JP2007191293A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】低コストで、簡単な構成で、かつ使用環境の影響を受けることなく、シートを確実に分離給送することのできるシート給送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】吸着ダクト６０に外部と連通する連通開口部６０Ｂを設ける。この連通開口部６０Ｂを蓋６１により、シートをシート搬送手段２１に吸着する際、シート搬送手段２１に吸着されるシートにより吸着開口部６０ａが塞がれることによって増加する吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて閉じるようにする。そして、検出手段６３，６４が、蓋６１が連通開口部６０Ｂを閉じたことを検知した後、シート搬送手段２１を駆動するようにする。
【選択図】図２

Description

本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関し、特にシートに空気を吹き付けることによりシートを分離給送するようにしたものに関する。

従来の複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、シート積載手段に積載されたシートのうち最上位のものから１枚ずつ分離して画像形成部に給送するシート給送装置を備えたものがある。

ここで、このようなシート給送装置としては、シート積載手段に積載されたシート束に気体（主に空気）を吹き付けてシートを複数浮上、分離させ、この後、シートを搬送ベルトに吸着して給送する方式のものがある（特許文献１参照。）。

図５は、このような気体（空気）を用いてシートを分離した後、搬送ベルトに吸着してシートを給送するシート給送装置の構成を示すものである。

図５において、１１は不図示の画像形成装置本体に引き出し自在に設けられ、シートＳを収納する収納庫である。この収納庫１１には、複数のシートＳが積載される昇降可能なシート台１２、シートＳのシート給送方向上流（後）側の端である後端の位置を規制する後端規制板１３が設けられている。さらに、収納庫１１には、シートＳのシート給送方向と直交する幅方向の端である側端の位置を規制する側端規制板１４、不図示の画像形成装置本体から収納庫１１を引き出すためのスライドレール１５等が設けられている。

また、２１はシートを吸着して搬送する吸着搬送ベルト、３６は吸着搬送ベルト２１にシートＳを吸着させるための吸着ファン、３０はシート束ＳＡのシート給送方向下流（前）側の端である先端面に空気を吹き付ける空気吹き付け部である。この空気吹き付け部３０は、分離ダクト３２、捌きノズル３３、分離ノズル３４を備えている。

なお、後端規制板１３及び側端規制板１４は、シート台１２に積載されるシートのサイズに応じて、それぞれシート給送方向、又はシート給送方向と直交する幅方向に移動可能となっている。

ここで、このような構成のシート給送装置において、ユーザーが収納庫１１を引き出し、シートＳをセットした後、収納庫１１を格納すると、不図示の駆動手段によって、図６に示すようにシート台１２が矢印Ａの方向に上昇する。そして、このシート台１２はシート束ＳＡの上面と、吸着搬送ベルト２１との距離がＢになる位置で停止し、この後、給送信号に備える。

次に、給送信号が入力されると、分離ファン３１が作動し、図７の矢印Ｃの方向に空気を吸い込む。この空気は分離ダクト３２を介して捌きノズル３３、分離ノズル３４から、シート束ＳＡの先端面に向かってそれぞれ矢印Ｄ及びＥの方向から吹き付けられる。これにより、シート束ＳＡのうちの数枚のシートＳａが浮上する。一方で、吸着ファン３６が作動し、図７の矢印Ｆの方向に空気を吐き出す。この際、吸着開口部６０ａを有する吸着ダクト６０に設けられた吸着シャッタ３７は閉じられている。

次に、給送信号が入力されてから所定時間が経過し、複数枚のシートＳａの浮上が安定したところで、図８に示すように吸着シャッタ３７を矢印Ｇの方向に回転させる。これにより、吸着ファン３６により、吸着搬送ベルト２１に形成された不図示の吸引用の孔から矢印Ｈに示す方向への吸引力が発生し、浮上した複数枚のシートＳａのうちの最上部のシートＳｂが吸着搬送ベルト２１に吸着される。

そして、最後にベルト駆動ローラ４１を図９に示す矢印Ｊの方向に回転させることで、吸着搬送ベルト２１と共にシートＳｂが矢印Ｋに示す方向に給送される。そして、この後、矢印Ｌ及びＭに示す方向に回転する引き抜きローラ対４２によって次の搬送路へ送られる。

ところで、このような従来のシート給送装置において、シートＳｂが吸着搬送ベルト２１に完全に吸着される前にシートＳｂの給送を開始してしまうと、ジャム、斜行、位置ずれ、傷、折れ、汚れ等の不具合が発生してしまう。

