JPWO2007077742A1 - 排ガス中の酸化エチレンの除害方法及び除害装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備から排出される排ガスに混入する酸化エチレンを、簡易かつ安全に除害する方法及び除害装置である。本発明の排ガス中の酸化エチレンの除害方法では、酸化エチレンを含む排ガスを、火炎のない高温の反応処理領域に導入すると共に、酸素含有ガスを該反応処理領域に供給し、反応処理領域内にて排ガス中の酸化エチレンを分解する。本発明により、排ガス中の酸化エチレンの濃度を0.1容量%以上から、100容量ppm以下まで低減することができる。
Description
本発明は、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備、特に酸化エチレンを原料として使用する設備より排出される排ガス中の酸化エチレンの除害方法及びその除害装置に関する。
酸化エチレン及び炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備から、未反応の酸化エチレンを含む排ガスが排出される。この排ガスは爆発性があり、毒性も有する。これは、排ガス中に含まれる酸化エチレンに起因する。よって、上記排ガスを大気中へ放出する前に、上記排ガス中の酸化エチレンを除害する必要がある。酸化エチレンは、化学式がCH2OCH2で表される物質で、爆発化限界が3vol%〜100vol%と広く、爆発危険性の極めて高い物質である。また、酸化エチレンは、経口急性毒性(LD50)が72mg/kg(ラット)であり、毒性も強い。このため、地球環境にやさしい排ガス中の酸化エチレンの除害方法が求められていた。
この酸化エチレンの除害方式として、一般には、吸着方式、加水反応方式、触媒方式及び燃焼方式が知られている。
上記吸着方式は、活性炭等の吸着剤を充填した吸着塔に酸化エチレンを通気し、酸化エチレンを該吸着剤に吸着させて除去する方法である。上記吸着方式は、例えば、下記特許文献1に記載されている。
上記加水反応方式は、酸化エチレンを、硫酸酸性吸収液、アルカリ性吸収液又は触媒を添加した吸収液に吸収させ、加水反応により、酸化エチレンをエチレングリコール等にして除去する方法である。上記加水反応方式は、例えば、下記特許文献2及び3に記載されている。
上記触媒方式は、酸化エチレンを、200℃〜500℃で酸化触媒と接触させることにより、酸化エチレンを二酸化炭素と水に分解し、除去する方法である。上記触媒方式は、例えば、下記特許文献4及び5に記載されている。
上記燃焼方式は、酸化エチレンを含む排ガスを火炎中で燃焼させることにより、酸化エチレンを分解し、除去する方法である。上記燃焼方式は、例えば、下記非特許文献1に記載されている。
しかし、上記吸着方式では、吸着剤の破過により吸着が不十分になると、酸化エチレンが十分吸着されず、酸化エチレンが吸着塔より大気中へ放出されるおそれがある。また、吸着剤を再生する際に、吸着剤に吸着されている酸化エチレンが大気中へ放出される問題がある。更に、吸着剤を交換することにより、酸化エチレンを含む吸着剤が廃棄物として発生し、該廃棄物の廃棄が困難になるという問題がある。
上記加水反応方式では、除害処理後にエチレングリコール等を含む排水が発生する。この排水は、エチレングリコール等の濃度によりCODが高くなる。よって、この排水の処理設備が必要になる。その結果、酸化エチレンの除害工程が複雑になる。また、排ガス中の酸化エチレン以外の物質により、吸収液に含まれる触媒の活性が阻害されるおそれがある。
上記触媒方式では、排ガスに混入する酸化エチレン以外の物質が触媒毒となり、触媒活性を著しく消失させ、除害処理が不能になる。一般に、酸化エチレンを用いた設備から排出される排ガスには、酸化エチレン以外の種々の物質が混入している場合が多い。特に、酸化エチレンを原料として使用するエチレンカーボネート製造設備から排出される排ガスには、酸化エチレンの他に、微量のハロゲン化合物、金属分及び油脂類が混入していることがある。よって、他の成分が混入した排ガス中の酸化エチレンの除害方法として、上記触媒方式を適用することは難しい。
上記燃焼方式では、助燃料の燃焼又は酸化エチレン自体の燃焼による火炎が用いられる。しかし、この火炎は、処理する排ガスに対する着火源となり、爆発を引き起こす危険がある。
本発明の解決しようとする課題は、排ガスに混入する酸化エチレン以外の物質(例えば、ハロゲン、金属分及び油脂類等)の影響を受けず、比較的簡易かつ安全に、各種設備(例えば、エチレンカーボネート製造設備等)から排出される排ガス中の酸化エチレンを除害する方法及びその装置を開発することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、火炎のない高温の反応処理領域に排ガスを導入すると共に、酸素含有ガスを該反応処理領域に供給することにより、排ガス中の酸化エチレンを満足できるレベルまで除害できることを見出した。この知見に基づいて、発明者らは本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下に記載するものである。
