JP5441458B2 - バックグラインドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハの裏面研削(以下、「バックグラインド」という)する際に、該半導体ウェハに貼着して使用されるバックグラインドフィルムに関する。
半導体を製造する場合には、半導体ウェハの表面にイオン注入、エッチング等で回路を形成した後、ウェハを所定の厚さにするためにウェハの回路形成面とは反対の面をグラインダー等で研削するバックグラインド工程を経るのが一般的である。
この半導体ウェハのバックグラインド時に、半導体ウェハの破損を防止し、研削加工を容易にするため、半導体ウェハの回路形成面(表面)に裏面研削用表面保護フィルム(バックグラインドフィルム)を貼着して保護する方法がとられている。
バックグラインドフィルムは、バックグラインド時の摩擦熱により加熱され、バックグラインド終了後は常温まで冷却される。従来用いられているバックグラインドフィルムは、バックグラインド終了後の冷却過程で収縮するため半導体ウェハ側に反りが発生することが知られている。
近年、半導体ウェハの超薄型化(50μm以下)により、バックグラインドフィルムの反りに追随して貼着された半導体ウェハにも反りが発生しやすくなり、ひいては半導体ウェハチップに欠けが発生するという問題が生じている(例えば、図1参照)。そのため、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程で反りが生じにくい寸法安定性に優れるバックグラインドフィルムが望まれてきている。
かかるウェハの反りの問題を解決するべく、種々のバックグラインドフィルムが開発されており、例えば、粘着剤層上にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVA)フィルムをラミネートし、さらに粘着剤及びポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートして得られる半導体ウェハ加工用保護シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された保護シートでは、極めて引張り弾性率の低い層を別途中間層として設けることにより、基材のわずかな寸法変化を緩和し、ウェハの反りを抑制することが提案されているが、緩和しきれない寸法変化が発生した場合には、反りが大きくなる等の問題があった。
さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系共重合体からなる基材フィルムの片表面に粘着剤を塗布した半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム(例えば、特許文献2参照)や、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種を含むエラストマーからなるバックグラインドテープ(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかしながら、これらの特許文献においては、50μm程度の薄型半導体ウェハに使用される場合については十分な検討がなされておらず、その結果、これらの文献の保護材料では、薄型半導体ウェハの反り抑制という点では十分ではなかった。
特開2006−128292号公報 特開2006−261482号公報 特開2005−191296号公報
本発明は、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程において、該半導体ウェハに反りが生じにくい優れた寸法安定性を有し、かつ、フィルム巻き取り時におけるブロッキングが抑制できるバックグラインド用基体フィルム、該バックグラインド用基体フィルムを含むバックグラインドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%とオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を含むバックグラインド用基体フィルムが、バックグラインド工程において寸法安定性に優れ、かつ、フィルム巻き取り時におけるブロッキングが抑制できることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のバックグラインド用基体フィルム、該基体フィルムを含むバックグラインドフィルム、半導体ウェハのバックグラインド方法、及びバックグラインド用基体フィルムの製造方法を提供する。
項1.ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を含むバックグラインド用基体フィルム。
項2.前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、ポリプロピレン系樹脂中に、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴムが微分散している海−島構造を有するエラストマーである上記項1記載のバックグラインド用基体フィルム。
項3.前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出量が全溶出量に対して、60〜80重量%である上記項1又は2記載のバックグラインド用基体フィルム。
項4.厚みが50〜300μmである上記項1〜3のいずれかに記載のバックグラインド用基体フィルム。
項5.上記項1〜4のいずれかに記載のバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
項6.上記項5に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウェハの表面に貼着し、該半導体ウェハの裏面を研削し、半導体ウェハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウェハのバックグラインド方法。
項7.ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を押出し成形する工程を含むバックグラインド用基体フィルムの製造方法。
