JP3513972B2 - 低ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法 - Google Patents
低ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法Info
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Description
乳酸系ポリエステルの製造方法に関する。詳しくは、脱
揮工程、成形加工工程において、残留ラクタイドの昇華
による装置への付着、生成乳酸系ポリエステルの分解が
少なく、かつ製造された乳酸系ポリエステルの残留ラク
タイドの少ない乳酸系ポリエステルの製造方法に関する
ものである。
有する乳酸系ポリマーを、広く汎用ポリマーとして活用
しようとする研究が盛んに行われ、製造方法に関する多
くの研究、特許出願がなされている。
合体であるポリ乳酸、もしくはラクタイドと他のモノマ
ーとの共重合体は、成形性、耐熱性において十分な性能
を有しているとは言い難く、またポリ乳酸は、特殊な用
途を除いては、分解性が早すぎて、汎用樹脂として用い
にくい等の問題点があり、分解の抑制、特に貯蔵安定性
の向上が重要な開発課題となっている。
製造した樹脂が使用する前に激しい強度劣化を受けてし
まう。これは、重合時に残留したラクタイド成分、およ
び、または成形加工時に生成したラクタイド成分が大気
中の水分等によって分解し、有機酸となりポリマー鎖の
切断に働くためである。これに対し、残留ラクタイドが
少ない乳酸系ポリエステルは、分解は著しく抑制され、
貯蔵安定性に優れた乳酸系ポリエステルをつくることが
できる。
する方法については、溶剤によって抽出する方法、良溶
剤にポリマーを溶解し貧溶剤中で析出させる方法が実験
室レベルの実験においては既知である。工業規模での製
造では、欧州特許532154号公報に2軸押し出し機
による方法が、特開平5−93050号公報にはストラ
ンドを減圧にしたポット内で揮発分として除く方法が知
られている。
熱下にラクタイドを除いてもラクタイドの再発生が起こ
り、樹脂中のラクタイド量を容易に減少させることがで
きない。これは重合に使用した触媒が、ポリマー鎖から
ラクタイドを生成する反応の触媒作用に寄与するためで
ある。
共存下で乳酸より製造したポリ乳酸からの触媒の除去方
法が示されている。この方法では溶剤に溶解しているポ
リ乳酸に親水性有機溶媒と弱酸を加え触媒成分を除くも
のである。
下でのポリ乳酸からの触媒の除去方法であり、溶媒の少
ない場合は、この方法では触媒が除けず、またポリ乳酸
は粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状とし
ているものの、かさ密度については0.6g/mlとし
ポリ乳酸は製造後に溶剤に溶解し沈澱物を得るような操
作を必要としている。また、処理時間についても比較的
に長時間を要し、かつ複雑な混合物となる廃溶剤の処理
も煩雑である。
めに亜リン酸、リン酸、ピロリン酸、およびポリリン酸
を加えることについては、特開昭62−25121号公
報に開示されている。亜リン酸はH3PO3、リン酸はH
3PO4で示され、ピロリン酸はH4P2O7 およびポリリ
ン酸は(HO)2POO(PO)nPO(OH)2 で示さ
れる。該特許に開示されている他の化合物の構造につい
て以下に示す。
表わす)
表わす)
原子を表わす)
せることはなく、脱揮、および成形加工時にラクタイド
の発生を抑制させるものではなく、また添加時期も重合
開始時から行うことができるものである。
する課題は、脱揮工程、成形加工工程において、残留ラ
クタイドの昇華による装置への付着、生成乳酸系ポリエ
ステルの分解が少なく、かつ製造された乳酸系ポリエス
テルが十分な高分子量、耐熱性を有し、残留ラクタイド
の少ない乳酸系ポリエステルの製造方法を提供すること
にある。
べく、本発明者らは鋭意検討の結果、乳酸系ポリエステ
ルの重合後に、重合触媒の失活剤を添加し減圧下に脱揮
を行い乳酸系ポリエステルを製造すると、ポリマー鎖の
切断を最小に抑え、貯蔵安定性に優れた乳酸系ポリエス
テルが製造できることを見い出し、本発明を完成させる
に到った。
後に、重合触媒に対する失活剤を添加する残留ラクタイ
ドの少ない乳酸系ポリエステル(低ラクタイド含有乳酸
系ポリエステル)の製造方法であって、該失活剤がアル
キルホスフェート及び/又はアルキルホスホネートであ
ることを特徴とする残留ラクタイドの少ない乳酸系ポリ
エステルの製造方法である。
ポリエステル重合後の粒状物を得る前に添加することを
特徴とする残留ラクタイドの少ない乳酸系ポリエステル
の製造方法、失活剤を乳酸系ポリエステル重合後に添加
し、減圧下に揮発成分を脱揮除去して粒状物を得ること
を特徴とする残留ラクタイドの少ない乳酸系ポリエステ
ルの製造方法。
反応後の粒状物に重合触媒に対する失活剤を添加して成
形加工することを特徴とする残留ラクタイドの少ない乳
酸系ポリエステルの製造方法を含むものであり、更に詳
しくは該失活剤がアルキルホスフェート及び/又はアル
キルホスホネートであることを特徴とする乳酸系ポリエ
ステルの製造方法である。
ル重合後の粒状物に添加し、減圧下に揮発成分を脱揮除
去して成形加工することを特徴とする残留ラクタイドの
少ない乳酸系ポリエステルの製造方法を含むものであ
る。
ポリ乳酸であるか、または乳酸成分50〜98部と、ジ
カルボン酸成分とジオール成分とから成るポリエステル
2〜50部とから成るものであることを特徴とする、残
留ラクタイドの少ない乳酸系ポリエステルの製造方法で
