以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る文書管理システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係る文書管理システム10は、文書生成装置12と、文書管理装置14と、文書廃棄装置16とを備えている。
文書生成装置12、文書管理装置14、及び文書廃棄装置16は、それぞれネットワーク18を介して互いに接続されている。
文書生成装置12は、詳細は後述するが、複数のページからなる文書毎に、文書を識別するための識別情報としての文書IDが、各ページに付加された文書(紙文書)を生成する。また、文書生成装置12は、特定のページ、例えば文書の表紙(すなわち1ページ目)に、対応する文書の総ページ数を示す総ページ数情報、及び対応する文書の表紙であること(すなわち付加された文書IDにより特定される文書の文書中に含まれるページであること)を示す文書中情報が付加された文書を生成する。また、文書の2ページ目以降、すなわち本文に、文書ID、及びこの文書IDにより特定される文書の文書中に含まれるページであることを示す文書中情報が付加された文書を生成する。なお、各ページに付加される文書IDは、同一の文書であれば、同一のものとなる。
文書管理装置14は、文書生成装置12によって生成された文書に関して、種々の管理処理を行う。
文書廃棄装置16は、文書生成装置12によって生成された文書や他の文書の廃棄処理を行う。
図2は文書生成装置12の構成を示す図である。文書生成装置12は、例えば、デジタル複写機やデジタル複合機(多機能型複写機)等を用いて構成される。この文書生成装置12は、操作パネル20と、画像読取部22と、画像処理部24と、画像出力部26と、文書生成制御部28と、ネットワークインタフェース30とを含んで構成されている。
操作パネル20(文書生成装置12用)は、文書生成装置12を使用するユーザが各種の情報を入力したり、ユーザに対して各種の情報を表示したりするためのユーザインタフェースである。操作パネル20は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とを含んで構成される。
画像読取部22は、読み取り対象となる原稿の画像を光学的に読み取る。この画像読取部22では、透明な原稿台(プラテンガラス)(図示せず)にセットされた原稿面に光を照射して、当該原稿面からの反射光をミラー、レンズ等の結像光学系(図示せず)を介して読み取りセンサ(CCDセンサ等、図示せず)の受光面で結像させることにより、原稿画像に対応した画像データ(スキャンデータ)を生成する。その際、原稿面は、結像光学系の移動によって読み取り走査される。
画像処理部24は、画像読取部22で生成された原稿の画像データに所定の画像処理(例えば、色変換、色補正、階調補正、拡大縮小、画像回転、スクリーン生成などの処理)を施す。
画像出力部26は、画像処理部24で画像処理された画像データを用紙等の記録媒体に印刷出力する。この画像出力部26は、例えば、電子写真方式に基づいて画像データの印刷を行う。
文書生成制御部28は、文書生成に係る種々の処理動作を制御する。この文書生成制御部28は、予め与えられた制御プログラムにしたがって、操作パネル20、画像読取部22、画像処理部24、及び画像出力部26の各処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース30は、文書生成装置12がネットワーク18上で他の装置(文書管理装置14、文書廃棄装置16を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース30を用いたデータの送受信は、文書生成制御部28によって制御される。
図3は文書管理装置14の構成を示すブロック図である。文書管理装置14は、例えばパーソナルコンピュータを含んで構成されている。この文書管理装置14は、ユーザインタフェース部(UI部)32と、OS等の基本プログラムが記憶された記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)36と、各種処理ルーチンを実行するためのプログラム及び種々のデータが記憶された記憶媒体としてのHDD(Hard Disk Drive)38と、プログラムをROM36及びHDD38から読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)40と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)42と、I/O(入出力)ポート44と、ネットワークインタフェース46とを含んで構成されている。これらROM36、HDD38、CPU40、RAM42、及びI/Oポート44は互いにバス48で接続されている。I/Oポート44には、ユーザインタフェース部32及びネットワークインタフェース46が接続されている。
ユーザインタフェース部32は、文書管理装置14を使用するユーザが各種の情報を入力したり、ユーザに対して各種の情報を表示したりするためのユーザインタフェースである。このユーザインタフェース部32は、例えば、キーボード、マウス等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成される。
CPU40は、プログラムをROM36及びHDD38から読み出して実行することにより、各種処理を実行する。例えば、CPU40は、画像データ(スキャンデータ)に含まれるバーコードを解析してデコード処理を行う。ここで、CPU40によって解析されるバーコードは、文書生成装置12でバーコード付きの文書の画像を読み取ったときに得られる画像データに含まれるバーコードである。このバーコードは、少なくとも文書IDを含む情報となる。一般に、バーコードは、一次元方向にのみ情報をもつ一次元バーコードと、二次元方向に情報をもつ二次元バーコードに大別されるが、本発明を実施するにあたってはどちらも利用可能である。本実施形態では、一例として、二次元バーコードの一種で、一般に普及しているQRコード(登録商標)を用いることとする。
また、CPU40は、例えば、HDD38に蓄積されたデータの検索を行う。