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程において、該半導体ウェハに反りが生じにくく寸法安定性に優れている。また、基体フィルム巻き取り時におけるブロッキングを効果的に抑制することができる。
バックグラインド用基体フィルムの反りに追随して半導体ウェハにも反りが発生し欠けが発生することを模式的に示した図である。 バックグラインド用基体フィルムの反りの測定方法を模式的に示した図である。
1.バックグラインド用基体フィルム
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%とオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を含むものである。以下、本発明のバックグラインド用基体フィルムについて詳述する。
1.1 ポリプロピレン系樹脂
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂(PP)としては、結晶性のものが好ましい。結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量のα−オレフィン及び/又はエチレンとのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合には、α−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は以下に示す割合であることが好ましい。
ランダム共重合体の場合、該共重合体中に、プロピレン以外のα−オレフィン及び/又はエチレンが、一般に合計で10重量%以下であり、好ましくは0.5〜7重量%である。また、ブロック共重合体の場合、該共重合体中に、プロピレン以外のα−オレフィン及び/又はエチレンが、一般に合計で40重量%以下であり、好ましくは1〜40重量%であり、より好ましくは1〜25重量%、さらに好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。
これらのポリプロピレン系重合体は、2種以上の重合体を混合したものであってもよい。ポリプロピレンの結晶性の指標としては、例えば、融点、結晶融解熱量等が用いられ、融点は120〜176℃、結晶融解熱量は60〜120J/gの範囲にあることが好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合法、バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み合わせて多段重合を採用することができ、また、重合体の数平均分子量についても特に制限はないが、好ましくは10,000〜1,000,000に調整される。
この結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7210に準拠して、温度230℃で、荷重21.18Nで測定したときのMFR(メルトフローレート)が、一般に0.5〜20g/10分であり、好ましくは0.5〜10g/10分である。
1.2 オレフィン系熱可塑性エラストマー
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリプロピレン系樹脂成分と、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴム成分を含有するものが好ましく、ポリプロピレン系樹脂(マトリックス相)中に、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴムが微分散している海−島構造を有するエラストマーであることがより好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン系樹脂成分が10〜40重量%であることが好ましく、20〜30重量%であることがより好ましい。また、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴム成分は、60〜90重量%であることが好ましく、70〜80重量%であることがより好ましい。
(1)ポリプロピレン系樹脂成分
ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクチックインデックスが90%以上のプロピレン単独重合体が好ましく、95%以上であるプロピレン単独重合体であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂のアイソタクチックインデックスが90%未満では、オレフィン系熱可塑性エラストマーの耐熱性が劣る傾向にある。アイソタクチックインデックスは、NMR等の公知の方法で測定することができる。
(2)プロピレンとエチレンとの共重合体ゴム成分
プロピレンとエチレンの共重合割合は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン/エチレン=10〜90/90〜10(重量%)の範囲を挙げることができる。
共重合体ゴムには、プロピレンとエチレン以外にも共重合成分を含んでもよい。共重合成分としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、5−メチル1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等の非共役ジエンを挙げることができる。これらの添加量は特に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた、温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出量が全溶出量に対して60〜80重量%であることが好ましい。0℃での溶出量がこの範囲であると反りを効果的に抑制できるため好ましい。
ここで、温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation;TREF)は、公知の分析法である。具体的な測定方法としては、例えば、特開2003−7654号公報に開示されている方法等を挙げることができる。
(3)オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいかなる方法であってもよいが、下記に製造方法の一例を示す。
