JP2007186454A - 含フッ素エーテルアルコールおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な末端パーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールおよびその製造法を提供する。
【解決手段】一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)CH2OH(ここで、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルアルコール。この含フッ素エーテルアルコールは、一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR(ここで、Rはアルキル基であり、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応することによって製造される。
【解決手段】一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)CH2OH(ここで、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルアルコール。この含フッ素エーテルアルコールは、一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR(ここで、Rはアルキル基であり、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応することによって製造される。
Description
本発明は、含フッ素エーテルアルコールおよびその製造法に関する。さらに詳しくは、分子末端にパーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールおよびその製造法に関する。
含フッ素エーテルアルコールは、界面活性剤等として幅広い利用が考えられる。従来報告されている含フッ素エーテルアルコールの末端基は、パーフルオロエトキシ基またはパーフルオロプロポキシ基であり、末端パーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールは知られていない。
特開昭58−90524号公報
特開2003−12606号公報
末端パーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールは、末端部位の反応の特異性から、それ単独であるいは末端パーフルオロエトキシ基または末端パーフルオロプロポキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールとの混合物として、特異な界面活性特性を示すことが期待される。
本発明の目的は、新規な末端パーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールおよびその製造法を提供することにある。
本発明によって、一般式
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)CH2OH
(ここで、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルアルコールが提供され、この含フッ素エーテルアルコールは、一般式
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR
(ここで、Rはアルキル基であり、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応することによって製造される。
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)CH2OH
(ここで、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルアルコールが提供され、この含フッ素エーテルアルコールは、一般式
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR
(ここで、Rはアルキル基であり、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応することによって製造される。
本発明によって、新規な末端パーフルオロメトキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールが提供され、この含フッ素エーテルアルコールは、カルボニルフロライドにヘキサフルプロピレンオキサイドを反応させ、得られたカルボン酸フロライドをアルコールと反応させて得られる対応する含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応させることにより、容易に製造することができ、末端部位の反応の特異性から、それ単独であるいは末端パーフルオロエトキシ基または末端パーフルオロプロポキシ基を有する含フッ素エーテルアルコールとの混合物として、特異な界面活性特性を示すことが期待され、また分散剤やレベリング剤などへの利用が図られる。
含フッ素エーテルアルコールの合成原料となる含フッ素エーテルカルボン酸エステルは、従来法に従ってカルボニルフロライドCOF2にKF等の触媒の存在下でヘキサフルオロプロピレンオキサイド〔HFPO〕を反応させ、得られたカルボン酸フロライドをアルコールと反応させることにより製造される。この一連の反応には、n=0の場合も含まれる。
COF2 + HFPO → CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COF + ROH
→ CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR
COF2 + HFPO → CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COF + ROH
→ CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR
この反応に用いられるアルコールについては、特に制限を受けないが、取扱性、価格などの点から、炭素数1〜12の内炭素数1〜4のものが好ましく、特に好ましくはメタノールまたはエタノールが用いられる。この反応の際フッ化水素が生ずるので、フッ化水素捕捉剤として原料酸フロライドと当量の金属フッ化物やアミン類を反応系内に共存させてもよく、特に取扱い性などの点からフッ化ナトリウムが好んで用いられる。
このようにして得られる含フッ素エーテルカルボン酸エステルの還元は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素シアノナトリウム、ジボラン等の一般に用いられている還元剤を使用して行われるが、安全性、還元能力、価格などの点からは水素化ホウ素ナトリウムを用いることが特に好ましい。含フッ素エーテルカルボン酸エステルに対して、一般に約0.5〜1モル%程度用いられる水素化ホウ素ナトリウムは、固体のまま使用してもあるいは塩基性水溶液の状態で使用してもよく、その還元能力に差異はみられない。
還元反応には、適宜溶媒を用いることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類が使用され、特に好ましくはエタノール、イソプロパノールが用いられる。反応温度は、原料の含フッ素エーテルカルボン酸エステルのnの数やアルコール溶媒の沸点を考慮して幅広い範囲をとり得るが、制御のし易さからは約20〜30℃の範囲にあることが好ましい。
還元反応の生成物である含フッ素エーテルアルコールは、nが0〜12の整数をとり得るが、製造の容易性からは1〜5であることが好ましく、例えば次のような化合物が挙げられる。
CF3OCF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕CF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕3CF(CF3)CH2OH
CF3OCF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕CF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)CH2OH
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕3CF(CF3)CH2OH
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例
コンデンサ、攪拌機および温度計を備えた容量300mlの四口フラスコ中に、CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)COOCH3 (98GC%)187g(0.30モル)およびエタノール 123gを仕込み、よく攪拌して混合した後、フラスコを氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム 10g(0.26モル)を少量宛分添し、30℃以下の温度を保ちながら1時間攪拌した。反応混合物に希塩酸を加えて下層を分取し、水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、常温で無色透明の液体169g(92GC%;合成収率94%)を得た。1H-NMRおよび19F-NMRから、下記含フッ素エーテルアルコールであることが確認された。
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)CH2OH
1H-NMR((CD3)2CO、TMS);δ:4.28(CH2)、5.33(OH)
19F-NMR((CD3)2CO、CFCl3); -52.55ppm(CF 3O)
; -79.03ppm(CF 3CFCF2)
; -80.87ppm(CF 3CFCH2)
;-133.66ppm(CFCH2)
;-144.13ppm(CFCF2)
;-144.96ppm(CFCF2)
コンデンサ、攪拌機および温度計を備えた容量300mlの四口フラスコ中に、CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)COOCH3 (98GC%)187g(0.30モル)およびエタノール 123gを仕込み、よく攪拌して混合した後、フラスコを氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム 10g(0.26モル)を少量宛分添し、30℃以下の温度を保ちながら1時間攪拌した。反応混合物に希塩酸を加えて下層を分取し、水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、常温で無色透明の液体169g(92GC%;合成収率94%)を得た。1H-NMRおよび19F-NMRから、下記含フッ素エーテルアルコールであることが確認された。
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕2CF(CF3)CH2OH
1H-NMR((CD3)2CO、TMS);δ:4.28(CH2)、5.33(OH)
19F-NMR((CD3)2CO、CFCl3); -52.55ppm(CF 3O)
; -79.03ppm(CF 3CFCF2)
; -80.87ppm(CF 3CFCH2)
;-133.66ppm(CFCH2)
;-144.13ppm(CFCF2)
;-144.96ppm(CFCF2)
この無色透明の液体について、内圧3〜4mmHg(400〜533Pa)、内温52〜53℃、塔頂温度50〜52℃の条件下で単蒸留を行い、目的物153g(99.8GC%、蒸留収率98.2%)を得た。
Claims (3)
- 一般式
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)CH2OH
(ここで、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルアルコール。 - 一般式
CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR
(ここで、Rはアルキル基であり、nは0〜12の整数である)で表わされる含フッ素エーテルカルボン酸エステルを還元反応させることを特徴とする請求項1記載の含フッ素エーテルアルコールの製造法。 - 水素化ホウ素ナトリウム触媒の存在下で還元反応が行われる請求項2記載の含フッ素エーテルアルコールの製造法。
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