JP2007181084A - スイッチ回路、ダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の双方向導通可能なスイッチ回路において、スイッチ機能を担うトランジスタに含まれる寄生サイリスタで、ラッチアップが生じるという問題がある。そこで、本発明は、寄生サイリスタによるラッチアップの発生を抑制し、双方向に導通可能なスイッチ回路を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、スイッチ機能を担うMOSトランジスタと、MOSトランジスタのソース及びドレインに存在する寄生ダイオード、それぞれと並列に接続されたダイオードを含むスイッチ回路である。
【選択図】図1

Description

本発明は、寄生素子によるラッチアップを抑制することができるスイッチ回路に関する。
特許文献1〜3には、従来の双方向に導通可能なスイッチ回路について、それぞれ、開示されている。
また、特許文献4は、トランジスタと、前記トランジスタのドレイン電極とカソード電極を接続し、前記トランジスタのソース電極とアノード電極を接続したショットキーバリアダイオードとを同一チップ上に備えた半導体装置について開示されている。この半導体装置は、前記ショットキーバリアダイオードを備えることにより、前記トランジスタのドレイン拡散層とNウェル領域間のPN接合面の少数キャリアの発生を抑制し、当該半導体装置の形成されている基板上に存在する寄生トランジスタの動作を防止することができる。
特開2003-224244号公報 特開2000-224298号公報 特開2004-350127号公報 特開2003-163589号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示されているスイッチ回路を構成するトランジスタは、ドレイン又はソースとして機能する拡散層とこれらの拡散層が形成されているウェル領域との間に、それぞれ、PN接合面を有し、これらのPN接合面に、順バイアス電圧がかかると、少数キャリアの注入が発生する。少数キャリアの注入が発生すると、当該スイッチ回路を形成している基板上に存在する寄生サイリスタに、ラッチアップが生じる恐れがある。
また、特許文献4に開示されている半導体装置では、ドレイン側のPN接合面に生じる順バイアス電流を緩和し、少数キャリアの発生を抑制することができるが、ソース・ドレイン間の電流の向きを逆にした場合、ソース側のPN接合面での少数キャリアの発生を抑制することはできない。
本発明は、これらの問題を解決するために、寄生素子によるラッチアップの発生を抑制する、双方向に導通可能なスイッチ回路、ダイオード、トランジスタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、第1及び第2入出力端子と、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたMOSトランジスタと、前記第1入出力端子と前記MOSトランジスタのバックゲートとの間に設けられた第1整流手段と、前記第2入出力端子と前記MOSトランジスタのバックゲートとの間に設けられた第2整流手段と、制御信号に基づいて前記MOSトランジスタのオン・オフを制御する制御手段とを備えることを特徴とするスイッチ回路である。
前記第1整流手段は、前記MOSトランジスタのソースとバックゲートとの間に寄生する寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続され、前記第2整流手段は、前記MOSトランジスタのドレインとバックゲートとの間に寄生する寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続されることを特徴とする。
上記の構成によると、第1整流手段は、前記MOSトランジスタのソース側の寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続されており、ソース側の寄生ダイオードに流れる電流を減少させる。また、第2整流手段は、前記MOSトランジスタのドレイン側の寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続されている。そのため2つの寄生ダイオードに流れる順バイアス電流を減少させ、ソース側寄生ダイオードを含む寄生素子、ドレイン側の寄生ダイオードを含む寄生素子双方において、ラッチアップの発生を抑制することができる。従って、第1入出力端子から第2入出力端子へ電流を流す場合でも、その逆の場合でも、ラッチアップの発生を抑制できるという優れた効果を奏する。
また、前記スイッチ回路を構成する前記MOSトランジスタは、Pチャネル型であり、前記第1整流手段及び第2整流手段は、それぞれ、電流の入力を受け付けるアノード端子及び電流を出力するカソード端子を備え、前記第1整流手段のアノード端子は、前記第1入出力端子に接続され、カソード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続されており、前記第2整流手段のアノード端子は、前記第2入出力端子に接続され、カソード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続されていることを特徴とする。
前記スイッチ回路は、さらに、アノード端子を電源電位に接続し、カソード端子を前記MOSトランジスタのバックゲートに接続した第3整流手段を備え、前記制御手段は、動作電位を前記MOSトランジスタのバックゲートから取得することを特徴とする。
この構成によると、前記制御手段は、動作電位を前記MOSトランジスタのバックゲートから取得するため、個別の電源を必要としない。
また、上記の構成により、前記第3整流手段を介して、前記MOSトランジスタのバックゲートには、常に、電源電位が供給されている。そのため、第1及び第2整流手段を介して、前記MOSトランジスタのバックゲートに供給される第1及び第2入出力端子の電位が、前記制御手段の動作に必要な電位に達しない場合であっても、前記制御手段は、常に正常に動作することができる。
前記スイッチ回路は、さらに、Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続され、バックゲートが接地電位に接続された補助トランジスタを備え、前記制御手段は、さらに、前記MOSトランジスタのオン・オフに同期して前記補助トランジスタのオン・オフを制御することを特徴とする路。
この構成によると、前記スイッチ回路は、前記MOSトランジスタに同期して、オン・オフを切り替えるN型の補助トランジスタを備えるので、入出力端子間を伝達することができる電位の範囲を拡張することができる。
前記スイッチ回路は、さらに、Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第1入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第2入出力端子に接続された第1調整トランジスタと、Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第2入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第1入出力端子に接続された第2調整トランジスタとを備えることを特徴とする。
この構成により、第1入出力端子の電位が、第2入出力端子の電位より高い場合には、前記第1調整トランジスタは、オン状態になり、前記第2調整トランジスタは、オフ状態になる。オン状態になると、前記第1調整トランジスタは、前記第1整流手段と並行して、前記第1入出力端子から、前記MOSトランジスタのバックゲートへ電流を流し、前記MOSトランジスタのソース側の寄生ダイオードに流れる電流をさらに軽減することができる。逆に第2入出力端子の電位が、第1入出力端子の電位より高い場合には、前記第2調整トランジスタが、オン状態になり、前記MOSトランジスタのドレイン側の寄生ダイオードに流れる電流を軽減する。
また、前記第1及び第2入出力端子に高電位を印加すると、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位も高電位になる。続いて、前記第1及び第2入出力端子に、低電位を印加した場合、前記第1及び第2調整トランジスタは、現在の第1及び第2入出力端子の電位の大小関係によらず、共にオン状態になり、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位を、前記第1及び第2入出力端子の電位のうち、高い方の電位と同電位まで引き下げる。そのため、前記MOSトランジスタの基板バイアス効果による、電流能力の低下を防止することができる。
また、前記スイッチ回路を構成する前記MOSトランジスタはNチャネル型であり、前記第1整流手段及び第2整流手段は、それぞれ、電流の入力を受け付けるアノード端子及び電流を出力するカソード端子を備え、前記第1整流手段のアノード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子は、前記第1入出力端子に接続され、前記第2整流手段のアノード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子は、前記第2入出力端子に接続されていることを特徴とする。