[1]酸化エチレンを含む排ガス及び酸素含有ガスを、火炎のない高温の反応処理領域に導入し、該反応処理領域内にて、少なくとも上記排ガス中の酸化エチレンを分解する排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[2]上記反応処理領域は、上記反応処理領域内に設けられたヒータにより昇温される上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[3]上記反応処理領域の温度が600℃以上である上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[4]上記反応処理領域に導入する前の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が0.1容量%以上であり、上記酸化分解後の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が100容量ppm以下である上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[5]上記排ガスが、酸化エチレン及び炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備から排出された排ガスである上記[1]記載の除害方法。
[6]排ガス中の酸化エチレンを加熱分解する火炎のない高温の反応処理領域を有する反応塔と、該反応塔の反応処理領域に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とで構成され、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備に接続される除害装置。
[7]上記反応塔に接続して設けられ、上記反応塔から出た処理ガスを洗浄水により洗浄する洗浄塔を有する上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[8]上記反応塔内に、上記反応処理領域を昇温させることができるヒータを有する上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[9]上記ヒータは、(A)セラミックヒータ、又は(B)シースと、該シース内に配設された発熱体と、該シース内に充填された絶縁材とで構成されるシーズヒータである上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[10]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、上記ヒータは、該内筒の周囲に設けられている上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[11]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該外筒及び該内筒の少なくとも一方は、上記反応処理領域を加温することができるヒータ内蔵型筒である上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[12]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該内筒が筒状のセラミックヒータであるか、又は該外筒の内面部分がセラミックヒータである上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[1]酸化エチレンを含む排ガス及び酸素含有ガスを、火炎のない高温の反応処理領域に導入し、該反応処理領域内にて、少なくとも上記排ガス中の酸化エチレンを分解する排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[2]上記反応処理領域は、上記反応処理領域内に設けられたヒータにより昇温される上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[3]上記反応処理領域の温度が600℃以上である上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[4]上記反応処理領域に導入する前の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が0.1容量%以上であり、上記酸化分解後の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が100容量ppm以下である上記[1]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
[5]上記排ガスが、酸化エチレン及び炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備から排出された排ガスである上記[1]記載の除害方法。
[6]排ガス中の酸化エチレンを加熱分解する火炎のない高温の反応処理領域を有する反応塔と、該反応塔の反応処理領域に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とで構成され、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備に接続される除害装置。
