JP2013182981A - バックグライディングシート用基体フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、バックグライディング工程後のバックグライディングシートの剥離時に生じる剥離帯電を抑制することができるバックグライディングシート用の基体フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面にポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を含む樹脂組成物から形成される層を有するバックグライディングシート用基体フィルムであって、
該帯電防止剤と該ポリエチレン系樹脂とのメルトフローレートの差DMFRが3g/10min以上であり、該樹脂組成物において、該帯電防止剤をポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5〜55質量部含むバックグライディングシート用基体フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも一方の表面にポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を含む樹脂組成物から形成される層を有するバックグライディングシート用基体フィルムであって、
該帯電防止剤と該ポリエチレン系樹脂とのメルトフローレートの差DMFRが3g/10min以上であり、該樹脂組成物において、該帯電防止剤をポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5〜55質量部含むバックグライディングシート用基体フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体ウェハを削るバックグラインディング工程において、半導体ウェハを固定するためのバックグラインディングシート用基体フィルムに関する。
従来より、半導体素子等の半導体材料は、原料となる半導体ウェハに素子をパターニングし、所望の大きさにダイシングすることによって得られる。このような半導体素子は、製品の高性能化や、情報量の高密度化等の観点から、厚さがより薄いものが求められている。
半導体素子の薄化は、原料となる半導体ウェハの裏面を研削するバックグライディング工程によって、所望の厚さにすることができる。
当該バックグライディング工程において、半導体ウェハにパターニングされた面を保護する観点から、半導体ウェハのパターン形成面に、バックグライディングシートが貼り付けられる。バックグライディングシートは、基体フィルム層と粘着剤層によって構成されたものであり、半導体ウェハは、バックグライディングシートの粘着剤層を介して接着される(例えば、特許文献1)。
当該バックグライディングシートは、バックグライディング工程の後、半導体ウェハから剥離されるが、バックグライディングシートの剥離の際に、剥離帯電が発生することがある。このような剥離帯電は、半導体素子に大きな影響を及ぼすことがあり、半導体素子の歩留まり率を著しく損なうという問題点を有していた。
本発明は、バックグライディング工程後のバックグライディングシートの剥離時に生じる剥離帯電を抑制することができるバックグライディングシート用の基体フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリエチレン系樹脂中に帯電防止剤を特定量含有させたバックグライディングシート用の基体フィルムにおいて、当該フィルムの表面抵抗が低減し、メルトフローレート(MFR)の差が特定の範囲のポリエチレン系樹脂と帯電防止剤との組み合わせで用いることで、製膜性に優れ、当該フィルム表面上に外観不良(スジ)等の発生が抑制できることを見出した。
即ち、本発明は下記のバックグライディングシート用基体フィルムを提供する。
項1.少なくとも一方の表面にポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を含む樹脂組成物から形成される層を有するバックグライディングシート用基体フィルムであって、
式
DMFR=[帯電防止剤のMFRの値]−[ポリエチレン系樹脂のMFRの値]
(式中、MFRの値とは190℃・荷重21.18Nにおけるメルトフローレートの値をいう。)
で表される該帯電防止剤と該ポリエチレン系樹脂とのメルトフローレートの差DMFRが3g/10min以上であり、
該樹脂組成物において、該帯電防止剤を該ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5〜55質量部含むバックグライディングシート用基体フィルム。
式
DMFR=[帯電防止剤のMFRの値]−[ポリエチレン系樹脂のMFRの値]
(式中、MFRの値とは190℃・荷重21.18Nにおけるメルトフローレートの値をいう。)
で表される該帯電防止剤と該ポリエチレン系樹脂とのメルトフローレートの差DMFRが3g/10min以上であり、
該樹脂組成物において、該帯電防止剤を該ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5〜55質量部含むバックグライディングシート用基体フィルム。
項2.上記帯電防止剤が、ポリエーテルエステルアミド樹脂及び/又は親水性ポリオレフィン樹脂である上記項1に記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
項3.上記ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる上記項1又は2に記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
