JP5444623B2 - ポリ乳酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリ乳酸の製造方法に関する。本発明の製造方法を用いることで重合反応釜の腐食がなく残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸を得ることができる。本発明によって製造されたポリ乳酸は、粒状、ペレット状、板状など種々の形態で利用することができる。
近年、環境問題等から、優れた生分解性を有する乳酸系ポリマーを、広く活用しようとする研究が盛んに行われ、製造方法に関しても多くの研究や特許出願がなされている。
しかし従来の乳酸もしくはラクチドの重合体であるポリ乳酸、または乳酸もしくはラクチドと他のモノマーとの共重合体は、成形性、耐熱性において十分な性能を有しているとは言い難く、またポリ乳酸は、特殊な用途を除いては、分解性が早すぎて、汎用樹脂として用いにくい等の問題点があり、分解の抑制、特に貯蔵安定性の向上が重要な開発課題となっている。
同様に成形加工時の樹脂の劣化が激しく、製造した成形体が使用する前に激しい強度劣化を受けてしまう。これらの主な原因は、重合時に残留したラクチド成分、および/または成形加工時に生成したラクチド成分が大気中の水分等によって分解し、有機酸となりポリマー鎖の切断に作用するためである。これに対し、残留ラクチドが少ない乳酸系ポリエステルは、分解は著しく抑制され、貯蔵安定性、成形加工性に優れたものになる。
乳酸系ポリエステルからラクチドを除去する方法については、溶剤によって抽出する方法、良溶剤にポリマーを溶解し貧溶剤中で析出させる方法が実験室レベルの実験においては既知である。工業規模での製造では、特許文献1に二軸押し出し機による方法が、特許文献2にはストランドを減圧にしたポット内でラクチドを揮発させて除く方法が知られている。しかしながら、これらの方法では減圧、加熱下にラクチドを除いてもラクチドの再発生が起こり、樹脂中のラクチド量を容易に減少させることができない。これは重合に使用した触媒が樹脂中に残存しているため、ポリマー鎖からラクチドを生成する反応にも触媒として関与するためである。
特許文献3には、溶剤共存下で乳酸より製造したポリ乳酸からの触媒の除去方法が示されている。この方法は溶剤に溶解しているポリ乳酸に親水性有機溶媒と弱酸を加え触媒成分を除くものである。しかしながら、この方法は大量の溶剤共存下でのポリ乳酸からの触媒の除去方法であり、溶媒の少ない場合は、この方法では触媒が除けず、またポリ乳酸は粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状としているものの、かさ密度については0.6g/mlとしポリ乳酸は製造後に溶剤に溶解し沈澱物を得るような操作を必要としている。また、処理時間についても比較的長時間を要し、かつ複雑な混合物となる廃溶剤の処理方法の問題も生じる。
特許文献4、特許文献5にはリン酸化合物又は亜リン酸化合物を重合反応終了後に添加し、触媒を失活させる方法が示されている。リン酸化合物を重合反応終了時に添加することで触媒を失活でき残留ラクチドの少ないポリ乳酸を得ることができるが、リン酸化合物は、吸湿性があるため取り扱いにくく、腐食性が強いため重合反応に用いる釜を腐食する問題があった。また、亜リン酸化合物を使用することにより、取扱性は改善されるが、触媒を失活させる効果が低減するという問題があった。加えて、重合終了後の高温下でのリン酸化合物又は亜リン酸化合物の添加は、触媒との反応が急激に進行することによる反応液温の急激な上昇や、リン酸化合物又は亜リン酸化合物の気化等安全上の問題もあった。更にリン酸化合物又は亜リン酸化合物の添加の効果を得るためには充分な時間、攪拌する必要があるが、反応終了後のポリ乳酸は、溶融粘度が高いため、攪拌の効率が良くなく、生産性が悪いという側面もあった。
特許文献6にはアルキルホスフェート及び/又はアルキルホスホネートを重合反応終了後に添加し、触媒を失活させる方法が示されている。しかしながら本発明者らが検討したところ、アルキルホスフェート及び/又はアルキルホスホネートを重合反応終了後に添加しても、上述のリン酸化合物と比較すると残留ラクチド低減効果は少なく、貯蔵安定性を満足するポリ乳酸樹脂を得ることができなかった。また、重合終了後の高温下でのアルキルホスフェート及び/又はアルキルホスホネートの添加は、やはり上述と同様の安全上の問題もあった。
特許文献7には重縮合反応時にリン酸または亜リン酸化合物を添加することが示されている。しかし、該特許は乳酸の直接重合によるポリ乳酸の製造を対象としている。また、該特許文献で示されているようにリン酸または亜リン酸を重縮合時に添加すると、反応に必要な触媒をも失活し、例えば実用的な機械的強度を発揮する重量平均分子量が2万〜20万のポリ乳酸を得ることが非常に難しい。またリン酸を添加すると重合反応に用いる釜を腐食する問題もある。
欧州特許532154号公報 特開平5−93050号公報 特開平6−116381号公報 特開平7−228674号公報 特許第2862071号公報 特許第3513972号公報 特開昭62−25121号公報
本発明が解決しようとする課題は、製造時に重合反応釜の腐食がなく、また重合後の残留ラクチドが少なく、貯蔵安定性や成形加工性を満足するポリ乳酸を得るための製造方法を提供することである。
