JP4672688B2 - ポリ乳酸樹脂用改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、容易に コンポスト、土壌、河川、海洋等の自然環境で生分解し、水と二酸化炭素に分解することで廃棄が容易であり、耐水性、耐薬品性、耐油性、防湿性に優れ、従来より強靭な生分解樹脂成型物またはシートに関するものである。
近年、地球環境の問題より、塗料、インキ、コーティング剤、接着剤、プライマーおよび繊維製品等の工業用製品で、ポリ乳酸を始めとする生分解性樹脂の使用が提案されている。
ポリ乳酸樹脂は、土壌中や海洋、河川、湖沼中で数ヶ月〜数年内に水と二酸化炭素に分解される性質を持ち、安全性が高く人体に無害である。さらにその溶液、または水分散体は優れた塗膜加工性、各種基材への密着性を利用して、種々の工業用製品に幅広く利用される可能性がある。
しかし、このような要望に応えるために、例えば、ポリ乳酸に無機系架橋剤を導入した水分散体の被膜の耐熱性および強度アップを狙ったものがある(特許文献1)が、この方法では耐熱性および破断伸びが十分でなく、また透明性にも問題がある。
また、ポリ乳酸とポリエチレングリコールとの共重合物の水分散体の被膜を形成する方法が開示されている(特許文献2)が、柔軟性を付与できたものの、耐熱性および膜強度が不足している。
特開2004−204038号公報 特開2004−339419号公報
そこで本発明は、ポリ乳酸樹脂およびポリ乳酸樹脂水性分散体に添加することで、他の成形および造膜樹脂に比べて低い耐熱性および被膜強度が増大し、幅広い用途に用いられるポリ乳酸成形体および被膜が形成できる改質剤およびポリ乳酸樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、分子内に3個以上活性水素を有する化合物(A)にD体ラクチドを開環付加重合させて得られる重合体(C)をL体ポリ乳酸に添加することで、L体−D体ステレオコンプレックス架橋が形成され、耐熱性、強度などに優れたポリ乳酸樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に達した。
本発明のポリ乳酸用改質剤により改質されたポリ乳酸樹脂組成物は、改質前に比べて、耐熱性に優れ、強靭性にも優れる。
本発明におけるポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とは、分子内に3個以上の活性水素を有する化合物(A)に対して、D体ラクチド(B)を開環付加重合させて得ることのできる重合体(C)のことである。
本発明における分子内に3個以上の活性水素を有する化合物(A)としては、例えばアルコール化合物(A1)、アミノ基含有化合物(A2)、カルボキシル基含有化合物(A3)、チオール基含有化合物(A4)などが挙げられる。
アルコール化合物(A1)としては、活性水素を有する官能基としてアルコール性水酸基を有する3価以上のアルコール化合物である。
このうち好ましくは3〜8価の多価アルコールが挙げられる。
具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、αーメチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖等の4〜8価のアルコール;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体、ポリビニルアルコール類等の多官能(3〜100価)ポリオール;トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等);モノー、ジーのアルカノールアミンのアルキル(C1〜C4)置換体[N,N−ジアルキルモノアルカノールアミン(N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等)]等が挙げられる。
アミノ基含有化合物(A2)としては、活性水素を有する官能基としてアミノ基を有する3価以上のアミン化合物である。
このうち好ましくは3〜8価の多価アミンが挙げられる。
具体的には、プロパントリアミン、シクロヘキサントリアミン等の3価アミ;イソホロンジアミン等の脂環式1〜2級ポリアミン;ポリアミドポリアミン[例えばジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)1〜2級ポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン];ポリエーテル1〜2級ポリアミン[ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物];シアノエチル化1〜2級ポリアミン[例えばアクリロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなど)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、例えばビスシアノエチルジエチレントリアミン等]が挙げられる
カルボキシル基含有化合物(A3)としては、活性水素を有する官能基としてカルボキシル基を有する3価以上のカルボン酸化合物である。
このうち好ましくは3〜8価の多価カルボン酸が挙げられる。
具体的にはトリメリット酸等3価カルボン酸、または炭素数6〜30の芳香族3価カルボン酸が挙げられる。また、ブタンテトラカルボン酸等の4官能以上の多塩基酸および多価カルボン酸などが挙げられる。
チオール基含有化合物(A4)としては、活性水素を有する官能基としてチオール基を有する3個以上のチオール基含有化合物である。
このうち好ましくは3〜8価の多価チオールが挙げられる。
