JP7118878B2 - 環状ポリエステル組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は環状ポリエステル組成物及びその製造方法に関する。
環状のポリエステルの合成法として、鎖状ポリエステル化合物を金属触媒存在下で環化縮合させる方法が報告されている(例えば特許文献1)。また、環状のエステルモノマーを、N-ヘテロサイクリックカルベン、アミン触媒、ランタノイド系触媒等の存在下で重合する手法が報告されている(例えば非特許文献1~3)。
上記手法で環状ポリエステルを合成した場合、反応原料や反応中間体において鎖状のポリエステル構造を経由することになり、環状ポリエステル組成物中に鎖状ポリエステルが混入する。鎖状のポリエステルは反応性官能基を有しており、環状ポリエステルの経時安定性を低下させる問題点があった。
特開平8-198962号公報
ACS Macro Letters 2014年3巻1024-1028頁 Macromolecules 2014年47巻2955-2963頁 Nature Chemistry 2015年8巻42-49頁
本発明は、経時安定性に優れる環状ポリエステル組成物及び鎖状ポリエステルの発生を抑制する環状ポリエステル組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表される基及び/又は一般式(2)で表される基を構成単位として合計2つ以上結合してなる環状化合物(P)を含有する環状ポリエステル組成物(A)の製造方法であり、
一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)を反応させる工程を含む環状ポリエステル組成物(A)の製造方法である。
Figure 0007118878000001

[一般式(1)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;Xはホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Yは酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。;一般式(1)で表される基が複数ある場合のR、X、Yは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0007118878000002

[一般式(2)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、カルボニル基であり;Y及びYは酸素原子であり;一般式(2)で表される基が複数ある場合のR、X、Y及びYは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0007118878000003

[一般式(3)において、Rは、炭素数2~12の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。]
Figure 0007118878000004

[一般式(4)において、R は、炭素数2~21の炭化水素基である。R の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y は、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
Figure 0007118878000005

[一般式(5)において、R は、炭素数2~21の炭化水素基である。R の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、カルボニル基である。;Y 及びY は、酸素原子である。]
本発明の環状ポリエステル組成物(A)は、副生成物である鎖状ポリエステルの発生を抑制できる製造方法により製造可能であり、かつ経時安定性に優れる。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)は、上記一般式(1)で表される基及び/又は上記一般式(2)で表される基を構成単位として結合する環状化合物(P)を含有する、前記構成単位として、合計2単位以上1000単位以下を環状に結合してなる環状ポリエステルである。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)及び本発明の製造方法によって得られた環状ポリエステル組成物(A)が、副生成物の発生を抑制し、経時安定性に優れる理由は、次のように考えられる。なお、以下本文中で記載するエステルとは、広義のエステルを意味し、エステル結合を構成するアルコールと各種酸性基の種類によって決定される。具体的には、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、硝酸エステルなどが挙げられる。
反応系中に鎖状ポリエステル組成物が存在する場合、鎖状ポリエステルの末端水酸基によってポリエステル鎖中のエステル結合のエステル交換反応が進行し、環状ポリエステルのエステル結合が切断される結果、副生成物が増加し、経時安定性が悪くなると推定される。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の反応は、以下の機構で進行する。例えば、原料に用いる環状化合物(B)が、スルトンである場合について説明する。(1)環上のスルホニル基とエステル結合を形成している酸素原子を直接結ぶ結合の開裂が生じ、(2)その開裂した環状化合物が、同様の部位で開裂した他の環状ポリエステルと反応し、一方の環状ポリエステルのエステル結合を形成している酸素原子と、他方の環状ポリエステルのスルホニル基とが結合する挿入付加反応が起こる。よって、鎖状ポリエステルを経由しないため、従来の製造手法と異なり、新たに生成した環状ポリエステル組成物(A)への鎖状ポリエステル組成物の混入を抑制することが可能である。
よって、本発明の環状ポリエステル組成物(A)は、副生成物の発生を抑制したものであり、経時安定性に優れるものと考える。
以下、本発明に用いられる各成分、工程について説明する。
[環状ポリエステル組成物(A)の構成単位について]
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の構成単位である一般式(1)及び一般式(2)において、R及びRは、炭素数2~21の炭化水素基である。また、R及びRの水素原子は、ハロゲン原子、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。
炭素数2~21の炭化水素基としては、炭素数2~21のアルキレン基、炭素数2~21のアルケニレン基、炭素数4~21のシクロアルキレン基、炭素数6~21のアリーレン基及び炭素数7~21のアラルキレン基等が挙げられる。