そこで、従来は、吸着ダクト内部に不図示の圧力センサを配置し、この圧力センサによって吸着ダクト内部の気圧をモニターすることにより、吸着が完了したことを検知することができるように構成したシート給送装置が考案されている（特許文献２参照）。

特開平７−１９６１８７（第９頁、図６） 特許第２７５０４８６号公報

しかしながら、このような圧力センサを用いた従来のシート給送装置及び画像形成装置では、圧力センサによりシートの吸着完了を検知することはできるが、圧力センサが高価であるためコストアップとなる。また、圧力センサは、温度・湿度等の環境条件の変動にも左右されやすいため、環境条件が大きく変動すると、シートの吸着完了を正確に検知することができず、確実にシートを分離搬送することができないという問題がある。

また、従来の圧力センサを用いる場合、例えば「吸引ダクト内部が３００Ｐａ以上となったときに吸着が完了したと判断する。」というように、判断基準として実際の測定値が必要になる。よって、センサのばらつきを補正するために厳密な校正が必要になる等、制御が複雑になる。

そこで本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、低コストで、簡単な構成で、かつ使用環境の影響を受けることなく、シートを確実に分離給送することのできるシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。

本発明は、シート積載手段に積載されているシートの側方から空気を吹き付けてシートを浮上させ、浮上したシートを吸着して給送するシート給送装置において、前記シート積載手段の上方に配置され、シート積載手段側に設けられた吸着開口部を有する吸着ダクトと、前記吸着ダクト内部に負圧を発生させる負圧生成手段と、前記負圧生成手段によって生成された負圧によりシートを吸着して給送するシート搬送手段と、前記吸着ダクトに設けられ、外部と連通する連通開口部と、前記シート搬送手段にシートを吸着する際、該シート搬送手段に吸着されるシートにより前記吸着開口部が塞がれることによって増加する前記吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて該連通開口部を閉じる蓋と、前記蓋が前記連通開口部を閉じたことを検出する検出手段と、を備え、前記検出手段が、前記吸着ダクト内の負圧が大きくなり前記蓋が前記連通開口部を閉じたことを検知した後、前記シート搬送手段を駆動することを特徴とするものである。

本発明によれば、吸着ダクトに設けられた連通開口部が、シートの吸着に伴って増加する吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて閉じられた後、シート搬送手段を駆動するようにすることができる。これにより、低コストで、簡単な構成で、かつ使用環境の影響を受けることなく、シートを確実に分離給送することができる。

図１は、本発明の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成を示す図である。

図１において、１００はプリンタ、１０１はプリンタ本体である。このプリンタ本体１０１の上部には自動原稿給送装置１２０により原稿載置台としてのプラテンガラス１２０ａに載置された原稿Ｄを読み取る画像読み取り部１３０が設けられている。また、画像読み取り部１３０の下方には画像形成部１０２と、画像形成部１０２にシートＳを給送するシート給送装置１０３が設けられている。

ここで、画像形成部１０２には、感光ドラム１１２、現像器１１３、レーザースキャナーユニット１１１等が設けられている。また、シート給送装置１０３は、ＯＨＴ等のシートＳを収容して装置本体１０１に着脱自在な複数のシート収納部１１５及びシート収納部１１５に収納されたシートＳを送り出すシート搬送手段の一例としての搬送ベルトである搬送吸着ベルト２１等を備えている。

次に、このような構成のプリンタ１００の画像形成動作について説明する。

装置本体１０１に設けられている不図示の制御装置から画像読取部１３０に画像読取信号が出力されると、画像読取部１３０により画像が読み取られる。この後、レーザースキャナーユニット１１１から、この電気信号に対応したレーザ光が感光ドラム１１２上に照射される。

このとき感光ドラム１１２は、予め帯電されており、光が照射されることによって静電潜像が形成され、次いで静電潜像を現像器１１３によって現像することにより、感光ドラム上にトナー像が形成される。

一方、制御装置から給紙信号がシート給送装置１０３に出力されると、シート収納部１１５からシートＳが供給される。この後、給送されたシートＳはレジストローラ１１７により感光ドラム上のトナー画像と同期を取って感光ドラム１１２と転写帯電器１１８とにより構成される転写部に送られる。

次に、このように転写部に送られたシートは、トナー像が転写され、この後、定着部１１４に搬送される。さらにこの後、定着部１１４により加熱及び加圧されることにより、シートＳに未定着転写画像が永久定着される。そして、このように画像が定着されたシートは排出ローラ１１６により装置本体１０１から排紙トレイ１１７に排出される。

図２は、シート給送装置１０３の構成を示す図である。

図２に示すように、シート給送装置１０３は、シート台上のシートＳを吸着して給送するシート給送部３９と、シートＳのシート給送方向上流側端面にシート給送方向と逆方向に空気を吹き付ける空気吹き付け手段である空気吹き付け部３０を備えている。

