JP4937781B2 - 水溶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性ポリエステルの製造方法に関する。
ポリエステルの製造方法には、触媒として酸を用いる方法が広く知られている。使用される酸触媒としては、塩酸、硫酸、芳香族スルホン酸などが一般的である。重合反応後にポリエステルと触媒とを分離する、もしくは触媒を失活させる場合、ポリエステルに水系溶剤(水もしくは炭素数1〜6のアルコール)への溶解性がなければ、反応混合物中に水系溶剤を入れ、それらに溶解した酸触媒を水系溶剤とともに排出する、あるいは塩基を同時に投入し、酸触媒を中和により失活させ、塩を水系溶剤とともに除去する方法などが極めて一般的である。通常このような酸触媒の中和には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミンなどの塩基が使用される(特許文献1等参照)。
特開2002−302491号公報
ポリエステルの重合に使用した酸触媒を、重合後、未処理のまま含有したポリエステル(特にガラス転移温度(Tg)が室温以下であるもの)は、残存触媒により加水分解が促進され、経時的にポリマーの分解が生じ、分子量が低下する。また、触媒とポリエステルとを分離する場合、高分子量体や粘性の高いポリマーになると、多量の溶剤が必要となるなどの問題点がある。
従って、使用した酸触媒は中和により完全に失活させるのが好ましく、酸触媒に対し当量以上の塩基を用いる必要がある。その際、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、有機アミンなど上記した公知の塩基性化合物を用いて触媒処理を行った場合、水系溶剤での後処理が困難である水溶性ポリエステルでは、過剰量の塩基や生成した塩を除去することは困難である。
過剰量の塩基や生成した塩を除去せずに含有したままのポリエステルは、保存安定性が好ましくない場合がある。特に、オキシアルキレン基を分子内に有する、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールといった一般的な汎用ポリエーテルジオールをジオール成分に用いてポリエステルの製造を行った場合、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を酸触媒の処理に用いると、ポリマーの分解が起きる。
本発明の課題は、水系溶剤での後処理が困難である水溶性ポリエステルの製造において酸触媒を失活させ、更に処理後の過剰量の塩基や生成した塩を除去してポリエステルの加水分解を抑制することができる水溶性ポリエステルの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、酸触媒の存在下で、重縮合反応により水溶性ポリエステルを製造する方法であって、重縮合反応後にアミノ変性シリコーンを加えて酸触媒を不活性化する工程を含む水溶性ポリエステルの製造方法を提供する。
本発明の方法により、水系溶剤での後処理が困難である水溶性ポリエステルの製造に用いた酸触媒を容易に失活させることができ、更に処理後の過剰量の塩基や生成した塩を容易に除去してポリエステルの加水分解を抑制することができる。
本発明の方法では、先ず、酸触媒の存在下で、重縮合反応により水溶性ポリエステルを得る。
本発明において、水溶性ポリエステルの「水溶性」とは、水系溶剤(水もしくは炭素数1〜6のアルコール)に溶解する性質をいう。溶解とはポリエステルを水系溶剤に加え撹拌を行った場合に、得られた溶液が透明の状態になるか、あるいは得られた分散液を室温にて放置し、12時間後でも目視にて沈殿が見られない状態をいう。溶液を調製する際は、必要に応じ水系溶剤の沸点以下で加熱を行ってもよい。
本発明において、重縮合反応により水溶性ポリエステルを得る方法としては、(1)ジオール成分とジカルボン酸成分とを重縮合する方法、(2)ヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合する方法、(3)ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを開環重合する方法等が挙げられる。
本発明に用いられるジオール成分としては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、(ポリ)カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、脂肪族ジオールとしては、例えばネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール等の側鎖(特に、炭化水素基含有側鎖)を有する脂肪族ジオール、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の直鎖状の脂肪族ジオールが挙げられる。脂環族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通常ビスフェノールA)、2,2−ビス((4−ヒドロキシ−3−メチル))フェニル)プロパン等の芳香族ジオールが挙げられる。
(ポリ)カーボネートジオールとしては、(ポリ)トリメチレンカーボネートジオール、(ポリ)ヘキサメチレンカーボネートジオール、(ポリ)3−メチル(ペンタメチレン)カーボネートジオール等や、これらの共重合物、さらには、脂肪族ジオール、芳香族ジオールなどの多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートとの脱アルコール反応等で得られるポリカーボネートジオール等が挙げられる。(ポリ)カーボネートジオールの市販品としては、例えば、商品名「PLACCEL CD205PL」、商品名「PLACCEL CD210PL」、商品名「PLACCEL CD220PL」[以上、ダイセル化学工業(株)製]、「PCDL T5652」、「PCDL T4672」[以上、旭化成(株)製]、「UM−CARB90(1/1)」[宇部興産(株)製]などが挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれらを共重合させたコポリエーテル等が挙げられる。