以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<全体構成>
図1は本発明の実施形態に係る文書管理システムの構成を示す図である。図示した文書管理システムは、文書生成装置1と、文書管理装置2と、文書廃棄装置3とを用いて構成されている。文書生成装置1、文書管理装置2及び文書廃棄装置3は、それぞれ共通のネットワーク4に接続されている。文書生成装置1は、文書IDが付加された文書(紙文書)を生成するものである。文書管理装置2は、文書生成装置1によって生成された文書に関して種々の管理処理を行うものである。文書廃棄装置3は、文書生成装置1によって生成された文書や他の文書の廃棄処理を行うものである。ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を用いて構成されるものである。
<文書生成装置>
図2は文書生成装置1の構成例を示すブロック図である。文書生成装置1は、例えばデジタル複写機やデジタル複合機(多機能型複写機)などを用いて構成されるものである。この文書生成装置1は、操作パネル5と、画像読取部6と、画像処理部7と、画像出力部8、文書生成制御部9と、ネットワークインタフェース10とを用いて構成されている。
操作パネル5(文書生成装置1用)は、文書生成装置1を使用するユーザが各種の情報を入力したり、ユーザに対して各種の情報を表示したりするためのユーザインタフェースとなるものである。操作パネル5は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とによって構成されるものである。
画像読取部6は、読み取り対象となる原稿の画像を光学的に読み取るものである。この画像読取部6では、透明な原稿台(プラテンガラス)にセットされた原稿面に光を照射して、当該原稿面からの反射光をミラー、レンズ等の結像光学系を介して読み取りセンサ(CCDセンサ等)の受光面で結像させることにより、原稿画像に対応した画像データ(スキャンデータ)を生成するものである。その際、原稿面は、結像光学系の移動によって読み取り走査される。
画像処理部7は、画像読取部6で読み取られた原稿の画像データに所定の画像処理(例えば、色変換、色補正、階調補正、拡大縮小、画像回転、スクリーン生成などの処理)を施すものである。
画像出力部8は、画像読取部6で読み取られかつ画像処理部7で画像処理された画像データを用紙等の記録媒体に印刷出力するものである。この画像出力部8は、例えば、電子写真方式に基づいて画像データの印刷を行う。
文書生成制御部9は、文書生成に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書生成制御部9は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、操作パネル5、画像読取部6、画像処理部7及び画像出力部8の各処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース10は、文書生成装置1がネットワーク4上で他の装置(文書管理装置2、文書廃棄装置3を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース10を用いたデータの送受信は、文書生成制御部9によって制御される。
<文書管理装置>
図3は文書管理装置2の構成例を示すブロック図である。文書管理装置2は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成されるものである。この文書管理装置2は、ユーザインタフェース部(UI部)11と、バーコード解析部12と、検索部13と、データベース部14と、文書管理制御部15と、ネットワークインタフェース16とを用いて構成されている。
ユーザインタフェース部11は、文書管理装置2を使用するユーザが各種の情報を入力したり、ユーザに対して各種の情報を表示したりするためのユーザインタフェースである。このユーザインタフェース部11は、例えば、キーボード、マウス等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成されるものである。
バーコード解析部12は、画像データ(スキャンデータ)に含まれるバーコードを解析してデコード処理するものである。バーコード解析部12が解析するバーコードは、文書生成装置1でバーコード付きの文書の画像を読み取ったときに得られる画像データに含まれるバーコードである。このバーコードは、少なくとも文書IDを含む情報となる。一般に、バーコードは、一次元方向にのみ情報をもつ一次元バーコードと、二次元方向に情報をもつ二次元バーコードに大別されるが、本発明を実施するにあたってはどちらも利用可能である。ただし、上述した文書IDの他に、種々の情報やデータを1つのバーコードに収納したい場合は、より多くのデータ容量をもつ二次元バーコードを用いることが望ましい。本実施形態では、一例として、二次元バーコードの一種で、一般に普及しているQRコード(登録商標)を用いることとする。
検索部13は、データベース部14に蓄積されたデータの検索を行うものである。データベース部14は、種々のデータを蓄積するものである。データベース部14は、例えば、ハードディスク(Hard Disk Drive)等を用いて構成されるものである。
文書管理制御部15は、文書管理に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書廃棄装置3は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、ユーザインタフェース部11、バーコード解析部12、検索部13及びデータベース部14の各処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース16は、文書管理装置2がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書廃棄装置3を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース16を用いたデータの送受信は、文書管理制御部15によって制御される。
(第1機構例)
<文書廃棄装置>
図4は、文書廃棄装置3の第1機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、ストッパーゲート20と、フィードロール21、22と、パスセンサ23と、シュレッダー部24とを備えている。
文書トレイ部17は、廃棄の対象となる文書が載置される部分である。文書トレイ部17は、ストッパーゲート20に向かって徐々に低位となるように、水平面に対して斜めに傾斜した状態で形成されている。文書トレイ部17の奥側(低位側)は、上述したインサートセンサ18やバーコードスキャナ19、ストッパーゲート20、フィードロール21とともに、図示しないカバー部材によって覆い隠されている。
インサートセンサ18は、文書トレイ部17上の所定の位置に文書が挿入されたことを検知するものである。「所定の位置」とは、QRコードが印刷された文書を正規の向きで挿入した場合に、バーコードスキャナ19によるコード読み取りエリアE内にQRコードが配置される位置、つまり文書に印刷されたQRコードをバーコードスキャナ19で読み取ることができる位置をいう。インサートセンサ18は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該インサートセンサ18のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。
バーコードスキャナ19は、廃棄対象となる文書のバーコード記録部分に対して、図示しない光源から照射された光の反射光を、レンズ26を介してエリアセンサ25で受光することにより、バーコードの画像をエリアセンサ25に取り込む構成となっている。バーコード記録部分とは、文書の面内で、文書IDを情報の1つとして含むバーコードが記録される部分をいい、その位置(領域)は文書コーナー部分で寸法的に予め規定されている。
ストッパーゲート20は、例えば長尺状の板状構造をなすもので、インサートセンサ18とフィードロール21との間に設けられている。ストッパーゲート20は、フィードロール21、22によって形成される文書搬送路の入口部分で、当該文書搬送路を開閉するものである。ストッパーゲート20を閉じた状態では、文書トレイ部17からフィードロール21に至る文書の通路を遮断するように、ストッパーゲート20が通路上に突出した状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に挿入すると、当該文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる。このため、ストッパーゲート20を閉じておけば、ユーザによって不用意に文書が差し込まれた場合でも、ストッパーゲート20との突き当てによって装置内への文書の取り込みを阻止することができる。また、ストッパーゲート20との突き当てによって文書に無用な傾きや回転力が作用しないように、文書の幅方向(文書挿入方向と直交する方向)において、ストッパーゲート20が少なくとも2点又は全幅で文書に突き当たる構成を採用することが望ましい。これに対して、ストッパーゲート20を開いた状態では、文書トレイ17からフィードロール21に至る文書の通路から退避するように、ストッパーゲート20が通路上から引っ込んだ状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がフィードロール21のニップ部分に突き当たる。
図5は文書トレイ部17を上方から見た図である。文書トレイ部17には、文書27を手差しで差し込むときの挿入方向(矢印方向)に対して、その両側に挿入ガイド28、29が設けられている。各々の挿入ガイド28、29は、文書の差し込み(挿入)方向と平行なガイド面28A、29Aを有している。このうち、挿入ガイド28は固定状態で設けられるものであるが、挿入ガイド29は必要に応じて文書の幅方向(図5の上下方向)に移動可能に設けられるものである。廃棄の対象となる文書27は、その先端側コーナー部分にバーコード記録部分30を配置する向きで文書トレイ部17を矢印方向に差し込まれる。このとき、差し込み方向と直交する方向で文書27の位置を決めるために、文書27の一方の側端を挿入ガイド28のガイド面28Aに当接させて沿わせる。
これにより、ユーザの手差しによって文書27の先端をストッパーゲート20に突き当てた状態では、バーコードスキャナ19によるコード読み取りエリアE内にバーコード記録部分30が位置決め配置される。また、文書の差し込み方向において、インサートセンサ18はストッパーゲート20の手前(直近)に配置されている。このため、ユーザによって手差しされた文書27の先端がストッパーゲート20に突き当たるときには、その直前でインサートセンサ18がオフ状態からオン状態に切り替わる。このことから、インサートセンサ18がオンするタイミングは、文書27のバーコード記録部分30がコード読み取りエリアE内に配置されるタイミングを示すものとなる。
フィードロール21は、ストッパーゲート20の開放によって差し込まれた文書をニップ(挟持)しつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿って搬送するものである。文書搬送路は、図示しない搬送案内部材(シュート等)を用いて形成されるものである。フィードロール22は、フィードロール21によって搬送された文書をニップしつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿ってシュレッダー部24へと搬送するものである。
パスセンサ23は、フィードロール22からシュレッダー部24に至る文書搬送路の途中(ほぼ中間点)で文書の通過を検知するものである。パスセンサ23は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該パスセンサ23のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。したがって、パスセンサ23のセンシング位置を文書の先端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、パスセンサ23のセンシング位置を文書の後端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わる。
シュレッダー部24は、フィードロール22によって送り込まれた文書を一方向(矢印方向)に引き込みながら細断(シュレッド)するものである。このシュレッダー部24は、複数枚の文書(例えば、A4サイズの普通紙で20枚程度の束)を一括でシュレッド処理することが可能である。また、シュレッダー部24は、ステープル針でステープル処理された文書であっても、そのままの状態(ステープル針を外さない状態)でシュレッド処理することが可能である。
図6は、文書廃棄装置3の第1機構例を示すブロック図である。文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、ストッパー駆動部33と、フィーダー駆動部34と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。
操作パネル31(文書廃棄装置3用)は、文書廃棄装置3を使用するユーザによって操作されるものである。操作パネル31は、例えば、操作用のボタン(例えば、スタートボタン、ストップボタンなど)と、文書廃棄装置3の動作状態や操作用のガイダンス(案内メッセージ)を含む各種のメッセージを表示する表示パネルとを用いて構成されるものである。
ストッパー駆動部33は、上述したストッパーゲート20を開閉(出没)動作させるものである。ストッパー駆動部33は、例えば電磁プランジャを駆動源として構成することが可能である。
フィーダー駆動部34は、上述したフィードロール21、22を回転動作させるものである。フィーダー駆動部34は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
シュレッダー駆動部35は、上述したシュレッダー部24を回転駆動するものである。シュレッダー駆動部35は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書廃棄制御部36は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、バーコードスキャナ19、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35の各処理動作を制御する。また、文書廃棄制御部36には、上述したインサートセンサ18とパスセンサ23が電気的に接続されている。
ネットワークインタフェース37は、文書廃棄装置3がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書管理装置2を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース37を用いたデータの送受信は、文書廃棄制御部36によって制御される。
続いて、上記構成からなる文書管理システムを用いた文書管理の方法について説明する。まず、本発明で取り扱う文書は、1つずつ固有の文書IDを割り当てて文書生成装置1により生成されるものである。文書IDは、数字のみで構成してもよいし、数字やアルファベット、記号などを適宜組み合わせて構成してもよい。以降は、会計監査や税務調査などの証憑書類となる文書を取り扱う場合の具体的な管理方法について説明する。
まず、文書の雛形となるバーコード付きの文書データ(電子データ)を文書生成装置1に入力し、その文書データを画像出力部8で用紙に印刷出力することにより、例えば図7(A)に示すように支払申請書38の台紙を作成する。文書データは、例えば、文書管理装置2で作成し、この文書管理装置2からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよいし、別途、文書データ作成用のサーバ装置で作成し、このサーバ装置からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよい。
こうして文書生成装置1で生成される支払申請書38のコーナー部分には、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDを情報の1つとして含むQRコード39が印刷によって付加される。つまり、文書生成装置1で生成される支払申請書38は、「文書IDが付加された文書」に相当するものとなる。また、支払申請書38の台紙には領収書を貼付するための領域40が設けられている。このため、申請者は、図7(B)に示すように、支払申請書38の台紙に領収書41を貼り付けるとともに、必要に応じて加筆、押印(捺印)を行うことにより、支払申請書38の原本を作成する。
こうして支払申請書38を作成したら、この支払申請書38を文書生成装置1の原稿台にセットして、支払申請書38の画像を画像読取部6で読み取る。もしくは、生成情報を文書生成装置1から文書管理装置2にネットワーク4を介して送られ、データとして登録される。そうすると、画像読取部6で読み取られた支払申請書38の画像データは、ネットワーク4を経由して文書管理装置2に送信される。また、読み取りを終えた支払申請書38の原本は、ファイルなどに綴じて保管される。
一方、文書生成装置1から支払申請書38の画像データ(スキャンデータ)を受け取った文書管理装置2では、その画像データをデータベース部14に蓄積するとともに、その画像データに含まれるQRコードの画像をバーコード解析部12で解析することにより、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDのデコード情報を取り出す。こうして取得した文書IDは、文書管理制御部15によって文書管理テーブルに登録される。文書管理テーブルは、データベース部14内に作成されるものである。
図8は文書管理テーブルの一例を示す図である。図示のように文書管理テーブルには、文書IDと、文書生成日時と、文書保管期間と、文書廃棄日時が、互いに対応付けて登録されるようになっている。文書生成日時及び文書廃棄日時を登録する場合、それぞれの時刻は、ネットワーク4を経由してインターネット上の時刻配信サーバ又は時刻認証サーバから取得した標準時刻を用いることが望ましい。文書IDは、バーコード解析部12でQRコードをデコードして得られたものを登録してもよいし、上述したバーコード付きの文書データを文書管理装置2又は他のサーバ装置で作成するときに、文書管理装置2自身が文書に割り当てたものや、他のサーバ装置が文書に割り当てたものを登録してもよい。
文書生成日時は、文書が生成された日時を示すものである。本形態例では、文書生成装置1が支払申請書38等の文書から読み取った画像データを文書管理装置2宛に送信した日時、又は文書生成装置1から送信された文書の画像データを文書管理装置2で受信した日時を「文書生成日時」として登録するものとする。
文書保管期間は、文書の保管期間を日時で示すものである。文書管理テーブルに文書IDが登録された文書は、文書保管期間が過ぎるまで保管しておく必要がある。ただし、文書保管期間が「指定なし」で登録されている場合は、いつでも廃棄可能な扱いとなり、文書保管期間が「永久」で登録されている場合は、常に廃棄不可の扱いとなる。
また一般に、領収書に関しては、その領収金額によって保管期間が決められている。また、会社関係の書類では、定款、株主総会の議事録、営業報告書などが、本店で10年、支店で5年の保管期間が定められ、医療関係の種類では、診療録が5年、処方箋が3年の保管期間が定められている。このため、例えば、支払申請書38に印刷したQRコードの中に、文書IDの情報に加えて、文書保管期間を設定するための情報を収納しておけば、バーコード解析部12のデコード情報から文書保管期間を自動的に設定することが可能である。具体的には、支払申請書38の文書保管期間を6年間で指定する情報をQRコードに収納することにより、支払申請書38の生成日時から起算して6年目の日時を文書保管期間に設定することが可能である。また、これ以外にも、支払申請書38に貼付する領収書の領収金額を示す情報をQRコードに収納することにより、その情報から領収書の保管期間を自動的に割り出して文書管理テーブルの文書保管期間に設定することが可能である。さらに、文書管理装置2が備えるユーザインタフェース部11を用いて、ユーザの手入力(マニュアル操作)で文書管理テーブルの文書保管期間を設定又は変更することも可能である。
文書廃棄日時は、文書が廃棄された日時を示すものである。文書の廃棄は、文書廃棄装置3によって行われる。このため、文書管理テーブルの文書廃棄日時は、文書廃棄装置3から文書管理装置2に対して、文書の廃棄を行った文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の通知(以下、「廃棄完了通知」とも記す)があった日時で登録される。
なお、文書管理テーブルに関しては、文書生成装置1で文書の生成を行ったユーザのユーザIDを文書生成者として文書管理テーブルに登録したり、文書廃棄装置3で文書の廃棄を行ったユーザのユーザIDを文書廃棄者として文書管理テーブルに登録したりする構成を採用してもよい。その場合、文書の生成や廃棄を行ったユーザのID情報は、既存のユーザ認証技術(例えば、ICカードや生体情報を用いたユーザ認証技術)を利用して取得することが可能である。
図9は、文書廃棄装置3の第1機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。この文書廃棄装置3は、コード情報(文書ID)の読み取りを行わない通常廃棄モードと、コード情報の読み取りを行うスキャン廃棄モードを有している。そして、図9のフローチャートは、スキャン廃棄モードでの処理手順を示している。
通常廃棄モードでは、文書廃棄装置3が待機状態のもので、操作パネル31に設けられたスタートボタンがユーザに押されたときに、文書廃棄制御部36が、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動開始を指示することで、ストッパーゲート20を開放するとともに、フィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を開始する。これにより、文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込むと、当該文書の先端がフィードロール21にニップされて装置内部に引き込まれ、そのままフィードロール21、22で搬送されてシュレッダー部24で細断される。
また、上述のように操作パネル31のスタートボタンが押された後、操作パネル31のストップボタンがユーザによって押されるか、スタートボタンが押されてから所定の時間が経過すると、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動停止を指示することで、ストッパーゲート20を元の突出状態に戻すとともに、フィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を停止する。これにより、文書廃棄装置3は再び待機状態に戻る。