そして、シート給送部３９は、吸着ダクト６０（図７参照）と、吸着ダクト６０に設けられ、吸着ダクト内部に負圧を発生させる負圧生成手段である吸着ファン３６（図７参照）を備えている。さらに、吸着ファン３６により生成された負圧によりシートを吸着して搬送するシート搬送手段の一例としての搬送ベルトである吸着搬送ベルト２１を備えている。

なお、図２において、シート給送部３９の破線で示す部分は、例えば既述した図５に示すように、吸着搬送ベルト２１の上方に位置する部分であるが、説明のため図２に示すように記載している。

また、図２において、４１Ａ、４１Ｂは吸着搬送ベルト２１を駆動するベルト駆動ローラ、５０、５１はベルト駆動ローラ４１Ａの端部に設けられ、駆動モータ５２によって駆動される駆動ギアである。そして、吸着搬送ベルト２１は、この駆動ギア５０，５１を介して伝達される駆動モータ５２の駆動によって回転するベルト駆動ローラ４１Ａにより駆動される。

また、吸着ダクト６０の内部には吸着ファン３６、吸着シャッタ３７、及び吸着搬送ベルト２１のある領域には複数の吸着穴６０Ａ、さらに連通開口部である吸着検知穴６０Ｂが設けられている。

そして、この吸着検知穴６０Ｂの近傍には吸着検知穴６０Ｂを閉じることが可能な蓋である吸着検知蓋６１が揺動軸６１ａを支点として揺動自在に配置されている。なお、この吸着検知蓋６１の一端部には戻しばね６２が配置され、他端部には検知フラグ６３が設けられている。

ここで、図２に示すように吸着検知蓋６１が吸着検知穴６０Ｂを開放する位置にあるとき、この検知フラグ６３が、検知フラグ６３と共に吸着検知蓋６１が吸着検知穴６０Ｂを閉じたことを検出する検出手段を構成するフォトインタラプタ６４の検知光を遮断する。これにより、フォトインタラプタ６４はＯＮとなる。

一方、吸着検知蓋６１が吸着検知穴６０Ｂを塞ぐ（閉じる）位置にあるときには、検知フラグ６３によってフォトインタラプタ６４の検知光が遮断されることはなく、これによりフォトインタラプタ６４はＯＦＦとなる。

このフォトインタラプタ６４の信号は、図１に示すプリンタ本体１０１の所定の位置に設けられ、吸着ファン３６及び駆動モータ５２の駆動を制御する制御部６５に入力される。そして、制御部６５は、フォトインタラプタ６４からＯＮ信号が入力されると、このＯＮ信号に基づき吸着検知穴６０Ｂが閉じられたと判断し、駆動モータ５２の駆動を開始し、吸着搬送ベルト２１を給送方向に移動させる。

次に、このように構成されたシート給送装置１０３のシート給送動作について説明する。

既述したように、シートを給送する際、給送信号が入力されると、空気吹き付け部３０から空気が吹き出され、この空気により、シート束ＳＡのうちの数枚のシートＳａが浮上する。一方で、吸着ファン３６が作動し、図２の矢印Ｆの方向に空気を吐き出す。この際、吸着ダクト６０に設けられた吸着シャッタ３７は閉じられており、これにより吸着ダクト６０の吸着シャッタ３７よりも上方の空間には負圧が生じる。

次に、給送信号が入力されてから所定時間が経過し、複数枚のシートＳａの浮上が安定したところで、図３に示すように吸着シャッタ３７を矢印Ｇの方向に回転させる。これにより、吸着ファン３６により、吸着搬送ベルト２１に形成された不図示の吸引用の孔、及び吸着ダクト６０に設けられた複数の吸着穴６０Ａから吸引力が発生し、最上部のシートＳｂが吸着搬送ベルト２１に吸着される。

ここで、このように最上部のシートＳｂが吸着搬送ベルト２１に吸着されると、吸着開口部６０ａがシートにより塞がれるため、吸着ダクト内の負圧が徐々に増加する。そして、この吸着ダクト内の負圧が所定の大きさになると、吸着開口部６０ａがシートにより塞がれることにより、図４において吸着ダクト６０の吸着検知穴６０Ｂに、矢印Ｌで示す方向に強力な吸引力が働くようになる。

