JP5307352B2 - 軟質フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用ステッカーフィルム、光学部品保護フィルム、半導体プロセスフィルムなどに好適に使用できる軟質フィルムであって、特に、熱による収縮あるいは膨張を5%以内に抑えることができるなどの寸法変化が極めて少なく、また表面強度の高い軟質フィルムに関する。
最近の動向として、印刷用ステッカーフィルムでは、カールすることなく印刷が容易にできることはもちろんであるが、取り扱い時に、シワが入りにくく、ある程度曲面に追随できることが求められている。
液晶表示素子などの光学部品の保護フィルムでは、熱工程を経ても収縮しないこと、強靭でありながら且つ衝撃を吸収して保護するだけのソフト性を有すること等が求められている。
バックグラインドテープなどの半導体プロセスフィルムでは、パターン形成された半導体ウエハを保護しつつ、研磨やポリッシング時に発生する熱による収縮カールで該ウエハを破損するようなことが無いことが求められている。
このようなフィルムとしては、従来、強靭かつ耐熱性のある2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム等が用いられてきたが、曲面に追随したり衝撃を吸収するための十分なソフト性を得ることが難しかった。
他方、ポリエチレン、エチレン共重合体、ソフトアクリル、ポリプロピレンを外層にした多層構造フィルムも提案されているが、ソフト性は付与できても熱による収縮・変形を防ぐことはできなかった。
また、半導体ウエハの裏面研削を行う際に用いられる表面保護用シートとして、近年、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体などのエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフラテートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ウレタンなどの樹脂フィルムを押出し形成した厚さ30〜1000μmのものの特定箇所に接着剤層を設けたものが提案されている(特願2005−123382)。
しかし、この提案には、半導体ウエハ研削時に発生する熱による収縮や膨張の問題については触れられておらず、上記のような樹脂シートの場合、かなり高温となる半導体プロセスの工程に用いられる保護フィルムとしては不向きであると考えられる。
これに対し、発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハに施すに際し、半導体ウエハの片面に貼着される保護シートとして、収縮率の異なる2層以上からなり、粘着剤層に近い(すなわち、半導体ウエハに近い)層αの100℃での収縮率を−5〜+5%とし、粘着剤層に遠い(すなわち、半導体ウエハに遠い)層βの100℃での収縮率を10〜30%とし、層αと層βには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニルなどが用いられるとした提案もなされている(特願2005−236032)。
この提案の保護シートでは、柔軟性についての配慮がないばかりか、熱膨張率や、表面強度などについての配慮もなく、熱収縮は回避できても、曲面追随性や、熱膨張による不都合、あるいは耐久性の面などに問題を残している。
特願2005−123382公報 特願2005−236032公報
本発明は、以上のような現状を考慮し、熱による収縮あるいは膨張を5%以内に抑えることができ、熱によるカールやシワなどの変形も極めて少ない高い熱安定性を有するとともに、十分なソフト性(曲面に追随できる柔軟性や衝撃を吸収できる緩衝性)と高い表面強度とを備えた軟質フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者等は、検討を重ねた結果、
フィルムの外層(A)として、引張弾性率が600Mpa前後の硬さをもちながら熱による収縮が極めて少ない特定の変性ポリブチレンテレフタレート系樹脂を用いることに着目し、
該樹脂を、弾性のある軟質樹脂からなる基材層(B)の両面に積層させることで、熱収縮、熱膨張などの環境変化に関わるカールを確実に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の軟質フィルムは、基材層(B)の両面に外層(A)を積層させた3層からなる軟質フィルムであって、
基材層(B)が、ポリエチレン系樹脂にポリオレフィンの無水マレイン酸グラフト系接着性樹脂の少なくとも1種を5〜30重量%含むものであり、
外層(A)が、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと重量平均分子量が800〜2000であるポリテトラメチレングリコールからなり、前記ポリテトラメチレングリコールの含有量が5〜20重量%である変性ポリブチレンテレフタレート系樹脂からなることを特徴とする。
