JP2007201521A - 周波数成分分離フィルタ、方法およびプログラム - Google Patents

周波数成分分離フィルタ、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 回路規模の削減および処理内容の簡素化が可能な周波数成分分離フィルタ、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 周波数成分分離フィルタ100は、入力データに対してN個の移動平均を計算する遅延回路110、112、加算器120、122、D型フリップフロップ130、係数乗算器132からなる移動平均演算手段と、移動平均の計算対象となっているN個の入力データの中から中央の入力データを取り出してこの入力データの値から移動平均値を減算する加算器124からなる減算手段とを備えている。加算器124と係数乗算器132の各出力が同時に取り出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力されるデジタルデータから直流成分とそれ以外の周波数成分を分離する周波数成分分離フィルタ、方法およびプログラムに関する。
最近では、各種の信号処理をデジタル処理によって行う手法が多用されており、デジタルフィルタによって所望の周波数特性を有するハイパスフィルタ等の各種フィルタが実現されている(例えば、特許文献1参照。)。
図3は、デジタルフィルタによって実現される従来のハイパスフィルタの構成を示す図である。図3に示すハイパスフィルタは、非巡回型のFIRフィルタであり、複数の遅延素子61a〜61n、62a〜62nと、複数の係数乗算器63、64a〜64n、65a〜65nと、各係数乗算器の出力を加算する加算器とを含んで構成される。各係数乗算器の係数を左右対称に設定することにより、位相特性をリニアにすることができる。また、遅延素子の数(タップ数)を多くすることにより、急峻な特性を得ることができる。
図4は、ハイパスフィルタのタップ数と周波数特性の関係を示す図である。図4に示す特性は、サンプリング周波数fを50kHzに設定し、タップ数を可変して周波数特性を計算したものである。Aはタップ数を4097とした場合の周波数特性を、Bはタップ数を2049とした場合の周波数特性を、Cはタップ数を1025とした場合の周波数特性をそれぞれ示している。なお、タップ数をNとしたときに、中央のタップに対応する係数乗算器63の係数が1−1/Nに、それ以外の係数乗算器64a〜64n、65a〜65nの各係数が−1/Nにそれぞれ設定されている。図4に示すように、タップ数を増やすことにより、直流成分近傍の成分のみを除去し、それ以上の周波数成分を振幅を変更せずに通過させるハイパスフィルタを実現することができる。なお、タップ数が4097の場合のカットオフ周波数はf/N=50000/4097=12.2Hzになるため、このようなハイパスフィルタを用いることにより、混合回路の出力信号から直流成分を除去して、12.2Hz以上の音声成分を取り出すことが可能になる。
また、FIRフィルタによって構成されるローパスフィルタも、図3に示したハイパスフィルタと同様の基本構造を有している(例えば、特許文献2参照。)。
入力データから直流成分とそれ以外の成分を分離する場合には、ほぼ同じカットオフ周波数を有するハイパスフィルタとローパスフィルタにこの入力信号を通して、低域成分(直流成分)とそれ以外の成分を別々に抽出することになる。
特開平5−90898号公報(第3頁、図9) 特開平5−152891号公報(第2頁、図5)
ところで、上述した特許文献1に開示された構成を有するハイパスフィルタは、N−1個の遅延素子の他に、N個の係数乗算器と加算器(2入力の加算器を考えた場合にはN−1個)が必要になって、回路規模が大きくなるという問題があった。特に、低いカットオフ周波数と平坦な通過域特性を実現しようとすると、タップ数を非常に大きな値(サンプリング周波数が50kHzの上記の例では4000程度)にする必要があり、回路規模がさらに増大する。また、このような構成を有するハイパスフィルタの処理をDSP等のプロセッサによる演算処理によって実現することもできるが、N回の乗算処理が必要になるため、処理内容が複雑化するという問題があった。
また、入力データから直流成分とそれ以外の成分を分離する場合には、同じカットオフ周波数を有するハイパスフィルタとローパスフィルタにこの入力信号を通すことになる。しかし、FIRフィルタで構成されるハイパスフィルタとローパスフィルタは同じ基本構造を有しているが、係数乗算器の係数が異なるため同じものを共通に使用することはできず、別部品として備える必要があり、回路規模がさらに大きくなるという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、回路規模の削減および処理内容の簡素化が可能な周波数成分分離フィルタ、方法およびプログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の周波数成分分離フィルタは、入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する移動平均演算手段と、移動平均の計算対象となっている所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から移動平均演算手段による計算によって得られた移動平均値を減算する減算手段とを備え、移動平均演算手段による計算結果を第1の出力として、減算手段による減算結果を第2の出力として取り出している。