また、前記スイッチ回路は、さらに、アノード端子を前記MOSトランジスタのバックゲートに接続し、カソード端子を接地電位に接続した第3整流手段を備え、前記制御手段は、前記MOSトランジスタのバックゲートから、動作電位を取得することを特徴とする。
この構成によると、前記制御手段は、所定の閾値以下の動作電位を前記MOSトランジスタのバックゲートから取得するため、個別の電源を必要としない。
また、上記の構成では、前記第3整流手段のため、前記MOSトランジスタのバックゲートには、常に、接地電位以下の電位に保たれている。そのため、第1及び第2整流手段を介して、前記MOSトランジスタのバックゲートに供給される第1及び第2入出力端子の電位が、前記制御手段の閾値を超える場合であっても、前記制御手段は、常に正常に動作することができる。
前記スイッチ回路は、さらに、Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続され、バックゲートが電源電位に接続された補助トランジスタを備え、前記制御手段は、さらに、前記MOSトランジスタのオン・オフに同期して前記補助トランジスタのオン・オフを制御することを特徴とする。
この構成によると、前記スイッチ回路は、前記MOSトランジスタと同期してオン・オフを切り替え、P型の前記補助トランジスタをそなえているため、前記入出力端子間を伝達可能な電位の範囲を拡張することができる。
また、前記スイッチ回路は、さらに、Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第1入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第2入出力端子に接続された第1調整トランジスタと、Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第2入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第1入出力端子に接続された第2調整トランジスタとを備えることを特徴とする。
この構成によると、前記第1入出力端子の電位が、前記第2入出力端子よりも低い場合、前記第1調整トランジスタは、オン状態に、前記第2調整トランジスタはオフ状態になる。オン状態になると、前記第1調整トランジスタは、前記第1整流手段と並行して、前記MOSトランジスタのバックゲートから、前記第1入出力端子へ電流を流し、前記MOSトランジスタのソース側の寄生ダイオードを流れる電流をさらに減少させることができる。従って、ソース側のPN接合を含む寄生素子でのラッチアップの危険性を、さらに低下させることができる。
前記第2入出力端子の電位が、前記第1入出力端子よりも低い場合は、逆に、前記第2調整トランジスタがオン状態になり、前記MOSトランジスタのドレイン側の寄生ダイオードに流れる電流を、さらに減少させることができる。
また、前記第1及び第2入出力端子に、低電位を印加すると、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位も低電位になる。続いて、前記第1及び第2入出力端子に高電位を印加する場合、第1及び第2入出力端子の電位の大小に関係なく、第1及び第2調整トランジスタは、共にオン状態になり、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位を引き上げる。そのため、前記MOSトランジスタの基板バイアス効果による電流能力の低下を防止することができる。
また、前記スイッチ回路を構成する前記第1及び第2整流手段のうち少なくとも1つは、第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と第2導電型の第3拡散層とから構成され、前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続された第1端子と、前記第3拡散層が接続された第2端子とを有するダイオードであることを特徴とする。
前記第1及び第2整流手段は、前記MOSトランジスタの寄生ダイオードに流れる電流を軽減するために、より多くの電流を流す必要があるが、そのためには、前記第1及び第2整流手段自体が、ラッチアップを起こさない構成であることが望ましい。
この構成によると、前記ダイオードには、寄生サイリスタが存在するが、前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続されているため、隣接する第1半導体領域と第2半導体領域とは同電位である。そのため、前記第1第2半導体領域間は、電流が流れず、他のPN接合面で、少数キャリアの注入が発生しても、寄生サイリスタでラッチアップを起こすことはない。
また、前記スイッチ回路において、前記第1、第2整流手段のうち少なくとも一つは、
第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と、前記第2半導体領域内に形成された第2導電型の内部MOSトランジスタとから構成され、前記第1拡散層と前記第2拡散層と前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの一方とゲートとが接続された第1端子と、前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの他方が接続された第2端子とを有することを特徴とするダイオードであることを特徴とする。
前記第1及び第2整流手段は、前記MOSトランジスタの寄生ダイオードに流れる電流を軽減するために、より多くの電流を流す必要があるが、そのためには、前記第1及び第2整流手段自体が、ラッチアップを起こさない構成であることが望ましい。
この構成によると、前記第1又は第2整流手段において、前記第1拡散層と前記第2拡散層とは接続されているため、隣接する前記第1半導体領域と前記第2半導体領域とは同電位であるので、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間では、電流は流れない。従って、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域を含む寄生サイリスタではラッチアップは起こらない。
さらに、上記の構成の整流手段は、前記内部MOSトランジスタ内に形成されるチャネル領域を介して、電流を流すため、前記内部MOSトランジス内のPN接合面での少数キャリアの注入を軽減できる。従って、内部MOSトランジスタ内のPN接合面を含む寄生サイリスタにおいても、ラッチアップは、起こらない。
また、前記スイッチ回路において、前記内部MOSトランジスタの閾値電圧は、前記寄生ダイオードのビルトイン電位よりも低いことを特徴とする。
上記ように、前記内部MOSトランジスタの閾値電圧を低くすると、前記内部MOSトランジスタ内で、チャネル領域を通過する電流が増加し、内部MOSトランジスタのソース又はドレインとバックゲート間の寄生ダイオードを通過する電流を減少する。従って、内部MOSトランジスタ内のPN接合面を含む寄生サイリスタにおいて、ラッチアップが発生する危険性をより小さくすることができる。
前記スイッチ回路は、さらに、前記MOSトランジスタのソースと前記第1入出力端子との間及び前記MOSトランジスタのドレインと前記第2入出力端子との間のうち少なくとも一方に、所定の電圧降下を生じさせる分圧手段を備えることを特徴とする。
上記の構成によると、前記スイッチ回路は、前記分圧手段により、前記MOSトランジスタのソース側に存在する寄生ダイオード及びドレイン側に存在する寄生ダイオードのうち、少なくとも一方に印加される電圧を減少させることができる。寄生ダイオードに流れる電流は、寄生ダイオードに印加される電圧に応じて増加する。従って、寄生ダイオードに印加される電圧を減少させることで、寄生ダイオードに流れる電流を減少させることができる。
本発明は、第1及び第2入出力端子と、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたPチャネル型MOSトランジスタと、電流が入力されるアノード端子が前記第1入出力端子に接続され、電流を出力するカソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第1整流手段と、アノード端子が前記第2入出力端子に接続され、カソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第2整流手段と、アノード端子が電源電位に接続され、カソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第3整流手段と、前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートから、動作電位を取得し、制御信号に基づいて前記Pチャネル型MOSトランジスタのオン・オフを制御する第1制御手段と、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたNチャネル型MOSトランジスタと、アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が前記第1入出力端子に接続された第4整流手段と、アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が前記第2入出力端子に接続された第5整流手段と、アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が接地電位に接続された第6整流手段と、前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートから動作電位を取得し、前記制御信号に基づいて前記Nチャネル型MOSトランジスタのオン・オフを制御する第2制御手段とを備えることを特徴とするスイッチ回路である。
