以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る文書廃棄システムの構成を示す図である。図示した文書廃棄システムは、文書生成装置1と、文書管理装置2と、文書廃棄装置3とを用いて構成されている。文書生成装置1、文書管理装置2及び文書廃棄装置3は、それぞれ共通のネットワーク4に接続されている。
文書生成装置1は、文書IDが付加された文書(紙文書)を生成するものである。文書管理装置2は、文書生成装置1によって生成された文書に関して種々の管理処理を行うものである。文書廃棄装置3は、文書生成装置1によって生成された文書や他の文書の廃棄処理を行うものである。ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を用いて構成されるものである。
図2は文書生成装置1の構成例を示すブロック図である。文書生成装置1は、例えばデジタル複写機やデジタル複合機(多機能型複写機)などを用いて構成されるものである。この文書生成装置1は、操作パネル5と、画像読取部6と、画像処理部7と、画像出力部8、文書生成制御部9と、ネットワークインタフェース10とを用いて構成されている。
操作パネル5は、文書生成装置1を使用するユーザーが各種の情報を入力したり、ユーザーに対して各種の情報を表示したりするためのユーザーインタフェースとなるものである。操作パネル5は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とによって構成されるものである。
画像読取部6は、読み取り対象となる原稿の画像を光学的に読み取るものである。この画像読取部6では、透明な原稿台(プラテンガラス)にセットされた原稿面に光を照射して、当該原稿面からの反射光をミラー、レンズ等の結像光学系を介して読み取りセンサ(CCDセンサ等)の受光面で結像させることにより、原稿画像に対応した画像データ(スキャンデータ)を生成するものである。その際、原稿面は、結像光学系の移動によって読み取り走査される。
画像処理部7は、画像読取部6で読み取られた原稿の画像データに所定の画像処理(例えば、色変換、色補正、階調補正、拡大縮小、画像回転、スクリーン生成などの処理)を施すものである。
画像出力部8は、画像読取部6で読み取られかつ画像処理部7で画像処理された画像データを用紙等の記録媒体に印刷出力するものである。この画像出力部8は、例えば、電子写真方式に基づいて画像データの印刷を行う。
文書生成制御部9は、文書生成に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書生成制御部9は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、操作パネル5、画像読取部6、画像処理部7及び画像出力部8の各処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース10は、文書生成装置1がネットワーク4上で他の装置(文書管理装置2、文書廃棄装置3を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース10を用いたデータの送受信は、文書生成制御部9によって制御される。
図3は文書管理装置2の構成例を示すブロック図である。文書管理装置2は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成されるものである。この文書管理装置2は、ユーザーインタフェース部(UI部)11と、バーコード解析部12と、検索部13と、データベース部14と、文書管理制御部15と、ネットワークインタフェース16とを用いて構成されている。
ユーザーインタフェース部11は、文書管理装置2を使用するユーザーが各種の情報を入力したり、ユーザーに対して各種の情報を表示したりするためのユーザーインタフェースである。このユーザーインタフェース部11は、例えば、キーボード、マウス等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成されるものである。
バーコード解析部12は、画像データ(スキャンデータ)に含まれるバーコードを解析してデコード処理するものである。バーコード解析部12が解析するバーコードは、文書生成装置1でバーコード付きの文書の画像を読み取ったときに得られる画像データに含まれるバーコードである。このバーコードは、少なくとも文書IDを含む情報となる。一般に、バーコードは、一次元方向にのみ情報をもつ一次元バーコードと、二次元方向に情報をもつ二次元バーコードに大別されるが、本発明を実施するにあたってはどちらも利用可能である。ただし、上述した文書IDの他に、種々の情報やデータを1つのバーコードに収納したい場合は、より多くのデータ容量をもつ二次元バーコードを用いることが望ましい。本実施形態では、一例として、二次元バーコードの一種で、一般に普及しているQRコード(登録商標)を用いることとする。
検索部13は、データベース部14に蓄積されたデータの検索を行うものである。データベース部14は、種々のデータを蓄積するものである。データベース部14は、例えば、ハードディスク(Hard Disk Drive)等を用いて構成されるものである。