市販品としては、例えば、プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルジオールである商品名「アデカポリエーテルP−400」、「アデカポリエーテルP−1000」、「アデカポリエーテルP−2000」、「アデカポリエーテルP−3000」、プロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加したポリエーテルジオールである商品名「アデカプルロニックP103」、「アデカプルロニックL44」、「アデカプルロニックF68」、プロピレングリコールとエチレングリコールのランダム共重合体である「アデカポリエーテルPR−3007」、「アデカポリエーテルPR−5007」[以上、旭電化工業(株)製]などが挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のジオールと、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸やこれらの酸無水物又は低級アルキルエステルなどのジカルボン酸又はその誘導体とを、単独若しくは混合物状態で脱水反応して得られるポリエステルジオールなどが挙げられ、市販品としては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とのポリエステルジオールである商品名「クラレポリオールP−510」、「クラレポリオールP−1010」、「クラレポリオールP−2010」、「クラレポリオールP−3010」、「クラレポリオールP−5010」[以上、(株)クラレ製]、アジピン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどとのポリエステルジオールである商品名「アデカニューエースF18−62」、「アデカニューエースF7−67」、「アデカニューエースY52−21」、「アデカニューエースF1212−29」[以上、旭電化工業(株)製]などが挙げられる。
上記した(ポリ)カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールの数平均分子量Mnは特に限定されないが、取り扱い易さの観点から、200〜10000程度が好ましい。
これらのジオール成分としては、ポリエーテルジオールを含むジオール成分が好ましい。
本発明に用いられるジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの反応性誘導体、例えば酸無水物、低級アルキルエステル等も用いることができる。ジカルボン酸成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ダイマー酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
本発明に用いられるヒドロキシカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸の環状エステルとしては、例えば乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒドロキシバレリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシッド、6−ヒドロキシカプロン酸や、乳酸の環状2量体であるラクタイド、グリコール酸の2量体であるグリコライド、6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトン等が挙げられる。分子内に不斉炭素を有する場合はD体、L体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合物であっても良い。
本発明のポリエステルは水溶性であれば架橋されていてもよい。架橋方法は特に制限されないが、ポリエステルに含まれるヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基と反応しうる官能基を分子中に2個有する化合物を添加して鎖延長する方法、及び上記官能基を3個以上有する化合物を添加して架橋する方法などが挙げられる。
本発明における重縮合反応としては、ポリエーテルジオールを含むジオール成分とジカルボン酸成分との反応が特に好ましい。この時のジオール成分中のポリエーテルジオールの割合は、10重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上が更に好ましい。
本発明における酸触媒存在下での重縮合反応は常法にて行うことができる。本発明に用いられる酸触媒としては、ポリエステル合成に通常用いられるプロトン酸触媒が挙げられる。具体的には塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、p−トルエンスルホン酸が好ましい。酸触媒の使用量は、反応原料の全量に対し0.05〜1重量%が好ましく、0.1〜0.5重量%がより好ましい。
本発明の重縮合反応に使用する溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等の水難溶性又は不溶性の溶媒が好ましい。反応は還流下、生成する水を除去しながら行うことが好ましい。
本発明においては、重縮合反応後に、アミノ変性シリコーンを添加して酸触媒を不活性化する。本発明に用いられるアミノ変性シリコーンとしては、ポリシロキサンの末端又は側鎖、あるいはその両方にアミノ基を有する変性シリコーンが挙げられる。
アミノ変性シリコーンのアミノ基当量(単位=g/mol)は特に制限されないが、生成した塩のヘキサン等への分散性を考慮し、100〜10000が好ましく、300〜5000がより好ましい。また、アミノ変性シリコーンの25℃における粘度は、取り扱いやすさの点で、1000mm2/s以下が好ましく、500mm2/s以下がより好ましく、100mm2/s以下が更に好ましい。また、下限値については特に制限はないが、5mm2/s以上が好ましく、10mm2/s以上がより好ましい。
アミノ変性シリコーンの具体例としては、ポリシロキサンの両末端にアミノ基が導入されたものとして「KF−8010」、「X−22−161A」[以上、信越化学工業(株)製]など;ポリシロキサンの側鎖にアミノ基が導入されたものとして「KF−393」、「KF−859」、「KF−868」[以上、信越化学工業(株)製]などが挙げられる。
アミノ変性シリコーンは、そのアミノ基が酸触媒に対して当量以上となる割合で用いることが好ましく、1〜20当量となる割合がより好ましく、1〜10当量となる割合が更に好ましく、1〜5当量となる割合が特に好ましい。