具体的にはヘキサントリチオール、3−メチルペンタントリチオール、へプタンテトラチオール等の3、4官能基チオール。また、グリシジル基含有化合物と硫化水素との反応で得られる多価ポリチオール化合物等が挙げられる。
本発明のD体ラクチド(B)としては、例えばD体の乳酸、D体の乳酸アルカリ金属塩またはD体の乳酸エステルなどを原料として製造されたものであってもよい。このような乳酸等からラクチドを製造する方法としても特に制限はなく、従来公知の方法で製造することができる。
例えば、乳酸を減圧下において、160〜180℃で脱水縮合し、数平均分子量400〜3000程度のプレポリマーを合成し、次いで、該プレポリマーにSnOなどの触媒を加えて、圧力20mmHg以下、180〜230℃の温度で、撹拌下に環化反応を行うとラクチドを得ることができる。生成したラクチド蒸気を留出すると、温度70〜110℃で液体状でラクチドを回収することができる。
D体の乳酸を原料とすると、D体のラクチド(B)が主成分となる。ラクチドの原料となるD体の乳酸、D体の乳酸エステルまたはD体の乳酸塩の光学活性は、その光学純度が85%e.e.以上、好ましくは90%e.e.以上、特に好ましくは95%e.e.以上であることが好ましい。
ラクチド(B)は、反応温度、圧力、反応部での滞留時間、プレポリマーの分子量、触媒の種類と量などによって大きく変化するが、このような光学高純度の乳酸等を使用すると、上記範囲の光学純度のラクチドを得ることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)を構成する重合体(C)は、前記の分子内の3個以上の活性水素を有する化合物(A)にD体ラクチド(B)を開環付加重合することによって製造される。
本発明の重合体(C)を製造する際の重合温度は、通常120〜250℃、好ましくは130〜180℃、D体ラクチドのラセミ化、分解着色を押さえるためにはより好ましくは140〜160℃で行う。
重合時間としては好ましくは10〜48時間、残ラクチドを低減するために、より好ましくは20〜30時間行なう。
重合に用いる触媒としては、通常、周期律表IA族、IVA族、IVB族およびVA族からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属または金属化合物からなる触媒である。
IVA族に属するものとしては、例えば有機スズ系の触媒(乳酸スズ、酒石酸スズジカプリル酸スズ、ジラリウル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフエト酸スズ、β−ナフエト酸スズ、オクチル酸スズ等)の他、粉末スズ等を挙げることができる。
本発明における重合体(C)の重量平均分子量はL体ポリ乳酸と強固にステレオコンプレックスを形成するという観点から400以上が好ましい。またL体ポリ乳酸の分子鎖の間に滲入し、3次元的にステレオコンプレックスを形成するという観点から30,000以下が好ましく、より好ましくは1,000〜15,000である。
本発明におけるL体ポリ乳酸樹脂(E)の製造法の具体例としては、以下の方法が挙げられるが、その製造方法は特に限定されない。
(i)L体乳酸又はL体乳酸と脂肪族オキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5310865号に示されている製造方法)。
(ii)L体乳酸の環状二量体(ラクチド)を溶融重合する開環重合法(例えば米国特許2758987号に開示されている製造方法)。
(iii)L体乳酸と脂肪族オキシカルボン酸の環状二量体、例えばラクチドやグリコリドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば米国特許4057537号に開示されている製造方法)。
(iv)L体乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5428126号に開示されている製造方法)。
(v)L体ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば欧州特許公報0712880 A2号に開示されている製造方法)
(vi)L体乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行うことによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合を行う方法。
本発明におけるL体ポリ乳酸樹脂(E)の数平均分子量(以下、Mnと略称する。)や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されない。
Mnは、60,000〜1,000,000が好ましく、80,000〜500,000がより好ましく、100,000〜300,000が最も好ましい。Mnが60,000以上であると、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が良好であり、1,000,000以下であると、成形加工時の溶融粘度が極端に高くならず取扱い困難となったり、製造上、不経済となったりする場合がない。
本発明の耐熱性、強度等が改質されたポリ乳酸樹脂組成物(F)は、本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)をL体ポリ乳酸樹脂(E)100重量部に対して、耐熱性、強度向上の観点から好ましくは1〜50重量部、より好ましくは20〜40重量部添加されて得られる。