文書管理制御部15は、文書管理に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書文書廃棄装置3は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、ユーザーインタフェース部11、バーコード解析部12、検索部13及びデータベース部14の各処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース16は、文書管理装置2がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書廃棄装置3を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース16を用いたデータの送受信は、文書管理制御部15によって制御される。
図4は手差し送りタイプの文書廃棄装置3の機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードリーダーの読み取り光学系19と、ストッパー20と、フィードロール21,22と、パスセンサ23と、シュレッダー部24とを備えている。
文書トレイ部17は、廃棄の対象となる文書が載置される部分である。文書トレイ部17は、ストッパー20に向かって徐々に低位となるように、水平面に対して斜めに傾斜した状態で形成されている。文書トレイ部17の奥側(低位側)は、上述したインサートセンサ18や読み取り光学系19、ストッパー20、フィードロール21とともに、図示しないカバー部材によって覆い隠されている。
インサートセンサ18は、文書トレイ部17の所定の読み取り位置まで文書が差し込まれたことを検知するものである。インサートセンサ18は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該インサートセンサ18のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。
バーコードリーダーの読み取り光学系19は、廃棄対象となる文書のバーコード記録部分に対して、図示しない光源から照射された光の反射光を、レンズ25を介してエリアセンサ26で受光することにより、バーコードの画像をエリアセンサ16に取り込む構成となっている。バーコード記録部分とは、文書の面内で、文書IDを情報の1つとして含むバーコードが記録される部分をいい、その位置(領域)は文書コーナー部分で寸法的に予め規定されている。
ストッパー20は、例えば長尺状の板状構造をなすもので、インサートセンサ18とフィードロール21との間に設けられている。ストッパー20は、フィードロール21,22によって形成される文書搬送路の入口部分で、当該文書搬送路を開閉するものである。ストッパー20を閉じた状態では、文書トレイ部17からフィードロール21に至る文書の通路を遮断するように、ストッパー20が通路上に突出した状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がストッパー20に突き当たる。これに対して、ストッパー20を開いた状態では、文書トレイ部17からフィードロール21に至る文書の通路から退避するように、ストッパー20が通路上から引っ込んだ状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がフィードロール21のニップ部分に突き当たる。
図5は文書トレイ部17を上方から見た図である。文書トレイ部17には、文書27を手差しで差し込むときの差し込み方向(矢印方向)に対して、その両側に挿入ガイド28,29が設けられている。各々の挿入ガイド28,29は、文書の差し込み方向と平行なガイド面28A,29Aを有している。このうち、挿入ガイド28は固定状態で設けられるものであるが、挿入ガイド29は必要に応じて文書の幅方向(図5の上下方向)に移動可能に設けられるものである。廃棄の対象となる文書27は、その先端側コーナー部分にバーコード記録部分30を配置する向きで文書トレイ部17を矢印方向に差し込まれる。このとき、差し込み方向と直交する方向で文書27の位置を決めるために、文書27の一方の側端を挿入ガイド28のガイド面28Aに当接させて沿わせる。
これにより、ユーザーの手差しによって文書27の先端をストッパー20に突き当てた状態では、バーコードリーダーによるコード読み取りエリアE内にバーコード記録部分30が位置決め配置される。また、文書の差し込み方向において、インサートセンサ18はストッパー20の手前(直近)に配置されている。このため、ユーザーによって手差しされた文書27の先端がストッパー20に突き当たるときには、その直前でインサートセンサ18がオフ状態からオン状態に切り替わる。このことから、インサートセンサ18がオンするタイミングは、文書27のバーコード記録部分30がコード読み取りエリアE内に配置されるタイミングを示すものとなる。
フィードロール21は、ストッパー20の開放によって差し込まれた文書をニップ(挟持)しつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿って搬送するものである。文書搬送路は、図示しない搬送案内部材(シュート等)を用いて形成されるものである。フィードロール22は、フィードロール21によって搬送された文書をニップしつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿ってシュレッダー部24へと搬送するものである。
