リン酸水素二カリウムをリン酸トリメチル0.01重量部(0.75mol/t相当)とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
クエン酸水素カリウムをリン酸カリウム0.090重量部(4.25mol/t相当)とする以外は実施例4と同様にして重縮合反応を行ったが、重合度が上がらず、ポリマーが得られなかった。
実施例1で得られたポリエチレンテレフタレート組成物を160℃、4時間真空乾燥した後、220℃、8時間、133Pa以下の真空度で固相重合反応を行い、固有粘度0.85のポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
実施例9で得られた固相重合後のポリエチレンテレフタレート組成物を最表層(A層)とし、参考例2のポリエチレンテレフタレート組成物を中間層(B層)とし、A/B/Aの積層フィルムとする以外は実施例7と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
実施例1で得られたポリエチレンテレフタレート組成物90重量部とポリエーテルイミド(“Ultem”1010:GeneralElectric社製)10重量部を280℃に加熱されたベント式二軸押出機に供給し、剪断速度100sec-1、滞留時間1分にて溶融押出し、ポリエステルAを得た。
実施例9で得られた固相重合後のポリエチレンテレフタレート組成物90重量部とポリエーテルイミド(“Ultem”1010:GeneralElectric社製)10重量部とを実施例11と同様にしてポリエステルB、および二軸延伸フィルムを得た。
緩衝剤としてリン酸水素二カリウム0.026重量部(1.50mol/t相当)、リン酸二水素ナトリウム2水和物0.024(1.50mol/t相当)の二種類の化合物し、リン酸トリメチルの代わりにリン酸を0.005重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。
Claims (5)
- 下記式(I)で示される化合物由来の緩衝剤を0.1〜5.0mol/t含有するポリエチレンテレフタレートであって、該ポリエチレンテレフタレートのカルボン酸末端基数が20eq/t以下、固有粘度が0.6〜1.0、カリウム、および/またはナトリウムの含有量が0.1〜10mol/t、重縮合触媒由来の、アンチモン化合物をアンチモン元素として50〜300ppm、触媒残渣による析出物が0.001重量%以下であるポリエチレンテレフタレート組成物。
POxHyMz ・・・( I )
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはカリウムおよび/またはナトリウムである。) - 請求項1記載のポリエチレンテレフタレート組成物を50〜99 重量%、ポリエーテルイミドを1〜50重量%とを含有したガラス転移点が90〜120℃であるポリエステル組成物であるポリエステル組成物。
- 請求項2に記載のポリエステル組成物からなる二軸延伸フィルム。
- 少なくとも最外層が請求項3記載のフィルムからなる多積層二軸延伸フィルム。
- 請求項3に記載の二軸延伸フィルムが電絶用である二軸延伸ポリエステルフィルム。
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