ある。
ルを薄膜蒸留機を用いて、温度150〜180℃、減圧
度0.01〜30torrで乳酸系ポリエステル中の残
留ラクタイドを除去すること、また重合後の乳酸系ポリ
エステルを2軸押し出し機型脱揮装置を用いて、温度1
50〜180℃、減圧度0.01〜30torrで乳酸
系ポリエステル中の残留ラクタイドを除去すること特徴
とする残留ラクタイドの少ない乳酸系ポリエステルの製
造方法を含むものである。
発明で使用する触媒失活剤は酸性化合物であることが、
使用する触媒と結合し活性を失わせるために好ましく、
重合反応に使用した重合触媒により変化するが、一般に
1つ以上のリン酸またはリン酸エステル類を有する化合
物、または、1つ以上のカルボン酸を有する化合物、1
つ以上の硫酸または硫酸エステル類を有する化合物、1
つ以上の硝酸または硝酸エステル類を有する化合物、お
よびこれらの混合物が挙げられる。
よく触媒と結合するためにはリン酸またはリン酸エステ
ルを有する化合物が好ましく、一般にはアルキルホスフ
ェートと呼ばれる化合物とアルキルホスホネートと呼ば
れる化合物群であり、一般式5で示すアルキル鎖はモノ
アルキル化合物およびジアルキル化合物またはこれらの
混合物が特に好ましい。
はアルキル基またはアルコキシル基またはヒドロキシル
基を表わす。但し、R 1及びR 2が共にアルキル基であ
る場合を除く。)
20以下のアルキル鎖を1つもしくは2つを有するリン
酸エステル類とこれらの混合物が好ましい。さらに具体
的名称を挙げれば、モノメチルホスフェート、ジメチル
ホスフェート、モノエチルホスフェート、ジエチルホス
フェート、モノプロピルホスフェート、ジプロピルホス
フェート、モノイソプロピルホスフェート、ジイソプロ
ピルホスフェート、
ェート、モノペンチルホスフェート、ジペンチルホスフ
ェート、モノヘキシルホスフェート、ジヘキシルホスフ
ェート、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフ
ェート、モノエチルヘキシルホスフェート、ジエチルヘ
キシルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジデシ
ルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ジイソ
デシルホスフェート、
ルホスフェート、モノドデシルホスフェート、ジドデシ
ルホスフェート、モノテトラデシルホスフェート、ジテ
トラデシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェー
ト、ジヘキサデシルホスフェート、モノオクタデシルホ
スフェート、ジオクタデシルホスフェート、モノフェニ
ルホスフェート、ジフェニルホスフェート、モノベンジ
ルホスフェート、
ルホスホネート、モノエチルエチルホスホネート、モノ
プロピルプロピルホスホネート、モノイソプロピルイソ
プロピルホスホネート、モノブチルブチルホスホネー
ト、モノペンチルペンチルホスホネート、モノヘキシル
ヘキシルホスホネート、モノオクチルオクチルホスホネ
ート、モノエチルヘキシルエチルヘキシルホスホネー
ト、
デシルイソデシルホスホネート、モノウンデシルウンデ
シルホスホネート、モノドデシルドデシルホスホネー
ト、モノテトラデシルテトラデシルホスホネート、モノ
ヘキサデシルヘキサデシルホスホネート、モノオクタデ
シルオクタデシルホスホネート、モノフェニルフェニル
ホスホネート、モノベンジルベンジルホスホネート、ジ
メチルホスホネート、
ネート、ジイソプロピルホスホネート、ジブチルホスホ
ネート、ジペンチルホスホネート、ジヘキシルホスホネ
ート、ジオクチルホスホネート、ジエチルヘキシルホス
ホネート、ジデシルホスホネート、ジイソデシルホスホ
ネート、ジウンデシルホスホネート、ジドデシルホスホ
ネート、ジテトラデシルホスホネート、ジヘキサデシル
ホスホネート、
ホスホネート、ジベンジルホスホネート、およびこれら
の混合物が使用できる。混合物については一般にアルキ
ルアシッドホスフェートと称されるものもある。化合物
中のジアルキル鎖については、2つのアルキル鎖が異な
っていてもよく、またこれらの混合物でも問題ない。
ステル類の開環重合触媒、エステル交換触媒としても知
られる錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウ
ム、ゲルマニウム、コバルト等の金属およびその誘導体
が挙げられ、これらの誘導体については特に金属有機化
合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が知られている。
より具体的には、オクタン酸錫、塩化錫、塩化亜鉛、酢
酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタ
ン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムが挙げられ
る。
ステルの重量に対して0.005〜0.5重量%が好ま
しい。反応速度が十分に速く、かつ得られた乳酸系ポリ
エステルの着色を少なくするためには、特に0.02〜
0.1重量%が好ましい。
乳酸を溶剤の存在、非存在下に減圧、脱水によって縮合
して得られるポリ乳酸、および他のヒドロキシカルボン
酸と乳酸の共重合体と、乳酸を環状二量化した化合物で
あるラクタイドを開環重合したポリ乳酸、および他の環
状エステルとの共重合体、および共重合可能なヒドロキ
シル基を持ったポリマーとの共重合体を挙げることがで
きる。
る。すなわち、乳酸にはL−乳酸、D−乳酸が存在す