炭素数2~21のアルキレン基としては、炭素数2~21の直鎖アルキレン基(エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基及びn-ヘンイコサニレン基)、及び、炭素数3~21の分岐アルキレン基(1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、1-ヘキシルプロピレン基、1-ヘキシルブチレン基、1-オクチルエチレン基、1-ウンデシルプロピレン基及び1-ウンデシルブチレン基等)等が挙げられる。
炭素数4~21のシクロアルキレン基としては、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、2-メチルシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、1,3-ジメチルシクロヘキシレン基、シクロヘブチレン基、1-エチルシクロペンチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロウンデシレン基、シクロドデシレン基、シクロトリデシレン基、シクロテトラデシレン基、シクロペンタデシレン基、シクロヘキサデシレン基、シクロヘプタデシレン基、シクロオクタデシレン基、シクロノナデシレン基、シクロエイコシレン基、ノルボルニレン基、ジシクロペンチレン基、イソプロピリデンジシクロヘキシレン基及びシクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。
炭素数2~21のアルケニレン基としては、炭素数2~21の直鎖アルケニレン基(エテニレン基、プロペニレン基、トリデセニレン基、ペンタデセニレン基及びヘンイコセニレン基等)及び炭素数3~21の分岐アルケニレン基(1-エチルエテニレン基、1,2-ジメチルエテニレン基、1-ブチルエテニレン基、1-ヘキシルエテニレン基及び1-オクチルエテニレン基等)等が挙げられる。
炭素数6~21のアリーレン基としては、o-、p-又はm-フェニレン基、2,4-ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、フルオレニレン基及びピレニレン基等が挙げられる。
炭素数7~21のアラルキレン基としては、フェニルメチレン基、ジフェニルメチン基、1-フェニルエチレン基、o-フェニレンエチル基及びナフチルメチレン基等が挙げられる。
これらの基の有する水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換された基としては、1-ブロモ-トリメチレン基、1-アセチル-トリメチレン基、1-メトキシ-トリメチレン基及び1-フェノキシ-トリメチレン基等が挙げられる。
これらのうち、R及びRとして、反応効率の観点から好ましいのは炭素数3~16の直鎖又は炭素数3~16の分岐アルキレン基である。更に好ましいのはトリメチレン基、テトラメチレン基、トリデセニレン基、テトラデセニレン基、ペンタデセニレン基、1-ヘキシルプロピレン基、1-ヘキシルブチレン基、1-ウンデシルプロピレン基及び1-ウンデシルブチレン基である。
一般式(1)及び一般式(2)において、X及びXは、それぞれ独立に、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基、カルボニル基、スルホニル基又はチオカルボニル基である。なお、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基は、リン原子上に水素原子又は1価の炭化水素基を有する。炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の鎖状炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のある単環式炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のある多環式炭化水素基、あるいは、前記の環式炭化水素基が置換した鎖状炭化水素基などが挙げられる。
一般式(1)、一般式(2)において、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、一般式(3)で表される基である。
-NR- (3)
一般式(3)におけるRは、炭素数1~12の炭化水素基である。また、Rの水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素数1~12の炭化水素基としては、炭素数1~12の飽和炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル、ドデシル基等)、炭素数1~12の不飽和炭化水素基(アルケニル基、アルキニル基等)、該不飽和炭化水素基は置換基によって置換されていてもよい。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、以下に例示するラクトン、スルトン、ラクタム、チオラクタム及びスルタム等が挙げられる。
Figure 0007118878000006
[一般式(4)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;Xは、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基、カルボニル基、スルホニル基又はチオカルボニル基である。;Yは、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
一般式(4)で表されるラクトンとして、β-ラクトン(β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン等)、γ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)、長鎖アルキル基を有するラクトン(γ-エナントラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカラクトン及びδ-ドデカノラクトン等)、γ-クロトノラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、γ-メチレン-γ-ブチロラクトン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、α-クロロ-γ-ブチロラクトン、α-ヨード-γ-ブチロラクトン、テトロン酸、大環状ラクトン(15-ペンタデカノラクトン)及び芳香族ラクトン(3,4-ジヒドロクマリン)等が挙げられ、副生物低減の観点から、一般式(4)で表されるラクトンとして、β-ラクトン(β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン等)、γ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)、長鎖アルキル基を有するラクトン(γ-エナントラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカラクトン及びδ-ドデカノラクトン等)、γ-クロトノラクトンが好ましい。
