JP2007196784A - ステアリングホイールロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積の減少を抑制するステアリングホイールロック装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイールロック装置において、ロックホルダ34は、ステアリングホイールと共に回転可能な第1ステアリングシャフト14に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部35を有する。ロックバー32は、歯部35の間を進退することによりロックホルダ34の回転のロックおよびロック解除を行う。規制部材36は、第1ステアリングシャフト14の径方向への変位を規制する。規制部材36は、ハウジング12の外部から挿通され、ハウジング12の外部においてハウジング12に固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリングホイールロック装置に関する。
車両のステアリング装置には、駐車時の車両の盗難を抑制するため、ステアリングホイールの回転をロックするロック機構が備えられている。ロック機構は、複数の歯部を有するロックホルダとこれら歯部の間に進退するロックバーなどによって構成される。ロック機構によってステアリングホイールの回転がロックされている状態でユーザによってステアリングホイールが操作されると、ロックバーの側面と歯部の側面が接触し、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトに径方向への力が与えられる。この径方向への力によってステアリングシャフトが撓められると、ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積が減少する。
このため、ロックバーと歯部との安定した嵌合を実現するために、たとえば特許文献1では、下部ステアリングシャフトの外周面で、キーロックカラーの近傍位置に円輪状の変位防止部材を固定すると共に、この変位防止部材の外周縁を前記下部ステアリングコラムの内周面に近接させたステアリングロック装置が提案されている。また、たとえば特許文献2では、ステアリングシャフトの外周面で、キーロックカラーの一部若しくはこのキーロックカラーの近傍位置に固定され、その外周縁を上記ステアリングコラムの内周面に近接させた変位防止部を有するステアリングロック装置が提案されている。
実開平4−2758号公報 特開平10−86792号公報
上述の変位防止部材はステアリングコラムと接触し摩耗する可能性がある。また、その摩耗量は、ステアリングシャフトの変位の規制量に応じて変化する。この摩耗が進行することによってロックバーと歯部との嵌合面積が減少する。しかし、前述の実施形態に記載されるステアリングロック装置では、ステアリングコラムの内部にステアリングシャフトの変位防止部材が取り付けられている。このため変位防止部材を交換することや、ステアリングシャフトの変位の規制量を調整することは困難である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積の減少を抑制するステアリングホイールロック装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のステアリングホイールロック装置は、ステアリングホイールと共に回転可能な回転軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、前記回転軸を径方向外側において覆うハウジングに設けられた挿通孔に前記ハウジングの外部から挿通され、前記ハウジングの外部において前記ハウジングに固定される、前記回転軸の径方向への変位を規制する規制部材と、を備える。この態様によれば、規制部材がハウジング外部から挿通され固定されるため、規制部材の交換や回転軸の変位の規制領域の調整を容易に実施することができ、ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積の減少を抑制することができる。
前記規制部材は、前記回転軸の変位の規制領域を調整する調整部を有してもよい。この態様によれば、規制領域に応じてまたは規制部材の摩耗に応じて規制領域を調整することができるため、ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積を調整すること可能となる。
前記規制部材は、前記ロックバーが前記歯部の間に突出した状態でステアリングホイールが操作された場合に、前記ロックバーと前記歯部とが接触することによって生じる前記回転軸の径方向への変位を規制してもよい。
本発明の別の態様もまた、ステアリングホイールロック装置である。この装置は、ステアリングホイールと共に回転可能な回転軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、前記ロックバーが前記歯部の間に突出した状態でステアリングホイールが右に回転された場合に、前記ロックバーと前記歯部とが接触することによって生じる前記回転軸の径方向への変位を抑制する第1規制部と、前記ロックバーが前記歯部の間に突出した状態でステアリングホイールが左に回転された場合に、前記ロックバーと前記歯部とが接触することによって生じる前記回転軸の径方向への変位を抑制する第2規制部と、を有する規制部材と、を備える。この態様によれば、ステアリングホイールの回転がロックされた状態で、左右いずれの方向にステアリングホイールが回転された場合においても、回転軸の径方向への変位を抑制することができる。
前記規制部材は、前記ロックバーと前記歯部との接触箇所から前記回転軸の中心へ向かう方向への前記回転軸の変位を規制してもよい。ロックバーの側面または歯部の側面に設けられたテーパーの影響などによって、回転軸は、ロックバーと歯部との接触箇所から回転軸の中心へ向かう方向へ向かって変位する可能性が高い。この態様によれば、このような方向における回転軸の変位を抑制することができるため、より確実に回転軸の径方向への変位を抑制することができる。
本発明の別の態様もまた、ステアリングホイールロック装置である。この装置は、ステアリングホイールと共に回転する入力軸と、車輪を転舵する転舵ユニットに連結され、回転することにより前記転舵ユニットを駆動して車輪を転舵する出力軸と、前記入力軸と前記出力軸との間の回転方向の差動を発生させる差動発生部と、を有する伝達比可変手段と、前記入力軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、を有するロック機構と、前記入力軸の径方向への変位を規制する規制部材と、を備える。