これに対して、スキャン廃棄モードでは、文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込む。このとき、廃棄対象となる文書にQRコードが印刷されている場合は、QRコードの印刷面が最上面(上向き)となる向きで、かつQRコードの印刷部位が差し込み方向の下流側(奥側)となる向きで文書を差し込む。そうすると、文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる直前にインサートセンサ18の信号がオフ状態からオン状態に切り替わる。
その際、文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1)、上述したユーザによる文書の挿入(差し込み)によってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードリーダー32に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードリーダー32が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS2)。
次いで、文書廃棄制御部36は、QRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する(ステップS3)。QRコードの読み取りに成功したかどうかは、文書に印刷されたQRコードからバーコードスキャナ19で正常に文書IDをデコード処理できたかどうかにより判断する。バーコードスキャナ19がQRコードの読み取りに失敗するケースとしては、主に2つのケースが考えられる。第1のケースは、文書にもともとQRコードが印刷されていなかった場合や、文書を差し込むときの向き(文書の表/裏の向き、文書の先端/後端の向き)が不適切だったために、コード読み取りエリアE(図5参照)にQRコードが存在しなかった場合(コード無しの場合)である。第2のケースは、コード読み取りエリアEにQRコードが存在したものの、当該QRコードに著しい汚れや破損が生じていたり、QRコードのデコード情報が文書IDを含むものでなかったりした場合(コード欠陥の場合)である。
QRコードの読み取りに成功した場合(ステップS3でYesの場合)は、このQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS4)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。つまり、文書廃棄許可の問い合わせは、この問い合わせで指定した文書IDで特定される文書を廃棄してもよいかどうかの問い合わせである。ちなみに、QRコードの読み取りに成功した場合は、このQRコードに収納されている情報を簡易的に操作パネル31に表示するようにしてもよい。
問い合わせメッセージを受けた文書管理装置2では、当該問い合わせメッセージで指定された文書IDが文書管理テーブルに登録されているかどうかを検索部13で検索し、該当する文書IDが存在する場合は、当該文書IDに対応付けて登録されている文書保管期間を確認する。そして、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時(問い合わせの日時)が文書保管期間を過ぎている場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与える旨の回答メッセージを返信する。また、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時が文書保管期間を過ぎていない場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与えない旨(文書の廃棄を禁止する旨)の回答メッセージを返信する。
こうして文書管理装置2から回答メッセージが返信されると、文書廃棄制御部36は、その回答メッセージをネットワークインタフェース37で受信し、その回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認する(ステップS5)。そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、予め用意された廃棄許可のガイダンス(案内メッセージ)を操作パネル31に表示した後、ストッパー駆動部33にストッパーゲート20の開放を指示してストッパーゲート20を開放させる(ステップS6、S7)。また、この時点で文書廃棄制御部36は、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示し、この指示にしたがってフィーダー駆動部34がフィードロール21、22の回転駆動を開始する。廃棄許可ガイダンスの一例としては、「この文書を廃棄します。文書をさらに奥側まで差し込んでください。」などが考えられる。このように廃棄許可ガイダンスを表示して、文書の廃棄が許可された旨をユーザに通知することにより、ユーザに違和感を与えることなく、次の処理に進むことができる。
その後、操作パネル31に表示されたガイダンスにしたがってユーザが文書を差し込むと、文書の先端がフィードロール21のニップ部に突き当てられるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書が文書搬送路の下流側へと送り込まれる(ステップS8)。こうしてフィードロール21によって送り込まれた文書は、それよりも搬送方向下流側のフィードロール22に受け渡され、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18の信号がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部35にストッパーゲート20の復帰を指示してストッパーゲート20を元の状態(閉じた状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断される(ステップS9)。
その後、文書の後端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、パスセンサ23がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS10)。廃棄完了通知メッセージは、ネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信される。これに対して、文書廃棄装置3から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置2では、当該メッセージで指定された文書IDに対応する廃棄履歴情報として、文書廃棄日時の欄に、当該メッセージを受信した日時を登録する。
一方、上記ステップS3において、QRコードの読み取りに失敗した場合は、予め用意された読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS11)。読取不可ガイダンスの一例としては、「コード読み取りエラーが発生しました。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。また、上記ステップS5において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS12)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書は文書保管期限に達していないため、廃棄できません。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。このように廃棄不許可ガイダンスを表示して、文書の廃棄が許可されなかった旨をユーザに通知することにより、ユーザに違和感を与えることなく、次の処理に進むことができる。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS11で読取不可ガイダンスを表示した後や、ステップS12で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
(第2機構例)
図10は、文書廃棄装置3の第2機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、上記第1機構例と同様の構成(文書トレイ部17、インサートセンサ18、バーコードスキャナ19、ストッパーゲート20、フィードロール21、22、パスセンサ23、シュレッダー部24)に加えて、セットセンサ32と、引き込みロール43と、分離部材44と、分岐ゲート45と、排出ロール46と、排出トレイ部47とを備えている。
セットセンサ32は、文書トレイ部17に文書がセット(載置)されているかどうかを検知するものである。セットセンサ32は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該セットセンサ32のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。
引き込みロール43は、文書トレイ部17にセットされた文書を自動送りで搬送するために、当該文書を最上位から順にストッパーゲート20側に引き込むものである。分離部材44は、引き込みロール43による文書の引き込みが一枚ずつ順に行われるように文書同士を分離するものである。
分岐ゲート45は、フィードロール21の下流側で二股状に分かれた文書搬送路の分岐部分で、当該文書搬送路に沿って搬送される文書の進行方向を切り替えるものである。すなわち、分岐ゲート45は、フィードロール21によって搬送される文書の進行方向を、フィードロール22に向かう第1の方向と、排出ロール46に向かう第2の方向のいずれか一方に切り替えるものである。
排出ロール46は、文書を排出トレイ部47に排出するものである。排出トレイ部47は、排出ロール46によって排出された文書を順に重ねた状態で収容するものである。
図11は、文書廃棄装置3の第2機構例を示すブロック図である。この文書廃棄装置3は、第1の機構例と同様の構成(操作パネル31と、バーコードスキャナ19、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34、シュレッダー駆動部35、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37)に加えて、セットセンサ32と、引き込み駆動部48と、分岐ゲート駆動部49とを備えている。また、文書廃棄制御部36には、上記第1の機構例と同様のセンサ(インサートセンサ18、パスセンサ23)に加えて、セットセンサ32が電気的に接続されている。
引き込み駆動部48は、上述した引き込みロール43を昇降動作させたり回転動作させたりするものである。引き込み駆動部48は、例えばロール昇降動作のための電磁プランジャ及びロール回転動作のためのモータを駆動源として構成することが可能である。
分岐ゲート駆動部49は、上述した分岐ゲート45を切り替え動作させるものである。分岐ゲート駆動部49は、例えば電磁プランジャを駆動として構成することが可能である。分岐ゲート駆動部49は、通常時は、文書の進行方向が第1の方向(フィードロール22に向かう方向)となるように分岐ゲート45を動作させ、文書廃棄制御部36から切り替え指示があったときは、文書の進行方向が第2の方向(排出ロール46に向かう方向)となるように分岐ゲート45を動作させる。
また、排出ロール46は、フィードロール21、22と同様にフィーダー駆動部34によって回転駆動される構成となっている。
図12及び図13は、文書廃棄装置3の第2機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。この文書廃棄装置3は、上記同様に通常廃棄モードとスキャン廃棄モードを有している。そして、図12及び図13のフローチャートは、スキャン廃棄モードでの処理手順を示している。
通常廃棄モードでは、文書廃棄装置3が待機状態のもので、文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄の対象となる文書を文書トレイ部17に載せて操作パネル31のスタートボタンを押したときに、文書廃棄制御部36が、引き込み駆動部48、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動開始を指示することで、引き込みロール43による文書の引き込み動作を開始するとともに、ストッパーゲート20を開放し、かつフィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を開始する。これにより、文書トレイ部17に載せられた文書が最上位から順に引き込まれて、そのままフィードロール21、22で搬送され、シュレッダー部24で細断される。そして、この動作は文書トレイ部17に文書が残っている間(セットセンサ32がオン状態になっている間)、繰り返し行われる。
また、文書トレイ部17に文書が無くなってセットセンサ32がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、引き込み駆動部48、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動停止を指示することで、引き込みロール43による文書の引き込み動作を終了するとともに、ストッパーゲート20を元の突出状態に戻し、かつフィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を停止する。これにより、文書廃棄装置3は再び待機状態に戻る。
これに対して、スキャン廃棄モードでは、上記同様に文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて操作パネル31のスタートボタンを押す。その際、文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、セットセンサ42の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS21)、実際にユーザが文書を文書トレイ部17にセットしたことでセットセンサ32がオン状態になると、このオン状態のもとでスタートボタンが押されたかどうかを判断する(ステップS22)。そして、スタートボタンが押されたと判断すると、引き込み駆動部48に文書の引き込みを指示して引き込みロール43の回転により文書を引き込む(ステップS23)。これにより、廃棄対象となる文書が、引き込みロール43の回転にしたがって自動的に装置の奥側に挿入される。
文書の引き込み(挿入)は、文書トレイ部17に載置(セット)された文書の最上面にロール外周面が接触(圧接)するように引き込みロール43を下降させ、この状態で引き込みロール43を回転させることにより行う。このとき、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し、インサートセンサ18がオン状態になったら、その直後(文書の先端がストッパーゲート20に当接するタイミング)に引き込み駆動部46に引き込み停止を指示する。この指示を受けて引き込み駆動部46が引き込みロール43の回転を一旦停止する。これにより、廃棄対象となる文書は、前述した「所定の位置」まで搬送されることになる。
次に、文書廃棄制御部36は、バーコードリーダー32に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードを読み取る(ステップS24)。文書が1枚ずつの場合、フィードされた文書が読み取り位置にて停止もしくは流れながらバーコードを読み取り、データベースと情報のやり取りを実施し、1枚ごとの情報も取得し、そのまま廃棄するか、排出トレイ47に出すかを判断する。
次いで、文書廃棄制御部36は、QRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する(ステップS25)。そして、QRコードの読み取りに成功した場合(ステップS25でYesの場合)は、このQRコードに含まれる文書IDを指定して、当該文書IDで特定される文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行い(ステップS26)、その問い合わせに対する回答メッセージを受ける。
次いで、文書廃棄制御部36は、上記回答メッセージの内容が文書廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認し(ステップS27)、文書廃棄許可を与えるものであった場合は、予め用意された廃棄許可のガイダンス(案内メッセージ)を操作パネル31に表示した後、ストッパー駆動部33にストッパーゲート開放を指示してストッパーゲート20を開放させる(ステップS28、S29)。廃棄許可ガイダンスの一例としては、「この文書を自動搬送によって廃棄します。」などが考えられる。
次に、文書廃棄制御部36は、引き込み駆動部48に文書の引き込み継続を指示して引き込みロール43の回転(文書の引き込み)を再開するとともに、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示してフィードロール21、22及び排出ロール46の回転駆動を開始する。これにより、引き込みロール43で引き込まれた文書はフィードロール21に取り込まれるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書搬送路の下流側へと送られる。このとき、分岐ゲート45は、文書の進行方向を第1の方向に案内するため、文書はフィードロール21からフィードロール22へと送られる(ステップS30)。
こうしてフィードロール22に送り込まれた文書は、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部33にストッパーゲート復帰を指示してストッパーゲート20を元の状態(閉じた状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断される(ステップS31)。
その後、文書の後端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、パスセンサ23がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS32)。これにより、文書廃棄装置3から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置2では、当該メッセージで指定された文書IDに対応する廃棄履歴情報として、文書廃棄日時の欄に、当該メッセージを受信した日時を登録する。
続いて、文書廃棄制御部36は、次の文書が文書トレイ部17に残っているかどうかを確認する(ステップS33)。具体的には、セットセンサ32がオン状態になっていれば、次の文書が残っていると判断して上記ステップS23に戻る。また、セットセンサ42がオフ状態になっていれば、次の文書が残っていないと判断して一連の処理を終了する。こうして一連の処理を終了した後、文書廃棄装置3は再び待機状態に戻る。
一方、上記ステップS25において、QRコードの読み取りに失敗した場合は、予め用意された読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS34)。読取不可ガイダンスの一例としては、「コード読み取りエラーが発生しましたので、この文書は廃棄せずに排出します。」などが考えられる。また、上記ステップS27において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS35)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書は文書廃棄期限に達していないため、廃棄できません。文書を排出トレイに排出します。」などが考えられる。
こうしたガイダンス表示を行った後、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33にストッパーゲート20の開放を指示してストッパーゲート20を開放させるとともに、分岐ゲート駆動部49にゲート切り替えを指示して分岐ゲート49を切り替え動作させる(ステップS36、S37)。次に、文書廃棄制御部36は、引き込み駆動部48に文書の引き込み継続を指示して引き込みロール43の回転(文書の引き込み)を再開するとともに、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示してフィードロール21、22及び排出ロール46の回転駆動を開始する。これにより、引き込みロール43で引き込まれた文書はフィードロール21に取り込まれるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書搬送路の下流側へと送られる。このとき、分岐ゲート45は、文書の進行方向を第2の方向に案内するため、文書はフィードロール21から排出ロール46へと送られるとともに、排出ロール46の回転にしたがって排出トレイ部47に排出される(ステップS38、S39)。その後は、上記ステップS33に移行する。
なお、本形態例では、QRコードの読み取りに失敗した文書と、文書管理装置2から文書廃棄許可が得られたかった文書を、共通(同一)の排出トレイ部47に排出する構成となっているが、これ以外にも、分岐ゲート45による文書搬送路(搬送方向)の切り替え動作を利用することにより、QRコードの読み取りに失敗した文書と、文書管理装置2から文書廃棄許可が得られたかった文書を、それぞれ別々の排出トレイ部に排出する構成を採用することも可能である。
以上のような文書管理システムにおいては、文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理しておき、文書廃棄装置3を用いて文書を廃棄する際に、廃棄対象となる文書に印刷されたQRコードをバーコードスキャナ19で読み取って、そのQRコードに含まれる文書IDを取得するとともに、この文書IDで特定される文書の廃棄が許可されているかどうかを文書管理装置2に問い合わせ、この問い合わせに対する回答内容が廃棄許可を与えるものである場合に、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理を行う構成となっているため、従来のように担当者がいちいち文書の廃棄可否を確認しなくても、保管期間が過ぎた文書だけを確実に廃棄することができる。また、人為的な確認ミスによる文書の誤廃棄を回避することができる。
また、文書生成装置1を用いて生成された文書に関して、当該文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理するため、文書の生成から廃棄までを一貫して管理することができる。