パスセンサ23は、フィードロール22からシュレッダー部24に至る文書搬送路の途中(ほぼ中間点)で文書の通過を検知するものである。パスセンサ23は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該パスセンサ23のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。したがって、パスセンサ23のセンシング位置を文書の先端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、パスセンサ23のセンシング位置を文書の後端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わる。
シュレッダー部24は、フィードロール22によって送り込まれた文書を一方向(矢印方向)に引き込みながら細断(シュレッド)するものである。このシュレッダー部24は、複数枚の文書(例えば、A4サイズの普通紙で20枚程度の束)を一括でシュレッド処理することが可能である。また、シュレッダー部24は、ステープル針でステープル処理された文書であっても、そのままの状態(ステープル針を外さない状態)でシュレッド処理することが可能である。
文書廃棄装置3は、文書廃棄装置3を利用するユーザーを認証するためのICカード・リーダー42を備えている。ユーザーは、自分の認証情報を担持したICカードを所有しており、ICカード・リーダー42にICカードをかざすことにより個人認証が行なわれる。文書廃棄装置3の利用者を認証するための認証情報を取得する認証情報取得手段としては、ICカードを用いたユーザー認証技術だけではなく、英数字・記号などから構成されるパスワード認証技術や、文書廃棄装置3もしくは文書廃棄装置3に接続されたPCに設けられたカメラ(CCD)で構成される顔、虹彩認証技術でもよく、また、廃棄装置もしくは接続されたPCに設けられ指紋、静脈認証技術によるものでもよい。
図6は手差し送りタイプの文書廃棄装置3の構成例を示すブロック図である。文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、バーコードリーダー32と、ストッパー駆動部33と、フィーダー駆動部34と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。
操作パネル31は、文書廃棄装置3を使用するユーザーによって操作されるものである。操作パネル31は、例えば、操作用のボタン(例えば、スタートボタン、ストップボタンなど)と、文書廃棄装置3の動作状態や操作用のガイダンス(案内メッセージ)を含む各種のメッセージを表示する表示パネルとを用いて構成されるものである。
バーコードリーダー32は、文書に印刷によって付加されたバーコードを上記読み取り光学系19を用いて光学的に読み取るとともに、その読み取り結果に基づいて、文書内のバーコードに収納されている元の情報(データ)を出力するものである。
ストッパー駆動部33は、上述したストッパー20を開閉(出没)動作させるものである。ストッパー駆動部33は、例えば電磁プランジャを駆動源として構成することが可能である。
フィーダー駆動部34は、上述したフィードロール21,22を回転動作させるものである。フィーダー駆動部34は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
シュレッダー駆動部35は、上述したシュレッダー部24を回転駆動するものである。シュレッダー駆動部35は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
文書廃棄処理制御部36は、文書廃棄に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書廃棄制御部36は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、バーコードリーダー32、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35の各処理動作を制御する。また、文書廃棄処理制御部36には、上述したインサートセンサ18とパスセンサ23が電気的に接続されている。
ネットワークインタフェース37は、文書廃棄装置3がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書管理装置2を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース37を用いたデータの送受信は、文書廃棄制御部36によって制御される。
続いて、上記構成からなる文書管理システムを用いた文書管理の方法について説明する。まず、本発明で取り扱う文書は、1つずつ固有の文書IDを割り当てて文書生成装置1により生成されるものである。文書IDは、数字のみで構成してもよいし、数字やアルファベット、記号などを適宜組み合わせて構成してもよい。以降は、会計監査や税務調査などの証憑書類となる文書を取り扱う場合の具体的な管理方法について説明する。
まず、文書の雛形となるバーコード付きの文書データ(電子データ)を文書生成装置1に入力し、その文書データを画像出力部8で用紙に印刷出力することにより、例えば図7(A)に示すように支払申請書38の台紙を作成する。文書データは、例えば、文書管理装置2で作成し、この文書管理装置2からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよいし、別途、文書データ作成用のサーバー装置で作成し、このサーバー装置からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよい。