項4.上記ポリエチレン系樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体である上記項1〜3のいずれかに記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
本発明の基体フィルムは、表面の層に帯電防止剤を特定量含んでいるため、表面抵抗が低い。そのため、バックグライディングシートとして用いた場合、半導体ウェハをバックグライディングシートから剥離する際に、半導体ウェハと粘着剤層との間で生じる剥離帯電を、効率よく逃すことができ、剥離帯電による半導体ウェハの性能損失を防ぐことが可能となる。
さらに、基体フィルムに含まれるポリエチレン系樹脂と帯電防止剤とのMFRの差が、特定の範囲となるように組み合わせることで、上記の剥離帯電の抑制効果に加えて、基体フィルム表面上にスジ等の発生が抑制でき、製膜性に優れた基体フィルムが得られる。
そのため、本発明の基体フィルムは、表面に粘着剤層を設けることで、バックグライディングシートとして好適に用いることができる。
本発明のバックグラインディングシート用基体フィルム(以下、単に基体フィルムとも表記する)は、ポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を含む樹脂組成物から形成される層を有する。
I.樹脂組成物
基体フィルムを得るために用いられる樹脂組成物は、帯電防止剤及びポリエチレン系樹脂を含む。樹脂組成物中に含まれるポリエチレン系樹脂と帯電防止剤のメルトフローレート(以下、MFRとも表記する)の差(DMFR=[帯電防止剤のMFRの値]−[ポリエチレン系樹脂のMFRの値])は、3.0g/10min以上であり、4.0g/10min程度以上が好ましく、6.0g/10min程度以上がより好ましい。MFRの差が、3.0g/10min未満である場合、基体フィルムの表面にスジ等の発生や、穴あき等が発生し、基体フィルムの外観が損なわれ、製膜性においても悪化する傾向がある。
基体フィルムを得るために用いられる樹脂組成物は、帯電防止剤及びポリエチレン系樹脂を含む。樹脂組成物中に含まれるポリエチレン系樹脂と帯電防止剤のメルトフローレート(以下、MFRとも表記する)の差(DMFR=[帯電防止剤のMFRの値]−[ポリエチレン系樹脂のMFRの値])は、3.0g/10min以上であり、4.0g/10min程度以上が好ましく、6.0g/10min程度以上がより好ましい。MFRの差が、3.0g/10min未満である場合、基体フィルムの表面にスジ等の発生や、穴あき等が発生し、基体フィルムの外観が損なわれ、製膜性においても悪化する傾向がある。
なお、DMFRの上限は特に制限するものではないが、例えば、製膜性の観点等から、30g/10min程度以下、好ましくは、29g/10min程度以下、より好ましくは、26g/10min程度以下に設定される。ここで、上記のMFRは、190℃・荷重21.18Nにおいて測定した値を意味する。
樹脂組成物中における帯電防止剤の含有割合は、基体フィルムの表面上に帯電防止剤を多く存在させることができ、半導体ウェハを剥離する際に発生し得る剥離帯電を抑制できるという観点から、ポリエチレン系樹脂を100質量部に対して、5質量部程度以上が好ましく、7質量部程度以上がより好ましく、10質量部程度以上がさらに好ましい。
また、樹脂組成物中における帯電防止剤の含有割合は、基体フィルムの表面上において、スジやフィッシュアイ等の発生を抑制することができ、基体フィルムの外観が優れ、製膜性において優れるという観点から、55質量部程度以下が好ましく、50質量部程度以下がより好ましく、45質量部程度以下がさらに好ましい。
II.ポリエチレン系樹脂
本発明の基体フィルムをバックグライディングシートとして用いる際、半導体ウェハを接着させるために、粘着剤が基体フィルムの上に設けられる。その際、当該粘着剤層を良好に接着させる事ができる点、バックグラインド特性の点等から、当該基体フィルムのマトリックス樹脂としてポリエチレン系樹脂が用いられる。
本発明の基体フィルムをバックグライディングシートとして用いる際、半導体ウェハを接着させるために、粘着剤が基体フィルムの上に設けられる。その際、当該粘着剤層を良好に接着させる事ができる点、バックグラインド特性の点等から、当該基体フィルムのマトリックス樹脂としてポリエチレン系樹脂が用いられる。
ポリエチレン系樹脂は、後述する帯電防止剤のMFRとポリエチレン系樹脂のMFRとの差が3.0g/10min以上となるようなものであれば、特に限定されるものではない。ポリエチレン系樹脂のMFRとしては、製膜性の観点から、0.1〜20g/10min程度以上が好ましく、0.1〜17g/10min程度がより好ましく、0.1〜15g/10min程度がさらに好ましい。なお、上記のMFRは、前記「I.樹脂組成物」において挙げられた方法と同じ方法で測定された値である。
ポリエチレン系樹脂の具体例としては、エチレン単独重合体又はエチレンと共重合可能な成分との共重合体等が挙げられる。エチレン単独重合体の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や、超低密度ポリエチレン等が好適に用いられる。
エチレンと共重合可能な成分としては、α−オレフィン、ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル又は不飽和カルボン酸等が挙げられる。即ち、エチレンと共重合可能な成分との共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体におけるエチレンと共重合可能なα−オレフィン成分としては、炭素数3〜10のものが好ましく、具体的には、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1等が例示できる。