上記のスイッチ回路を構成するPチャネル型MOSトランジスタ及びNチャネル型MOSトランジスタは、構造上、バックゲートとバックゲート上に形成されるソース及びドレインとの間のPN接合によって構成される寄生ダイオードを含む。
前記第1整流手段は、前記Pチャネル型MOSトランジスタのソース側の寄生ダイオードと並列に接続されており、ソース側の寄生ダイオードに流れる電流を減少させる。また、第2整流手段は、前記Pチャネル型MOSトランジスタのドレイン側の寄生ダイオードと並列に接続されており、ドレイン側の寄生ダイオードと並列に接続されている。そのため、ソース側寄生ダイオードを含む寄生サイリスタ、ドレイン側の寄生ダイオードを含む寄生サイリスタ双方において、ラッチアップの発生を抑制することができる。従って、第1入出力端子から第2入出力端子へ電流を流す場合でも、その逆の場合でも、ラッチアップの発生を抑制できるという優れた効果を奏する。
また、前記第4整流手段及び第5整流手段は、それぞれ、前記Nチャネル型MOSトランジスタのソースとバックゲート間の寄生ダイオード及びドレインとバックゲート間の寄生ダイオードに流れる電流を軽減し、ラッチアップの発生を抑制する。
さらに、上記の構成の前記Pチャネル型MOSトランジスタは、正の電位を伝達可能であり、前記Nチャネル型MOSトランジスタは、負の電位を伝達可能である。よって、導電型のことなる2つのMOSトランジスタを並列に接続することで、広範囲の電位を伝達することができる。
これに加えて、第1制御手段は、前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートから動作電位を取得するため、特別に外部からの電源を必要としない。また、第3整流手段を介して、前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートは、電源電位に接続されている。第1及び第2整流手段を介して、Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに伝達される第1及び第2入出力端子の電位が、前記第1制御手段の動作に必要な電位に達しない場合であっても、前記第1制御手段は正常に動作できる。
同様に、第2制御手段は、所定の閾値以下の動作電位を前記MOSトランジスタのバックゲートから取得するため、特別に外部からの電源を必要としない。また、前記第6整流手段のため、前記MOSトランジスタのバックゲートには、常に、接地電位以下の電位に保たれている。そのため、第4及び第5整流手段を介して、前記MOSトランジスタのバックゲートに供給される第1及び第2入出力端子の電位が、前記第2制御手段の閾値を超える場合であっても、前記第2制御手段は、常に正常に動作することができる。
また、本発明は、第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と第2導電型の第3拡散層とから構成され、前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続された第1端子と、前記第3拡散層が接続された第2端子とを有することを特徴とするダイオードである。
この構成によると、本発明のダイオードには、寄生サイリスタが存在するが、前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続されているため、隣接する第1半導体領域と第2半導体領域とは同電位である。そのため、前記第1第2半導体領域間は、電流が流れず、他のPN接合面で、少数キャリアの注入が発生しても、寄生サイリスタでラッチアップを起こすことはない。
また、本発明は、第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と、前記第2半導体領域内に形成された第2導電型の内部MOSトランジスタとから構成され、前記第1拡散層と前記第2拡散層と前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの一方とゲートとが接続された第1端子と、前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの他方が接続された第2端子を有することを特徴とするダイオードである。
この構成によると、第1拡散層と前記第2拡散層とは接続されているため、隣接する前記第1半導体領域と前記第2半導体領域とは同電位であるので、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間では、電流は流れない。従って、本発明のダイオードにおいて、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域を含む寄生サイリスタではラッチアップは起こらない。
さらに、上記の構成のダイオードは、前記内部MOSトランジスタ内に形成されるチャネル領域を介して、電流を流すため、前記内部MOSトランジスタ内のPN接合面での少数キャリアの注入は軽減される。従って、内部MOSトランジスタ内のPN接合面を含む寄生サイリスタにおいても、ラッチアップは、起こりにくい。
1.実施の形態1
以下に、本発明の実施の形態1のスイッチ回路1について、図を用いて説明する。
1.1 スイッチ回路1の概要
スイッチ回路1は、PMOSトランジスタ113と、PMOSトランジスタ113のドレイン及びソースとバックゲートとの間のPN接合面に、それぞれ並列に接続された2つのダイオードを備えている。これらのダイオードにより、ドレイン又はソースとバックゲート間の寄生ダイオードに流入する順バイアス電流を緩和し、当該スイッチ回路1の形成された基板上に存在する寄生サイリスタでのラッチアップを防止する。
本明細書中で、MOSトランジスタの絶縁酸化膜を挟んで、ゲート電極と向かい合う半導体層をバックゲートと呼ぶ。
1.2 スイッチ回路1の構成
図1は、スイッチ回路1の構成を示す回路図である。図1に示すように、スイッチ回路1は、PMOSトランジスタ113、ダイオード115、ダイオード116、レベルシフト回路114、入出力端子111及び入出力端子112から構成される。PMOSトランジスタ113は、ソース及びドレインの一方を入出力端子111と接続されており、他方を入出力端子112に接続されている。レベルシフト回路114の入力端子は、制御信号を出力する外部回路と接続されており、出力端子は、PMOSトランジスタ113のゲート電極に接続されている。レベルシフト回路114の正側の高電圧の電源端子は、PMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。ダイオード115のアノード端子は入出力端子111と、カソード端子はPMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。ダイオード116のアノード端子は入出力端子112と、カソード端子はPMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。
また、図1中の寄生ダイオード117及び寄生ダイオード118は、PMOSトランジスタ113に含まれる寄生ダイオードである。
また、図2は、図1に示すスイッチ回路1を形成した半導体基板の断面構造を示している。なお、図2では、図1に記載されているレベルシフト回路114は、省略している。
(1)PMOSトランジスタ113
PMOSトランジスタ113は、図2に示すように、P型基板1100上に形成されたNウェル領域1130、Nウェル領域1130上に形成されたP+拡散層1132及びP+拡散層1133、ゲート電極1160から構成される。ゲート電極1160とNウェル領域1130との間には、図示していないが、絶縁酸化膜が形成されている。P型基板1100は、接地電位に接続されている。
P+拡散層1132とNウェル領域1130との間のPN接合が、寄生ダイオード117を形成し、P+拡散層1133とNウェル領域1130との間のPN接合が、寄生ダイオード118を形成している。
PMOSトランジスタ113は、双方向に電位を伝達し、入出力端子111の電位が入出力端子112の電位よりも高い場合、P+拡散層1132がソース、P+拡散層1133がドレインとして機能する。逆に、入出力端子112の電位が入出力端子111の電位よりも高い場合、P+拡散層1132がドレイン、P+拡散層1133がソースとして機能する。
