JP7245108B2 - ダイシング用基体フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハをチップ状にダイシングする際に、半導体ウェハに貼着して固定し使用される、ダイシング用基体フィルムに関する。
半導体チップを製造する方法として、半導体ウェハを予め大面積で製造し、次いでその半導体ウェハをチップ状にダイシング(切断分離)し、最後にダイシングされたチップをピックアッップする方法がある。半導体ウェハの切断方法として、近年、レーザー加工装置を用い、半導体ウェハに接触することなく半導体ウェハを切断(分断)するステルスダイシングが知られている。
半導体ウェハのダイシング用テープ基材として用いることができるフィルムとして、特許文献1には、特定の表面粗さを有し、結晶性ポリオレフィン(PO)を主成分とする層(A)と非晶質POを含む層(B)とが、(A)/(B)/(A)の構成をとるPO系フィルムが記載されている。
特開2001-11207号公報
本発明は、各層の層間強度が強く、良好な帯電防止性を示すダイシング用基体フィルムを提供することを目的とする。
従来技術の半導体ウェハのダイシング用テープ基材として用いることができるフィルムでは、表面層(LDPE)と中心層(非晶性PO)と間の層間強度が十分でなかったり、帯電防止性が十分でなかったりした。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った。本発明者は、ダイシング用基体フィルムが、下記の少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成を含むことで、各層の層間強度が強く、良好な帯電防止性を示すダイシング用基体フィルムとなることを見出した。
項1.
少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成を含むダイシング用基体フィルムであって、
A1層及びA2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を含む樹脂組成物からなり、
B1層及びB2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を50重量%~5重量%、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%~95重量%含む樹脂組成物からなり、
C層は、非晶性ポリオレフィン(非晶性PO)を含む樹脂組成物からなり、
前記A1層及びA2層の少なくとも1つの層は、帯電防止剤を含む、
ダイシング用基体フィルム。
項2.
前記項1に記載のダイシング用基体フィルムのA1層側又はA2層側に、粘着剤層とダイボンド層とをこの順に設けたダイシングフィルム。
本発明のダイシング用基体フィルムは、各層の層間強度が強く、良好な帯電防止性を示す。
本発明は、ダイシング用基体フィルムに関する。
本発明は、更に、ダイシング用基体フィルム上に粘着剤層とダイボンド層をこの順に設けたダイシングフィルムに関する。
(1)ダイシング用基体フィルム
本発明のダイシング用基体フィルムは、少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成を含む。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を含む樹脂組成物からなる。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、B1層及びB2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を50重量%~5重量%、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%~95重量%含む樹脂組成物からなる。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、C層は、非晶性ポリオレフィン(非晶性PO)を含む樹脂組成物からなる。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層の少なくとも1つの層は、帯電防止剤を含む。
以下、本発明のダイシング用基体フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
(1-1)A1層及びA2層
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層は、表面に位置する層であり(表面層)、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を含む樹脂組成物からなり、A1層及びA2層の少なくとも1つの層(層を構成する樹脂組成物)は、帯電防止剤を含む。
A1層及びA2層は、LDPEに加えて、他のポリエチレン(PE)系樹脂を含んでも良い。他のPE系樹脂として、ポリエチレン(PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、及びアイオノマー樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を用いることができる。