また、CPU40は、文書管理に係る種々の処理動作を制御する。例えば、CPU40は、読み込んだ制御プログラムにしたがって、ユーザインタフェース部32の処理動作を制御する。
ネットワークインタフェース46は、文書管理装置14がネットワーク18上で他の装置(文書生成装置12、文書廃棄装置16を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース46を用いたデータの送受信は、CPU40によって制御される。
図4は、文書廃棄装置16の機構を示す概略図である。この文書廃棄装置16は、例えばシュレッダー装置を用いて構成されるもので、文書トレイ部50と、インサートセンサ52と、バーコードスキャナ54と、ストッパーゲート56と、フィードロール58、60と、パスセンサ62と、シュレッダー部64と、セットセンサ66と、引き込みロール68と、分離部材70と、分岐ゲート72と、排出ロール74と、排出トレイ部76と、一時保管トレイ部78と、引き込みロール79と、分岐ゲート80と、排出ロール82と、カウントセンサ83と、排出トレイ部84とを備えている。
文書トレイ部50は、廃棄の対象となる文書が載置される部分である。文書トレイ部50は、ストッパーゲート56に向かって徐々に低位となるように、水平面に対して斜めに傾斜した状態で形成されている。文書トレイ部50の奥側(低位側)は、上述したインサートセンサ52、バーコードスキャナ54、ストッパーゲート56、フィードロール58、セットセンサ66、引き込みロール68、分離部材70とともに、図示しないカバー部材によって覆い隠されている。
インサートセンサ52は、文書トレイ部50上の所定の位置に文書が挿入されたことを検知するものである。ここで、「所定の位置」とは、QRコードが印刷された文書のページを正規の向きで挿入した場合に、バーコードスキャナ54によるコード読み取りエリアE(図5参照)内にQRコードが配置される位置、つまり文書の各ページに印刷されたQRコードをバーコードスキャナ54で読み取ることができる位置をいう。インサートセンサ52は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されており、当該インサートセンサ52のセンシング位置にページが存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となる。
バーコードスキャナ54は、レンズ86及びエリアセンサ88を含んで構成されている。バーコードスキャナ54は、廃棄対象となる文書のバーコード記録部分に対して、図示しない光源から照射された光の反射光を、レンズ86を介してエリアセンサ88で受光することにより、バーコードの画像をエリアセンサ88に取り込む構成となっている。なお、バーコード記録部分とは、文書の面内で、文書IDを情報の1つとして含むバーコードが記録される部分をいい、その位置(領域)は文書のページのコーナー部分で寸法的に予め規定されている。
ストッパーゲート56は、例えば長尺状の板状構造をなすもので、インサートセンサ52とフィードロール58との間に設けられている。ストッパーゲート56は、フィードロール58、60によって形成される文書搬送路の入口部分で、当該文書搬送路を開閉するものである。ストッパーゲート56を閉じた状態では、文書トレイ部50からフィードロール58に至る文書の通路を遮断するように、ストッパーゲート56が通路上に突出した状態で配置される。したがって、文書トレイ部50に載置した文書を奥側に挿入すると、当該文書の先端がストッパーゲート56に突き当たる。このため、ストッパーゲート56を閉じておけば、ユーザによって不用意に文書が差し込まれた場合でも、ストッパーゲート56との突き当てによって装置内への文書の取り込みを阻止することができる。また、ストッパーゲート56との突き当てによって文書に無用な傾きや回転力が作用しないように、文書の幅方向(文書挿入方向と直交する方向)において、ストッパーゲート56が少なくとも2点又は全幅で文書に突き当たる構成を採用することが望ましい。これに対して、ストッパーゲート56を開いた状態では、文書トレイ部50からフィードロール58に至る文書の通路から退避するように、ストッパーゲート56が通路上から引っ込んだ状態で配置される。したがって、文書トレイ部50に載置した文書を奥側に差し込むようにすると、当該文書のページの先端がフィードロール58のニップ(狭持)部分に突き当たる。
図5は文書トレイ部50を上方から見た図である。文書トレイ部50には、文書90を手差しで差し込むときの挿入方向(矢印方向)に対して、その両側に挿入ガイド91、92が設けられている。各々の挿入ガイド91、92は、文書の差し込み(挿入)方向と平行なガイド面91A、92Aを有している。このうち、挿入ガイド91は固定状態で設けられているが、挿入ガイド92は必要に応じて文書の幅方向(図5の上下方向)に移動可能に設けられている。廃棄の対象となる文書90は、その先端側コーナー部分にバーコード記録部分93を配置する向きで文書トレイ部50を矢印方向に差し込まれる。このとき、差し込み方向と直交する方向で文書90の位置を決めるために、文書90の一方の側端を挿入ガイド91のガイド面91Aに当接させて沿わせる。
これにより、ユーザの手差しによって文書90の先端をストッパーゲート56に突き当てた状態では、バーコードスキャナ54によるコード読み取りエリアE内にバーコード記録部分93が位置決め配置される。また、文書の差し込み方向において、インサートセンサ52はストッパーゲート56の手前(直近)に配置されている。このため、ユーザによって手差しされた文書90の先端がストッパーゲート56に突き当たるときには、その直前でインサートセンサ52がオフ状態からオン状態に切り替わる。このことから、インサートセンサ52がオンするタイミングは、文書90のバーコード記録部分93がコード読み取りエリアE内に配置されるタイミングを示すものとなる。
フィードロール58は、ストッパーゲート56の開放によって差し込まれた文書のページをニップ(挟持)しつつ回転することにより、当該文書のページを文書搬送路に沿って搬送する。なお、文書搬送路は、図示しない搬送案内部材(シュート等)を用いて形成されている。
フィードロール60は、引き込みロール79によってフィードロール60側に引き込まれた文書のページをニップしつつ回転することにより、当該文書のページを文書搬送路に沿ってシュレッダー部64へと搬送するものである。