図1及び図2に示すように、PMOSトランジスタ113のP+拡散層1132は、入出力端子111と接続されており、P+拡散層1133は、入出力端子112と接続されている。また、PMOSトランジスタ113は、Nウェル領域1130(バックゲート)上に形成されたN+拡散層1131及びN+拡散層1134を介して、ダイオード115及びダイオード116のカソード端子と接続されている。そのため、Nウェル領域1130(バックゲート)の電位は、入出力端子111及び112の電位のうち、高い方の電位と等しくなる。ゲート電極1160は、レベルシフト回路114の出力端子と接続されている。
PMOSトランジスタ113は、レベルシフト回路114からゲート電極に、接地電位と同電位の信号、又は、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位と同電位の信号を入力される。入力された信号に従って、オン・オフを切り替え、入出力端子111及び入出力端子112の間を導通又は遮断する。具体的には、バックゲートと同電位の信号を入力されると、オフ状態になり、接地電位を入力されると、オン状態になる。
上記の構成上、PMOSトランジスタ113のゲート電極の電位が接地電位(本明細書では、0Vとする)であっても、PMOSトランジスタ113のソース又はドレイン(つまり、P+拡散層1132及び1133のいずれか)とゲート電極との電位差が、PMOSトランジスタ113の閾値電圧以上でなければ、PMOSトランジスタ113は、オン状態にならない。そのため、スイッチ回路1が伝達可能な電位は、接地電位にPMOSトランジスタ113の閾値電圧を加算した値以上に制限され、負の電位は伝達できない。
(2)ダイオード115、ダイオード116
ダイオード115は、図2に示すように、P型基板1100上に、形成されたNウェル領域1110、Nウェル領域1110上に形成されたPウェル領域1120及びN+拡散層1111、Pウェル領域1120上に形成されたP+拡散層1121及びN+拡散層1122から構成される。N+拡散層1111とP+拡散層1121とは共に入出力端子111に接続されており、Nウェル領域1110とPウェル領域1120は、入出力端子111と同電位である。ダイオード115において、N+拡散層1111及びP+拡散層1121を接続した端子がアノード端子であり、N+拡散層1122と接続されている端子がカソード端子である。
ダイオード115のアノード端子は入出力端子111と接続されており、カソード端子は、N+拡散層1131を介して、PMOSトランジスタ113のバックゲートに接続されている。入出力端子111の電位が、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位よりも高い場合に導通状態になり、入出力端子111の電位をPMOSトランジスタ113のバックゲートへ伝達する。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位が、入出力端子111の電位よりも高い場合、遮断状態になり、入出力端子111及びPMOSトランジスタ113のバックゲート間の電位の伝達を遮断する。
ダイオード116は、図2に示すように、P型基板1100上に、形成されたNウェル領域1140、Nウェル領域1140上に形成されたPウェル領域1150及びN+拡散層1141、Pウェル領域1150上に形成されたP+拡散層1151及びN+拡散層1152から構成される。N+拡散層1141とP+拡散層1151とは共に入出力端子112に接続されており、Nウェル領域1140とPウェル領域1150は、入出力端子112と同電位である。
N+拡散層1141とP+拡散層1151とを接続した端子が、ダイオード116のアノード端子であり、N+拡散層1152と接続されている端子がカソード端子である。
ダイオード116のアノード端子は入出力端子112と接続されており、カソード端子は、N+拡散層1134を介して、PMOSトランジスタ113のバックゲートに接続されている。ダイオード116は、入出力端子112の電位が、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位よりも高い場合に導通状態になり、入出力端子112の電位をPMOSトランジスタ113のバックゲートへ伝達する。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位が、入出力端子112の電位よりも高い場合、遮断状態になり、入出力端子112からPMOSトランジスタ113のバックゲートへの電位の伝達を遮断する。
(3)レベルシフト回路114
レベルシフト回路114の正側の高電圧の電源端子は、PMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されており、出力端子は、PMOSトランジスタ113のゲートに接続されている。
レベルシフト回路114は、動作閾値以上の動作電位の供給を受け、正常に動作することができる回路であり、正側の高電圧の電源端子を介して、PMOSトランジスタ113のバックゲートから、動作電位を取得する。ここで、動作閾値は、電源電位であるとする。
レベルシフト回路114は、外部回路からHレベル又はLレベルの制御信号NCNTを受け取る。本明細書では、Hレベルとは、電源電位であり、Lレベルとは、接地電位であるとする。
受け取った制御信号NCNTが、Hレベルである場合には、電源電位に代わってPMOSトランジスタ113のバックゲートの電位を出力する。制御信号NCNTが、Lレベルである場合には、そのまま接地電位を出力する。本明細書で、電極及び端子に入力される電位は、接地電位を基準とした相対電位であるので、以下の説明において、接地電位を0Vとして説明する。
1.3 スイッチ回路1の動作
以下に、スイッチ回路1の動作について、具体的に説明する。ここでは、入出力端子111の電位が10V、入出力端子112の電位が3Vであるとする。
入出力端子111及び112にそれぞれ、電位が印加されると、ダイオード115及び寄生ダイオード117とに順バイアス方向に電流が流れ、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位は、10Vになる。
制御信号NCNTがHレベルのとき、レベルシフト回路114は、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位である10Vを、PMOSトランジスタ113のゲート電極に出力する。このときPMOSトランジスタ113のゲート電極とソース(P+拡散層1132)の間の電位差はゼロとなるため、PMOSトランジスタ113はオフ状態になり、入出力端子111、112間は遮断される。
制御信号NCNTがLレベルのとき、レベルシフト回路114は、接地電位(0V)を、PMOSトランジスタ113のゲート電極に出力する。このときPMOSトランジスタ113のゲート電極とソース(P+拡散層1132)の間の電位差は10Vとなるため、PMOSトランジスタ113はオン状態になり、入出力端子111、112間は導通する。
なお、入出力端子111及び112に供給される電位の大小関係が逆の場合は、ダイオード116と、寄生ダイオード118とを介して入出力端子112の電位が、PMOSトランジスタ113のバックゲートに伝達され、P+拡散層1133がソースとして機能する。
1.4 効果
以上、説明したように、本発明のスイッチ回路1では、入出力端子111から、PMOSトランジスタ113のバックゲートへの電位伝達は、PMOSトランジスタ113と同一の基板上に形成されたダイオード115と、PMOSトランジスタ113のNウェル領域1130とP+拡散層1131との間の寄生ダイオード117とによって行われる。つまり、寄生ダイオード117を構成するPN接合に、順バイアス電圧が印加され、印加された電圧に応じて順バイアス電流が流れる。つまり、Nウェル領域1130とP+拡散層1132とのPN接合面で、少数キャリアの注入が起こる。
スイッチ回路1の形成される基板上に存在する寄生素子の一例として、P+拡散層1132、Nウェル領域1130、P型基板1100及びP型基板1100上に形成されるNウェル領域1130以外のN型拡散層により構成される寄生サイリスタが考えられる。この寄生サイリスタは、P+拡散層1132、Nウェル領域1130及びP型基板1100から構成されるバイポーラ型の第1寄生トランジスタと、Nウェル領域1130、P型基板1100及びP型基板1100上に形成されるNウェル領域1130以外のN型拡散層により構成されるバイポーラ型の第2寄生トランジスタとを接続した回路と等価である。
P+拡散層1132とNウェル領域1130とのPN接合面で少数キャリアの注入が起こると、第1寄生トランジスタにベース電流が流れる。このとき、Nウェル領域1130以外のN型拡散層の電位が十分低い場合、第1寄生トランジスタにコレクタ電流が流れ、寄生サイリスタがオン状態になる、つまり、ラッチアップが発生する危険性がある。
このとき、寄生ダイオード117を形成するPN接合を順バイアス方向に流れる電流が大きいほど、注入される少数キャリアの数が多くなり、ラッチアップの発生する危険性が高くなる。