このような課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討の結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、ラクチドを主原料として、触媒を用いたラクチドの開環重合によりポリ乳酸を製造する方法において、重量平均分子量が1万以下の段階で、一般式1で表される有機リン化合物を添加することを特徴とするポリ乳酸の製造方法に関する。
(式中、Rは水素またはアルキル基、Rはアルキル基、Rは一価の有機基を表す。)
本発明によると、製造時に重合反応釜の腐食がなく、しかも残留ラクチドが少ないポリ乳酸が効率よく製造でき、そのポリ乳酸は貯蔵安定性や成形加工性を共に高いレベルで満足することができる。
以下に本発明を更に詳細に説明する。本発明はラクチドを主原料としてラクチドの開環重合によりポリ乳酸を製造する方法において、有機リン化合物の添加時期や添加温度、その他の条件を特徴とするポリ乳酸の製造方法である。
本発明で使用されるラクチドは、D−、L−、DL−またはメソラクチドから選ばれ、共重合も可能である。共重合成分を例示すると、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、4−バレロラクトン、グリコリド等を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。またポリグリセリン、イオン性基含有化合物など多価アルコールを共重合することで、物性をコントロールすることもできる。なお、本発明において「主原料」とはポリ乳酸樹脂全体を100モル%としたときに50モル%以上を意味する。
本発明において用いる重合触媒としては、特に限定されず、オクチル酸スズ、ジブチル酸スズなどのスズ系化合物、アルミアセチルアセトナート、酢酸アルミなどのアルミ系化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタン系化合物、ジルコニウムイソプロオイキシドなどのジルコニウム系化合物、三酸化アンチモンなどのアンチモン系化合物等、いずれもポリ乳酸重合に従来公知の触媒が挙げられる。また添加する触媒量によって最終ポリマーの分子量を調整することもできる。
重合触媒の最適量は、触媒種によって異なるがオクチル酸スズを用いる場合、原料ラクチド重量100重量%に対して0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%の触媒を用い、通常0.5〜10時間加熱重合することでポリ乳酸を製造することが可能である。アルミアセチルアセトナートを用いる場合、0.01〜0.8重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%の触媒を用い、通常0.5〜10時間加熱重合する。反応は窒素など不活性ガス雰囲気または気流中にて行うのが好ましい。
本発明の製造方法において、ラクチドの開環重合開始剤を使用しても良い。例えば脂肪族アルコールのモノ、ジ、または多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽和であってもかまわない。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール等の、ジアルコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール等の多価アルコールおよび乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。特にエチレングリコール、ラウリルアルコールを用いることが好ましい。用いるアルコールの沸点が重合温度より低い場合には加圧下で反応を行う必要がある。アルコールの量は、目的により異なるが、多すぎると分子量が上がりにくくなる傾向にある。好ましくは全モノマー量100モル%に対して0.01〜1モル%の割合で用いられる。
本発明で使用する有機リン化合物は一般式1で表される。Rは水素またはアルキル基、Rはアルキル基、Rは一価の有機基を表す。Rは一価の有機基ならどのような種類でも良いが、好ましくは、アルキル基、芳香族基により置換されたアルキル基、アリール基、オルガニルオキシ基(アルコキシ基、アリールオキシ基)、ヒドロキシ基等が挙げられる。その中で残留ラクチド低減の観点からRが、アルキル基、アルコキシ基であることが最も望ましい。
有機リン化合物のリン原子に直結している水酸基は、1つ以下であることが好ましい。水酸基が2つ以上になると反応釜の腐食の問題が顕著になる場合があるとともに、目標となる分子量のポリ乳酸を得ることが難しくなる場合があるからである。