[7]上記反応塔に接続して設けられ、上記反応塔から出た処理ガスを洗浄水により洗浄する洗浄塔を有する上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[8]上記反応塔内に、上記反応処理領域を昇温させることができるヒータを有する上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[9]上記ヒータは、(A)セラミックヒータ、又は(B)シースと、該シース内に配設された発熱体と、該シース内に充填された絶縁材とで構成されるシーズヒータである上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[10]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、上記ヒータは、該内筒の周囲に設けられている上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[11]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該外筒及び該内筒の少なくとも一方は、上記反応処理領域を加温することができるヒータ内蔵型筒である上記[8]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
[12]上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該内筒が筒状のセラミックヒータであるか、又は該外筒の内面部分がセラミックヒータである上記[6]記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
本発明では、排ガス中の酸化エチレンが分解する温度に保たれた反応処理領域に、酸化エチレンを含む排ガスと酸素含有ガス(例えば空気)との混合ガスを供給する。本発明によれば、反応処理領域内に触媒等が無くても酸化エチレンを除害することができる。よって、排ガスに混入するハロゲンや金属等の酸化エチレン以外の物質の影響を受けずに酸化エチレンを除害することができる。また、反応処理領域内に火炎も無いことから、着火による爆発の危険性も低く、酸化エチレンを含む排ガス処理を安全に進めることができる。
更に、本発明によれば、排ガス処理後、酸化エチレンは炭酸ガスと水に分解されているので、この処理ガスの洗浄排水のCODはほとんど無い。従って、本発明によれば、排出される洗浄排水の処理も容易となる。
(L)排ガス、(K)反応処理領域、(G)排ガスと酸素含有ガスとの混合ガス、(H)処理ガス、(1)除害装置、(2)外筒、(3)内筒、(4)洗浄水槽、(4a)洗浄水槽上面、(5)酸素含有ガス供給部、(5a)空気供給口、(5b)空気供給口、(6)反応塔、(6a)反応塔天井部、(7)洗浄塔、(8)洗浄水、(9a)スペース、(9b)スペース、(10)排ガス配管、(11)外部空気導入管、(12)外気導入ファン、(13)放出管、(14)排気ファン、(15)散水ノズル、(16)隔壁、(17)揚水ポンプ、(30)ヒータ、(30a)発熱体、(30b)絶縁材。
本発明の除害方法は、例えば、下記に示す除害装置を使用することにより実施することができる。以下、本発明の除害装置を、図に従って詳述する。しかし、本発明の除害方法及び除害装置は、かかる図の装置及び該装置による実施に限定されない。
本発明の除害方法及び除害装置に使用する排ガス中の酸化エチレンの濃度は、0.1容量%以上が好ましい。上記濃度が0.1容量%未満では、本発明の除害方法を用いるまでもなく、他の方法でも排ガス中の酸化エチレンを除害することができる。上記濃度は、より好ましくは0.5容量%以上であり、更に好ましくは1容量%以上である。酸化エチレンが高濃度になるほど、処理時間が短いにもかかわらず、除害効果が大きい。その結果、安価、効率的で簡便、かつ安全という本発明の特徴が発揮される。
本発明において、除害後の排ガス中の酸化エチレンの濃度は、100容量ppm以下が好ましい。上記濃度が100ppmを超える場合は、大気汚染等の安全性の面で問題がある。上記濃度は、より好ましくは40容量ppm以下であり、更に好ましくは20容量ppm以下である。尚、2003年10月に改訂された愛知県公害防止条例「県民の生活環境の保全に関する条例」において、酸化エチレンの規制値は90mg/Nm3(46容量ppm相当)である。
本発明の除害方法及び除害装置に使用する排ガス中の酸化エチレンの濃度は、0.1容量%以上が好ましい。上記濃度が0.1容量%未満では、本発明の除害方法を用いるまでもなく、他の方法でも排ガス中の酸化エチレンを除害することができる。上記濃度は、より好ましくは0.5容量%以上であり、更に好ましくは1容量%以上である。酸化エチレンが高濃度になるほど、処理時間が短いにもかかわらず、除害効果が大きい。その結果、安価、効率的で簡便、かつ安全という本発明の特徴が発揮される。
本発明において、除害後の排ガス中の酸化エチレンの濃度は、100容量ppm以下が好ましい。上記濃度が100ppmを超える場合は、大気汚染等の安全性の面で問題がある。上記濃度は、より好ましくは40容量ppm以下であり、更に好ましくは20容量ppm以下である。尚、2003年10月に改訂された愛知県公害防止条例「県民の生活環境の保全に関する条例」において、酸化エチレンの規制値は90mg/Nm3(46容量ppm相当)である。
図1乃至図4は、本発明の除害装置の概略構造図である。
排ガス(L)は、例えば、酸化エチレンと炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備(図示せず)から排出される。排ガス(L)は、排ガス配管(10)により、本発明の除害装置(図では(1)で表記される。)に導入される。図1は、1乃至複数のヒータ(30)が、反応塔(6)の天井部から吊されて、内筒(3)の周囲に設けられている除害装置の例である。これに対して、図2と図3は、図1のヒータ(30)の代わりに、内筒(3)がヒータを兼ねている除害装置の例である。尚、本発明において、上記排ガス(L)を排出する設備は、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備である限り、その種類に特に限定はない。上記設備としては、例えば、酸化エチレンを使用する設備、特に酸化エチレンを原料として使用する設備等が挙げられる。より具体的には、上記エチレンカーボネート製造設備等が挙げられる。
