JP7049797B2 - 粘着性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、粘着性フィルムに関する。
電子装置の製造工程の中で、電子部品を研削する工程においては、電子部品を固定したり、電子部品の損傷を防止したりするために、電子部品の回路形成面に粘着性フィルムが貼り付けられる。
このような粘着性フィルムには、一般的に、基材フィルムに粘着性樹脂層を積層させたフィルムが用いられている。
一方で、回路形成面の凹凸が大きい電子部品に関しては、粘着性フィルムに凹凸吸収性を付与するために、基材フィルムと粘着性樹脂層との間に凹凸吸収性樹脂層を設けた粘着性フィルムが検討されている。
このような凹凸吸収性を有する粘着性フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2014-11273号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、高弾性基材フィルムの片側の面に少なくとも1層以上の低弾性率層を有し、該低弾性率層上に放射線硬化型粘着剤層を有し、該高弾性基材フィルムのヤング率が5.0×10Pa~1.1×1010Paであり、該低弾性率層の25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)が2.5×10Pa~4.0×10Paで、60℃での貯蔵弾性率G’(60℃)が0.2×10Pa~1.5×10Paであって、その比G’(60℃)/G’(25℃)が0.5以下であり、該低弾性率層の25℃での損失正接tanδ(25℃)が0.08~0.15であり、60℃での損失正接tanδ(60℃)との比tanδ(60℃)/tanδ(25℃)が4.0以上であり、かつ、該放射線硬化型粘着剤層の厚みが5~100μmであって、該低弾性率層と該放射線硬化型粘着剤層の厚みの比、放射線硬化型粘着剤層厚み/低弾性率層厚み、が1/2以下であることを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープが記載されている。
特開2014-11273号公報
本発明者らの検討によれば、基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備える粘着性フィルムは、電子部品の回路形成面の凹凸に対する吸収性に優れているが、電子部品のサイズにカットする際にバリが発生しやすいことが明らかになった。粘着性フィルムにバリがあると、電子部品を研削する際や、電子部品から粘着性フィルムを剥がす際に、電子部品に割れや傷が生じてしまう場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、凹凸吸収性およびカット性のバランスに優れた粘着性フィルムを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備える粘着性フィルムにおいて、凹凸吸収性樹脂層を構成する樹脂として、エチレン・α-オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体およびプロピレン系重合体から選択される少なくとも一種の重合体と、を組み合わせて使用することにより、良好な凹凸吸収性を維持しながらカット性を向上させることができることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す粘着性フィルムが提供される。
[1]
電子部品の回路形成面を保護または電子部品を固定するために用いられる粘着性フィルムであって、
基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、
上記凹凸吸収性樹脂層は、
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、
を含み、
バックグラインドテープである粘着性フィルム。
[2]
上記[1]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層に含まれる上記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)および上記重合体(B)の合計量を100質量部としたとき、
上記凹凸吸収性樹脂層中の上記重合体(B)の含有量が3質量部以上50質量部以下である粘着性フィルム。
[3]
上記[1]または[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記エチレン・極性モノマー共重合体(B1)がエチレン・酢酸ビニル共重合体を含む粘着性フィルム。
[4]
上記[1]または[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記プロピレン系重合体(B2)がプロピレン系エラストマーを含む粘着性フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層の厚みが100μm以下である粘着性フィルム。
[6
記[1]乃至[]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上500μm以下である粘着性フィルム。

上記[1]乃至[]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記電子部品の上記回路形成面はバンプ電極を含む粘着性フィルム。
本発明によれば、凹凸吸収性およびカット性のバランスに優れた粘着性フィルムを提供することができる。
本発明に係る実施形態の粘着性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。なお、数値範囲の「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。また、本実施形態において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルまたはアクリルおよびメタクリルの両方を意味する。
1.粘着性フィルム
図1は、本発明に係る実施形態の粘着性フィルム100の構造の一例を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る粘着性フィルム100は、電子部品の回路形成面を保護または電子部品を固定するために用いられる粘着性フィルムであって、基材層10と、凹凸吸収性樹脂層20と、粘着性樹脂層30と、をこの順番に備え、凹凸吸収性樹脂層20は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、を含む。