こうして文書生成装置1で生成される支払申請書38のコーナー部分には、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDを情報の1つとして含むQRコード39が印刷によって付加される。つまり、文書生成装置1で生成される支払申請書38は、「文書IDが付加された文書」に相当するものとなる。また、支払申請書38の台紙には領収書を貼付するための領域40が設けられている。このため、申請者は、図7(B)に示すように、支払申請書38の台紙に領収書41を貼り付けるとともに、必要に応じて加筆、押印(捺印)を行うことにより、支払申請書38の原本を作成する。
こうして支払申請書38を作成したら、この支払申請書38を文書生成装置1の原稿台にセットして、支払申請書38の画像を画像読取部6で読み取る。もしくは、生成情報を文書生成装置1から文書管理装置2にネットワーク4を介して送られ、データとして登録される。そうすると、画像読取部6で読み取られた支払申請書38の画像データは、ネットワーク4を経由して文書管理装置2に送信される。また、読み取りを終えた支払申請書38の原本は、ファイルなどに綴じて保管される。
一方、文書生成装置1から支払申請書38の画像データ(スキャンデータ)を受け取った文書管理装置2では、その画像データをデータベース部14に蓄積するとともに、その画像データに含まれるQRコードの画像をバーコード解析部12で解析することにより、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDのデコード情報を取り出す。こうして取得した文書IDは、文書管理制御部15によって文書管理テーブルに登録される。文書管理テーブルは、データベース部14内に作成されるものである。
図8は文書管理テーブルの一例を示す図である。図示のように文書管理テーブルには、文書IDと、文書生成日と、文書保管期間と、文書廃棄日が、互いに対応付けて登録されるようになっている。文書IDは、バーコード解析部12でQRコードをデコードして得られたものを登録してもよいし、上述したバーコード付きの文書データを文書管理装置2又は他のサーバー装置で作成するときに、文書管理装置2自身が文書に割り当てたものや、他のサーバー装置が文書に割り当てたものを登録してもよい。文書生成日は、文書が生成された日にちを示すものである。本形態例では、文書生成装置1が支払申請書38等の文書から読み取った画像データを、文書管理装置2宛に送信した日を文書生成日として登録するものとする。
文書保管期間は、文書の保管期間を日にちで示すものである。文書管理テーブルに文書IDが登録された文書は、文書保管期間が過ぎるまで保管しておく必要がある。ただし、文書保管期間が「指定なし」で登録されている場合は、いつでも廃棄可能な扱いとなり、文書保管期間が「永久」で登録されている場合は、常に廃棄不可の扱いとなる。
また一般に、領収書に関しては、その領収金額によって保管期間が決められている。このため、例えば、支払申請書38に印刷したQRコードの中に、文書IDの情報に加えて、文書保管期間を設定するための情報を収納しておけば、バーコード解析部12のデコード情報から文書保管期間を自動的に設定することが可能である。具体的には、支払申請書38の文書保管期間を6年間で指定する情報をQRコードに収納することにより、支払申請書38の生成日から起算して6年目の日にちを文書保管期間に設定することが可能である。また、これ以外にも、支払申請書38に貼付する領収書の領収金額を示す情報をQRコードに収納することにより、その情報から領収書の保管期間を自動的に割り出して文書管理テーブルの文書保管期間に設定することが可能である。さらに、文書管理装置2が備えるユーザーインタフェース部11を用いて、ユーザーの手入力(マニュアル操作)で文書管理テーブルの文書保管期間を設定又は変更することも可能である。
文書廃棄日は、文書が廃棄された日にちを示すものである。文書の廃棄は、文書廃棄装置3によって行われる。このため、文書管理テーブルの文書廃棄日は、文書廃棄装置3から文書管理装置2に対して、文書の廃棄を行った文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の通知(以下、「廃棄完了通知」とも記す)があった日にちで登録される。
なお、文書管理テーブルの登録項目に含まれる文書生成日、文書保管期間及び文書廃棄日については、それぞれ日時で登録することも可能である。また、より好ましくは、文書生成装置1で文書の生成を行ったユーザーのユーザーIDを文書生成者として文書管理テーブルに登録したり、文書廃棄装置3で文書の廃棄を行ったユーザーのユーザーIDを文書廃棄者として文書管理テーブルに登録したりすることも可能である。その場合、文書の生成や廃棄を行ったユーザーのID情報は、既存のユーザー認証技術(例えば、ICカードを用いたユーザ認証技術)を利用して取得することが可能である。
図9は手差し送りタイプの文書廃棄装置3で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。この文書廃棄装置3は、コード情報(文書ID)の読み取りを行わない通常廃棄モードと、コード情報の読み取りを行うスキャン廃棄モードを有している。そして、図9のフローチャートは、文書廃棄装置の電源オン後における初期状態においてスキャン廃棄モードに設定されている場合のスキャン廃棄モードでの処理手順を示している。しかし、文書廃棄装置の電源オン後における初期状態を通常廃棄モードに設定することも可能である。