近年、ステアリングホイールと車輪を転舵する転舵ユニットの間に、ステアリングホイールの操作量と車輪の転舵角度との間の伝達比をアクチュエータによって変化させる伝達比可変手段を設ける技術の開発が進められている。このようにステアリング装置に伝達比可変手段が設けられる場合に、スペースの効率的な利用を考慮して伝達比可変手段の入力軸にロックホルダを設けることが考えられる。しかし、伝達比可変手段は通常精度を要する部品を含むことから、このような部品に接続される入力軸の径方向の変位を考慮する必要がある。この態様によれば、伝達比可変手段の入力軸にロックホルダを設ける場合に、入力軸の径方向への変位を抑制することができる。したがって、容易に伝達比可変手段の入力軸にロックホルダを設けることができる。
前記入力軸は、前記出力軸を径方向外側において囲うように形成される円環部を有してもよい。前記ロックホルダは前記円環部に設けられ、前記規制部材は前記円環部の径方向への変位を規制してもよい。この態様によれば、出力軸よりも径の大きい円環部にロックホルダを設けることができる。このため、ロックバーやロックホルダに与えられる力を低減することができるためロックバーやロックホルダの小型化または低コスト化が可能となる。また、ロックバーの引き抜き力を低減することができるため、ロック機構の小型化またはコスト低減が可能となる。
前記入力軸は、ステアリングホイールに連結されるステアリングシャフトを径方向外側において囲うように形成される円環部を有してもよい。前記ロックホルダは前記円環部に設けられ、前記規制部材は前記円環部の径方向への変位を規制してもよい。この態様によれば、入力軸よりも径の大きい円環部にロックホルダを設けることができる。このため、ロックバーやロックホルダに与えられる力を低減することができるためロックバーやロックホルダの小型化または低コスト化が可能となる。また、ロックバーの引き抜き力を低減することができるため、ロック機構の小型化またはコスト低減が可能となる。
本発明によれば、ロックバーとロックホルダの歯部との嵌合面積の減少を抑制するステアリングホイールロック装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るステアリング装置10Aの、ロック機構30を含む部分の断面図である。ステアリング装置10Aは、ハウジング12、第1ステアリングシャフト14、第2ステアリングシャフト16、ダンパーユニット18、ロック機構30、規制部材36などを有する。このうち、ロック機構30および規制部材36などによってステアリングホイールロック装置100が構成される。
ハウジング12は略円筒状に形成される。第1ステアリングシャフト14および第2ステアリングシャフト16は、軸方向と垂直な断面が円形の軸状に形成される。ハウジング12は、第1ステアリングシャフト14および第2ステアリングシャフト16を径方向外側において覆う。
回転軸としての第1ステアリングシャフト14はハウジング12の内部の略中心に配置され、ハウジング12に対して回転可能に支持される。第1ステアリングシャフト14の本図右側の端部はステアリングホイール(図示せず)に連結されており、第1ステアリングシャフト14はステアリングホイールと共に回転可能となっている。ハウジング12内部には、チューブ28が設けられている。チューブ28はハウジング12の内径と略同一の外形を有する円筒形状に形成される。チューブ28はゴムなど可撓性のある弾性材料によって成形される。チューブ28は、第1ステアリングシャフト14を径方向外側において覆うように配置される。
第1ステアリングシャフト14の本図左側の端部にはカップ部14aが形成されている。カップ部14aは、第1ステアリングシャフト14と同軸の有底の円筒状に形成され、開口部が転舵ユニット側に向くように、その底部において第1ステアリングシャフト14と一体的に結合される。
第2ステアリングシャフト16は、ハウジング12の内部の略中心且つ第1ステアリングシャフト14と同軸に配置され、ベアリング26などを介してハウジング12に対して回転可能に支持される。第2ステアリングシャフト16の本図左側の端部は転舵ユニット(図示せず)に連結されている。
転舵ユニットはステアリングラック(図示せず)、タイロッド(図示せず)、およびナックルアーム(図示せず)を有している。ステアリングラックは軸状に形成され、車両の略左右方向に延在して配置される。このステアリングラックの軸方向の中途部にラックギヤが形成されている。第2ステアリングシャフト16と共に回転可能に連結されたシャフト(図示せず)の下端部には、ピニオンギヤが形成されている。このシャフトのピニオンギヤがステアリングラックのラックギヤに噛合してラックアンドピニオン機構が構成される。
ステアリングラックの両端は、それぞれタイロッドに回動可能に連結される。タイロッドの他端は、ナックルアームに回動可能に連結される。ナックルアームにはそれぞれ左前輪および右前輪が取り付けられる。以上の構成によって、第2ステアリングシャフト16が回転すると、その回転運動はラックアンドピニオン機構によってステアリングラックの軸方向の直線運動に変換され、タイロッドおよびナックルアームを介して左前輪および右前輪が転舵される。
第2ステアリングシャフト16の本図右側には、ダンパー取付部16aが形成されている。ダンパー取付部16aは、軸方向と垂直な断面が円形の軸状に形成され、第1ステアリングシャフト14のカップ部14aの内径よりも小さい外径を有する。ダンパー取付部16aが、径方向外側においてカップ部14aに覆われるよう、ダンパー取付部16aおよびカップ部14aが配置される。
カップ部14aの内面とダンパー取付部16aの外面との間に、ダンパーユニット18が配置される。ダンパーユニット18は、外環20、内環24、およびダンパー22を有する。外環20は、カップ部14aの内径と略同一の外径を有する円筒形状に形成される。内環24は、ダンパー取付部16aの外径と略同一の内径を有する円筒形状に形成される。ダンパー22は、ゴムなどの弾性材料によって円筒状に形成され、外環20の内面と内環24の外面にそれぞれ固定される。ダンパー22は、転舵ユニットからの振動や衝撃などがステアリングホイールに伝達されることを抑制する緩衝手段として機能する。
カップ部14aにダンパーユニット18の外環20が圧入される。これによってダンパーユニット18が第1ステアリングシャフト14と共に回転可能に固定される。ダンパー取付部16aは内環24に嵌挿され、共に回転可能に固定される。このように、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16は、ダンパーユニット18を介して共に回転可能に連結される。