る。L−乳酸、またはD−乳酸のみを含む重合体は結晶
化し、高融点が得られる。本発明の乳酸系ポリエステル
はこれら2種の乳酸を組み合わせることによって好まし
い樹脂特性を実現できる。
酸はL−乳酸を総乳酸中、75%以上を含むものが好ま
しく、さらに高い熱物性を発現するためには、乳酸はL
−乳酸を総乳酸中90%以上を含むものが好ましい。
あるが柔軟性に欠けることが知られている。本発明で使
用する乳酸系ポリエステルはジカルボン酸成分とジオー
ル成分からなるポリエステルと共重合することによって
柔軟かつ耐熱性の高い乳酸系ポリエステルを製造するこ
とができる。
ン酸成分とジオールから成るポリエステルを意味する。
また、ポリエステルの分子量は、高いことが好ましく、
具体的には重量平均分子量で10,000〜250,0
00が好ましく、ジカルボン酸成分とジオール成分のモ
ル比は1前後であることが好ましい。
は、具体的には、芳香族ジカルボン酸成分、具体的には
フタル酸、イソフタル酸および/またはテレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。また、
炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分であるこ
とが好ましい。具体的にはコハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、等が挙げられる。この他にダイマー酸等も
挙げられる。
ないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノー
ルA、キシレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブ
タンジオール、3−ヒドロキシピバリルピバレート等が
挙げられる。
シアルキレンが耐熱性の向上のために好ましく、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコール、ポリペンタンジオール、ポリテトラ
メチレングリコール等が挙げられる。
性質によって、より高い融点、ガラス転移温度を実現で
き、本発明で得られる乳酸系ポリエステルは室温以上の
ガラス転移点や160℃以上の融点も実現できる。この
目的のため、ポリ乳酸成分(L)とポリエステル成分
(P)の構成割合はL/Pが50/50〜98/2であ
り、さらに、高い透明性と高い高度を得る為には、L/
Pが70/30〜98/2であることが好ましい。さら
に、高い透明性と柔軟な特性を得る為には、L/Pが5
0/50〜70/30であることが好ましい。
広い温度範囲で成形加工することができるために好まし
く、具体的には重量平均分子量で20,000〜40
0,000である。この分子量の範囲の乳酸系ポリエス
テルをシート化すると高い強度のシートから柔軟なシー
トまで得られ、具体的には引っ張り粘弾性として500
〜50,000kg/cm2 のシートが得られる。
らなるポリエステルと乳酸成分からなるポリ乳酸系ポリ
エステルの製造方法を順に説明する。ラクタイドとポリ
エステルの混合物を加温溶融させ、または溶剤によって
混合後、重合触媒を添加する。反応温度はラクタイドの
融点以上であると、反応系を均質にでき、速い重合速度
が得られて好ましい。
点以上、かつ180℃以下の温度が反応の平衡上望まし
く、また分解反応にともなう乳酸系ポリエステルの着色
を防ぐことができる。ラクタイドの融点は100℃付近
であり、100℃以上185℃以下の温度、更に好まし
くは、145〜180℃が反応の平衡上望ましく、分解
反応に伴う乳酸系ポリエステルの分子量の低下や着色を
防ぐことができる。
に適した雰囲気は乾燥した不活性ガスがよい。特に窒
素、アルゴンガス雰囲気下、またはバブリング状態で反
応を行う。同時に原料成分も水分を除去し、乾燥させて
おく必要がある。
め、溶剤等を使用して反応できる。使用できる溶剤の例
として、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソプロ
ピルエーテルが挙げられる。
応釜を使用し製造することも可能であるが、一般に、樹
脂粘度が1万ポイズを越えるような高粘度領域では、重
合熱はもとより、攪拌剪断応力により発生する攪拌熱の
発生が激しく、動的攪拌ではその攪拌部に於ける局所的
発熱が著しくなる為、剪断応力が小さく、しかも均一に
作用するスタティック・ミキサーの使用が好ましい。
であり、複数のスタティック・ミキサーを線状に連結
し、不活性ガス雰囲気下で原料仕込み口から原料を連続
的に供給し、反応物がスタティック・ミキサー内を連続
的に移動することにより、反応を連続的に、しかも外部
大気に全く触れることなく、原料仕込みから、反応、脱
輝、ポリマーのペレット化までを行なうことが出来る。
CSTRによる連続重合、2軸押し出し機等による連続
反応も有効である。いわゆるリアクティブプロセッシン
グによる、製造、成形を同時に行うことも可能である。
これらの反応も連続的に、しかも外部大気に全く触れる
ことなく、原料仕込みから、反応、脱輝、ポリマーのペ
レット化までを行なうことが出来る。
することが好ましい。重合工程中に添加すると触媒が失
活し、反応が中途で終了し残留モノマー成分が大量に発
生する。具体的な添加時期についてはラクタイド等のモ
ノマーのポリマーへの転化率が85%〜99%が好まし
く、更に効率よい脱揮工程を考慮すると93%〜99%
であることが好ましい。
反応条件によって大きく変化するが反応終了後のポリマ
ー取り出し前に触媒重量の50%から400%を添加す
ることが好ましい。失活剤はポリマー鎖の切断を最小に