パスセンサ62は、フィードロール60からシュレッダー部64に至る文書搬送路の途中(ほぼ中間点)に設けられており、フィードロール60からシュレッダー部64に至る文書搬送路の途中で文書のページの通過を検知する。パスセンサ62は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されている。なお、パスセンサ62のセンシング位置にページが存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となる。したがって、パスセンサ62のセンシング位置を文書のページの先端が通過すると、それと同時にパスセンサ62がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、パスセンサ62のセンシング位置を文書のページの後端が通過すると、それと同時にパスセンサ62がオン状態からオフ状態に切り替わる。
シュレッダー部64は、フィードロール60によって送り込まれた文書のページを一方向(矢印方向)に引き込みながら細断(シュレッド)する。このシュレッダー部64は、複数枚のページ(例えば、A4サイズの普通紙で20枚程度の束)を一括でシュレッド処理(廃棄処理)することが可能である。また、シュレッダー部64は、ステープル針でステープル処理された文書であっても、そのままの状態(ステープル針を外さない状態)でシュレッド処理することが可能である。
セットセンサ66は、文書トレイ部50に文書がセット(載置)されているかどうかを検知する。セットセンサ66は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されている。セットセンサ66のセンシング位置に文書のページが存在するときにオン状態、存在しないときにオフ状態となる。
引き込みロール68は、文書トレイ部50にセットされた文書のページを自動送りで搬送するために、文書の各ページを最上位から順にストッパーゲート56側に引き込むものである。
分離部材70は、引き込みロール68による文書のページの引き込みが一枚ずつ順に行われるように文書のページ同士を分離するものである。
分岐ゲート72は、フィードロール58の下流側で二股状に分かれた文書搬送路の分岐部分で、文書搬送路に沿って搬送される文書のページの進行方向を切り替える。すなわち、分岐ゲート72は、フィードロール58によって搬送される文書のページの進行方向を、一時保管トレイ部78に向かう第1の方向と、排出ロール74に向かう第2の方向のいずれか一方に切り替える。
排出ロール74は、文書のページを排出トレイ部76に排出するものである。排出トレイ部76は、排出ロール74によって排出された文書のページを順に重ねた状態で収容するものである。
一時保管トレイ部78は、フィードロール58によって搬送された文書のページを一時的に保管するための複数のトレイ(例えば3個)を含んで構成されている。これにより、一時保管トレイ部78には、文書のページが一時的に保管される。
また、一時保管トレイ部78には、一時保管トレイ部78のトレイに一時的に保管された文書のページの枚数が所定値を超えたか否かを判断するためのカウントセンサ81がトレイ毎に設けられている。カウントセンサ81は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されている。カウントセンサ81のセンシング位置にページが存在するときに、オン状態、存在しないときにオフ状態となる。なお、オン状態のときには、トレイに保管されたページの枚数が所定値を超えたと判断することが可能であり、オフ状態のときには、トレイに保管されたページの枚数が所定値以下であると判断することが可能である。
引き込みロール79は、一時保管トレイ部78に保管された文書のページを自動送りで搬送するために、文書の各ページをまとめて、分岐ゲート80による進行方向の切り替えにしたがって、フィードロール60側または排出ロール82側に引き込むものである。
分岐ゲート80は、引き込みロール79の下流側で二股状に分かれた文書搬送路の分岐部分で、文書搬送路に沿って搬送される文書のページの進行方向を切り替える。すなわち、分岐ゲート80は、引き込みロール79によって搬送される文書のページの進行方向を、フィードロール60に向かう第3の方向と、排出ロール82に向かう第4の方向のいずれか一方に切り替える。
排出ロール82は、文書のページを排出トレイ部84に排出するものである。排出トレイ部84は、排出ロール82によって排出された文書のページを順に重ねた状態で収容するものである。
カウントセンサ83は、一時保管トレイ部78から排出された文書のページの枚数をカウントするためのものである。カウントセンサ83は、一時保管トレイ部78の文書のページの排出側に設けられている。カウントセンサ83は、例えば発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサによって構成されている。カウントセンサ83のセンシング位置にページが存在するときに、オン状態、存在しないときにオフ状態となる。これにより、例えば、オン状態からオフ状態に切り替わったことによって文書のページの枚数をカウントすることが可能である。
図6は、文書廃棄装置16の構成を示すブロック図である。文書廃棄装置16は、上述した各々の構成要素の他に、操作パネル100と、引き込み駆動部101と、ストッパー駆動部102と、ロール駆動部104と、分岐ゲート駆動部106と、シュレッダー駆動部108と、一時保管トレイ駆動部110と、文書廃棄制御部112と、ネットワークインタフェース114とを備えている。
操作パネル100(文書廃棄装置16用)は、文書廃棄装置16を使用するユーザによって操作されるものである。操作パネル100は、例えば、操作用のボタン(例えば、スタートボタン、ストップボタンなど)と、文書廃棄装置16の動作状態や操作用のガイダンス(案内メッセージ)を含む各種のメッセージを表示する表示パネルとを用いて構成されている。
引き込み駆動部101は、上述した引き込みロール68、79を昇降動作させたり回転動作させたりするものである。引き込み駆動部101は、例えばロール昇降動作のための電磁プランジャ及びロール回転動作のためのモータを駆動源として構成することが可能である。