ロック機構30は、ロックバー32、およびロックホルダ34を有する。ロックホルダ34は、第1ステアリングシャフト14のカップ部14aの外径と略同一の内径を有する略円筒状に形成され、後述する歯部35を有する。第1ステアリングシャフト14とロックホルダ34とが共に回転可能となるよう、第1ステアリングシャフト14のカップ部14aがロックホルダ34に挿入され固定される。
ハウジング12の、ロックホルダ34の径方向外側に該当する部分に、内面から外面へと貫通する挿通孔12aが設けられる。ロックバー32はギヤ(図示せず)を介してモータ(図示せず)に接続されており、このモータは、作動することによってロックバー32を歯部35の間に進退させる。
ハウジング12には、規制部材36の取付部36aを挿入するための挿通孔12bが設けられている。挿通孔12bは、規制部36bの先端部とロックホルダ34の外周が接触しないよう、ロックホルダ34よりも転舵ユニット側に設けられる。挿通孔12bに規制部36bが挿入され、ボルト38によって規制部材36がハウジング12にハウジング12外部から固定される。
図2は、第1の実施形態に係るステアリング装置10AのK−K断面図である。ロックホルダ34に形成される複数の歯部35は、円周方向に均等間隔に、円筒状の部分の外面から径方向外向きに突出するように形成される。ロックバー32が歯部35の間に突出させられている場合、歯部35の側面とロックバー32の側面が当接することによってカップ部14aの回転がロックされる。ロックバー32が歯部35の間から引き戻されてた場合、歯部35の側面にロックバー32の側面が当接しないことからカップ部14aの回転のロックが解除され、カップ部14aは回転可能となる。
歯部35の間のロックバー32の円滑な進退を実現するため、径方向外側に行くにしたがって幅が狭くなるよう、歯部35の側面にはテーパーが設けられている。また、径方向内側に行くにしたがって幅が狭くなるよう、ロックバー32の先端部の側面にはテーパーが設けられている。
歯部35の間にロックバー32が突出している状態で、ユーザによってステアリングホイールが回転されると、ロックバー32の側面と歯部35の側面とが相互に円周方向に押し合う。これによって、ロックホルダ34の側面と歯部35の側面との間のすべり、または第1ステアリングシャフト14の捻れなどによって第1ステアリングシャフト14が径方向へ変位する。
たとえば本図において第1ステアリングシャフト14がロックバー32の突出方向(本図の下方向)に変位した場合、ロックバー32と歯部35との嵌合面積が減少する。第2ステアリングシャフト16はベアリング26によって支持されているため、ロック機構30周辺における径方向への変位は抑制される。しかし、第1ステアリングシャフト14はロック機構30周辺においてダンパー22を介して第2ステアリングシャフト16に結合されている。このため、第1ステアリングシャフト14に径方向に力が与えられることによって、ダンパー22が弾性変形し、第1ステアリングシャフト14が径方向に変位する。
また、ダンパー22が成型時に材料が不均一に成形されたり、ダンパー22周辺の温度の影響によるダンパー22の変形などによって、カップ部14aの回転振れが生じ、第1ステアリングシャフト14が回転することによってカップ部14aが径方向に変位する場合がある。
このため、本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、ロックバー32と歯部35との嵌合面積の減少を抑制するため規制部材36を備える。規制部材36は、取付部36aおよび規制部36bを有する。取付部36aは円形の外形を有する板状に形成される。規制部36bは円柱状に形成される。取付部36aと規制部36bが同軸となるように、規制部36bの一端が取付部36aの側面に一体的に結合される。
ハウジング12には、ロックバー32を挿通するための挿通孔12aからロックホルダ34の中心軸を中心に180°回転した位置に、規制部材36の取付部36aを挿入するための挿通孔12bが設けられている。図1に示すように、挿通孔12bに規制部36bが挿入され、ボルト38によって規制部材36がハウジング12にハウジング12外部から固定される。なお、本実施形態では、規制部36bの先端部とロックホルダ34の外周が接触しないよう、挿通孔12bはロックホルダ34よりも転舵ユニット側に設けられる。
規制部材36の取付部36aは、ハウジング12に取り付けられた状態で、先端部が第1ステアリングシャフト14のカップ部14aの外周に接触し、または微小な間隔を開けて近接するような長さに形成されている。これによって、ロックバー32の突出方向における第1ステアリングシャフト14の変位を抑制することができ、ロックバー32とロックホルダ34の歯部35とを安定して嵌合させることが可能となる。また、規制部材36はハウジング12外部から容易に交換することができる。したがって、規制部材36が摩耗した場合などにおいても、規制部材36を交換することによってロックバー32とロックホルダ34の歯部35との嵌合面積を容易に維持することができる。
図3は、第1の実施形態に係るチューブ28のロック機構30側端部を示す斜視図である。チューブ28の端部には、深さlの切り欠き28aが設けられている。図1に戻って、チューブ28の切り欠き28aの深さlは、ハウジング12内面から径方向内向きに突出して形成される環状の壁部と、規制部材36の取付部36aのステアリングホイール側までの長さlよりも長く設けられている。このような切り欠き28aをチューブ28に設けることによって、車両の緩衝時などにおけるチューブ28の軸方向への移動が規制部材36によって妨げられることが抑制される。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るステアリング装置10AのK−K断面図である。本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、ロック機構30、規制ボルト40、およびロックナット42を有する。なお、本実施形態に係るステアリング装置10Aは、規制部材36およびボルト38の代わりに規制ボルト40およびロックナット42が設けられる点以外は第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係る挿通孔12bは、内面に雌ネジ部を有する。挿通孔12bの位置は、第1の実施形態に係る挿通孔12bと同様である。規制ボルト40は、六角形のヘッド部に結合された雄ネジ部40aと、規制ボルト40の先端に設けられた規制部40bとを有する。雄ネジ部40aが挿通孔12bの雌ネジ部に嵌合しながら、規制部40bが第1ステアリングシャフト14のカップ部14aの外面に接触するまで、またはカップ部14aの外面までの距離が微小となるまで螺合され、ロックナット42によって規制ボルト40がハウジング12に固定される。