分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)
LDPEの数平均分子量は、10,000~1,000,000程度が好ましく、50,000~500,000程度がより好ましい。LDPEの数平均分子量を10,000程度以上とすることで、フィルムへの成形がより良好である。一方、LDPEの数平均分子量を1,000,000程度以下とすることで、樹脂の押出し成形がより良好となる。
LDPEの密度は、0.915g/cm3~0.935g/cm3程度が好ましく、0.917g/cm3~0.935g/cm3程度がより好ましい。密度はISO 1183-1:2004に準拠して求めたものである。
LDPEの融点は、100℃~130℃程度が好ましい。
LDPEのISO 1133に準拠した温度190℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)は、0.3g/10分~20g/10分程度が好ましく、0.5g/10分~10g/10分程度がより好ましい。LDPEのMFRを上記範囲とすることで、安定した製膜が可能となる。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)については、後述する。
帯電防止剤
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層の少なくとも1つの層(層を構成する樹脂組成物)は、帯電防止剤を含む。
本発明のダイシング用基体フィルムでは、A1層及びA2層の少なくとも1つの層は、帯電防止剤を含むので、半導体チップを剥離する際に、剥離帯電が生じず、チップの回路が破損しないという効果を発揮する。
本発明のダイシング用基体フィルムでは、帯電防止剤として、ポリエーテルエステルアミド樹脂(PEEA樹脂)及び親水性ポリオレフィン樹脂(親水性PO樹脂)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を用いることが好ましい。
帯電防止剤の含有量は、層中(層を構成する樹脂組成物中)に、10重量%~30重量%程度好ましく、15重量%~25重量%程度がより好ましい。帯電防止剤を前記範囲で配合することにより、本発明のフィルムの特性を損なうことなく、有効に、発生する静電気を素早く除電することができる。
ポリエステルエーテルアミド樹脂(PEEA樹脂)
ポリエーテルエステルアミド樹脂は、親水性付与の主たるユニット成分であるポリエーテルエステルと、ポリアミドユニットとから構成されるポリマーである。ポリエーテルエステルアミド樹脂は、市販されているものも用いることや、公知の方法で容易に製造することができる。
ポリエーテルエステルアミド樹脂として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタットNC6321等が例示される。また、特開昭64-45429号公報、特開平6-287547号公報には、ポリエーテルエステルアミド樹脂の製造方法が記載されている。
ポリエーテルエステルアミド樹脂は、例えば、主鎖中にエーテル基を有するポリジオール成分にジカルボン酸成分を反応させて末端エステルに変え、これにアミノカルボン酸又はラクタムを反応させて製造することできる。本発明のダイシング用基体フィルムでは、ポリエーテルエステルアミド樹脂は、アクリル系樹脂との相溶性が良く、ブリードアウトするような現象は一切ないことから、好ましく用いることができる。
親水性ポリオレフィン樹脂(ポリエーテル/ポリオレフィンブロック共重合体)
本発明のダイシング用基体フィルムでは、親水性PO樹脂(ポリエーテル/ポリオレフィンブロック共重合体)として、例えば、親水性ポリエチレン(親水性PE)、親水性ポリプロピレン(親水性PP)等を、少なくとも1種の成分を、好ましく用いることができる。
親水性PE及び親水性PP樹脂は、基本的にはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック結合したものである。親水性PE及び親水性PPは、高い除電作用が発揮されるので、静電気の蓄積をなくすことができる。前記ブロック結合は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われている。本発明のダイシング用基体フィルムでは、フィルム樹脂との相溶性の点から、前記ブロック結合は、エステル基又はエーテル基であることが好ましい。
ポリエーテル/ポリオレフィンブロック共重合体として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタット、ペレクトロン等が例示される。
(1-2)B1層及びB2層
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、B1層及びB2層は、所謂、中間層であり、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を50重量%~5重量%、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%~95重量%含む樹脂組成物からなる。
