JP2007210138A - ポリカーボネート樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘルメットバイザーやゴーグルなどに用いられ、優れた加工性や防曇性を有し、特に耐薬品試験において白濁やクラック、剥離などの外観上の不具合を示さない、耐薬品性が大幅に改良されたポリカーボネート樹脂成形体を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂基材上に、少なくとも片面に、第1層として多官能アクリレートモノマーを含有する紫外線硬化型樹脂塗膜よりなる、非吸水性のバリア層を形成し、さらに第1層のうえに第2層として紫外線硬化型樹脂塗膜よりなる、吸水型の防曇層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヘルメットバイザーやゴーグルなどに用いられる防曇性を有するポリカーボネート樹脂成形体であって、優れた加工性や防曇性を維持しつつ、特に耐薬品性が大幅に改良されたポリカーボネート樹脂成形体に関するものである。
各種透明プラスチック材料は、その軽量性、透明性、加工性および割れにくさと割れた場合の安全性の観点から、携帯機器、家庭用電気製品、産業用電子機器、自動車用電子機器などの外装部、特にモニターなど情報表示部の保護カバーとして用いられている。プラスチック材料のなかでも特にポリカーボネート樹脂材料は、その優れた透明性、耐衝撃性、耐熱性および加工のしやすさからもっとも広範囲に使用される材料である。中でも、表面にコーティングや防曇フィルムラミネートなどにより防曇処理加工がなされたポリカーボネート樹脂成形体は、ヘルメットバイザーやスポーツゴーグルなどに利用されている。
防曇処理の方法としては、界面活性剤の塗布や、表面層の親水化による水膜形成型の方法と、表面に吸水層を形成して曇りを防ぐ吸水型の方法が主として用いられており、用途により使い分けられている。このうち、界面活性剤の塗布などによる方法は耐久性がなく、一時的な効果しか得られず防曇性も低いため使用できる用途がかなり制限される。表面の親水化による水膜形成法によるものは、農業用ハウスの内面での水滴防止や、水中ゴーグルの内面、浴槽内の鏡など、常時高湿度環境にある用途向けに実用化されている。一方、センサーや計器類のカバーなど、水膜の水分が嫌われる用途や、ヘルメットバイザーや、スポーツゴーグル、防災面など、常時高湿度ではなく、視認性確保のために水膜による像のゆがみが問題となる用途では、吸水型の防曇処理法が好まれて使用されている。
特開昭62−054733 特開平04−211461 特開平08−217992
しかしながら、吸水型の防曇処理をポリカーボネート樹脂基材に施した場合、ポリカーボネート樹脂の耐薬品性が低いため、洗剤で洗浄した場合、あるいはガスケットなどの固定部材が取り付けられ固定部材に含まれる化学物質などと接触した場合に、防曇層自体が侵されない場合でも、化学物質が防曇層に吸収され、ポリカーボネート樹脂との界面まで達してしまいポリカーボネート樹脂が侵されることにより、汚れや白濁、曇りなどの外観上の不具合の発生や、防曇処理層の剥離などの不具合が発生することがあり、改善が望まれていた。特にヘルメットバイザーやゴーグルなどにおいては、軟質樹脂製ガスケット部材との接触時に、軟質樹脂中に含まれる可塑剤などの化学物質が移行することで発生する白濁や防曇層の剥離が問題となっている。
本発明は、上記の問題を解決し、ヘルメットバイザーやゴーグルなどに用いられ、優れた加工性や防曇性を有し、特に耐薬品性が大幅に改良されたポリカーボネート樹脂成形体を提供することを目的としている。
本発明者は、ポリカーボネート樹脂基材と防曇層との間に非吸水性のバリア層を介在させることにより上記課題が解決されることを見出し本発明を完成するにいたった。すなわち本発明は、 ポリカーボネート樹脂を基材とし、該基材の少なくとも片面に、第1層として非吸水性のバリア層が、さらに該第1層のうえに第2層として吸水型の防曇層が形成されたことを特徴とするポリカーボネート樹脂成形体を要旨とする。
上記の通り、本発明のポリカーボネート樹脂成形体は、ポリカーボネート樹脂基材の少なくとも片面に、第1層として非吸水性のバリア層を形成し、さらにこの第1層のうえに第2層として吸水型の防曇層を形成することにより、たとえ化学物質と接触してもポリカーボネート樹脂基材への影響がなく、基材が化学物質に侵されて汚れや白濁、曇りなどの外観上の不具合が発生することはなく、防曇処理層が剥離するといった不具合も発生せず、優れた加工性や防曇性を維持できるという効果を奏し、ヘルメットバイザーやゴーグルなどに好適に用いられる。
第1層の非吸水性バリア層は、ポリカーボネート樹脂基材のうえに形成された際に透明性を維持し、熱成形や切断などの加工性を妨げず、耐衝撃性を極端に低下させない組成物であればよく、ポリカーボネート樹脂より高い耐薬品性を有していれば特に制限はされない。例えば熱可塑性樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