通常廃棄モードは、図示しない廃棄モード切り換え手段により通常廃棄モードに切り換え可能である。そして、通常廃棄モードでは、文書廃棄装置3が待機状態のもので、操作パネル31に設けられたスタートボタンがユーザーに押されたときに、文書廃棄処理制御部36が、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動開始を指示することで、ストッパー20を開放するとともに、フィードロール21,22とシュレッダー部24の駆動を開始する。これにより、文書廃棄装置3を使用するユーザーが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込むと、当該文書の先端がフィードロール21にニップされて装置内部に引き込まれ、そのままフィードロール21,22で搬送されてシュレッダー部24で細断される。
また、上述のように操作パネル31のスタートボタンが押された後、操作パネル31のストップボタンがユーザーによって押されるか、スタートボタンが押されてから所定の時間が経過すると、文書廃棄処理制御部36は、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動停止を指示することで、ストッパー20を元の突出状態に戻すとともに、フィードロール21,22とシュレッダー部24の駆動を停止する。これにより、文書廃棄装置3は再び待機状態に戻る。
これに対して、スキャン廃棄モードでは、文書廃棄装置3を使用するユーザーが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込むと、当該文書の先端がストッパー20に突き当たる直前にインサートセンサ18がオン状態になる。このとき、廃棄対象となる文書にQRコードが印刷されている場合は、QRコードの印刷面が最上面となるように文書を差し込む。
図9の概略動作を説明する。まず、文書廃棄装置3の電源をオンすると(ステップS1)、初期状態においてスキャン廃棄モードに設定されているため、廃棄される記録媒体である文書を廃棄装置3の媒体搬送路である文書トレイ17に積載しても、積載された文書は記録媒体規制手段であるストッパー20が突出状態になることにより廃棄処理部であるシュレッダー部24への搬送が一時的にできない状態となっている(ステップS2)。
次に、ユーザーは自分の認証情報を担持したICカードを文書廃棄装置3のICカード・リーダー42にかざすことにより個人認証が行なわれる(ステップS3)。そして、個人認証が確認できたかどうかを判断し(ステップ4)、個人認証が成功した場合に(ステップ4でOKの場合)はその認証情報を保持し(ステップ5)、個人認証ができない場合(ステップ4でNGの場合)は、操作パネル31上へ認証が不可である旨の「認証不可ガイダンス」を表示する(ステップ6)。
文書廃棄処理制御部36は、ステップ4で認証が成功した場合には、この状態にて文書の差し込みによるインサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップ7)、インサートセンサ18がオン状態になると、バーコードリーダー32に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードリーダー32が、文書に印刷されている文書特定情報としてQRコードの読み取りを行う(ステップS8)。
次いで、文書廃棄処理制御部36は、文書特定情報が記載されているQRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する(ステップS9)。QRコードの読み取りに成功したかどうかは、文書に印刷されたQRコードをバーコードリーダー32で正常にデコード処理できたかどうかにより判断する。バーコードリーダー32がQRコードの読み取りに失敗するケースとしては、文書に印刷されたQRコードに著しい汚れや破損が生じていた場合や、文書にもともとQRコードが印刷されていなかった場合、あるいは文書の差し込みが不適切に行われたために文書のQRコードがコード読み取りエリアE(図5参照)から外れていた場合などが考えられる。そして、ステップS9において、QRコードの読み取りに失敗した場合は、予め用意された読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS10)。読取不可ガイダンスの一例としては、「コード読み取りエラーが発生しました。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。
QRコードの読み取りに成功した場合(ステップS9でYesの場合)は、このQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードリーダー32で読み取ったQRコードに含まれる文書IDとステップ5で保持された認証情報とが指定されている廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージを通信手段であるネットワークインタフェース16からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う(ステップS11)。つまり、文書廃棄許可の問い合わせは、この問い合わせで指定した文書IDで特定される文書をICカード・リーダー42で認証されたユーザーにより廃棄してもよいかどうかの問い合わせである。記録媒体管理装置である文書管理装置2は送信されたQRコードと認証情報をデータベースの内容と照合し、廃棄可否の情報を文書廃棄装置3に送信する。