上述したように、回路形成面の凹凸が大きい電子部品に関しては、粘着性フィルムに凹凸吸収性を付与するために、基材フィルムと粘着性樹脂層との間に凹凸吸収性樹脂層を設けた粘着性フィルムが検討されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備える粘着性フィルムは、電子部品の回路形成面の凹凸に対する吸収性に優れているが、電子部品のサイズにカットする際にバリが発生しやすいことが明らかになった。粘着性フィルムにバリがあると、電子部品を研削する際や、電子部品から粘着性フィルムを剥がす際に、電子部品に割れや傷が生じてしまう場合がある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備える粘着性フィルムにおいて、凹凸吸収性樹脂層を構成する樹脂として、エチレン・α-オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体およびプロピレン系重合体から選択される少なくとも一種の重合体と、を組み合わせて使用することにより、良好な凹凸吸収性を維持しながらカット性を向上させることができることを初めて見出した。
すなわち、本実施形態によれば、基材層10と粘着性樹脂層30との間に、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)とを含む凹凸吸収性樹脂層20を設けることによって、凹凸吸収性およびカット性のバランスに優れた粘着性フィルムを得ることができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム100全体の厚さは、機械的特性と取扱い性のバランスから、好ましくは25μm以上1100μm以下であり、より好ましくは100μm以上900μm以下であり、さらに好ましくは200μm以上800μm以下、特に好ましくは300μm以上600μm以下である。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は、本発明の効果を損なわない範囲で、各層の間に接着層や帯電防止層(図示せず)等の他の層を設けていてもよい。接着層によれば、各層の間の接着性を向上させることができる。また、帯電防止層によれば、粘着性フィルム100の帯電防止性を向上させることができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は、電子装置の製造工程において、電子部品の表面を保護したり、電子部品を固定したりするために用いられ、より具体的には電子装置の製造工程の一つであるバックグラインド工程において電子部品の回路形成面(すなわち回路パターンを含む回路面)を保護するために使用するバックグラインドテープとして好適に用いられる。
次に、本実施形態に係る粘着性フィルム100を構成する各層について説明する。
<基材層>
基材層10は、粘着性フィルム100の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。
基材層10は、電子部品を加工する際に加わる外力に耐えうる機械的強度があれば特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
基材層10を構成する樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(1-ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン-6、ナイロン-66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタアクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリアミドイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンエーテル;ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリイミド系エラストマー、ポリブチレンテレフタレート等のエラストマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、透明性を良好にする観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリイミド系エラストマー、およびポリブチレンテレフタレートから選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリイミド系エラストマー、ポリブチレンテレフタレートおよびポリイミドから選択される一種または二種以上がより好ましい。
また、粘着性フィルム100の柔軟性や伸縮性等の特性と耐熱性とのバランスを向上させる観点から、基材層10を構成する樹脂としては、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリイミド系エラストマー、およびポリブチレンテレフタレート等から選択される一種または二種以上がさらに好ましい。
基材層10は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
また、基材層10を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、基材層10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層10の厚さは、良好なフィルム特性を得る観点から、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは20μm以上300μm以下、さらに好ましくは25μm以上150μm以下である。
基材層10は他の層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
<凹凸吸収性樹脂層>
本実施形態に係る粘着性フィルム100は、基材層10と粘着性樹脂層30との間に凹凸吸収性樹脂層20を備える。
凹凸吸収性樹脂層20は、粘着性フィルム100の回路形成面への追従性を良好にし、回路形成面と粘着性フィルム100との密着性を良好にすることを目的として設けられる層である。
凹凸吸収性樹脂層20は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、を含む。これにより、粘着性フィルム100のカット性を向上させることができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム100において、凹凸吸収性樹脂層20に含まれるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)および重合体(B)の合計量を100質量部としたとき、凹凸吸収性樹脂層20中の重合体(B)の含有量は、凹凸吸収性をより良好にする観点から、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上がさらに好ましい。また、凹凸吸収性樹脂層20中の重合体(B)の含有量は、カット性をより良好にする観点から、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