ここで、初期状態では、入出力端子111及び112、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位は、全て接地電位(0V)であり、入出力端子111の電位が10V、入出力端子112の電位が3Vと想定して、本発明のスイッチ回路1の効果について、具体的に説明する。
外部の回路から入出力端子111に、10Vの電位を供給する場合、入出力端子111の電位が10Vに達するには、有限の時間Ta(Ta>0)を要する。入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間tに対する、入出力端子111の電位をEa(t)と、表記すると、Ea(Ta)=10Vと表すことができる。また、入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間tに対する、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位をE(t)と表記する。E(t)は、バックゲートへ供給された電荷の総量に伴って増加し、Ea(t)=E(t)=10V となると、入出力端子111とバックゲート間の電流は停止する。バックゲートへ供給された電荷の総量は、入出力端子111とバックゲート間の電流を時間tで積分した値に比例する。
入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間がt1(0≦t1≦Ta)のとき、寄生ダイオード117に印加される順バイアス電圧は、Ea(t1)−E(t1)であるので、バックゲートの電位が高いほど、言い換えると、時間t1が経過する間に、バックゲートに供給された電荷の量が多いほど、寄生ダイオード117に印加される順バイアス電圧は小さくなる。印加される順バイアス電圧が低いほど、寄生ダイオード117に流れる順バイアス電流が小さくなる。
本発明のスイッチ回路1では、寄生ダイオード117と並列にダイオード115とが接続されており、両方によってバックゲートに、電荷の供給を行うため、供給の速度は、ダイオード115がない場合に比較して早くなる。従って、経過時間t1の時点でのバックゲートの電位E(t1)は、ダイオード115がない場合よりも高くなるため、寄生ダイオードに印加される順バイアス電圧 Ea(t1)−E(t1)が小さくなる。よって、寄生ダイオード117に流入する順バイアス電流も小さくなり、寄生サイリスタでのラッチアップの発生を抑制することができる。
逆に、入出力端子112の電位が、入出力端子111の電位より高い場合も、ダイオード116が存在することにより、PMOSトランジスタ113のP+拡散層1133及びNウェル領域1130間のPN接合面を含む寄生サイリスタの、ラッチアップの抑制を図ることができる。
このように、PMOSトランジスタ113の2つの寄生ダイオードそれぞれと並列に、ダイオード115及び116を備えることで、本発明のスイッチ回路1は、入出力端子111から入出力端子112への電位伝達においても、入出力端子112から入出力端子111への電位伝達においても、ラッチアップの発生を抑制することができる。
さらに、スイッチ回路1では、入出力端子111及び112の電位のうち、高い方の電位がPMOSトランジスタ113のバックゲートに伝達され、レベルシフト回路114は、正側の高電圧の電源端子を介して、PMOSトランジスタ113のバックゲートから、動作電位を取得する。従って、スイッチ回路1は、レベルシフト回路114のために、特別な外部からの電源を必要とせずに、入出力端子111及び112の間の導通、遮断を行うことができる。
1.5 ダイオード115及び116の性質
上記の説明では、ダイオード115及び116は、図2に示すように、N+拡散層とPウェル領域とのPN接合により形成されるPN接合ダイオードであるとして説明してきたが、任意のダイオードを用いてもよい。しかし、ここで用いられるダイオードは、寄生ダイオード117及び118に流れる順バイアス電流を緩和することを目的としているため、積極的に大きな電流を流す。このため、ダイオード自身が、ラッチアップを起こさない構成であることが望ましい。そのため、以下の2つの条件の何れかを満たす必要がある。
条件1:ダイオードを形成するPN接合面に、順バイアス電流が流れ、少数キャリアの注入が発生しても、ラッチアップを起こさない。
条件2:順方向に電流を流しても、少数キャリアの注入が発生しない。
図2に示すダイオード115及び116は、上記の条件1を満たしている。また、図5〜9は、トランジスタをダイオードとして用いる例を示しており、これらのトランジスタは、上記の条件2を満たすダイオードとして機能する。さらに、条件2を満たすダイオードとして、ショットキーバリアダイオードがあげられる。ショットキーバリアダイオードについては、公知の技術であるので、ここでは説明を省略する。
以下に、条件1又は2を満たす各ダイオード及びトランジスタの構成及び性質について、図面を用いて説明する。
(1)条件1を満たすダイオード
以下に、上記の条件1を満たすダイオードについて、説明する。
(1−1) 図3は、上記の実施の形態1において説明したダイオード115の断面構造と、ダイオード115を形成した基板上に存在する寄生素子の一例を示している。
図3(a)に示すダイオード115は、既に説明したように、P型基板1100上に、形成されたNウェル領域1110、Nウェル領域1110上に形成されたPウェル領域1120及びN+拡散層1111、Pウェル領域1120上に形成されたP+拡散層1121及びN+拡散層1122から構成される。N+拡散層1111とP+拡散層1121とは接続されているため、Nウェル領域1110とPウェル領域1120は、同電位である。P型基板1100は、接地電位(0V)に接続されている。
ダイオード115は、図3(b)に示すように、P型基板1100、Nウェル領域1110、Pウェル領域1120及びN+拡散層1122から構成される寄生サイリスタ121を含んでいる。寄生サイリスタ121は、寄生トランジスタ122及び寄生トランジスタ123を接続した回路と等価である。寄生トランジスタ122は、P型基板1100をエミッタ、Nウェル領域1110をベース、Pウェル領域1120をコレクタとするPNPバイポーラトランジスタである。寄生トランジスタ123は、N+拡散層1122をエミッタ、Pウェル領域1120をベース、Nウェル領域1110をコレクタとするNPNバイポーラトランジスタである。
ダイオード115のアノード端子とカソード端子の間に、順方向に電圧が印加された場合、N+拡散層1122とPウェル領域1120との間のPN接合に順バイアス電圧が印加され、少数キャリアの注入が発生する。しかし、図3(a)に示すように、Nウェル領域1110及びPウェル領域1120は、何れもアノード端子と同電位になる。P型基板1100は、接地電位(0V)であり、このとき、ベース・エミッタ間が常に逆バイアスされた状態になる。つまり、寄生トランジスタ122にベース電流が流れないため、寄生トランジスタ122は動作せず、寄生サイリスタ121も動作しない。従って、PN接合面で少数キャリアの注入が発生しても、ダイオード115では、ラッチアップは起こらない。
また、ダイオード115を構成する基板上には、図3(c)に示すように、Pウェル領域1120、Nウェル領域1110、P型基板1100及びP型基板1100上のNウェル領域1110以外のN型拡散層から構成される寄生サイリスタ126が存在する場合がある。
寄生サイリスタ126は、寄生トランジスタ127と寄生トランジスタ128とを接続した回路と等価である。寄生トランジスタ127は、Pウェル領域1120をエミッタ、Nウェル領域1110をベース、P型基板1100をコレクタとして構成されるPNPバイポーラトランジスタである。寄生トランジスタ128は、Nウェル領域1110をコレクタ、P型基板1100をベース、P型基板1100上のNウェル領域1110以外のN型拡散層をエミッタとして構成されるNPNバイポーラトランジスタである。
この構成では、Nウェル領域1110とPウェル領域1120は同電位である。つまり、寄生トランジスタ127のベースエミッタ間には電位差がなく、ベース電流は流れないため、寄生トランジスタ127は動作せず、寄生サイリスタ126も動作しない。従って、ダイオード115は、ダイオード115の形成されているP型基板1100上の他の領域の影響を受けてラッチアップを起こすこともない。
(1−2) 図4は、N型の基板上に形成され、(1−1)において説明したダイオード115と同様の働きをするダイオード130の構成を示す断面図である。ダイオード130は、N型基板1260上に形成されたPウェル領域1270、Pウェル領域1270上に形成されたP+拡散層1271及びNウェル領域1280、Nウェル領域1280上に形成されたN+拡散層1272及びP+拡散層1273から構成される。N型基板1260は、電源電位に接続されている。
ダイオード130のアノード端子とカソード端子の間に、順方向に電位が印加されると、P+拡散層1273とNウェル領域1280との間のPN接合面に、順方バイアス電圧が印加され、少数キャリアの注入がおこる。しかし、Nウェル領域と280とPウェル領域1270とが同電位であるので、少数キャリアの注入が生じても、寄生サイリスタによるラッチアップを起こすことはない。
(2)条件2を満たすダイオード
以下に、上記の条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタについて、説明する。