また、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理(シュレッド処理)を行ったときに、その文書の文書IDを指定した廃棄完了通知のメッセージを文書管理装置2に送信し、その通知メッセージを受けた文書管理装置2で該当の文書IDに対応する廃棄履歴情報として文書廃棄日時を文書管理テーブルに登録する構成としたので、その文書を廃棄した事実と合わせて、実際にその文書を廃棄した日時を履歴として残すことができる。さらに、文書の廃棄を担当した文書廃棄者のユーザID情報などをユーザ認証技術で取得して廃棄履歴情報の1つとして残すこともできる。その結果、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が廃棄したのかを、後で確認することができる。
また、文書生成装置1で文書の生成処理(印刷処理)を行ったときに、その文書の文書IDと合わせて、当該文書の生成を行った日時や文書生成を担当した文書生成者のユーザID情報などを文書管理装置2の文書管理テーブルに登録する構成を採用することにより、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が生成したのかを、後で確認することができる。
さらに、ユーザ認証技術を利用した応用例として、文書廃棄装置3を使用するユーザのID情報を取得し、このユーザID情報を、実際にユーザが文書の廃棄作業を開始する前(ストッパーゲート20を開放する前)に文書管理装置2に送信し、そこで検索部13が検索処理した結果、文書廃棄装置3から送信されたユーザID情報が、予めデータベース部14に登録された使用許可ユーザIDリスト(文書廃棄装置3の使用が許可されたユーザIDの登録リスト)に存在しなかった場合は、そのユーザに対して使用許可が与えられていない旨のメッセージを操作パネル31に表示してストッパーゲート20を閉じたままの状態に保持することにより、文書廃棄者を特定するのと合わせて、文書廃棄装置3の使用者を制限することができる。
また、手差し送りタイプの文書廃棄装置3では、複数枚の文書(束)を、ステープル針が付いたままの状態でも、一度にまとめて廃棄処理することができる。一方、自動送りタイプの文書廃棄装置3では、文書トレイ部17に文書をセットしてスターボタンを押すだけで、ユーザの介入操作なしに、文書の廃棄可否を1枚単位で確認して廃棄処理することができる。廃棄不可の文書は排出トレイ47へ出される。
なお、上記実施形態においては、文書IDを含むQRコードを文書に印刷するものとしたが、本発明はこれに限らず、文書IDを表す数字や記号などを文書に印刷してもよい。また、文書に対する文書IDの付加は印刷だけに限らず、例えば、ラベルの貼り付けなどによって文書IDを文書に付加するものとしてもよい。
また、上記実施形態においては、ストッパーゲート20を閉じた状態とし、このストッパーゲート20に文書を突き当てることにより、文書IDを読み取り可能な位置で文書を停止させるものとしたが、これ以外にも、例えば図14に示すように、ストッパーゲート20に代わるゲート部材として、一対のロール、すなわち送り出しロール50とリタードロール(重送防止ロール)51とニップ状態で配置し、当該送り出しロール50とリタードロール51を停止させた状態で、それらのニップ部分に文書を突き当てることにより、文書IDを読み取り可能な位置で文書を停止させるものとしてもよい。
かかる構成を手差しタイプの文書廃棄装置3に採用した場合は、文書の廃棄許可を受けて文書をフィードするときに、送り出しロール50とリタードロール51を回転させることにより、これら一対のロールが文書フィード用のロールを兼ねるものとなる。このため、送り出しロール50の回転によって文書のフィードを開始することができる。したがって、文書の廃棄許可を受けてから文書のフィード動作に素早く移行することができる。
また、一対のロールのうち、少なくともいずれか一方、例えば送り出しロール50を矢印方向に移動可能に設けることにより、リタードロール51とのニップ部分を開放したり閉じたりすることができる。このため、上述した通常廃棄モードで文書を廃棄する場合に、送り出しロール50をリタードロール51から離間させることで、複数枚の文書(束)でも問題なく取り込むことができる。さらに、自動送りタイプの文書廃棄装置3(図10参照)に対しては、ストッパーゲート20をゲート部材としてそのまま残し、分離部材44の代わりに送り出しロール50とリタードロール51を設けることも可能である。
(図15:シーケンス図)文書廃棄装置に備え付けてあるICカードリーダにICカードをセットするとICカードリーダは識別情報を読み取り、制御装置へICカードの識別情報を渡す。また文書廃棄装置へ廃棄する紙(又は紙の束)をセットする。QRコードリーダが紙に印刷されたQRコードを読み取り解析する。制御装置にQRコードの解析値を渡す。制御装置からQRコード解析値とICカードの識別情報を引数としてデータベースの検索プログラムを起動する。
データベース検索プログラムが識別情報をキーにデータベースからユーザレコードを検索する。データベース検索プログラムがユーザ登録の有無を確認する。ユーザ登録が(有/無)が破棄フラグ(TRUE/FALSE)となる。データベース検索プログラムがQRコード解析値を基に、データベースから[X(金額)、Y(文書登録日)]を取得する。取得した値Xに対して(X>=Aの場合TRUE)で(X<Aの場合FALSE)、Yに対して(Y>=Bの場合TRUE)で(Y<Bの場合FALSE)という値を取得し、パラメータファイルで設定した廃棄条件を比較する(図16)。廃棄条件に一致した場合、データベース検索プログラムが制御装置に廃棄可能情報を返す。
制御装置が文書廃棄装置のゲートを下げる。セットした紙が文書廃棄装置に取り込まれ、廃棄される。廃棄されると制御装置に廃棄完了通知が返る。制御装置がQRコード解析値とICカードの識別情報を引数として、データベース書き込みプログラムを起動する。データベース書き込みプログラムが識別情報をキーにデータベースからユーザレコードを検索する。データベース書き込みプログラムがユーザ情報を受ける。データベース書き込みプログラムがQRコード解析値に対応するデータベースのレコードに「廃棄済みフラグ」、「廃棄日時」、「廃棄実施者」の情報を書き込む。データベース書き込みプログラムから制御装置に書き込み結果が返される。
(第3機構例)
図17は、文書廃棄装置3の第3機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、ストッパーゲート20と、フィードロール21、22と、パスセンサ23と、シュレッダー部24とを備えている。
文書トレイ部17は、廃棄の対象となる文書が載置される部分である。文書トレイ部17は、ストッパーゲート20に向かって徐々に低位となるように、水平面に対して斜めに傾斜した状態で形成されている。文書トレイ部17の奥側(低位側)は、上述したインサートセンサ18やバーコードスキャナ19、ストッパーゲート20、フィードロール21とともに、図示しないカバー部材によって覆い隠されている。
インサートセンサ18は、文書トレイ部17の所定の読み取り位置まで文書が差し込まれたことを検知するものである。インサートセンサ18は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該インサートセンサ18のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。
バーコードスキャナ19は、廃棄対象となる文書のバーコード記録部分に対して、図示しない光源から照射された光の反射光を、レンズ26を介してエリアセンサ25で受光することにより、バーコードの画像をエリアセンサ25に取り込む構成となっている。バーコード記録部分とは、文書の面内で、文書IDを情報の1つとして含むバーコードが記録される部分をいい、その位置(領域)は文書コーナー部分で寸法的に予め規定されている。
ストッパーゲート20は、例えば長尺状の板状構造をなすもので、インサートセンサ18とフィードロール21との間に設けられている。ストッパーゲート20は、フィードロール21、22によって形成される文書搬送路の入口部分で、当該文書搬送路の入口を開閉するものである。ストッパーゲート20を閉じた状態では、文書トレイ部17からフィードロール21に至る文書の通路を遮断するように、ストッパーゲート20が通路上に突出した状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる。これに対して、ストッパーゲート20を開いた状態では、文書トレイ17からフィードロール21に至る文書の通路から退避するように、ストッパーゲート20が通路上から引っ込んだ状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がフィードロール21のニップ部分に突き当たる。
図18は文書トレイ部17を上方から見た図である。文書トレイ部17には、文書27を手差しで差し込むときの差し込み方向(矢印方向)に対して、その両側に挿入ガイド28、29が設けられている。各々の挿入ガイド28、29は、文書の差し込み方向と平行なガイド面28A、29Aを有している。このうち、挿入ガイド28は固定状態で設けられるものであるが、挿入ガイド29は必要に応じて文書の幅方向(図15の上下方向)に移動可能に設けられるものである。廃棄の対象となる文書27は、その先端側コーナー部分にバーコード記録部分30を配置する向きで文書トレイ部17を矢印方向に差し込まれる。
このとき、差し込み方向と直交する方向で文書27の位置を決めるために、文書27の一方の側端を挿入ガイド28のガイド面28Aに当接させて沿わせる。
これにより、ユーザの手差しによって文書27の先端をストッパーゲート20に突き当てた状態では、バーコードスキャナ19によるコード読み取りエリアE内にバーコード記録部分30が位置決め配置される。また、文書の差し込み方向において、インサートセンサ18はストッパーゲート20の手前(直近)に配置されている。このため、ユーザによって手差しされた文書27の先端がストッパーゲート20に突き当たるときには、その直前でインサートセンサ18がオフ状態からオン状態に切り替わる。このことから、インサートセンサ18がオンするタイミングは、文書27のバーコード記録部分30がコード読み取りエリアE内に配置されるタイミングを示すものとなる。
フィードロール21は、ストッパーゲート20の開放によって差し込まれた文書をニップ(挟持)しつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿って搬送するものである。文書搬送路は、図示しない搬送案内部材(シュート等)を用いて形成されるものである。フィードロール22は、フィードロール21によって搬送された文書をニップしつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿ってシュレッダー部24へと搬送するものである。
パスセンサ23は、フィードロール22からシュレッダー部24に至る文書搬送路の途中(ほぼ中間点)で文書の通過を検知するものである。パスセンサ23は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該パスセンサ23のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。したがって、パスセンサ23のセンシング位置を文書の先端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、パスセンサ23のセンシング位置を文書の後端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わる。
シュレッダー部24は、フィードロール22によって送り込まれた文書を一方向(矢印方向)に引き込みながら細断(シュレッド)するものである。このシュレッダー部24は、複数枚の文書(例えば、A4サイズの普通紙で20枚程度の束)を一括でシュレッド処理することが可能である。また、シュレッダー部24は、ステープル針でステープル処理された文書であっても、そのままの状態(ステープル針を外さない状態)でシュレッド処理することが可能である。
図19は文書廃棄装置3の第3構成例を示すブロック図である。文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、バーコードスキャナ19と、ストッパー駆動部33と、フィーダー駆動部34と、シュレッダー駆動部35と、モード選択部42と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。
操作パネル31は、文書廃棄装置3を使用するユーザによって操作されるものである。操作パネル31は、例えば、操作用のボタン(例えば、スタートボタン、ストップボタンなど)と、文書廃棄装置3の動作状態や操作用のガイダンス(案内メッセージ)を含む各種のメッセージを表示する表示パネルとを用いて構成されるものである。操作パネル31は、操作用のボタンの1つとして、モード切り替えボタン31Aを有する。モード切り替えボタン31Aは、文書廃棄装置3で実行される廃棄モードの切り替えを指示するためのボタンである。
バーコードスキャナ19は、文書に印刷によって付加されたバーコードを上記バーコードスキャナ19を用いて光学的に読み取るとともに、その読み取り結果に基づいて、文書内のバーコードに収納されている元の情報(データ)を出力するものである。
ストッパー駆動部33は、上述したストッパーゲート20を開閉(出没)動作させるものである。ストッパー駆動部33は、例えば電磁プランジャを駆動源として構成することが可能である。
フィーダー駆動部34は、上述したフィードロール21、22を回転動作させるものである。フィーダー駆動部34は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
シュレッダー駆動部35は、上述したシュレッダー部24を回転駆動するものである。シュレッダー駆動部35は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
モード選択部42は、文書廃棄装置3が備える2つの廃棄モードのうち、いずれか一方の廃棄モードを選択するものである。文書廃棄装置3が備える2つの廃棄モードのうち、第1の廃棄モードは、廃棄対象となる文書の文書IDを読み取ることなく文書の廃棄処理を行うモードであり、第2の廃棄モードは、廃棄対象となる文書の文書IDを読み取るとともに、この読み取った文書IDを指定して文書の廃棄許可を文書管理装置2に問い合わせ、当該文書管理装置2から廃棄許可が与えられた場合に文書の廃棄処理を行うモードである。
文書廃棄制御部36は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、文書廃棄に係る種々の処理動作を制御するものである。また、文書廃棄制御部36は、モード選択部42で選択された廃棄モードにしたがって文書の廃棄処理を実行するものである。この文書廃棄制御部36には、動作制御の対象となる操作パネル31、バーコードスキャナ19、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35が電気的に接続されている。また、文書廃棄制御部36には、上述したインサートセンサ18とパスセンサ23が、モード選択部42とともに電気的に接続されている。
ネットワークインタフェース37は、文書廃棄装置3がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書管理装置2を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース37を用いたデータの送受信は、文書廃棄制御部36によって制御される。
続いて、上記構成からなる文書管理システムを用いた文書管理の方法について説明する。まず、本発明で取り扱う文書は、1つずつ固有の文書IDを割り当てて文書生成装置1により生成されるものである。文書IDは、数字のみで構成してもよいし、数字やアルファベット、記号などを適宜組み合わせて構成してもよい。以降は、会計監査や税務調査などの証憑書類となる文書を取り扱う場合の具体的な管理方法について説明する。
まず、文書の雛形となるバーコード付きの文書データ(電子データ)を文書生成装置1に入力し、その文書データを画像出力部8で用紙に印刷出力することにより、例えば図20(A)に示すように支払申請書38の台紙を作成する。文書データは、例えば、文書管理装置2で作成し、この文書管理装置2からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよいし、別途、文書データ作成用のサーバ装置で作成し、このサーバ装置からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよい。
こうして文書生成装置1で生成される支払申請書38のコーナー部分には、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDを情報の1つとして含むQRコード39が印刷によって付加される。つまり、文書生成装置1で生成される支払申請書38は、「文書IDが付加された文書」に相当するものとなる。また、支払申請書38の台紙には領収書を貼付するための領域40が設けられている。このため、申請者は、図20(B)に示すように、支払申請書38の台紙に領収書41を貼り付けるとともに、必要に応じて加筆、押印(捺印)を行うことにより、支払申請書38の原本を作成する。
こうして支払申請書38を作成したら、この支払申請書38を文書生成装置1の原稿台にセットして、支払申請書38の画像を画像読取部6で読み取る。もしくは、生成情報を文書生成装置1から文書管理装置2にネットワーク4を介して送られ、データとして登録される。そうすると、画像読取部6で読み取られた支払申請書38の画像データは、ネットワーク4を経由して文書管理装置2に送信される。また、読み取りを終えた支払申請書38の原本は、ファイルなどに綴じて保管される。
一方、文書生成装置1から支払申請書38の画像データ(スキャンデータ)を受け取った文書管理装置2では、その画像データをデータベース部14に蓄積するとともに、その画像データに含まれるQRコードの画像をバーコード解析部12で解析することにより、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDのデコード情報を取り出す。こうして取得した文書IDは、文書管理制御部15によって文書管理テーブルに登録される。文書管理テーブルは、データベース部14内に作成されるものである。
図21は文書管理テーブルの一例を示す図である。図示のように文書管理テーブルには、文書IDと、文書生成日時と、文書保管期間と、文書廃棄日時が、互いに対応付けて登録されるようになっている。文書生成日時及び文書廃棄日時を登録する場合、それぞれの時刻は、ネットワーク4を経由してインターネット上の時刻配信サーバ又は時刻認証サーバから取得した標準時刻を用いることが望ましい。文書IDは、バーコード解析部12でQRコードをデコードして得られたものを登録してもよいし、上述したバーコード付きの文書データを文書管理装置2又は他のサーバ装置で作成するときに、文書管理装置2自身が文書に割り当てたものや、他のサーバ装置が文書に割り当てたものを登録してもよい。文書生成日時は、文書が生成された日時を示すものである。本形態例では、文書生成装置1が支払申請書38等の文書から読み取った画像データを文書管理装置2宛に送信した日時、又は文書生成装置1から送信された文書の画像データを文書管理装置2で受信した日時を「文書生成日時」として登録するものとする。
文書保管期間は、文書の保管期間を日時で示すものである。文書管理テーブルに文書IDが登録された文書は、文書保管期間が過ぎるまで保管しておく必要がある。ただし、文書保管期間が「指定なし」で登録されている場合は、いつでも廃棄可能な扱いとなり、文書保管期間が「永久」で登録されている場合は、常に廃棄不可の扱いとなる。
また一般に、領収書に関しては、その領収金額によって保管期間が決められている。このため、例えば、支払申請書38に印刷したQRコードの中に、文書IDの情報に加えて、文書保管期間を設定するための情報を収納しておけば、バーコード解析部12のデコード情報から文書保管期間を自動的に設定することが可能である。具体的には、支払申請書38の文書保管期間を6年間で指定する情報をQRコードに収納することにより、支払申請書38の生成日時から起算して6年目の日時を文書保管期間に設定することが可能である。また、これ以外にも、支払申請書38に貼付する領収書の領収金額を示す情報をQRコードに収納することにより、その情報から領収書の保管期間を自動的に割り出して文書管理テーブルの文書保管期間に設定することが可能である。さらに、文書管理装置2が備えるユーザインタフェース部11を用いて、ユーザの手入力(マニュアル操作)で文書管理テーブルの文書保管期間を設定又は変更することも可能である。
文書廃棄日時は、文書が廃棄された日時を示すものである。文書の廃棄は、文書廃棄装置3によって行われる。このため、文書管理テーブルの文書廃棄日時は、文書廃棄装置3から文書管理装置2に対して、文書の廃棄を行った文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の通知(以下、「廃棄完了通知」とも記す)があった日時で登録される。
なお、文書管理テーブルに関しては、文書生成装置1で文書の生成を行ったユーザのユーザIDを文書生成者として文書管理テーブルに登録したり、文書廃棄装置3で文書の廃棄を行ったユーザのユーザIDを文書廃棄者として文書管理テーブルに登録したりする構成を採用してもよい。その場合、文書の生成や廃棄を行ったユーザのID情報は、既存のユーザ認証技術(例えば、ICカードを用いたユーザ認証技術)を利用して取得することが可能である。
図22は文書廃棄装置3の第3機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。まず、文書廃棄装置3の電源が投入(オン)されると、ネットワークインタフェース37は、文書廃棄制御部36からの制御指示に基づいて文書管理装置2に通信確立要求を行う(ステップS201)。このとき、文書廃棄装置3からの通信確立要求を文書管理装置2がネットワーク4を介して正常に受けた場合は、文書管理装置2と文書廃棄装置3との間に通信接続が確立した状態となる。また、何らかの原因(例えば、ネットワーク4の切断やトラブル、文書管理装置2の電源オフ、システムダウンなど)で文書廃棄装置3からの通信確立要求を文書管理装置2が正常に受けなかった場合は、文書管理装置2と文書廃棄装置3との間で通信接続を確立できない状態となる。
次に、文書廃棄制御部36は、文書管理装置2との通信確立に成功したかどうかを判断する(ステップS202)。そして、通信確立に失敗した場合は、モード選択部42が文書の廃棄モードを第1の廃棄モードに設定し(ステップS203)、通信確立に成功した場合は、モード選択部42が文書の廃棄モードを第2の廃棄モードに設定する(ステップS204)。その後、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33を駆動してストッパーゲート20を閉じる(ステップS205)。
