JP7118878B2 - 環状ポリエステル組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)を反応させる工程を含む環状ポリエステル組成物(A)の製造方法である。
[一般式(1)において、R1は、炭素数2~21の炭化水素基である。R1の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X1はホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y1は酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。;一般式(1)で表される基が複数ある場合のR1、X1、Y1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(2)において、R2は、炭素数2~21の炭化水素基である。R2の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X2 は、カルボニル基であり;Y2及びY3は酸素原子であり;一般式(2)で表される基が複数ある場合のR2、X2、Y2及びY3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(3)において、R3は、炭素数2~12の炭化水素基である。R3の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。]
[一般式(4)において、R 4 は、炭素数2~21の炭化水素基である。R 4 の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X 3 は、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y 4 は、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
[一般式(5)において、R 5 は、炭素数2~21の炭化水素基である。R 5 の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X 4 は、カルボニル基である。;Y 5 及びY 6 は、酸素原子である。]
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の反応は、以下の機構で進行する。例えば、原料に用いる環状化合物(B)が、スルトンである場合について説明する。(1)環上のスルホニル基とエステル結合を形成している酸素原子を直接結ぶ結合の開裂が生じ、(2)その開裂した環状化合物が、同様の部位で開裂した他の環状ポリエステルと反応し、一方の環状ポリエステルのエステル結合を形成している酸素原子と、他方の環状ポリエステルのスルホニル基とが結合する挿入付加反応が起こる。よって、鎖状ポリエステルを経由しないため、従来の製造手法と異なり、新たに生成した環状ポリエステル組成物(A)への鎖状ポリエステル組成物の混入を抑制することが可能である。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の構成単位である一般式(1)及び一般式(2)において、R1及びR2は、炭素数2~21の炭化水素基である。また、R1及びR2の水素原子は、ハロゲン原子、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。
一般式(3)におけるR3は、炭素数1~12の炭化水素基である。また、R3の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素数1~12の炭化水素基としては、炭素数1~12の飽和炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル、ドデシル基等)、炭素数1~12の不飽和炭化水素基(アルケニル基、アルキニル基等)、該不飽和炭化水素基は置換基によって置換されていてもよい。
また、一般式(4)で表されるラクトンの代わりとして、カルボニル構造を2つ以上含むラクトンとしてはD、L及びD/L-ラクチド、ポリ-εカプロラクトン等も好適に用いることができる。反応時の粘度を低減させ、ハンドリング性を向上させる観点から、D、L及びD/L-ラクチドを用いることが好ましい。
これらのラクトンを使用する場合には、一般式(4)で表されるスルトン、チオラクタム、スルタム及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を併用する。
これらのラクタムを使用する場合には、一般式(4)で表されるスルトン、チオラクタム、スルタム及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を併用する。
関係式(1)
繰り返し単位数 = Mn(GPC)/[ΣniMi/Σni]
[関係式(1)において、Mn(GPC)はGPC分析によって得られる数平均分子量、各niは一般式(4)~(5)で表される環状化合物(B)の仕込モル数であり、Miは各環状化合物(B)の分子量を表す。]
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン
したがって、該反応によって得られる環状ポリエステル化合物としては、反応系中に存在する環状化合物(B)由来の環状ポリエステル化合物であって、例えば、環状化合物(B1)と環状化合物(B1)との環拡大反応物(B2)、環状化合物(B1)と環拡大反応物(B2)との環拡大反応物(B3)、環拡大反応物(B2)と環拡大反応物(B2)との環拡大反応物(B4)等の環状ポリエステル化合物があげられる。
(例1)環状化合物(B)として、一般式(1)におけるY1及びY2が酸素原子であり、R1がプロピル基であり、X1がスルホニル基である化学式で表される1,3-プロパンスルトンを用いた場合は、1つの1,3-プロパンスルトンのエステル結合に、他の1,3-プロパンスルトンが挿入されることにより、1,3-プロパンスルトン2分子が結合してなる環状ポリエステルが生成する。また、上記、1,3-プロパンスルトン2分子が結合してなる環状ポリエステルに1,3-プロパンスルトンが更に挿入される環拡大反応により、1,3-プロパンスルトン3分子が結合してなる環状ポリエステルが生成する。
分子内脱水してラクトン等を合成する方法としては、公知の方法で加熱脱水する方法、J.S.Nimitz,R.H.Wollemberg,Terahedron Lett.1978,19,3523に記載方法、及びリパーゼ等の酵素を用いる方法の公知の合成方法を用いることができる。
炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸としては、炭素数4~22の直鎖ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシプロパン酸、4-ヒドロキシ酪酸、5-ヒドロキシペンタン酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、16-ヒドロキシヘキサデカン酸及び4-ヒドロキシ-2-ブテン酸等)及び炭素数3~22の分岐ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシブタン酸、5-ヒドロキシトリデカン酸、2-メチレン-4-ヒドロキシ酪酸、4-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸、2,2-ジメチル-4-ヒドロキシ酪酸、4-ヘキシル-4-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ-2-メチル-2-ブテン酸等)等が挙げられる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-ブロモ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-アセチル-4-ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-メトキシ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