エチレン−ビニルエステル共重合体におけるエチレンと共重合可能なビニルエステル成分としては、具体的には、酢酸ビニル等が挙げられる。エチレン−ビニルエステル共重合体としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸エステル成分としては、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、具体的には、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。エチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂としては、1種を単独で用いてもよく、また、これらのポリエチレン系樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
これらのポリエチレン系樹脂の中で、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることがフィルムの柔らかさの観点、即ちバックグラインド時にウェハにかかる応力を吸収し、ウェハの割れを低減できるという観点から好ましい。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製のサンテック(登録商標)−EVA、東ソー株式会社製のウルトラセン(登録商標)、日本ポリエチレン社製のノバテックEVA(登録商標)、住友化学社製のエバテート(登録商標)、三井・ディュポンポリケミカル社製のエバフレックス(登録商標)、宇部丸善ポリエチレン社製のUBEポリエチレン(登録商標)(EVA)等として入手することが出来る。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、住友化学株式会社製のスミカセン(登録商標)等として入手することができる。
III.帯電防止剤
本発明の基体フィルムは、粘着剤層を介して半導体ウェハを接着させ、当該半導体ウェハを研削(バックグライディング)する際に用いるバックグライディングシートとして用いられる。バックグライディング後に半導体ウェハを剥離させる際、バックグライディングシートに、剥離帯電が生じる。本発明の基体フィルムは、前記剥離帯電の発生を抑制するために、樹脂組成物中に帯電防止剤が含有される。
本発明の基体フィルムは、粘着剤層を介して半導体ウェハを接着させ、当該半導体ウェハを研削(バックグライディング)する際に用いるバックグライディングシートとして用いられる。バックグライディング後に半導体ウェハを剥離させる際、バックグライディングシートに、剥離帯電が生じる。本発明の基体フィルムは、前記剥離帯電の発生を抑制するために、樹脂組成物中に帯電防止剤が含有される。
帯電防止剤のMFRとしては、前記ポリエチレン系樹脂のMFRとの差が3.0g/10min以上となるようなものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、製膜性の観点から、4.0〜30g/10min程度以上が好ましく、5.0〜30g/10min程度がより好ましく、6.0〜30g/10min程度がさらに好ましい。なお、上記のMFRは、前記「I.樹脂組成物」において挙げられた方法と同じ方法で測定された値である。
帯電防止剤の含有量は、基体フィルムの表面上に帯電防止剤を多く存在させることができ、半導体ウェハを剥離する際に発生し得る剥離帯電を抑制できる点等の観点から、ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5質量部程度以上が好ましく、7質量部程度以上がより好ましく、10質量部程度以上がさらに好ましい。
また、帯電防止剤の含有量は、基体フィルムの表面上において、スジや穴あき等の発生を抑制することができ、フィルムの外観が優れ、製膜性において優れるという観点から、55質量部程度以下が好ましく、50質量部程度以下がより好ましく、45質量部程度以下がさらに好ましい。
帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の界面活性剤を選択できるが、とりわけ持続性、耐久性の点から、ポリエーテルエステルアミド樹脂(以下「PEEA樹脂」と表記する)、親水性ポリオレフィン樹脂(以下「親水性PO樹脂」と表記する)等のノニオン系界面活性剤が好適である。
前記PEEA樹脂は親水性付与の主たるユニット成分であるポリエーテルエステルとポリアミドユニットから構成されるポリマーであり、市販されているか、或いは公知の方法で容易に製造することができる。PEEA樹脂として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタット(登録商標)NC6321等が例示される。また、特開昭64−45429号公報、特開平6−287547号公報等にその製法が記載されており、これによれば、例えば、主鎖中にエーテル基を有するポリジオール成分にジカルボン酸成分を反応させて末端エステルに変え、これにアミノカルボン酸又はラクタムを反応させることにより、製造することができる。PEEA樹脂は前記いずれの樹脂とも相性が良く、ブリードアウトするような現象は無い。