第1層の形成方法としては、多層押出、熱ラミネート、コーティングなどが挙げられる。ただ、多層押出、熱ラミネートにより第1層をポリカーボネート樹脂基材に積層した場合、ポリカーボネート樹脂積層体の加工性や耐衝撃性を維持するためには、第1層の厚さを60μm以下、好ましくは30μm以下にしなければならず、溶融成形にて熱可塑性樹脂層をポリカーボネート樹脂上に形成するのは、生産性、経済性において実用的ではない。また、熱可塑性樹脂層を溶剤キャスト法にてポリカーボネート上に形成することも困難である。
そこで生産性、経済性においても実用的であるのは、液状樹脂をポリカーボネート樹脂基材上にコーティングし、乾燥、硬化させる方法である。液状樹脂としては、紫外線硬化型の樹脂がもっとも好ましい。紫外線硬化型樹脂は、架橋構造を有するため耐薬品性が高く、数μm〜30μm程度の厚さにて十分な性能を発揮でき、ポリカーボネート樹脂積層体の加工性や耐衝撃性は充分に維持される。
液状樹脂としてシリコーン系樹脂や、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化型樹脂を用いると、基材がポリカーボネート樹脂であるために硬化温度の制約を受けるため、120℃以下の比較的低温での長時間の硬化を余儀なくされ、経済性に劣る。また、乾燥型の液状樹脂は架橋構造が少ないため、耐薬品性の向上効果が比較的低くなってしまうという問題がある。一方液状樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いると、80℃以下の低温での乾燥および紫外線や電子線などでの短時間硬化が可能であるため、ポリカーボネート樹脂基材にダメージを与えず第1層としてのバリア層を形成することが可能である。
第1層のバリア層に用いられる紫外線硬化型樹脂としては、多官能アクリレートオリゴマーおよび多官能アクリレートモノマーを主成分とし、場合により単官能モノマーなどを適宜組み合わせることができる。非吸水性のバリア層として十分な機能を発揮するために、多官能アクリレートオリゴマーおよび多官能アクリレートモノマーを主成分とし、架橋密度をある程度高くする必要があり、3官能以上の多官能アクリレートオリゴマー、多官能アクリレートモノマーが用いられる。ただ、これらのオリゴマー、モノマーだけの場合、硬化収縮が大きく、反りが発生する他、ポリカーボネート樹脂成形体としての加工性や耐衝撃性が低下してしまう場合がある。そこで、硬化収縮および架橋密度を調整すると共に、ポリカーボネート樹脂との十分な密着性が得るために、2官能以下のアクリレートモノマーを組み合わせて用いることが好ましい。
<多官能アクリレートオリゴマー>
多官能アクリレートオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートやポリエステルアクリレートなどが使用可能である。
エポキシアクリレートオリゴマーとしては、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。また、ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
多官能アクリレートオリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマーを用いるのが最も好ましい。バリア層として適度な架橋密度を得られると共に、硬化収縮が比較的小さく、ポリカーボネート樹脂成形体としての加工性や耐衝撃性を他のオリゴマーと比較し低下させにくいからである。このウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ウレタンアクリレートオリゴマーの中でも、特に2官能から6官能程度のものを組み合わせて使用することが好ましい。これは、6官能程度のウレタンアクリレートを使用することで、バリア層として十分な架橋密度が得られやすく、2官能程度のウレタンアクリレートを併用することで、硬化収縮の低減や、適度な柔軟性を付与することによりポリカーボネート樹脂成形体としての加工性や耐衝撃性の維持が可能となるからである。
上記ポリエステルポリオールの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を採用し得る。例えば、ジオールとジカルボン酸もしくはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させても、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させてもよい。ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等が用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合が用いられる。
ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール等が用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネートとしては、直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートが用いられる。芳香族ジイソシアネートももちろん使用可能であり、より容易に硬さや耐擦傷性といった優れたハードコート性を得ることができる半面、ハードコートの骨格を形成する主成分で多官能オリゴマーにこれら芳香族系の成分を用いた場合、耐光性が低下し、光への暴露により黄変しやすいため、実用面において透明ハードコートとしての機能を損なうからである。直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートの代表的なものとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
水酸基を有するアクリレートモノマーの例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
<多官能アクリレートモノマー>
多官能アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートを挙げることができる。
<単官能モノマー>
単官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルフォリン、Nビニルピロリドン、Nビニルホルムアミド、イソボロニルアクリレートなどが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂成形体は、上記第1層のバリア層の上に、第2層として吸水型の防曇層を設けることにより得られる。第2層の吸水型防曇層は、防曇性を得るために必要な吸水性能を有し、ポリカーボネート樹脂積層体とした場合の透明性を維持し、熱成形や切断などの加工性を妨げず、耐衝撃性を極端に低下させないものであれば、特に制限されない。例えば、ケン化処理により親水性を付与したセルロース樹脂や、親水基を分子内に有する紫外線硬化型樹脂塗膜を用いることができる。
第1層、第2層に紫外線硬化型樹脂塗料を用いる場合、塗料中に光重合開始剤の添加が必要である。光重合開始剤は、光重合性化合物が紫外線によって硬化する際の重合開始剤としての機能を有しており、公知のものを単独でもしくは組み合わせで使用することができ、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン又はベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン類、ベンジル等のアルファ−ジカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2、4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスヒンオキサイド類、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアルファ−アシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン類等を使用することができる。
さらに、外観の優れた塗膜を得るために、フッ素系や変性シリコーン系などの表面調整剤が塗料中に添加される。フッ素系や変性シリコーン系の表面調整剤としてはポリエーテル系、アルキル系、ポリエステル系のものが使用可能だが、特にポリエーテル系が好ましい。またアクリル系共重合物も表面調整剤として市販されている。これらの表面調整剤は組み合わせて使用することも可能である。
また、紫外線や赤外線などの特定の波長の吸収や反射、着色などの意匠性の付与などの理由により、本発明のポリカーボネート樹脂成形体の基材、第1層または第2層の何れかあるいは、すべての層に、必要に応じ、無機あるいは有機フィラーや添加剤を混入することができる。
第1層のバリア層用として、次の紫外線硬化型樹脂塗料を用意した。
A:2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:Ebecryl EB8402 ダイセルユーシービー社製)
B:6官能ウレタンアクリレート(商品名:Ebecryl EB1290、ダイセルユーシービー社製)
C:2官能のエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A-BPE4 新中村化学工業社製)

A:B:Cを50:30:20で混合し、この混合物に対し、表面調整剤として、アクリル系共重合物(商品名:BYK356 ビックケミー社製)を0.005wt%添加しさらに、樹脂分の濃度が溶液中20重量%となるようにイソプロピルアルコールと酢酸ブチルの50:50混合希釈溶剤で希釈することにより塗料を調整した。この際、予めイソプロピルアルコールに溶解させた光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)を樹脂分に対し5重量%となるように希釈溶剤の一部として添加した。このように調整された塗料は充分に攪拌混合した後、密閉容器に保存した。