このとき、
〔1〕160℃のギヤオーブン中に10分間放置した後の寸法変化率が、縦方向と横方向の平均値で5%以下であること
〕外層(A)と基材層(B)との層比が、(A):(B):(A)=1:4:1〜1:16:1であること、
〔3〕基材層(B)が、ポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤を10〜30重量部含有すること、
が好ましい。
また、本発明では、基材層(B)を構成する樹脂を集中的に架橋促進させることで、外観やソフト性を保持しながら耐熱性を更に向上させるために、〔4〕電子線照射が施されてもよい。
外層(A)の変性ポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、「変性PBT」とも言う)は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとポリテトラメチレングリコールからなり、ポリテトラメチレングリコール(以下、「PTMG」とも言う)の含有量が5〜20重量%であることが好ましい。
PTMGの含有量は、得られる軟質フィルムの用途により適宜調節されるが、少なすぎればPTMGを配合する技術的意義が発現せず、母体樹脂の特性のみとなって外層(A)の引張弾性率が高くなりすぎ、多すぎると、熱による収縮率あるいは膨張率を5%以下に抑えることが却って困難となって、フィルムにカールやシワが生じやすくなるなどの不都合を招く場合があり、上記のように5〜20重量%とすることが好ましい。
また、上記PTMGの重量平均分子量は、800〜2000であることが好ましく、900〜1200がより好ましい。この範囲の重量平均分子量のPTMGが上記範囲の割合で含まれていれば、熱による収縮率あるいは膨張率を確実に5%以下に抑えることができる。また、PTMGの重量平均分子量が小さすぎると得られるフィルムの機械的特性が低下し、大きすぎるとフィルムの押出などに不都合を生じる。
上記の変性PBTを構成するテレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの重量比は、50:45:5〜50:30:20が好ましい。
テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの比率が、これより多くても、少なくても、製膜性が悪くなるのみならず、特に、この比率外で、かつPTMG含有量が20重量%を超える場合は、熱による収縮率あるいは膨張率を5%以下に抑えることが困難となる。
なお、本発明においては、このような変性PBTのガラス転移温度(Tg)が20〜60℃、引張弾性率が500〜700Mpa、融点が215〜200℃であることが好ましい。このような物性を有する変性PBTであれば、例えば半導体プロセスなどで生じる190℃程度の高温下において、収縮・膨張・カール・シワなどの不都合は生じず、半導体プロセスフィルムの他、印刷用ステッカーフィルム、光学部品保護フィルムなどに好適に使用できる軟質フィルムの外層(A)材として好ましい。
上記のような変性PBTは、特に限定されるものではないが、次のような方法で得ることができる。
例えば、テレフタル酸あるいはそのエステル誘導体の一方もしくは双方を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応触媒(テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等のチタン化合物、あるいはこれらのチタン化合物に加えて錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ジルコニウム化合物等)を用い、150〜280℃、50〜1000torr(6666〜133322Pa)で、攪拌しながら2〜5時間エステル化反応させて、エステル化反応生成物としてのオリゴマーを得、これを重縮合反応触媒(上記のエステル化反応触媒を引き続き用いたり、上記エステル化反応時のエステル化反応触媒と同じ触媒を新たに添加したり、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等を新たに添加するなど)の存在下で、210〜280℃、200torr(26664Pa)以下で、攪拌しながら2〜5時間重縮合反応させて得ることができる。
変性PBTは、上記のPBTの重合工程においてPTMGを添加して重縮合したり、あるいは上記の重合方法により得られるPBTとPTMGを押出機で溶融混練することによっても得ることができる。