ストッパー駆動部102は、上述したストッパーゲート56を開閉(出没)動作させるものである。ストッパー駆動部102は、例えば電磁プランジャを駆動源として構成することが可能である。
ロール駆動部104は、上述したフィードロール58、60、排出ロール74、82を回転動作させるものである。ロール駆動部104は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
分岐ゲート駆動部106は、上述した分岐ゲート72、80を切り替え動作させるものである。分岐ゲート駆動部106は、例えば電磁プランジャを駆動として構成することが可能である。分岐ゲート駆動部106は、通常時は、文書のページの進行方向が第1の方向(一時保管トレイ部78に向かう方向)となるように分岐ゲート72を動作させ、文書廃棄制御部112から切り替え指示があったときは、文書のページの進行方向が第2の方向(排出ロール74に向かう方向)となるように分岐ゲート72を動作させる。また、分岐ゲート駆動部106は、通常時は、文書のページの進行方向が第3の方向(フィードロール60に向かう方向)となるように分岐ゲート80を動作させ、文書廃棄制御部112から切り替え指示があったときは、文書のページの進行方向が第4の方向(排出ロール82に向かう方向)となるように分岐ゲート80を動作させる。
シュレッダー駆動部108は、上述したシュレッダー部64を回転駆動するものである。シュレッダー駆動部108は、例えばモータを駆動源として構成することが可能である。
一時保管トレイ駆動部110は、上述した一時保管トレイ部78の複数のトレイの各々を駆動させるためのものである。一時保管トレイ駆動部110は、例えば電磁プランジャを駆動源として構成することが可能である。
ネットワークインタフェース114は、文書廃棄装置16がネットワーク18上で他の装置(文書生成装置12、文書管理装置14を含む)とデータの送受信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース114を用いたデータの送受信は、文書廃棄制御部112によって制御される。
文書廃棄制御部112は、文書廃棄に係る種々の処理動作を制御するものである。この文書廃棄制御部112は、OS等の基本プログラムが記憶された記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)112a、以下で詳細を説明する文書保管処理ルーチンを実行するためのプログラム、以下で詳細を説明する文書廃棄処理ルーチンを実行するためのプログラム、各種処理ルーチンを実行するためのプログラム、及び種々のデータが記憶された記憶媒体としてのHDD(Hard Disk Drive)112b、プログラムをROM112a及びHDD112bから読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)112c、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)112d、I/O(入出力)ポート112e等を含んで構成されたマイクロコンピュータで構成されており、これらROM112a、HDD112b、CPU112c、RAM112d、及びI/Oポート112eは互いにバス112fで接続されている。
I/Oポート112eには、インサートセンサ52、バーコードスキャナ54、パスセンサ62、セットセンサ66、カウントセンサ81、カウントセンサ83、操作パネル100、引き込み駆動部101、ストッパー駆動部102、ロール駆動部104、分岐ゲート駆動部106、シュレッダー駆動部108、一時保管トレイ駆動部110、及びネットワークインタフェース114が接続されている。
CPU112cは、読み込んだプログラムにしたがって、インサートセンサ52、バーコードスキャナ54、パスセンサ62、セットセンサ66、カウントセンサ81、カウントセンサ83、操作パネル100、引き込み駆動部101、ストッパー駆動部102、ロール駆動部104、分岐ゲート駆動部106、シュレッダー駆動部108、一時保管トレイ駆動部110、及びネットワークインタフェース114の各処理動作を制御する。
続いて、上記構成からなる文書管理システム10を用いた文書管理の方法について説明する。まず、本発明で取り扱う文書は、1つずつ固有の文書IDを割り当てて文書生成装置12により生成される。なお、本実施の形態では、表紙(1ページ目)と、本文(2ページ目以降)との複数のページから構成されている文書を例にあげて以下説明する。また、文書IDは、数字のみで構成してもよいし、数字やアルファベット、記号などを適宜組み合わせて構成してもよい。
まず、文書の雛形となるバーコード付きの文書データ(電子データ)を文書生成装置12に入力し、その文書データを画像出力部26で用紙(画像形成媒体)に印刷出力することにより、例えば、図7(A)に示すように文書200の表紙(1ページ目)202のコーナー部分に、当該文書200に割り当てられた当該文書200を識別するための識別情報としての文書ID、当該文書200の総ページ数を示す総ページ数情報、及び当該文書200の表紙であること(すなわち付加された文書IDによって特定される文書200の文書中に含まれるページであること)を示す文書中情報を含むQRコード120が付加されると共に、図7(B)に示すように文書200の本文(2ページ目以降)の各ページ204のコーナー部分に、当該文書200に割り当てられた当該文書200を識別するための識別情報としての文書ID、及び当該文書200の文書中に含まれるページであることを示す文書中情報を含むQRコード122が付加された文書200が生成される。
文書データは、例えば、文書管理装置14で作成し、この文書管理装置14からネットワーク18を経由して文書生成装置12に入力してもよいし、別途、文書データ作成用のサーバ装置で作成し、このサーバ装置からネットワーク18を経由して文書生成装置12に入力してもよい。
こうして文書200を生成したら、この文書200を文書生成装置12の原稿台にセットして、文書200の各ページの画像を画像読取部22で読み取る。そうすると、画像読取部22で読み取られた文書200の各ページの画像データは、ネットワーク18を経由して文書管理装置14に送信される。
