JP2007203290A - 排ガスの処理方法 - Google Patents

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Yoichi Mori
洋一 森
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康彦 鈴木
Hiroshi Aono
弘 青野
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Abstract

【課題】フッ素含有化合物およびCOを同時に且つ効率的に処理することができ、ランニングコストが廉価で、装置材料に対する負荷が低く装置コストを低減でき、有害ガスの排出のない排ガスの処理方法を提供する。
【解決手段】フッ素含有化合物及びCOを含む排ガスの処理方法において、前記排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を除去する前処理と、前処理された排ガスはミストセパレータ26を通過し、ミストセパレータ26を通過した排ガスを加熱酸化分解する加熱酸化分解処理と、加熱酸化分解処理後の酸性ガスを除去し、処理済の排ガスを無害化する後処理とを行う。
【選択図】図3

Description

本発明は排ガスの処理方法に係り、特に半導体製造工程で半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、酸化膜等の各種成膜をエッチングする工程などで排出されるフッ素含有化合物および一酸化炭素ガス(以下、COという)を含む排ガスを、効率よく無害化処理する方法に関する。
半導体製造時のエッチング工程やCVD工程などにおいて、CHF3などのフッ化炭化水素や、CF4,C2F6,C3F8,C4F8,C5F8,C4F6,SF6,NF3などのパーフルオロ化合物(以下「PFC」という)などのフッ素含有化合物が使用されている。また、COやNH3やO2が半導体製造装置で使用されることもある。これらフッ素含有化合物やCOやNH3を使用した半導体製造装置から排出される排ガス中には、CO,NH3,SiF4,F2,COF2,C5F8,C4F6,NF3などの有害成分が含まれるとともに、有害ではないが地球温暖化効果のあるフッ素含有化合物が含まれている。そのため、フッ素含有化合物やCOを使用した半導体製造装置から排出される排ガスを環境中に排出する場合には、排ガス中に含まれる有害ガスの無害化および地球温暖化ガスの分解処理が必要となる。
排ガス中のSiF4,F2,COF2,C5F8,C4F6,NH3などの従来の有害ガス処理方法としては、合成ゼオライトなどの吸着剤を用いて有害成分を吸着処理する方法がある。しかしながら、COおよびPFCの除去はできないという問題がある。また、吸着剤の定期交換が必要となり、ランニングコストが高くなるという問題がある。
湿式排ガス処理装置(水洗処理)によるSiF4やF2,NH3などの水溶性ガスや加水分解性ガスの処理方法がある。しかしながら、COやPFCなどの水溶性以外のガスの除去はできないという問題がある。
また、排ガス中のCOの従来の処理方法として、酸化触媒とO2によりCOをCO2に酸化させる方法がある。しかし、PFCの分解除去はできないという問題がある。また、SiF4やF2などの酸性ガスやPFCが酸化触媒に接触すると、酸化触媒が被毒されCO酸化能力が低下し、酸化触媒の定期的な交換が必要となるという問題がある。
排ガス中の有害ガスとCOを同時処理する従来の方法としては、上記吸着処理、水洗処理および酸化処理の組合せにより可能である。ただし、処理剤の定期交換があるためランニングコストが高くなる。また、PFCの除去はできないという問題がある。
各種PFC分解触媒を用いた除去方法が提案されている(特許文献1,2参照)。しかしながら、触媒の劣化が進んだ場合にCOやC5F8,C4F6といった有害成分がただちに流出する可能性がある。また、燃焼方式による処理方法が提案されているが、燃焼条件により副生成ガスとしてNOxやCOが発生する可能性がある。また、H2,都市ガス,プロパンガスなどの燃料が必要となり、燃料を供給するための設備が必要となり、運転管理も煩雑になるという問題がある。また、加熱酸化分解により分解する方法が提案されているが、CF4などの難分解性のPFCを分解するには1400℃以上の高温にする必要があり、材料やヒータなどに対する負荷が非常に大きいという問題がある。