〔aMgO・Al2O3 ・bH2O〕 (6)
〔MgsAltOu〕 (7)
一般式(6)において、a及びbは、それぞれ独立の正数である。一般式(7)において、s、t及びuは、それぞれ独立の正数である。反応性の観点から、s/tは0.1以上5未満であることが好ましい。
複合酸化物(B1)としては、2.5MgO・Al2O3 ・bH2O及びMg0.7Al0.3O1.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
〔Mg1-cAlc(OH)2〕c+ 〔CO3c/2 ・dH2 O〕c- (8)
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(C1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al2 O3 ・bH2O(bは正数)及びMg0.7Al0.3O1.15である。
なお、(C1)又は(C2)の焼成物は以降、触媒(C’)と記載する。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン及びクロロホルム等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、環状化合物(B)との混和性の観点から、O-ジクロロベンゼン、トルエン及びキシレンが好ましい。
反応工程に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物(B)と触媒との合計重量に対して、0~99重量%が好ましく、更に好ましくは0~90重量%、特に好ましくは0~50重量%である。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
また、ろ過速度を向上させる観点から、珪藻土を使用することが好ましく、触媒の除去効率を向上させるために、ケイ酸マグネシウムを用いることが好ましい。ろ過操作は公知の方法でおこなうことができるが、珪藻土とケイ酸マグネシウムを層状に積層させた濾層に環状ポリエステル組成物またはその溶液を通過させる方法が挙げられる。ろ過に用いる溶剤は環状ポリエステルを溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF、DMF、酢酸エチル、トルエン等が好ましい。
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al2 O3 ・bH2 O(bは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物(以下、触媒(C′-1))を調製した。
製造例1において、キョーワード300をキョーワード500〔Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-2)を得た。
製造例1において、キョーワード300をキョーワード1000〔Mg4.5 Al2 (OH)13 CO3 ・3.5H2 O、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-3)を得た。
製造例1において、キョーワード300をキョーワード2000〔Mg0.7Al0.3O1.15、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-4)を得た。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、モレキュラーシーブスで乾燥させた1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシド67部[和光純薬工業(株)製]と製造例1で得られた触媒(C′-1)1.9部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)した。次いで110℃に昇温し10時間反応させて環状ポリエステル組成物(A)を含有する混合物(PA-1-1)を得た。得られた混合物(PA-1-1)を50℃まで冷却し、THF500部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、沈殿物を減圧乾燥することで、環状ポリエステル組成物(A-1)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3-プロパンスルトン76部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を50時間とし、THF500部を560部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-2)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3,2-ジオキサチオラン-2,2-ジオキシド77部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を15時間とし、THF500部を465部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-3)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1-メチルピロリジン-2-チオン72部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を30時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-4)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン71部[シグマアルドリッチ(株)製]に変更し、反応時間を20時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-5)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドをN-メチル-1,3-プロパンスルタム84部[シグマアルドリッチ製(株)製]に変更し、反応時間を60時間に変更し、THF500部を580部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-6)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドをエチレンカーボネート55部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を5時間に変更し、THF500部を400部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-7)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドをエチレントリチオカーボネート85部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を30時間に変更し、THF500部を600部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-8)を得た。
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドの代わりに、1)1,3-プロパンスルタム42部と2)エチレンカーボネート27部とを併用し、反応時間を12時間に変更たこと以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル(A-9)を得た。
実施例7において、反応温度110℃を180℃に変更して反応させた以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-10)を得た。
実施例7において、反応温度110℃を180℃に変更して反応させた後、ろ過操作をおこなわない以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-11)を得た。
