JP5328193B2 - 多層バックグラインド用基体フィルム、バックグラインドフィルム、及びその製造方法 - Google Patents

多層バックグラインド用基体フィルム、バックグラインドフィルム、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大型半導体ウエハをバックグラインド工程により超薄型化した場合にも、半導体ウエハの反りを小さく抑えることができるバックグラインドフィルム及び該バックグラインドフィルムのベースとなる多層バックグラインド用基体フィルムに関する。
半導体ウエハの製造工程において、パターンが形成されたウエハの裏面には、所定の厚さまでバックグラインダー等の研削装置で研削するバックグラインド工程が施される。その際、ウエハを保護し、研削加工を容易にする目的等でウエハ表面(回路形成面)には半導体ウエハ加工用シートを貼り合わせて研削が行われる。半導体加工用シートとしては、基材上に粘着剤層が積層されている粘着シートが用いられる。
前記バックグラインド工程により研削された半導体ウエハでは、反りが発生する問題がある。バックグラインドフィルムはバックグラインド時の摩擦熱により加熱され、バックグラインド終了後は常温まで冷却されるが、バックグラインド終了後の冷却過程で発生するバックグラインドフィルムの収縮応力により半導体ウエハ側に反りが発生するのである。
半導体ウエハの超薄型化(50μm以下)の進行により、バッググラインドフィルムの反りに追随して貼着された半導体ウエハにも反りが発生しやすくなり、ひいては半導体ウエハチップに欠けが発生するという問題が生じている(例えば、図1)。 近年、半導体ウエハは8インチ、12インチに大型化され、ICカード用途などではさらに大型化が要求されてきている。また、半導体ウエハの最終厚みが100μmを下回る程の超薄型化が要求されてきている。そのため、バッググラインドフィルムの反りに追随して貼着された半導体ウエハにも反りが発生しやすくなり、反りの問題が顕在化してきている。
例えば、8インチのウエハを50μm 程度に研削した場合には、保護シートの種類やウエハの種類にもよるが、大きいものでは50mm 程度にもウエハが反り上がる。
このような超薄型ウエハに生じた反りは、ウエハの搬送に大きな支障をきたす。すなわち、反り上がったウエハは従来の搬送方式では搬送できず、また一般的に使用されている専用収納ケースに収納することもできない。また、超薄型ウエハチップの端部に欠けが発生するという問題も生じている(例えば、図1)。
そのため、研削後の半導体ウエハの反りを解消することが大きな課題となっており、バックグラインド工程で反りが生じにくい寸法安定性に優れるバッググラインドフィルムが望まれている。
このような問題を解決するため、特許文献1では、極めて引張り弾性率の低い層を別途中間層として設けることにより、基材のわずかな寸法変化を緩和し、ウエハの反りを抑制する半導体ウエハ加工用保護シートが提案されている。しかし、この場合、緩和しきれない寸法変化が発生した場合には、反りが大きくなるなどの問題が挙げられる。
また、特許文献2では、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系共重合体からなる基材フィルムの方表面に粘着剤を塗布した半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが提案されている(請求の範囲、実施例1等)。
また、特許文献3では、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種を含むエラストマーからなるバックグラインドフィルムが提案されている。
特開2006−128292号公報 特開2006−261482号公報 特開2005−191296号公報
本発明は、薄型半導体ウエハのバックグラインド工程において、該半導体ウエハに貼着して用いても該半導体ウエハに反りが生じにくい優れた寸法安定性を有する多層バックグラインド用基体フィルム及びバッググラインドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とを含むA層、非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とを含むB層、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層が、A層/B層/C層の順で積層してなる多層バックグラインド用基体フィルムが、バックグラインド工程において寸法安定性に優れることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のバックグラインド用基体フィルム、バックグラインドフィルム及びその製造方法を提供する。
項1. A層/B層/C層の順で積層してなる多層バックグラインド用基体フィルムであって、A層は非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなる樹脂組成物を含み、B層は非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含む多層バックグラインド用基体フィルム。
項2. 厚みが50〜300μmである項1に記載の多層バックグラインド用基体フィルム。
項3. 項1又は2記載の多層バックグラインド用基体フィルムのA層の表面にさらに粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
項4. 項3に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウエハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウエハの裏面を研削し、該半導体ウエハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウエハのバックグラインド方法。