また、本発明の周波数成分分離方法は、入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する第1のステップと、移動平均の計算対象となっている所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から移動平均の計算結果を減算する第2のステップとを有し、第1のステップにおける計算結果を第1の出力として、第2のステップにおける減算結果を第2の出力として取り出している。
また、本発明の周波数成分分離プログラムは、コンピュータを、入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する移動平均演算手段と、移動平均の計算対象となっている所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から移動平均演算手段による計算によって得られた移動平均値を減算する減算手段として機能させ、移動平均演算手段による計算結果を第1の出力として、減算手段による減算結果を第2の出力として取り出している。
入力データに対して移動平均を計算することにより、入力データに含まれる低域成分(直流成分)を抽出することができる。また、この低域成分を入力データから減算することにより、入力データに含まれる直流成分を除去することが可能になる。これにより、入力データに含まれる直流成分とそれ以外の周波数成分の両方を同時に取り出すことが可能になる。特に、移動平均と減算のみが行われているため、移動平均の計算対象に対応するような数の乗算手段(あるいはステップ)が不要になり、回路規模の削減や処理内容の簡素化が可能になる。
また、上述した移動平均演算手段は、所定個数Nの入力データの値を累積する累積手段と、累積手段によって累積された値に対して1/Nを係数として乗算する係数乗算手段とを有することが望ましい。あるいは、上述した第1のステップは、所定個数Nの入力データの値を累積する第3のステップと、第3のステップにおいて累積された値に対して1/Nを係数として乗算する第4のステップとを有することが望ましい。これにより、移動平均を計算する際の累積処理による丸め誤差の発生を防止することができ、計算精度の低下を抑えることができる。
また、上述した累積手段は、N−1個の入力データを入力順に保持して出力する遅延手段と、入力データに累積値を加算する第1の加算手段と、第1の加算手段による加算結果を入力データの入力間隔に相当する時間保持して出力するデータ保持手段と、データ保持手段から出力されるデータから遅延手段の出力データを減算した結果を累積値として第1の加算手段と係数乗算手段のそれぞれに向けて出力する第2の加算手段とを有することが望ましい。あるいは、上述した第3のステップは、N−1個の入力データを入力順に保持して出力する第5のステップと、入力データに累積値を加算する第6のステップと、第6のステップにおける加算結果を入力データの入力間隔に相当する時間保持して出力する第7のステップと、第7のステップにおいて出力されるデータから第5のステップにおける出力データを減算した結果を累積値として計算する第8のステップとを有することが望ましい。これにより、入力データが入力される毎に、新しい入力データを累積値に加算するとともに最も古い入力データの分を累積値から差し引いて累積値の更新を行うことができ、簡単な回路構成および少ない処理で移動平均を求めることが可能になる。
また、上述した累積手段、第1の加算手段、データ保持手段、第2の加算手段のいずれかの出力を第1の出力に代えて取り出すことが望ましい。あるいは、上述した第3のステップ、第6のステップ、第7のステップ、第8のステップのいずれかにおける処理結果を第1の出力に代えて取り出すことが望ましい。これらの処理結果は、累積結果そのものあるいは累積結果と同等であり、係数(1/N)を乗算する前に取り出すことにより、入力データに対して所定の利得で増幅した出力を得ることができる。しかも、係数(1/N)を乗算して下位ビットの情報が欠落する前のデータを取り出すことにより、S/N比やダイナミックレンジを向上させることができる。
また、上述した遅延手段は、(N−1)/2個の入力データを入力順に保持して出力する縦続接続された第1および第2の分割遅延手段を有しており、前段の第1の分割遅延手段から出力されるデータを中央あるいはその近傍の入力データとして減算手段に入力することが望ましい。あるいは、上述した第5のステップは、(N−1)/2個の入力データを入力順に保持して出力する第9のステップと、この第9のステップにおいて出力される(N−1)/2個の入力データを入力順に保持して出力する第10のステップとを有しており、第9のステップにおいて出力されるデータを中央あるいはその近傍の入力データとして第2のステップにおいて使用することが望ましい。これにより、移動平均を求めるために使用した遅延手段の一部(第1の分割遅延手段)を用いることが可能になり、回路および処理の共用によるさらなる回路規模の削減および処理内容の簡素化が可能になる。
また、上述した遅延手段は、半導体メモリによって形成されていることが望ましい。これにより、規模の大きな遅延手段を容易に実現することができる。