アミノ変性シリコーンを添加するポリエステルの状態は特に制限はないが、中和効率を考慮し、溶融もしくは溶液状態がよい。ポリエステルを溶液とする場合、用いる溶剤としてはポリエステルが溶解するものであればよい。また特にその濃度に制限はない。溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、アセトン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤などが挙げられる。又は種々の有機溶媒の混合物であってもよい。
アミノ変性シリコーンをポリエステルに加える方法に特に制限はなく、アミノ変性シリコーンをそのまま添加、滴下、噴霧などの手段によりポリエステルに加えてもよいし、アミノ変性シリコーンを溶液状態で加えてもよい。
本発明においては、アミノ変性シリコーンにより酸触媒を不活性化した後、触媒処理に用いた過剰のアミノ変性シリコーンならびに生成した塩をポリエステルから除去することが好ましい。除去方法としてはアミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒を用いる方法が挙げられる。アミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられるが特にこれに制限されない。脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ペンタンなどが挙げられる。
ポリエステルが溶液状の場合、アミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒によりポリエステル中からアミノ変性シリコーン及び生成した塩を抽出する方法や、ポリエステル溶液をアミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒中に滴下して再沈殿を行う方法が適当である。その際のアミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒の使用量は特に制限はないが、一般的にポリエステル溶液に対し5〜20倍量が好ましい。
上記のような本発明の方法により得られるポリエステルの重量平均分子量は、10000〜500000が好ましく、40000〜300000がより好ましい。なお、重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定した値である。
以下の実施例において、ポリエステルの重量平均分子量は、以下の方法で測定した。また、ポリエステルの加水分解抑制の評価は、製造直後の重量平均分子量と、50℃で1週間保存後の重量平均分子量を測定し、その差から重量平均分子量の低下率を求めることにより行った。
<ポリエステルの重量平均分子量の測定法>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置として、「HLC−8220GPC」(商品名、東ソー株式会社製)を用い、下記条件で測定し、ポリスチレン標準サンプルで校正したポリスチレン換算値により求める。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.25重量%(クロロホルム溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:クロロホルム
・流速:1.0ml/min
・測定温度:40℃
・カラム
サンプルカラム:東ソー株式会社製の商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(1本)+東ソー株式会社製の商品名「TSKgel SuperHZM−H」(2本)
リファレンスカラム:東ソー株式会社製の商品名「TSKgel SuperH−RC」(1本)
・検出器:示差屈折計。
実施例1
500mlセパラブルフラスコに、ジオール成分としてPLACCEL CD220PL(ポリカーボネートジオール Mn約2000 ダイセル化学工業(株))を15.2g(7.91mmol)、ポリプロピレングリコール(Mn約3000)を15.2g(5.21mmol)、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を2.65g(13.1mmol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸(全仕込量の0.3重量%相当)を加えた。セパラブルフラスコに攪拌装置、ディーンスターク、冷却管をセットし、脱水トルエン90mlを加え、バス温度を150℃に設定し、トルエン共沸脱水を10時間行った。その後トルエンを除去し、150℃にて真空ポンプを用いた減圧脱水を8時間行った。重合終了後トルエンを加えて均一に溶解させポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液にアミノ変性シリコーン(信越化学工業製 KF−8010 アミノ基当量450g/mol)をアミノ基がp−トルエンスルホン酸に対し2当量になるよう加えて触媒を処理し、ポリマー溶液をヘキサンに滴下し、生成した塩をヘキサン中に分散させ、沈殿したポリマーを回収した。回収後のポリマーは60℃で減圧乾燥を行った。乾燥後のポリマー(以下ポリエステル1という)の重量平均分子量は65300であった。その後このポリエステル1を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は65400であり、重量平均分子量の低下率は0%であった。
実施例2
ジオール成分としてPLACCEL CD220PL(ポリカーボネートジオール Mn約2000 ダイセル化学工業(株))を29.0g(15.1mmol)、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールのブロックコポリマーであるアデカプルロニックP103(Mn約4500 旭電化工業(株))を29.0g(6.62mmol)、ジカルボン酸成分としてコハク酸を2.56g(21.7mmol)用いた以外は、実施例1と同じ原料及び同様の操作を行って、ポリエステル2を得た。このポリエステル2の重量平均分子量は74200であった。このポリエステル2を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は71100であり、重量平均分子量の低下率は4%であった。
実施例3