項5. A層/B層/C層の順で積層してなる多層バックグラインド用基体フィルムの製造方法であって、非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなるA層用樹脂、非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなるB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂からなるC層用樹脂を、A層/B層/C層の順で共押出成形することを特徴とする製造方法。
本発明のバッググラインド用基体フィルムは、薄型半導体ウエハのバックグラインド工程において寸法安定性に優れているため、該半導体ウエハの反りを抑制することができる。また、バックグラインド用基体フィルムの巻き取り時においてブロッキングを効果的に抑制することができる。
I.バックグラインド用基体フィルム
本発明の多層バックグラインド用基体フィルムは、A層は非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなる樹脂組成物を含み、B層は非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含み、A層/B層/C層をこの順で積層したことを特徴とする。
A層及びB層で用いられる非晶性オレフィン及びポリプロピレン系樹脂、C層で用いられるゴム弾性を有する熱可塑性樹脂は、例えば下記の中から選択することができる。
非晶性オレフィンは、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた二種以上のオレフィンを必須として構成されるオレフィン共重合体である。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状及び分岐状のα−オレフィンが含まれ、具体的には、直鎖状のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が例示され、分岐状のα−オレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリ
メチル−1−ペンテン等が例示される。
非晶性オレフィンは、温度135℃におけるテトラリン溶媒による極限粘度[η]が好ましくは0.3〜10.0であり、より好ましくは0.5〜7.0であり、更に好ましくは0.7〜5.0である。極限粘度[η]の測定は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて行う。サンプルは300mgを100mlテトラリンに溶解し、3mg/mlの溶液を調製した。更に当該溶液を1/2、1/3、1/5に希釈し、それぞれを135℃(±0.1℃)の恒温油槽中で測定する。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた値を平均して用いる。
非晶性オレフィンは、示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS K 7122に準拠して測定した場合に、結晶の融解に基く1J/g以上のピーク及び結晶化に基づく1J/g以上のピークのいずれをも有しないことが好ましい。示差走査熱量計は、たとえば島津製作所製 DSC−60を用い、昇温及び降温過程のいずれも10℃/minの速度で測定を行う。
非晶性オレフィンは、樹脂ペレットにした場合、粘着性を示すことがあり、市販されているもののなかには、ポリプロピレン系樹脂等とブレンドすることにより粘着性を抑えたものがある。ポリプロピレン系樹脂は、他の層に用いられるポリプロピレン系樹脂と同様のものであってもよい。
非晶性オレフィンとしては、たとえば、住友化学株式会社製「タフセレン」、三井化学株式会社製「タフマー」等が例示できる。
ポリプロピレン系樹脂は結晶性のものが好ましい。結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量のα−オレフィン及び/又はエチレンとのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。前記ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合には、ランダム共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に合計で10重量%以下、好ましくは0.5〜7重量%であり、ブロック共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に1〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。これらのポリプロピレン系重合体は、2種以上の重合体を混合したものであってもよい。ポリプロピレンの結晶性の指標としては例えば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、融点は120℃〜176℃、結晶融解熱量は60J/g〜120J/gの範囲にあることが好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合法、バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み合わせて多段重合を採用することができ、また、重合体の数平均分子量についても特に制限はないが、好ましくは10,000〜1,000,000に調整される。
この結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)が、0.5〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分の範囲のものがよい。
C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含み、ブロッキング防止層として機能する。該ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン若しくは超低密度ポリエチレン(ここで、α−オレフィンがプロピレン、ブテン−1、オクテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のC3〜C8のα―オレフィンである)、スチレン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体、これらの混合物等が挙げられる。中でも好ましいのはエチレンとアクリル酸エステルの共重合体である。具体的には、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、又はこれらの樹脂の混合物が挙げられる。これらのうち、EMA,EMAA又はEMMAが好ましく、EMAが特に好ましい。