このように規制ボルト40の規制部40bによってもロックバー32の突出方向における第1ステアリングシャフト14の変位を抑制することができる。また、規制部40bが摩耗した場合においても、雄ネジ部40aが挿通孔12bの雌ネジ部に嵌合しながら規制ボルト40が螺合されることによって、規制部40bの先端部を適切な位置に調整することができる。したがって、規制ボルト40の雄ネジ部40aおよび挿通孔12bの雌ネジ部は、第1ステアリングシャフト14の変位の規制領域を調整する調整部として機能する。さらに、規制ボルト40はハウジング12外部から容易に交換することができるため、規制ボルト40の規制部40bが摩耗した場合などにおいても、規制ボルト40を容易に交換することができる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係るステアリング装置10AのK−K断面図である。本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、ロック機構30および規制部材44を有する。なお、本実施形態に係るステアリング装置10Aは、規制部材36の代わりに規制部材44が設けられる点、およびロックホルダ34の代わりにロックホルダ46が設けられる点以外は第1の実施形態と同様である。ロックホルダ46は、第1の実施形態に係るロックホルダ34よりも多くの歯部48を有する点以外は、ロックホルダ34と同様である。
図6は、第3の実施形態に係る規制部材44を示す斜視図である。規制部材44は規制板44a、支持部44b、取付部44c、取付孔44dを有する。規制板44aは、四角形の外形を有する2つの平板の表面が鈍角である角度αを成してその辺が互いに結合するよう一体的に形成される。規制板44aは、カップ部14aと摺動することによる摩耗を抑制するため、摩擦係数が低い材料によって形成される。
支持部44bは、規制板44a表面が形成する角度αを維持するように、同様に角度αの表面を有するV字型に形成された部分と四角柱に形成された部分が一体的に結合された形状に形成される。取付部44cは円形の外形を有する板状に形成される。取付部44cには、規制部材44をハウジング12に取り付けるためのボルトを挿通する取付孔44dが設けられている。
図5に戻って、規制部材44は、支持部44bが挿通孔12bに挿入され、ボルト(図示せず)によってハウジング12に固定される。この状態で、規制板44aはカップ部14aの外面に接触し、またはカップ部14aの外面との間に微小な間隔が形成される。
歯部48の間の円滑なロックバー32の進退を実現するため、本実施形態に係る歯部48にも、径方向外側に行くにしたがって歯部48の幅が狭くなるよう、その側面にテーパーが設けられている。また、先端に近づくにしたがって幅が狭くなるよう、ロックバー32の先端部にもテーパーが設けられている。ロックバー32が歯部48の間に突出している状態でユーザによってステアリングホイールが回転されると、ロックバー32の側面と歯部48の側面とが円周方向に互いに押し合う。このとき、このテーパーによって歯部側面とロックバー側面との間に滑りが生じ、第1ステアリングシャフト14が径方向へ変位する。
本実施形態では、規制部材44には角度αを成す2つの平面部が設けられている。ロックバー32が歯部48の間に突出した状態でステアリングホイールが右に回転された場合に、ロックバー32と歯部48とが接触することによって生じる第1ステアリングシャフト14の径方向への変位は、規制部材44の2つの平面部のうち一方の平面部によって規制される。また、ロックバー32が歯部48の間に突出した状態でステアリングホイールが左に回転された場合に、ロックバー32と歯部48とが接触することによって生じる第1ステアリングシャフト14の径方向への変位は、他方の平面部によって規制される。したがって、規制板44aの一方の平面部は第1ステアリングシャフト14のの径方向への変位を抑制する第1規制部として機能し、他方の平面部は第1ステアリングシャフト14の径方向への変位を抑制する第2規制部として機能する。このように規制部材44に2つの平面部が設けられることによって、ロックバー32が歯部48の間に突出した状態でステアリングホイールが左右どちらに回転された場合においても、第1ステアリングシャフト14の径方向への変位を抑制することが可能となる。
ロックバー32が歯部48の間に突出した状態でステアリングホイールが回転された場合、第1ステアリングシャフト14は、一般的にロックバー32と歯部48との接触箇所から第1ステアリングシャフト14の回転中心へ進む方向に変位する。本実施形態では、ロックバー32の突出方向と、ロックバー32と歯部48との接触箇所と第1ステアリングシャフト14の回転中心とを通過する直線とが角度θを成す。したがって、第1ステアリングシャフト14は、ロックバー32の突出と角度θを成す方向へ変位する。
このため、角度αがα=180°−2θとなるよう規制部材44が形成されている。これにより第1ステアリングシャフト14が変位し易い方向においてその変位を抑制することができるため、より確実に回転軸の径方向への変位を抑制することができる。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態に係る規制部材50を示す斜視図である。本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、規制部材44の代わりに規制部材50が設けられ、チューブ28の代わりに後述するチューブ52が設けられる点以外は、第3の実施形態と同様である。
規制部材50は、規制板50a、支持部50b、取付部50c、および取付孔50dを有する。規制板50a、取付部50c、および取付孔50dは第3の実施形態に係る規制部材44の規制板44a、取付部44c、および取付孔44dと同様であるので説明を省略する。
本実施形態では、規制部材50の支持部50bには、チューブ摺動面50eが形成される。チューブ摺動面50eは、チューブ52に向かって徐々に間隔が狭まるように形成された2つの平面部によって構成される。規制部材50は、2つの平面が交わる辺がチューブ52に向かうように、ハウジング12に取り付けられる。
図8は、第4の実施形態に係るチューブ52のロック機構30側端部を示す斜視図である。チューブ52の端部には、深さlの切込み部52aが設けられており、切込み部52aの端部にはテーパー部52bが設けられている。チューブ52は、切込み部52aの延長線上に規制部材50の2つのチューブ摺動面50eが交わる辺が存在するように、ハウジング12内部に配置される。