親水性PO樹脂としては、例えば親水性ポリエチレン(親水性PE樹脂)又は親水性ポリプロピレン(親水性PP樹脂)が例示される。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、基本的にはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック結合したものであり、高い除電作用が発揮され静電気の蓄積をなくす。この結合は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われている。フィルム樹脂との相溶性の点から、この結合はエステル基又はエーテル基であることが好ましい。親水性PP樹脂として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタット(登録商標)230等が例示される。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂におけるポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖の分子量は、例えば、1200〜6000程度が好ましい。当該分子量の範囲であると、ポリオキシアルキレン鎖にポリエチレン又はポリプロピレンをブロック結合させる前段階の、ポリエチレン又はポリプロピレンの酸変性化が容易であり、好ましい。
また、親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂におけるポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン鎖の分子量は、耐熱性及び酸変性後のポリエチレン又はポリプロピレンとの反応性の点から、1000〜15000程度であるのが好ましい。なお、上記した分子量はGPCを用いて測定した値である。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、例えば、前記した分子量を有するポリエチレン又はポリプロピレンを酸変性し、これにポリアルキレングリコールを反応させて製造することができる。より詳細については、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報に記載された方法により製造することができる。
上記PEEA樹脂、親水性PO樹脂には、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤、及び/又はイオン性液体からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなる帯電防止性向上剤を含んでも良い。
また、前記樹脂組成物は、本発明の基体フィルムにおける要求特性(剥離帯電の低減、基体フィルムの外観、バックグラインド特性を損なわない範囲で、任意の添加剤をさらに含有していてもよい。当該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、青色等の顔料、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、メヤニ防止剤、結晶化核剤等が挙げられる。添加剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、0〜5質量部程度が好ましい。ただし、本発明の基体フィルムを接着させる半導体ウェハに不純物が混入しないことが要求されるため、前記添加剤は、実質的に含まないことが好ましい。
IV.バックグライディングシート用基体フィルム
本発明の基体フィルムは、前記の樹脂組成物から形成される層を有する。基体フィルムは単層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。
本発明の基体フィルムは、前記の樹脂組成物から形成される層を有する。基体フィルムは単層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。
基体フィルムが単層構造である場合には、前記の樹脂組成物を形成する層を用いる。単層である場合の基体フィルムの厚さは、60μm程度以上が好ましく、80μm程度以上がより好ましい。また、基体フィルムの厚さは、コストの観点から、250μm程度以下が好ましく、185μm程度以下がより好ましい。
本発明の基体フィルムが多層構造である場合には、少なくとも一方の表面の層が前記の樹脂組成物から形成される層を有する。3層構造の基体フィルムである場合、両面の層が前記の樹脂組成物から形成される層を有することが、ロール巻き保管後の剥離帯電抑制の点で好ましい。
例えば、具体的には、3層構造の基体フィルムである場合、第1層及び第3層が上記樹脂組成物を形成して得られる層であり、内部の第2層がポリエチレン系樹脂のみからなる層である構成を採用できる。
内部の層(第2層)は、特に限定するものではないが、帯電防止剤を含まない層にすることがコスト面から好ましく、前記樹脂組成物で挙げられたエチレン系樹脂の他に、オレフィン系樹脂等の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成される層であることが好ましい。
基体フィルムが多層構造である場合、前記のI.樹脂組成物から形成される層の厚さとしては、製膜性の観点から、基体フィルム厚みの3%程度以上が好ましく、5%程度以上がより好ましい。また、I.樹脂組成物から形成される層の厚さは、コストの観点から、基体フィルム厚みの90%程度以下が好ましく、80%程度以下がより好ましい。
基体フィルムが多層構造である場合の、前記のI.樹脂組成物から形成される層以外の厚さ(例えば、3層構造である場合における内部の第2の層)としては、バックグラインド特性の観点から、基体フィルム厚み10〜97%程度が好ましく、20〜95%程度がより好ましい。