また、一般式(4)で表されるラクトンの代わりとして、カルボニル構造を2つ以上含むラクトンとしてはD、L及びD/L-ラクチド、ポリ-εカプロラクトン等も好適に用いることができる。反応時の粘度を低減させ、ハンドリング性を向上させる観点から、D、L及びD/L-ラクチドを用いることが好ましい。
これらのラクトンを使用する場合には、一般式(4)で表されるスルトン、チオラクタム、スルタム及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を併用する。
Figure 0007118878000007
[一般式(5)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;Xは、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基、カルボニル基、スルホニル基又はチオカルボニル基である。;Y及びYは、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
一般式(4)で表されるスルトンとして、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,5-ペンタンスルトン、1,6-ヘキサンンスルトン、1,7-ヘプタンスルトン、1,8-オクタンスルトン、1,9-ノナンスルトン、1,10-デカンスルトン、1,11-ウンデカンスルトン、1,12-ドデカンスルトン及びアルキル基を有するスルトン(1-メチル-1,3-プロパンスルトン等)等が挙げられ、反応性の観点から、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,5-ペンタンスルトンが好ましい。
一般式(4)で表されるラクタムとして、β-ラクタム(β-プロピオラクタム、β-ブチロラクタム等)、γ-ラクタム(γ-ブチロラクタム等)、δ-ラクタム(δ-バレロラクタム等)、ε-ラクタム(ε-カプロラクタム等)、長鎖アルキル基を有するラクタム(γ-エナントラクタム、γ-ウンデカノラクタム、γ-ドデカラクタム及びδ-ドデカノラクタム等)、N位に置換基を有するラクタム(N-メチル-γ-ブチロラクタム、N-アリル-γ-ブチロラクタム、N-ビニル-γ-ブチロラクタム、N-プロパギル-γ-ブチロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、N-アリル-ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-プロパギル-ε-カプロラクタム)、γ-クロトノラクタム、α-メチレン-γ-ブチロラクタム、γ-メチレン-γ-ブチロラクタム、α-ブロモ-γ-ブチロラクタム、α-クロロ-γ-ブチロラクタム、α-ヨード-γ-ブチロラクタム、大環状ラクタム(15-ペンタデカノラクタム)及び芳香族ラクタム(3,4-ジヒドロキノリン)等が挙げられ、副反応低減の観点から、N位に置換基を有するラクタム(N-メチル-γ-ブチロラクタム、N-アリル-γ-ブチロラクタム、N-ビニル-γ-ブチロラクタム、N-プロパギル-γ-ブチロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、N-アリル-ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-プロパギル-ε-カプロラクタム)が好ましい。
これらのラクタムを使用する場合には、一般式(4)で表されるスルトン、チオラクタム、スルタム及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を併用する。
環状化合物(P)は、一般式(1)で表される基のみから化合物(P)が構成される場合、全てのXがカルボニル基であり、かつ全てのYが酸素原子又は一般式(3)で表される基である場合、即ちラクトン又はラクタムいずれかを原料として構成される場合を除く。
一般式(4)で表されるチオラクタムとして、好ましいものとしては、γ-ブチロチオラクタム、N-メチル-γ-ブチロチオラクタム(1-メチルピロリジン-2-チオン)、ε-カプロチオラクタム及びN-メチル-ε-カプロチオラクタム等が挙げられる。
一般式(4)で表されるスルタムとして、好ましいものとしては、1,3-プロパンスルタム、N-メチル-1,3-プロパンスルタム、1,4-ブタンスルタム及びN-メチル-1,4-ブタンスルタム等が挙げられる。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、以下に例示する1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド、1,3,2-ホスホラン2-オキシド、イミダゾリジノン、1,2,5-チアジアゾリン1,1-ジオキシド、カーボネート及びトリチオカーボネート等が挙げられる。
一般式(5)で表される1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシドとして、反応性の観点から、1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド等が好ましい。
一般式(5)で表されるホスホラン2-オキシドとして、反応性の観点から1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシド及び4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシド等が好ましい。
一般式(5)で表されるイミダゾリジノンとして、反応性の観点から、2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル2-イミダゾリジノン等が好ましい。
一般式(5)で表される1,2,5-チアジアゾリン1,1-ジオキシドとして、1,2,5-チアジアゾリン1,1-ジオキシド及びN,N-ジベンジル-1,2,5-チアジアゾリン1,1-ジオキシド等が挙げられ、副反応低減の観点から、N,N-ジベンジル-1,2,5-チアジアゾリン1,1-ジオキシドが好ましい。
一般式(5)で表されるカーボネートとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及び1,3-ジオキサン-2-オン等が挙げられ、反応性の観点から、エチレンカーボネートが好ましい。
一般式(5)で表されるトリチオカーボネートとして、好ましいものとしては、エチレントリチオカーボネート等が挙げられる。
環状ポリエステル組成物(A)の繰り返し単位数は、環状ポリエステル組成物及びその溶液の経時安定性および、ハンドリングの観点から、2~1000が好ましく、更に好ましくは10~1000、特に好ましくは100~1000である。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の繰り返し単位数は、後述するGPC分析にて測定される数平均分子量を、一般式(4)~(5)で表される環状化合物(B)の分子量で除することで求めることができる。複数種類の繰り返し単位を持つ場合には、GPC分析にて測定される数平均分子量を一般式(1)~(3)で表される繰り返し単位の平均分子量で除することで求めることができる。この場合、一般式(4)~(5)で表される環状化合物(B)の仕込モル数から平均分子量を関係式(1)によって求めることができる。