問い合わせメッセージを受けた文書管理装置2では、当該問い合わせメッセージで指定された文書IDと認証情報に基づき文書廃棄装置3に対して廃棄の許可または防止を行うかどうかを判断する。まず、文書管理装置2では認証情報として送信されたICカードの識別番号に対応付けられたユーザーが登録されているかをデータベースに格納されている図10に示すユーザー情報テーブルで検索し、該当する識別情報が登録されていれば、ユーザーが登録されていると判断する。そして、個人認証手段として例えばICカードの識別情報に対応付けられたユーザーが登録されていた場合、さらにそのユーザーに対して、指定されたQRコードに対応する文書IDが文書管理テーブルに登録されているかどうかを検索部13で検索し、該当する文書IDが存在する場合は、当該文書IDに対応付けて登録されている文書保管期間を確認する。そして、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日にちが文書保管期間を過ぎている場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与える旨の回答メッセージを返信する。また、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日にちが文書保管期間を過ぎていない場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与えない旨(文書の廃棄を禁止する旨)の回答メッセージを返信する。
上記の実施形態においては、ユーザー情報テーブルと文書管理テーブルとは対応付けられてなく、それぞれ独立している場合で説明したが、ユーザー情報テーブルと文書管理テーブルとは対応付けられて、それに基づいて廃棄許可を判断してもよい。すなわち、ユーザー情報テーブルにAさん、Bさんが登録されていて、文書管理テーブルには、文書Xの廃棄許可者条件としてAさんのみが登録されている場合は、ICカードによりBさんが認証されたとしても、Bさんによる廃棄許可を与えないこととする。
このように文書IDと廃棄許可者とを対応付けて廃棄許可条件とする場合に、文書生成装置1で文書が作成時に、その作成者を廃棄許可者として文書IDと対応付けて文書管理装置に登録してもよい。
また、上記の実施形態においては、認証情報に対応するユーザーが登録されているかどうかを判断したが、廃棄を判断する認証情報の条件として人物・組織・部門・グループなどの設定でもよい。例えば、部門長と担当者で廃棄文書フィルタを持って廃棄する文書の種類を異ならせるように設定してもよい。具体的には、文書Yの作成者がC役員である場合に、その文書Yに関する廃棄可能な人物としてC役員とその秘書であるDさんをグループFとして廃棄可能なグループとして登録してもよい。また、ユーザー毎に廃棄可能な文書に対する廃棄の可否を判断する期限と金額に関する条件を変えてもよい。
また、上記の実施形態においては、文書廃棄装置3は特定情報と認証情報とをまとめて送信しているが、文書廃棄装置3は認証情報を取得した時点で先に認証情報を文書管理装置2に送信してもよい。そして、文書管理装置2はその認証情報がデータベース部14に登録されているかを判断する。認証情報がデータベース部14に登録されていない場合は、登録されていない旨または廃棄が不許可である旨の回答を行う。文書廃棄装置3は、この回答に基づいて廃棄処理の防止をするとともに廃棄処理が行えない旨の表示を操作パネル31にて行えばよい。これにより、文書廃棄装置3を利用するユーザーは文書を挿入するまでもなく、すぐに廃棄処理ができないことを知ることができる。認証情報がデータベース部14に登録されている場合は、文書管理装置2は、その認証情報に関して文書ID等の特定情報を含む廃棄条件データを文書廃棄装置3を送信すればよい。具体的な例として、文書廃棄装置3から文書管理装置2に対して、Aさんに関する認証情報が送信され、文書管理装置2でAさんに関する情報が登録されていた場合には、文書管理装置2はAさんが廃棄可能な文書IDと、その文書に関する廃棄可能期間などの廃棄条件を文書廃棄装置3に送信する。その廃棄条件を受信した文書廃棄装置3は、その廃棄条件を保持しておけば、文書が挿入されて特定情報を取得した時点で、その保持した廃棄条件と特定情報とを比較することにより、特定情報を文書管理装置2に送信するまでもなく、文書廃棄装置3で廃棄可能かどうかをすぐに判断することができる。このようにすれば、文書廃棄装置3を利用するユーザーが複数枚の文書を廃棄しようとする際に、1枚目の文書を破棄し終わっても廃棄条件を保持する構成にしておけば、2枚目以降の文書についても文書管理装置へ廃棄条件を都度に問い合わせることなく、保持した条件によりすぐに廃棄を行うことができ特に有効である。保持した廃棄条件は、先の文書が廃棄されてから所定時間、次の文書が差し込まれないときに自動的に解除してもよい。