さらに、ポリ乳酸樹脂組成物(F)は、例えばフタル酸ジオクチル、ポリエチレングリコールアジピン酸、アセチルクエン酸トリブチル、ポリエステル系可塑剤、特開平11−35808号公報に記載のエーテルエステル系可塑剤等を含有していてもよい。しかし、ブリードアウトの発生、透明性の低下、経時変化の増大等に留意して種類、量を決める必要がある。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物(F)には、例えば成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、結晶性、耐候性等を向上させる目的で、各種添加剤、例えば、安定剤(エポキシ化大豆油、カルボジイミド等)、酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール等)、防曇剤(グリセリン脂肪酸エステル、クエン酸モノステアリル等)、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、結晶核剤効果を持つ無機添加剤(クレイ、タルク、シリカ等)、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、群青等)、滑剤、天然物等を添加することができる。
添加量は目的、種類によって異なるが、好ましくは(F)100部に対して0〜5部である。
本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)によりL体ポリ乳酸樹脂(E)の耐熱性および強度が向上するメカニズムははっきりしないが、D体ポリ乳酸が、L体ポリ乳酸と分子間力による強固なステレオコンプレックス体を形成し、耐熱性、および強靭性が向上したものと発明者らは想定している。すなわち、本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)は3分岐以上に分かれたD体ラクチド重合体である。発明者らは前記のD体ラクチド重合体も、D体ポリ乳酸と同様にL体ポリ乳酸とステレオコンプレックスを形成し、さらに架橋形成することで、より強固なポリ乳酸樹脂組成物が形成できるのではないかと考えた。
本発明におけるポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体ポリ乳酸樹脂(E)との混合方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法で混合することができ、例えば、1軸又は複数軸の攪拌機が設置された縦型反応容器又は横型反応容器、1軸あるいは複数軸の掻き取り羽が配設された横型反応機、また、1軸又は複数軸のニーダーや、1軸又は複数軸の押出機等の反応装置を単独で用いて混練すればよく、又は複数機を直列又は並列に接続して用いてもよい。この混合混練は、通常120〜220℃程度の温度で行われる。
また本発明においては、ポリ乳酸樹脂用改質剤(D)およびL体ポリ乳酸樹脂(E)を溶剤に溶解させ、均一にし、その後脱溶剤することでポリ乳酸樹脂組成物(F)を得ることも可能である。溶解させる溶剤は特に限定されず、例えばクロロホルム、ジオキサン、DMF等が挙げられる。必要に応じて加熱により溶解させてもよい。
得られたポリ乳酸樹脂組成物(F)において、L体ポリ乳酸(E)が本来有する透明性及び生分解性が損なわれずに、耐熱性、強靭性が付与され、良好な成形性を有し、従来公知の各種成形方法、例えば射出成形、押出成形、プレス成形などによりフィルム、シート、構造体などを容易に作製することができる。
以下の製造例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
D体ラクチド 97重量部、グリセリン3重量部、触媒としてオクタン酸第一錫0.1重量部を反応器に仕込み、減圧10mmHgで2時間脱水後、窒素置換して140℃で24時間攪拌しながら開環重合し、本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤であるポリ乳酸重合体(C−1)を得た。これを粉砕して後述の実施例で使用した。得られたポリ乳酸重合体(C−1)の重量平均分子量は1,100であった。
製造例2
D体ラクチド 99.9重量部、グリセリン0.1重量部、触媒としてオクタン酸第一錫0.1重量部を反応器に仕込み、製造例1と同じ条件で反応させてポリ乳酸重合体(C−2)を得た。得られたポリ乳酸重合体(C−2)の重量平均分子量は30,000であった。
製造例3
D体ラクチド 92重量部、グリセリン8重量部、触媒としてオクタン酸第一錫0.1重量部を反応器に仕込み、製造例1と同じ条件で反応させてポリ乳酸重合体(C−3)を得た。得られたポリ乳酸重合体(C−3)の重量平均分子量は440であった。
製造比較例1
D体ラクチド 70重量部、分子量が約6000のポリエチレングリコール(三洋化成工業社製、PEG6000)30重量部、触媒としてオクタン酸第一錫0.1重量部を反応器に仕込み、製造例1と同じ条件で反応させて、ポリ乳酸重合体(C’−1)を得た。得られた比較例のためのポリ乳酸重合体(C’−1)の重量平均分子量は13,000であった。
実施例1
L体ポリ乳酸(レイシアH−400、三井化学社製)(E−1)のペレットを70重量部と、製造例1で得られた本発明のポリ乳酸重合体(C−1)の粉砕物30重量部との混合物をラボプラストミルで、190℃、回転数100rpmで10分間溶融混練し、本発明のポリ乳酸樹脂組成物(F−1)を得た。
本樹脂をテーブルタイプテストプレス(SA−302)(テスター産業社製)を使用して温度230℃、圧力10Mpa、時間30秒の条件で厚さ200μmのシートに成形し、成形体(G−1)を得た。
実施例2
L体ポリ乳酸(E−1)を70重量部と、製造例2で得られたポリ乳酸重合体(C−2)30重量部の混合物をラボプラストミルで溶融混練し、ポリ乳酸樹脂組成物(F−2)を得た。