また、NH3もしくは低級飽和炭化水素ガスもしくは低級不飽和炭化水素ガスを添加して、遊離O2のない状態で加熱酸化分解する方法が提案されている(特許文献3,4,5参照)が、O2共存下での加熱酸化分解方法は提案されていない。また、水(H2O)存在下でプラズマによりPFCを分解する方法が提案されているが、PFCを分解する際にCOやHFといった有害ガスが発生し、また、サーマルNOxが発生する。そのためこれらを処理する排ガス処理装置が別途必要となる。
特許第3217034号 特許第3237651号 特開平9−85045号 特開平11−333247号 特開2000−342931号
本発明は上述した事情に鑑みて為されたもので、フッ素含有化合物およびCOを同時に且つ効率的に処理することができ、ランニングコストが廉価で、装置材料に対する負荷が低く装置コストを低減でき、且つ有害ガスの排出のない排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
本発明の排ガス処理は、フッ素含有化合物及びCOを含む排ガスの処理方法において、前記排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を除去する前処理と、前記前処理された排ガスはミストセパレータを通過し、前記ミストセパレータを通過した排ガスを加熱酸化分解する加熱酸化分解処理と、前記加熱酸化分解処理後の酸性ガスを除去し、処理済の排ガスを無害化する後処理とを行うことを特徴とする。ここで、前記排ガスの加熱酸化分解処理は、700〜900℃の温度で行うことが好ましい。
上記本発明によれば、吸着処理または気液接触処理でSiF4やF2といった有害性ガスを許容値(TLV-TWA値)以下の濃度まで除去することが可能である。また、好ましくは700〜900℃の加熱酸化処理により、CO酸化触媒を使わずにCOをCO2に酸化させ、許容値(TLV-TWA値)以下の濃度に処理可能である。また、C4F6やC5F8やNF3などの有害性PFCも加熱処理により許容値(TLV-TWA値)以下の濃度に完全に分解可能である。そして、フッ素含有化合物を加熱酸化分解処理によって分解する際に生じるHF等の酸性ガスは、その後の吸着処理または気液接触処理によって除去可能である。したがって、例えば1000℃以上の高温による加熱酸化分解処理を用いることなく、また触媒による処理を用いることなく、人体に有害とされる排ガス成分を無害化することができる。なお、700〜900℃の熱処理では、例えばCF4などの難分解性のPFCは分解が困難である。しかしながら、これらの成分は地球温暖化等の観点からすると問題があるが、人体に有害とされるものではなく、上記排ガスの処理方法によれば、人体に有害とされるガス成分は全て許容値以下に処理することができる。
なお、触媒反応により600〜900℃という比較的低温度でCF4などの難分解性PFCを完全に分解することも可能である。従って、例えば加熱酸化分解処理後に触媒反応を併用することで、これらの地球温暖化の観点から処理が必要とされるガス成分も完全に分解して除去することができる。
本発明によれば、半導体製造装置等から排出されるフッ素含有化合物及びCOを含む排ガスを効率よく経済的に無害化処理することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の排ガス処理装置を示す。この排ガス処理装置は、フッ素含有化合物及びCOを含む排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を除去する前処理部1と、前処理後の排ガスの加熱酸化分解処理を行う加熱酸化分解処理部2と、上記加熱酸化分解処理によって生じたHF等の酸性ガスの後処理を行う後処理部4とを備えている。
前処理部1として、気液接触用に例えば前処理用水スプレー塔が用いられている。このスプレー塔1には水道水もしくは工水が供給されており、水スプレーにより散水されている。フッ素含有化合物及びCOを含む排ガスは、水スプレー塔1の下部から上部に向かって流れ、水スプレーから散水された水と接触することで排ガス中の粉体成分、水溶性成分、加水分解性成分の除去を行う。なお、前処理部には水スプレー塔1以外にファンスクラバー、通気攪拌槽、ゼオライト・活性炭等の吸着剤を充填した吸着槽を設置しても同様の効果が得られる。