排ガス(L)は、例えば、酸化エチレンと炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備(図示せず)から排出される。排ガス(L)は、排ガス配管(10)により、本発明の除害装置(図では(1)で表記される。)に導入される。図1は、1乃至複数のヒータ(30)が、反応塔(6)の天井部から吊されて、内筒(3)の周囲に設けられている除害装置の例である。これに対して、図2と図3は、図1のヒータ(30)の代わりに、内筒(3)がヒータを兼ねている除害装置の例である。尚、本発明において、上記排ガス(L)を排出する設備は、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備である限り、その種類に特に限定はない。上記設備としては、例えば、酸化エチレンを使用する設備、特に酸化エチレンを原料として使用する設備等が挙げられる。より具体的には、上記エチレンカーボネート製造設備等が挙げられる。
図1のヒータ(30)は、セラミックヒータでもよい。また、図1のヒータ(30)は、ニッケル製(ハステロイのようなニッケル合金でもよい。)のシース(鞘管)と、該シース内に配設されたニクロム線等の発熱体(30a)と、上記シース内に充填された絶縁材(30b)とで構成されたシーズヒータ等でもよい。また、上記ヒータ(30)は、反応塔(6)の床面に立てることにより、内筒(3)の周囲に設けてもよい。
図1及び図2に示す除害装置と、図3に示す除害装置とは、排ガスと酸素含有ガスとの混合ガス(G)の反応処理領域(K)への流入経路が相違するだけである。図1に示す除害装置の場合も、排ガスと酸素含有ガスとの混合ガス(G)の流入経路を、図3に示す除害装置の流入経路と同様にしてもよい。図1乃至3に示す除害装置のその他の構造はほぼ同じである。よって、図1乃至3に示す除害装置において、同一機能を有する部分は同一番号を付す。そして以下からは図1を中心にして説明して、図2及び図3は相違する部分だけ説明する。図1と同一部分の説明は、図2及び図3の説明に援用する。尚、以下の説明において、「酸素含有ガス」として空気を用いる。
除害装置(1)は、下部に設置された洗浄水槽(4)、該洗浄水槽(4)に接続されている空気供給部(5a)、該洗浄水槽(4)の上面中央に立てて設けられた反応塔(6)、及び該反応塔(6)を超えて上記空気供給部(5a)の反対側に設けられた洗浄塔(7)で構成されている。
除害装置(1)の反応塔(6)の中心に、内筒(3)が配置されている。該内筒(3)の周囲には、該内筒(3)を囲むように、又は該内筒(3)に沿うように、ヒータ(30)が反応塔(6)の天井部(6a)から吊るされて設けられている。尚、本図では記載していないが、除害装置(1)では、反応塔(6)内のガス流を阻害しない状態で、洗浄水槽(4)の上面(4a)を反応塔(6)内に延出させることにより、延出床部を形成することができる。そして、上記ヒータ(30)は、内筒(3)の周囲を囲むように、又は沿うように、上記延出床部に立てて設けてもよい。
内筒(3)は、例えば、アルミナ質若しくはムライト質を材質とするセラミック製、ニッケル製、又はハステロイのようなニッケル合金製の筒状の部材を使用することができる。内筒(3)は、図2及び3に示すヒータ内蔵型の内筒(3)及び筒状のセラミックヒータも適宜選択して使用することができる。
ヒータ内蔵型の内筒(3)は、内・外皮がアルミナ質若しくはムライト質を材質とするセラミック、ニッケル、又はハステロイのようなニッケル合金で構成されている。また、ヒータ内蔵型の内筒(3)の内部には、ニクロム線のような発熱電線が配設され、且つ絶縁材が充填されている。
この内筒(3)は、反応塔(6)の底部から塔頂に向かって立てて設けられており、内筒(3)の上端部分が最も高温となるように設計されている。この部分を反応処理領域(K)とする。
ヒータ内蔵型の内筒(3)は、内・外皮がアルミナ質若しくはムライト質を材質とするセラミック、ニッケル、又はハステロイのようなニッケル合金で構成されている。また、ヒータ内蔵型の内筒(3)の内部には、ニクロム線のような発熱電線が配設され、且つ絶縁材が充填されている。
この内筒(3)は、反応塔(6)の底部から塔頂に向かって立てて設けられており、内筒(3)の上端部分が最も高温となるように設計されている。この部分を反応処理領域(K)とする。
外筒(2)は、通常、その内面がアルミナ質若しくはムライト質よりなるセラミック質で形成され、その外周全体が断熱材で覆われた断熱構造体、又はその内面がニッケル製若しくはハステロイのようなニッケル合金製で、その外周全体が断熱材で覆われた断熱構造体である。更に、外筒(2)として、内面部分がセラミックヒータタイプの外筒(即ち、外筒(2)のセラミック部分が、セラミックヒータである外筒)及びヒータ内蔵型の外筒(図示せず)が例示される。
ヒータ内蔵型の外筒は、例えば、ニッケル製又はハステロイのようなニッケル合金製の内皮とその外側に設けられた断熱材との間に絶縁材が充填され、更に該絶縁材内にニクロム線のような発熱体が充填された断熱構造体で構成されている。
ヒータ内蔵型の外筒は、例えば、ニッケル製又はハステロイのようなニッケル合金製の内皮とその外側に設けられた断熱材との間に絶縁材が充填され、更に該絶縁材内にニクロム線のような発熱体が充填された断熱構造体で構成されている。