本実施形態に係る粘着性フィルム100において、カット性をより一層向上させる観点から、凹凸吸収性樹脂層20は海島構造を形成していることが好ましい。凹凸吸収性樹脂層20が海島構造を形成している場合、海島構造における海相にエチレン・α-オレフィン共重合体(A)が少なくとも存在し、海島構造における島相に重合体(B)が少なくとも存在する構造であることが好ましい。
このような海島構造は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)画像により観察することができる。
(エチレン・α-オレフィン共重合体(A))
本実施形態に係るエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、例えば、エチレンと、炭素数3~20のα-オレフィンとを共重合することによって得られる共重合体である。
α-オレフィンとしては、例えば、炭素数3~20のα-オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα-オレフィンであり、特に好ましいのは炭素数が3~8のα-オレフィンである。このようなα-オレフィンの具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン等を挙げることができる。中でも、入手の容易さからプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンおよび1-オクテンが好ましい。エチレン・α-オレフィン共重合体(A)はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
ここで、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)としては、例えば、三井化学社製のタフマー(商標登録)、DOW社製のENGAGE(商標登録)、エクソンモービル社製のEXACT(商標登録)、日本ポリエチレン社製のカーネル(商標登録)等が挙げられる。
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)のメルトフローレ-ト(MFR)は、好ましくは0.1~50g/10分であり、より好ましくは0.2~30g/10分、さらに好ましくは0.5~20g/10分、特に好ましくは1.0~10g/10分である。
MFRが上記下限値以上であると、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の流動性が向上し、凹凸吸収性樹脂層20の加工性をより良好にすることができる。
また、MFRが上記上限値以下であると、より一層均一な厚みの凹凸吸収性樹脂層20を得ることができる。
(エチレン・極性モノマー共重合体(B1))
本実施形態に係るエチレン・極性モノマー共重合体(B1)としては、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン・マレイン酸ジメチル共重合体、エチレン・マレイン酸ジエチル共重合体、エチレン・フマル酸ジメチル共重合体、エチレン・フマル酸ジエチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・マレイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチレン・クロトン酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそれらの塩;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体:エチレン・スチレン共重合体等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、上記エチレン・極性モノマー共重合体としては、その入手容易性と性能とのバランスからエチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選択される一種または二種以上を含むことが好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含むことが特に好ましい。
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であり、例えばランダム共重合体である。
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上45質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下である。酢酸ビニルの含有量がこの範囲にあると、粘着性フィルム100の柔軟性、耐熱性、透明性、機械的性質のバランスにより一層優れる。また、凹凸吸収性樹脂層20を成膜する際にも、成膜性が良好となる。
酢酸ビニル含有量は、JIS K7192:1999に準拠して測定可能である。
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、エチレンおよび酢酸ビニルのみからなる二元共重合体が好ましいが、エチレンおよび酢酸ビニルの他に、例えばギ酸ビニル、グリコール酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、或いはこれらの塩もしくはアルキルエステル等のアクリル系単重体;等から選択される一種または二種以上を共重合成分として含んでもよい。上記エチレンおよび酢酸ビニル以外の共重合成分を含む場合、エチレン・酢酸ビニル共重合体中の上記エチレンおよび酢酸ビニル以外の共重合成分の量を0.5質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)のメルトフローレ-ト(MFR)は、好ましくは0.1~50g/10分であり、より好ましくは0.2~45g/10分、さらに好ましくは0.5~40g/10分である。
MFRが上記下限値以上であると、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)の流動性が向上し、凹凸吸収性樹脂層20の成形加工性をより良好にすることができる。
また、MFRが上記上限値以下であると、分子量が高くなるためチルロール等のロール面への付着が起こり難くなり、より一層均一な厚みの凹凸吸収性樹脂層20を得ることができる。
(プロピレン系重合体(B2))
本実施形態に係るプロピレン系重合体(B2)としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン系エラストマー(c)等が挙げられる。本実施形態に係るプロピレン系重合体(B2)は1種類単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)との混合性により一層優れている観点から、プロピレン系重合体(B2)としてはプロピレン系エラストマー(c)が好ましい。
ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定される本実施形態に係るプロピレン系重合体(B2)のメルトフローレート(MFR)は、流動性および成形性の観点から、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1g/10分以上であり、成形性をより安定化させる観点から、好ましくは20g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下、さらに好ましくは7g/10分以下である。
本実施形態に係るプロピレン系エラストマー(c)としては、例えば、プロピレン・α-オレフィン共重合体(c1)を用いることができる。本実施形態に係るプロピレン系エラストマー(c)は、ポリプロピレン(c2)をさらに含んでもよい。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(c1)は、プロピレンと、プロピレン以外のα-オレフィンとの共重合体である。プロピレン・α-オレフィン共重合体(c1)におけるα-オレフィンは、好ましくは炭素数2~20のα-オレフィンである。炭素数2~20のα-オレフィンの例には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネンおよび1-デセン等が含まれ、好ましくはエチレン、1-ブテンである。プロピレン・α-オレフィン共重合体(c1)に含まれるα-オレフィンは、1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
ポリプロピレン(c2)は、実質的にはプロピレンの単独重合体であるが、プロピレン以外のα-オレフィン等を微量含んでもよく、いわゆるホモポリプロピレン(hPP)、ランダムポリプロピレン(rPP)およびブロックポリプロピレン(bPP)のいずれでもよい。
凹凸吸収性樹脂層20は、例えば、各成分をドライブレンドまたは溶融混練した後、押出成形することにより得ることができる。
凹凸吸収性樹脂層20の厚さは、電子部品の回路形成面の凹凸を埋め込むことができる厚さであれば、特に制限されないが、例えば、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上450μm以下であることがより好ましく、30μm以上400μm以下であることがさらに好ましい。
<粘着性樹脂層>
本実施形態に係る粘着性フィルム100は粘着性樹脂層30を備える。
粘着性樹脂層30は、凹凸吸収性樹脂層20の一方の面側に設けられる層であり、粘着性フィルム100を電子部品の回路形成面に貼り付ける際に、電子部品の回路形成面に接触して粘着する層である。
粘着性樹脂層30を構成する粘着剤は、(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オレフィン系粘着剤、スチレン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、接着力の調整を容易にできる点等から、(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着性樹脂層30を構成する粘着剤としては、放射線により粘着力を低下させる放射線架橋型粘着剤を用いることが好ましい。
放射線架橋型粘着剤により構成された粘着性樹脂層30は、放射線の照射により架橋して粘着力が著しく減少するため、粘着性フィルム100から電子部品を剥離し易くなる。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線等が挙げられる。
放射線架橋型粘着剤としては、紫外線架橋型粘着剤が好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤に含まれる(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物の単独重合体、(メタ)アクリル酸エステル化合物とコモノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステル化合物は一種単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
また、(メタ)アクリル系共重合体を構成するコモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアマイド、メチロール(メタ)アクリルアマイド、無水マレイン酸等が挙げられる。これらのコモノマーは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
放射線架橋型の(メタ)アクリル系粘着剤としては、分子中に重合性炭素-炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系樹脂と、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を2個以上有する低分子量化合物と、光開始剤を含み、必要に応じて架橋剤により上記(メタ)アクリル系樹脂を架橋させて得られる粘着剤を例示することができる。
分子中に重合性炭素-炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系樹脂は、具体的には次のようにして得られる。まず、エチレン性二重結合を有するモノマーと官能基(P)を有する共重合性モノマーを共重合させる。次いで、この共重合体に含まれる官能基(P)と、該官能基(P)と付加反応、縮合反応等を起こしうる官能基(Q)を有するモノマーとを、該モノマー中の二重結合を残したまま反応させ、共重合体分子中に重合性炭素-炭素二重結合を導入する。
上記エチレン性二重結合を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルモノマー、酢酸ビニルの如きビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等のエチレン性二重結合を有するモノマーの中から、1種又は2種以上が用いられる。
上記官能基(P)を有する共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、Nーメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。これらは1種でもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記エチレン性二重結合を有するモノマーと官能基(P)を有する共重合性モノマーの割合は、上記エチレン性二重結合を有するモノマーが70~99質量%であり、官能基(P)を有する共重合性モノマーが1~30質量%であることが好ましい。さらに好ましくは、上記エチレン性二重結合を有するモノマーが80~95質量%であり、官能基(P)を有する共重合性モノマーが5~20質量%である。
上記官能基(Q)を有するモノマーとしては、例えば、上記官能基(P)を有する共重合性モノマーと同様のモノマーを挙げることができる。