該熱可塑性樹脂の密度は0.91〜0.96の範囲であり、かつ、温度190℃、荷重21.2NのときのMFRが0.5〜10g/10minのものが好ましい。
A層における非晶性オレフィンの割合は、非晶性オレフィンとポリプロピレン系樹脂をあわせた樹脂組成物の重量に対し、0〜70重量%、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは30〜70重量%である。また、ポリプロピレン系樹脂の割合は、該樹脂組成物の重量に対し、30〜100重量%、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。かかる範囲であると、バックグラインド時に発生する反りを抑制することができ、フィルム巻き取り時のブロッキングが効果的に抑制されるため好適である。
B層で用いられる非晶性オレフィン及びポリプロピレン系樹脂は、A層で用いたものと同一であっても異なっていてもよい。
B層における非晶性オレフィンの割合は、非晶性オレフィンとポリプロピレン系樹脂をあわせた樹脂組成物に対し、15〜100重量%、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは25〜100重量%である。また、ポリプロピレン系樹脂の割合は、該樹脂組成物に対し、0〜85重量%、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜75重量%である。かかる範囲であると、バックグラインド時に発生する反りを抑制することができるため好適である。
本発明における多層バックグラインド用基体フィルムの厚みは、容易にロ−ル状に巻くことができる程度であれば良い。たとえば50〜300μm程度であり、好ましくは60〜250μm程度、より好ましくは70〜200μmである。A層の厚みは5〜60μm、より好ましくは20〜40μmである。B層の厚みは30〜190μm、より好ましくは30〜160μmである。C層の厚みは5〜60μm、より好ましくは20〜40μmである。A層と、C層の厚みは同等とすることが好ましい。
バックグラインド工程により発生する反りを抑制するためには、B層の厚みがA層〜C層の全体厚みに対して5〜90%、より好ましくは30〜80%、さらに好ましくは45〜80%である。
II.バックグラインド用基体フィルムの製造方法
A層/B層/C層からなる3層バックグラインド用基体フィルムは、上記のA層〜C層を構成する樹脂を多層共押出成形して製造する。具体的には、非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなる樹脂組成物を含むA層用樹脂、非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなる樹脂組成物を含むB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、A層/B層/C層の順で多層共押出成形することにより製造される。
上記したA層用樹脂、B層用樹脂及びC層用樹脂をそれぞれこの順でスクリュー式押出機に供給し、180〜230℃で多層Tダイからフィルム状に押出し、これを10〜70℃の冷却ロ−ルに通しながら冷却して実質的に無延伸で引き取る。或いは、各層用樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記の様に押出成形してもよい。
なお、引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、バックグラインド工程時に発生する反りを低減させるためである。この実質的に無延伸とは、無延伸、或いは、ウェハの反りに悪影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フィルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
III.バックグラインドフィルム
得られる多層バックグラインド用基体フィルムのA層の表面上に公知の粘着剤をコートして粘着剤層が形成され、さらに該粘着剤層上に離型フィルムが設けられて、バックグラインドフィルムが製造される。粘着剤層の厚さは、例えば、10〜200μm程度、離型フィルムの厚さは、例えば、10〜100μm程度であればよい。
粘着剤層で用いられる粘着剤成分としては、公知の粘着剤を特に制限なく使用できる。例えば、特開2006−128292号公報等に記載された粘着剤成分を用いることができる。なお、離型フィルムも公知のものが用いられる。
粘着剤としては、たとえば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着剤を用いることができる。なかでも、半導体ウエハヘの接着性、剥離後の半導体ウエハの超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性などの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが好ましく使用できる。
バックグラインドフィルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
IV.半導体ウエハのバックグラインド方法
本発明のバックグラインド方法は、バックグラインドフィルムを半導体ウエハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウエハの裏面を研削し、半導体ウエハからバックグラインドフィルムを除去する。