本発明の基体フィルムは、表面の層に帯電防止剤を含んでいるため、その表面抵抗が低い。そのため、バックグライディングシートとして用いた場合、半導体ウェハをバックグライディングシートから剥離する際に、半導体ウェハと粘着剤層との間で生じる剥離帯電を、効率よく逃すことができ、剥離帯電による半導体ウェハの性能損失を防ぐことが可能となる。
基体フィルムの表面抵抗としては、1013Ω/□未満が好ましく、8.0×1012Ω/□未満がより好ましい。
V.バックグライディング用基体フィルムの製法
本発明の単層及び多層構成のバックグライディング用基体フィルムは、Tダイス又は環状ダイスを使用した押出法やカレンダー法等、従来から用いられている方法で成形することが可能である。基体フィルムの厚み精度の点から考えると、Tダイスを使用した押出法が好ましいため、以下Tダイスを使用した押出法について説明する。
本発明の単層及び多層構成のバックグライディング用基体フィルムは、Tダイス又は環状ダイスを使用した押出法やカレンダー法等、従来から用いられている方法で成形することが可能である。基体フィルムの厚み精度の点から考えると、Tダイスを使用した押出法が好ましいため、以下Tダイスを使用した押出法について説明する。
樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂、帯電防止剤及び任意の添加剤をドライブレンド又は溶融混練し調製することができる。樹脂組成物をスクリュー式押出機に供給し、180〜220℃程度で多層Tダイからフィルム状に押出し、これを20〜70℃程度の冷却ロールに通しながら冷却して実質的に無延伸で引き取る。あるいは、各層用樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記のように押出成形してもよい。
なお、引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、バックグラインド工程において、延伸したことによるフィルムの収縮を抑制するためである。この実質的に無延伸とは、無延伸、あるいは、バックグラインド時のウェハの反りに影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フィルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<原料>
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。
(i)ポリエチレン系樹脂
・ポリエチレン系樹脂1:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合9モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)1g/10min、融点99.7℃]
・ポリエチレン系樹脂2:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合15モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)3g/10min、融点88℃]
・ポリエチレン系樹脂3:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合14モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)15g/10min、融点88℃]
・ポリエチレン系樹脂4:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合10モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)9g/10min、融点95℃]
・ポリエチレン系樹脂5:低密度ポリエチレン[MFR(190℃、荷重21.18N)3.7g/10min、融点112℃]
なお、上記において「酢酸ビニル含有割合」は、エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の占める割合を示す。
・ポリエチレン系樹脂1:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合9モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)1g/10min、融点99.7℃]
・ポリエチレン系樹脂2:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合15モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)3g/10min、融点88℃]
・ポリエチレン系樹脂3:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合14モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)15g/10min、融点88℃]
・ポリエチレン系樹脂4:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含有割合10モル%、MFR(190℃、荷重21.18N)9g/10min、融点95℃]
・ポリエチレン系樹脂5:低密度ポリエチレン[MFR(190℃、荷重21.18N)3.7g/10min、融点112℃]