文書生成装置12から文書200の各ページの画像データ(スキャンデータ)を受け取った文書管理装置14では、その各ページの画像データを文書毎にHDD38に蓄積(記憶)するとともに、その各ページの画像データに含まれるQRコードの画像を解析することにより、表紙202(または本文の各ページ204)から当該文書200に割り当てられた文書IDのデコード情報を取得する。こうして取得した文書IDは、文書管理装置14のCPU40の処理によって、詳細を以下で説明する文書管理テーブルに登録される。この文書管理テーブルは、HDD38内に作成されるものである。
図8は文書管理テーブルの一例を示す図である。同図に図示されるように、文書管理テーブル300には、文書ID302と、文書生成日時304と、文書保管期間306と、文書廃棄日時308が、互いに対応付けて登録されるようになっている。文書生成日時304及び文書廃棄日時308を登録する場合、それぞれの時刻は、ネットワーク18を経由してインターネット上の時刻配信サーバ又は時刻認証サーバから取得した標準時刻を用いることが望ましい。文書ID302は、CPU40での解析処理によりQRコードをデコードして得られたものを登録してもよいし、上述したバーコード付きの文書データを文書管理装置14又は他のサーバ装置で作成するときに、文書管理装置14自身が文書に割り当てたものや、他のサーバ装置が文書に割り当てたものを登録してもよい。
文書生成日時304は、文書が生成された日時を示すものである。本実施形態では、文書生成装置12が文書200から読み取った画像データを文書管理装置14宛に送信した日時、又は文書生成装置12から送信された文書の画像データを文書管理装置14で受信した日時を「文書生成日時」として登録するものとする。
文書保管期間306は、文書の保管期間を日時で示すものである。文書管理テーブル300に文書ID302が登録された文書は、文書保管期間が過ぎるまで保管しておく必要がある。ただし、文書保管期間306が「指定なし」で登録されている場合は、いつでも廃棄可能な扱いとなり、文書保管期間306が「永久」で登録されている場合は、常に廃棄不可の扱いとなる。
また、例えば、文書200の各ページに付加したQRコードの中に、文書IDの情報に加えて、文書保管期間を設定するための情報を収納しておけば、CPU40の解析処理によるデコード情報から文書保管期間を自動的に設定することが可能である。具体的には、文書200の文書保管期間を6年間で指定する情報をQRコードに収納することにより、文書200の生成日時から起算して6年目の日時を文書保管期間に設定することが可能である。
さらに、文書管理装置14が備えるユーザインタフェース部32を用いて、ユーザの手入力(マニュアル操作)で文書管理テーブル300の文書保管期間306を設定又は変更することも可能である。
文書廃棄日時308は、文書が廃棄された日時を示すものである。文書の廃棄は、文書廃棄装置16によって行われる。このため、文書管理テーブル300の文書廃棄日時308は、文書廃棄装置16から文書管理装置14に対して、文書の廃棄を行った文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の通知(以下、「廃棄完了通知」とも記す)があった日時で登録される。
なお、文書管理テーブル300に関しては、文書生成装置12で文書の生成を行ったユーザのユーザIDを文書生成者として文書管理テーブルに登録したり、文書廃棄装置16で文書の廃棄を行ったユーザのユーザIDを文書廃棄者として文書管理テーブルに登録したりする構成を採用してもよい。その場合、文書の生成や廃棄を行ったユーザのID情報は、既存のユーザ認証技術(例えば、ICカードや生体情報を用いたユーザ認証技術)を利用して取得することが可能である。
図9及び図10は、文書廃棄装置16の文書廃棄制御部112のCPU112cが実行する文書保管処理ルーチンのフローチャートを示す図である。文書廃棄装置16は、バーコードの読み取りを行わない通常廃棄モードと、バーコードの読み取りを行うスキャン廃棄モードを有している。そして、図9及び図10に図示されたフローチャートは、スキャン廃棄モードにおいてCPU112cが実行する処理手順を示している。なお、本実施の形態において、この文書保管処理ルーチンは、文書廃棄装置16のスイッチ(図示せず)がオンされることにより所定時間間隔(例えば、数10msec)毎に実行される。
通常廃棄モードでは、文書廃棄装置16が待機状態の場合に、文書廃棄装置16を使用するユーザが、廃棄の対象となる文書を文書トレイ部50に載せて、操作パネル100のスタートボタンを押したときに、文書廃棄制御部112が、引き込み駆動部101、ストッパー駆動部102、及びロール駆動部104にそれぞれ駆動開始を指示することで、引き込みロール68による文書のページの引き込み動作を開始すると共に、ストッパーゲート56を開放し、かつフィードロール58の駆動を開始する。これにより、文書トレイ部50に載せられた文書の各ページが最上位から順に引き込まれて、そのままフィードロール58によって搬送されて、一時保管トレイ部78のトレイに保管される。
そして、詳細は後述するが、一時保管トレイ部78のトレイに保管された文書のページの枚数が所定値を超えたことを文書廃棄制御部112が検出した場合には、文書廃棄制御部112は、引き込み駆動部101、ロール駆動部104、シュレッダー駆動部108、及び一時保管トレイ駆動部110にそれぞれ駆動開始を指示することで、引き込みロール79によるフィードロール60側への文書のページの引き込み動作を開始すると共に、フィードロール60の駆動を開始し、シュレッダー部64の駆動を開始する。これにより、一時保管トレイ部78に保管されていた文書がまとめて引き込まれて、そのままフィードロール60によって搬送され、シュレッダー部64で細断される。また、このとき、一時保管トレイ部78は、フィードロール58により文書のページが搬送された場合に備えて、複数のトレイのうち文書が保管されていない空のトレイに、フィードロール58により搬送された文書のページが保管されるように動作する。
また、文書トレイ部50に文書が無くなってセットセンサ66がオン状態からオフ状態に切り替わったことを文書廃棄制御部112が検出すると、文書廃棄制御部112は、引き込み駆動部101、ストッパー駆動部102、及びロール駆動部104にそれぞれ駆動停止を指示することで、引き込みロール68による文書のページの引き込み動作を停止すると共に、ストッパーゲート56を元の突出状態に戻し、かつフィードロール58の駆動を停止する。これにより、文書廃棄装置16は再び待機状態に戻る。