関係式(1)
繰り返し単位数 = Mn(GPC)/[Σnii/Σni]
[関係式(1)において、Mn(GPC)はGPC分析によって得られる数平均分子量、各niは一般式(4)~(5)で表される環状化合物(B)の仕込モル数であり、Miは各環状化合物(B)の分子量を表す。]
本発明の環状ポリエステル組成物の金属イオン含量は、環状ポリエステルおよび、その溶液の経時変化による、増粘、沈降、相分離などを防止し、経時安定性を向上させる観点から、0.01~30重量%が好ましく、更に好ましくは0.01~10重量%であり、特に好ましくは0.01~1重量%である。
本発明の環状ポリエステル組成物の保存形態は、特に限定されないが、固体状態(すなわち、環状ポリエステル組成物そのもの)または、溶液状態が挙げられ、増粘を抑えハンドリングを向上させる観点から溶液状態が好ましい。なお、溶液とする際に用いる溶媒としては、アセトン、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水、イソプロピルアルコール、メタノール、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン、及びクロロホルム等が挙げられる。これらの内、溶解性及び経時安定性の観点から、アセトン、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン、及びクロロホルムが好ましく、更に好ましくは、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン、及びクロロホルムである。溶媒は、単一種類を用いても複数種類を用いてもよい。
一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)において、複数ある場合のR~R、X~X及びY~Y、は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
複数ある場合のR~R、X~X及びY~Yの組成は、Nature Chemistry 2015,8,42.に記載のマトリックス支援レーザー脱離イオン化法による飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MSともいう)により測定分析し、環状ポリエステル組成物(A)の構造を同定することができる。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)は、1種類の環状化合物(P)を単独で含有する場合でも、2種類以上の環状化合物(P)を併用してもよい。本発明の環状ポリエステル組成物(A)として好ましいものとしては、具体的に、一般式(1)において、Y及びYが酸素原子であり、Rがトリメチレン基、ペンタメチレン基、テトラデカメチレン基又はビニレン基であり、Xがカルボニル基又はスルホニル基である2価の基の両末端を結合した環状ポリエステルが挙げられる。
また、一般式(2)において、Y及びYが酸素原子であり、Rがエチレン基、プロピレン基又はビニレン基であり、Xがカルボニル基である2価の基の両末端を結合した環状ポリエステル等が挙げられる。
本発明の環状ポリエステル組成物(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、後述の併用する高分子化合物(D)の分子量等に応じて調整することができるが、環状ポリエステル組成物の経時安定性の観点から、150~120,000であることが好ましく、更に好ましくは200~120,000であり、特に好ましくは1000~60,000である。環状ポリエステル組成物(A)のMnは反応時間と環状化合物(B)の導入量を調整すること等によって、上記の好ましい範囲にすることができる。
環状ポリエステル組成物(A)のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン
本発明の環状ポリエステル組成物の水酸基価および酸価はJIS K0070の方法に基づき測定した。なお、環状ポリエステル組成物が溶解性に乏しい場合にはテトラヒドロフランを滴定前の試料溶液に対して50質量%を限度として加えた。
本発明の環状ポリエステル組成物は、以下に詳述する本発明の製造方法により製造することができる。
本発明の環状ポリエステル組成物の製造方法は、一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)を反応させる工程(以下反応工程と略記する)を含む製造方法により製造することができる。
前記の反応工程において、環状化合物(B)が有するX基(X及びX)とY基(Y、Y及びY)との間に、環状化合物(B)分子が挿入される反応(以下、環拡大反応という)が生じる。環拡大反応は、一般式(1)や一般式(2)で表される2価の基を有する環状化合物同士の反応であり、反応基質となる環状化合物としては、同一であっても異なっていてもよい。
したがって、該反応によって得られる環状ポリエステル化合物としては、反応系中に存在する環状化合物(B)由来の環状ポリエステル化合物であって、例えば、環状化合物(B1)と環状化合物(B1)との環拡大反応物(B2)、環状化合物(B1)と環拡大反応物(B2)との環拡大反応物(B3)、環拡大反応物(B2)と環拡大反応物(B2)との環拡大反応物(B4)等の環状ポリエステル化合物があげられる。
以下に環拡大反応の例を示す。
(例1)環状化合物(B)として、一般式(1)におけるY及びYが酸素原子であり、Rがプロピル基であり、Xがスルホニル基である化学式で表される1,3-プロパンスルトンを用いた場合は、1つの1,3-プロパンスルトンのエステル結合に、他の1,3-プロパンスルトンが挿入されることにより、1,3-プロパンスルトン2分子が結合してなる環状ポリエステルが生成する。また、上記、1,3-プロパンスルトン2分子が結合してなる環状ポリエステルに1,3-プロパンスルトンが更に挿入される環拡大反応により、1,3-プロパンスルトン3分子が結合してなる環状ポリエステルが生成する。
(例2)環状化合物(B)として、一般式(2)におけるY及びYが酸素原子であり、Rがエチル基であり、Xがカルボニル基である化学式で表されるエチレンカーボネートを用いた場合にも、例1と同様に環拡大反応により、エチレンカーボネートが2分子及び/又は3分子結合してなる環状ポリエステルが生成する。
上記例以外にも、1,3-プロパンスルトン又はエチレンカーボネート以外の一般式(4)で表される化合物や一般式(5)で表される化合物を併用する場合は、これら反応基質由来の環状ポリエステル化合物が生成する。