前処理部として使用する装置は、処理する排ガスの成分や粉体の混入状況、また、工場設備の状況により適切な装置を選定することができる。なお、吸着剤による吸着は、水を使用しないので排水処理設備がない場合に適している。また、As(砒素)やPb(鉛)などの特別管理物質が排ガス中に含まれる場合は、水洗処理は排水にこれらの成分が混入するため好ましくないので、吸着処理が適している。また、ファンスクラバーは、低水量で高い除去率が得られる。また、粉体捕集性能も非常に優れている。また、水スプレー塔は、構造が簡単であるので高い除去性能を得るためには水量を多くする必要があるが、装置が安価になる。また、通気攪拌槽は、攪拌槽内に中和液を投入しpH調整を行うことが可能で、水洗除去しにくい成分でも高い除去率を得られる。
前処理部では、排ガス中に含まれる粉体成分、水溶性成分、または加水分解性成分を上述したように水又は吸着剤により除去する。例えば、SiF4,F2等の酸性ガスは前処理部で除去される。
前処理部を通過した排ガスは加熱酸化分解処理槽2で分解処理される。分解処理は加熱酸化分解処理槽2で行われ、反応に必要なO2を供給するために空気配管5が接続されている。また、反応に必要な水配管6も接続されている。市水又は工水は加熱酸化分解処理槽2に導入される前に配管6に接続された水清浄器7により蒸留水相当に浄化される。そして、水気化器8により気化されて加熱酸化分解処理槽2に供給される。または、反応に必要な水は水気化器8により気化せず、そのままスプレーで加熱酸化分解処理槽に噴霧しても良い。そして、前記噴霧された水は加熱酸化分解処理槽にて加熱され、気化される。加熱酸化分解処理槽2には加熱手段としてセラミック製電気管状炉9が取り付けられて排ガスとO2と水(H2O)が混合した排ガス温度を700〜900℃に加熱する。これにより加熱酸化分解処理槽2内では以下の反応式によりCOの酸化処理および炭素数4以上のPFCおよびフッ化炭化水素およびNF3の分解処理が行われる。従って、排ガス中に含まれる人体に有害とされるガス成分は全て酸化または分解処理が可能である。
2CO + O2 → 2CO2
CO + H2O → CO2 +H2
2H2 + O2 → 2H2O
C5F8 + 4H2O + 3O2 → 5CO2 + 8HF
C4F8 + 4H2O + 2O2 → 4CO2 + 8HF
2C4F6 + 6H20 + 5O2 → 8CO2 + 12HF
2CHF3 + 2H2O + O2 → 3CO2 + 8HF
2NF3 + 3H2O → NO + NO2 + 6HF
酸化処理に際して、O2は、大気中の空気、O2富化空気、純O2等、いかなるO2源から供給しても良いし、過酸化物を用いても良い。なお、酸化および分解処理に700〜900℃の温度を用いるのは、この温度で上記ガス成分の酸化および分解処理が行えると共に、1000℃以上の高温域では、空気中のN2等より生じるサーマルNOXの生成量が増大するという問題があるからである。また、900℃以下とすることで、槽に必要な耐火材等に経済的なものを用いることができるからである。
後処理部4は、フッ素含有化合物を分解する際に生成するHF等の酸性ガスの後処理を行う。この実施形態においては、後処理用水スプレー塔4である。これには水道水もしくは工水が供給されており、水スプレーにより散水されている。排ガスは水スプレー塔4の下部から上部に向かって流れ、水スプレーから散水された水と接触することにより、加熱酸化分解処理槽2でPFCが分解する際に発生するHFの除去を行う。なお、後処理部には水スプレー塔4以外にファンスクラバー、通気攪拌槽、ゼオライト・活性炭等の吸着剤を充填した吸着槽を設置しても同様の効果が得られる。
図2は、本発明の第2の実施形態の排ガス処理装置を示す。この装置においては、加熱酸化分解処理が行われた排ガスは、引き続き触媒反応部である触媒反応槽3で触媒による分解処理が行われる。なお、触媒反応槽3を設けた以外の構成は、図1に示す排ガス処理装置の構成と同様である。