次に、スキャン廃棄モードにおいて、文書廃棄装置16の文書廃棄制御部112のCPU112cが実行する文書保管処理ルーチンについて説明する。
まず、ステップ400で、セットセンサ66からの信号がオフ状態からオン状態になったか否かを判定する。これにより、オン状態からオフ状態になったと判定された場合には、文書廃棄装置16を使用するユーザが、廃棄対象となる文書を文書トレイ部50に載せたと判定することができる。
ステップ400で、オン状態からオフ状態になったと判定された場合には、次のステップ402で、操作パネル100からの信号に基づいて、操作パネル100のスタートボタンが押下されたか否かを判定する。
ステップ402で押下されていないと判定された場合には、ステップ400に戻る。
一方、ステップ402で押下されたと判定された場合には、次のステップ404で、文書トレイ部50に載せられた文書の最上位の1ページを引き込むように、引き込み駆動部101に対して指示を出力する。これにより、引き込みロール68の回転にしたがって文書の最上位の1ページが装置の奥側に挿入される。
なお、文書の1ページの引き込み(挿入)は、文書トレイ部50に載置(セット)された文書の最上面にロール外周面が接触(圧接)するように引き込みロール68を下降させ、この状態で引き込みロール68を回転させることにより行う。このとき、文書廃棄制御部112のCPU112cは、インサートセンサ52からの信号(オン/オフ状態)を継続的に監視し、インサートセンサ52からの信号がオン状態になったら、その直後(文書の1ページの先端がストッパーゲート56に当接するタイミング)に引き込み駆動部101に引き込み停止を指示する。この指示を受けて引き込み駆動部101が引き込みロール68の回転を一旦停止する。これにより、廃棄対象となる文書のページは、前述した「所定の位置」まで搬送されることになる。
次のステップ406では、バーコードスキャナ54に対してバーコード(本実施の形態ではQRコード(登録商標))の読み取り指示を与える。これにより、バーコードスキャナ54が、ページに印刷されているQRコードを読み取る。
次のステップ408では、ステップ406でのQRコードの読み取りに成功したかどうかを判断する。バーコードスキャナ54がQRコードの読み取りに失敗するケースとしては、主に2つのケースが考えられる。第1のケースは、ページにもともとQRコードが印刷されていなかった場合や、文書を差し込むときの向き(文書の各ページの表/裏の向き、文書の各ページの先端/後端の向き)が不適切だったために、コード読み取りエリアE(図5参照)にQRコードが存在しなかった場合(コード無しの場合)である。第2のケースは、コード読み取りエリアEにQRコードが存在したものの、当該QRコードに著しい汚れや破損が生じていた場合である。
ステップ408で、読み取りに成功したと判断された場合には、次のステップ410で、読み取ったQRコードの解析処理(デコード処理)を行う。
これにより、文書の表紙に印刷されたQRコードが読み取られて解析処理が行われた場合には、当該文書に割り当てられた当該文書を識別するための識別情報としての文書ID、当該文書の総ページ数を示す総ページ数情報、及び当該文書の表紙であること(すなわち付加された文書IDにより特定される文書の文書中に含まれるページであること)を示す文書中情報を得ることができる。また、文書の本文に印刷されたQRコードが読み取られて解析処理が行われた場合には、当該文書に割り当てられた当該文書を識別するための識別情報としての文書ID、及び当該文書の文書中に含まれるページであることを示す文書中情報を得ることができる。
次のステップ412では、ステップ410での解析結果を対応するページと関連付けてRAM112dに記憶する。
次のステップ414では、ストッパー駆動部102にストッパーゲート56の開放を指示する。これにより、ストッパーゲート56が開放される。
次のステップ416では、ロール駆動部104に駆動開始を指示する。これにより、ステップ404で引き込まれた文書の1ページがフィードロール58の回転によって搬送されて、一時保管トレイ部78のトレイに保管される。なお、このとき、CPU112cは、インサートセンサ52からの信号(オン/オフ状態)を継続的に監視し、インサートセンサ52がオフ状態になったら、その直後(ページの後端がストッパーゲート56を越えた場合)に、ストッパー駆動部102に対してストッパーゲート56を元の突出状態に戻すように指示する。この指示を受けてストッパー駆動部102がストッパーゲート56を元の突出状態に戻す。
次のステップ418では、文書の次のページが文書トレイ部50に残っているか否かを判定する。具体的には、セットセンサ66からの信号がオン状態になっていれば文書の次のページが残っていると判定し、オフ状態になっていれば文書の次のページが残っていないと判定する。
ステップ418で、文書の次のページが残っていると判定された場合には、ステップ404へ戻り、次のページに対して上述した処理を行う。
一方、ステップ418で、文書の次のページが残っていないと判定された場合には、次のステップ420に進む。
ステップ420では、RAM112dに記憶された記憶内容に基づいて、文書トレイ部50に載置(セット)された文書に表紙が含まれていたか否かを判定する。具体的には、ステップ420では、例えば、RAM112dに文書の総ページ数を示す総ページ数情報が記憶されているか否かを判断することにより、記憶されていると判断された場合には表紙が含まれていたと判定し、記憶されていないと判断された場合には表紙が含まれていないと判定する。
ステップ420で表紙が含まれていないと判定された場合には、詳細を後述するステップ442に進む。
一方、ステップ420で表紙が含まれていたと判定された場合には、次のステップ422に進む。
ステップ422では、RAM112dに記憶された記憶内容に基づいて、文書トレイ部50に載置(セット)された文書に、この文書を構成する全てのページが含まれていたか否かを判定する。