本発明のダイシング用基体フィルムでは、A1層(表面層)とC層(中心層)との間に、LDPE及びLLDPEを含む樹脂組成物からなるB1層(中間層)を設け、A2層(表面層)とC層(中心層)との間に、LDPE及びLLDPEを含む樹脂組成物からなるB2層を設けることで、各層の層間強度が従来技術に比べて向上しており、各層の層間強度が強いという効果を発揮する。
B1層及びB2層は、LDPE及びLLDPEに加えて、他のポリエチレン(PE)系樹脂を含んでも良い。他のPE系樹脂として、ポリエチレン(PE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、及びアイオノマー樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を用いることができる。
分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)
LDPEは、前述のA1層及びA2層で記した説明を使うことができる。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
LLDPEの数平均分子量は、10,000~1,000,000程度が好ましく、50,000~500,000程度がより好ましい。LLDPEの数平均分子量を10,000程度以上とすることで、フィルムへの成形がより良好である。一方、LLDPEの数平均分子量を1,000,000程度以下とすることで、樹脂の押出し成形より良好となる。
LLDPEの密度は、0.880g/cm3~0.940g/cm3程度が好ましく、0.900g/cm3~0.935g/cm3程度がより好ましい。密度はISO 1183-1:2004に準拠して求めたものである。
LLDPEの融点は、100℃~130℃程度が好ましい。
LLDPEのISO 1133に準拠した温度190℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)は、0.3g/10分~20g/10分程度が好ましく、0.5g/10分~10g/10分程度がより好ましい。LLDPEのMFRを上記範囲とすることで、安定した製膜が可能となる。
B1層及びB2層の樹脂組成
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、B1層及びB2層は、同一又は異なって、LDPEを50重量%~5重量%、及びLLDPEを50重量%~95重量%含む樹脂組成物からなる。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、B1層及びB2層に含まれるLDPE及びLLDPEを、前記範囲の配合組成とすることにより、樹脂の押出し成形より良好であること、フィルムへの成形がより良好であること、安定した製膜が可能となること等の効果を発揮する。
(1-3)C層
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、C層は、所謂、中心層であり、非晶性ポリオレフィン(非晶性PO)を含む樹脂組成物からなる。
非晶性ポリオレフィン(非晶性PO)
本発明のダイシング用基体フィルムでは、非晶性POとしては、所定の触媒を用いて、プロピレン及びブテン-1からなる群から選ばれる成分を、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上と、前記プロピレン及びブテン-1を除く炭素数2~10のα-オレフィンとの組成比のポリマーを、好ましく用いることができる。
プロピレン及びブテン-1を除く炭素数2~10のα-オレフィンとして、エチレン、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、4-メチルペンテン-1、4-メチルヘキセン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等の鎖状α-オレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン等の環状α-オレフィン;等を好ましく用いることができる。これらのα-オレフィンは、前記成分の中から、1種類を用いることや、又は2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
非晶性POとして、例えば、プロピレン・ブテン-1共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、ブテン-1・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン-1・エチレン共重合体等を好ましく用いることができる。
非晶性POとして、また、各モノマー単位がランダムに配列するように重合させた結晶性の低いポリマーを好ましく用いることができる。
非晶性POの数平均分子量は、1,000~100,000程度が好ましい。非晶性POの数平均分子量は、その下限値は、好ましくは1,000、より好ましくは1,200、更に好ましくは1,500、特に好ましくは2,000である。非晶性POの数平均分子量は、その上限値は、好ましくは100,000、より好ましくは50,000、更に好ましくは30,000、特に好ましくは25,000、特に好ましくは20,000、最も好ましくは15,000である。
非晶性POの結晶融解熱は、フィルムの柔軟性に優れ、加工性に優れるという点で、好ましくは50J/g以下、より好ましくは40J/g以下、更に好ましくは30J/g以下、特に好ましくは25J/g以下である。