本発明では、上記の変性PBTには、縮合リン酸エステル系化合物を配合してもよく、該化合物を配合することにより、非配合でも十分柔軟な変性PBTを更に柔軟にすることができる。また該化合物は、難燃剤としての機能もあり、該化合物を添加することにより、本発明の軟質フィルムに難燃性を付与することができる。この縮合リン酸エステル系化合物としては、例えばレゾルシンビスホスフェート、ハイドロキノンビスホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、これらの混合物などが挙げられる。
本発明における基材層(B)は、弾性のある軟質な層であることが重要であり、ポリエチレン系樹脂を使用する。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
上記の基材層(B)は、該基材層(B)と両外層(A)との層間の密着性を確保するために、上記ポリエチレン系樹脂にポリオレフィンの無水マレイン酸グラフト系接着性樹脂の少なくとも1種を0〜100重量%、好ましくは5〜30重量%含むものを使用する。
接着性樹脂を配合する場合の該接着性樹脂の配合量は、少なすぎれば、基材層(B)と両外層(A)との層間に十分な接着性が得られず、該接着性樹脂のみの場合、すなわち該接着性樹脂が100重量%の場合は、基材層の製膜性に支障が出てくる可能性があり、両樹脂の特性を効果的に発現する上で、5〜30重量%とすることが好ましい。
ポリオレフィンの無水マレイン酸グラフト系接着性樹脂とは、ポリオレフィンと無水マレイン酸とのグラフト共重合体であって、接着剤として常用されているもので、例えば、三井化学社製 商品名“アドマーQF551”や、三菱化学社製 商品名“モディックF534A”など一般に市販されているものをそのまま用いることができる。
このように、本発明では、基材層(B)に上記の接着性樹脂を配合するため、基材層(B)と外層(A)との層間に接着性樹脂層を設ける必要はない。
また、基材層(B)には、埃や人毛などの付着を防止すること、電子関連や半導体関連分野で要求される高い帯電防止性能を付与するために、ポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤を含有させてもよい。
変性PBTからなる外層(A)の物性(熱収縮率、熱膨張率、ガラス転移温度、引張弾性率、融点など)を前述した範囲内に良好に保つためには、外層(A)には、帯電防止剤(あるいは上記の接着性樹脂、その他の添加物)は、添加・混合しないことが好ましく、本発明では、基材層(B)に、上記の接着性樹脂と共に、帯電防止剤を併用することで、帯電防止剤の分散性を向上させることができる。
上記のポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤は、基材層(B)中に10〜30重量%程度含有させることが好ましい。
この範囲内の配合であれば、十分な帯電防止効果を得ることができる。
このポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド等のような高分子系界面活性剤が好ましく使用できる。
また、上記の基材層(B)には、上記接着性樹脂、帯電防止剤の他に、酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、安定剤、着色剤などを配合することもできる。
この基材層(B)は、引張弾性率が100Mpa以下が好ましく、さらに好ましくは85Mpa以下である。100Mpaを超えると、十分な柔軟性が得られず、フィルムの製膜性が低下する傾向がある。
なお、本発明では、基材層(B)に接着性樹脂を配合することに代えて、基材層(B)と両外層(A)との層間に接着性樹脂層を設けてもよい。このとき、ポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤は、この接着性樹脂層に添加してもよいし、基材層に添加してもよい。
この接着性樹脂層としては、通常の多層フィルムや多層シートに用いられるものであれば、どのような接着性樹脂も使用できる。
本発明の軟質フィルムは、上記の基材層(B)の両面に上記の外層(A)を積層させた3層からなる。このような3層構成とすることにより、加熱収縮や加熱膨張が極めて少ない樹脂からなる両外層(A)が、弾性のある軟質な基材層(B)の熱による収縮などの寸法変化を確実に抑えることができる。
外層(A)と基材層(B)との層比については、得られる軟質フィルムの用途により適宜調節され得るが、(A):(B):(A)=1:4:1〜1:16:1であることが好ましく、より好ましくは1:8:1〜1:10:1である。
外層(A)に対する基材層(B)の厚みが、薄すぎると得られるフィルムが硬くなり、厚すぎると熱による収縮率や熱膨張率を5%以下に抑えることができず、カールあるいはシワなどの不具合を発生する。
なお、外層(A)と基材層(B)との層比が上記範囲内であるならば、2つの外層(A)の厚みは同一であっても、異なっていてもよい。
本発明が提供する基材層(B)の両面に外層(A)を積層させた軟質フィルムの全厚みについては、50〜400μm程度であることが好ましい。軟質フィルムの適正厚みは、用途によって異なる。