次いで、文書廃棄制御部36は、ユーザによってモード切り替えボタン31Aが押されたかどうか(廃棄モードの切り替え指示があったかどうか)を判断し(ステップS206)、モード切り替えボタン31Aが押された場合(廃棄モードの切り替え指示があった場合)は、それにしたがって廃棄モードの設定を切り替える(ステップS207)。すなわち、モード切り替えボタン31Aが押される前の廃棄モードが第1の廃棄モードに設定されていた場合は、廃棄モードの設定を第1の廃棄モードから第2の廃棄モードに切り替える。また、モード切り替えボタン31Aが押される前の廃棄モードが第2の廃棄モードに設定されていた場合は、廃棄モードの設定を第2の廃棄モードから第1の廃棄モードに切り替える。
これに対して、モード切り替えボタン31Aが押されなかった場合は、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)がオン状態になったかどうかを判断する(ステップS208)。ここで、文書廃棄装置3を使用するユーザは、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込む。また、廃棄対象となる文書にQRコードが印刷されている場合は、QRコードの印刷面が最上面(上向き)となる向きで、かつQRコードの印刷部位が差し込み方向の下流側(奥側)となる向きで文書を差し込む。そうすると、文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる直前にインサートセンサ18の信号がオフ状態からオン状態に切り替わる。そこで、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18の信号がオフ状態であれば上記ステップS206に戻り、インサートセンサ18の信号がオン状態であれば、モード選択部42で選択(設定)されている現在の廃棄モードが第1の廃棄モードになっているかどうかを判断する(ステップS209)。
ここで、文書廃棄制御部36は、現在の廃棄モードが第1の廃棄モードに設定されていた場合は、第1の廃棄モードにしたがって文書の廃棄処理を実行した後(ステップS210)、上記ステップS206に戻る。また、現在の廃棄モードが第2の廃棄モードに設定されていた場合は、第2の廃棄モードにしたがって文書の廃棄処理を実行した後(ステップS211)、上記ステップS206に戻る。
図23は上記ステップS210で第1の廃棄モードにしたがって文書の廃棄処理を行うきの手順を示すフローチャートである。まず、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33を駆動してストッパーゲート20を開放する(ステップS301)。また、この時点で文書廃棄制御部36は、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示し、この指示にしたがってフィーダー駆動部34がフィードロール21、22の回転駆動を開始する。
したがって、ユーザにより差し込まれた文書は、フィードロール21の回転にしたがって文書搬送路の下流側へと送り込まれる(ステップS302)。こうしてフィードロール21によって送り込まれた文書は、それよりも搬送方向下流側のフィードロール22に受け渡され、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部33を駆動することにより、ストッパーゲート20を元の状態(閉じた状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理されて細断される(ステップS303)。
図24は上記ステップS311で第2の廃棄モードにしたがって文書の廃棄処理を行うときの手順を示すフローチャートである。まず、廃棄制御部36は、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与え、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードを読み取る(ステップS311)。
次いで、文書廃棄制御部36は、QRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する(ステップS312)。QRコードの読み取りに成功したかどうかは、文書に印刷されたQRコードからバーコードスキャナ19で正常に文書IDをデコード処理できたかどうかにより判断する。バーコードスキャナ19がQRコードの読み取りに失敗するケースとしては、主に2つのケースが考えられる。第1のケースは、文書にもともとQRコードが印刷されていなかった場合や、文書を差し込むときの向き(文書の表/裏の向き、文書の先端/後端の向き)が不適切だったために、コード読み取りエリアE(図18参照)にQRコードが存在しなかった場合(コード無しの場合)である。第2のケースは、コード読み取りエリアEにQRコードが存在したものの、当該QRコードに著しい汚れや破損が生じていたり、QRコードのデコード情報が文書IDを含むものでなかったりした場合(コード欠陥の場合)である。
QRコードの読み取りに成功した場合は、このQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS313)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。つまり、文書廃棄許可の問い合わせは、この問い合わせで指定した文書IDで特定される文書を廃棄してもよいかどうかの問い合わせである。ちなみに、QRコードの読み取りに成功した場合は、このQRコードに収納されている情報を簡易的に操作パネル31に表示するようにしてもよい。
問い合わせメッセージを受けた文書管理装置2では、当該問い合わせメッセージで指定された文書IDが文書管理テーブルに登録されているかどうかを検索部13で検索し、該当する文書IDが存在する場合は、当該文書IDに対応付けて登録されている文書保管期間を確認する。そして、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時(問い合わせの日時)が文書保管期間を過ぎている場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与える旨の回答メッセージを返信する。また、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時が文書保管期間を過ぎていない場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与えない旨(文書の廃棄を禁止する旨)の回答メッセージを返信する。
こうして文書管理装置2から回答メッセージが返信されると、文書廃棄制御部36は、その回答メッセージをネットワークインタフェース37で受信し、その回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認する(ステップS314)。そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、予め用意された廃棄許可のガイダンス(案内メッセージ)を操作パネル31に表示した後、ストッパー駆動部33を駆動してストッパーゲート20を開放させる(ステップS315、S316)。また、この時点で文書廃棄制御部36は、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示し、この指示にしたがってフィーダー駆動部34がフィードロール21、22の回転駆動を開始する。廃棄許可ガイダンスの一例としては、「この文書を廃棄するためにストッパーゲート20を開放します。文書をさらに奥側まで差し込んでください。」などが考えられる。
その後、操作パネル31に表示されたガイダンスにしたがってユーザが文書を奥側に差し込むと、文書の先端がフィードロール21のニップ部に突き当てられるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書が文書搬送路の下流側へと送り込まれる(ステップS317)。こうしてフィードロール21によって送り込まれた文書は、それよりも搬送方向下流側のフィードロール22に受け渡され、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部33を駆動してストッパーゲート20を元の状態(閉じた状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理されて細断される(ステップS318)。
その後、文書の後端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、パスセンサ23がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS319)。廃棄完了通知メッセージは、ネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信される。これに対して、文書廃棄装置3から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置2では、当該メッセージで指定された文書IDに対応する廃棄履歴情報として、文書廃棄日時の欄に、当該メッセージを受信した日時を登録する。
一方、上記ステップS312において、QRコードの読み取りに失敗した場合は、その失敗の原因がコード無し(第1のケース)であったかどうかを判断する(ステップS320)。そして、失敗の原因がコード無しであれば、予め用意された第1の読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS321)。第1の読取不可ガイダンスの一例としては、「コードが見つかりません。文書を引き抜いてコードの位置や文書の向きを確認してください。」などが考えられる。また、失敗の原因がコード欠陥(第2のケース)であれば、予め用意された第2の読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS322)。第2の読取不可ガイダンスの一例としては、「コードの読み取りエラーが発生しました。文書を引き抜いてコードの状態を確認してください。」などが考えられる。
また、上記ステップS314において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS323)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。また、ステップS321、S322で読取不可ガイダンスを表示した後や、ステップS323で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わったかどうか(文書トレイ部17から文書が取り出されたかどうか)を判断し(ステップS324)、オフ状態に切り替わったら、その時点で処理を抜ける。
以上のような文書管理システムにおいては、文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理しておき、文書廃棄装置3を用いて文書を廃棄する際に、廃棄対象となる文書に印刷されたQRコードをバーコードスキャナ19で読み取って、そのQRコードに含まれる文書IDを取得するとともに、この文書IDで特定される文書の廃棄が許可されているかどうかを文書管理装置2に問い合わせ、この問い合わせに対する回答内容が廃棄許可を与えるものである場合に、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理を行う構成となっているため、従来のように担当者がいちいち文書の廃棄可否を確認しなくても、保管期間が過ぎた文書だけを確実に廃棄することができる。また、人為的な確認ミスによる文書の誤廃棄を回避することができる。
また、文書IDの読み取りを行わずに文書を廃棄する第1の廃棄モードと、文書IDの読み取りを行って文書管理装置2からの廃棄許可を受けて文書を廃棄する第2の廃棄モードとを備えているため、文書IDが付加されていない文書を廃棄するときは第1の廃棄モードを選択し、文書IDが付加された文書を廃棄するときは第2の廃棄モードを選択するといった具合に、文書の種別に応じて文書廃棄装置3を使い分けることができる。したがって、機密文書とそれ以外の一般文書が混在しているオフィス環境において、効率的な文書廃棄業務を行うことができる。
また、文書廃棄装置3が文書管理装置2に通信確立要求を行ったときに、何らかの理由(事故等)で両者の間に通信接続を確立できなかった場合(通信確立に失敗した場合)は、モード選択部42による廃棄モードの選択により、自動的に第2の廃棄モードを選択する構成となっているため、通常の文書廃棄業務を支障なく行うことができる。
また、文書生成装置1を用いて生成された文書に関して、当該文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理するため、文書の生成から廃棄までを一貫して管理することができる。
また、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理(シュレッド処理)を行ったときに、その文書の文書IDを指定した廃棄完了通知のメッセージを文書管理装置2に送信し、その通知メッセージを受けた文書管理装置2で該当の文書IDに対応する廃棄履歴情報として文書廃棄日時を文書管理テーブルに登録する構成としたので、その文書を廃棄した事実と合わせて、実際にその文書を廃棄した日時を履歴として残すことができる。さらに、文書の廃棄を担当した文書廃棄者のユーザIDなどを廃棄履歴情報の1つとして残すこともできる。その結果、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が廃棄したのかを、後で確認することができる。
また、文書生成装置1で文書の生成処理(印刷処理)を行ったときに、その文書の文書IDと合わせて、当該文書の生成を行った日時や文書生成を担当した文書生成者のユーザIDなどを文書管理装置2の文書管理テーブルに登録する構成を採用することにより、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が生成したのかを、後で確認することができる。
なお、上記実施形態においては、文書IDを含むQRコードを文書に印刷するものとしたが、本発明はこれに限らず、文書IDを表す数字や記号などを文書に印刷してもよい。また、文書に対する文書IDの付加は印刷だけに限らず、例えば、ラベルの貼り付けなどによって文書IDを文書に付加するものとしてもよい。
また、文書廃棄装置3は電源投入時に通信確立要求を行うものとしたが、例えば、電源投入時の通信確立に失敗した場合は、その後、文書管理装置2との通信接続が確立されるまで、所定の時間周期で繰り返し文書管理装置2に通信確立要求を行うものとしてもよい。その場合は、ネットワーク4の障害等が解消された段階あるいは文書管理装置2がシステムダウン等から復旧した段階で、自動的に通信接続を確立させ、廃棄モードの設定を第2の廃棄モードに切り替えることができる。
(第4機構例)
図25は、文書廃棄装置3の第4機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、ストッパーゲート20と、フィードロール21、22と、パスセンサ23と、シュレッダー部24とを備えている。
文書トレイ部17は、廃棄対象となる文書を載置状態に支持するガイド面を有するものである。文書トレイ部17のガイド面(上面)は、ほぼ水平な状態で形成された水平ガイド面17Aと、当該水平ガイド面17Aから斜めに傾斜した傾斜ガイド面17Bとによって形成されている。文書トレイ部17の傾斜ガイド面17Bは、フィードロール21に向かって徐々に低位となるように、水平ガイド面17Aの端部から斜めに傾斜した状態で形成されている。また、文書トレイ部17の傾斜ガイド面17Bは、ストッパーゲート20を超えてフィードロール21の手前まで延在するように形成されている。また、フィードロール21の下流側には、別途、シュートガイド(不図示)を用いて文書の搬送路が形成されている。
インサートセンサ18は、文書トレイ部17の所定の位置まで文書が挿入されたことを検知するものである。「所定の位置」とは、QRコードが印刷された文書を正規の向きで挿入した場合に、バーコードスキャナ19によるコード読み取りエリアE内にQRコードが配置される位置、つまり文書に印刷されたQRコードをバーコードスキャナ19で読み取ることができる位置をいう。インサートセンサ18は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該インサートセンサ18のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となる。
バーコードスキャナ19は、廃棄対象となる文書に付加されたバーコードを光学的に読み取るとともに、その読み取り結果に基づいて、文書内のバーコードに収納されている元の情報(データ)を出力するものである。バーコードスキャナ19は、廃棄対象となる文書のバーコード記録部分に対して、スキャナ内部の光源から照射された光の反射光を、スキャナ内部のレンズを介してエリアセンサで受光することにより、バーコードの画像を取り込む構成となっている。バーコード記録部分とは、文書の面内で、文書IDを情報の1つとして含むバーコードが記録される部分をいい、その位置は文書コーナー部分で寸法的に予め規定されている。
ストッパーゲート20は、文書トレイ部17における文書の挿入方向(差し込み方向)で、廃棄対象となる文書を上記所定の位置に停止させるために設けられたもので、インサートセンサ18とフィードロール21の間に配置されている。ストッパーゲート20は、フィードロール21、22によって形成される文書搬送路の入口部分で、当該文書搬送路の入口を開閉するものである。ストッパーゲート20を閉じた状態では、文書トレイ部17からフィードロール21に至る文書の通路を遮断するように、ストッパーゲート20が下方に突出した状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる。これに対して、ストッパーゲート20を開いた状態では、文書トレイ17からフィードロール21に至る文書の通路から退避するように、ストッパーゲート20が上方に引っ込んだ状態で配置される。したがって、文書トレイ部17に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書の先端がフィードロール21のニップ部分に突き当たる。
フィードロール21は、ストッパーゲート20の開放によって差し込まれた文書をニップ(挟持)しつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿って搬送するものである。文書搬送路は、図示しない搬送案内部材(シュート等)を用いて形成されるものである。フィードロール22は、フィードロール21によって搬送された文書をニップしつつ回転することにより、当該文書を文書搬送路に沿ってシュレッダー部24へと搬送するものである。
パスセンサ23は、フィードロール22からシュレッダー部24に至る文書搬送路の途中(ほぼ中間点)で文書の通過を検知するものである。パスセンサ23は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されるもので、当該パスセンサ23のセンシング位置に文書が存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となるものである。したがって、パスセンサ23のセンシング位置を文書の先端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、パスセンサ23のセンシング位置を文書の後端が通過すると、それと同時にパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わる。
シュレッダー部24は、フィードロール22によって送り込まれた文書を一方向(矢印方向)に引き込みながら細断(廃棄処理)するものである。このシュレッダー部24は、複数枚の文書(例えば、A4サイズの普通紙で20枚程度の束)を一括で廃棄処理することが可能である。また、シュレッダー部24は、ステープル針でステープル処理された文書であっても、そのままの状態(ステープル針を外さない状態)で廃棄処理することが可能である。
図26は文書廃棄装置3の一部を分解した斜視図である。文書廃棄装置3の装置本体250はアッパーカバー260を一体に備えるものである。アッパーカバー260には、上述した文書トレイ部17が一体に形成されている。また、装置本体250のアッパーカバー260には、スキャンユニット270がネジ等で着脱可能に実装(搭載)される構成となっている。スキャンユニット270は、大きくは、ユニット本体280とユニットカバー290とを用いて構成されている。ユニットカバー290は、装置本体250にスキャンユニット270を実装したときにユニット本体280を覆う樹脂製のカバーである。実際にスキャンユニット270を装置本体250のアッパーカバー260に実装すると図27のようになる。
図28はユニット本体280の一部を分解した斜視図である。ユニット本体280は、サイドガイド300と、第1のフレーム部材310と、第2のフレーム部材320とを有している。サイドガイド300は、例えば樹脂の一体成形物からなるもので、ネジを用いて第1のフレーム部材310の一端部に取り付けられている。サイドガイド300は、ユニット本体280をアッパーカバー260に取り付けたときに、文書トレイ部17の一方の側端部に配置されるものである。サイドガイド300には、文書の挿入方向(差し込み方向)に沿うガイド面300Aと、当該ガイド面300Aと直角(L字形)をなすシュート面300Bが形成されている。
第1のフレーム部材310は、文書トレイ部17との間に文書挿入ガイド用の通路を形成するもので、文書トレイ部17との間に所定の隙間を介在させた状態で取り付けられる。
また、第1のフレーム部材310には、図29にも示すように、第1のウエイト部材330と第2のウエイト部材340が取り付けられている。各々のウエイト部材330、340は、第1のフレーム部材310に設けられた支軸を中心に揺動自在に支持されている。これらのウエイト部材330、340は、ユーザの手差しによって所定の位置に挿入された文書の上面(最上面)に自重で乗り上がることにより、当該文書の先端側の浮き上がりを防止するものである。
第2のフレーム部材320は、ネジを用いて第1のフレーム部材310に取り付けられるものである。第2のフレーム部材320には、上述したインサートセンサ18、バーコードスキャナ19及びストッパーゲート20の他に、ストッパー駆動部33が取り付けられている。ストッパー駆動部33は、ストッパーゲート20を開閉動作させるための駆動源となるものである。
図30はストッパー駆動部33を用いたストッパーゲート20の駆動機構を示す図である。ストッパーゲート20は、例えば樹脂製の板状部材からなるもので、左右一対のストッパー部360と縦長のガイド孔370と横長のガイド孔380とを一体に有している。一対のストッパー部360は、ストッパーゲート20の左右両端に形成されるとともに、それぞれ下方に突出する状態で形成されている。ガイド孔370は、ストッパーゲート20の幅方向(図30の左右方向)の中心部に形成されている。ガイド孔380は、ストッパーゲート20の幅方向の中心部でかつガイド孔370のほぼ真上に形成されている。