(2−1) 条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタの1つに、バックゲートを接地電位に接続し、ドレインとゲート電極とを接続したNMOSトランジスタが考えられる。この場合、NMOSトランジスタは、ドレインとゲート電極とを接続した端子が、アノード端子、ソースをカソード端子とするダイオードとして機能する。ゲート・ソース間の電位差が、NMOSトランジスタの閾値電圧を超える場合、導通状態になる。
図5は、図1のスイッチ回路1のダイオード115および116に代わって、この構成のトランジスタ131及び132を、備えているスイッチ回路1aを示している。なお、図5では、寄生ダイオード117及び118は、省略した。
この構成では、トランジスタ131のバックゲートは常に接地電位(0V)である。入出力端子111とPMOSトランジスタ113のバックゲートとの電位差がトランジスタ131の閾値電圧よりも大きい場合、トランジスタ131のバックゲートには、N型のチャネル層が形成され、入出力端子111からPMOSトランジスタ113のバックゲートに、電位を伝達することができる。トランジスタ131のソース及びドレインを形成するN+拡散層とPウェル領域との間にPN接合面が存在するが、このとき、トランジスタ131は、チャネルに電流を流し、PN接合面での少数キャリアの注入はおこらない。
ダイオード132の構成と機能は、トランジスタ131と同様である。
入出力端子111、112に印加する電位をそれぞれVa、Vbとし、入出力端子111及び112に、Va及びVbを印加する前の、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位をVbacとすると、通常の使用状態では、Va>Vbac>Vb、又は、Vb>Vbac>Va のいずれかを満たしており、トランジスタ131と132とが、同時にオン状態になることは無い。従って、トランジスタ131及び132は、少数キャリアの注入を生じないダイオードとして機能する。
(2−2)また、ドレインとゲート電極とバックゲートとを接続したPMOSトランジスタが考えられる。この場合、PMOSトランジスタは、ドレインとゲート電極とバックゲートとを接続した端子をカソード端子、ソースをアノード端子とするダイオードとして機能する。ソースとドレイン間の電位差が、閾値を越えるとオン状態になり、アノード端子からカソード端子に電流を流す。
図6は、図1のダイオード115及び116に代わって、この構成のトランジスタ134及び135を備えているスイッチ回路1bを示している。なお、図6では、寄生ダイオード117及び118は、省略した。また、図7は、トランジスタ135の構成を示す断面図である。
トランジスタ135は、N型基板1310上に形成されたPウェル領域1320、Pウェル領域1320上に形成されたP+拡散層1321及びNウェル領域1330、Nウェル領域1330上に形成されたN+拡散層1331、P+拡散層1332、P+拡散層1333及びゲート電極1340から構成される。N型基板1310は、電源電位に接続されている。
トランジスタ135を形成している基板上には、寄生サイリスタが存在する。一例として、Nウェル領域1330、Pウェル領域1320及びN型基板1310及びN型基板1310上のPウェル領域1320以外のP型拡散層から構成される寄生サイリスタや、P+拡散層1333、Nウェル領域1330、Pウェル領域1320及びN型基板1310から構成されるサイリスタなどが考えられる。しかし、上記の(1−1)において説明したダイオード115の場合と同様に、隣接するNウェル領域1330とPウェル領域1320とが同電位であるので、これらの寄生サイリスタは動作しない。
トランジスタ135は、ゲートとソースとの電位差が、トランジスタ135の閾値電圧を超える場合、P型のチャネル領域が形成されオン状態になる。
アノード端子からカソード端子への電位伝達の際、Nウェル領域1330とP+拡散層1333間のPN接合面に順バイアス方向に電位が印加されているが、トランジスタ135は、このPN接合面よりも、チャネル領域に、支配的に電流を流すため、少数キャリアの注入は、ほとんど生じない。
トランジスタ134の構成及び機能は、トランジスタ135と同様である。
上記の(2−1)でも説明したように、通常の運用において、入出力端子111及び112に入力される電位は、Va>Vbac>Vb、又は、Vb>Vbac>Va のいずれかを満たしており、トランジスタ134及び135が同時にオン状態になることは無い。
従って、トランジスタ134及び135は、少数キャリアの注入をほとんど生じないダイオードとして機能する。
(2−3)また、ドレインとゲート電極とバックゲートとを接続したNMOSトランジスタが考えられる。この場合、NMOSトランジスタは、ドレインとゲート電極とバックゲートとを接続した端子をアノード端子、ソースをカソード端子とするダイオードとして機能する。ドレイン・ソース間の電位差が、閾値電圧以上の場合、オン状態になる。
図8は、スイッチ回路1のダイオード115及び116に代わって、この構成のトランジスタ141及び142を備えたスイッチ回路1cである。図9は、トランジスタ141の断面構造を示している。
トランジスタ141は、図9に示すように、P型基板1360上に形成されたNウェル領域1370、Nウェル領域1370上に形成されたN+拡散層1371及びPウェル領域1380、Pウェル領域1380上に形成されたP+拡散層1381、N+拡散層1382及びN+拡散層1383から構成される。P型基板1360は、接地電位に接続されている。
上記の(1−1)、(2−2)の場合と同様に、隣接するPウェル領域1380及びNウェル領域1370は、同電位であるので、トランジスタ141の寄生サイリスタにおいてラッチアップは発生しない。
トランジスタ141において、ゲート・ソース間の電位差が閾値電位を超える場合、N型のチャネル領域が形成され、チャネル領域を介して、アノード端子からカソード端子に電流が流れる。その際、Pウェル領域1380とN+拡散層1383の間のPN接合面に、順バイアス電圧が印加される。しかし、上記の(2−1)及び(2−2)の場合と同様に、トランジスタ143は、PN接合面よりも、チャネル領域を介して、支配的に電流を流すため、少数キャリアの注入は、ほとんど生じない。従って、トランジスタ141は、少数キャリアの注入をほとんど生じない。
トランジスタ142の構成及び機能は、トランジスタ141と同様である。また、(2−2)の場合と同様に、トランジスタ141と142とが同時にオン状態になることはない。
(4)以上説明したように、上記の(1)の構成のPN接合ダイオードは、少数キャリアの注入が起こってもラッチアップを起こさない。
また、(2)の構成のトランジスタは、少数キャリアの注入のほとんど発生しないダイオードとして機能する。特に、トランジスタ内のPN接合面により構成される寄生ダイオードのビルトイン電位よりも、トランジスタの閾値電圧を低く設定することで、PN接合面を介して流れる電流と、チャネル領域を流れる電流の格差がより大きくなり、ラッチアップの発生する危険性をより小さくすることができる。
また、上記の(1)のダイオード、(2−2)及び(2−3)の構成のトランジスタは、隣接するPウェル領域とNウェル領域とを同電位にすることで、同一基板上の周囲の回路の影響によるラッチアップを起こすこともない。
また、ショトキーバリアダイオードと比較して、上記の(2)のトランジスタは、ショットキーバリア接合を製造する工程を含まず、広く普及しているトランジスタの製造工程をそのまま利用して製造できるというメリットを有する。
さらに、条件2を満たすダイオードは、少数キャリアの注入が生じないため、それ自体によるラッチアップに対する配慮が不要である。従って、これらのダイオードを採用したスイッチ回路を構成する際、断面構造上の自由度が大きくなるという有利な点がある。
2. 実施の形態2
本発明の実施の形態2にかかるスイッチ回路2について以下に説明する。
2.1 スイッチ回路2の概要
スイッチ回路2は、NMOSトランジスタ153を用いて2つの入出力端子間の導通・遮断を行う回路であり、NMOSトランジスタ153のドレイン及びソースとバックゲートとの間のPN接合面に寄生する寄生ダイオードと、並列に接続された2つのダイオードを備えている。これらのダイオードにより、ドレイン又はソースとバックゲート間の寄生ダイオードに流入する順バイアス電流を緩和し、当該スイッチ回路2の形成された基板上に存在する寄生サイリスタでのラッチアップを防止する。
2.2 スイッチ回路2の構成
図10は、スイッチ回路2の構成を示す回路図である。図10において、実施の形態1のスイッチ回路1と同一の構成には、同一の参照符号を付している。