エチレン性二重結合を有するモノマーと官能基(P)を有する共重合性モノマーとの共重合体に、重合性炭素-炭素二重結合を導入する際に反応させる官能基(P)と官能基(Q)の組み合わせとして、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、水酸基とイソシアネート基等、容易に付加反応が起こる組み合わせが望ましい。又、付加反応に限らずカルボン酸基と水酸基との縮合反応等、重合性炭素-炭素二重結合が容易に導入できる反応であれば如何なる反応を用いてもよい。
分子中に重合性炭素-炭素二重結合を2個以上有する低分子量化合物としては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いてもよい。分子中に重合性炭素-炭素二重結合を2個以上有する低分子量化合物の添加量は、上記(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部であり、より好ましくは5~18質量部である。
光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いてもよい。光開始剤の添加量は、上記(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1~15質量部であり、より好ましくは5~10質量部である。
上記紫外線硬化型粘着剤には架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物等が挙げられる。上記紫外線硬化型粘着剤は、溶剤タイプ、エマルションタイプ、ホットメルトタイプ等の何れでもよい。
架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能基数が(メタ)アクリル系樹脂中の官能基数よりも多くならない程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。
(メタ)アクリル系粘着剤中の架橋剤の含有量は、粘着性樹脂層30の耐熱性や密着力とのバランスを向上させる観点から、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
粘着性樹脂層30は、例えば、凹凸吸収性樹脂層20上に粘着剤塗布液を塗布することにより形成することができる。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等の従来公知の塗布方法を採用することができる。塗布された粘着剤の乾燥条件は特に制限はないが、一般的には、80~200℃の温度範囲において、10秒~10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80~170℃において、15秒~5分間乾燥する。架橋剤と(メタ)アクリル系樹脂との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40~80℃において5~300時間程度加熱してもよい。
本実施形態に係る粘着性フィルム100において、粘着性樹脂層30の厚みは特に制限されないが、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上80μm以下であることがより好ましく、5μm以上60μm以下がさらに好ましい。
次に、本実施形態に係る粘着性フィルム100の製造方法の一例を説明する。
まず、基材層10の一方の面に凹凸吸収性樹脂層20を押出しラミネート法によって形成する。次いで、凹凸吸収性樹脂層20上に粘着剤塗布液を塗布し乾燥させることによって粘着性樹脂層30を形成し、粘着性フィルム100を得ることができる。
また、基材層10と凹凸吸収性樹脂層20とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の基材層10とフィルム状の凹凸吸収性樹脂層20とをラミネート(積層)して形成してもよい。
2.粘着性フィルムを用いた研削方法
次に、本実施形態に係る粘着性フィルム100を用いた、電子部品の回路形成面とは反対側の面(以下、裏面とも呼ぶ。)の研削方法(バックグラインドとも呼ぶ。)の一例について説明する。本実施形態に係る電子部品の裏面研削方法は、電子部品の裏面を研削する際に、本実施形態に係る粘着性フィルム100をバックグラインドテープとして用いることに特徴がある。
まず、粘着性フィルム100の粘着性樹脂層30上に、電子部品の回路形成面を貼り付ける。
粘着性フィルム100に貼り付ける電子部品としては回路形成面を有する電子部品であれば特に限定されないが、例えば、半導体ウエハ、モールドウエハ、モールドパネル、モールドアレイパッケージ、半導体基板等が挙げられ、好ましくは半導体ウエハである。
また、半導体基板としては、例えば、シリコン基板、サファイア基板、ゲルマニウム基板、ゲルマニウム-ヒ素基板、ガリウム-リン基板、ガリウム-ヒ素-アルミニウム基板、ガリウム-ヒ素基板、タンタル酸リチウム基板等が挙げられる。
電子部品の回路形成面は、例えば、電極を有することにより、凹凸面となっている。
また、電極は、例えば、電子装置を実装面に実装する際に、実装面に形成された電極に対して接合されて、電子装置と実装面(プリント基板等の実装面)との間の電気的接続を形成するものである。
電極としては、例えば、ボールバンプ、印刷バンプ、スタッドバンプ、めっきバンプ、ピラーバンプ等のバンプ電極が挙げられる。すなわち、電極は、通常凸電極である。これらのバンプ電極は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、バンプ電極を構成する金属種は特に限定されず、例えば、銀、金、銅、錫、鉛、ビスマス及びこれらの合金等が挙げられる。これらの金属種は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
次いで、研削機のチャックテーブル等に粘着性フィルム100の基材層10を介して電子部品を固定し、電子部品の裏面(回路非形成面)を研削する。ここで、研削するとは、電子部品を割ったり、破損したりすることなく、所定の厚みまで薄化加工することを意味する。研削が終了した後、粘着性フィルム100は電子部品から剥離される。電子部品の裏面の研削が完了した後、粘着性フィルム100を剥離する前にケミカルエッチング工程を経ることもある。また、必要に応じて粘着性フィルム100の剥離後に、電子部品表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の処理が施される。
粘着性フィルム100に電子部品を貼り付ける操作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロール状の粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される装置によって行うことができる。