実施例7において、反応温度110℃を150℃に変更して反応させた以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-12)を得た。
実施例7において、触媒(C′-1)1.9部を10.8部に変更して反応させた後、ろ過操作をおこなわない以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-13)を得た。
実施例7で得られた環状ポリエステル組成物(A-7)10部とグリコール酸0.13部[東京化成工業(株)製]をTHFに溶解させ40℃で減圧乾燥させることで環状ポリエステル組成物(A-14)を得た。
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-2)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-15)を得た。
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-3)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-16)を得た。
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-4)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-17)を得た。
実施例7で得られた、環状ポリエステル組成物(A-7)10部をトルエン90部に室温で溶解させて環状ポリエステル組成物(A-18)を得た。
Journal American Chemical Society誌1992年114巻5530-5534頁の方法に従って、重合用触媒である1,3,4,5-テトラメチル-イミダソール-2-イリデンを合成した。二口ナスフラスコを窒素ガス置換し、モレキュラーシーブスで乾燥させたε―カプロラクトン10部、トルエン200部、1,3,4,5-テトラメチル-イミダソール-2-イリデン0.27部を投入し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温で20時間反応させた。その後、0.1N塩酸水溶液20部を加え、5分撹拌した後、分液操作し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、トルエン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、硫酸マグネシウムをろ別し、トルエンを減圧濃縮し、メタノールから再結晶させることで比較用の環状ポリエステル組成物(H-1)を得た。
なお、合成はMacromolecules 2014年47巻2955-2963頁の方法に則ったが、酸価と水酸基価の測定に触媒成分が悪影響を与えるので、一部、後処理を変更し、塩酸で反応を停止させて、分液操作によって取り除いた。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、モレキュラーシーブスで乾燥させたε―カプロラクトン71部[和光純薬工業(株)製]と製造例1で得られた触媒(C′-1)を10.4部投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)した。次いで180℃に昇温し10時間反応させて環状ポリエステルを含有する混合物を得た。 得られた混合物を50℃まで冷却し、THF500部を加えて50℃に温調した後、濾過操作を経ずにTHFを減圧留去し、環状ポリエステル組成物(H-2)を得た。
実施例1~16で得られた環状ポリエステル組成物(A-1)~(A-18)及び比較用の環状ポリエステル組成物(H-1)~(H-2)を用いて、以下の評価を実施した。各測定結果を表1に示す。
以下の条件にてGPC測定をおこなった。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン
以下の方法で蛍光X線測定をおこない、Mg2+およびAl3+含量を求めた。
・装置:「PANalytical AXIOUS」[Spectris社製]
・解析ソフト:SuperQ
・試料溶液:環状ポリエステル組成物の20重量%のテトラヒドロフラン溶液
・環状ポリエステル組成物の金属含量(%)= 測定値(%)×5
・なお、検出限界以下となった金属イオンに関しては表中に(×)と記した。
本発明の環状ポリエステルの水酸基価および酸価はJIS K0070の方法に基づき測定した。なお、環状ポリエステル組成物が溶解性に乏しい場合にはテトラヒドロフランを滴定前の試料溶液に対して50質量%を限度として加えた。
各々の環状ポリエステル組成物(A-1)~(A-18)、(H-1)及び(H-2)の10重量%THF溶液50gを蓋付きガラス瓶に入れて、25℃にて6ヶ月貯蔵した。6ヶ月後の貯蔵状態を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
<判定基準>
○:樹脂組成物が均一のままである。
△:部分的に相分離、沈降、増粘が発生し、樹脂組成物が不均一な部分が含まれる。
×:樹脂組成物に相分離、沈降、増粘が発生し、樹脂組成物が不均一となっている。
Claims (2)
- 一般式(1)で表される基及び/又は一般式(2)で表される基を構成単位として合計2つ以上結合してなる環状化合物(P)を含有する環状ポリエステル組成物(A)の製造方法であり、
一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)を反応させる工程を含む環状ポリエステル組成物(A)の製造方法。
[一般式(1)において、R1は、炭素数2~21の炭化水素基である。R1の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X1はホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y1は酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。;一般式(1)で表される基が複数ある場合のR1、X1、Y1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(2)において、R2は、炭素数2~21の炭化水素基である。R2の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X2 は、カルボニル基であり;Y2及びY3は酸素原子であり;一般式(2)で表される基が複数ある場合のR2、X2、Y2及びY3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(3)において、R3は、炭素数2~12の炭化水素基である。R3の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。]
[一般式(4)において、R 4 は、炭素数2~21の炭化水素基である。R 4 の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X 3 は、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y 4 は、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
[一般式(5)において、R 5 は、炭素数2~21の炭化水素基である。R 5 の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X 4 は、カルボニル基である。;Y 5 及びY 6 は、酸素原子である。] - 前記環状化合物(B)を反応させる前記工程が、アルミニウムとの複合酸化物(C1)の焼成物及び/又はアルミニウムとマグネシウムを有するハイドロタルサイト(C2)の焼成物の存在下で行う工程である請求項1に記載の環状ポリエステル組成物(A)の製造方法。
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