抑えることができる。失活反応は攪拌の具合に大きく依
存するが比較的早く、3分程度で十分であり、好ましく
は5〜20分である。失活反応温度は140℃〜200
℃が好ましい。
では重合反応終了後に添加攪拌し、取り出すことが好ま
しい。または、取り出しライン中に添加ラインをつくり
混合し取り出すことも可能である。スタティックミキサ
ー、CSTR、および2軸押し出し機による連続反応の
場合には反応終了点以降に失活剤の添加ラインをつくり
混合し取り出すことが好ましい。
剤を使用し、重合後にこれを除く場合、および重合後に
残留モノマー成分や臭気成分等を除くための脱揮槽を有
する場合には、失活剤の添加時期は重合反応終了後、脱
揮槽までの間がポリマー鎖の分解を抑えて揮発分の発生
を防ぎ、脱揮効率を上げるために好ましい。溶剤を除く
為の脱揮槽とモノマー成分を除く脱揮槽を別個に持つ場
合はいずれの脱揮槽の前でもかまわない。
る、即、まぶす、塗る、混合する方法もある。粒状物、
一般に言うペレットに失活剤を混ぜて、成形加工時に反
応させて、必要に応じ脱揮して成形することが可能であ
る。フィラー、顔料等の添加剤を充填しリペッレットす
る際に同時に添加することもできる。また、成形加工時
の押し出し機、射出成形機中に添加ラインを設けて使用
することもできる。
法でポリ乳酸系ポリエステルを製造する場合、添加時期
は重合終了後の有機溶剤共存下に添加しても良いし、溶
剤を除き樹脂成分のみに単離した後に添加する、または
特開平6−116381に示されているような方法で触
媒を取り除いた後にごく少量残った触媒成分の失活に使
用することもできるし、リペレット時に添加することも
できる。
び臭気を持った物質を取り除く目的で減圧下に脱揮を行
うことが望ましい。この脱揮工程によって残留ラクタイ
ド量を減少することができ、得られた乳酸系ポリエステ
ルの保存安定性を著しく増すことが出来る。また残留ラ
クタイドは、乳酸系ポリエステルをシート状にした場
合、水分の付着等による加水分解や熱による融着の原因
となり好ましくない。
により飛散する為、包装商品の汚染を生じ好ましくな
い。この為、本発明の乳酸系ポリエステル中の残留ラク
タイド量は、1重量%以下にすることが望ましく、さら
に好ましくは0.1重量%以下にすることが好ましい。
圧下、加熱しながら取り出しを行う方法が好ましい。乳
酸系ポリエステルの分子量を低下させない為に、脱揮条
件は、脱揮時間は2〜30分、温度は145〜230
℃、減圧度は0.1〜50Torrで行なうことが好ま
しい。その他の脱揮方法としては、重合終了後に、乳酸
系ポリエステルをペレット化、または粉砕し、減圧下、
加熱しながら取り出しを行う方法がある。この場合も乳
酸系ポリエステルの分子量を低下させない目的で脱揮時
間は15〜400分、温度は60〜200℃、減圧度は
0.1〜50Torrが好ましい。
用する装置については特に問わないが、溶融状態または
固体状、粉体状の乳酸系ポリエステルを760torr
以下の減圧状態においてラクタイド、溶剤、および臭気
成分を除く方法がある。具体的にはストランド状にした
乳酸系ポリエステルを減圧にしたポットに導入し揮発分
を取り除き排出する方法、薄膜蒸留機型の脱揮装置、2
軸押し出し機型の脱揮装置が連続的な工程上好ましく、
推奨されるものである。
る方法として、薄膜蒸留型の脱揮装置、2軸押し出し機
型の脱揮装置が好ましく利用できる。薄膜蒸留装置とし
ては、円筒状の外壁とこの内側に液材料を壁面に押しつ
けるための攪拌翼を有し、下部には処理した液材料を装
置外へ取り出すための機構が備わっているものが好まし
い。
液材料中の揮発成分を取り除くことができる。装置は円
筒状の本体を横置きにしたもの、縦置きにしたものの両
者があるが、本発明の乳酸系ポリエステルからの脱揮の
ように高粘度の溶融樹脂を処理する場合には縦置きの方
が重力による排出を行うことができ好ましい。
の胴部分の縦横比は縦長状のものの方が攪拌翼にかかる
トルクが小さく、体積の割に大きな脱揮面積を得ること
ができ好ましい。液材料を壁面に押しつけるための攪拌
翼は有効な脱揮表面積を得る目的において重要な役割を
有し、2条以上の条数は必要であり、パドル翼のような
分割型の翼またはヘルカル翼のような一体型の翼のいず
れもを使用できる。
時間を決定し、少ない方が表面効率のよい液膜を作成で
きるがせん断力は大きくかかり兼ね合いを図る必要があ
る。下部の処理した液材料を装置外へ取り出すための機
構については、重力によって自重にまかせて取り出すこ
とも可能であるが、スクリュー翼のようなもので抜き出
す方法、ギヤポンプで排出する方法のように動力を用い
た方が安定した抜き出しが行える。
液材料中の揮発成分を取り除くが、この揮発成分が攪拌
翼で析出したり、減圧配管中で析出したりしないように
保温する必要がある。また薄膜蒸留機内部を減圧する方
法としては脱揮する液材料の入口近傍から減圧にする、
つまり流れ方向に対して逆方向に減圧する方法と、脱揮
する液材料の出口近傍から減圧にする、つまり流れ方向
に対して順方向に減圧する方法がある。減圧方向は特に
問わないが、高粘度のものの脱揮の場合、逆方向に減圧
することが減圧系の配管を汚染することが少なく好まし
い。
は、重合後に減圧下、加熱しながら行う方法が好まし
い。重合された乳酸系ポリエステルからのラクタイドの
再発生を防ぎ、分子量を低下させずに有効な脱揮を行う
為には、脱揮時間は0.5〜30分、好ましくは0.5
〜15分、更に好ましくは0.5〜5分、温度は145
〜230℃、好ましくは155〜190℃、更に好まし
くは155〜180℃、減圧度は0.01〜50Tor