第一段階で、反応容器にプロピレンを供給して、触媒の存在下に温度50〜150℃(好ましくは、50〜100℃)、プロピレン分圧0.5〜4.5MPa(好ましくは、1.0〜3.5MPa)の条件で、プロピレン単独重合体の重合を実施する。
引き続いて、第二段階で、プロピレンとエチレンを供給して、触媒の存在下に温度50〜150℃(好ましくは50〜100℃)、プロピレン及びエチレン分圧各0.3〜4.5MPa(好ましくは0.5〜3.5MPa)の条件で、プロピレン−エチレン共重合体の重合を実施して製造する。
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記オレフィン系熱可塑性エラストマーとからなる樹脂組成物を含むものであり、前記ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%、好ましくは40〜50重量%、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%、好ましくは50〜60重量%からなる樹脂組成物を含むものであることがより好ましい。樹脂組成物の組成が前記範囲内であることにより、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程における寸法安定性が優れ、かつ、基体フィルム巻き取り時のブロッキングを抑制できるため好ましい。
また、前記樹脂組成物には、前記ポリプロピレン系樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマー以外にも酸化防止剤、耐候性剤等の公知の添加剤を含むことができる。
本発明におけるバックグラインド用基体フィルムの厚みは、容易にロ−ル状に巻くことができる程度であれば良く、例えば、50〜300μm程度であり、好ましくは60〜250μm程度、より好ましくは80〜230μm程度である。
また、本発明のバックグラインド用基体フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、前述のポリプロピレン系樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物からなる層以外の層を含んでいてもよい。
2.バックグラインド用基体フィルムの製造方法
本発明のバックグラインド用基体フィルムの製造方法は、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を押出し成形する工程を含むものであり、押出し成形方法としては、Tダイスまたは環状ダイスを使用した押出法等、従来から用いられている方法を適宜用いることができる。これらの中でも、基材フィルムの厚み精度の点から、Tダイスを使用した押出法が好ましい。
以下、Tダイスを使用した押出法について説明する。
押出機上に設置された投入ホッパへ原料となるポリプロピレン系樹脂40〜80重量%、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%を含む原料樹脂を投入し、160〜240℃に設定された押出機中で溶融・混練された後、Tダイスから板状に押出され、表面温度が30℃の冷却ロールにて冷却固化され、次いで巻き取り機にて巻き取り、ロール状の単層フィルムを得る。原料樹脂は投入ホッパへ原料を投入する前に混合しておくことが好ましい。
上記の原料樹脂は、ドライブレンド又は溶融混練し調製することができる。
また、原料樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記の様に押出成形してもよい。
本発明においては、原料樹脂をフィルム状に押出し、冷却ロ−ルに通しながら冷却して引き取る際に、実質的に無延伸で引き取ることができる。引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、バックグラインド工程において、延伸したことによるフィルムの収縮を抑制するためである。この実質的に無延伸とは、無延伸、あるいは、バックグラインド時のウェハの反りに影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フィルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
上記で得られるバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを設ける方法は、公知の方法を採用することができる。バックグラインドフィルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
3.バックグラインドフィルム
本発明のバックグラインドフィルムは、前述のバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを有するものである。より具体的には、前述のバックグラインド用基体フィルムの片方の表面上に公知の粘着剤をコートして粘着剤層が形成され、さらに該粘着剤層上に離型フィルムが設けられて、バックグラインドフィルムが製造される。
粘着剤層の厚さは、例えば、10〜200μm程度であり、離型フィルムの厚さは、例えば、10〜100μm程度であればよい。
粘着剤層で用いられる粘着剤成分としては、公知の粘着剤を特に制限なく使用できる。例えば、特開2006−128292号公報等に記載された粘着剤成分を用いることができる。なお、離型フィルムも公知のものが用いられる。
粘着剤としては、たとえば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着剤を用いることができる。これらのなかでも、半導体ウェハヘの接着性、剥離後の半導体ウェハの超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性等の点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が好ましく使用できる。
バックグラインドフィルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
4.半導体ウェハのバックグラインド方法
本発明のバックグラインド方法は、バックグラインドフィルムを半導体ウェハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウェハの裏面を研削し、半導体ウェハからバックグラインドフィルムを除去する。