ジオール成分としてエチレングリコールとプロピレングリコールのランダムコポリマーであるアデカポリエーテルPR−5007(Mn約5000 旭電化工業(株))を25.3g(5.15mmol)、ポリテトラメチレングリコール(Mn約650)を25.3g(38.8mmol)、ジカルボン酸成分として無水コハク酸を4.39g(44.0mol)用いた以外は、実施例1と同じ原料及び同様の操作を行って、ポリエステル3を得た。このポリエステル3の重量平均分子量は51200であった。このポリエステル3を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は56900であり、重量平均分子量の低下率は0%であった。
実施例4
500mlセパラブルフラスコに、ジオール成分としてPLACCEL CD220PL(ポリカーボネートジオール Mn約2000 ダイセル化学工業(株))を8.07g(4.17mmol)、エチレングリコールとプロピレングリコールのランダムコポリマーであるアデカポリエーテルPR−5007(Mn約5000 旭電化工業(株))を32.3g(6.34mmol)、ジカルボン酸成分として無水コハク酸を1.06g(10.5mmol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸(全仕込量の0.3重量%相当)を加えた。セパラブルフラスコに攪拌装置、ディーンスターク、冷却管をセットし、脱水トルエン90mlを加え、バス温度を150℃に設定し、トルエン共沸脱水を10時間行った。その後トルエンを除去し、150℃にて真空ポンプを用いた減圧脱水を8時間行った。重合終了後トルエンを加えて均一に溶解させポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液にアミノ変性シリコーン(信越化学工業製 KF−8010 アミノ基当量450g/mol)をアミノ基がp−トルエンスルホン酸に対し2当量になるよう加えて触媒を処理し、再沈殿による塩の除去は行わず、エバポレーターでトルエンを除去してポリマーを回収した。回収後のポリマーは60℃で減圧乾燥を行った。乾燥後のポリマー(以下ポリエステル4という)の重量平均分子量は63500であった。その後このポリエステル4を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は64500であり、重量平均分子量の低下率は0%であった。
比較例1
500mlセパラブルフラスコに、ジオール成分としてPLACCEL CD220PL(ポリカーボネートジオール Mn約2000 ダイセル化学工業(株))を15.2g(7.91mmol)、ポリプロピレングリコール(Mn約3000)を15.2g(5.21mmol)、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を2.65g(13.1mmol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸(全仕込量の0.3重量%相当)を加えた。セパラブルフラスコに攪拌装置、ディーンスターク、冷却管をセットし、脱水トルエン90mlを加え、バス温度を150℃に設定し、トルエン共沸脱水を10時間行った。その後トルエンを除去し、150℃にて真空ポンプを用いた減圧脱水を8時間行った。重合終了後アセトンを加えて均一に溶解させポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液に水酸化カリウムのエタノール溶液(0.5mol/l)をp−トルエンスルホン酸に対し1.2当量になるよう加えて触媒を処理し、ポリマー溶液を水に滴下し、生成した塩を水中に分散させ、沈殿したポリマーを回収した。回収後のポリマーは60℃で減圧乾燥を行った。乾燥後のポリマー(以下ポリエステル5という)の重量平均分子量は57800であった。その後このポリエステル5を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は29100であり、重量平均分子量の低下率は50%であった。
比較例2
500mlセパラブルフラスコに、ジオール成分としてPLACCEL CD220PL(ポリカーボネートジオール Mn約2000 ダイセル化学工業(株))を15.2g(7.91mmol)、ポリエチレングリコール(Mn約400)を15.2g(37.3mmol)、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を9.15g(45.2mmol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸(全仕込量の0.3重量%相当)を加えた。セパラブルフラスコに攪拌装置、ディーンスターク、冷却管をセットし、脱水トルエン90mlを加え、バス温度を150℃に設定し、トルエン共沸脱水を10時間行った。その後トルエンを除去し、150℃にて真空ポンプを用いた減圧脱水を8時間行った。重合終了後アセトンを加えて均一に溶解させてポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を水に滴下して再沈殿を行い、沈殿したポリマーを回収した。回収後のポリマーは60℃で減圧乾燥を行った。乾燥後のポリマー(以下ポリエステル6という)の重量平均分子量は61600であった。その後このポリエステル6を50℃で1週間保存した。保存後の重量平均分子量は23500であり、重量平均分子量の低下率は62%であった。

Claims (4)

  1. 酸触媒の存在下で、重縮合反応により水溶性ポリエステルを製造する方法であって、重縮合反応後にアミノ変性シリコーンを加えて酸触媒を不活性化する工程を含む水溶性ポリエステルの製造方法。
  2. 重縮合反応が、ポリエーテルジオールを含むジオール成分とジカルボン酸成分との反応である、請求項1記載の水溶性ポリエステルの製造方法。
  3. 酸触媒を不活性化した後、アミノ変性シリコーン及び生成した塩が可溶でポリエステルが不溶な溶媒を用いて、ポリエステル中からアミノ変性シリコーン及び生成した塩を除去する工程を含む、請求項1又は2記載の水溶性ポリエステルの製造方法。
  4. アミノ変性シリコーンが、ポリシロキサンの末端又は側鎖、あるいはその両方にアミノ基を有する変性シリコーンである請求項1〜3いずれかに記載の水溶性ポリエステルの製造方法。
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