本樹脂をテーブルタイプテストプレスを使用してシート成形体(G−2)を得た。
実施例3
L体ポリ乳酸(E−1)を70重量部と、製造例3で得られたポリ乳酸重合体(C−3)30重量部の混合物をラボプラストミルで溶融混練し、ポリ乳酸樹脂組成物(F−3)を得た。
本樹脂をテーブルタイプテストプレスを使用してシート成形体(G−3)を得た。
比較例1
L体ポリ乳酸(E−1)を70重量部と、製造比較例1で得られたポリ乳酸重合体(C’−1)30重量部の混合物をラボプラストミルで溶融混練し、ポリ乳酸樹脂組成物(F’−1)を得た。
本樹脂をテーブルタイプテストプレスを使用してシート成形体(G’−1)を得た。
比較例2
L体ポリ乳酸(E−1)を99重量部と、無機架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム(ベイコート20:日本軽金属製)を1重量の混合物を、ラボプラストミルで190℃、回転数100rpmで10分間溶融混練し、ポリ乳酸樹脂組成物(F’−2)を得た。
本樹脂をテーブルタイプテストプレスを使用してシート成形体(G’−2)を得た。
射出成形機を使用して、実施例1〜3のポリ乳酸樹脂組成物(F−1)〜(F−3)、比較例1、2のポリ乳酸樹脂組成物(F’−1)、(F’−2)、改質剤を使わないブランクのL体ポリ乳酸(E−1)を使って、射出成形温度190℃、金型温度60℃の条件で、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を作製した。
本試験片を用い、荷重たわみ温度およびアイゾット耐衝撃強度を以下の測定方法で評価し、その結果を表1に記載した。
<荷重たわみ温度の測定>
JIS−K7191に従って荷重たわみ温度を測定した。荷重は高荷重(1.8MPa)とした。
<アイゾット耐衝撃強度の測定>
JIS−K7110の方法に従ってノッチ付きアイゾット耐衝撃強度を測定した。
ポリ乳酸樹脂組成物(F−1)〜(F−3)、(F’−1)、(F’−2)、(E−1)の融点を以下の測定方法で評価し、その結果を表1に記載した。
<融点の測定>
示差走査熱量分析装置[セイコー電子工業社製ロボットDSC(RDC220)]を使用し、測定条件として室温から230℃まで5℃/分で昇温させた。その過程で吸熱ピークが出現した時点での温度を融点と判断した。
実施例1〜3及び比較例1、2、ブランクのシート状成形体(G−1)〜(G−3)、(G’−1)、(G’−2)、(E−1)の引張強度と破断伸び率を以下の測定方法で評価し、その結果を表1に記載した。
<引張破断強度の測定>
JIS−K−7127に従って測定し、引張破断強度を測定した。但し、引張速度は10mm/分とし、試験片作成には5号ダンベルを使用した。
上記表1から明らかなように、本発明のポリ乳酸樹脂用改質剤をL体のポリ乳酸樹脂に混合して得られるポリ乳酸樹脂組成物の耐熱性および強靭性は、ブランクや従来の改質剤によるポリ乳酸樹脂組成物に比べて優れている。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、耐熱性および強靭性が優れているため、日用雑貨、食品用途、養生シート、苗木ポット、産業資材、工業用品のシート、携帯電話、パソコン等の筐体としても有用である。

Claims (10)

  1. 分子内に3個以上の活性水素を有する化合物(A)にD体ラクチド(B)を開環付加重合させて得られる重合体(C)からなることを特徴とするポリ乳酸樹脂用改質剤(D)。
  2. 該活性水素を有する化合物(A)が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基およびチオール基からなる群から選ばれる1種以上の反応基を含有する化合物(A1)である請求項1記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)。
  3. 該重合体(C)の重量平均分子量が400〜30,000である請求項1また2記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体ポリ乳酸樹脂(E)とを均一に混合して得られることを特徴とする改質されたポリ乳酸樹脂組成物(F)。
  5. 該L体ポリ乳酸樹脂(E)100重量部とポリ乳酸樹脂用改質剤(D)1〜50重量部を均一に溶融混合して得られる請求項4記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  6. 溶融混練により均一混合する請求項4または5記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  7. ポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体のポリ乳酸(E)を溶剤で溶解して均一にした後、さらにその溶剤を除去して得られる請求項4記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  8. 請求項1〜3いずれか記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体のポリ乳酸(E)とを含有してなる成型
  9. 請求項1〜3いずれか記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体のポリ乳酸(E)とを含有してなる被膜
  10. 請求項1〜3いずれか記載のポリ乳酸樹脂用改質剤(D)とL体のポリ乳酸(E)とを含有してなるシート。
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