車両の緩衝時にチューブ52が転舵ユニット側の第1ステアリングシャフト14の軸方向に移動すると、2つのチューブ摺動面50eが交わる辺がテーパー部52bによって切込み部52aに導かれる。その後、チューブ52は2つのチューブ摺動面50eが交わる辺は切込み部52aを拡大させながらさらに移動する。本実施形態においても、切込み部52aの深さlは、ハウジング12内面から径方向内向きに突出して形成される環状の壁部と、規制部材50の支持部50bのステアリングホイール側までの長さlよりも長く設けられる。第1の実施形態におけるチューブ28と同様に、切込み部52aが設けられることにより、車両の緩衝時などにおけるチューブ28の軸方向への移動が規制部材44によって妨げられることが抑制される。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係るステアリング装置10AのK−K断面図である。本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、規制ボルト40の代わりに規制ボルト54が設けられる点以外は第2の実施形態と同様である。
規制ボルト54は、六角形のヘッド部に結合された雄ネジ部54aと、規制ボルト40の先端に設けられた規制部54bを有する。規制部54bは、第3の実施形態における規制部材44の規制板44aと同様に、先端部に角度αを成す2つの平面部を有する。規制部54bは雄ネジ部54aに対して相対的に回転可能となるよう雄ネジ部54aに連結されている。
雄ネジ部54aが挿通孔12bの雌ネジ部に、雄ネジ部54aの先端に形成された2つの平面部が第1ステアリングシャフト14のカップ部14aの外面に接触するまで、またはカップ部14aの外面まで微小な間隔が形成されるまで螺合され、ロックナット42によって規制ボルト54がハウジング12に固定される。これによって、第3の実施形態と同様に第1ステアリングシャフト14の2方向の変位を抑制することができる。また、第2の実施形態と同様に、規制部54bが摩耗した場合においても、規制部54bの位置の調整や規制ボルト54の交換を容易に行うことができる。
(第6の実施形態)
図10は、第6の実施形態に係るステアリング装置10Bの全体構成図である。ステアリング装置10Bは、一方の端部が側面によって塞がれた略円筒状に形成された第1ハウジング114および第2ハウジング115と、これらの内部に配置されるステアリングシャフト118、出力軸120、ダンパーユニット144、伝達比可変装置140、ロック機構130を有する。なお、本図はステアリング装置10Bの略中央において、ステアリングシャフト118および出力軸120の中心軸を含む断面を示している。ステアリング装置10BにEPS(Electric Power Steering)機構が設けられいてもよいことは勿論である。
ステアリングシャフト118はその全長の大部分が第1ハウジング114に内包される。ステアリングシャフト118の一端は、第1ハウジング114の側面に設けられた挿通孔から突出するステアリングホイール取付部112に、テレスコピック機構(図示せず)を介して連結される。テレスコピック機構は、ステアリングホイールの軸方向の位置を調整する軸方向位置調整手段として機能する。ステアリング装置10Bが車両に取り付けられると、ステアリングホイール取付部112は車両室内に突出し、ここにステアリングホイール(図示せず)が取り付けられる。
出力軸120はその全長の大部分が第2ハウジング115に内包される。出力軸120の一端は第2ハウジング115の側面に設けられた挿通孔から突出しており、この突出した部分に連結部116が形成される。連結部116はジョイントなどを介して車輪の転舵ユニット(図示せず)に連結される。転舵ユニットの構成は前述の実施形態と同様であることから説明を省略する。
ステアリングシャフト118と出力軸120は、伝達比可変装置140およびダンパーユニット144を介して連結される。伝達比可変装置140、ダンパーユニット144、およびロック機構130について図11、図12、および図13を参照して以下に詳細に説明する。
図11は、第6の実施形態に係るステアリング装置10Bの部分Pの拡大図である。出力軸120は、円筒状の第2ハウジング115の内面の中心軸と同軸に配置される。出力軸120の第2ハウジング115の開口部側(本図において右側。以下、単に「右側」という)の端部は、軸部120a、円板部120b、および円環部120cによって構成される。円板部120bは中心部に軸部120aが少し貫通して突出するように、軸部120aと同軸且つ一体的に成型される。円環部120cは長さが短い円筒状に形成される。円環部120cは、右側の一方の開口端部が円板部120bの外周と一体的に結合するように成形される。
入力軸142は、第1円環部142a、第2円環部142b、および円板部142cによって構成される。第1円環部142aは、出力軸120の円環部120cの外径よりも内径が大きく、円環部120cよりも長い円筒形状に形成される。第2円環部142bは、後述するダンパーユニット144の外径と略同一の内径を有し、第1円環部142aよりも外径が小さい円筒形状に形成される。円板部142cはドーナツ型の板状に形成される。第1円環部142aは、一方の開口端部が円板部142cの外周と一体的に形成される。また、第2円環部142bは、第1円環部142aと第2円環部142bが互いに同軸に円板部142cを挟むように配置されるように、一方の開口端部が円板部142cと同軸かつ一体的に形成される。
入力軸142は、ベアリング152を介して回転可能に第2ハウジング115に支持される。出力軸120は、入力軸142の円板部142cと出力軸120の円板部120bがわずかに離間する程度まで、入力軸142の第1円環部142aに円環部120cが挿入される。
出力軸120の円環部120cの内面には、内歯としてのステータギヤ168が形成されている。また、入力軸142の第1円環部142aにおける、円環部120cから第2ハウジング115の開口部と反対側(本図にいおて左側。以下、単に「左側」という)の部分には、ステータギヤ168とピッチ円半径が同一の内歯としてのドリブンギヤ166が形成されている。したがって、ステータギヤ168とドリブンギヤ166とは軸方向に並んで配置される。ステータギヤ168とドリブンギヤ166とは歯数が異なるようそれぞれの歯数が設定されている。
伝達比可変装置140は、モータ156、モータシャフト158、波動発生器160、フレクスプライン165、ドリブンギヤ166、およびステータギヤ168を含む。モータ156は、ロータ(図示せず)とステータ(図示せず)を有する。ロータはモータシャフト158に固定され、ステータはモータ156の筐体に固定されている。モータ156は入力軸142と干渉しないよう、第1円環部142aの左側に配置される。ロータは永久磁石を有し、ステータはロータを囲うように巻回されたコイルを有する。ステータに電流が供給されるとロータに回転トルクが与えられ、モータシャフト158が回転駆動される。