触媒反応槽3にはPFC分解触媒が充填されていて排ガスは触媒層上層から下層に向かって流れる。また触媒反応槽3には加熱手段としてセラミック製電気管状炉10が取り付けられており、触媒反応槽3の温度を600〜900℃になるように加熱している。これにより触媒反応部では炭素数3以下のPFCおよびSF6と触媒が接触することで以下の反応がおこり、PFCおよびSF6の分解処理が行われる。なお、分解反応に寄与するO2と水(H2O)は上流の加熱酸化分解処理槽2で導入されたものである。触媒としては、γアルミナ、アルミナジルコニウム複合酸化物にタングステン酸化物を担持した触媒等のフッ素含有化合物分解触媒が用いられる。これにより、加熱酸化分解処理槽2で処理しきれなかった難分解性のPFCおよびSF6の分解処理が行える。従って、この触媒反応による分解処理を付加することで、人体には直接影響がないとされるが、地球温暖化等に悪影響を及ぼすとされる排ガス成分を完全に除去することができる。
CF4 + 2H2O → CO2 + 4HF
2C2F6 + 6H2O + O2 → 4CO2 + 12HF
C3F8 + 4H2O + O2 → 3CO2 + 8HF
2SF6 + 3H2O + O2 → SO2 + SO3 + 6HF
図3は、本発明の第3の実施形態の排ガス処理装置を示す。この排ガス処理装置は、加熱酸化分解処理部と触媒反応部と後処理部を一体にしたガス処理槽13を備えている。また、前処理部にファンスクラバー14を設置している。ファンスクラバー14には洗浄水が送水ポンプ15から供給され、この洗浄水と排ガスがファンスクラバー14内のファンの回転により接触し、排ガス中の粉体成分、水溶性成分、加水分解成分を除去する。
加熱酸化分解処理部と触媒反応部と後処理部に相当するのがガス処理槽13で、排ガスの通過する順に加熱酸化分解部16と触媒反応部17と後処理部18が備えられている。加熱酸化分解部16と触媒反応部17と後処理部18を一体構造とすることで、装置の小型化を計っている。また、一体とすることで加熱酸化分解部16でセラミック電気管状炉19により700〜900℃に加熱した排ガスを温度低下させることなく触媒反応部17に導入することができる。従って、触媒反応部17にはヒータなどの加熱手段を設ける必要が無く、保温材20を触媒反応部17の外周に設置するだけでよい。
加熱酸化分解処理および触媒反応処理に必要なO2はガス処理槽13の上部に接続された空気配管21から供給される。また、水(H2O)は水清浄器23により蒸留水相当に浄化され、その後にガス処理槽13に導入される。その後、ガス処理槽13内部のセラミック電気管状炉19の外壁に設置された水気化配管25を通過する際に、セラミック電気管状炉19の排熱との熱交換により加熱され気化し、ガス処理槽13の上部に備えられた加熱酸化分解処理部16に導入される。ガス処理槽13の下部には水スプレー18を具備した後処理部が備えられており、水スプレー18には送水ポンプ15から洗浄水が供給される。
処理対象の排ガスは、前処理用ファンスクラバ14を通過した後、ミストセパレータ26を通過し、ガス処理槽13に導入される。また、後処理部18でHFが除去された排ガスはミストセパレータ27を通過した後、無害化された処理済みのガスとして排気される。
COの酸化反応やPFCの分解に水(H2O)が必要であるが、この水(H2O)は気化して排ガス処理系に導入する。水の中にSiやCaなどが含まれていると水(H2O)を気化させる際にSiやCaが析出し(スケールが発生し)、装置内で閉塞が発生する恐れがある。また、Clなどは触媒の劣化の原因となる可能性がある。そのため供給される水(H2O)は純水や蒸留水などの清浄な水である必要がある。純水や蒸留水を装置に供給するためには独立した専用の配管を施工する必要があり、さらに、別途純水製造装置や蒸留水製造装置なども必要となるため設備に関する費用負担が大きくなる。水を清浄にする水清浄器を装置に備えることで、装置に供給する水は水道水や工業用水でよくなり、配管等の設備に関する費用が軽減される。
次に、本発明の排ガス処理方法について説明する。
フッ素含有化合物およびCOを含む排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を前処理により除去する。排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分の除去を行う前処理部として、吸着剤による吸着処理を行う吸着処理槽もしくはファンスクラバーもしくは水スプレー塔もしくは通気攪拌槽等のいずれかを用いる。