ストッパー駆動部33は出力軸390を一体に有している。この出力軸390は作動アーム400を介してストッパーゲート20に連結されている。すなわち、作動アーム400は、第1の係合ピン410を用いてストッパーゲート20に連結されるとともに、第2の係合ピン420を用いて出力軸390に連結されている。また、第1の係合ピン410は、ストッパーゲート20のガイド孔380に係合されている。
作動アーム400は、第2のフレーム部材320に設けられた支軸430を中心に回動自在に支持されている。また、作動アーム400には引っ張りコイルバネ440の一端が係止されている。引っ張りコイルバネ440の他端は、第2のフレーム320に一体に形成されたバネ掛け部450に係止されている。引っ張りコイルバネ440は、支軸430を中心に作動アーム400を一方向(図の時計回り方向)に付勢する部材である。
ストッパーゲート20は、第2のフレーム部材320に設けられた上下一対のガイドピン460によって上下動自在に支持されている。各々のガイドピン460は、ストッパーゲート20に形成されたガイド孔370に係合するもので、所定の距離を隔て上下に配置されている。また、各々のガイドピン460には、第2のフレーム部材320からのストッパーゲート20の脱落を防止するために、抜け止め用のリング(例えば、Cリング)が取り付けられている。
また、第1のフレーム部材310には、ストッパーゲート20のストッパー部360が抜き差しされるゲート孔470と、ストッパーゲート20との接触を避けるための逃げ孔480と、インサートセンサ18の検知窓490と、第1のウエイト部材330の最下部を文書トレイ部17上に当接させるための開口部500と、第2のウエイト部材340の最下部を文書トレイ部17上に当接させるための開口部510とが形成されている。
上記構成からなるストッパーゲート20の駆動機構において、ストッパー駆動部33を非励磁状態から励磁状態にすると、引っ張りコイルバネ440の付勢力に対抗して出力軸390がソレノイド本体の内部に引き込まれる。これにより、作動アーム400は支軸430を中心に反時計回り方向に回転する。また、ストッパーゲート20は作動アーム400によって引き上げられる。このため、ストッパーゲート20のストッパー部360は、第1のフレーム部材310のゲート孔470から引っ込んだ状態に配置される。また、スキャンユニット270を装置本体250のアッパーカバー260に実装した状態では、ストッパーゲート20のストッパー部360が文書トレイ部17の傾斜ガイド面17Bから離間した状態(ストッパーゲート20が開放された状態)となる。
これに対して、ストッパー駆動部33を励磁状態から非励磁状態にすると、引っ張りコイルバネ440の付勢力によって作動アーム400が支軸430を中心に時計回り方向に回転する。これにより、ストッパー駆動部33の出力軸390はこのストッパー駆動部33本体の外側に引き出される。また、ストッパーゲート20は作動アーム400によって押し下げられる。このため、ストッパーゲート20のストッパー部360は、第1のフレーム部材310のゲート孔470から下方に突出した状態に配置される。また、スキャンユニット270を装置本体250のアッパーカバー260に実装した状態では、ストッパーゲート20のストッパー部360が文書トレイ部17の傾斜ガイド面17Bに突き当たった状態(ストッパーゲート20が閉じた状態)となる。
図31はスキャンユニット270を上方から見た図である。サイドガイド300のガイド面300Aは、文書27を手差しで挿入するときの差し込み方向(矢印方向)と平行な向きで配置されている。廃棄の対象となる文書27は、その先端側コーナー部分にQRコード39の記録部分(印刷部分)を配置する向きで差し込まれる。このとき、差し込み方向と直交する方向で文書27を位置決めするために、文書27の一方の側端をサイドガイド300のガイド面300Aに当接させて沿わせる。また、文書27の一方の側端近傍をサイドガイド300のシュート面300Bに載置する。
これにより、ユーザの手差しによって文書52の先端をストッパーゲート20に突き当てた状態では、バーコードスキャナ19によるコード読み取りエリアE内にQRコード39の記録部分が位置決め配置される。また、文書の差し込み方向において、インサートセンサ18はストッパーゲート20の手前(直近)に配置されている。このため、ユーザによって手差しされた文書52の先端がストッパーゲート20に突き当たるときには、その直前でインサートセンサ18がオフ状態からオン状態に切り替わる。このことから、インサートセンサ18がオンするタイミングは、文書52に印刷されたQRコード39がコード読み取りエリアE内に配置されるタイミングを示すものとなる。
図32は文書廃棄装置3の第4機構例を示すブロック図である。文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、フィーダー駆動部34と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。
操作パネル31は、文書廃棄装置3を使用するユーザによって操作されるもので、上述した装置本体250のアッパーカバー260に実装される。操作パネル31は、例えば、操作用のボタン(例えば、スタートボタン、ストップボタンなど)と、文書廃棄装置3の動作状態や操作用のガイダンス(案内メッセージ)を含む各種の操作画面を表示する表示パネルとを用いて構成されるものである。
フィーダー駆動部34は、上述したフィードロール21、22を回転動作させるものである。フィーダー駆動部34は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。シュレッダー駆動部35は、上述したシュレッダー部24を回転駆動するものである。シュレッダー駆動部35、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
文書廃棄制御部36は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、文書廃棄に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書廃棄制御部36には、動作制御の対象となるバーコードスキャナ19、操作パネル31、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35が電気的に接続されている。また、文書廃棄制御部36には、上述したインサートセンサ18とパスセンサ23が電気的に接続されている。
ネットワークインタフェース37は、文書廃棄装置3がネットワーク4上で他の装置(文書生成装置1、文書管理装置2を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース37を用いたデータの送受信は、文書廃棄制御部36によって制御される。
続いて、上記構成からなる文書管理システムを用いた文書管理の方法について説明する。まず、本発明で取り扱う文書は、1つずつ固有の文書IDを割り当てて文書生成装置1により生成されるものである。文書IDは、数字のみで構成してもよいし、数字やアルファベット、記号などを適宜組み合わせて構成してもよい。以降は、会計監査や税務調査などの証憑書類となる文書を取り扱う場合の具体的な管理方法について説明する。
まず、文書の雛形となるバーコード付きの文書データ(電子データ)を文書生成装置1に入力し、その文書データを画像出力部8で用紙に印刷出力することにより、例えば図33(A)に示すように支払申請書38の台紙を作成する。文書データは、例えば、文書管理装置2で作成し、この文書管理装置2からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよいし、別途、文書データ作成用のサーバ装置で作成し、このサーバ装置からネットワーク4を経由して文書生成装置1に入力してもよい。
こうして文書生成装置1で生成される支払申請書38のコーナー部分には、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDを情報の1つとして含むQRコード39が印刷によって付加される。つまり、文書生成装置1で生成される支払申請書38は、「文書IDが付加された文書」に該当するものとなる。また、支払申請書38の台紙には領収書を貼付するための領域40が設けられている。このため、申請者は、図33(B)に示すように、支払申請書38の台紙に領収書41を貼り付けるとともに、必要に応じて加筆、押印(捺印)を行うことにより、支払申請書38の原本を作成する。
こうして支払申請書38を作成したら、この支払申請書38を文書生成装置1の原稿台にセットして、支払申請書38の画像を画像読取部6で読み取る。そうすると、画像読取部6で読み取られた支払申請書38の画像データは、ネットワーク4を経由して文書管理装置2に送信される。また、読み取りを終えた支払申請書38の原本は、ファイルなどに綴じて保管される。
一方、文書生成装置1から支払申請書38の画像データ(スキャンデータ)を受け取った文書管理装置2では、その画像データをデータベース部14に蓄積するとともに、その画像データに含まれるQRコード39の画像をバーコード解析部12で解析することにより、当該支払申請書38に割り当てられた文書IDのデコード情報を取り出す。こうして取得した文書IDは、文書管理制御部15によって文書管理テーブルに登録される。文書管理テーブルは、データベース部14内に作成されるものである。
図34は文書管理テーブルの一例を示す図である。図示のように文書管理テーブルには、文書IDと、文書生成日時と、文書保管期間と、文書廃棄日時が、互いに対応付けて登録されるようになっている。文書生成日時及び文書廃棄日時を登録する場合、それぞれの時刻は、ネットワーク4を経由してインターネット上の時刻配信サーバ又は時刻認証サーバから取得した標準時刻を用いることが望ましい。文書IDは、バーコード解析部12でQRコードをデコードして得られたものを登録してもよいし、上述したバーコード付きの文書データを文書管理装置2又は他のサーバ装置で作成するときに、文書管理装置2自身が文書に割り当てたものや、他のサーバ装置が文書に割り当てたものを登録してもよい。文書生成日時は、文書が生成された日時を示すものである。本形態例では、文書生成装置1が支払申請書38等の文書から読み取った画像データを文書管理装置2宛に送信した日時、又は文書生成装置1から送信された文書の画像データを文書管理装置2で受信した日時を「文書生成日時」として登録するものとする。
文書保管期間は、文書の保管期間を日時で示すものである。文書管理テーブルに文書IDが登録された文書は、文書保管期間が過ぎるまで保管しておく必要がある。ただし、文書保管期間が「指定なし」で登録されている場合は、いつでも廃棄可能な扱いとなり、文書保管期間が「永久」で登録されている場合は、常に廃棄不可の扱いとなる。
また一般に、領収書に関しては、その領収金額によって保管期間が決められている。このため、例えば、支払申請書38に印刷したQRコード39の中に、文書IDの情報に加えて、文書保管期間を設定するための情報を収納しておけば、バーコード解析部12のデコード情報から文書保管期間を自動的に設定することが可能である。具体的には、支払申請書38の保管期間を6年間で指定する情報をQRコード39に収納することにより、支払申請書38の生成日時から起算して6年目の日時を文書保管期間に設定することが可能である。また、これ以外にも、支払申請書38に貼付する領収書の領収金額を示す情報をQRコード330に収納することにより、その情報から領収書の保管期間を自動的に割り出して文書管理テーブルの文書保管期間に設定することが可能である。さらに、文書管理装置2が備えるユーザインタフェース部16を用いて、ユーザの手入力(マニュアル操作)で文書管理テーブルの文書保管期間を設定又は変更することも可能である。
文書廃棄日時は、文書が廃棄された日時を示すものである。文書の廃棄は、文書廃棄装置3によって行われる。このため、文書管理テーブルの文書廃棄日時は、文書廃棄装置3から文書管理装置2に対して、文書の廃棄を行った文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の通知(以下、「廃棄完了通知」とも記す)があった日時で登録される。
なお、文書管理テーブルに関しては、文書生成装置1で文書の生成を行ったユーザのユーザIDを文書生成者として文書管理テーブルに登録したり、文書廃棄装置3で文書の廃棄を行ったユーザのユーザIDを文書廃棄者として文書管理テーブルに登録したりする構成を採用してもよい。その場合、文書の生成や廃棄を行ったユーザのID情報は、既存のユーザ認証技術(例えば、ICカードを用いたユーザ認証技術)を利用して取得することが可能である。
図35は文書廃棄装置3の機構例4で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。この文書廃棄装置3は、廃棄対象となる文書の文書ID(本例ではQRコード)を読み取ることなく文書の廃棄処理を行う通常廃棄モードと、廃棄対象となる文書の文書IDを読み取るとともに、この読み取った文書IDを指定して文書の廃棄許可を文書管理装置2に問い合わせ、文書管理装置2から廃棄許可が与えられた場合に文書の廃棄処理を行うスキャン廃棄モードとを備えている。そして、図35のフローチャートは、スキャン廃棄モードでの処理手順を示している。
通常廃棄モードでは、文書廃棄装置3が待機状態のもので、操作パネル31に設けられたスタートボタンがユーザに押されたときに、文書廃棄制御部36が、ストッパー駆動部35、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動開始を指示することで、ストッパーゲート20を開放するとともに、フィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を開始する。これにより、文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込むと、当該文書の先端がフィードロール21にニップされて装置内部に引き込まれ、そのままフィードロール21、22で搬送されてシュレッダー部24で細断される。
また、上述のように操作パネル31のスタートボタンが押された後、操作パネル31のストップボタンがユーザによって押されるか、スタートボタンが押されてから所定の時間が経過すると、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33、フィーダー駆動部34及びシュレッダー駆動部35にそれぞれ駆動停止を指示することで、ストッパーゲート20を閉じた状態に戻すとともに、フィードロール21、22とシュレッダー部24の駆動を停止する。これにより、文書廃棄装置3は再び待機状態に戻る。
これに対して、スキャン廃棄モードでは、文書廃棄装置3を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部17に載せて奥側に差し込む。このとき、廃棄対象となる文書にQRコード39が印刷されている場合は、上記図31に示すように、QRコード39の印刷面が最上面(上向き)となる向きで、かつQRコード39の印刷部が差し込み方向の下流側(奥側)となる向きで文書27を差し込む。
ここで、文書トレイ部17に載せられた文書27が、例えば繰り返し閲覧された古い文書や、多くの部署で回覧された文書などである場合は、図36(A)に示すように、文書27のコーナー部がめくり上がった状態になっていることが多い。こうした文書のめくれ上がりが図36(B)のようにQRコード30の印刷部近傍のコーナー部で発生していると、ユーザの手差しによって文書52が挿入される文書挿入口(文書の取り込み口)64に、文書27のめくり上がり部27Aが突き当たり、そのままめくり上がり部27Aが折り込まれた状態で文書挿入口の奥側へと差し込まれる。そうすると、図36(C)に示すように、文書27のめくり上がり部27Aの折り込みによってQRコード27の一部が隠れた状態となる。この結果、文書27のQRコード30をバーコードスキャナ19で正常に読み取ることができなくなってしまう。
そこで本実施形態に係る文書廃棄装置3においては、図37に示すように、スキャンユニット270のユニットカバー290と一体又は別体で、文書挿入口の部分に文書取り込みシュート650を設けることとした。文書取り込みシュート650は、文書トレイ部17に載せられた文書27の先端側にめくり上がり部27Aが生じていた場合に、このめくり上がりを矯正する部材である。
文書取り込みシュート650は、ユニットカバー290の前端部から文書トレイ部17の水平ガイド面17A側に突き出すように設けられている。また、文書取り込みシュート650は、文書トレイ部17の傾斜ガイド面17Bと平行状態に配置されるガイド面650Aを一体に有している。ガイド面650Aは、文書挿入口の上部に庇状に配置されるもので、文書トレイ部17の水平ガイド面17Aと所定の角度θをなすように形成されている。所定の角度θは例えば15°〜30°の範囲内で適宜設定されるもので、この角度θにしたがって文書トレイ部17の水平ガイド面17Aと文書取り込みシュート650のガイド面650Aとの上下間隔が文書挿入口の奥側に向かって徐々に小さくなっている。
このような文書取り込みシュート650を文書挿入口に設けることにより、文書トレイ部17に載せられた文書27の先端側にめくり上がり部27Aが生じていた場合でも、この文書27をユーザの手差しによって文書挿入口に差し込んだときに、文書27のめくり上がり部27Aが文書取り込みシュート650のガイド面650Aに接触しながら徐々に下方に押さえ込まれる。このため、めくり上がり部27Aが折り込まれることなく、文書27のめくれ上がりが文書取り込みシュート650によって矯正される。したがって、バーコードスキャナ19で文書27のQRコード39を正常に読み取ることが可能となる。
また、上述のように文書を差し込むと、文書の先端がストッパーゲート20に突き当たる直前にインサートセンサ18の信号がオフ状態からオン状態に切り替わる。その際、文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS401)、上述したユーザによる文書の挿入(差し込み)によってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS402)。このとき、文書の先端側、特に、バーコードスキャナ19によるQRコードの読み取り位置(コード読み取りエリアE)において、文書の浮き上がりを第1のウエイト部材330と第2のウエイト部材340で抑制することにより、文書に印刷されたQRコードを、バーコードスキャナ19に正対する向きで配置することができる。したがって、バーコードスキャナ19でQRコードの読み取りを確実に行うことができる。
次いで、文書廃棄制御部57は、QRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する(ステップS403)。QRコードの読み取りに成功したかどうかは、文書に印刷されたQRコードからバーコードスキャナ19で正常に文書IDをデコード処理できたかどうかにより判断する。バーコードスキャナ19がQRコードの読み取りに失敗するケースとしては、主に2つのケースが考えられる。第1のケースは、文書にもともとQRコードが印刷されていなかった場合や、文書を差し込むときの向き(文書の表/裏の向き、文書の先端/後端の向き)が不適切だったために、コード読み取りエリアE(図31参照)にQRコードが存在しなかった場合(コード無しの場合)である。第2のケースは、コード読み取りエリアEにQRコードが存在したものの、QRコードに著しい汚れや破損が生じていたり、QRコードのデコード情報が文書IDを含むものでなかったりした場合(コード欠陥の場合)である。
QRコードの読み取りに成功した場合(ステップS403でYesの場合)は、このQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS404)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。つまり、文書廃棄許可の問い合わせは、この問い合わせで指定した文書IDで特定される文書を廃棄してもよいかどうかの問い合わせである。ちなみに、QRコードの読み取りに成功した場合は、このQRコードに収納されている情報を簡易的に操作パネル31に表示するようにしてもよい。
問い合わせメッセージを受けた文書管理装置2では、当該問い合わせメッセージで指定された文書IDが文書管理テーブルに登録されているかどうかを検索部13で検索し、該当する文書IDが存在する場合は、当該文書IDに対応付けて登録されている文書保管期間を確認する。そして、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時(取り合わせの日時)が文書保管期間を過ぎている場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与える旨の回答メッセージを返信する。また、文書廃棄装置3から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時が文書保管期間を過ぎていない場合は、文書廃棄装置3に対して文書廃棄許可を与えない旨(文書の廃棄を禁止する旨)の回答メッセージを返信する。
こうして文書管理装置2から回答メッセージが返信されると、文書廃棄制御部36は、その回答メッセージをネットワークインタフェース37で受信し、その回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認する(ステップS405)。そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、予め用意された廃棄許可のガイダンス(案内メッセージ)を操作パネル31に表示した後、ストッパー駆動部33にストッパーゲート20の開放を指示してストッパーゲート20を開放させる(ステップS406、S407)。また、この時点で文書廃棄制御部36は、フィーダー駆動部34にフィードロール21、22の回転開始を指示し、この指示にしたがってフィーダー駆動部34がフィードロール21、22の回転駆動を開始する。廃棄許可ガイダンスの一例としては、「この文書を廃棄します。文書をさらに奥側まで差し込んでください。」などが考えられる。
その後、操作パネル31に表示されたガイダンスにしたがってユーザが文書を差し込むと、文書の先端がフィードロール21のニップ部に突き当てられるとともに、このフィードロール21の回転にしたがって文書が文書搬送路の下流側へと送り込まれる(ステップS408)。こうしてフィードロール21によって送り込まれた文書は、それよりも搬送方向下流側のフィードロール22に受け渡され、このフィードロール22の回転にしたがってシュレッダー部24まで搬送される。このとき、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18の信号がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、予め設定された所定のタイミング(例えば、文書の後端がフィードロール21を抜けるタイミング)でストッパー駆動部33にストッパーゲート20の復帰を指示してストッパーゲート20を元の状態(閉じた状態)に戻しておく。