また、上述した入力データは、所定のサンプリング周波数fに対応する音声データであり、f/Nの値が音声の可聴範囲の下限値以下となるようにNの値が設定されることが望ましい。これにより、移動平均の計算対象となる入力データの個数Nを設定することにより、f/Nで示されるハイパスフィルタのカットオフ周波数を音声の可聴範囲よりも高くすることが容易となり、音声データに含まれる不要な直流成分を除去することができる。
また、上述した所定個数Nは2のべき乗の数であり、係数乗算手段は、ビット位置をシフトさせることで1/Nを係数とする乗算を行うことが望ましい。N=2m とすると係数1/N=1/2m の乗算は、mビット分下位にビット位置をシフトさせることにより行うことができ、しかもこの係数が固定の場合には、さらに簡単に配線を工夫してデータを取り出すビット位置をmビット分上位側にシフトすることにより実現することができる。これにより、実質的に係数乗算手段を用いない周波数成分分離フィルタを構成することが可能になる。
以下、本発明を適用した一実施形態の周波数成分分離フィルタについて詳細に説明する。
図1は、一実施形態の周波数成分分離フィルタの構成を示す図である。図1に示す周波数成分分離フィルタ100は、2つの遅延回路110、112と、3つの加算器120、122、124と、1つのD型フリップフロップ130と、1つの係数乗算器132とを含んで構成されている。この周波数成分分離フィルタ100には、例えば50kHzのサンプリング周波数fでサンプリングされた16ビットの音声データが入力されている。
一方の遅延回路110は、タップ数が2K(=2048)に設定されており、周波数成分分離フィルタ100に入力される16ビットのデジタルデータD1を入力順に2K個保持した後に出力する。同様に、他方の遅延回路112は、タップ数が2Kに設定されており、一方の遅延回路110から出力されるデジタルデータD2を入力順に2K個保持した後に出力する。これら2つの遅延回路110、112は、ともに中間タップを有しないため、シフトレジスタあるいはRAM等の半導体メモリを用いて実現することができる。
加算器120は、周波数成分分離フィルタ100に入力されるデータD1と、後段の加算器122から出力されるデータD3とを加算する。D型フリップフロップ130は、加算器120から出力される加算結果としてのデータD4を1クロック分保持して出力する。加算器122は、D型フリップフロップ130に保持されたデータD5から、後段の遅延回路112から出力されるデータD6を減算した結果を出力する。
係数乗算器132は、係数aが1/(4K+1)=1/4097に設定されており、加算器122から出力されるデータD3をa倍した結果を出力する。加算器124は、前段の遅延回路110から出力されるデータD2から係数乗算器132の出力データD7を減算する。
上述した遅延回路110、112、加算器120、122、D型フリップフロップ130、係数乗算器132が第1のステップの動作を行う移動平均演算手段に、加算器124が第2のステップの動作を行う減算手段に、遅延回路110、112、加算器120、122、D型フリップフロップ130が第3のステップの動作を行う累積手段に、係数乗算器132が第4のステップの動作を行う係数乗算手段にそれぞれ対応する。2つの遅延回路110、112が第5のステップの動作を行う遅延手段に、一方の遅延回路110が第9のステップの動作を行う第1の分割遅延手段に、他方の遅延回路112が第10のステップの動作を行う第2の分割遅延手段に、加算器120が第6のステップの動作を行う第1の加算手段に、加算器122が第8のステップの動作を行う第2の加算手段に、D型フリップフロップ130が第7のステップの動作を行うデータ保持手段にそれぞれ対応する。
本実施形態の周波数成分分離フィルタ100はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
周波数成分分離フィルタ100の動作開始時には、2つの遅延回路110、112およびD型フリップフロップ130がリセットされる。したがって、以後、周波数成分分離フィルタ100が動作クロックに同期して動作を開始すると、最初の4K+1(=N)個のデータD1が入力されるまでは、D型フリップフロップ130に保持されたデータD5(=D3)が加算器122を介して加算器120に入力されて入力データD1に加算されて累積される。
次に、4K+2個目のデータD1が入力されてこれに対応する累積値がD型フリップフロップ130に保持されると、このタイミングに同期して後段の遅延回路112からは最初のデータD1が出力される。したがって、加算器122では、それまでの累積値(4K+2個分の入力データD1の累積値)から最初のデータを差し引いて、2番目の入力データD1から4K+2個目の入力データまでの4K+1個分の累積値を出力する。このようにして、以後、新たなデータD1が入力される毎に、累積演算の対象となる4K+1個の入力データD1を一つずつずらした累積処理が行われる。この累積処理されたデータD3は係数乗算器132によってa(=1/(4K+1))倍された後に加算器124の一方の入力端に入力される。
また、このような累積処理と並行して、累積演算の対象となった4K+1個の入力データD1の中央のデータD2が遅延回路110から取り出される。このデータD2は、加算器124の他方の入力端に入力される。加算器124では、係数乗算器132から出力されるデータD7を減算した結果を出力する。