r、好ましくは0.01〜30Torr、更に好ましく
は0.01〜10Torrで行なう。
ァクターとなるが、100kgの樹脂に対して、大凡1
m3 程度の表面積を目安に脱揮を行うことが好ましい。
攪拌翼の回転数は速い方が表面更新が素速く行われ好ま
しいが、せん断応力がかかるために樹脂ごとに適切な値
を検討する必要がある。
樹脂への添加物の混ぜ込み、または、成形加工用にし使
用されてきた。しかし、近年、ベントポートを据え付
け、樹脂の臭気や異物を取り除くことが出きるような機
器が広く実用化されつつある。さらに樹脂からの揮発分
の除去にも使用できるようになっている。
において重要な役割を有し、ベントポート内部を減圧に
し揮発分を除く際に、揮発分と同時に樹脂自体も減圧系
に流入(所謂ベントアップ)しないようにシリンダーの
形状を考慮する必要があり、更に、スクリューとの組み
合わせも検討が必要である。ベントポートは必要に応じ
1個以上設ける必要がある。
述のベントアップを防ぐことが必要である。さらに、途
中に添加剤、特に本発明で開示するような触媒の失活剤
を添加するようなラインを2軸押し出し機内に据え付け
ることも可能である。
において重要な役割を有し、2条以上の条数は必要であ
り、脱揮ポートの密閉度を保つ目的のために脱揮ポート
間にダルメージまたはリング状の密閉機構を有すること
が望ましい。途中に添加剤、特に本発明で開示するよう
な触媒の失活剤を添加するようなラインを2軸押し出し
機内に据え付ける際には混練効果の高いニーディング用
のスクリューを部分的に持たせることが好ましい。
が同方向回転と異方向回転がある。同方向2軸回転の場
合、完全噛み合い型にすることができ、軸のセルフクリ
ーニング性に優れる。異方向2軸回転の場合、ベントポ
ートの開口部に対して開く方向と閉まる方向に回転させ
ることが可能で、広い脱揮実効面積がとれ、多くの樹脂
の製造には異方向回転が多用されている。しかしなが
ら、異方向回転は樹脂にかかるせん断が強く、ポリマー
鎖の切断に寄与する可能性が高い為、本発明では同方向
2軸回転がより好ましい。
がうまく行かない場合などは、排出部にギヤポンプを設
置し排出する方法を用いた方が安定した抜き出しが行え
る。2軸押し出し機のベントポート内部は減圧されてお
り、液材料中の揮発成分を取り除くが、この揮発成分が
ベントポート内で析出したり、減圧配管中で析出したり
しないようにベントポートおよび真空配管を保温する必
要がある。具体的には、温度150〜180℃、減圧度
0.01〜30torrで、重合後の乳酸系ポリエステ
ル中の残留ラクタイドを除去する。
ては、重合反応終了後に、乳酸系ポリエステルを溶剤に
溶解し、貧溶剤に加えることによって重合体を得る再沈
澱法がある。乳酸系ポリエステルを溶解する溶剤として
は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
トン、イソプロピルエーテル、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン等と、これ
らの混合溶剤が溶解性が良く好ましく、貧溶剤としては
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ジエシルエーテル等とこれらの混合溶剤が
挙げられる。
2〜20重量%の濃度で乳酸系ポリエステルを溶解後、
攪拌しながら2〜15倍量の貧溶剤中に徐々に加え、1
0〜180分静置し沈澱を生成させ取り出しを行う方法
が好ましい。取り出した沈澱を減圧下または、および加
熱状態下に残留した溶剤を取り除く。これらの脱揮方法
によって、通常、2.5%程度残留しているラクタイド
を1.0%以下、さらに必要に応じ、0.1%以下に減
少させることができる。
は、重合反応終了後の乳酸系ポリエステルをポリマーの
貧溶剤でありかつ揮発成分を溶解できるような溶剤中の
入れることによって重合体から揮発成分を除く溶剤によ
る洗浄方法がある。乳酸系ポリエステルを洗浄する溶剤
としては、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸メチル、酪
酸エチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロ
ピルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ジエシルエーテル等とこれらの混合溶
剤が挙げられる。
がら溶剤の2〜80重量%の重量の乳酸系ポリエステル
をいれ、攪拌しながら2〜15分洗浄し沈澱樹脂を取り
出し、減圧下、および/または加温下に乾燥を行う方法
が好ましい。
以外の他の成分を更に加えて乳酸系ポリエステルを作る
こともできる。特に軟質化を目的としてラクトンおよび
ヒドロキシカルボン酸成分を1〜20重量%加えること
が出来る。これら成分ついては特に限定はないが、具体
的にはグリコライド等のヒドロキシ酸の環状二量化物
や、分子内ラクタイド類、特にε−カプロラクトン、γ
−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン等とこれらに
相当するヒドロキシカルボン酸類が挙げられる。ラクト
ン等の量が増加するとガラス転移点、融点が低くなり柔
軟性が高くなる。
る乳酸系ポリエステルから、高い柔軟性を有する乳酸系
ポリエステルまでを提供できる。即ち、分解性、引っ張
り粘弾性にして500〜50,000kg/cm2 を有
し、広く汎用樹脂として使用し得るシートおよびフィル
ム等の包装材料用樹脂、発泡用樹脂、押し出し成形用樹
脂、射出成形用樹脂、インキ用樹脂、ラミネーション用