そして、このような吸引力により、戻しばね６２の弾性力に抗して吸着検知蓋６１が矢印Ｋ方向に揺動し、吸着検知穴６０Ｂを閉じる位置に移動する。この結果、フォトインタラプタ６４の信号がＯＦＦからＯＮになり、このフォトインタラプタ６４からの信号変化により、制御部６５は吸着検知蓋６１が閉じられたと判断することができる。

このように、フォトインタラプタ６４の信号がＯＦＦからＯＮになると、制御部６５はこれをもって最上部のシートＳｂが吸着搬送ベルト２１に完全に吸着されたと判断することができる。この後、駆動制御手段である制御部６５は吸着搬送ベルト２１の駆動を開始する。

そして、このように最上部のシートＳｂが吸着搬送ベルト２１に完全に吸着した状態で給送を開始することで、ジャム、斜行、位置ずれ、傷、折れ、汚れ等の不具合の発生を防止することが出来る。

このように、吸着検知穴６０Ｂが、シートＳの吸着に伴って増加する吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて閉じられた後、吸着搬送ベルト２１を駆動することにより、シートを確実に分離給送することができる。これにより、使用環境の影響を受けることなく、シートを確実に分離給送することができる。この結果、信頼性を高め、装置のダウンタイムを極力少なくすることが可能となる。

また、フォトインタラプタ６４のＯＮ、ＯＦＦのみでシートの吸着が完了したことを検知することができるので、制御の簡素化が可能となる。また、吸着検知蓋６１を揺動自在に設けて戻しばね６２で吸着検知穴６０Ｂを開閉する構成であるため、構成部品も非常に単純な形状であり、また少数であるため、低コストで、かつ簡単な構成とすることができる。

なお、これまでの説明においては、吸着ダクト６０を固定して吸着搬送ベルト２１を駆動する構成としたが、吸着搬送ベルトを用いずに吸着ダクトそのものが往復移動を繰り返して引き抜きローラ対との受け渡しを行うように構成しても良い。

本発明の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成を示す図。 上記シート給送装置の概略構成を説明する図。 上記シート給送装置のシート給送動作を説明する図。 上記シート給送装置に設けられた開閉検知手段の動作を説明する図。 従来のシート給送装置の概略構成図。 従来のシート給送装置のシート給送動作を説明する第１の図。 従来のシート給送装置のシート給送動作を説明する第２の図。 従来のシート給送装置のシート給送動作を説明する第３の図。 従来のシート給送装置のシート給送動作を説明する第４の図。

符号の説明

１１ 収納庫
１２ シート台
２１ 吸着搬送ベルト
３０ 空気吹き付け部
３２ 分離ダクト
３３ 捌きノズル
３４ 分離ノズル
３６ 吸着ファン
３７ 吸着シャッタ
６０ 吸着ダクト
６０ａ 吸着開口部
６０Ａ 吸着穴
６０Ｂ 吸着検知穴
６１ 吸着検知蓋
６２ 戻しばね
６３ 検知フラグ
６４ フォトインタラプタ
６５ 制御部
１００ プリンタ
１０２ 画像形成部
１０３ シート給送装置
Ｓ シート
ＳＡ シート束

Claims (4)

1. シート積載手段に積載されているシートの側方から空気を吹き付けてシートを浮上させ、浮上したシートを吸着して給送するシート給送装置において、
   前記シート積載手段の上方に配置され、シート積載手段側に設けられた吸着開口部を有する吸着ダクトと、
   前記吸着ダクト内部に負圧を発生させる負圧生成手段と、
   前記負圧生成手段によって生成された負圧によりシートを吸着して搬送するシート搬送手段と、
   前記吸着ダクトに設けられ、外部と連通する連通開口部と、
   前記シート搬送手段にシートを吸着する際、該シート搬送手段に吸着されるシートにより前記吸着開口部が塞がれることによって増加する前記吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて該連通開口部を閉じる蓋と、
   前記蓋が前記連通開口部を閉じたことを検出する検出手段と、を備え、
   前記検出手段が、前記吸着ダクト内の負圧が大きくなり前記蓋が前記連通開口部を閉じたことを検知した後、前記シート搬送手段を駆動することを特徴とするシート給送装置。
2. 前記シート搬送手段は、複数の吸着用の孔を備え、前記吸着開口部の下端に下部の内周面を当接させながら移動する搬送ベルトを備えていることを特徴とする請求項１記載のシート給送装置。
3. 前記蓋を揺動自在に設け、前記連通開口部を開ける方向に弾性部材により付勢され、前記吸着ダクト内の負圧の大きさに応じて前記弾性部材の付勢力に抗して前記蓋が前記連通開口部を塞ぐことを特徴とする請求項１又は２に記載のシート給送装置。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載のシート給送装置と、前記シート給送装置から送り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
   

Images