具体的には、該バックグラインドフィルムの粘着剤層から離型フィルムを剥離して、粘着剤層の表面を露出させて、その粘着剤層を介して集積回路が組み込まれた側の半導体ウェハの表面に貼着する。半導体ウェハの研削前の厚みは、通常、300〜1000μm程度である。次いで、半導体ウェハを固定して、その裏面を常法により研削する。研削後の半導体ウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類、用途等に応じて選択されるが、例えば、50〜200μm程度となる。裏面研削が終了した後、必要に応じケミカルエッチング工程やCMP(メカノケミカルポリッシング)工程を追加してもよい。その後、バックグラインドフィルムを剥離(除去)する。また、必要に応じて、バックグラインドフィルム剥離後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処理が施される。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に示す配合割合で、以下のポリプロピレン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーをドライブレンドし、樹脂組成物とした。
(ポリプロピレン系樹脂)
融点:140℃、結晶の融解に基づくピーク:130℃、95J/g、MFR(JIS K7210、230℃、荷重21.18N):5.3g/10分、ノバテックPP FX4E(商品名)、日本ポリプロ(株)製。
(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
ポリプロピレン系樹脂成分に、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴムが微分散している海−島構造を有するエラストマー、ゼラスZT813(商品名)、三菱化学(株)製。
得られた樹脂組成物をバレル温度180〜220℃の押出機に供給した。230℃のTダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。得られたフィルムの厚みは、150μmであった。
実施例2〜3、比較例1〜2
表1に記載の配合割合にする以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られたフィルムについて、下記評価方法で評価を行った。その結果を表1に示す。
評価方法
(反りの評価)
ウェハの代替として、常温(25℃)から50℃の温度域で、半導体ウェハと同程度に寸法安定性の良いポリイミド(PI)テープ(スコッチポリイミドテープ No.5434、厚さ53μm、住友スリーエム(株)製)を使用した。
作製したバックグラインド用基体フィルムに上記PIテープ(幅2cm×長さ14cm)を貼付け、サンプルとして切り出し、2枚のステンレス板(厚み2mm)に挟み、50℃に設定したオーブン内で10分間加熱した。その後、サンプルを取り出して常温(25℃)で10分間放冷し、フィルムの収縮によって発生する反りを測定した。
反り量は、バックグラインド用基体フィルムにPIテープを貼り付けた状態で、バックグラインド用基体フィルムが上側になるように水平面上に置き、該水平面から最も浮いているPIテープの端部の高さ(mm)を測定した(図2)。測定値が3mm以下であれば、半導体ウェハの反りの問題がなく実用できるレベルである。
(ブロッキングの評価)
得られた基体フィルムの任意の場所から、たて100mm×よこ30mm(フィルムの流れ方向をたて方向、幅方向をよこ方向としてサンプルを切り出した)の大きさに測定用サンプルを2枚切り出した。2枚の測定用サンプルを、同一面(冷却ロールと接する面)同士がたて40mm×よこ30mmの面積で重なり合うようにし、この重なり合った測定用サンプルを2枚のガラス板で挟み、その上から、サンプルが重なり合っている部分に600gの重りをのせた。これを40℃の恒温槽の中に入れ、7日間放置した。7日後、恒温槽より取り出したサンプルを、新東科学(株)製剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON−17)にセットし、引張り速度200mm/分で、180度せん断剥離強度を測定した。測定値が、4.9N/10mm以下であれば、ブロッキングなしとした。
Figure 0005441458

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を含むバックグラインド用基体フィルムであって、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出量が、全溶出量に対して、60〜80重量%である、バックグラインド用基体フィルム
  2. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、ポリプロピレン系樹脂中に、プロピレンとエチレンとの共重合体ゴムが微分散している海−島構造を有するエラストマーである請求項1記載のバックグラインド用基体フィルム。
  3. 厚みが50〜300μmである請求項1又は2に記載のバックグラインド用基体フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
  5. 請求項に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウェハの表面に貼着し、該半導体ウェハの裏面を研削し、半導体ウェハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウェハのバックグラインド方法。
  6. ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%及びオレフィン系熱可塑性エラストマー20〜60重量%からなる樹脂組成物を押出し成形する工程を含むバックグラインド用基体フィルムの製造方法であって、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出量が、全溶出量に対して、60〜80重量%である、バックグラインド用基体フィルムの製造方法
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