非晶性POの固有粘度[η]は、0.1dl/g~1.0dl/g程度が好ましい。非晶性POの固有粘度[η]は、その下限値は、好ましくは0.1dl/g、より好ましくは0.2dl/g、更に好ましくは0.25dl/g、特に好ましくは0.3dl/gである。非晶性POの固有粘度[η]は、その上限値は、好ましくは1.0dl/g、より好ましくは0.9dl/g、更に好ましくは0.7dl/g、特に好ましくは0.6dl/gである。
非晶性POの溶融粘度(190℃)は、200mPa・s~30,000mPa・s程度が好ましい。非晶性POの溶融粘度(190℃)は、その下限値は、好ましくは200mPa・s、より好ましくは300mPa・s、更に好ましくは1,000mPa・s、特に好ましくは5,000mPa・sである。非晶性POの溶融粘度(190℃)は、その上限値は、好ましくは30,000mPa・s、より好ましくは28,000mPa・s、更に好ましくは25,000mPa・s、特に好ましくは10,000mPa・sである。
(1-4)ダイシング用基体フィルムの層構成
本発明のダイシング用基体フィルムは、少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成を含む。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層は、表面に位置する層であり、同一又は異なって、A1層及びA2層の少なくとも1つの層(層を構成する樹脂組成物)は、帯電防止剤を含む。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層の中で、帯電防止剤を含む層(表層)は、ウェハ接触側の、粘着層と接する反対側の層とすることが好ましい。例えば、A1層が帯電防止剤を含む層であれば、A1層をウェハ接触側の、粘着層と接する反対側の層とすることが好ましい。例えば、A1層及びA2層が帯電防止剤を含む層であれば、A1層及びA2層のどちらの層をウェハ接触側として、粘着層と接する層としても良い。
本発明のダイシング用基体フィルムの全体の厚さとしては、50μm~300μm程度が好ましく、70μm~250μm程度がより好ましく、80μm~220μm程度が更に好ましい。ダイシング用基体フィルムの全体の厚さを50μm以上に設定することにより、半導体ウェハをダイシングする際に、半導体ウェハを衝撃から保護することが可能となる。
ダイシング用基体フィルムの具体例として、その全厚さが60~100μm程度の場合を説明する。
A1層及びB1層の合計厚さ、及びA2層及びB2層の合計厚さは、夫々2μm~44μm程度が好ましく、夫々10μm~38μm程度がより好ましい。
C層の厚さは12μm~96μm程度が好ましく、24μm~80μm程度がより好ましい。
(2)ダイシング用基体フィルムの製法
本発明において、少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成のダイシング用基体フィルムは、A1層、B1層、C層、B2層及びA2層の各層に用いる樹脂組成物を多層共押出成形して製造することができる。具体的には、各層を形成するための樹脂組成物を、A1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層されるよう共押出成形することにより製造することができる。
本発明において、ダイシング用基体フィルムのA1層及びA2層は、表面に位置する層であり、同一又は異なって、A1層及びA2層の少なくとも1つの層(層を構成する樹脂組成物)は、帯電防止剤を含む。
上記した各層用樹脂を、夫々この順でスクリュー式押出機に供給し、180~240℃で多層Tダイからフィルム状に押出し、これを30~70℃の冷却ロ-ルに通しながら冷却して、実質的に無延伸で引き取る。或いは、各層用樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記の様に押出成形してもよい。
引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、ダイシング後に行うフィルムの拡張を有効に行う利点がある為である。この実質的に無延伸とは、無延伸、或いは、ダイシングフィルムの拡張に悪影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フィルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであれば良い。
(3)ダイシングフィルムの製造
本発明のダイシングフィルムは、周知の技術に沿って製造することができる。例えば、粘着剤層を構成する粘着剤を有機溶剤等の溶媒に溶解させ、これをダイシング用基体フィルム上に塗布し、溶媒を除去することにより基体フィルム/粘着剤層の構成のフィルムを得ることができる。本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、A1層及びA2層の中で、帯電防止剤を含む層(表層)は、ウェハ接触側の、粘着層と接する反対側の層とすることが好ましい。
ダイボンド層を構成する樹脂組成物を、有機溶剤等の溶媒に溶解させ、別のフィルム(剥離フィルム)上に塗布し、溶媒を除去することによって、ダイボンドフィルムを作製する。