出力軸120の円板部120bから左側の径方向外側において、円筒状に形成されたモータシャフト158が出力軸120と相対的に回転可能に嵌着されている。モータシャフト158はベアリング154を介してモータ156の筐体に回転可能に支持されている。モータ156の筐体は第2ハウジング115の内周に固定されている。こうしてモータシャフト158および出力軸120は第2ハウジング115に対して回転可能に支持される。
モータシャフト158は、モータ156の筐体から出力軸120の円板部120b近傍まで突出する。モータシャフト158のこの突出部の外面とステータギヤ168およびドリブンギヤ166bの間に、波動発生器160およびフレクスプライン165が配置される。
波動発生器160は、プラグ164および可撓性ベアリング162により構成される。プラグ164は外周が楕円形状の板状に形成される。プラグ164の楕円形状の中心はモータシャフト158の突出部に固定される。プラグ164の外周には可撓性を有する可撓性ベアリング162が嵌合される。
フレクスプライン165は、可撓性のある材料によって円筒状に成形される。フレクスプライン165は、軸方向に並ぶステータギヤ168とドリブンギヤ166の合計の長さよりもわずかに短い長さを有する。フレクスプライン165の外周には外歯としてのギアがステータギヤ168と同一の歯数形成されている。フレクスプライン165は、円形にした場合のギヤのピッチ円半径がステータギヤ168およびドリブンギヤ166のピッチ円半径よりも小さくなるよう形成されている。
波動発生器160は円筒形のフレクスプライン165の内部に配置される。波動発生器160の外周の最大径は、フレクスプライン165の内径よりも微小に大きく形成され、また波動発生器160の外周の最小径は、フレクスプライン165の内径よりも小さく形成される。このため、波動発生器160はフレクスプライン165の内部に配置されることによりフレクスプライン165の一部を撓める。フレクスプライン165の一部が撓められることによって、フレクスプライン165のギヤの一部とステータギヤ168およびドリブンギヤ166の一部が噛合する。
フレクスプライン165のギヤとステータギヤ168およびドリブンギヤ166が噛合しているので、モータ156が作動していない状態では、入力軸142と出力軸120の間の回転方向の差動が抑制される。モータ156が作動し、波動発生器160が駆動されると、フレクスプライン165のギヤとステータギヤ168およびドリブンギヤ166が噛合する箇所が周方向に移動する。このとき、上述したようにステータギヤ168とドリブンギヤ166とは歯数が異なるため、入力軸142と出力軸120との間に回転方向の差動が発生する。したがって、モータ156、モータシャフト158、フレクスプライン165、波動発生器160、ステータギヤ168、およびドリブンギヤ166は、入力軸142と出力軸120との間の回転方向の差動を発生させる差動発生部として機能する。
ダンパーユニット144は、外環146、内環148、およびダンパー150を有する。外環146は、入力軸142の第2円環部142bの内径と略同一の外径を有する円筒形状に形成される。内環148は、ステアリングシャフト118の左側端部の外径と略同一の内径を有する円筒形状に形成される。外環146の内面と内環148の外面との間にダンパー150が設けられている。ダンパー150は、ゴムなどの弾性材料によって円筒状に形成され、外環146の内面と内環148の外面にそれぞれ固定される。
円筒状の入力軸142に、ダンパーユニット144の外環146が圧入される。これによってダンパーユニット144が入力軸142に、共に回転可能に固定される。第1ハウジング114に回転可能に支持されたステアリングシャフト118が、内環148に嵌挿され、共に回転可能に固定される。これとともに、互いの開口部が接合するように、第1ハウジング114と第2ハウジング115が連結される。したがって、入力軸142は、ステアリングホイールと共に回転する回転軸として機能する。
モータ156が作動していない状態では、入力軸142と出力軸120との間の差動が抑制されるため、ステアリングシャフト118の回転角度と同一の回転角度で出力軸120が回転する。一方、モータ156は電子制御ユニット(以下、「ECU」という)に接続されている。ECUは、ステアリングシャフト118の回転角度を検出する舵角センサ(図示せず)および各車輪に対応して設けられた車輪速センサ(図示せず)の検出結果を利用して、ステアリングホイールの操舵角度や車速に応じてモータ156を作動させ、入力軸142と出力軸120との間の差動を発生させる。ECUはこうしてステアリングホイールの操舵角度に対する車輪の転舵角度を示す伝達比を変化させる。したがって、伝達比可変装置140は、ステアリングホイールの操舵角度に対する車輪の転舵角度を示す伝達比を変化させる伝達比可変手段として機能する。これによって、たとえば車両の速度に応じてこの伝達比を変化させるなどの制御を実行することが可能となり、運転者の操作性を向上させることが可能となる。
車両のステアリング装置には、駐車時の車両の盗難を抑制するため、ステアリングホイールの回転をロックする機構が必要とされる。しかし、ステアリング装置10Bが伝達比可変装置140を備える場合、ステアリングシャフト118周辺には多くの部品が配置されるため、テレスコピックステアリングの採用やダンパーユニット144による緩衝性能の向上を考慮して、ステアリング装置10B周辺のスペースをさらに効率的に利用することが求められる。
このため、本実施形態では、伝達比可変装置140の入力軸142をロックするロック機構130を備える。ロック機構130は、ロックバー132、およびロックホルダ170を有する。また、本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、ロック機構130の他に、ロックバー132と歯部35との嵌合面積の減少を抑制するための第1規制部材184、および第2規制部材186を備える。
第2ハウジング115のロックホルダ170の径方向外側に該当する部分に、内面から外面に貫通する挿通孔115aが設けられている。ロック機構130のロックバー32は、挿通孔115aを通ってロックホルダ170に向かって進退する。