一般式(4)及び一般式(5)において、R及びRは、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物の説明で例示した、R及びRと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般式(4)及び一般式(5)において、X及びXは、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物の説明で例示した、X及びXと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般式(4)及び一般式(5)において、Y、Y及びYは、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物の説明で例示した、Y、Y及びYと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
環状化合物(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
環状化合物(B)は、試薬として購入する以外に、以下の分子内縮合反応等によって製造することで入手できる。例えば、一般式(4)で表される化合物は、Rで表される基の片末端に、Xで表される基と水酸基とが結合した基(例えばXがカルボニル基の場合はカルボキシ基)を結合させ、Rで表される基の反対側の末端に、Yで表される基と水素原子とが結合した基(例えばY基が酸素原子の場合は、水酸基)を結合させた化合物を用い、Xで表される酸性基と水酸基とが結合した基、及びYで表される基と水素原子とが結合した基を分子内縮合することで、得ることができる。
分子内脱水してラクトン等を合成する方法としては、公知の方法で加熱脱水する方法、J.S.Nimitz,R.H.Wollemberg,Terahedron Lett.1978,19,3523に記載方法、及びリパーゼ等の酵素を用いる方法の公知の合成方法を用いることができる。
前記の「Rで表される基の末端に、Xで表される酸性基と水酸基とが結合した基(例えばXがカルボニル基の場合はカルボキシ基)を結合させ、Rで表される基の反対側の末端に、Yで表される基と水素原子とが結合した基(例えばY基が酸素原子の場合は、水酸基)を結合させた化合物」としては好ましいものとしては、炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸等が挙げられる。
炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸としては、炭素数4~22の直鎖ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシプロパン酸、4-ヒドロキシ酪酸、5-ヒドロキシペンタン酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、16-ヒドロキシヘキサデカン酸及び4-ヒドロキシ-2-ブテン酸等)及び炭素数3~22の分岐ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシブタン酸、5-ヒドロキシトリデカン酸、2-メチレン-4-ヒドロキシ酪酸、4-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸、2,2-ジメチル-4-ヒドロキシ酪酸、4-ヘキシル-4-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ-2-メチル-2-ブテン酸等)等が挙げられる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸の炭素原子に結合した水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子がハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸が分子内脱水した構造を有するラクトンも用いることもできる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-ブロモ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-アセチル-4-ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-メトキシ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
環状ポリエステル組成物(A)製造のための、環拡大反応は触媒の存在下で行うことが好ましい。反応工程で用いる触媒としては、特開2000-354763号公報に記載された酸化物複合体、アルミニウム(以下、Alと記載)とマグネシウム(以下、Mgと記載)との複合酸化物(C1)及び層状複水酸化物並びにその焼成物等を用いて行うことができる。
層状複水酸化物とは、2価の金属(Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co及びCu等)と3価の金属(Al、Fe及びMn等)の水酸化物とが複合して積層構造を形成した無機の層状化合物を意味し、一般式が[M2+ 1-h3+ (OH)][(Wi-h/i・jHO][ここで、M2+は2価の金属、M3+は3価の金属、Wi-はi価の陰イオン(HCO 、CO 2-、PO 3-、SO 2-、Cl、NO 及びNO 等)、h、i及びjはそれぞれ独立の正数である。]で表さる化合物であり、ハイドロタルサイト、モツコレアイト、マナセイト、スティッヒタイト、パイロアウライト、タコバイト、イヤードライト及びメイキセネライト等が含まれる。これらの層状複水酸化物は、粘土鉱物として知られており、天然に産する鉱物に含まれたものであっても、合成によって得られたものであってもよい。
触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、反応効率の観点から好ましいのは、AlとMgとの複合酸化物(C1)の焼成物及びAlとMgを有するハイドロタルサイト(C2)の焼成物である。
本発明において用いられる複合酸化物(C1)は、AlとMgを有する酸化物であれば、特に限定されないが、好ましい複合酸化物としては下記一般式(6)又は(7)で示される化合物等が挙げられる。
〔aMgO・Al ・bHO〕 (6)
〔MgAl〕 (7)
一般式(6)において、a及びbは、それぞれ独立の正数である。一般式(7)において、s、t及びuは、それぞれ独立の正数である。反応性の観点から、s/tは0.1以上5未満であることが好ましい。
複合酸化物(B1)としては、2.5MgO・Al ・bHO及びMg0.7Al0.31.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
本発明に用いるハイドロタルサイト(C2-1)としては、下記一般式(8)で示される化合物等が挙げられる。