本発明で使用できる一般式1で表される有機リン化合物としては、次のようなものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい態様であるRが水素、アルキル基、Rがアルキル基、Rがアルキル基、芳香族基により置換されたアルキル基、アリール基である化合物としては、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸メチル、メチルホスホン酸ジエチル、メチルホスホン酸エチル、エチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸メチル、エチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸エチル、オクタデシルホスホン酸ジメチル、オクタデシルホスホン酸メチル、ドデシルホスホン酸ジエチル、2−エチルヘキシルホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル、ブチルホスホン酸ジブチル、ブチルホスホン酸ブチル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸メチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ベンジルホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸ジメチル、2−メチルベンジルホスホン酸メチル、2−メチルベンジルホスホン酸ジエチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチル、ナフチルメチルホスホン酸ジメチル、ナフチルメチルホスホン酸メチル、ナフチルメチルホスホン酸ジエチル、ナフチルメチルホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸メチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸エチル、メチレンビス(ホスホン酸ジエチル)、メチレンビス(ホスホン酸ジイソプロピル)、ビニルホスホン酸ジエチル、アミルホスホン酸ジアミル、オクチルホスホン酸ジエチル、プロピルホスホン酸ジメチル、エチリデンビスホスホン酸テトラキス(1−メチルエチル)、ドデシルホスホン酸ジエチル、(1,1−ジメチルエチル)ホスホン酸ジエチル、(1−メチルエテニル)ホスホン酸ジエチル、イソブチルホスホン酸ジイソブチル、ビニルホスホン酸ジメチル、ジメトキシホスフィニル酢酸メチル、(ジエトキシホスフィニル)酢酸エチル、ホスホノ酢酸トリエチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル、ヒドロキシホスホノ酢酸、α−ヒドロキシ−4−クロロベンジルホスホン酸ジエチル、4−アミノベンジルホスホン酸ジエチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホン酸ジエチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記に列挙した有機リン化合物を有機溶媒に溶解して使用しても良い。使用する溶媒は、開環重合開始剤と同等であっても、種類が異なっても構わない。具体的な溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、キシレン、トルエン、エチレングリコール、ラウリルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましい態様であるRが水素、アルキル基、Rがアルキル基、Rがオルガニルオキシ基、ヒドロキシ基である化合物としては、トリメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、メチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジエチルホスフェート、エチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、ジプロピルホスフェート、プロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、イソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、ジペンチルホスフェート、ペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、ジヘプチルホスフェート、ヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、メチルフェニルホスフェート、ジメチルフェニルホスフェート、エチルフェニルホスフェート、ジエチルフェニルホスフェート、メチルナフチルホスフェート、ジメチルナフチルホスフェート、エチルナフチルホスフェート、ジエチルナフチルホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記に列挙した有機リン化合物を有機溶媒に溶解して使用しても良い。使用する溶媒は、開環重合開始剤と同じであっても、異なっても構わない。具体的な溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、キシレン、トルエン、エチレングリコール、ラウリルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機リン化合物の添加量は、重合に用いる触媒量に対し0.5〜20倍モルが好ましく、特に0.5〜10倍モルが好ましい。0.5倍モルより少ないと触媒を失活できないことがあり、10倍モルより多く添加しても効果に差異が生じない傾向にある。