樹脂等の汎用樹脂として有用なポリマーを提供すること
ができ、特に包装材料用ポリマーの製造方法として有用
である。
的なフィラー、例えばタルク、炭酸カルシウム、シリ
カ、クレー、ケイソウ土、パーライト等の無機系充填
剤、或いは木粉等の有機系充填剤を混入添加しても良
い。また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール(BHT)、ブチル・ヒドロキシアニソール(BH
A)の様な酸化防止剤、サリチル酸誘導体、ベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、およ
び、燐酸エステル、イソシアネート、カルボジイミド等
の安定剤を使用し、成形時の熱的安定性を向上させるこ
とができる。
るものではないが、乳酸系ポリエステルの重量に対し
て、通常0.1〜10%の量で添加することが好まし
い。また、本発明の乳酸系ポリエステルは、単独で十分
可塑化効果があり、成形性を有するが、特に高い可塑化
を図る場合には、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジ
オクチル、トリオクチルトリメリテート、フタル酸ジエ
チル、
コールアジピン酸、アジピン酸ブタンジオール等の可塑
剤を添加しても良い。なかでも、アジピン酸系ポリエス
テル可塑剤は、特に相溶性、添加による可塑化効果から
好ましく、重量平均分子量が20,000以下、かつポ
リエステルの末端がアルコール等で封止されているもの
が、成形、加工時に安定性が良く特に好ましい。
るものではないが、過剰の可塑剤が樹脂から溶出する現
象、ブリーディングを避ける目的で、乳酸系ポリエステ
ルの重量に対して1〜30%の量で添加することが好ま
しい。またステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、鉱油、流
動パラフィン、エチレンビスステアリルアマイド等の滑
剤、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル
等の非イオン系、アルキルスルホン酸塩等のイオン系等
の界面活性剤、酸化チタン、カーボンブラックの様な着
色剤等の添加も差し支えない。
良い生分解性を持ち、汎用樹脂、包装材料等に使用され
た後に廃棄されたり、製造工程上から廃棄されたとして
も、廃棄物の減量に役立つ。特に海中に投棄された場合
でも、加水分解、微生物等による分解を受ける。海水中
での分解も数カ月の間に樹脂としての強度が劣化し、外
形を保たないまでに分解可能である。
が良好に行われるために、貯蔵安定良く保存ができ、成
形加工時に樹脂の分解を抑制でき、加工性にも優れる。
押出成形、射出成形、インフレーション成形、積層成
形、プレス成形等の種々の方法により成形加工を行うこ
とができ、汎用樹脂に使用されている既存装置を用いて
成形することが可能であり、特に包装材料として有用で
ある。
袋、レジ袋、一般規格袋、重袋等の袋類、農業用、食品
用、工業用、繊維用、雑貨等の包装材用途や、結束テー
プ、農業用マルチフィルム等、またシート、射出成形品
としては、農業用、食品用、工業用シートを始め、トレ
ー、日曜雑貨、食品容器、養生シート、苗木ポット、産
業資材、工業用品等として有用である。
さらに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載の
ない限り全て重量基準である。
フタル酸成分25モル%、イソフタル酸成分25モル
%、エチレングリコール成分20モル%、ネオペンチル
グリコール成分30モル%、数平均分子量39,400
(ポリスチレン換算)、軟化点163℃)5重量部にL
−ラクタイド93重量部とD−ラクタイド2重量部を加
えて、不活性ガスで雰囲気を置換し、165℃で1時
間、両者を溶融・混合させ、エステル化触媒としてオク
タン酸錫を400ppm加えた。
モノステアリルホスフェートとジステアリルホスフェー
トの混合物の10%トルエン溶液を8000ppm加
え、20分攪拌し、乳酸系ポリエステル組成物を作成し
た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下G
PCと略す。)の結果から原料芳香族系ポリエステルの
分子量よりも大きな重量平均分子量158,000を持
った乳酸系ポリエステルが確認された。
が生成していた。ラクタイドモノマーは3.9%が残留
した。この乳酸系ポリエステル組成物を4torrの真
空度、200℃で残留ラクタイドを除いた。60分でラ
クタイドは検出不能になった。分子量の減少はみられな
かった。
フタル酸成分30モル%、イソフタル酸成分20モル
%、エチレングリコール成分20モル%、ビスフェノー
ルAジエチレングリコールエーテル30モル%、数平均
分子量54,200(ポリスチレン換算)、軟化点18
0℃)15重量部にL−ラクタイド82重量部とD−ラ
クタイド3重量部を加えて、不活性ガス雰囲気下で、1
70℃で1時間、両者を溶融・混合させ、エステル化触
媒としてオクタン酸錫を500ppm加えて6時間、反
応を行った。
トとジイソプロピルホスフェートの混合物を300pp
m加え、5分攪拌し、乳酸系ポリエステル組成物を作成
した。重量平均分子量102,000の乳酸系ポリエス
テルが確認された。ラクタイドモノマーは4.2%が残
留した。この乳酸系ポリエステル組成物を7torrの
真空度、220℃で残留ラクタイドを除いた。45分で
ラクタイドは0.9%になり、分子量の減少はみられな
かった。
シン酸成分48.5モル%、プロピレングリコール成分