裏面研削方式としては特に限定されないが、例えば、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式を採用することができる。それぞれ研削は、水を電子部品と砥石にかけて冷却しながら行うことができる。裏面研削終了後、必要に応じてケミカルエッチングが行われる。ケミカルエッチングは、弗化水素酸、硝酸、硫酸、酢酸等の単独若しくは混合液からなる酸性水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液からなる群から選ばれたエッチング液に、粘着性フィルム100を貼着した状態で電子部品を浸漬する等の方法により行われる。該エッチングは、電子部品の裏面に生じた歪みの除去、電子部品のさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われる。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択される。
裏面研削、ケミカルエッチング終了後、粘着性フィルム100は電子部品表面から剥離される。この一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般には自動剥がし機と称される装置により行うことができる。
粘着性フィルム100を剥離した後の電子部品の表面は、必要に応じて洗浄してもよい。洗浄方法としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、電子部品の表面の汚染状況により適宜選択することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態を付記する。
[1]
電子部品の回路形成面を保護または電子部品を固定するために用いられる粘着性フィルムであって、
基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、
上記凹凸吸収性樹脂層は、
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、
を含む粘着性フィルム。
[2]
上記[1]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層に含まれる上記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)および上記重合体(B)の合計量を100質量部としたとき、
上記凹凸吸収性樹脂層中の上記重合体(B)の含有量が3質量部以上50質量部以下である粘着性フィルム。
[3]
上記[1]または[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記エチレン・極性モノマー共重合体(B1)がエチレン・酢酸ビニル共重合体を含む粘着性フィルム。
[4]
上記[1]または[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記プロピレン系重合体(B2)がプロピレン系エラストマーを含む粘着性フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層の厚みが100μm以下である粘着性フィルム。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
バックグラインドテープである粘着性フィルム。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上500μm以下である粘着性フィルム。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記電子部品の上記回路形成面はバンプ電極を含む粘着性フィルム。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
粘着性フィルムの作製に関する詳細は以下の通りである。
<凹凸吸収性樹脂層形成用の樹脂>
樹脂1:エチレン・プロピレン共重合体(三井化学社製、商品名:タフマーP0275、密度:861kg/m、メルトフローレート(190℃):2.9g/10分)
樹脂2:エチレン・酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル社製、商品名:エバフレックスEV170、酢酸ビニル含量:33質量%、密度:960kg/m、メルトフローレート(190℃):1g/10分)
樹脂3:エチレン・酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル社製、商品名:エバフレックスEV150、酢酸ビニル含量:33質量%、密度:960kg/m、メルトフローレート(190℃):30g/10分)
樹脂4:プロピレン系エラストマー(三井化学社製、商品名:タフマーPN3560、密度:866kg/m、メルトフローレート(230℃):6.0g/10分)
<粘着剤ポリマー(アクリル系樹脂)>
アクリル酸エチル49質量部、アクリル酸-2-エチルヘキシル20質量部、アクリル酸メチル21質量部、メタクリル酸グリシジル10質量部、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5質量部を混合した。得られた混合物を、トルエン65質量部および酢酸エチル50質量部が入った窒素置換フラスコ中に、撹拌しながら80℃で5時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌して反応させた。反応終了後、得られた溶液を冷却し、冷却した溶液にキシレン25質量部、アクリル酸5質量部、およびテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド0.5質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で32時間反応させ、粘着剤ポリマー溶液を得た。
<粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液A>
粘着剤ポリマー(固形分)100質量部に対して、光開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製、商品名:イルガキュア651)7質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、商品名:オレスターP49-75S)2質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、商品名:アロニックスM-400)12質量部を添加し、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Aを得た。
<粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液B>
粘着剤ポリマー(固形分)100質量部に対して、光開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製、商品名:イルガキュア651)7質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、商品名:オレスターP49-75S)1質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、商品名:アロニックスM-400)12質量部を添加し、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Bを得た。