図10に示すように、スイッチ回路2は、NMOSトランジスタ153、ダイオード155、ダイオード156、レベルシフト回路154、入出力端子111及び入出力端子112から構成される。NMOSトランジスタ153のソース及びドレインの一方は、入出力端子111と接続されており、他方は、入出力端子112と接続されている。レベルシフト回路154の入力端子は、制御信号CNTを出力する外部回路と接続されており、出力端子は、NMOSトランジスタ153のゲート電極に接続されている。また、負側の高電圧の電源端子は、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。ダイオード155のアノード端子は、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されており、カソード端子は入出力端子111と接続されている。ダイオード156のアノード端子は、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されており、カソード端子は、入出力端子112と接続されている。
また、寄生ダイオード157及び寄生ダイオード158は、NMOSトランジスタ153に存在する寄生ダイオードである。
また、図11は、図10に示すスイッチ回路2を形成した基板の断面の一例を示している。なお、図11では、図10に記載されているレベルシフト回路154は、省略している。
(1)NMOSトランジスタ153
NMOSトランジスタ153は、図11に示すようにN型基板1400上に形成されたPウェル領域1430、Pウェル領域1430上に形成されたN+拡散層1432及びN+拡散層1433、ゲート電極1443から構成される。ゲート電極1443とPウェル領域1430との間には、図示していないが、絶縁酸化膜が形成されている。N型基板1400は、電源電位に接続されている。
ここで、N+拡散層1432とPウェル領域1430との間のPN接合が、寄生ダイオード157であり、N+拡散層1433とPウェル領域1430との間のPN接合が、寄生ダイオード158を形成している。
NMOSトランジスタ153は、双方向に電位を伝達し、入出力端子111の電位が入出力端子112の電位よりも高い場合、N+拡散層1432がドレイン、N+拡散層1433がソースとして機能する。逆に、入出力端子112の電位が入出力端子111の電位よりも高い場合、N+拡散層1432がソース、N+拡散層1433がドレインとして機能する。
図10及び図11に示すように、NMOSトランジスタ153のN+拡散層1432は、入出力端子111と接続されており、N+拡散層1433は、入出力端子112と接続されている。また、NMOSトランジスタ153は、Pウェル領域1430(バックゲート)上に形成されたP+拡散層1431及びP+拡散層1434を介して、ダイオード155及びダイオード156のアノード端子と、それぞれ接続されている。そのため、Pウェル領域1430(バックゲート)の電位は、入出力端子111及び112の電位のうち、低い方の電位と等しくなる。ゲート電極1443は、レベルシフト回路154の出力端子と接続されている。
NMOSトランジスタ153は、レベルシフト回路154からゲート電極に、電源電位又はNMOSトランジスタ153のバックゲートの電位と同電位の信号を入力され、入力される信号の電位に従って、オン・オフ状態が切り替わる。
具体的には、レベルシフト回路154から、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位と同電位の信号を入力された場合、オフ状態になり、入出力端子111及び112間を遮断する。電源電位と同電位の信号を入力された場合、Pウェル領域1430にN型のチャネルが形成され、オン状態になり、入出力端子111及び112間は、導通する。
上記の構成上、NMOSトランジスタ153のゲート電極の電位が、電源電位であっても、ゲート電極と、ソース及びドレイン(N+拡散層1432及び1433)との電位差が、いずれも、NMOSトランジスタ153の閾値未満であれば、オン状態にはならない。従って、スイッチ回路2が、伝達できる電位は、電源電位からNMOSトランジスタ153の閾値電圧を減じた値以下に限定される。
(2)ダイオード155、ダイオード156
ダイオード155は、図11に示すように、N型基板1400上に、形成されたPウェル領域1410、Pウェル領域1410上に形成されたNウェル領域1420及びP+拡散層1411、Nウェル領域1420上に形成されたN+拡散層1421及びP+拡散層1422から構成される。ダイオード155において、P+拡散層1411及びN+拡散層1421を接続した端子がカソード端子であり、P+拡散層1422と接続されている端子がアノード端子である。
ダイオード155のカソード端子は入出力端子111と接続されており、Pウェル領域1410とNウェル領域1420は、入出力端子111と同電位である。アノード端子は、P+拡散層1431を介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートに接続されている。ダイオード155は、入出力端子111の電位が、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位よりも低い場合に導通状態になり、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を入出力端子111の電位まで引き下げる。逆に、入出力端子111の電位が、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位よりも高い場合は、遮断状態になり、入出力端子111の電位の伝達を遮断する。
ダイオード156は、図11に示すように、N型基板1400上に形成されたPウェル領域1440、Pウェル領域1440上に形成されたP+拡散層1441及びNウェル領域1450、Nウェル領域1450上に形成されたN+拡散層1451及びP+拡散層1452から構成される。ダイオード156において、P+拡散層1441及びN+拡散層1451を接続した端子がカソード端子であり、P+拡散層1452と接続されている端子がアノード端子である。
ダイオード156のカソード端子は入出力端子112と接続されており、Pウェル領域1440とNウェル領域1450とは、同電位である。アノード端子は、P+拡散層1434を介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートに接続されている。ダイオード156は、入出力端子112の電位が、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位よりも低い場合に導通状態になり、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を入出力端子112の電位まで引き下げる。逆に、入出力端子112の電位が、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位よりも高い場合、遮断状態になり、入出力端子112の電位の伝達を遮断する。
なお、これらのダイオード155及び156は、図4に示すダイオード130と同一の構成である。
(3)レベルシフト回路154
レベルシフト回路154の負側の高電圧の電源端子は、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されており、出力端子は、NMOSトランジスタ153のゲート電極に接続されている。
レベルシフト回路154は、所定の動作閾値以下の動作電位の供給を受けて正常に動作することができる回路であり、負側の高電圧の電源端子を介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートから、動作電位を取得する。ここで、レベルシフト回路154の動作閾値は、接地電位(0V)であるとする。
レベルシフト回路154は、外部回路からHレベル又はLレベルの制御信号CNTを受け取る。受け取った制御信号が、Hレベルである場合には、電源電位を出力し、制御信号が、Lレベルである場合には、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を出力する。
2.3 スイッチ回路2の動作
以下に、スイッチ回路2の動作について、具体的に説明する。ここでは、入出力端子111の電位が−10V、入出力端子112の電位が−3Vであるとする。
入出力端子111及び112にそれぞれ、電圧が印加されると、ダイオード155及び寄生ダイオード157とに順バイアス方向に電流が流れ、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位は−10Vに引き下げられる。
制御信号がHレベルのとき、レベルシフト回路154は、電源電位を、NMOSトランジスタ153のゲート電極に出力する。このときNMOSトランジスタ153のゲート電極とソース(N+拡散層1432)の間の電位差は、電源電位−(−10V)となり、NMOSトランジスタ153はオン状態になり、入出力端子111及び112間は導通する。
制御信号がLレベルのとき、レベルシフト回路154は、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位である−10Vを、NMOSトランジスタ153のゲート電極へ出力する。このときNMOSトランジスタ153のゲート・ソース間の電位差はゼロとなり、NMOSトランジスタ153はオフ状態になり、入出力端子111及び112間は遮断される。