上記前処理により粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を除去した後のフッ素含有化合物およびCOを含む排ガスを、700〜900℃の温度でO2および水(H2O)と接触させてCOをCO2に酸化させるとともに炭素数4以上のフッ素含有化合物等の分解処理を行う。加熱酸化分解処理は、上記排ガスを通気可能とする中空内部、その中空内部のガス温度を700〜900℃に加熱可能な加熱手段、被処理ガスの導入口、O2導入口および水(H2O)導入口を備えた加熱酸化分解処理部にて行われる。
排ガスとO2,水(H2O)の接触効率を高め、且つ加熱効率を高めるための接触補助手段を備えることが好ましい。排ガスは接触補助手段により乱流が起こり、排ガスとO2,水(H2O)との接触効率を高めるとともに、接触補助手段自体がヒータから発せられる熱を輻射により受けて高温となり、排ガスへの伝熱面積が大きくなり、加熱効率を高めることができる。これにより加熱酸化分解処理部が小型化されヒータ容量を低く抑えることができる。
最後に、加熱酸化分解処理部でフッ素含有化合物を分解処理する際に発生する酸性ガス(HF)を除去する。このHFの除去は、後処理部として吸着剤による吸着処理を行う吸着処理槽もしくはファンスクラバーもしくは水スプレーもしくは通気攪拌槽等を用いて行う。以上で、排ガス中の人体に有害とされるガス成分の処理が全て完了する。
さらに、地球温暖化の観点から問題となるガス成分を除去するためには、加熱酸化分解処理後に触媒による分解処理を行う。即ち、触媒反応部で600〜900℃の温度でフッ素含有化合物分解触媒とO2および水(H2O)を接触させることで炭素数3以下のフッ素含有化合物およびSF6の分解処理を行うことができる。触媒反応部では、フッ素含有化合物の分解触媒を充填することができ、触媒層温度を600〜900℃に加熱する加熱手段もしくは前段の加熱酸化分解処理部で700〜900℃に加熱したガスを600〜900℃の温度に保つ保温手段を備える。
なお、排ガス処理に使用する水(H2O)を清浄にするための純水発生装置もしくは蒸留装置もしくはフィルタ機構を備えてもよい。液体で供給される水(H2O)を加熱酸化分解処理部もしくは触媒反応部の排熱と熱交換することで気化させる機構を備えることが好ましい。これにより、排熱を利用するため水(H2O)を気化させるための特別な熱源を必要としない。
また、触媒層の下流側にセラミック製の充填物を備えることが好ましい。後処理部に水スプレーを採用して触媒反応部と後処理部を一体構造とした場合に、充填物を備えていると、水スプレーの水が触媒層へ到達するのを防ぎ、触媒の劣化を防止することができる。また、充填物の間隙に水が保持されることでPFC分解時に発生するHFと水との接触効率があがり、HF除去効率が高くなるとともに、排ガスの冷却効果も向上する。
次に、図3に示す排ガス処理装置と同等の試験装置で行った排ガス処理の試験結果について説明する。各種の処理対象ガスを混合したN2ガスを試験装置に投入して、各部のガス成分濃度(ppm)を測定している。
Figure 2007203290
流入条件として、SiF4:60mL/min、CHF3:180mL/min、C4F8:60mL/min、C4F6:10mL/min、CO:1200mL/min、C5F8:10mL/min、NF3:120mL/min、SF6:120mL/min、CF4:450mL/min、の処理対象となるガスをN2ガス:120L/min中に混合して投入している。そして、酸化用O2源として空気3.0L/minを加熱酸化部に導入し、同様に酸化・分解用として純水5mL/minを加熱酸化部に導入している。入口、前処理部出口、加熱酸化部出口、後処理部出口におけるそれぞれのガス成分の濃度は表1に示すとおりである。
上記表1に示す試験結果から、前処理部によりSiF4、HFが検出されず、前処理部で酸性ガスが良好に処理されていることが判る。そして、加熱酸化部でCO、C4F8、C5F8、C4F6、CHF3、NF3が検出されず、加熱酸化部でこれらのガス成分が良好に処理されていることが判る。さらに、加熱酸化部出口に存在していたCF4、SF6が後処理部出口で検出されず、触媒反応部および後処理部で良好に処理されていることが判る。また、後処理部出口においてHFが検出されず、触媒反応部でHFが発生しても後処理部で良好に処理されていることが判る。