軟質フィルムの製造方法としては、共押出法、共押出し/インフレーション法、共押出し/ラミネート法等を用いて製造することができる。
例えば、共押出法の場合、Tダイ2種3層押出機にて、外層(A)、基材層(B)、外層(A)の3層をダイスから押出し、30℃以下のキャストロールとタッチロールで挟んで急冷すればよい(なお、基材層(B)と両外層(A)との層間に接着性樹脂層を設ける際には、3種5層押出機を用いることとなる)。
このようにして得られた軟質フィルムに、紫外線、α線、β線、γ線、あるいは電子線などの照射を施してもよい。
例えば、電子線の場合、EB照射機を用い、照射線量50〜200kGyの設定条件にて、基材層(B)を構成する樹脂を集中的に架橋促進させることで、軟質フィルムの外観やソフト性を保持しながら耐熱性を更に向上させることができる。照射線量50kGy未満であると照射の効果が得られず、200kGyを超えると軟質フィルムとしての柔軟性を阻害するのみならず、他の物性も低下する。
上記のような構成を有する本発明の軟質フィルムは、透明ないし半透明であり、所望により梨地加工を施したり、基材層に着色を施したりなどができる。
なお、透明性は、JIS−A−5759に基づき算出される可視光線透過率が10%以上であることが好ましい。
本発明の軟質フィルムは、熱による収縮率や膨張率が5%以下であって、熱による寸法変化が極めて少ない。
また、本発明の軟質フィルムは、この熱による寸法変化が極めて少ないに加え、曲面に追随できる柔軟性や衝撃を吸収できる緩衝性があり、表面強度が高い(折れ皺が入りにくい)。
これらの特性のために、印刷用ステッカーフィルム、光学部品保護フィルム、また半導体プロセスフィルムなどとして幅広く使用できる。
加えて、光透過性があり、160℃程度までの熱工程を経ても収縮しないため、液晶表示素子などの光学部品の保護フィルムとしても効果的に用いることができる。
〔検討1〕
実施例〜8、比較例1〜
基材層用および外層用として、それぞれ下記の表1中に示す配合からなる組成物を調製した。
調製した組成物をTダイ2種3層押出機に投入し、基材層のシリンダー温度220℃、外層のシリンダー温度250℃、ダイス温度250℃の条件下押出し、キャストロールとタッチロールで挟み30℃にて冷却して、各層の厚さ比が、外層:基材層:外層=1:8:1となるように幅100cm、厚さ150μmの3層構造のフィルムを成形した。
得られたフィルムの加熱による寸法変化、表面強度、層間密着性、柔軟性(曲面追随性)・引張弾性率、帯電防止性を下記の評価方法で評価した。結果を表1に示す。
なお、実施例8のフィルムに、EB照射機(NHVコーポレーション社製)にて、加速電圧300KV、電子流470mA、照射線量100kGyの設定条件にて、電子線照射を行った。
(1)加熱による寸法変化:160℃のギヤオーブン中に10分間放置し、収縮・膨張・カール・シワなどに関わる寸法変化を測定した。なお、表中の数値(%)は縦方向と横方向の平均値で示す。
(2)表面強度(クラッチ性):フィルム表面を爪で引っかき、全く問題ない場合を「○」、引っかき傷が生じる場合を「×」とした。
(3)外層と基材層との層間密着性:得られたフィルム表面に、粘着テープ(商品名“セロテープ”《登録商標》)を貼って剥がすことにより剥離性を調べ、全く剥離が認められない場合を「◎」、極微細な剥離は発生するものの実用に供して問題ない場合を「○」、剥離した場合を「×」で示した。
(4)柔軟性・引張弾性率:JIS K 6732に準じて測定し、ヤング率が300MPa以下を「○」、それ以上は「×」とし、ヤング率は300MPa以下であるが柔軟性がやや劣る場合を「△」とした。
(5)帯電防止性:Electrp−tech−Systems,inc製“MODEL 406”を用い、5kV印加して、50%減衰した際の時間(秒)を測定した。
表1中の略号は以下の通りである。
<外層>
PBT系樹脂−1:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの成分重量比が50:45:5の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの平均分子量が1000で、含有量が5重量%)
PBT系樹脂−2:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの成分重量比が50:40:10の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの平均分子量が1000で、含有量が10重量%)
PBT系樹脂−3:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの成分重量比が50:30:20の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの平均分子量が1000で、含有量が20重量%)