ところで、加算器124の一方の入力端に入力されるデータD7は、4K+1個の入力データD1を累積した後a(=1/(4K+1))倍して移動平均をとったものであるため、入力データD1を4K+1個分平滑したものであり、入力データD1の低域成分(直流成分)を抽出したことになる。したがって、加算器124において、データD2からこの低域成分を減算することにより、直流成分を取り除いた高域成分のみを第2の出力として取り出すことができる。また、加算器124の一方の入力端に接続された係数乗算器132からは、入力データから直流成分を抽出して第1の出力として取り出すことができる。
実際に、図3に示した一般的な構成を有するFIRフィルタにおいて、遅延素子61a等の数を4K個に、係数乗算器63の係数を(1−1/(4K+1))に、係数乗算器64a〜64nの数を2K個に、係数乗算器65a〜65nの数を2K個に、それらの係数値a1 〜an を(−1/(4K+1))にそれぞれ設定することにより、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100と等価な構成となる。これからも、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100が、直流成分を除去するハイパスフィルタとして動作し、しかも対称型のFIRフィルタと同じようにリニアな位相特性を有することがわかる。
また、直流成分を抽出する部分(加算器124に入力されるデータD7を第1の出力として取り出す部分)については、図3に示した一般的な構成を有するFIRフィルタにおいて、遅延素子61a等の数を4K個に、係数乗算器63の係数を(−1/(4K+1))に、係数乗算器64a〜64nの数を2K個に、係数乗算器65a〜65nの数を2K個に、それらの係数値a1 〜an を(−1/(4K+1))にそれぞれ設定することにより、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100と等価な構成となる。これからも、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100が、直流成分を抽出するローパスフィルタとして動作し、しかも対称型のFIRフィルタと同じようにリニアな位相特性を有することがわかる。
図2は、周波数成分分離フィルタ100の周波数特性をシミュレートした結果を示す図である。図2において、横軸は周波数を、縦軸は振幅値をそれぞれ示している。図2に示すように、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100を用いることにより、十数Hz以下の直流成分が除去された出力OUT1と、十数Hz以下の直流成分が抽出された出力OUT2を得ることができた。
このように、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100では、データに対して移動平均を計算することにより、入力データに含まれる低域成分(直流成分)を抽出することができる。また、この低域成分を入力データから減算することにより、入力データに含まれる直流成分を除去することが可能になる。これにより、入力データに含まれる直流成分とそれ以外の周波数成分の両方を同時に取り出すことが可能になる。特に、移動平均と減算のみが行われているため、移動平均の計算対象に対応するような数の乗算手段(あるいはステップ)が不要になり、回路規模の削減や処理内容の簡素化が可能になる。
また、上述した移動平均演算は、所定個数Nの入力データの値を累積するとともに、この累積された値に対して1/Nを係数として乗算することにより実現されている。これにより、移動平均を計算する際の累積処理による丸め誤差の発生を防止することができ、計算精度の低下を抑えることができる。特に、この累積処理を行うためには、入力データのビット数よりも12ビット(累積処理の対象となる入力データの数が4K個の場合)多いデータを処理することが可能な加算器120、122、D型フリップフロップ130および係数乗算器132を備える必要があるが、これらによる回路規模の増大は遅延回路110、112の規模等に比べるとわずかであるといえる。
また、遅延回路110、112をRAM等の半導体メモリによって構成することにより、規模の大きな遅延回路を容易に実現することができる。
また、本実施形態の周波数成分分離フィルタ100に入力されるデータは、所定のサンプリング周波数fに対応する音声データであり、f/Nの値が音声の可聴範囲の下限値以下となるようにNの値が設定されている。これにより、移動平均の計算対象となる入力データの個数Nを設定することにより、f/Nで示されるハイパスフィルタのカットオフ周波数を音声の可聴範囲よりも高くすることが容易となり、音声データに含まれる不要な直流成分を除去することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、DSPやその他のプロセッサによってプログラム(周波数成分分離プログラム)を実行することにより周波数成分分離フィルタ100の各構成部の機能を実現するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、係数乗算器132から出力されるデータD7を、入力データに含まれる直流成分として取り出しているが、図1において示すA(加算器122の出力)、B(D型フリップフロップ130の出力)、C(加算器120の出力)のいずれかから累積データあるいはこれと同等のデータを、係数乗算器132から出力されるデータD7の代わりに取り出すようにしてもよい。係数(1/N)を乗算する前のデータを取り出すことにより、入力データに対して所定の利得で増幅した出力を得ることができる。しかも、係数(1/N)を乗算して下位ビットの情報が欠落する前のデータを取り出すことにより、S/N比やダイナミックレンジを向上させることができる。