48.5モル%、ピロメリット酸成分3モル%、重量平
均分子量62,000)3重量部にL−ラクタイド95
重量部とD−ラクタイド2重量部を加えて、不活性ガス
で雰囲気を置換し、165℃で1時間、両者を溶融・混
合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を500p
pm加えて6時間、反応を行い、乳酸系ポリエステル組
成物を作成した。
ジオクチルホスフェートの混合物を800ppm加え、
5分攪拌し、乳酸系ポリエステル組成物を作成した。重
量平均分子量210,000の乳酸系ポリエステルと確
認された。ラクタイドモノマーは3.8%が残留した。
この乳酸系ポリエステル組成物を4torrの真空度、
170℃で残留ラクタイドを除いた。60分でラクタイ
ドは検出不能になり、分子量の減少はみられなかった。
シン酸成分48.5モル%、ポリプロピレングリコール
48.5モル%、ピロメリット酸成分3モル%重量平均
分子量120,000)50重量部にL−ラクタイド4
9重量部とD−ラクタイド1重量部を加えて、不活性ガ
スで雰囲気を置換し、165℃で1時間、両者を溶融・
混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を400
ppm加え4時間反応させた。
ートとジエチルヘキシルホスフェートの混合物を800
ppm加え、10分攪拌し、乳酸系ポリエステル組成物
を作成した。GPCの結果から重量平均分子量123,
500の乳酸系ポリエステルと確認された。ラクタイド
モノマーは2.0%が残留した。この乳酸系ポリエステ
ル組成物を2torrの真空度、165℃で残留ラクタ
イドを除いた。15分でラクタイドは検出不能になっ
た。分子量の減少はみられなかった。
攪拌翼を備えた4リッターの内容量を持った満液式の攪
拌式反応器を3器直列に配置した反応装置と、この最終
反応槽に1/2インチのスタティック・ミキサー(ノリ
タケ製ケニックス式スタティックミキサー)を熱交換器
として介して2機の脱揮槽に接続した。原料の供給は窒
素ガス雰囲気下、ラクタイドとヒドロキシル基を持った
ポリマーを110℃でトルエン15%溶液としてプラン
ジャーポンプを使用し、原料の平均滞留時間が8時間に
なるように第1反応器へ供給した。
の前に添加した。触媒失活剤はエチルヘキシルアシッド
ホスフェートを用い、第1脱揮槽直後に添加ラインを接
続した。それぞれの成分の供給量を下に示す。
の構成を下にまとめた。 L−ラクタイド :62% D−ラクタイド : 2% 脂肪族ポリエステル:23% トルエン :13%
ル%、ポリプロピレングリコール49モル%、ピロメリ
ット酸成分2モル%、数平均分子量115,000(ポ
リスチレン換算)である。触媒としてのオクタン酸スズ
は400ppmとなるように供給した。生成ポリマーの
抜き出しは最終反応槽の槽上部の排出部より、ギヤーポ
ンプを用いて連続的に抜き出した。
示す。 第1反応槽反応温度:145℃ 第2反応槽反応温度:155℃ 第3反応槽反応温度:165℃ 脱揮処理の条件は、第1脱揮装置の前の熱交換器の温
度:200℃、脱揮槽の真空度:400Torrであっ
た。第2脱揮装置の前の熱交換器の温度:180℃、脱
揮槽の真空度:1Torrであった。脱揮槽からの蒸発
物はコンデンサーによって回収した。
100%で乾燥後、再度使用できた。第2脱揮槽からの
回収物はラクタイドが多く、トルエンも確認され、トル
エンからの晶析操作を行い、ラクタイドを回収した。得
られた樹脂をペレット化した後、各種の性状、物性測定
を行った。
種の性状や物性測定を行った。得られたペレットはわず
かに黄色を帯びた透明な樹脂であった。GPCの結果か
ら重量平均分子量140,000を持った乳酸系ポリエ
ステルが確認された。ラクタイドモノマーは0.1%が
残留し、トルエンは確認されなかった。DSCの結果、
融点は159℃であった。
脱揮槽で脱揮を行わずに得られたペレットを十分に絶乾
状態にし、押出温度170℃の条件で、L/D=30の
押し出しスクリュー径50mmのベント付き単軸押出機
により押し出し、厚み1.0mmの透明性の優れたシー
トを得た。ベント条件は真空度1torr、スクリュー
回転数は20rpm、吐出量は5kg/hrであった。
得られたシートの分子量測定と残留ラクタイド量を測定
し、結果を表1に示す。
シン酸成分48.5モル%、プロピレングリコール成分
48.5モル%、ピロメリット酸成分3モル%、重量平
均分子量62,000)3重量部にL−ラクタイド95
重量部とD−ラクタイド2重量部を加えて、不活性ガス
で雰囲気を置換し、165℃で1時間、両者を溶融・混
合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を400p
pm加えて6時間、反応を行い、乳酸系ポリエステル組
成物を作成した。
とジイソデシルホスフェートの混合物を400ppm加
え、5分攪拌し、この後にギヤポンプを使いストランド
状に反応器下部のダイスより取り出し、乳酸系ポリエス
テルのペレットを作成した。重量平均分子量は164,
000、ラクタイドモノマーは4.6%が残留した。
使用して1torrの真空度、抜き出し樹脂温度180
℃で残留ラクタイドを除いた。処理後の重量平均分子量
は146,000、残留ラクタイドは0.7%であっ
た。
シン酸成分48.5モル%、ポリプロピレングリコール
48.5モル%、ピロメリット酸成分3モル%重量平均
分子量120,000)50重量部にL−ラクタイド4
9重量部とD−ラクタイド1重量部を加えて、不活性ガ
スで雰囲気を置換し、165℃で1時間、両者を溶融・