具体的には、ステップ422では、例えば、RAM112dに記憶されている各ページ毎の文書IDが全て同一(すなわち、表紙に対応して記憶された文書IDと、本文の各ページに対応して記憶された各文書IDが同一)で、かつRAM112dに記憶されている総ページ数情報に対応するページ数の文書中情報(詳細を上述したように、RAM112dに記憶されている文書IDにより特定される文書に含まれるページであることを示す情報)が、RAM112dに記憶されているか否かを判断することにより、文書トレイ部50に載置(セット)された文書に、この文書の全てのページが含まれていたか否かを判定する。なお、文書IDが全て同一で、かつ総ページ数情報に対応するページ数の文書中情報がRAM112dに記憶されていると判断された場合に、文書の全てのページが含まれていたと判定し、文書IDが全て同一ではない、または総ページ数情報に対応するページ数の文書中情報がRAM112dに記憶されていないと判断された場合に、この文書の全てのページが含まれていないと判定する。
図11(A)及び図11(B)は、RAM112dに記憶された各ページ毎の解析結果(RAM112dに記憶された記憶内容)を模式的に表した図である。図11(A)には、各ページ毎の文書IDが全て同一で、かつ総ページ数情報に対応するページ数(図11(A)の例では、10)の文書中情報が、RAM112dに記憶されていることが表されている。また、図11(B)には、各ページ毎の文書IDが全て同一で、総ページ数情報に対応するページ数(図11(B)の例では、10)よりも少ない数(図11(B)の例では、9)の文書中情報が、RAM112dに記憶されていることが表されている。
ステップ422では、RAM112dの記憶内容が図11(A)に示すような場合には、文書トレイ部50に載置(セット)された文書に、この文書の全てのページが含まれていたと判定する。一方、ステップ422では、RAM112dの記憶内容が図11(B)に示すような場合には、文書トレイ部50に載置(セット)された文書には、この文書の全てのページが含まれていないと判定する。
ステップ422で、全てのページが含まれていないと判定された場合には、詳細を後述するステップ442に進む。
一方、ステップ422で、全てのページが含まれていたと判定された場合には、次のステップ424に進む。
ステップ424では、RAM112dに記憶されている文書IDで特定される文書に関して、当該文書の廃棄が許可されているかどうかの問い合わせを文書管理装置14に対して行う。文書廃棄許可の問い合わせは、バーコードスキャナ54で読み取ったQRコードに含まれる文書ID(すなわちRAM112dに記憶されている文書ID)を指定した廃棄許可の問い合わせメッセージを作成し、この問い合わせメッセージをネットワークインタフェース114からネットワーク18を介して文書管理装置14宛に送信することにより行う。つまり、文書廃棄許可の問い合わせは、この問い合わせで指定した文書IDで特定される文書を廃棄してもよいかどうかの問い合わせである。
問い合わせメッセージを受けた文書管理装置14では、当該問い合わせメッセージで指定された文書IDが文書管理テーブル300に登録されているかどうかを検索し、該当する文書ID302が存在する場合は、当該文書ID302に対応付けて登録されている文書保管期間306を確認する。そして、文書廃棄装置16から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時(問い合わせの日時)が文書保管期間306を過ぎている場合は、文書廃棄装置16に対して文書廃棄許可を与える旨の回答メッセージを返信する。また、文書廃棄装置16から文書廃棄許可の問い合わせを受けた日時が文書保管期間306を過ぎていない場合は、文書廃棄装置16に対して文書廃棄許可を与えない旨(文書の廃棄を禁止する旨)の回答メッセージを返信する。
次のステップ426では、文書管理装置14からの回答メッセージを受信したか否かを判定する。
ステップ426では、受信したと判定されるまで、繰り返し、回答メッセージを受信したか否かを判定する。
ステップ426で、受信したと判定された場合には、次のステップ428で、その回答メッセージの内容が、自装置(文書廃棄装置16)からの問い合わせに対して文書の廃棄許可を与えるものであるか否かを判定する。
ステップ428で、文書の廃棄許可を与えるものであると判定された場合には、本文書保管処理ルーチンの実行を終了する。
一方、ステップ428で、文書の廃棄許可を与えるものではない(すなわち、文書の廃棄を禁止するものである)と判定された場合には、次のステップ442で、予め用意された廃棄不許可のガイダンスを表示するように操作パネル100を制御する。なお、廃棄不許可ガイダンスの一例としては、「廃棄できません。文書を排出トレイに排出します。」などが考えられる。
次のステップ438では、一時保管トレイ部78に保管されている文書を排出トレイ部84に排出させるために、分岐ゲート駆動部106にゲート切り替えを指示して分岐ゲート80を切り替え動作させる。フィードロール58により新たに保管されるための文書が搬送された場合に備えて、複数のトレイのうちカウントセンサ81がオン状態でない別のトレイに、新たに搬送された文書が保管されるために、別のトレイと文書が保管されたトレイとの位置が交換されるように各トレイを移動させる。
次のステップ440では、引き込み駆動部101及びロール駆動部104に駆動指示を出力して、引き込みロール79の回転(文書の引き込み)駆動を開始させると共に、排出ロール82の回転駆動を開始させる。これにより、引き込みロール79で引き込まれた文書の各ページは文書搬送路の下流側へと送られる。このとき、分岐ゲート80は、文書のページの進行方向を上述した第4の方向に案内するため、各ページは引き込みロール79から排出ロール82へと送られるとともに、排出ロール82の回転にしたがって排出トレイ部84に排出される。その際、カウントセンサ83からの信号(オン/オフ状態)をCPU112cは継続的に監視して、一時保管トレイ部78より排出されるページ枚数をカウントし、廃棄不許可の文書枚数分だけ排出するようにする。そして、本文書保管処理ルーチンの実行を終了する。
一方、ステップ408で、読み取りに成功しなかった(すなわち、失敗した)と判断された場合には、次のステップ430で、予め用意された読取不可ガイダンスを表示するように操作パネル100を制御する。読取不可ガイダンスの一例としては、「コード読み取りエラーが発生しましたので、この文書は廃棄せずに排出します。」などが考えられる。