また、フィードロール22による搬送中に文書の先端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオフ状態からオン状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、フィードロール22によって送り込まれた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断される(ステップS409)。
その後、文書の後端がパスセンサ23のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ23がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、パスセンサ23がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS410)。廃棄完了通知メッセージは、ネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信される。これに対して、文書廃棄装置3から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置2では、当該メッセージで指定された文書IDに対応する廃棄履歴情報として、文書廃棄日時の欄に、当該メッセージを受信した日時を登録する。
一方、上記ステップS403において、QRコードの読み取りに失敗した場合は、予め用意された読取不可ガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS411)。読取不可ガイダンスの一例としては、「コード読み取りエラーが発生しました。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。また、上記ステップS405において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する(ステップS412)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書は保管期間を過ぎていないため廃棄できません。文書を引き抜いてください。」などが考えられる。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS411で読取不可ガイダンスを表示した後や、ステップS412で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
以上のような文書管理システムにおいては、文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理しておき、文書廃棄装置3を用いて文書を廃棄する際に、廃棄対象となる文書に印刷されたQRコードをバーコードスキャナ19で読み取って、そのQRコードに含まれる文書IDを取得するとともに、この文書IDで特定される文書の廃棄が許可されているかどうかを文書管理装置2に問い合わせ、この問い合わせに対する回答内容が廃棄許可を与えるものである場合に、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理を行う構成となっているため、従来のように担当者がいちいち文書の廃棄可否を確認しなくても、保管期間が過ぎた文書だけを確実に廃棄することができる。また、人為的な確認ミスによる文書の誤廃棄を回避することができる。
また、文書生成装置1を用いて生成された文書に関して、当該文書に付加された文書IDを文書保管期間と対応付けて文書管理装置2で管理するため、文書の生成から廃棄までを一貫して管理することができる。
また、文書廃棄装置3で文書の廃棄処理(シュレッド処理)を行ったときに、その文書の文書IDを指定した廃棄完了通知のメッセージを文書管理装置2に送信し、その通知メッセージを受けた文書管理装置2で該当の文書IDに対応する廃棄履歴情報として文書廃棄日時を文書管理テーブルに登録する構成としたので、その文書を廃棄した事実と合わせて、実際にその文書を廃棄した日時を履歴として残すことができる。さらに、文書の廃棄を担当した文書廃棄者のユーザID情報などをユーザ認証技術で取得して廃棄履歴情報の1つとして残すこともできる。その結果、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が廃棄したのかを、後で確認することができる。
また、文書生成装置1で文書の生成処理(印刷処理)を行ったときに、その文書の文書IDと合わせて、当該文書の生成を行った日時や文書生成を担当した文書生成者のユーザID情報などを文書管理装置2の文書管理テーブルに登録する構成を採用することにより、ある文書IDで特定される文書を、いつ、誰が生成したのかを、後で確認することができる。
また、文書廃棄装置3の装置本体250(アッパーカバー260)上に、インサートセンサ18、バーコードスキャナ19、ストッパーゲート20などを含むスキャンユニット270を着脱可能に実装したので、文書廃棄装置3の構成上、スキャンユニット270を取り外した状態の装置本体250を標準装備の扱いとし、スキャンユニット270を後付けのオプション扱いで装置本体250に装備させることができる。
なお、上記実施形態においては、文書IDを含むQRコードを文書に印刷するものとしたが、本発明はこれに限らず、文書IDを表す数字や記号などを文書に印刷してもよい。
また、文書に対する文書IDの付加は印刷だけに限らず、例えば、ラベルの貼り付けなどによって文書IDを文書に付加するものとしてもよい。
以上で説明した文書廃棄装置3の第1乃至第4の機構例では、フィードロール21、22を介して文書をシュレッダー部24に送るタイプのものを示しているが、以下で説明する第5乃至第14の機構例は、フィードロール21、22を介さないで文書をシュレッダー部24に送るタイプのものである。尚、上述で説明した第1乃至第4の機構例と同様の構成は、説明を省略する。
まずは、このタイプの中で、文書廃棄装置3を、廃棄してもよい文書だけが廃棄されるように構成することで、廃棄してはいけない文書が不用意に廃棄されることを防ぐようにした以下5つの機構例を説明する。
(第5機構例)
図38は、文書廃棄装置3の第5機構例を示す概略図である。この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー部24とを備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。これらは、上述の機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
図39は、文書廃棄装置3の第5機構例を示すブロック図である。文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。
これらも、上述の機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
図40は、文書廃棄装置3の第5機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置2での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS501)、ユーザによる文書の手差しによってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS502)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS503)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。したがって、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に取り込まれ、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断される(ステップS504)。尚、上述の機構例のように、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS505)。
一方、上記ステップS503において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合(無回答、廃棄禁止等)は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS506)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS506で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
尚、本機構例の場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、シュレッダー部24の駆動を直ぐに開始したが、シュレッダー部24の駆動が別の手段(スタートボタン等)によって行われるように構成されたときは、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、シュレッダー部24の駆動が規制された状態から規制を解除するように構成してもよい。
(第6機構例)
図41は、文書廃棄装置3の第6機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー部24と、セットセンサ32と、搬送ロール60と、を備えており、文書を搬送ロール60によってシュレッダー部24に送るタイプである。
バーコードスキャナ19は、文書トレイに設けられたもので、下からQRコードを読み取るタイプである。このタイプの場合は、文書のQRコードが下側となるように、文書を文書トレイ17に載置する必要がある。尚、上述の機構例と同様に、バーコードスキャナ19が上からQRコードを読み取るように構成してもよい。
搬送ロール60は、文書の下側と接触し、回転することにより、文書を搬送路に沿ってシュレッダー部24へと搬送するものである。その他の構成は、上述した機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
図42は、文書廃棄装置3の第6機構例を示すブロック図である。
文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37と、搬送ロール駆動部61を備えている。搬送ロール駆動部61は、搬送ロール60を駆動するものである。
その他の構成は、上述した機構例と同様のものであり、説明は省略する。
尚、搬送ロール駆動部61及び搬送ロール60の代わりに、上述した引き込みロール43及び引き込み駆動部48を適用することができる。
図43は、文書廃棄装置3の第6機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、ここでは、文書管理装置2の処理について、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、セットセンサ32の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS601)、ユーザによる文書の文書トレイ部17への載置によってセットセンサ32がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS602)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS603)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、搬送ロール駆動部61に駆動開始を指示し、この指示を受けて搬送ロール駆動部61が搬送ロール60の駆動を開始して、文書をシュレッダー部24へ向けて搬送する(ステップS604)。同時に、シュレッダー部24の駆動も開始する(ステップS605)。したがって、文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。尚、上述の機構例のように、搬送ロール駆動部61に駆動開始を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
また、本機構例では、シュレッダー部24は、搬送ロール駆動部61の駆動開始と同時に駆動が開始するように構成されているが、シュレッダー部24は、文書が搬送された時点で駆動状態となっていればよく、この前後のタイミングで駆動してもよい。
その後、文書の後端がセットセンサ32のセンシング位置を通過し、これによってセットセンサ32がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、オフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS606)。
一方、上記ステップS603において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合(無回答、廃棄禁止等)は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS607)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS607で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、セットセンサ32がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
尚、本機構例の場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、搬送ロール駆動部61の駆動を直ぐに開始したが、搬送ロール駆動部61の駆動が別の手段(スタートボタン等)によって行われるように構成されたときは、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、搬送ロール駆動部61の駆動が規制された状態から規制を解除するように構成してもよい。
(第7機構例)
図44は、文書廃棄装置3の第7機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19、シュレッダー部24と、報知部70を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
報知部70は、文書が廃棄してよいものであるか否かを表示することによって報知する表示部71と、文書が廃棄してよいものであるか否かを音(音声等)によって報知する音源72とを有している。
尚、報知部70は、表示部71と音源72のどちらか一方のみでもよい。
その他の構成は、上述した機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
図45は、文書廃棄装置3の第7機構例を示すブロック図である。
文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37と、報知制御部73とを備えている。報知制御部73は、報知部70の表示部71の表示を行い、また、音源72の制御を行うものである。その他の構成は、上述した機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図46は、文書廃棄装置3の第7機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、ここでは、文書管理装置の処理について、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS701)、ユーザによる文書の差し込みによってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS702)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS703)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、報知制御部73に報知開始を指示し、この指示を受けて報知制御部73が報知部70(表示部71、音源72)の報知を開始する。そして、表示部71には、「文書を奥まで差し込んでください」等の表示が行われ、音源72は、文書が廃棄されてもよいことを知らせる音(音声、許可音等)が発せられる。(ステップS704)。また、これと同時に、シュレッダー部24の駆動も開始する(ステップS705)。したがって、文書は、ユーザがそのままシュレッダー部24に搬送して、取り込まれ、そこで細断される。尚、上述の機構例のように、報知制御部73に報知開始を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
また、本機構例では、シュレッダー駆動部35は、報知部70(表示部71、音源72)による報知の開始と同時に駆動が開始するように構成しているが、シュレッダー駆動部35は、文書がシュレッダー部24に搬送される時点で駆動状態となっていればよく、報知部70(表示部71、音源72)による報知開始の前後のタイミングで駆動するようにしてもよい。
その後、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、オフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS706)。
一方、上記ステップS703において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合(無回答、廃棄禁止等)は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS707)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。
また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS707で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
尚、本機構例の場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、報知部70(表示部71、音源72)の報知を直ぐに開始したが、報知部70(表示部71、音源72)の報知が別の手段(ボタン等)によって行われるように構成された場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであったときに、報知部70(表示部71、音源72)の報知が規制された状態から規制を解除するように構成してよい。
(第8機構例)
図47は、文書廃棄装置3の第8機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19、シュレッダー部24と、分岐ゲート45を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
分岐ゲート45は、図48に示すように、文書が搬送される経路を、文書がシュレッダー部24に向かうシュレッダー搬送路80と、文書がシュレッダー部24より上方に向かう上方搬送路81とに切換え自在となるように構成されている。尚、本機構例では、分岐ゲート45は、文書がシュレッダー部24より上方に向かう上方搬送路81に切換えられるように構成されているが、シュレッダー部24へと向かわない経路でさえあれば、その他の経路に切換えられるように構成してもよい。(例えば、シュレッダー部24より下方の経路等)また、分岐ゲート45が下方に位置した状態時には、溝部82内に先端部が入るように構成されている。この場合、文書が分岐ゲート45の下に入り込むのを防止することができる。その他の構成は、上述した機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
図49は、文書廃棄装置3の第8機構例を示すブロック図である。
この文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37と、分岐ゲート駆動部49と、を備えている。これらも、上述した機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図50は、文書廃棄装置3の第8機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、ここでは、文書管理装置2の処理について、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS801)、上述したユーザによる文書の差し込みによってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS802)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS803)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、分岐ゲート駆動部49に経路変更を指示し、この指示を受けて分岐ゲート駆動部49が分岐ゲート45による経路変更を開始する。つまり、文書が搬送される経路は、シュレッダー部24より上方に向かう上方搬送路81からシュレッダー部24に向うシュレッダー搬送路80へと切換えられる。(図48参照)(ステップS804)。また、これと同時に、シュレッダー駆動部35の駆動も開始する(ステップS805)。したがって、文書は、シュレッダー搬送路80を経て、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。
尚、上述の機構例のように、分岐ゲート駆動部49に経路変更を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
また、本機構例では、シュレッダー駆動部35は、分岐ゲート駆動部49の経路変更開始と同時に駆動が開始するように構成されているが、シュレッダー部24は、文書が搬送された時点で駆動状態となっていればよく、この前後のタイミングで駆動するように構成してもよい。
その後、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、オフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS806)。
一方、上記ステップS803において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合(無回答、廃棄禁止等)は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS807)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS807で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
