JP2007204438A - 新規なアントラセン化合物及び光重合用増感剤 - Google Patents
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Abstract
モノマーへの溶解性や耐ブリード性に優れた、新規な光重合用増感剤を提供する。
【解決手段】
9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物と酸化アルキレンとの付加反応で得られる9,10−ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)アントラセン化合物を、さらに(メタ)アクリル化することにより得られる新規な9,10−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)アントラセン化合物を光重合用の増感剤として用いる。
【効果】
光ラジカル重合及び光カチオン重合用の増感剤として有用である。
【選択図】
なし
Description
ラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチル)ヘキシルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン−2−カルボン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)アントラセ−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−(3−ステアリルオキシ)プロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸、9,10−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン−2−スルホン酸等である。
9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセンの合成
9,10−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン5.0g(16.8mmol)とアセトン200mL、トリエチルアミン8.0g(78.8mmol)を混合した後、40℃に加熱し塩化アクリロイル6.8g(75.4mmol)を添加して1時間攪拌した。メタノール2mLを加え、10℃まで反応液を冷却して析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を濃縮したのちヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色結晶の9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセン4.7g(11.6mmol,収率:69mol%)を得た。
融点: 87−89℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=4.42−4.46(m,4H,メチレン),4.67−4.70(m,4H,メチレン),5.94(dd,2H,ビニル基),6.28(dd,2H,ビニル基),6.53(dd,2H,ビニル基),7.45−7.52(m,4H,アントラセン環),8.29−8.36(m,4H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):933,976,1045,1068,1192,1294,1346,1379,1408,1726.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=406(M+)
1H−NMR,IR,マススペクトルより、得られた化合物は9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセンと同定した。
「実施例2」
9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセンの合成
9,10−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン5.0g(16.8mmol)とアセトン200mL、トリエチルアミン8.0g(78.5mmol)を混合した後、室温で塩化メタクリロイル7.9g(75.4mmol)を添加して3時間攪拌した。メタノール2mLを加えて塩化メタクリロイルをクエンチし、10℃まで反応液を冷却して析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を濃縮したのちヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色結晶の9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセン5.6g(12.9mmol,収率:77mol%)を得た。
融点: 102−104℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.05(s,6H,メチル基),4.43−4.47(m,4H,メチレン),4.66−4.69(m,4H,メチレン),5.68(t,2H,ビニル基),6.26(s,2H,ビニル基),7.44−7.52(m,4H,アントラセン環),8.31−8.37(m,4H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):1074,1161,1300,1319,1352,1383,1712.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=434(M+)
1H−NMR,IR,マススペクトルより、得られた化合物は9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセンと同定した。
「実施例3」
9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセンの合成
9,10−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン5.0g(15.4mmol)とアセトン200mL、トリエチルアミン5.9g(67.8mmol)を混合した後、40℃に加熱し塩化アクリロイル6.9g(64.7mmol)を添加して1時間攪拌した。メタノール2mLを加えて塩化アクリロイルをクエンチし、10℃まで反応液を冷却して析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を濃縮したのちヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色結晶の9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセン5.8g(13.4mmol,収率:88mol%)を得た。
融点 :97−99℃
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=1.56(d,6H,CHCH3),4.19−4.31(m,4H,CHCH2O),5.53−5.61(m,2H,CHCH3),5.92(dd,2H,ビニル基),6.25(dd,2H,ビニル基),6.51(dd,2H,ビニル基),7.44−7.50(m,4H,アントラセン環),8.26−8.31(m,4H,アントラセン環).
IR(KBr,cm-1):765,1076,1200,1362,1404,1726.
マススペクトル:(EI−MS)m/z=434(M+)
1H−NMR,IR,マススペクトルより、得られた化合物は9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセンと同定した。
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100部にトリル−i―ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア250)を2部、実施例1で合成した9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセン0.5部を加え、均一な組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は4秒であった。
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100部にトリル−i―ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア250)を2部、実施例2で合成した9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセン0.5部を加え、均一な組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は4秒であった。
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100部にトリル−i―ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャリティー社製イルガキュア250)を2部、実施例3で合成した9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセン0.5部を加え、均一な組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン)上に膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、紫外線LEDを照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は5秒であった。
9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセンを添加しない以外は実施例1と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めた画、300秒たっても硬化しなかった。
「評価例1」、「評価例2」、「評価例3」、「比較例1」の結果を表1にまとめる
モノマーとしてエポキシ変性シリコーン(東芝GEシリコーン製UV-9300)に対し、4−イソプロピルフェニルー4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ローディア社製2074)0.5部、実施例1で合成した9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセン0.2部を混合し、光硬化組成物を調製した。該組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上にバーコーターを用いて膜厚が12ミクロンになるように塗布した。ついで、表面からサンダー社製紫外線LEDを用いて光照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は3秒であった。
モノマーとしてエポキシ変性シリコーン(東芝GEシリコーン製UV-9300)に対し、4−イソプロピルフェニルー4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ローディア社製2074)0.5部、実施例2で合成した9,10−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)アントラセン0.2部を混合し、光硬化組成物を調製した。該組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上にバーコーターを用いて膜厚が12ミクロンになるように塗布した。ついで、表面からサンダー社製紫外線LEDを用いて光照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は3秒であった。
モノマーとしてエポキシ変性シリコーン(東芝GEシリコーン製UV-9300)に対し、4−イソプロピルフェニルー4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ローディア社製2074)0.5部、実施例3で合成した9,10−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセン0.2部を混合し、光硬化組成物を調製した。該組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上にバーコーターを用いて膜厚が12ミクロンになるように塗布した。ついで、表面からサンダー社製紫外線LEDを用いて光照射した。照射光の中心波長は395nmで照射強度は3mW/cm2である。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は5秒であった。
9,10−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)アントラセンを添加しない以外は実施例4と全く同様に光硬化組成物を調製し、紫外線LED(395nm、照射強度3mw/cm2)を照射して硬化時間を求めたが、組成物は600秒照射後も硬化しなかった。「評価例4」、「評価例5」、「評価例6」、「比較例2」の結果を表2にまとめる。
評価例2において調整した、光硬化性フィルムをオーブン中で180℃に過熱した。一定時間ごとにフィルムをオーブンから出して、UVスペクトルを測定し、9,10−ビス(2−(メタ)アクリルオキシエトキシ)アントラセンに起因する403nmの吸収強度を求めて、昇華の程度を調べた。その結果、10分後に10%昇華していることが判明した。
9,10−ビス(2−(メタ)アクリルオキシエトキシ)アントラセンの代わりに9,10−ジブトキシアントラセンを用いる以外は評価例2と同様にして調整した光硬化性フィルムをオーブン中180℃で過熱した。一定時間ごとにフィルムをオーブンから出して、UVスペクトルを測定し、9,10−ジブトキシアントラセンの406nmの吸収強度を求めて、昇華の程度を調べた。その結果、10分後に55%昇華していることが判明した。
「昇華試験例1」、「昇華試験比較例1」の結果を図1にしめす。
Claims (5)
- 9,10−ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)アントラセン化合物を(メタ)アクリル化することよりなる請求項1に記載の9,10−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)アントラセン化合物の製造方法。
- 請求項1に記載の9,10−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)アントラセン化合物を含有する光重合増感剤。
- 請求項3に記載の光重合増感剤と光重合開始剤および重合性モノマーを含有する光硬化性組成物。
- 光重合開始剤がオニウム塩であることを特徴とする請求項4に記載の光硬化組成物。
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