次のステップ432では、ストッパー駆動部102にストッパーゲート56の開放を指示してストッパーゲート56を開放させる。
次のステップ434では、文書トレイ部50上の文書を排出トレイ部76に排出させるために、分岐ゲート駆動部106にゲート切り替えを指示して分岐ゲート72を切り替え動作させる。
次のステップ436では、引き込み駆動部101及びロール駆動部104に駆動指示を出力して、引き込みロール68の回転(文書の各ページの引き込み)駆動を開始させると共に、フィードロール58及び排出ロール74の回転駆動を開始させる。これにより、引き込みロール68で引き込まれた文書の各ページは文書搬送路の下流側へと送られる。このとき、分岐ゲート72は、文書のページの進行方向を上述した第2の方向に案内するため、各ページは引き込みロール68からフィードロール58へ、そしてフィードロール58から排出ロール82へと送られるとともに、排出ロール74の回転にしたがって排出トレイ部76に排出される。その後は、上記ステップ438へ進む。
図12は、文書廃棄装置16の文書廃棄制御部112のCPU112cが実行する文書廃棄処理ルーチンのフローチャートを示す図である。なお、本実施の形態において、この文書廃棄処理ルーチンは、割り込み処理ルーチンであり、上述したカウントセンサ81からの信号(オン/オフ状態)をCPU112cは継続的に監視して、カウントセンサ81からの信号がオン状態になったら、本文書廃棄処理ルーチンが実行される。なお、カウントセンサ81からの信号がオン状態になったときを、一時保管トレイ部78のトレイに保管された文書のページの枚数が所定値を超えたときであると判断することが可能である。本実施の形態では、この所定値をシュレッダー部64が一括で廃棄処理することが可能なページ数とする。
まず、ステップ500で、一時保管トレイ駆動部110に駆動開始指示を出力することにより、フィードロール58により新たに保管されるための文書が搬送された場合に備えて、複数のトレイのうち文書が保管されていない空のトレイに、新たに搬送された文書が保管されるために、空のトレイと文書が保管されたトレイとの位置が交換されるように各トレイを移動させる。
次のステップ502では、引き込み駆動部101、及びロール駆動部104にそれぞれ駆動開始を指示することにより、引き込みロール79によるフィードロール60側への文書の各ページの引き込み動作を開始させると共に、フィードロール60を回転駆動させる。そして、次のステップ504では、シュレッダー駆動部108に駆動開始を指示することにより、シュレッダー部64の駆動を開始する。これらステップ502〜ステップ504での処理によって、一時保管トレイ部78に保管されていた文書のページが最上位から順に引き込まれて、そのままフィードロール60によって搬送され、シュレッダー部64で細断される。
次のステップ506では、その後、ページの後端がパスセンサ62のセンシング位置を通過し、これによってパスセンサ62がオン状態からオフ状態に切り替わったことをパスセンサ62からの信号に基づいて検出すると、パスセンサ62がオフ状態になった時点から所定時間後(具体的にはページの後端がシュレッダー部64に取り込まれてページ全体が細断されるまでに要する時間後)に、先ほど文書廃棄許可を受けた文書の文書IDを指定して、当該文書の廃棄を完了した旨の廃棄完了通知をメッセージとして文書管理装置14に送信する。これにより、文書廃棄装置16から廃棄完了通知メッセージを受け取った文書管理装置14では、当該メッセージで指定された文書ID302に対応する廃棄履歴情報として、文書廃棄日時308の欄に、当該メッセージを受信した日時を登録する。
以上、説明したように、本実施形態の文書廃棄装置16は、文書を識別するための識別情報としての文書IDが付されると共に、この文書IDによって特定される文書の総ページ数を示す総ページ数情報が文書の特定のページ(本実施の形態では、表紙)に付され、かつ文書中に含まれるページであることを示す文書中情報が各ページに付された文書から、文書に付された情報を読み取る読取手段としてのバーコードスキャナ54と、文書を廃棄する廃棄手段としてのシュレッダー部64とを含んで構成されている。また、本実施形態では、バーコードスキャナ54で読み取られたデータに基づいて、文書IDが付された文書が廃棄可能な文書で、かつ総ページ数情報に対応するページ数の文書中情報がRAM112dに記憶された場合、すなわち、ステップ406においてバーコードスキャナ54で総ページ数情報に対応するページ数の文書中情報が読み取られた場合にのみ、この廃棄可能な文書が廃棄されるようにステップ504でシュレッダー部64を制御する。
なお、上記実施形態においては、ステップ442で、廃棄不許可のガイダンスを表示するように操作パネル100を制御する例について説明したが、本発明はこれに限らず、ステップ420で表紙が含まれていないと判定された場合にステップ442に進んだときには、文書中の抜けているページ(この場合は表紙)をユーザに報知するように、例えば、図13(A)に示すように、更に「文書の表紙が抜けています」と表示するように操作パネル100を制御するようにしてもよい。
また、文書中情報に自身のページを示す情報(例えば、表紙であれば「1」、3ページ目であれば「3」)を更に含ませておき、ステップ422で全てのページが含まれていないと判定された場合にステップ442に進んだときには、文書中の抜けているページをRAM112dの記憶内容から特定して、特定した文書中の抜けているページ(例えば3ページ目)をユーザに報知するように、例えば、図13(B)に示すように、更に、「文書中の3ページ目が抜けています」と表示するように操作パネル100を制御するようにしてもよい。
また、ステップ420で表紙が含まれていないと判定された場合にステップ442に進んだとき、及びステップ422で全てのページが含まれていないと判定された場合にステップ442に進んだときに、図14に示すように、「文書の全てのページがそろっていませんので、当該文書の全てのページを廃棄したとの誤認を防ぐために廃棄を行いません。文書を排出トレイに排出します。」と表示するように操作パネル100を制御するようにしてもよい。