PBT系樹脂−4:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの成分重量比が50:50のポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの含有量が0重量%)
PBT系樹脂−5:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの成分重量比が50:47:3の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの平均分子量が1000で、含有量が3重量%)
PBT系樹脂−6:テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと該PTMGとの成分重量比が50:28:22の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PTMGの平均分子量が1000で、含有量が22重量%)
<基材層>
EMMA:エチレン−メタクリル酸メチル(MMA成分19%)(住友化学社製 商品名“アクリフト”)
接着性樹脂:ポリオレフィン無水マレイン酸グラフト共重合接着性樹脂(三井化学社製 商品名“アドマーQF551”)
永久帯電防止剤:ポリオレフィンエーテル(三洋化成社製 商品名“ペレスタット”)
〔検討2〕
(外層/基材層/外層比の検討)
実施例9〜14
前記実施例8において、全厚を150μmとして、各層の厚さ比(外層:基材層:外層)を表2に示すように代える以外は、実施例8と同様に実施した。
得られたフィルムの加熱による寸法変化、表面強度、層間密着性、柔軟性・引張弾性率、帯電防止性を実施例8と同様の評価方法で評価した。この結果を表2に示す。
表2において、実施例9,10は、柔軟性がやや乏しく取り扱い性に難があり、実施例14は、外層が薄く部分的に厚さの不均一なところがあって表面強度に難があるのに対し、実施例11,12,13は、柔軟性が十分であり、外層も厚さ均一で、表面強度も十分であることが分かる。
〔検討3〕
(電子線照射の検討)
実施例15〜17
実施例8と同様にして得られたフィルムに表3に示す条件でEB照射を施し、照射後のフィルムの加熱による寸法変化、表面強度、層間密着性、柔軟性・引張弾性率、帯電防止性を実施例8と同様の評価方法で評価した。この結果を表3に示す。
本発明の3層構造の軟質フィルムは、両外層が、折れ皺が入りにくく、保護機能がある程良い硬さで、加熱収縮が極めて少ない変性PBT系樹脂から構成され、基材層が柔らかく弾力がある軟質樹脂から構成されているため、十分なソフト性がありながら表面強度が高いうえ、熱による収縮・膨張・カール・シワなどの寸法変化が極めて少ない。
従って、印刷用ステッカーフィルム、光学部品保護フィルム、半導体プロセスフィルムなどの広範な分野に好適に使用され得る。

Claims (6)

  1. 基材層(B)の両面に外層(A)を積層させた3層からなる軟質フィルムであって、
    基材層(B)が、ポリエチレン系樹脂にポリオレフィンの無水マレイン酸グラフト系接着性樹脂の少なくとも1種を5〜30重量%含むものであり、
    外層(A)が、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールと重量平均分子量が800〜2000であるポリテトラメチレングリコールからなり、前記ポリテトラメチレングリコールの含有量が5〜20重量%である変性ポリブチレンテレフタレート系樹脂からなることを特徴とする軟質フィルム。
  2. 160℃のギヤオーブン中に10分間放置した後の寸法変化率が、縦方向と横方向の平均値で5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟質フィルム
  3. 外層(A)と基材層(B)との層比が、(A):(B):(A)=1:4:1〜1:16:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の軟質フィルム。
  4. 基材層(B)が、ポリオレフィンエーテル系永久帯電防止剤を10〜30重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の軟質フィルム。
  5. 電子線照射が施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の軟質フィルム。
  6. 印刷用ステッカーフィルム、光学部品保護フィルム、または半導体プロセスフィルムとして使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の軟質フィルム
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