特にリン原子に直結している水酸基を2つ有する一般式1で表される有機リン化合物の添加量は、特に注意を要する。0.5倍モルより少ないと触媒を失活できない傾向が強く、また10倍モルより多く添加すると重合反応中に触媒を失活させてしまい、目標とする分子量のポリ乳酸を得ることが困難となる可能性があるからである。リン原子に直結している水酸基を2つ有する有機リン化合物は、添加量をより厳密に調整する必要があるということを考慮すると、有機リン化合物は、リン原子に直結している水酸基が1つ以下であることが好ましい。
有機リン化合物の添加時期は、重量平均分子量が1万以下の段階であればいつでも良い。安全性、熱履歴の観点からできるだけ早い段階で添加することが望ましく、具体的には5000以下が好ましく、1000以下が最も好ましい。重量平均分子量が1万より大きい段階で添加すると重合終了までにリン化合物に加えられる熱量(熱履歴)が不十分であるので、有機リン化合物の構造変化が十分でなく、重合触媒を失活できず、ポリ乳酸中の残留ラクチドが多くなる。
重量平均分子量が1万以下の段階で、一般式1で表される有機リン化合物を添加することで残留ラクチドが低減するメカニズムは、本発明者らが核磁気共鳴スペクトル分析、ICP発光分析により検討したところ、重合触媒と錯体を形成することで重合触媒を失活させることが示唆されている。即ち、一般式1で表される有機リン化合物は、添加直後、またその後の重合反応の前期過程では、重合触媒と相互作用できないため、重合触媒が機能し、重合反応が正常に行われ、目標の分子量まで到達可能である。一方で、熱履歴と共に有機リン化合物の構造変化が起こり、重合後期や重合反応終了後は重合触媒を失活させていると推定される。特にリンに直結している水酸基が1つ以下の場合、熱履歴による構造変化がなければ、重合触媒と充分に相互作用できない。本発明において、一般式1で表される有機リン化合物を分子量1万以下の段階で添加することにより、有機リン化合物の熱履歴による構造変化が起こり、重合触媒を失活させていると考えられる。重合触媒が失活すると、ラクチドの副生が抑えられるため、結果的にポリ乳酸中の残留ラクチド量を低減することが可能となる。
リン原子に直結している水酸基を2つ有する有機リン化合物を用いる場合、重合に用いる触媒量に対する添加量が15倍モルより多い場合は、重合反応中に触媒を失活させてしまい、目標とする分子量のポリ乳酸を得られないことがある。好ましくは、リン原子に直結している水酸基を2つ有する有機リン化合物の添加量が10倍モルより少ない場合は、目標とする分子量のポリ乳酸を得ることが可能かつ残留ラクチドを低減できる。
リン原子に直結している水酸基を3つ有する有機リン化合物を添加した場合は、有機リン化合物の種類、添加量に関わらず、重合反応中に触媒を失活させてしまい、目標とする高分子量のポリ乳酸を得られない。
有機リン化合物の添加方法としては特に限定されない。原料であるラクチドと共に添加しても良い。また反応液の温度を上げてラクチド溶解した後に添加しても良い。これらのうち、ラクチドを溶解した後に添加するのが好ましい。ラクチド、有機リン化合物、触媒を速やかに混合することができ、重合効率を高めることができると共に、到達分子量のコントロールが容易になるからである。
本発明において、重量平均分子量1万以下の段階で有機リン化合物を添加する限り、重合触媒と有機リン化合物の添加順序は拘らない。重合触媒と有機リン化合物の相互作用を考慮すると、反応効率の観点より有機リン化合物は重合触媒と同時に添加することが好ましい。ここで言う「同時」というのは、触媒と有機リン化合物を予め混合しても添加してもよいし、混合せずに例えば別々若しくは同じ配管から同時に投入してもよい。
本発明において、ポリ乳酸の重合温度は、ラクチドが溶解し、添加する有機リン化合物の沸点より低い温度であることが好ましい。有機リン化合物の沸点以上で重合すると、例え冷却管を備えていたとしても反応中に有機リン化合物が溜去し、触媒を失活できず残留ラクチド低減することができないおそれがあるからである。重合温度が高ければ、有機リン化合物の構造変化も早く、重合触媒を短時間で失活できるが、ラクチドのラセミ化も進行するため重合温度は、230℃以下が好ましい。即ち、重合温度は、特に100〜230℃が好ましい。
釜の形態、重合温度により最適な重合時間は異なるが、重合温度に到達してから40〜360分反応させることが好ましい。重合時間が、40分より短いと有機リン化合物が、重合触媒を失活できる構造に変化しないおそれがあり、残留ラクチドが低減できない場合がある。また重合時間が360分を超えると、反応中にポリ乳酸の分解が起こり、樹脂が着色することがある。
本発明では、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、香料、抗菌剤、分散剤、重合禁止剤などの各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加できる。
本発明を更に具体的に説明するために以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例における特性値は以下の方法によって測定した。
(1)重量平均分子量