また、上述した実施形態では、音声データが入力される場合について説明したが、周波数成分分離フィルタ100に入力されるデータは、音声以外のデジタルデータであってもよい。
また、上述した実施形態では、移動計算の対象となっている4K+1個のデータの中の中央のデータD2を取り出して加算器124に入力したが、このデータD2は、中央位置からではなくその近傍から取り出すようにしてもよい。理論上は、リニアな位相特性を実現するためには、4K+1個の中の中央のデータD2を取り出すことが望ましいが、実際にはデータD2を取り出す位置が若干中央からずれても位相特性が極端に悪化せずに周波数特性および位相特性をほぼ維持することができる。しかも、前段の遅延回路110によって保持されるデータ数と後段の遅延回路112によって保持されるデータ数の差を1あるいはその他の奇数に設定することにより、これらの値の合計値を奇数にすることができる。この場合には、係数乗算器132の係数a=1/NのNの値を偶数にすることができるため、さらにこのNを2のべき乗の数にすることにより、係数乗算器132を簡単なビットシフト回路によって、あるいはさらに簡単には配線を工夫してデータを取り出すビット位置を上位側にシフトすることにより実現することができる。例えば、N=4096=212とすると、下位の12ビットの信号線を使用せずに下位から13ビット目より上位の所定ビット数に対応する信号線のみを加算器124の一方端に接続し、これにより係数a=1/212の乗算処理を行うようにしてもよい。これにより、実質的に係数乗算器を用いない周波数成分分離フィルタ100を構成することが可能になる。
一実施形態の周波数成分分離フィルタの構成を示す図である。 周波数成分分離フィルタの周波数特性をシミュレートした結果を示す図である。 従来のハイパスフィルタの構成を示す図である。 ハイパスフィルタのタップ数と周波数特性の関係を示す図である。
符号の説明
100 周波数成分分離フィルタ
110、112 遅延回路
120、122、124 加算器
130 D型フリップフロップ
132 係数乗算器

Claims (21)

  1. 入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する移動平均演算手段と、
    前記移動平均の計算対象となっている前記所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から前記移動平均演算手段による計算によって得られた移動平均値を減算する減算手段と、
    を備え、前記移動平均演算手段による計算結果を第1の出力として、前記減算手段による減算結果を第2の出力として取り出すことを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  2. 請求項1において、
    前記移動平均演算手段は、前記所定個数Nの入力データの値を累積する累積手段と、前記累積手段によって累積された値に対して1/Nを係数として乗算する係数乗算手段とを有することを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  3. 請求項2において、
    前記累積手段の出力を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  4. 請求項2において、
    前記累積手段は、
    N−1個の前記入力データを入力順に保持して出力する遅延手段と、
    前記入力データに累積値を加算する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段による加算結果を、前記入力データの入力間隔に相当する時間保持して出力するデータ保持手段と、
    前記データ保持手段から出力されるデータから前記遅延手段の出力データを減算した結果を前記累積値として前記第1の加算手段と前記係数乗算手段のそれぞれに向けて出力する第2の加算手段と、
    を有することを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  5. 請求項4において、
    前記第1の加算手段、前記データ保持手段、前記第2の加算手段のいずれかの出力を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  6. 請求項4または5において、
    前記遅延手段は、(N−1)/2個の前記入力データを入力順に保持して出力する縦続接続された第1および第2の分割遅延手段を有しており、
    前段の前記第1の分割遅延手段から出力されるデータを前記中央あるいはその近傍の入力データとして前記減算手段に入力することを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  7. 請求項6において、
    前記遅延手段は、半導体メモリによって形成されていることを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記入力データは、所定のサンプリング周波数fに対応する音声データであり、