尚、本機構例の場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、分岐ゲート駆動部49の経路変更を直ぐに開始したが、分岐ゲート駆動部49の駆動が別の手段(スタートボタン等)によって行われるように構成された場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであったときに、分岐ゲート駆動部49の駆動が規制された状態から規制を解除するように構成しても同様の効果が得られる。
(第9機構例)
図51は、文書廃棄装置3の第9機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19、シュレッダー部24と、ストッパーゲート20を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
ストッパーゲート20は、上述の機構例のものと同じ構成であり、説明は省略する。その他の構成も、上述した機構例と同様の構成であり、説明は省略する。
尚、ストッパーゲート20は、文書の搬送を物理的に止められるものであればよく、この形態に限定されない。(例えば、文書を搬送経路の一方に押圧して文書が搬送されるのを規制するものでもよい)
図52は、文書廃棄装置3の第9機構例を示すブロック図である。
この文書廃棄装置3は上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37と、ストッパー駆動部33と、を備えている。これらも、上述した機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図53は、文書廃棄装置3の第9機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、ここでは、文書管理装置の処理について、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS901)、上述したユーザによる文書の差し込みによってインサートセンサ18がオン状態になると、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS902)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS903)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由で文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄許可を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33にストッパーゲート20を引き上げることを指示し、この指示を受けてストッパー駆動部33がストッパーゲート20を引き上げることを開始する。つまり、ストッパーゲート20は、搬送路を塞いだ状態から、搬送路を開放した状態にする。(ステップS904)。また、これと同時に、シュレッダー駆動部35の駆動も開始する(ステップS905)。したがって、文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。
尚、上述の機構例のように、ストッパー駆動部33に駆動開始を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるかどうかを確認してもよい。また、本機構例では、シュレッダー駆動部35は、ストッパー駆動部33の駆動開始と同時に駆動が開始するように構成されているが、シュレッダー部24は、文書が搬送された時点で駆動状態となっていればよく、この前後のタイミングで駆動するように構成してもよい。
その後、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、オフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS906)。
一方、上記ステップS903において、文書管理装置2から文書の廃棄許可が与えられなかった場合(無回答、廃棄禁止等)は、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS907)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。
また、上記廃棄完了通知を送信した後は、文書廃棄装置3が直ちに待機状態に戻るが、ステップS907で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
尚、本機構例の場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであった場合に、ストッパーゲート20の上方の移動動作を直ぐに開始したが、ストッパーゲート20の上方の移動動作が別の手段(スタートボタン等)によって行われるように構成された場合は、回答(メッセージ)が文書の廃棄許可を与えるものであったときに、ストッパーゲート20の上方移動の動作が規制された状態から規制を解除するように構成してもよい。
ここで、ストッパーゲート20の別の形態と、ストッパー駆動部33の別形態を以下に説明する。
図54は、ストッパーゲート20の別形態を示す概略図である。
(A)に示すストッパーゲート20は、基本的に上述した第4機構例の構成と同じである。異なる点は、搬送路の文書が摺動する摺動面のゲート孔470の下流側(シュレッダー部24側)の部位が傾斜ように傾斜部85が形成された点である。また、この傾斜部85は、ゲート孔470の上流側の部位に比べて低く設定されている。このように構成することで、文書の角がゲート孔470に引っかからないようになっている。
詳しく説明すれば、例えば、ストッパーゲート20及びストッパー部360が四角形状の板部材に一体形成された場合、文書の搬送経路を完全に遮ることを考えれば、この四角形状の板部材に合わせて細長い一つの開口(又は溝)が形成されることになる。その場合には、細長い一つの開口(又は溝)に文書が引っかかる可能性がある。そこで、第4機構例のように、ストッパー部360を柱状に形成し、それに対応した短い開口(又は溝)とすることで、文書の入り込みを防ぐことができる。しかし、種々のサイズの文書が廃棄される文書廃棄装置3においては、短い開口(又は溝)であっても、文書の角が入りこむ可能性があり、本形態のように、ゲート孔470の下流側を、傾斜させる、上流側より低くする等の引っかかりを防止する構成が望まれる。
(B)に示すストッパーゲート20は、搬送路の下流側の一端部が揺動軸87を中心に上下に揺動自在に取り付けられた揺動部86を有している。揺動部86の他端部は、文書と当接する当接面89が形成されており、この当接面89は、搬送経路を遮る状態で、略垂直の垂直面となるように形成されている。これは、文書が当接面89に対しシュレッダー部24の方向に押し込まれた場合に、揺動部86が引っ込んでしまうのを防ぎ、かつ、文書が当接面87に接触した状態で、揺動部86が速やかに引っ込むようにするために、このように形成されている。また、揺動部86が下方に位置したときに、先端部の下端側が溝88内に入り込むように構成され、文書が揺動部86の下方に入り込むことを防止している。
図55は、ストッパーゲート20の別形態を更に示す概略図である。(A)は、ストッパーゲート20を文書の進入方向(正面)から見た概略図であり、(B)は、用紙トレイ17を上方から見た概略図である。
ここでのストッパーゲート20も、基本的に第4機構例のものと同じである。異なる点は、柱状のゲート部360の数が異なり、本形態は、5つの柱状のゲート部360を有している(上記第4機構例は、2つ)。本形態のストッパーゲート20は、種々の定型規格の用紙サイズに対して少なくとも2箇所で止める構成としてある。つまり、ストッパーゲート20の軽量化と、小さなサイズの文書が柱状のゲート部360の間を通らないようにし、更に、安定的に文書の搬送を止めることを考慮した場合に、このような構成が望ましい。
図56は、ストッパー駆動部33の駆動機構の別形態を示す図である。
ストッパー駆動部33は、第4機構例のものと基本的に同じである。異なる点は、L字状のレバー91(第4機構例では作動アーム400)のレバー比が異なる。本形態のL字レバー91は、揺動軸93を中心に揺動自在に構成されており、L1>L2となるようにレバー比が設定されている。このように構成することで、ストッパー駆動部33の駆動力は、拡大されてストッパーゲート20を駆動することとなる。また、L字レバー91以外にも、ギアを介してストッパー駆動部が接続された場合もギア比の設定により駆動力が拡大される。尚、本形態は、ソレノイドを用いたものであるが、モータを駆動源として利用することができる。また、ストッパーゲート20は、下方に押し下げるための、バネが設けられる。このバネは、確実にゲート部が下がった状態となるように設けられるものである。
この形態のストッパーゲート20では、ゲート部360に文書が押し付けられた状態で、ゲート部360をスムーズに移動可能とすることができる。この場合、ストッパー駆動部33が不必要に高出力化されることを防ぐことができる。
また、図57は、文書廃棄装置3の第8機構例と第9機構例両方の機能を持つ別の形態を説明する。
基本的な構成は、第8機構例と同様である。異なる点は、分岐ゲート45の先端部に文書と当接するゲート面100が形成されている点で異なる。また、分岐ゲート45が下方に移動可能となるように搬送路に分岐ゲート開口部101が形成されている。
また、この形態の処理手順においては、図58に示すように、第9機構例と基本的に同様である。異なる点は、ステップS907’の後に、ステップS908がある点で異なる。
つまり、文書の廃棄許可が与えられなかった場合に、分岐ゲート45を下方に移動して搬送経路を上方搬送路81に切換える。この場合、廃棄許可が与えられなかった場合、文書をそのまま押し込めば、文書の搬送が可能となり、文書を取り出しやすくなる。
次ぎに、文書廃棄装置3を、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止するように構成することで、廃棄してはいけない文書が不用意に廃棄されることを防ぐようにした以下の5つの機構例を説明する。
(第10機構例)
図59は、文書廃棄装置3の第10機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー部24とを備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
これらは、基本的に第5機構例と同様の構成であるが、シュレッダー部24とバーコードスキャナ19との間の距離が、第5機構例に比べて長く設定されている点で異なる。
これは、文書が廃棄してはいけない文書の廃棄を防止することに時間がかかるため、防止するまでの時間に文書がシュレッダー24に搬送されないように設定されたものである。その他の構成は、上述した第5機構例と同様であり説明は省略する。
図60は、文書廃棄装置3の第10機構例を示すブロック図である。
文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37とを備えている。これらも、上述した第5機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図61は、文書廃棄装置3の第10機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置2での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1001)、ユーザによる文書の手差しによってインサートセンサ18がオン状態になると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。(ステップS1002)また、これと同時に、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS1003)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が規制されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS1004)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄規制の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄規制を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に停止を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を停止する。尚、シュレッダー部を早期に停止するために、別途、シュレッダー部24にブレーキングを行うものを設けてもよい。したがって、手差しで送られた文書は、シュレッダー部24まで搬送されるまでに、シュレッダー部24が停止するので、文書は、シュレッダー部24に取り込まれることが防止され、そこでシュレッド処理されて細断されることがない。(ステップS1005)。
尚、上述の機構例のように、シュレッダー駆動部35に駆動停止を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄規制を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS1006)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。ステップS1006で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
一方、上記ステップS1004において、文書管理装置2から文書の廃棄規制が与えられなかった場合(無回答、廃棄許可等)、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。そして、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS1007)。
(第11機構例)
図62は、文書廃棄装置3の第11機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー部24と、セットセンサ32と、搬送ロール60と、を備えており、文書をシュレッダー部24に搬送ロール60で送るタイプである。これらは、基本的に第6機構例と同様の構成であるが、シュレッダー部24とバーコードスキャナ19との間の距離が、第6機構例に比べて長く設定されている点で異なる。
図63は、文書廃棄装置3の第11機構例を示すブロック図である。
文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35と、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37、搬送ロール駆動部61とを備えている。これらも、上述した第6機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図64は、文書廃棄装置3の第11機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、セットセンサ32の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1101)、ユーザによる文書の文書トレイ部17への載置によってセットセンサ32がオン状態になると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。(ステップS1102)また、これと同時に、搬送ロール駆動部61に駆動開始を指示し、この指示を受けて搬送ロール駆動部61が搬送ロール60の駆動を開始する。(ステップS1103)そして、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを連続して行う(ステップS1104)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が規制されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS1105)。文書廃棄規制の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄規制の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄規制を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、搬送ロール駆動部61に停止を指示し、この指示を受けて搬送ロール駆動部61が搬送ロール60の駆動を停止する。尚、この停止を早めるために、別途、搬送ロール60のブレーキキングを行うものを備えてもよい。そして、文書がシュレッダー部24に搬送されるまでに、搬送ロール60が停止するので、文書がシュレッダー部24に取り込まれることが防止され、そこでシュレッド処理されて細断されることがない。(ステップS1106)。
尚、上述の機構例のように、搬送ロール駆動部61に駆動停止を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄規制を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35にシュレッダー部24の駆動を停止する指示を行い、シュレッダー部24は停止する。(S1107)また、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS1108)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。また、ステップS1107で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
一方、上記ステップS1105において、文書管理装置2から文書の廃棄規制が与えられなかった場合(無回答、廃棄許可等)、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。そして、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS1109)。
(第12機構例)
図65は、文書廃棄装置3の第12機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部17と、インサートセンサ18と、バーコードスキャナ19と、シュレッダー部24と、報知部70を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
これらは、基本的に第7機構例と同様の構成であるが、シュレッダー部24とバーコードスキャナ19との間の距離が、第7機構例に比べて長く設定されている点で異なる。これは、文書が廃棄してはいけない文書の廃棄を防止することに時間がかかるため、防止するまでの時間に文書がシュレッダー24に搬送されないように設けられたものである。その他の構成は、上述した第7機構例と同様であり説明は省略する。
図66は、文書廃棄装置3の第12機構例を示すブロック図である。
文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37、報知制御部73を備えている。これらも、上述した第7機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図67は、文書廃棄装置3の第12機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1201)、ユーザによる文書の手差しによってインサートセンサ18がオン状態になると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する(ステップS1202)。また、これと同時に、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS1203)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が規制されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS1204)。文書廃棄規制の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄規制の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄規制を与えるものであった場合は、報知制御部73は、報知部70(表示部71、音源72)の報知を開始する。そして、表示部71には、「文書を差し込まないでください」等の廃棄不可ガイダンス表示が行われ、音源72は、文書が廃棄されてはいけないことを知らせるブザー音(音声、規制音等)が発せられ、廃棄してはいけない文書が廃棄されるのを規制するための報知が行われる。
したがって、手差しで送られた文書は、シュレッダー部24まで到達する前に、ユーザに文書が廃棄してはいけないものであることを報知して、文書がシュレッダー部24に取り込まれることが防止され、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断されることを防止する。(ステップS1205)。
尚、上述の機構例のように、報知部70に報知開始を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄規制を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35にシュレッダー部24の駆動を停止する指示を行い、シュレッダー部24は停止する。(S1206)
ステップS1206で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
一方、上記ステップS1204において、文書管理装置2から文書の廃棄規制が与えられなかった場合(無回答、廃棄許可等)、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。そして、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS1207)。
(第13機構例)
図68は、文書廃棄装置3の第13機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、文書トレイ部17、バーコードスキャナ19、シュレッダー部24に加えて、文書の搬送経路を変更する分岐ゲート45を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