第1規制部材184は、取付部184aおよび規制部184bを有する。取付部184aおよび規制部184bの形状は、第1の実施形態に係る規制部材36の取付部36aおよび規制部36bと同様であることから説明を省略する。挿通孔115aとステアリングシャフト118の軸方向において同軸に、挿通孔115bが設けられる。第1規制部材184は、規制部184bが挿通孔115bに挿通され、ボルト(図示せず)によって第2ハウジング115に固定される。
図12は、第6の実施形態に係るステアリング装置10BのQ−Q断面図である。ロックホルダ170は歯部172を有する。ロックホルダ170の形状は第3の実施形態に係るロックホルダ46と同様であることから説明を省略する。本実施形態では、ロックホルダ170は、第1円環部142aの径方向外側に一体的に成形される。これらが一体的に成形されるため、入力軸142とロックホルダ170を別々の部品として設ける必要性が低減され、部品点数を低減することが可能となる。
また、第1円環部142aは出力軸120を径方向外側において囲うように形成されるため、ロックホルダ170の外径はステアリングシャフト118や出力軸120よりも大きく形成される。このため、ステアリングシャフト118を直接ロックしてその回転を係止するロック機構を設けるよりも、ロック機構に要求される強度を低減することができ、ロックバー132またはロックホルダ170の歯部172の小型化または低コスト化が可能となる。
第1規制部材184が挿入される挿通孔115bは、ロックバー132が進退する挿通孔115aからロックホルダ170の中心軸を中心に180°回転した位置に設けられる。規制部184bは、ハウジング12に取り付けられた状態で、先端部がロックホルダ170の歯部172外周に接触し、または微小な間隔を開けて近接するような長さに形成されている。これによって、伝達比可変装置140の入力軸142をロックする場合においても、ロックバー132の突出方向における第1ステアリングシャフト14の変位を抑制することができ、ロックバー132とロックホルダ170の歯部172とを安定して嵌合させることが可能となる。
図11に戻って、第2規制部材186は、取付部186aおよび規制部186bを有する。取付部186aおよび規制部186bの形状は、第1の実施形態に係る規制部材36の取付部36aおよび規制部36bと同様であることから説明を省略する。円周方向において挿通孔115aの中心と同一の位置の中心を有し、入力軸142の第2円環部142bの径方向外側に該当する箇所に、内面から外面へと貫通する挿通孔114cが設けられる。第2規制部材186は、規制部186bが挿通孔114cに挿通され、ボルト(図示せず)によって第1ハウジング114に固定される。
また、伝達比可変装置140に含まれるドリブンギヤ166、ステータギヤ168、フレクスプライン165などは相対的な位置精度が要求される。ドリブンギヤ166は入力軸142に一体的に形成されるため、入力軸142の回転をロックするロック機構を設ける場合、入力軸142の径方向の変位は充分に抑制されることが好ましい。
本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、このように第1規制部材184によって、ドリブンギヤ166の径方向への変位を抑制することができる。また、第2規制部材186によってドリブンギヤ166の、本図における右回転方向への回転を抑制することができる。したがって入力軸142をロックする場合においても伝達比可変装置140を構成する部品の位置精度を維持することが可能となる。
図13は、第6の実施形態に係るステアリング装置10BのR−R断面図である。本実施形態のステアリングシャフト118は、径方向外向きに突出する突出部118aを有する。入力軸142には、ステアリングシャフト118の円形の外面および突出部118aの外面と微小な間隔を形成するように設けられた補助係止孔142dが設けられる。これによって、ダンパー150が劣化などによって径方向内側と外側で切り離された場合においても、ステアリングホイールの回転が転舵ユニットに伝達される。
(第7の実施形態)
図14は、第7の実施形態に係るステアリング装置10Bの部分Pの拡大図である。ステアリング装置10Bの大部分の構成は第1の実施形態と同様であることから、全体構成図による説明は省略する。また、ロック機構134、入力軸142、およびロック機構134のロックバー136を挿通する挿通孔の位置以外は第6の実施形態と同様であることから、これら同様の箇所の説明は省略する。
本実施形態に係るステアリングホイールロック装置100は、ロック機構134、およびロックバー136と歯部182との嵌合面積の減少を抑制するための規制部材188を備える。ロック機構134はロックバー136およびロックホルダ180を備える。本実施形態では、ロックホルダ180は、入力軸142の第1円環部142aではなく、入力軸142の第2円環部142bに設けられる。このため、ロックバー136およびロックバー136を進退させるモータやギヤは第1ハウジング114外側に設けられる。
第1ハウジング114のロックホルダ180の径方向外側に該当する部分に、内面から外面に貫通する挿通孔114aが設けられている。ロックバー136は、挿通孔114aを通ってロックホルダ180に向かって進退する。
規制部材188は、取付部188aおよび規制部188bを有する。取付部188aおよび規制部188bの形状は、第1の実施形態に係る規制部材36の取付部36aおよび規制部36bと同様であることから説明を省略する。挿通孔115aとステアリングシャフト118の軸方向において同軸に、挿通孔114bが設けられる。規制部材188は、規制部188bが挿通孔114bに挿通され、ボルト(図示せず)によって第1ハウジング114に固定される。
図15は、第7の実施形態に係るステアリング装置10BのS−S断面図である。ロックホルダ180は複数の歯部182を有する。複数の歯部182は、入力軸142の第2円環部142bの円周方向に均等間隔に、その外面から径方向外向きに突出する。第1ハウジング114の一部(本図では上部)には第1ハウジング114の内面から外面へと貫通する挿通孔が形成されている。ロックバー136およびロックホルダ180の形状は、第6の実施形態におけるロックバー132およびロックホルダ170と同様であることから説明を省略する。
第2円環部142bはステアリングシャフト118を径方向外側において囲うように形成されるため、ロックホルダ180の外径はステアリングシャフト118よりも大きく形成される。したがって第1の実施形態と同様にロックバー132やロックホルダ170の歯部172などの小型化または低コスト化が可能となる。