[実施例1]
凹凸吸収性樹脂層となるタフマーP0275(80質量部)、エバフレックスEV170(15質量部)およびタフマーPN3560(5質量部)をドライブレンドした。次いで、基材層となるポリエチレンテレフタレートフィルム(50μm)上に、単軸押出機を用いて、上述の凹凸吸収性樹脂のドライブレンド物を厚さ380μmとなるように、押出しラミネートし、基材層と凹凸吸収性樹脂層の積層フィルムを得た。
次いで、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Aをシリコーン離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)に塗布し、次いで、乾燥させて、厚み10μmの粘着性樹脂層を形成した。次いで、得られた粘着性樹脂層を上述の積層フィルムの凹凸吸収性樹脂層側に貼り合わせることで、粘着性フィルムを得た。得られた粘着性フィルムについて、以下のカットバリ数評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<カットバリ数評価>
裏面研削テープ貼り機(日東精機製、DR3000II)を用いて、上記粘着性フィルムを12インチミラーウエハに貼り付け、外周をカットした(テーブル温度:70℃、ラミネート荷重:90%、ラミネート速度:2mm/s、カッターヒーター:OFF、カッター低速:75mm/s、カッター高速:100mm/s、カッター加減速:100mm/s、剥離速度:50mm/s)。得られたフィルム貼付ウエハのフィルムカット部の外周部を光学顕微鏡で観察し、200μm以上のバリ数を計測した。
[実施例2]
凹凸吸収性樹脂層の厚みを350μmに変更した以外は実施例1と同様にして、基材と凹凸吸収性樹脂層の積層フィルムを作製した。次いで、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Bを用いて、厚みが40μmの粘着性樹脂層を形成したこと以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを作製した。また、実施例1と同様にカットバリ数評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
タフマーP0275(90質量部)およびタフマーPN3560(10質量部)をドライブレンドしたドライブレンド物を用いて凹凸吸収性樹脂層を作製し、凹凸吸収性樹脂層の厚みを370μmにした以外は実施例1と同様にして、基材と凹凸吸収性樹脂層の積層フィルムを作製した。次いで、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Bを用いて、厚みが20μmの粘着性樹脂層を形成したこと以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを作製した。また、実施例1と同様にカットバリ数評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
エバフレックスEV150を用いて凹凸吸収性樹脂層を作製し、凹凸吸収性樹脂層の厚みを350μmにした以外は実施例1と同様にして、基材と凹凸吸収性樹脂層の積層フィルムを作製した。次いで、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液Bを用いて、厚みが40μmの粘着性樹脂層を形成したこと以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを作製した。また、実施例1と同様にカットバリ数評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0007049797000001
ここで、実施例1~3の粘着性フィルムは、バンプ電極を有する半導体ウェハのバンプ電極形成面に貼り付けた際に、バンプ電極が割れず、かつ、半導体ウェハとの密着性が良好なものであった。
以上から、基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、凹凸吸収性樹脂層がエチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、を含む実施例1~3の粘着性フィルムは凹凸吸収性およびカット性に優れていた。すなわち、本実施形態に係る粘着性フィルム100は、凹凸吸収性およびカット性のバランスに優れていることが理解できる。
これに対し、凹凸吸収性樹脂層がエチレン・極性モノマー共重合体(B1)のみを含む比較例1の粘着性フィルムは凹凸吸収性に優れていたが、カットした際にバリの発生が多く、カット性に劣っていた。
10 基材層
20 凹凸吸収性樹脂層
30 粘着性樹脂層
100 粘着性フィルム

Claims (7)

  1. 電子部品の回路形成面を保護または電子部品を固定するために用いられる粘着性フィルムであって、
    基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、
    前記凹凸吸収性樹脂層は、
    エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレン・極性モノマー共重合体(B1)およびプロピレン系重合体(B2)から選択される少なくとも一種の重合体(B)と、
    を含み、
    バックグラインドテープである粘着性フィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層に含まれる前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)および前記重合体(B)の合計量を100質量部としたとき、
    前記凹凸吸収性樹脂層中の前記重合体(B)の含有量が3質量部以上50質量部以下である粘着性フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記エチレン・極性モノマー共重合体(B1)がエチレン・酢酸ビニル共重合体を含む粘着性フィルム。
  4. 請求項1または2に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記プロピレン系重合体(B2)がプロピレン系エラストマーを含む粘着性フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層の厚みが100μm以下である粘着性フィルム。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上500μm以下である粘着性フィルム。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記電子部品の前記回路形成面はバンプ電極を含む粘着性フィルム。
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