図4は本発明の排ガス処理装置の外観を示し、この装置は前処理部、加熱酸化分解処理部、触媒反応部、後処理部をすべて搭載することが可能で、PFC,COとともに酸性ガスやNH3などの水溶性成分、加水分解成分や粉体成分を低コストで高効率に除去することが可能である。従って、この装置は、半導体製造装置等から排出される反応性成分および有害成分の高い除去能力を備えている。また、この装置は、コンパクトな構造であり、据付面積が小さく、またメンテナンススペースも小さくできる。更に、例えばサーマルNOx等を排出することなく、基本的コンセプトとして万全の安全性を確立したものであり、機器として優れた安全性を有する。
なお、本実施例においては、前処理部前処理部、加熱酸化分解処理部、触媒反応部、後処理部をすべて搭載しているが、前処理部および後処理部は装置外に別途設置するようにしても良い。さらに、工場内にて複数の排ガス処理装置から出る排ガス中の酸性ガスを1ヶ所にて一括処理するような後処理部を含むシステムにしても良い。
なお、本発明の排ガスの処理方法および装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えうることは勿論である。
本発明の第1の実施形態の排ガス処理装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の排ガス処理装置を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の排ガス処理装置を示すブロック図である。 図1乃至図3の排ガス処理装置の外観図である。
符号の説明
1 前処理部(前処理用水スプレー塔)
2 加熱酸化分解処理部(加熱酸化分解処理槽)
3 触媒反応分解処理部(触媒反応槽)
4 後処理部(後処理用水スプレー塔)
5,21 空気配管
6 水配管
7,23 水清浄器
8 水気化器
9,10,19 セラミック電気管状路
13 ガス処理槽
14 前処理部(前処理用ファンスクラバ)
15 送水ポンプ
15a 循環タンク
16 加熱酸化部
17 触媒反応部
18 後処理部
20 保温材
25 水気化配管
26,27 ミストセパレータ

Claims (10)

  1. フッ素含有化合物及びCOを含む排ガスの処理方法において、
    前記排ガス中に含まれる粉体成分または水溶性成分または加水分解性成分を除去する前処理と、
    前記前処理された排ガスはミストセパレータを通過し、前記ミストセパレータを通過した排ガスを加熱酸化分解する加熱酸化分解処理と、
    前記加熱酸化分解処理後の酸性ガスを除去し、処理済の排ガスを無害化する後処理とを行うことを特徴とする排ガスの処理方法。
  2. 前記前処理は、前記排ガスが水と接触する気液接触を用いることを特徴とする請求項1記載の排ガスの処理方法。
  3. 前記気液接触は、ファンスクラバーを用いて行うことを特徴とする請求項2記載の排ガスの処理方法。
  4. 前記加熱酸化分解処理は、排ガスを水と接触させて行うことを特徴とする請求項1記載の排ガスの処理方法。
  5. 前記加熱酸化分解処理は、700〜900℃で行われることを特徴とする請求項1記載の排ガスの処理方法。
  6. 前記加熱酸化分解処理の後、排ガスを触媒と接触させて、フッ素含有化合物を除去する触媒による分解処理が行われることを特徴とする請求項1記載の排ガスの処理方法。
  7. 前記加熱酸化分解処理または触媒による分解処理に際して、純水又は蒸留水を供給することを特徴とする請求項6記載の排ガスの処理方法。
  8. 前記後処理は、ファンスクラバー、水スプレー、もしくは通気攪拌槽を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の排ガスの処理方法。
  9. 前記後処理された排ガスは、ミストセパレータを通過した後、処理済のガスとして排気されることを特徴とする請求項8記載の排ガスの処理方法。
  10. 前記加熱酸化分解処理において、排ガスと水は接触補助手段により接触効率が高められることを特徴とする請求項4記載の排ガスの処理方法。
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