〔Mg1-cAl(OH)c+ 〔CO3c/2 ・dH O〕c- (8)
また、一般式(8)において、cは0<c≦0.33を満たす数であり、dは0<d≦1.0を満たす数である。
ハイドロタルサイト(C2-1)としては、Mg Al (OH)16CO ・4H O[C=0.25]及びMg4.5 Al (OH)13 CO・3.5H O[C=0.31]等が挙げられ、それぞれキョーワード500[協和化学工業(株)製]及びキョーワード1000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
本発明に用いるハイドロタルサイト(C2-1)としては、上記の化合物以外にも、西ドイツ特許公告第1592126号及びヨーロッパ特許公開第0207811号等に記載の既知の鉱物も使用することができる。
(C1)及び(C2)は、それぞれ1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(C1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al ・bHO(bは正数)及びMg0.7Al0.31.15である。
AlとMgとの複合酸化物(C1)の焼成物又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(C2)の焼成物は、前記(C1)又は前記(C2)を空気雰囲気下、好ましくは窒素気流下で、好ましくは400~1500℃(更に好ましくは600~1000℃)にて1~48時間加熱処理する方法等で得ることができる。
なお、(C1)又は(C2)の焼成物は以降、触媒(C’)と記載する。
反応工程において、触媒の含有量は特に限定されないが、反応速度及び濾過効率の観点から、環状化合物(B)との合計重量に対して0.01~20重量%が好ましく、更に好ましくは0.01~10重量%であり、特に好ましくは0.01~5.0重量%である。
また、反応工程において、攪拌を容易にし、ハンドリング性を向上させる観点から、環状化合物(B)、及び触媒以外に、溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン及びクロロホルム等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、環状化合物(B)との混和性の観点から、O-ジクロロベンゼン、トルエン及びキシレンが好ましい。
反応工程に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物(B)と触媒との合計重量に対して、0~99重量%が好ましく、更に好ましくは0~90重量%、特に好ましくは0~50重量%である。
環拡大反応の温度は、環状ポリエステル組成物の分子量分布(Mw/Mn)を小さくし、物性を向上させる観点から、環状化合物(B)並びに必要に応じて、触媒及び溶媒の混合物の温度が90~250℃となることが好ましく、更に好ましくは100~190℃が好ましい。また、上記の温度とする時間は、生産性を向上させる観点から1~100時間が好ましく、更に好ましくは1~50時間である。
環拡大反応の工程では、環状化合物(B)並びに必要に応じて、触媒及び溶媒を反応装置へ入れ不活性ガス(窒素及びアルゴン等)により系内を置換・密閉し、前記の反応温度と反応時間とで撹拌混合することで行うことができる。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
本発明の製造方法は、反応工程で得られる生成物を更に濾過操作(特開2011-213864号公報に記載の方法等)、ゲル透過法及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法により精製する工程(以下精製工程と略記する)を含んでいてもよい。上記の精製工程により、特定の構造を有する環状ポリエステル組成物(A)を抽出することができる。
本発明のポリエステル組成物の製造工程は、触媒の除去操作を含んでいてもよい。触媒を除去する方法として公知の方法を用いることができるが、具体的には特開2010-6964号公報に記載の方法の他、ろ過用薬剤である珪藻土(ダイカライト6000、ラヂオライト#700等)、シリカゲル(ワコーゲル等)、ケイ酸マグネシウム(キョーワード600、キョーワード700)等を用いてろ過する方法が挙げられる。ろ過操作では前記ろ過用薬剤を単一で用いても複数種類を併用してもよいが、ろ過効率の観点から複数種類を用いることが好ましい。
また、ろ過速度を向上させる観点から、珪藻土を使用することが好ましく、触媒の除去効率を向上させるために、ケイ酸マグネシウムを用いることが好ましい。ろ過操作は公知の方法でおこなうことができるが、珪藻土とケイ酸マグネシウムを層状に積層させた濾層に環状ポリエステル組成物またはその溶液を通過させる方法が挙げられる。ろ過に用いる溶剤は環状ポリエステルを溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF、DMF、酢酸エチル、トルエン等が好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造工程は、必要に応じて環状ポリエステルの精製工程を含んでいてもよい。精製する方法として公知の方法を用いることができ、再沈殿や減圧乾燥を用いる方法等が挙げられる。再沈殿に用いられる良溶媒は、用いる溶剤は環状ポリエステルを溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF,DMF、酢酸エチル等が好ましい。一方、貧溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等が挙げられる。これらの内、溶剤の除去のし易さの観点から、ヘキサン、ペンタンが好ましい。
本発明の環状ポリエステル組成物は、樹脂組成物等に含有させることで、樹脂に可塑性を付与し、かつ、樹脂組成物からの耐ブリードアウト性が優れている。
本発明の環状ポリエステル組成物は、上述のように経時安定性に優れ、潤滑油組成物の添加剤、ホットメルト接着剤等の用途にも用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部を示す。
製造例1
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al ・bH O(bは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物(以下、触媒(C′-1))を調製した。
製造例2
製造例1において、キョーワード300をキョーワード500〔Mg Al (OH)16 CO ・4H O、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-2)を得た。
製造例3
製造例1において、キョーワード300をキョーワード1000〔Mg4.5 Al (OH)13 CO ・3.5H O、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-3)を得た。