テトラヒドロフランを移動相とした島津製作所製島津液クロマトグラフProminenceを用いて、カラム温度30℃、流量1mL/分にてGPC測定をおこなった結果から計算して、ポリスチレン換算した値を用いた。カラムは昭和電工(株)Shodex KF−802、804、806を用いた。
(2)残留ラクチド量 (wt%)
試料をクロロホルムDに溶解し、400MHzの核磁気共鳴スペクトル(NMR)装置を用い、ポリ乳酸に由来するプロトンの積分値と残留ラクチドに由来するプロトンの積分値の比から算出した。
(3)腐食性の有無
重合後のポリマー0.2gに硝酸3mLを添加し、密閉性高圧湿式分解法により測定液を調整した。測定液をICP発光法により定量化し、Cr原子が0.1ppm以上観測された場合、腐食性ありと判断した。
(4)貯蔵安定性
合成したポリ乳酸を酢酸エチルに溶解した。その溶液を二軸延伸ポリプロピレンフィルムに塗布後、減圧乾燥して剥がすことにより50μmのポリ乳酸薄膜を得た。得られたポリ乳酸薄膜を40℃、85%RHの条件下に放置し、30日後の分子量保持率が50%以上である場合、貯蔵安定性良好と判断した。30日後の分子量保持率が50%より小さい場合、不良と判断した。
<実施例1>
攪拌機、温度計、窒素吹き込み口を備えた2LのSUS304製反応釜にL−ラクチド400g、D−ラクチド100gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら温度120℃でラクチドを溶融した後、オクチル酸スズ0.14g、開始剤としてのエチレングリコール0.5g、トリメチルホスフェート0.29gを添加した。添加時のラクチドの重量平均分子量は500以下であった。その後180℃まで昇温し、重合を1.5時間行い、0.1Torrで0.5時間減圧してポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例2>
攪拌機、温度計、窒素吹き込み口を備えた2LのSUS304製反応釜にL−ラクチド400g、D−ラクチド100gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら温度120℃でラクチドを溶融した後、オクチル酸スズ0.14g、開始剤としてのエチレングリコール0.5gを添加し、180℃まで昇温した。重合を0.3時間おこない、重量平均分子量が8270になった段階で、トリメチルホスフェート0.29gを添加した。その後、重合を1.2時間おこない、0.1Torrで0.5時間減圧してポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。実施例1に比べ、トリメチルホスフェートの熱履歴が少ないため、残留ラクチド量は、やや多くなったが、貯蔵安定性は充分に満足できる樹脂を得ることができた。本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例3>
トリメチルホスフェート0.29gをジメチルホスフェート0.26gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例4>
トリメチルホスフェート0.29gをメチルホスフェート0.23gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例5>
トリメチルホスフェート0.29gをフェニルホスホン酸ジメチル0.39gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例6>
トリメチルホスフェート0.29gをホスホノ酢酸トリエチル0.47gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例7>
トリメチルホスフェート0.29gをトリメチルホスフェート0.024gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。実施例1に比べ、トリメチルホスフェートの量が少ないため、残留ラクチド量は、やや多くなったが、貯蔵安定性は充分に満足できる樹脂を得ることができた。本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例8>
トリメチルホスフェート0.29gをトリメチルホスフェート0.73gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<実施例9>
トリメチルホスフェート0.29gをメチルホスフェート0.58gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。実施例1に比べ、メチルホスフェートの量が多いため到達分子量はやや低くなったが、高分子量ポリ乳酸として充分に満足できる樹脂を得ることができた。本発明の方法によれば腐食性なく、残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸が得られることが分かる。
<比較例1>
攪拌機、温度計、窒素吹き込み口を備えた2LのSUS304製反応釜にL−ラクチド400g、D−ラクチド100gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら温度120℃でラクチドを溶融した後、オクチル酸スズ0.14g、開始剤としてのエチレングリコール0.5gを添加した。その後180℃まで昇温し、重合を1.5時間おこない、0.1Torrで0.5時間減圧してポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。表1より有機リン化合物を添加していないので、残留ラクチドが低減できていないことが分かる。