規制部材188が挿入される挿通孔114bは、ロックバー136が進退する挿通孔114aからロックホルダ180の中心軸を中心に180°回転した位置に設けられる。規制部188bは、第1ハウジング114に取り付けられた状態で、先端部がロックホルダ180の歯部182外周に接触し、または微小な間隔を開けて近接するような長さに形成されている点は第6の実施形態と同様である。このように規制部材188を設けることによって、入力軸142の第2円環部142bにロックホルダ180が設けられる場合においても、入力軸142の径方向の変位を抑制することができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
第6の実施形態に係る第1規制部材184または第7の実施形態に係る規制部材188の代わりに、第2の実施形態に係る規制ボルト40や第5の実施形態に係る規制ボルト54のように、入力軸142の径方向への変位を規制する位置が調整可能な規制部材が設けられてもよい。これによって、規制部材が摩耗した場合においても、規制部材の位置の調整や交換を容易に行うことができ、伝達比可変装置140を構成する部品の相互の位置精度を高い精度で維持することが可能となる。
第6の実施形態に係る第1規制部材184または第7の実施形態に係る規制部材188の代わりに、第3の実施形態に係る規制部材44や第4の実施形態に係る規制部材50のように、入力軸142の2方向への変位を規制する規制部材が設けられてもよい。これによって、ロックバーがロックホルダの歯部の間に突出している状態でステアリングホイールが左右いずれの方向に回転された場合においても、入力軸142の径方向の変位を抑制することができる。
第1の実施形態に係るステアリング装置の、ロック機構を含む部分の断面図である。 第1の実施形態に係るステアリング装置のK−K断面図である。 第1の実施形態に係るチューブのロック機構側端部を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るステアリング装置のK−K断面図である。 第3の実施形態に係るステアリング装置のK−K断面図である。 第3の実施形態に係る規制部材を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る規制部材を示す斜視図である。 第4の実施形態に係るチューブのロック機構側端部を示す斜視図である。 第5の実施形態に係るステアリング装置のK−K断面図である。 第6の実施形態に係るステアリング装置の全体構成図である。 第6の実施形態に係るステアリング装置の部分Pの拡大図である。 第6の実施形態に係るステアリング装置のQ−Q断面図である。 第6の実施形態に係るステアリング装置のR−R断面図である。 第7の実施形態に係るステアリング装置の部分Pの拡大図である。 第7の実施形態に係るステアリング装置のS−S断面図である。
符号の説明
10 ステアリング装置、 12 ハウジング、 14 第1ステアリングシャフト、 16 第2ステアリングシャフト、 28 チューブ、 30 ロック機構、 32 ロックバー、 34 ロックホルダ、 35 歯部、 36 規制部材、 40 規制ボルト、 44 規制部材、 46 ロックホルダ、 48 歯部、 50 規制部材、 100 ステアリングホイールロック装置、 114 第1ハウジング、 115 第2ハウジング、 118 ステアリングシャフト、 120 出力軸、 140 伝達比可変装置、 142 入力軸、 142a 第1円環部、 142b 第2円環部。

Claims (7)

  1. ステアリングホイールと共に回転可能な回転軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、
    前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、
    前記回転軸を径方向外側において覆うハウジングに設けられた挿通孔に前記ハウジングの外部から挿通され、前記ハウジングの外部において前記ハウジングに固定される、前記回転軸の径方向への変位を規制する規制部材と、
    を備えることを特徴とするステアリングホイールロック装置。
  2. 前記規制部材は、前記回転軸の変位の規制領域を調整する調整部を有することを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイールロック装置。
  3. ステアリングホイールと共に回転可能な回転軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、
    前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、
    前記ロックバーが前記歯部の間に突出した状態でステアリングホイールが右に回転された場合に、前記ロックバーと前記歯部とが接触することによって生じる前記回転軸の径方向への変位を抑制する第1規制部と、前記ロックバーが前記歯部の間に突出した状態でステアリングホイールが左に回転された場合に、前記ロックバーと前記歯部とが接触することによって生じる前記回転軸の径方向への変位を抑制する第2規制部と、を有する規制部材と、
    を備えることを特徴とするステアリングホイールロック装置。
  4. 前記規制部材は、前記ロックバーと前記歯部との接触箇所から前記回転軸の中心へ向かう方向への前記回転軸の変位を規制することを特徴とする請求項3に記載のステアリングホイールロック装置。
  5. ステアリングホイールと共に回転する入力軸と、車輪を転舵する転舵ユニットに連結され、回転することにより前記転舵ユニットを駆動して車輪を転舵する出力軸と、前記入力軸と前記出力軸との間の回転方向の差動を発生させる差動発生部と、を有する伝達比可変手段と、
    前記入力軸に設けられ、略同一の円周上から径方向外向きに突出する複数の歯部を有するロックホルダと、前記歯部の間を進退することにより前記ロックホルダの回転のロックおよびロック解除を行うロックバーと、を有するロック機構と、
    前記入力軸の径方向への変位を規制する規制部材と、
    を備えることを特徴とするステアリングホイールロック装置。
  6. 前記入力軸は、前記出力軸を径方向外側において囲うように形成される円環部を有し、
    前記ロックホルダは前記円環部に設けられ、前記規制部材は前記円環部の径方向への変位を規制することを特徴とする請求項5に記載のステアリングホイールロック装置。
  7. 前記入力軸は、ステアリングホイールに連結されるステアリングシャフトを径方向外側において囲うように形成される円環部を有し、
    前記ロックホルダは前記円環部に設けられ、前記規制部材は前記円環部の径方向への変位を規制することを特徴とする請求項5に記載のステアリングホイールロック装置。
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