製造例4
製造例1において、キョーワード300をキョーワード2000〔Mg0.7Al0.31.15、協和化学工業(株)製〕に変更した以外は製造例1と同様の方法で触媒(C′-4)を得た。
実施例1
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、モレキュラーシーブスで乾燥させた1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシド67部[和光純薬工業(株)製]と製造例1で得られた触媒(C′-1)1.9部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)した。次いで110℃に昇温し10時間反応させて環状ポリエステル組成物(A)を含有する混合物(PA-1-1)を得た。得られた混合物(PA-1-1)を50℃まで冷却し、THF500部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、沈殿物を減圧乾燥することで、環状ポリエステル組成物(A-1)を得た。
実施例2
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3-プロパンスルトン76部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を50時間とし、THF500部を560部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-2)を得た。
実施例3
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3,2-ジオキサチオラン-2,2-ジオキシド77部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を15時間とし、THF500部を465部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-3)を得た。
実施例4
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1-メチルピロリジン-2-チオン72部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を30時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-4)を得た。
実施例5
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドを1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン71部[シグマアルドリッチ(株)製]に変更し、反応時間を20時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-5)を得た。
実施例6
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン2-オキシドをN-メチル-1,3-プロパンスルタム84部[シグマアルドリッチ製(株)製]に変更し、反応時間を60時間に変更し、THF500部を580部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-6)を得た。
実施例7
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドをエチレンカーボネート55部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を5時間に変更し、THF500部を400部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-7)を得た。
実施例8
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドをエチレントリチオカーボネート85部[東京化成工業(株)製]に変更し、反応時間を30時間に変更し、THF500部を600部に変更した以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-8)を得た。
実施例9
実施例1において、1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オキシドの代わりに、1)1,3-プロパンスルタム42部と2)エチレンカーボネート27部とを併用し、反応時間を12時間に変更たこと以外は実施例1と同様の方法で環状ポリエステル(A-9)を得た。
実施例10
実施例7において、反応温度110℃を180℃に変更して反応させた以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-10)を得た。
実施例11
実施例7において、反応温度110℃を180℃に変更して反応させた後、ろ過操作をおこなわない以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-11)を得た。
実施例12
実施例7において、反応温度110℃を150℃に変更して反応させた以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-12)を得た。
実施例13
実施例7において、触媒(C′-1)1.9部を10.8部に変更して反応させた後、ろ過操作をおこなわない以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-13)を得た。
実施例14
実施例7で得られた環状ポリエステル組成物(A-7)10部とグリコール酸0.13部[東京化成工業(株)製]をTHFに溶解させ40℃で減圧乾燥させることで環状ポリエステル組成物(A-14)を得た。
実施例15
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-2)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-15)を得た。
実施例16
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-3)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-16)を得た。
実施例17
実施例7において、触媒(C′-1)を触媒(C′-4)に変更した以外は実施例7と同様の方法で環状ポリエステル組成物(A-17)を得た。
実施例18
実施例7で得られた、環状ポリエステル組成物(A-7)10部をトルエン90部に室温で溶解させて環状ポリエステル組成物(A-18)を得た。
比較例1