本発明において、内筒(3)、外筒(2)及びヒータ(30)は、前記構成の内筒、外筒及びヒータのそれぞれを全て組み合わせて使用することができる。本発明において、外筒(2)の内面部分のセラミック部分及び内筒(3)が共にセラミックヒータの場合、又は外筒(2)の内面部分及び内筒(3)が共に発熱体が内蔵された構造の場合、排ガス(L)が内筒(2)の内側及び外側で加熱されることになる。よって、反応塔(6)の反応処理領域(K)に導入される排ガス(L)への熱輻射及び熱伝導の効率は極めて高い。
前記内筒(3)の上端部近傍から内筒(3)の内部上端部分に掛けての空間が作動時、最も高温となり、この部分が前記反応処理領域(K)を形成する。この説明は、図2及び図3にも適用可能である。
前記内筒(3)の上端部近傍から内筒(3)の内部上端部分に掛けての空間が作動時、最も高温となり、この部分が前記反応処理領域(K)を形成する。この説明は、図2及び図3にも適用可能である。
本発明の除害装置(1)の洗浄塔(7)から導出された放出管(13)の下流には、排気ファン(14)が設置されている。この排気ファン(14)により、除害装置(1)内が減圧される。この減圧により、エチレンカーボネート製造設備の排ガス(L)が、洗浄水槽(4)に接続された排ガス配管(10)よりスペース(9a)を経由して、反応処理領域(K)に導入される。また、洗浄塔(7)内には、散水ノズル(15)が設けられている。この散水ノズル(15)により、洗浄塔(7)内に水を霧状に散水することができる。
酸素含有ガス供給部(5)は、本図では、洗浄水槽(4)に設置された空気供給口(5a)である。該空気供給口には、外部空気導入管(11)が設置されている。外部空気導入管(11)に設置された外気導入ファン(12)により、排ガス(L)の酸化分解に必要な理論量より2倍以上過剰の量の外部空気が、空気供給口(5a)より導入されるようになっている。
洗浄水槽(4)内部の洗浄塔(7)側には、洗浄水(8)が蓄えられている。洗浄水槽(4)は、空気供給口(5a)側にスペース(9a)が設けられ、洗浄塔(7)側の上面(4a)と洗浄水(8)との間にスペース(9b)が設けられている。そして、反応塔(6)の内筒(3)の底部には、空気供給口(5a)側のスペース(9a)と洗浄塔(7)側のスペース(9b)とを隔てる隔壁(16)が設けられている。洗浄水槽(4)の内部は、隔壁(16)によって底面まで仕切られており、洗浄水(8)がスペース(9a)へ通流しない構成になっている。この構成は、酸化エチレンを含む排ガス(L)が洗浄水(8)と直接接触しないようにするためである。この構成によって、洗浄水(8)に排ガス(L)中の酸化エチレンが溶解することを防ぐことができる。
前記洗浄塔(7)の散水ノズル(15)には、洗浄水槽(4)から揚水ポンプ(17)にて揚水された水が供給されている。また、洗浄水槽(4)には、散水ノズル(15)を経由して、必要に応じて清浄な市水が供給される。更に、洗浄水槽(4)は、供給量に応じて汚れた洗浄水(8)が排出される構成になっている。
このように構成された除害装置(1)において、ヒータ(30)に通電して、反応処理領域(K)及び内筒(3)の上部の表面接触温度を所定温度まで昇温させる。この昇温の後、又はこの昇温と同時に、外気導入ファン(12)、処理ガスの排気ファン(14)及び揚水ポンプ(17)を作動させる。上記の所定温度は、酸化エチレンの分解のために600℃以上が好ましく、分解効率と安全性の点から800℃〜900℃が特に好ましい。
外気導入ファン(12)を作動させることにより、導入された空気を空気供給口(5a)からスペース(9a)に送り出す。一方、スペース(9b)は、処理ガス排気ファン(14)の排気作用により負圧状態となる。その結果、順番に空気供給口(5a)、スペース(9a)、内筒(3)、反応処理領域(K)、外筒(2)と内筒(3)との間の空間、スペース(9b)、及び洗浄塔(7)という通路を通って、除害装置(1)内の気体がスムーズに流れるようになる。この流れが定常状態となったところで、排ガス配管(10)から、酸化エチレンガスを含む排ガス(L)を、洗浄水槽(4)の上部に供給する。
図2に示す除害装置(1)は、内筒(3)がヒータ内蔵、又はセラミックヒータそのもので構成されているが、基本的には図1に示す除害装置(1)と同じ構成である。従って、図2に示す除害装置(1)は、前述と同様の手順によって稼動される。即ち、図2に示す除害装置(1)では、順番に空気供給口(5a)、スペース(9a)、内筒(3)、反応処理領域(K)、外筒(2)と内筒(3)との間の空間、スペース(9b)、及び洗浄塔(7)という通路を通って、除害装置(1)内の気体がスムーズに流れるようになる。この流れが定常状態となったところで、排ガス配管(10)から、酸化エチレンガスを含む排ガス(L)を、洗浄水槽(4)の上部に供給する。
図3に示す除害装置(1)では、気体の流れが若干相違する。図3に示す除害装置(1)において、順番に空気供給口(5a)、スペース(9a)、外筒(2)と内筒(3)の間の空間、反応処理領域(K)、内筒(3)、スペース(9b)、及び洗浄塔(7)
という通路を通って、除害装置(1)内の気体がスムーズに流れるようになる。この流れが定常状態となったところで、排ガス配管(10)から酸化エチレンガスを含む排ガス(L)を、洗浄水槽(4)の上部に供給する。
という通路を通って、除害装置(1)内の気体がスムーズに流れるようになる。この流れが定常状態となったところで、排ガス配管(10)から酸化エチレンガスを含む排ガス(L)を、洗浄水槽(4)の上部に供給する。