具体的には、該バックグラインドフィルムの粘着剤層から離型フィルムを剥離して、粘着剤層の表面を露出させて、その粘着剤層を介して集積回路が組み込まれた側の半導体ウエハの表面に貼着する。半導体ウエハの研削前の厚みは、通常、300μm〜1000μm程度である。次いで、半導体ウエハを固定して、その裏面を常法により研削する。研削後の半導体ウエハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類、用途等に応じて選択されるが、例えば、50μm〜200μm程度となる。裏面研削が終了した後、必要に応じケミカルエッチング工程やCMP(メカノケミカルポリッシング)工程を追加してもよい。その後、バックグラインドフィルムを剥離(除去)する。また、必要に応じて、バックグラインドフィルム剥離後に、半導体ウエハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処理が施される。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお「%」は重量%を意味する。
<原料>
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。以下、下記の略語で示す。
非晶PP:非晶性オレフィン(住友化学株式会社製 タフセレン)
PP:ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー株式会社製 PC412A)
EMA:エチレン−メチルアクリレート共重合体(アトフィナジャパン株式会社製 ロトリル9MA)
<反りの評価>
ウェハの代替として、常温(25℃)から50℃の温度域で、半導体ウェハと同程度に寸法安定性の良いポリイミド(PI)テープ(住友スリーエム株式会社製 スコッチポリイミドテープ No.5434、厚さ53μm)を使用した。
実施例及び比較例で作成したバックグラインドフィルムに上記PIテープ(幅2 cm×長さ14 cm)を貼付け、サンプルとして切り出し、2枚のステンレス板(厚み2mm)に挟み、50℃に設定したオーブン内で10分間加熱した。その後、サンプルを取り出して常温(25℃)で10分間放冷し、フィルムの収縮によって発生する反りを測定した。
反り量は、バックグラインドフィルムにPIテープを貼り付けた状態で、バックグラインドフィルムが上側になるように水平面上に置き、該水平面から最も浮いているPIテープの端部の高さ(mm)を測定した(図2)。
反りが3mm以下を「○」とし、3mmを越えるものを「×」とした。
<ブロッキングの評価>
実施例及び比較例で得られたフィルムの任意の場所から、たて100 mm×よこ30 mm(フィルムの流れ方向をたて方向、幅方向をよこ方向としてサンプルを切り出した)の大きさに測定用サンプルを2枚切り出した。2枚の測定用サンプルを、同一面(冷却ロールと接する面)同士がたて40 mm×よこ30 mm の面積で重なり合うようにし、この重なり合った測定用サンプルを2枚のガラス板で挟み、その上から、サンプルが重なり合っている部分に600 gの重りをのせた。これを40℃の恒温槽の中に入れ、7日間放置した。7日後、恒温槽より取り出したサンプルを、新東科学株式会社製剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON−17)にセットし、引張り速度200 mm/minで、180度せん断剥離強度を測定し、4.9 N/10 mm以下であれば、ブロッキングなしとした。
実施例1
非晶PP 20重量%及びPP 80重量%をドライブレンドし、これをA層用樹脂とした。非晶PP 20重量%及びPP 80重量%をドライブレンドし、これをB層用樹脂とした。EMA 100重量%をC層用樹脂とした。
A層用樹脂、B層用樹脂及びC層用樹脂をこの順でバレル温度180〜220℃の多層押出機に供給した。230℃のTダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フィルムの厚みは、A層20μm、B層110μm、C層20μmで総厚み150μmであった。
実施例2〜11、比較例1〜3
表1に記載の樹脂組成及び配合割合にすること以外は実施例1と同様に処理して、実施例2〜11、比較例1〜3の3層フィルムを得た。
Figure 0005328193
バッググラインドテープの反りに追随して半導体ウエハにも反りが発生し欠けが発生することを模式的に示した図である。 バッググラインドテープの反りの測定方法を模式的に示した図である。

Claims (6)

  1. A層/B層/C層の順で積層してなる多層バックグラインド用基体フィルムであって、A層は非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなる樹脂組成物を含み、B層は非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含む多層バックグラインド用基体フィルム。
  2. 厚みが50〜300μmである請求項1に記載の多層バックグラインド用基体フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の多層バックグラインド用基体フィルムのA層の表面にさらに粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
  4. 請求項3に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウエハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウエハの裏面を研削し、該半導体ウエハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウエハのバックグラインド方法。
  5. A層/B層/C層の順で積層してなる多層バックグラインド用基体フィルムの製造方法であって、非晶性オレフィン0〜70重量%とポリプロピレン系樹脂30〜100重量%とからなるA層用樹脂、非晶性オレフィン15〜100重量%とポリプロピレン系樹脂0〜85重量%とからなるB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂からなるC層用樹脂を、A層/B層/C層の順で共押出成形することを特徴とする製造方法。
  6. C層のゴム弾性を有する熱可塑性樹脂がエチレンとアクリル酸エステルの共重合体である請求項1又は2に記載の多層バックグラインド用基体フィルム。
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