なお、上記において「酢酸ビニル含有割合」は、エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の占める割合を示す。
(ii)帯電防止剤
・帯電防止剤1:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)VH230、MFR(190℃、荷重21.18N)7g/10min、融点163℃]
・帯電防止剤2:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)230、MFR(190℃、荷重21.18N)10g/10min、融点160℃]
・帯電防止剤3:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)300、MFR(190℃、荷重21.18N)30g/10min、融点135℃]
・帯電防止剤4:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレクトロン(登録商標)HS、MFR(190℃、荷重21.18N)6g/10min、融点136℃]。
・帯電防止剤1:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)VH230、MFR(190℃、荷重21.18N)7g/10min、融点163℃]
・帯電防止剤2:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)230、MFR(190℃、荷重21.18N)10g/10min、融点160℃]
・帯電防止剤3:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレスタット(登録商標)300、MFR(190℃、荷重21.18N)30g/10min、融点135℃]
・帯電防止剤4:親水性ポリプロピレン樹脂[三洋化成工業株式会社製のペレクトロン(登録商標)HS、MFR(190℃、荷重21.18N)6g/10min、融点136℃]。
実施例1
ポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を表1に示す成分及び配合比にて、バレル温度180〜220℃のスクリュー式押出機に供給した。220℃のTダイスから押出し、設定温度30℃の引き取りロールにて冷却固化して、厚さ120μmのフィルムを無延伸の状態で巻き取った。
ポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を表1に示す成分及び配合比にて、バレル温度180〜220℃のスクリュー式押出機に供給した。220℃のTダイスから押出し、設定温度30℃の引き取りロールにて冷却固化して、厚さ120μmのフィルムを無延伸の状態で巻き取った。
実施例2〜21及び比較例1〜8
ポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を表1に示す成分及び配合にした以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを得た。
ポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を表1に示す成分及び配合にした以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを得た。
得られた各フィルムについて、以下の測定方法により表面抵抗及びフィルムの外観を測定した。
・フィルムの表面抵抗
ハイレスタ−UP MCP−HT450(三菱化学社製)を用いて500Vの電圧を印加し、10秒後の表面抵抗値を読み取った。
ハイレスタ−UP MCP−HT450(三菱化学社製)を用いて500Vの電圧を印加し、10秒後の表面抵抗値を読み取った。
・フィルムの外観
フィルムの表面を観察し、膜の欠点(スジ、穴あき)がない場合を○、欠点がある場合を×とした。
フィルムの表面を観察し、膜の欠点(スジ、穴あき)がない場合を○、欠点がある場合を×とした。
試験例1及び2の評価結果を表1にまとめた。
Claims (4)
- 少なくとも一方の表面にポリエチレン系樹脂及び帯電防止剤を含む樹脂組成物から形成される層を有するバックグライディングシート用基体フィルムであって、
式
DMFR=[帯電防止剤のMFRの値]−[ポリエチレン系樹脂のMFRの値]
(式中、MFRの値とは190℃・荷重21.18Nにおけるメルトフローレートの値をいう。)
で表される該帯電防止剤と該ポリエチレン系樹脂とのメルトフローレートの差DMFRが3g/10min以上であり、
該樹脂組成物において、該帯電防止剤を該ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、5〜55質量部含むバックグライディングシート用基体フィルム。 - 上記帯電防止剤が、ポリエーテルエステルアミド樹脂及び/又は親水性ポリオレフィン樹脂である請求項1に記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
- 上記ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1又は2に記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
- 上記ポリエチレン系樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のバックグライディングシート用基体フィルム。
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