反応塔(6)の頂部(6a)の内部から内筒(3)の上部にかけての反応処理領域(K)では、排ガス(L)中の酸化エチレンが有効に酸化分解する温度に保たれている。排ガス(L)中の酸化エチレンは、酸素含有ガスの存在下で水と二酸化炭素に分解する。この反応により、排ガス中の酸化エチレンは除害される。
酸化エチレンは、350℃付近から分解を始め、800℃でほぼ完全に分解される。従って、除害装置(1)の反応処理領域の温度は600℃以上が好ましく、分解効率と安全性の点から800℃〜900℃が特に好ましい。
また、酸化エチレンを0.1容量%以上含む排ガスと酸素含有ガスの比は、酸素含有ガスが酸素20容量%・窒素80%の混合ガスの場合、排ガス/酸素含有ガス=90/10〜50/50(容量比)が好ましい。
酸化エチレンは、350℃付近から分解を始め、800℃でほぼ完全に分解される。従って、除害装置(1)の反応処理領域の温度は600℃以上が好ましく、分解効率と安全性の点から800℃〜900℃が特に好ましい。
また、酸化エチレンを0.1容量%以上含む排ガスと酸素含有ガスの比は、酸素含有ガスが酸素20容量%・窒素80%の混合ガスの場合、排ガス/酸素含有ガス=90/10〜50/50(容量比)が好ましい。
除害処理後の排ガス(L)(以下、「処理ガス」という)は、図1及び2に示す除害装置(1)では、反応処理領域(K)から外筒(2)と内筒(3)との間の空間内を経て、図3に示す除害装置(1)では、反応処理領域(K)から内筒(3)内を経て、スペース(9b)を通って洗浄塔(7)内に至る。洗浄塔(7)では、散水ノズル(15)から噴霧された液滴により処理ガスが冷却されると共に、処理ガスに残留した極微量の水溶性ガス及び加水分解性ガスなども洗浄により除去される。除去された水溶性ガス及び加水分解性ガスなどは、上記散水ノズル(15)から噴霧された液滴にて捕集されて、スペース(9b)内の洗浄水(8)中に吸収されて回収される。そして、このようにして清浄化された処理ガス(H)は、排気ファン(14)により大気中へ放出される。
図4及び5は、本発明の除害装置(1)のその他の例である。
図4及び図5に示す除害装置(1)は、複数の排ガス配管(10)が、反応塔(6)の上部に、該反応塔(6)の周囲から外筒(2)の接線方向にて接続されている例である。該除害装置(1)は、この構成により、複数の酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備から排出される排ガスの処理が可能である。尚、上記酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備としては、例えば、エチレンカーボネート製造設備等の酸化エチレンを原料として使用する製造設備等が挙げられる。また、上記複数の酸化エチレンを使用する設備として具体的には、例えば、(A)複数のエチレンカーボネート製造設備、及び(B)エチレンカーボネート製造設備と酸化エチレンを含む排ガスを排出する他の設備(エチレンカーボネート製造設備は除く。)との組み合わせ等が挙げられる。
また、この場合、酸素含有ガス供給部(5)に該当する空気供給口(5a)は、反応塔(6)の下部に直接設置されている。もちろん、図4及び図5に示す除害装置において、洗浄水槽(4)に空気供給口(5a)を設けてもよい。
尚、図4及び図5に示す除害装置(1)では、洗浄水槽(4)の上面(4a’)によって外筒(2)の下端が閉塞されており、この部分が図1乃至3の隔壁(16)に相当する。それ以外の部分は、図1乃至3に示す除害装置と同じであるので、図1乃至3の説明を援用して図4の説明に代える。
図4及び図5に示す除害装置(1)は、複数の排ガス配管(10)が、反応塔(6)の上部に、該反応塔(6)の周囲から外筒(2)の接線方向にて接続されている例である。該除害装置(1)は、この構成により、複数の酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備から排出される排ガスの処理が可能である。尚、上記酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備としては、例えば、エチレンカーボネート製造設備等の酸化エチレンを原料として使用する製造設備等が挙げられる。また、上記複数の酸化エチレンを使用する設備として具体的には、例えば、(A)複数のエチレンカーボネート製造設備、及び(B)エチレンカーボネート製造設備と酸化エチレンを含む排ガスを排出する他の設備(エチレンカーボネート製造設備は除く。)との組み合わせ等が挙げられる。
また、この場合、酸素含有ガス供給部(5)に該当する空気供給口(5a)は、反応塔(6)の下部に直接設置されている。もちろん、図4及び図5に示す除害装置において、洗浄水槽(4)に空気供給口(5a)を設けてもよい。
尚、図4及び図5に示す除害装置(1)では、洗浄水槽(4)の上面(4a’)によって外筒(2)の下端が閉塞されており、この部分が図1乃至3の隔壁(16)に相当する。それ以外の部分は、図1乃至3に示す除害装置と同じであるので、図1乃至3の説明を援用して図4の説明に代える。
以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。
[実施例1]
反応処理領域(K)が40Lである図1の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.0容量%、窒素の濃度が98%である排ガスを、51Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を15Nm3/hrの流量で該装置に供給した。反応処理領域(K)の温度を800℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.6秒で、除害処理後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1容量ppmになった。