こうして文書管理装置2から回答メッセージが返信されると、文書廃棄処理制御部36は、その回答メッセージをネットワークインタフェース37で受信し、その回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認する(ステップS12)。廃棄可能な場合、文書廃棄処理制御部36は、特定情報とユーザー認証情報の関連付けを指示し、関連付けた情報は他の情報とともに履歴を保管する。この特定情報とユーザー認証情報とが関連付けられた情報は、ネットワークインタフェース37を介してネットワーク上の他の装置(文書管理装置2など)で履歴が保管される(ステップS13)。履歴を保管するのは着脱可能な装置(例えばUSBメモリーなど)としてもよい。そして、このように回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、予め用意された廃棄許可のガイダンス(案内メッセージ)を操作パネル31に表示した後、ストッパー駆動部33にストッパー開放を指示してストッパー20を開放させる(ステップS14)。また、この時点で文書廃棄処理制御部36は、フィーダー駆動部34にフィードロール21,22の回転開始を指示し、この指示にしたがってフィーダー駆動部34がフィードロール21,22の回転駆動を開始する(ステップS15)。廃棄許可ガイダンスの一例としては、「この文書を廃棄するためにストッパーを開放します。文書をさらに奥側まで差し込んでください。」などが考えられる。
その後、操作パネル31に表示されたガイダンスにしたがってユーザーが文書を差し込むと、文書の先端がフィードロール21のニップ部に突き当てられるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書が文書搬送路の下流側へと送り込まれる。こうしてフィードロール21によって送り込まれた文書は、それよりも搬送方向下流側のフィードロール22に受け渡され、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄処理制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部33にストッパー復帰を指示してストッパー20を元の状態(突出した状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断される。
その後、文書の後端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄処理制御部36は、パスセンサ23がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDと「破棄済フラグ」「破棄日時」「破棄実施者」等の廃棄履歴情報を作成する。この際、「破棄実施者」の情報は、起動時に認証手段による識別情報を元に検索したユーザー情報でもよい。当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知および作成した廃棄履歴情報をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS16)。廃棄完了通知メッセージは、ネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信される。これに対して、文書廃棄装置3から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置2では、当該メッセージで指定された文書IDに対応する廃棄履歴情報に、文書廃棄日の欄として、当該メッセージを受信した日にちを付加して登録する。すなわち、記録媒体に付されている特定情報と廃棄作業を行うユーザーの認証情報を関連付けることにより、誰がどの文書を廃棄したかが明確になり、履歴に残すことにより廃棄作業が正しく行われたことを検証することができる。その後、記録媒体規制手段であるストッパー20が突出状態になることにより廃棄処理部であるシュレッダー部24への搬送が一時的にできない状態となり(ステップS17)、そしてフィーダー駆動部34はフィードロール21,22の回転駆動を停止する(ステップS18)。
また、上記ステップS12において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS19)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS10で読取不可ガイダンスを表示した後や、ステップS19で廃棄不許可ガイダンスを表示し、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった(ユーザーが文書トレイ部17から文書を取り出取り出して媒体除去が確認された)(ステップS20)後に、文書廃棄装置は廃棄処理が停止した待機状態に戻る。
なお、本形態例では、QRコードの読み取りに失敗した文書と、文書管理装置2から文書廃棄許可が得られたかった文書を、共通(同一)の排出トレイ部47に排出する構成となっているが、これ以外にも、ゲート部材45による文書搬送路(搬送方向)の切り替え動作を利用することにより、QRコードの読み取りに失敗した文書と、文書管理装置2から文書廃棄許可が得られたかった文書を、それぞれ別々の排出トレイ部に排出する構成を採用することも可能である。
以上のような文書管理システムにおいては、文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理しておき、文書廃棄装置3を用いて文書を廃棄する際に、廃棄対象となる文書に印刷されたQRコードをバーコードリーダー32で読み取って、そのQRコードに含まれる文書IDを取得するとともに、この文書IDで特定される文書の廃棄が許可されているかどうかを文書管理装置2に問い合わせ、この問い合わせに対する回答内容が廃棄許可を与えるものである場合に、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理を行う構成となっているため、従来のように担当者がいちいち文書の廃棄可否を確認しなくても、保管期間が過ぎた文書だけを確実に廃棄することができる。また、人為的な確認ミスによる文書の誤廃棄を回避することができる。