第2層の防曇層用として、次の紫外線硬化型樹脂塗料を用意した。
D:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A−BPE20 新中村化学工業社製 )
E:Nビニル−2ピロリドン(商品名:NVP 丸善石油化学社製)

D:Eを70:30で混合し、この混合物に対し、表面調整剤として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK307 ビックケミー社製)を0.04wt%添加しさらに、樹脂分の濃度が溶液中20重量%となるようにイソプロピルアルコールと酢酸ブチルの50:50混合希釈溶剤で希釈することにより塗料を調整した。この際、予めイソプロピルアルコールに溶解させた光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)を樹脂分に対し2重量%となるように希釈溶剤の一部として添加した。このように調整された塗料は充分に攪拌混合した後、密閉容器に保存した。
さらに、第2層の防曇層用として、次のフィルムを準備した。
F:ケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルム(50μm厚、サントックス社製)
<実施例1>
厚さ2.0mmのポリカーボネートシート(筒中プラスチック工業株式会社製「ポリカエース」)を準備し、数種類の金属製バーコーターを用いて、乾燥膜厚が5μmになるように第1層の塗料を塗布した。つぎに、このポリカーボネートシートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機株式会社製)を用い、距離25cmとし速度10m/分のコンベアに載せられたポリカーボネートシートに紫外線を照射し、塗料を硬化させた。
次いで第2層用の塗料を、第1層と同様に、金属製バーコーターを用いて、乾燥膜厚が20μmになるように第1層の上に塗布した。さらに、このポリカーボネートシートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ10分間乾燥した後、160W/cm高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製)を用い、距離15cmとし速度2.0m/分のコンベアに載せられたポリカーボネートシートに紫外線を照射することによりポリカーボネート樹脂成形体を得た。
<実施例2>
実施例1と同様に、第1層を形成した後で、第1層の表面にFのフィルムを140℃に温調されたゴムロールの圧着によりラミネートすることによりポリカーボネート樹脂成形体を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして、ポリカーボネートシートのうえに第2層用の塗料を、第1層を設けず直接塗布〜乾燥することによりポリカーボネート樹脂成形体を得た。
<比較例2>
実施例2と同様にして、ポリカーボネートシートにFのフィルムを、第1層を設けず直接ラミネートすることによりポリカーボネート樹脂成形体を得た。
上記のようにして得られた成形体について次の評価を行った。その結果を表1に示す。
<防曇性>
EN168の測定方法に基づき、50℃温水バス上にサンプルをかざした後、He−Neレーザーによる光線透過率が初期の80%になるまでの時間を防曇性能とした。
<耐薬品性>
ポリカーボネートを侵す代表的な化学物質であるアセトンを、防曇面に1ml滴下し、自然乾燥するまで室温で放置し、乾燥後の外観を目視観察した
Figure 2007210138
実施例1、2においては、何れも良好な防曇性を示し、かつ耐薬品試験において外観上の不具合を示さず、耐薬品性に優れたポリカーボネート成形体を得ることができた。これに対し、比較例1、比較例2においては、防曇性においては実施例と同様であったが、耐薬品性に問題があり、白濁やクラック、剥離などの異常が発生した。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂を基材とし、該基材の少なくとも片面に、第1層として非吸水性のバリア層が、さらに該第1層のうえに第2層として吸水型の防曇層が形成されたことを特徴とするポリカーボネート樹脂成形体。
  2. 第1層が、紫外線硬化型樹脂塗膜よりなる請求項1記載のポリカーボネート樹脂成形体。
  3. 第1層が、多官能アクリレートオリゴマーおよび多官能アクリレートモノマーを含有する紫外線硬化型樹脂塗膜よりなる、請求項1および2記載のポリカーボネート樹脂成形体。
  4. 第2層が、吸水性の紫外線硬化型樹脂塗膜よりなる、請求項1〜3記載のポリカーボネート樹脂成形体。
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