    f/Nの値が音声の可聴範囲の下限値以下となるようにNの値が設定されることを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  9. 請求項2〜7のいずれかにおいて、
    前記所定個数Nは2のべき乗の数であり、前記係数乗算手段は、ビット位置をシフトさせることで1/Nを係数とする乗算を行うことを特徴とする周波数成分分離フィルタ。
  10. 入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する第1のステップと、
    前記移動平均の計算対象となっている前記所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から前記移動平均の計算結果を減算する第2のステップと、
    を有し、前記第1のステップにおける計算結果を第1の出力として、前記第2のステップにおける減算結果を第2の出力として取り出すことを特徴とする周波数成分分離方法。
  11. 請求項10において、
    前記第1のステップは、前記所定個数Nの入力データの値を累積する第3のステップと、前記第3のステップにおいて累積された値に対して1/Nを係数として乗算する第4のステップとを有することを特徴とする周波数成分分離方法。
  12. 請求項11において、
    前記第3のステップにおける累積結果を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離方法。
  13. 請求項11において、
    前記第3のステップは、
    N−1個の前記入力データを入力順に保持して出力する第5のステップと、
    前記入力データに累積値を加算する第6のステップと、
    前記第6のステップにおける加算結果を前記入力データの入力間隔に相当する時間保持して出力する第7のステップと、
    前記第7のステップにおいて出力されるデータから前記第5のステップにおける出力データを減算した結果を前記累積値として計算する第8のステップと、
    を有することを特徴とする周波数成分分離方法。
  14. 請求項13において、
    前記第6のステップ、前記第7のステップ、前記第8のステップのいずれかにおける処理結果を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離方法。
  15. 請求項13または14において、
    前記第5のステップは、(N−1)/2個の前記入力データを入力順に保持して出力する第9のステップと、この第9のステップにおいて出力される(N−1)/2個の前記入力データを入力順に保持して出力する第10のステップとを有しており、
    前記第9のステップにおいて出力されるデータを前記中央あるいはその近傍の入力データとして前記第2のステップにおいて使用することを特徴とする周波数成分分離方法。
  16. コンピュータを、
    入力データに対して所定個数Nの移動平均を計算する移動平均演算手段と、
    前記移動平均の計算対象となっている前記所定個数Nの入力データの中から中央あるいはその近傍の入力データを取り出して、この入力データの値から前記移動平均演算手段による計算によって得られた移動平均値を減算する減算手段と、
    して機能させ、前記移動平均演算手段による計算結果を第1の出力として、前記減算手段による減算結果を第2の出力として取り出すための周波数成分分離プログラム。
  17. 請求項16において、
    前記移動平均演算手段は、前記所定個数Nの入力データの値を累積する累積手段と、前記累積手段によって累積された値に対して1/Nを係数として乗算する係数乗算手段として機能する周波数成分分離プログラム。
  18. 請求項17において、
    前記累積手段の出力を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離プログラム。
  19. 請求項17において、
    前記累積手段は、
    N−1個の前記入力データを入力順に保持して出力する遅延手段と、
    前記入力データに累積値を加算する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段による加算結果を、前記入力データの入力間隔に相当する時間保持して出力するデータ保持手段と、
    前記データ保持手段から出力されるデータから前記遅延手段の出力データを減算した結果を前記累積値として前記第1の加算手段と前記係数乗算手段のそれぞれに向けて出力する第2の加算手段と、
    して機能する周波数成分分離プログラム。
  20. 請求項19において、
    前記第1の加算手段、前記データ保持手段、前記第2の加算手段のいずれかの出力を前記第1の出力に代えて取り出すことを特徴とする周波数成分分離プログラム。
  21. 請求項19または20において、
    前記遅延手段は、(N−1)/2個の前記入力データを入力順に保持して出力する縦続接続された第1および第2の分割遅延手段として機能し、
    前段の前記第1の分割遅延手段から出力されるデータを前記中央あるいはその近傍の入力データとして前記減算手段に入力することを特徴とする周波数成分分離プログラム。
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