Journal American Chemical Society誌1992年114巻5530-5534頁の方法に従って、重合用触媒である1,3,4,5-テトラメチル-イミダソール-2-イリデンを合成した。二口ナスフラスコを窒素ガス置換し、モレキュラーシーブスで乾燥させたε―カプロラクトン10部、トルエン200部、1,3,4,5-テトラメチル-イミダソール-2-イリデン0.27部を投入し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温で20時間反応させた。その後、0.1N塩酸水溶液20部を加え、5分撹拌した後、分液操作し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、トルエン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、硫酸マグネシウムをろ別し、トルエンを減圧濃縮し、メタノールから再結晶させることで比較用の環状ポリエステル組成物(H-1)を得た。
なお、合成はMacromolecules 2014年47巻2955-2963頁の方法に則ったが、酸価と水酸基価の測定に触媒成分が悪影響を与えるので、一部、後処理を変更し、塩酸で反応を停止させて、分液操作によって取り除いた。
比較例2
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、モレキュラーシーブスで乾燥させたε―カプロラクトン71部[和光純薬工業(株)製]と製造例1で得られた触媒(C′-1)を10.4部投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)した。次いで180℃に昇温し10時間反応させて環状ポリエステルを含有する混合物を得た。 得られた混合物を50℃まで冷却し、THF500部を加えて50℃に温調した後、濾過操作を経ずにTHFを減圧留去し、環状ポリエステル組成物(H-2)を得た。
<実施例1~18、比較例1及び2の環状ポリエステル組成物の物性評価>
実施例1~16で得られた環状ポリエステル組成物(A-1)~(A-18)及び比較用の環状ポリエステル組成物(H-1)~(H-2)を用いて、以下の評価を実施した。各測定結果を表1に示す。
<重量平均分子量および分子量分布>
以下の条件にてGPC測定をおこなった。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン
<Mg2+およびAl3+含量>
以下の方法で蛍光X線測定をおこない、Mg2+およびAl3+含量を求めた。
・装置:「PANalytical AXIOUS」[Spectris社製]
・解析ソフト:SuperQ
・試料溶液:環状ポリエステル組成物の20重量%のテトラヒドロフラン溶液
・環状ポリエステル組成物の金属含量(%)= 測定値(%)×5
・なお、検出限界以下となった金属イオンに関しては表中に(×)と記した。
<酸価および水酸基価>
本発明の環状ポリエステルの水酸基価および酸価はJIS K0070の方法に基づき測定した。なお、環状ポリエステル組成物が溶解性に乏しい場合にはテトラヒドロフランを滴定前の試料溶液に対して50質量%を限度として加えた。
<貯蔵安定性試験>
各々の環状ポリエステル組成物(A-1)~(A-18)、(H-1)及び(H-2)の10重量%THF溶液50gを蓋付きガラス瓶に入れて、25℃にて6ヶ月貯蔵した。6ヶ月後の貯蔵状態を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
<判定基準>
○:樹脂組成物が均一のままである。
△:部分的に相分離、沈降、増粘が発生し、樹脂組成物が不均一な部分が含まれる。
×:樹脂組成物に相分離、沈降、増粘が発生し、樹脂組成物が不均一となっている。
Figure 0007118878000008
本発明の環状化合物は可塑剤、架橋剤、樹脂改質剤等として有用であり、用途としては、ウレタンエラストマー、ハードコート、フィルム、ウレタンフォーム、塗料、ゴム、自己修復性材料、制振材料、電子材料、潤滑油添加物、その他工業に用いられる機能性材料として有用である。

Claims (2)

  1. 一般式(1)で表される基及び/又は一般式(2)で表される基を構成単位として合計2つ以上結合してなる環状化合物(P)を含有する環状ポリエステル組成物(A)の製造方法であり、
    一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)を反応させる工程を含む環状ポリエステル組成物(A)の製造方法。
    Figure 0007118878000009

    [一般式(1)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;Xはホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Yは酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。;一般式(1)で表される基が複数ある場合のR、X、Yは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0007118878000010

    [一般式(2)において、Rは、炭素数2~21の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、カルボニル基であり;Y及びYは酸素原子であり;一般式(2)で表される基が複数ある場合のR、X、Y及びYは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0007118878000011

    [一般式(3)において、Rは、炭素数2~12の炭化水素基である。Rの水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。]
    Figure 0007118878000012

    [一般式(4)において、R は、炭素数2~21の炭化水素基である。R の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、ホスホン酸から2個の水酸基を除いた残基である。;Y は、酸素原子、硫黄原子、又は一般式(3)で表される基である。]
    Figure 0007118878000013

    [一般式(5)において、R は、炭素数2~21の炭化水素基である。R の水素原子は、ハロゲン基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい。;X は、カルボニル基である。;Y 及びY は、酸素原子である。]
  2. 前記環状化合物(B)を反応させる前記工程が、アルミニウムとの複合酸化物(C1)の焼成物及び/又はアルミニウムとマグネシウムを有するハイドロタルサイト(C2)の焼成物の存在下で行う工程である請求項に記載の環状ポリエステル組成物(A)の製造方法。
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