更に、前記粘着剤層とダイボンド層を対向するように重ね合わせることにより、ダイシングフィルムを作製する。これにより、基体フィルム/粘着剤層/ダイボンド層の構成のフィルムを得ることができる。この段階ではダイボンド層は、半導体ウェハと粘着層と弱く(擬似)接着した状態で、貼り合わされている。
エキスパンド後、分断された半導体チップとダイボンド層は、所定のパッケージ又は半導体チップを積層させて、ダイボンド層が強く接着する温度まで過熱し、接着させる。
以下に、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ダイシング用基体フィルムの原料
表1にダイシング用基体フィルムの原料を示した。
Figure 0007245108000001
[略称の説明]
LDPE:分岐鎖状低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
帯電防止剤:ポリエーテル/ポリオレフィンブロック共重合体
非晶性PO:非晶性ポリオレフィン(プロピレンとブテン-1との共重合体)
(2)A1層/B1層/C層/B2層/A2層のダイシング用基体フィルムの製造
表2に記載のA1層/B1層/C層/B2層/A2層(5層)となるように、各成分及び組成で樹脂組成物を配合し、ダイシング用基体フィルムを作製した。
各層を構成する樹脂組成物を、220℃に調整された夫々の押出機に投入しA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順序になるように、220℃のTダイスにより押出し、積層し、30℃の冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の5層フィルムを得た。
Figure 0007245108000002
(3)ダイシング用基体フィルムの評価
(3-1)層間強度
<評価方法>
JIS-K6854に準拠する。
サンプルサイズ 長さ:100mm、幅:10.0±0.5mm
試験速度:200mm/min
使用機器:離着性強度試験機(新東科学製 型番 HEIDON TYPE:17)
ダイシング用基体フィルムをMD方向に長さ100mm×幅10mmのサイズにカットし、フィルム端部の一部分を層間剥離した。サンプルの長さ方向に引張速度200mm/minで、180度方向に剥離させた時の常温(23℃)での強度(N/10mm)を、剥離試験機を用いて測定した。長さ方向が、MDとなるように試験を行った。尚、10回試験を行い層間強度の平均値を求めた。
<評価基準>
○評価:平均層間強度が1N/10mm以上である。
×評価:平均層間強度が1N/10mm未満である。
(3-2)帯電防止性
<評価方法>
JIS-K6911に準拠する。
サンプルサイズ 100mm×100mm
測定条件 温度:23±1℃、湿度:50%±5%
24時間~26時間放置後、同環境下で10秒間測定する。
測定機器:ハイレスタUP(三菱化学アナリテック製 型番 MCP-450型)
ダイシング用基体フィルムを長さを100mm×100mmにカットし、測定温度は23±1℃、測定湿度は50%±5%で、24時間~26時間放置後、同環境下で10秒間測定する。
<評価基準>
○評価:表面固有抵抗値が1010Ω/□以下である。
×評価:表面固有抵抗値が1010Ω/□を超える。
Figure 0007245108000003
本発明のダイシング用基体フィルムでは、A1層(表面層)とC層(中心層)との間に、LDPE及びLLDPEを含む樹脂組成物からなるB1層(中間層)を設け、A2層(表面層)とC層(中心層)との間に、LDPE及びLLDPEを含む樹脂組成物からなるB2層を設けることで、各層の層間強度が強いという効果を発揮した。
本発明のダイシング用基体フィルムでは、A1層及びA2層の少なくとも1つの層は、帯電防止剤を含むので、半導体チップを剥離する際に、剥離帯電が生じず、チップの回路が破損しないという効果を発揮した。
本発明のダイシング用基体フィルムは、各層の層間強度が強く、良好な帯電防止性を示すと評価できる。

Claims (2)

  1. 少なくともA1層/B1層/C層/B2層/A2層の順に積層された5層構成を含むダイシング用基体フィルムであって、
    A1層及びA2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を含む樹脂組成物からなり、
    B1層及びB2層は、同一又は異なって、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を50重量%~5重量%、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%~95重量%含む樹脂組成物からなり、
    C層は、非晶性ポリオレフィン(非晶性PO)を含む樹脂組成物からなり、
    前記A1層及びA2層の少なくとも1つの層は、帯電防止剤を含む、
    ダイシング用基体フィルム。
  2. 請求項1に記載のダイシング用基体フィルムのA1層側又はA2層側に、粘着剤層とダイボンド層とをこの順に設けたダイシングフィルム。


































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