[実施例1]
反応処理領域(K)が40Lである図1の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.0容量%、窒素の濃度が98%である排ガスを、51Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を15Nm3/hrの流量で該装置に供給した。反応処理領域(K)の温度を800℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.6秒で、除害処理後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1容量ppmになった。
[実施例2]
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.5容量%である排ガスを、62Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を20Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を850℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1容量ppmになった。
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.5容量%である排ガスを、62Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を20Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を850℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1容量ppmになった。
[実施例3]
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.6容量%である排ガスを、62Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を20Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を800℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.4秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で2容量ppmになった。
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.6容量%である排ガスを、62Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を20Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を800℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.4秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で2容量ppmになった。
[実施例4]
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.5容量%である排ガスを、68Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を24Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を700℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で7容量ppmになった。
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.5容量%である排ガスを、68Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を24Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を700℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が0.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で7容量ppmになった。
[実施例5]
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.7容量%である排ガスを、21Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を12Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を600℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が1.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で100容量ppmになった。
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.7容量%である排ガスを、21Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を12Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を600℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が1.5秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で100容量ppmになった。
[比較例]
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.0容量%である排ガスを、51Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を15Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を400℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が1.0秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1000容量ppmになった。
実施例1と同様の装置を用いた。酸化エチレンの濃度が2.0容量%である排ガスを、51Nm3/hrの流量で該装置に供給した。同時に、空気を15Nm3/hrで供給した。反応処理領域(K)の温度を400℃に保持して、酸化エチレンの酸化分解を行った。その結果、反応処理領域(K)での排ガスの滞留時間が1.0秒で、除害後の処理ガスの酸化エチレンの濃度は、検知管法による測定で1000容量ppmになった。
本発明によれば、酸化エチレンを使用する設備、特に酸化エチレンと炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備から排出される酸化エチレンを含む排ガスを、簡便に効率よく、かつ安全に分解できる。従って、本発明によれば、低コストで地球環境にやさしい排ガス中の酸化エチレンの除害方法及び除害装置が提供できる。
本発明の除害方法及び除害装置は、エチレンカーボネート製造設備等の酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備に接続して使用され、該設備から排出された有害な排ガスの無害化に利用することができる。
Claims (12)
- 酸化エチレンを含む排ガス及び酸素含有ガスを火炎のない高温の反応処理領域に導入し、該反応処理領域内にて、少なくとも上記排ガス中の酸化エチレンを分解する排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
- 上記反応処理領域は、上記反応処理領域内に設けられたヒータにより昇温される請求項1記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
- 上記反応処理領域の温度が600℃以上である請求項1記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
- 上記反応処理領域に導入する前の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が0.1容量%以上であり、上記酸化分解後の上記排ガス中の酸化エチレンの濃度が100容量ppm以下である請求項1記載の排ガス中の酸化エチレンの除害方法。
- 上記排ガスが、酸化エチレン及び炭酸ガスを原料とするエチレンカーボネート製造設備から排出された排ガスである請求項1記載の除害方法。
- 排ガス中の酸化エチレンを加熱分解する火炎のない高温の反応処理領域を有する反応塔と、該反応塔の反応処理領域に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とで構成され、酸化エチレンを含む排ガスを排出する設備に接続される排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記反応塔に接続して設けられ、上記反応塔から出た処理ガスを洗浄水により洗浄する洗浄塔を有する請求項6記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記反応塔内に、上記反応処理領域を昇温させることができるヒータを有する請求項6記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記ヒータは、(A)セラミックヒータ、又は(B)シースと、該シース内に配設された発熱体と、該シース内に充填された絶縁材とで構成されるシーズヒータである請求項8記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、上記ヒータは、該内筒の周囲に設けられている請求項8記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該外筒及び該内筒の少なくとも一方は、上記反応処理領域を加温することができるヒータ内蔵型筒である請求項8記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
- 上記反応塔は、外筒と、該外筒内に設けられた内筒とを有し、該内筒が筒状のセラミックヒータであるか、又は該外筒の内面部分がセラミックヒータである請求項6記載の排ガス中の酸化エチレンの除害装置。
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