これらは、基本的に第8機構例と同様の構成であるが、シュレッダー部24とバーコードスキャナ19との間の距離が、第8機構例に比べて長く設定されている点で異なる。これは、文書が廃棄してはいけない文書の廃棄を防止することに時間がかかるため、防止するまでの時間に文書がシュレッダー24に搬送されないように設けられたものである。その他の構成は、上述した第8機構例と同様であり説明は省略する。
図69は、文書廃棄装置3の第13機構例を示すブロック図である。
この文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37、分岐ゲート駆動部49を備えている。これらも、上述した第8機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図70は、文書廃棄装置3の第13機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置2での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1301)、ユーザによる文書の手差しによってインサートセンサ18がオン状態になると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。(ステップS1302)また、これと同時に、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS1303)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が規制されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS1304)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄規制を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、分岐ゲート駆動部49に経路変更を指示し、この指示を受けて分岐ゲート駆動部49が分岐ゲート45の経路変更を開始する。つまり、分岐ゲート駆動部49が分岐ゲート45を移動に移動させることで、文書が搬送される経路が、シュレッダー部24に向うシュレッド搬送路80から、シュレッダー部24より上方に向かう上方搬送路81へと切り替えられ、文書の廃棄を規制するために、経路の変更が行われる。
したがって、手差しで送られた文書が、シュレッダー部24に到達するまでに、文書の経路が廃棄防止経路に切り替えられ、文書がシュレッダー部24に取り込まれることが防止され、そこでシュレッド処理されて細断されることがない。(ステップS1305)。
尚、上述の機構例のように、分岐ゲート駆動部49に経路変更を指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄規制を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35にシュレッダー部24の駆動を停止する指示を行い、シュレッダー部24は停止する。(S1306)また、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS1307)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。ステップS1307で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
一方、上記ステップS1304において、文書管理装置2から文書の廃棄規制が与えられなかった場合(無回答、廃棄許可等)、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。そして、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS1308)。
(第14機構例)
図71は、文書廃棄装置3の第14機構例を示す概略図である。
この文書廃棄装置3は、文書トレイ部17、バーコードスキャナ19、シュレッダー部24に加えて、文書の搬送経路を遮るストッパーゲート20を備えており、文書を手差しで直接シュレッダー部24に送るタイプである。
これらは、基本的に第9機構例と同様の構成であるが、シュレッダー部24とバーコードスキャナ19との間の距離が、第9機構例に比べて長く設定されている点で異なる。これは、廃棄してはいけない文書の廃棄を防止することに時間がかかるため、防止するまでの時間に文書がシュレッダー24に搬送されないように設定されたものである。その他の構成は、上述した第9機構例と同様であり説明は省略する。
図72は、文書廃棄装置3の第14機構例を示すブロック図である。
この文書廃棄装置3は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル31と、シュレッダー駆動部35、文書廃棄制御部36と、ネットワークインタフェース37、ストッパー駆動部33を備えている。これらも、上述した第9機構例と同様のものであり、説明は省略する。
図73は、文書廃棄装置3の第14機構例で文書を廃棄する際の処理手順を示すフローチャートである。尚、文書管理装置2での処理については、上述の機構例と同様の処理であるため、説明を省略する。
文書廃棄制御部36は、文書廃棄装置3の待機状態のもとで、インサートセンサ18の信号(オンオフ状態)を継続的に監視し(ステップS1401)、ユーザによる文書の手差しによってインサートセンサ18がオン状態になると、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35に駆動開始を指示し、この指示を受けてシュレッダー駆動部35がシュレッダー部24の駆動を開始する。(ステップS1402)また、これと同時に、バーコードスキャナ19に対してバーコードの読み取り指示を与える。そして、この読み取り指示にしたがってバーコードスキャナ19が、文書に印刷されているQRコードの読み取りを行う(ステップS1403)。
次いで、読み取ったQRコードに含まれる文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が規制されているかどうかの問い合わせを文書管理装置2に対して行う(ステップS1404)。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ19で読み取ったQRコードに含まれる文書IDを指定した廃棄規制の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース37からネットワーク4を経由して文書管理装置2宛に送信することにより行う。
そして、回答メッセージが文書の廃棄規制を与えるものであった場合は、文書廃棄制御部36は、ストッパー駆動部33にストッパーゲート20の下方移動を指示し、この指示を受けてストッパー駆動部33がストッパーゲート20の下方移動の指示を行い、ストッパーゲート20は、文書の廃棄を規制するために、下方に移動し、搬送路を塞ぐ。
したがって、手差しで送られた文書は、シュレッダー部24に搬送されるまでに、ストッパーゲート20が下方に移動するので、文書が、ュレッダー部24に取り込まれることが防止され、そこでシュレッド処理(廃棄処理)されて細断されることがない。(ステップS1405)。尚、上述の機構例のように、ストッパー駆動部33に引き下げを指示する前に、回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置3)からの問い合わせに対して文書の廃棄規制を与えるものであるかどうかを確認してもよい。
その後、文書廃棄制御部36は、シュレッダー駆動部35にシュレッダー部24の駆動を停止する指示を行い、シュレッダー部24は停止する。(S1406)また、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを操作パネル31に表示する等の文書の廃棄が許可されていない旨の報知を行う(ステップS1407)。廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「この文書の廃棄は○○の理由で禁止されています。文書を引き抜いてください。」などが考えられ、理由を付加して報知することが望ましい。ステップS1407で廃棄不許可ガイダンスを表示した後は、インサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わった後(ユーザが文書トレイ部17から文書を取り出した後)に文書廃棄装置3が待機状態に戻る。
一方、上記ステップS1404において、文書管理装置2から文書の廃棄規制が与えられなかった場合(無回答、廃棄許可等)、手差しで送られた文書は、そのままシュレッダー部24に搬送され、取り込まれ、そこで細断される。そして、文書の後端がインサートセンサ18のセンシング位置を通過し、これによってインサートセンサ18がオン状態からオフ状態に切り替わると、文書廃棄制御部36は、インサートセンサ18がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的には文書の後端がシュレッダー部24に取り込まれて文書全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置2に送信する(ステップS1408)。
<本発明の作用効果>
以上、文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例の具体例を示したが、以下に、文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例の作用効果を説明する。
文書廃棄装置3は、文書が、廃棄してよいものか否かが判定され、その判定結果に応じて廃棄処理が行われるため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防ぐことが可能である。(文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例)
文書に付された文書IDを指定して文書管理装置に文書を廃棄してよいか否か問い合わせ、この問い合わせに対する回答内容に応じてから廃棄処理が行われるため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防ぐことができる。
また、例えば、文書の保管の過程で、文書を廃棄してよいか否かの情報が変更された場合であっても、この情報を変更さえすればよく、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを、廃棄される時点においてより確かな情報で防ぐことができる。(文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例)
一方で、文書を廃棄してよいか否かを文書廃棄装置3自体が判定する場合、判定を行なう判定手段の判定結果に基づいて文書の廃棄処理が行われるため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防ぐことができる。
また、文書に付された属性情報に基づいて判定を行う場合、判定結果に応じて文書の廃棄処理が行われるため、比較的簡単な構成で、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防ぐことができる。
さらに、文書に付された文書IDを指定して文書管理装置3に文書の属性情報(期間情報等)を問い合わせ、送られる属性情報に基づいて判定する場合、判定結果に応じて文書の廃棄処理が行われるため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防ぐことができる。
文書を廃棄しない状態を基本としている場合、この廃棄しない状態から、文書が廃棄してもよい場合にだけ、文書の廃棄処理が行われるように構成されており、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。また、例えば、文書が廃棄してもよいものか否かを判定する判定手段が故障してダウンしてしまった場合でも、廃棄しないことを基本としていることから、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止できる。(文書廃棄装置3の第1乃至第9の機構例)
文書が廃棄してもよいものである場合にだけ、文書の裁断を行うシュレッダー部24が駆動するように構成されるため、廃棄してはいけない文書はシュレッダー部24の駆動が行われず、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防ぐことができる。(文書廃棄装置3の第1乃至第5の機構例)
文書が廃棄してもよいものである場合にだけ、搬送ロール60が駆動するように構成されるため、廃棄してはいけない文書は搬送ロール60が駆動せず、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。(文書廃棄装置3の第6機構例)
文書が廃棄してもよいものである場合にだけ、文書を廃棄する旨の報知が行われるため、廃棄してはいけない文書は報知が行われず、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。(文書廃棄装置3の第7機構例)
文書の廃棄が規制された状態を基本としている場合、文書が廃棄してよい場合にだけ、文書の廃棄が規制された状態から、この規制が解除された状態になるため、廃棄してはいけない文書は廃棄が規制され、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3の第8及び第9の機構例)
文書が廃棄してもよいものである場合にだけ、文書の分岐ゲート45を、文書が廃棄可能な搬送経路に変更するように構成したため、廃棄してよい文書だけが廃棄が可能となり、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3の第8機構例)
文書が廃棄してもよいものである場合にだけ、文書の搬送経路を遮るストッパー下と20を、文書が廃棄可能となるようにストッパーゲート20を移動させるように構成したため、廃棄してよい文書だけが廃棄が可能となり、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。
また、例えば、ユーザが文書を廃棄しようとした場合に、搬送経路を塞ぐゲート部を目視で認識できる、又は、ユーザが文書を搬送経路に差し入れる際に文書がゲート部に突き当たる等により、文書の廃棄が規制された状態を基本としていることをユーザが認識でき、文書が廃棄できないことによるユーザへの違和感を抑制することができる。(文書廃棄装置3の第9機構例)
ストッパーゲート20が、文書が廃棄されることを規制した状態では、ゲート部が下方に位置し、文書が廃棄されることを許容した状態では、ゲート部が上方に位置するように、ゲート部を移動させることから、文書が廃棄されることを規制した状態が基本となる場合において、ゲート部の自重で当該ゲート部が搬送経路を遮ることができるため、例えば、ゲート手段が故障した場合であっても、ゲート部が自重で搬送経路を遮る状態となり、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3の第9機構例)
ゲート部360が上方に位置した状態から下方に移動することで搬送経路を遮るものであった場合に、搬送経路の文書の摺動面とゲート部360の隙間を文書がすり抜ける可能性があるが、ゲート部が下方に位置した状態で、ゲート部360の下端部が搬送経路の文書の摺動面を越えるように構成されるため、文書がゲート部と搬送経路の摺動面をすり抜けることを防止することができ、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3の第9機構例)
ゲート部360が上下に揺動自在に設けられるため、ゲート部360が搬送経路を遮るのを解除する動作を、比較的簡単な構成で速くすることができ、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止しつつ、規制解除の動作を速くすることができる。(文書廃棄装置3の第9機構例)
ゲート部360は、駆動力を拡大する駆動力拡大機構を介して駆動手段が連結されるため、例えば、文書がゲート部に押し付けられた状態であっても、ゲート部360を良好に移動することができ、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止しつつ、規制の解除を確実に行うことができる。(文書廃棄装置3のび第9機構例)
文書が廃棄してはいけない場合に、文書が廃棄されることを規制するため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。(文書廃棄装置3のび第10乃至第14機構例)
文書が廃棄してはいけないものである場合に、シュレッダー部24の駆動が停止するようになっているため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3のび第10機構例)
文書が廃棄してはいけないものである場合に、搬送ロール60の駆動が停止するようになっているため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることをより確実に防止することができる。(文書廃棄装置3のび第11機構例)
文書が廃棄してはいけないものである場合に、報知部70が文書を廃棄してはいけない旨を報知するため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。(文書廃棄装置3のび第12機構例)
文書が廃棄してはいけないものである場合に、分岐ゲート45が文書の搬送経路を文書の廃棄が不可能な搬送経路に変更するようになっているため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。(文書廃棄装置3のび第13機構例)
文書が廃棄してはいけないものである場合に、文書の搬送経路が、該文書が廃棄不可能となるようにストッパーゲート20が搬送経路を遮るようになっているため、廃棄してはいけない文書が廃棄されることを防止することができる。
また、ユーザが文書を廃棄しようとした場合に、搬送経路を塞ぐストッパーゲート20を目視で認識できる、又は、ユーザが文書を搬送経路に差し入れる際に文書がストッパーゲート20に突き当たる等により、文書の廃棄が規制されていることをユーザが認識でき、文書が廃棄できないことによるユーザへの違和感を少なくすることが可能である。(文書廃棄装置3の第14機構例)
廃棄してはいけない文書が廃棄できない場合に、操作パネル31に表示する等の文書が廃棄許可されていない旨の報知を行うので(廃棄不可報知手段)、ユーザは、文書が廃棄できないことによって違和感を覚えることを抑制することができる。(文書廃棄装置3の第1乃至第14機構例)
以上、説明した文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例は、全て、文書の廃棄をシュレッダー部24によるシュレッド処理(裁断)で行われているが、必ずしもシュレッダー部24が必要ではない。つまり、図74に示すように、シュレッダー部24の代わりに、鍵1001が掛けられる等によって、文書の情報漏洩が起こらないように管理された廃棄ボックス1000を設けてもよい。つまり、業者等が、廃棄ボックス1000に溜まった文書を情報漏洩しないように責任を持って廃棄を行う場合にも適用可能である。つまり、本願発明は、文書の情報漏洩が起こらないように廃棄を行う廃棄処理手段があればよい。
また、文書を廃棄してよいか否かを判定するのに、バーコードスキャナ19によって、文書に印刷されたQRコードから文書IDを読み取り、読み取った文書IDを指定して文書の廃棄許可を文書管理装置2に問い合わせて、この問い合わせに対する回答が廃棄許可であった場合に、文書を廃棄してよいと判定しているが、本願発明は、これに限定されることはない。
つまり、文書廃棄装置3は、文書管理装置3とネットワークを介して接続された文書管理装置2に文書IDを送信し、文書管理装置2は、この文書IDを基に、文書が廃棄してよいものか否かを判定するのに必要な情報を読み出して、この情報を文書管理装置3に送信して、文書管理装置は、この送られた情報を基に、文書の廃棄可否の判定を行ってもよい。
また、文書廃棄装置3自らが、文書が廃棄してもよいものか否かを判定するのに必要な情報をネットワーク4経由で検索し読み出して、自らが判定するようにしてもよい。
その他、種々の判定の仕方が考えられるが、文書が廃棄してもよいものか否かが判定できさえすれば、基本的にどのように構成しても本発明に適応することができる。
また、文書廃棄装置3は、ネットワーク4に接続されているが、ネットワーク4に接続しないで行うことも可能である。例えば、QRコードに、文書が廃棄してもよいものか否かを判定するのに必要な情報、つまり、期間情報や金額等の管理情報が記憶されておけばよい。その場合に、例えば、図75に示すブロック図のように、属性判定部2000を備えた構成が考えられる。つまり、属性判定部2000は、属性情報を読み取る属性情報読取部2001と、この属性情報読取部2001で読み取った文字やバーコードなどの画像を解析する解析部2002と、この解析部2002で解析した情報(文書の保存期間等)を記憶する記憶部2004と、現在の時刻を示す時計部2005と、現在の時刻と保存期間等から文書の廃棄の可否を判定する判定部2003とを備えた場合、QRコードから読み取った期間情報と時計部2005とを判定部2003で比較することで、文書を廃棄してよいか否かを判定することができる。尚、この属性判定部2000は、上述の文書廃棄装置3の第1乃至第14の機構例に適応可能である。
また、本願発明は、文書IDと関連付けられた期間で管理しているが、期間に限定されるものではない、例えば、請求書等の金額、承認者、作成した作成者、種々の条件(管理情報)によって、文書を廃棄してよいか否かを判断するようにしてもいい。
特に、原本は、金額に応じて保存期間が決められており、また、金額に応じて廃棄してはいけないものがある。したがって、保存期間、金額、といった条件で、文書を廃棄してよいか否かを判定することが有用である。
また、本実施形態の一形態として、廃棄対象が文書である例を取り上げたが、本発明は、廃棄対象となるものが文書に限定されることなく、CD、DVD等の記録メディアを始め、種々の記録媒体でも適応が可能である。
また、本実施形態の一形態として、文書(記録媒体)に文書ID(識別番号)等の情報を付すのに、文書に印刷したQRコードを用いたが、本願発明は、これに限定されることはなく、文書IDを表す数字や記号などを文書に直接印刷してもよいし、ウォーターマーク、紙指紋等の技術を利用してもよい。また、文書に対する文書ID(識別番号)の付加は印刷だけに限らず、例えば、ラベルの貼り付けや文書ID(識別番号)を記憶させた小型のRFIDなどを埋め込んでもよい。また、文書(記録媒体)に付される情報は、文書IDだけに限定されるものではなく、用紙を特定する用紙IDを文書に付加してもよく、この場合には用紙IDを文書IDと関連付けて管理するようにすればよい。また、管理期間等の管理情報を上述の技術で直接文書に(記録媒体)に付加してもよい。