また、文書生成装置1を用いて生成された文書に関して、当該文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理するため、文書の生成から廃棄までを一貫して管理することができる。
また、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理(シュレッド処理)を行ったときに、その文書の文書IDを指定した廃棄完了通知のメッセージを文書管理装置2に送信し、その通知メッセージを受けた文書管理装置2で該当の文書IDに対応する廃棄履歴情報として文書廃棄日を文書管理テーブルに登録する構成としたので、その文書を廃棄した事実と合わせて、実際にその文書を廃棄した日にち(より好ましくは日時)を履歴として残すことができる。さらに、文書の廃棄を担当した文書廃棄者のユーザーIDなどを廃棄履歴情報の1つとして残すこともできる。その結果、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が廃棄したのかを、後で確認することができる。
また、文書生成装置1で文書の生成処理(印刷処理)を行ったときに、その文書の文書IDと合わせて、当該文書の生成を行った日にち(より好ましくは日時)や文書生成を担当した文書生成者のユーザーIDなどを文書管理装置2の文書管理テーブルに登録する構成を採用することにより、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が生成したのかを、後で確認することができる。
また、手差し送りタイプの文書廃棄装置3では、複数枚の文書(束)を、ステープル針が付いたままの状態でも、一度にまとめて廃棄処理することができる。一方、自動送りタイプの文書廃棄装置3では、文書トレイ部17に文書をセットしてスターボタンを押すだけで、ユーザーの介入操作なしに、文書の廃棄可否を1枚単位で確認して廃棄処理することができる。
また、上記実施形態においては、文書IDを含むQRコードを文書に印刷するものとしたが、本発明はこれに限らず、文書IDを表す数字や記号などを文書に印刷してもよい。また、文書に対する文書IDの付加は印刷だけに限らず、例えば、ラベルの貼り付けなどによって文書IDを文書に付加するものとしてもよい。
なお、上記実施形態では、図1の文書管理装置2が文書廃棄装置3から受信した記録媒体の特定情報と認証情報を文書管理装置のデータベース部14で検索して廃棄の許可または不許可を判断していたが、別の実施形態として、図11に示すように認証情報に関するデータベースについては別の認証情報管理装置50に記憶しておいてもよい。すなわち、この場合には、文書廃棄装置3にて取得した認証情報を文書管理装置2に送信し、認証情報を取得した文書廃棄装置3は認証情報管理装置50を検索し、該認証情報に関連する個人情報(例えば、役職、所属、業務内容)を入手する。そして、その後、文書廃棄装置3に廃棄する文書が挿入されて文書に関する特定情報が読み取られると、文書廃棄装置3はその特定情報を文書管理装置2に送信する。特定情報を受信した文書管理装置2では、先に入手した認証情報に関する個人情報と、特定情報(例えば文書ID)をもとに、文書の廃棄を判断する。
具体的には、認証したICカードの識別情報に対応する認証情報に基づいて検索した個人情報が(氏名:Aさん、役職:部長、所属:経理、業務内容:給与管理)であり、予め文書管理装置のデータベースに設定されていたデータベースに文書Aに関する廃棄可能な条件として、「役職は部長以上または所属が経理であること」と設定されているとすると、特定情報である文書IDが文書Aに関するものであるときには廃棄可能と判断される。このように、認証情報に関する情報(例えば社員データベース)を別とすることにより、全体のデータベースを再構築することなく管理が容易になる。また、文書管理装置2が認証情報に関する判断を先に行い、その結果に基づく廃棄条件を保持しておくことにより、文書廃棄装置3で特定情報を取得したときに、その廃棄条件に基づいて廃棄の可否判断をすぐに行うことができる。これは、文書廃棄装置3を利用するユーザーが複数枚の文書を廃棄しようとする際に、1枚目の文書を破棄し終わっても文書管理装置が廃棄条件を保持する構成にしておけば、2枚目以降の文書についても文書廃棄装置3が認証情報管理装置50へ都度、問い合わせることなく、すぐに廃棄を行うことができ特に有効である。
また、上記実施形態においては、廃棄装置をシュレッダーとして説明したが、本発明はこれに限らず、廃棄装置としては文書を焼却・溶融などさせるものでもよく、また廃棄ボックスに搬送する処理するものとしてもよい。
また、上記実施形態においては、廃棄処理を行う記録媒体を文書として説明したが、本発明はこれに限らず、機密情報が記録されたCD−R、DVD−R、ICカード等の記録媒体を廃棄処理を行うものとしてもよい。
また、上記実施形態においては、特定情報をQRコードの識別結果としての文書IDで説明したが、これに限らず、文書の属性(例えば、文書の機密重要度、文書の種類、作成日時など)でもよい。また、特定情報はQRコードのように廃棄される文書に直接に記録されている場合で説明をしたが、廃棄する文書とは別の文書・ICカードなどにその特定情報を記録しておき、これを読み取ったり、この情報を直接に廃棄装置に入力したりしてもよい。
また、上記実施形態においては、文書廃棄装置3と文書管理装置2を別の装置として説明したが、必要に応じて一体的に構成してもよい。