混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を300
ppm加えて4時間、反応させた。
ートとジエチルヘキシルホスフェートの混合物を600
ppm加え、10分攪拌し、実施例1と同様に乳酸系ポ
リエステルを作成した。GPC測定結果から重量平均分
子量145,000、残留ラクタイドモノマーは4.2
%であった。この乳酸系ポリエステル組成物を連続的に
2軸押し出し機型の脱揮槽にギヤーポンプによって導入
し、1torrの真空度、スクリュー回転数200rp
m、樹脂流量10kg/hr、樹脂温度185℃で残留
ラクタイドを除いた。重量平均分子量は127,00
0、残留ラクタイドは0.3%なった。
脱揮槽で触媒失活剤を加えずに得られたペレットを作成
した。脱揮条件は実施例5と同様であった。得られたペ
レットの分子量と残留ラクタイド量を測定し、実施例5
と比較し結果を表2に示す。
失活剤を添加せず、さらに第2脱揮槽で脱揮を行わずに
得られたペレットを十分に絶乾状態にし、押出温度17
0℃の条件で、L/D=30の押し出しスクリュー径5
0mmのベント付き単軸押出機により押し出し、厚み
1.0mmの透明性の優れたシートを得た。
ー回転数は20rpm、吐出量は5kg/hrであっ
た。得られたシートの分子量測定と残留ラクタイド量を
測定し結果を表3に示す。
に加えた触媒を触媒失活剤によって失活させることによ
り、脱揮工程、成形加工工程での乳酸系ポリエステルの
分解を抑制し、優れた成形性、生分解性、透明性を有す
るシート、フィルム等の汎用性の包装材料に有用な十分
な高分子量、耐熱性を有する生分解性の乳酸系ポリエス
テルの製造方法を提供できる。
Claims (11)
- 【請求項1】 乳酸系ポリエステルの重合反応後に、重
合触媒に対する失活剤を添加する低ラクタイド含有乳酸
系ポリエステルの製造方法であって、前記失活剤がアル
キルホスフェート及び/又はアルキルホスホネートであ
ることを特徴とする低ラクタイド含有乳酸系ポリエステ
ルの製造方法。 - 【請求項2】 失活剤が、下記一般式 【化1】 (式中、R 1 はアルキル基またはアルコキシル基、R 2
はアルキル基またはアルコキシル基またはヒドロキシル
基を表す。)で示される化合物である請求項1に記載の
低ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】 失活剤を乳酸系ポリエステル重合後の粒
状物を得る前に添加することを特徴とする請求項1また
は2に記載の低ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製
造方法。 - 【請求項4】 失活剤を乳酸系ポリエステル重合後に添
加し、減圧下に揮発成分を脱揮除去して粒状物を得るこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ記載の低ラ
クタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項5】 乳酸系ポリエステルの重合反応後の粒状
物に重合触媒に対する失活剤を添加して成形加工する低
ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法であっ
て、前記失活剤がアルキルホスフェート及び/又はアル
キルホスホネートであることを特徴とする低ラクタイド
含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項6】 失活剤が、下記一般式 【化1】 (式中、R 1 はアルキル基またはアルコキシル基、R 2
はアルキル基またはアルコキシル基またはヒドロキシル
基を表す。)で示される化合物である請求項5記載の低
ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項7】 失活剤を乳酸系ポリエステル重合後の粒
状物に添加し、減圧下に揮発成分を脱揮除去して成形加
工することを特徴とする請求項5または6に記載の低ラ
クタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項8】 乳酸系ポリエステルが乳酸成分50〜9
8部と、ジカルボン酸成分とジオール成分とから成るポ
リエステル2〜50部とから成ることを特徴とする請求
項1〜7のいずれか一つに記載の低ラクタイド含有乳酸
系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項9】 乳酸系ポリエステルがポリ乳酸であるこ
とを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の低
ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項10】 重合後の乳酸系ポリエステルを薄膜蒸
留機を用いて、温度150〜180℃、減圧度0.01
〜30torrで乳酸系ポリエステル中の残留ラクタイ
ドを除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれか
一つに記載の乳酸系ポリエステルの製造方法。 - 【請求項11】 重合後の乳酸系ポリエステルを2軸押
し出し機型脱揮装置を用いて、温度150〜180℃、
減圧度0.01〜30torrで乳酸系ポリエステル中
の残留ラクタイドを除去すること特徴とする請求項1〜
9のいずれか一つに記載の乳酸系ポリエステルの製造方
法。
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