<比較例2>
攪拌機、温度計、窒素吹き込み口を備えた2LのSUS304製反応釜にL−ラクチド400g、D−ラクチド100gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら温度120℃でラクチドを溶融した後、オクチル酸スズ0.14g、開始剤としてのエチレングリコール0.5gを添加し、180℃まで昇温した。重合を0.5時間おこない、重量平均分子量が12670になった段階で、トリメチルホスフェート0.29gを添加した。その後、重合を1.0時間おこない、0.1Torrで0.5時間減圧してポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。ラクチドの分子量が1万以上の段階で、トリメチルホスフェートを添加しているため熱履歴少なく、残留ラクチド量が多く、貯蔵安定性を満足できるポリ乳酸を得ることができなかった。
<比較例3>
攪拌機、温度計、窒素吹き込み口を備えた2LのSUS304製反応釜にL−ラクチド400g、D−ラクチド100gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら温度120℃でラクチドを溶融した後、オクチル酸スズ0.14g、開始剤としてのエチレングリコール0.5gを添加し、180℃まで昇温した。その後、重合を1.5時間おこない、反応後終了した段階でトリメチルホスフェート0.29gを添加した。その後、0.5時間攪拌後、0.1Torrで0.5時間減圧してポリ乳酸を合成した。トリメチルホスフェート添加時の重量平均分子量は、81200であった。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。ラクチドの分子量が1万以上の段階で、トリメチルホスフェートを添加しているため熱履歴少なく、残留ラクチド量が多く、貯蔵安定性を満足できる樹脂を得ることができなかった。
<比較例4>
トリメチルホスフェート0.29gをジメチルホスフェート0.26gに変更した以外は比較例3と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。ラクチドの分子量が1万以上の段階で、ジメチルホスフェートを添加しているため熱履歴少なく、残留ラクチド量が多く、貯蔵安定性を満足できる樹脂を得ることができなかった。
<比較例5>
トリメチルホスフェート0.29gをメチルホスフェート0.23gに変更した以外は比較例3と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。ラクチドの分子量が1万以上の段階で、メチルホスフェートを添加しているため熱履歴少なく、残留ラクチド量が多く、貯蔵安定性を満足できる樹脂を得ることができなかった。
<比較例6>
トリメチルホスフェート0.29gをポリリン酸(105%)0.19gに変更した以外は比較例3と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。残留ラクチドが少なく、かつ高分子量のポリ乳酸を得ることができるが、ポリマー中のCr原子量が0.1ppm以上観測され、反応釜の腐食が認められた。
<比較例7>
トリメチルホスフェート0.29gをポリリン酸(105%)0.19gに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸を合成した。
樹脂の還元粘度、残留ラクチド量、腐食性の有無を測定した結果を表1に示す。P−OH結合を3つ有するポリリン酸を分子量1万以下の段階で添加すると、高分子量ポリ乳酸を得られず、反応釜の腐食も認められた。
本発明によると、製造時に重合反応釜の腐食がなく、しかも残留ラクチドが少ないポリ乳酸が効率よく製造でき、そのポリ乳酸は貯蔵安定性や成形加工性を共に高いレベルで満足することができる。

Claims (3)

  1. ラクチドを主原料として、スズ系化合物のみの触媒を用いたラクチドの開環重合によりポリ乳酸を製造する方法において、重量平均分子量が1万以下の段階で、一般式1で表される有機リン化合物を添加することを特徴とするポリ乳酸の製造方法。
    (式中、R1は水素またはアルキル基、R2はアルキル基、R3一価の有機基で、アルキル基、芳香族基により置換されたアルキル基、アリール基、オルガニルオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。)
  2. 一般式1で表される有機リン化合物の添加量が、重合に用いる触媒量に対し0.5〜20倍モルである請求項1に記載のポリ乳酸の製造方法。
  3. 一般式1で表される有機リン化合物と重合触媒を同時に添加することを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸の製造方法。
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