なお、入出力端子111及び112に供給される電位の大小関係が逆の場合は、ダイオード156と、寄生ダイオード158とを介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位が、入出力端子112の電位まで引き下げられ、N+拡散層1433がソースとして機能する。
2.4 効果
以上説明したように、本発明のスイッチ回路2では、入出力端子111から、NMOSトランジスタ153のバックゲートへの電位伝達は、NMOSトランジスタ153と同一の基板上に形成されたダイオード155と、NMOSトランジスタ153のPウェル領域1430とN+拡散層1432との間の寄生ダイオード157とによって行われる。つまり、寄生ダイオード157を構成するPN接合に、順バイアス電圧が印加され、印加される電圧に応じた順バイアス電流が流れる。順バイアス電流が流れると、PN接合面で少数キャリアの注入が起こる。
スイッチ回路2の形成される基板上に存在する寄生素子の一例として、N+拡散層1432、Pウェル領域1430、N型基板1400及びN型基板1400上に形成されるPウェル領域1430以外のP型拡散層により構成される寄生サイリスタが考えられる。この寄生サイリスタは、N+拡散層1432、Pウェル領域1430及びN型基板1400から構成されるバイポーラ型の第1寄生トランジスタと、Pウェル領域1430、N型基板1400及びN型基板1400上に形成されるPウェル領域1430以外のP型拡散層により構成されるバイポーラ型の第2寄生トランジスタとを接続した回路と等価である。
N+拡散層1432及びPウェル領域1430の間のPN接合面で少数キャリアの注入が起こると、第1寄生トランジスタにベース電流が流れ、Pウェル領域1430以外のP型拡散層の電位が十分高い場合、第1寄生トランジスタにコレクタ電流が流れ、寄生サイリスタでラッチアップが発生する可能性がある。
このとき、寄生ダイオード157を構成するPN接合を流れる順バイアス電流が大きいほど、注入される少数キャリアの数が多くなり、ラッチアップの発生する可能性が高くなる。
ここで、初期状態では、入出力端子111及び112、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位は、全て接地電位(0V)であるとして、本発明のスイッチ回路2の効果について、具体的に説明する。
外部の回路から入出力端子111に、−10Vの電位を供給する場合、入出力端子111の電位が−10Vに達するには、有限の時間Ta(Ta>0)を要する。入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間tに対する、入出力端子111の電位をEa(t)と、表記すると、Ea(Ta)=−10Vと表すことができる。また、入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間tに対する、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位をE(t)と表記する。E(t)は、バックゲートから移動した電荷の総量に伴って減少し、バックゲートから移動した電荷の総量は、入出力端子111とバックゲート間の電流を時間tで積分した値に比例する。
入出力端子111に電位の供給を開始してからの経過時間がt1(0≦t1≦Ta)のとき、寄生ダイオード157に印加される順バイアス電圧は、E(t1)−Ea(t1)であるので、バックゲートの電位が低いほど、言い換えると、時間t1の間に、バックゲートから移動した電荷量が多い方が、寄生ダイオード157に印加される順バイアス電圧は小さくなる。印加される順バイアス電圧が低いほど、寄生ダイオード157に流れる順バイアス電流が小さくなる。
本発明のスイッチ回路2では、寄生ダイオード157と並列にダイオード155とが接続されており、両方によってバックゲートに、電荷の移動を行うため、移動の速度は、ダイオード155がない場合に比較して早くなる。従って、経過時間t1の時点でのバックゲートの電位E(t1)は、ダイオード155がない場合よりも低くなるため、寄生ダイオード157に印加される順バイアス電圧 E(t1)−Ea(t1)が小さくなる。よって、寄生ダイオード157に流れる順方向電流も小さくなり、寄生サイリスタでのラッチアップの発生を抑制することができる。
逆に、入出力端子112の電位が、入出力端子111の電位より低い場合も、ダイオード156が存在することにより、N+拡散層1433及びPウェル領域1430間のPN接合面を含む寄生サイリスタの、ラッチアップの抑制を図ることができる。
このように、NMOSトランジスタ153の寄生ダイオード157及び158それぞれと並列に、ダイオード155及び156を備えることで、本発明のスイッチ回路2は、入出力端子111から入出力端子112への電位伝達においても、入出力端子112から入出力端子111への電位伝達においても、ラッチアップの発生を抑制することができる。
さらに、スイッチ回路2は、入出力端子111及び112の電位のうち、低い方の電位をNMOSトランジスタ153のバックゲートに伝達し、レベルシフト回路154は、負側の高電圧の電源端子を介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートから、動作電位を取得する。従って、スイッチ回路2は、レベルシフト回路154に、特別に外部からの電源を必要とせずに、入出力端子111及び112の間の導通、遮断を行うことができる。
2.5 実施の形態2の変形例
上記の説明では、ダイオード155及び156は、図11に示すように、P+拡散層とNウェル領域とのPN接合により形成されるPN接合ダイオードであるとして説明してきたが、任意のダイオードを用いてもよい。しかし、ここで用いられるダイオードは、寄生ダイオード157及び158に流れる電流を緩和することを目的としているために、積極的に電流を流す。よって、ダイオード自身がラッチアップを起こさない構成であることが望ましい。そのため、実施の形態1の場合と同様に、以下の2つの条件の何れかを満たす必要がある。
条件1:ダイオードに含まれるPN接合面に、順方向バイアス電流が流れ、少数キャリアの注入が発生しても、ラッチアップを起こさない。
条件2:順方向バイアス電流を流しても、少数キャリアの注入が発生しない。
上記のダイオード155及びダイオード156は、条件1を満たす。また、条件1を満たすダイオードとしては、実施の形態1において説明した図3(a)に示す構成のダイオードが考えられる。
条件2を、満たす回路についても、実施の形態1の1.5の章で、説明したように、ショットキーバリアダイオードと、トランジスタをダイオードとして用いる例が考えられる。ショットキーバリアダイオードについては、公知であるので、ここでは、説明を省略する。
以下に、条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタについて説明する。
(1) 条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタの1つに、バックゲートを電源電位に接続し、ドレインとゲート電極とを接続したPMOSトランジスタが考えられる。このPMOSトランジスタは、ドレインとゲート電極とを接続した端子を、カソード端子、ソースをアノード端子とするダイオードとして機能する。ゲートとソース間の電位差が閾値電圧以上のときオン状態になる。
図12は、図10のスイッチ回路2のダイオード155および156に代わって、この構成のトランジスタ161及び162を、備えているスイッチ回路2aを示している。なお、図12では、寄生ダイオード157及び158は、省略した。
この構成では、トランジスタ161のバックゲートは常に電源電位である。ドレイン・ソース間の電位差、つまり、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位と、入出力端子111に印加された電位との差がトランジスタ161の閾値電圧よりも大きい場合、トランジスタ161のバックゲートには、P型のチャネル層が形成され、トランジスタ161は、オン状態になる。よって、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を入出力端子111の電位に、引き下げることができる。トランジスタ161のソース及びドレインを形成するN+拡散層とPウェル領域との間にPN接合面が存在するが、このとき、トランジスタ161は、チャネルに支配的に電流を流し、PN接合面での少数キャリアの注入は、ほとんどおこらない。
(2)また、図13は、スイッチ回路2のダイオード155及び156に代わって、トランジスタ163及び164を用いたスイッチ回路2bである。トランジスタ163及び164は、図7に示すトランジスタ135と同様の構成であり、PMOSトランジスタのソースをアノード端子とし、ドレインとゲート電極とバックゲートとを接続した端子をカソード端子としたダイオードとして機能する。このトランジスタについては、図6及び7を用いて既に説明したので、ここでは、改めて説明はしない。
(3)また、図14は、スイッチ回路2のダイオード155及び156に代わって、トランジスタ166及び167を用いたスイッチ回路2cである。トランジスタ166及び167は、図9に示すトランジスタ141と同様の構成であり、NMOSトランジスタのドレインとバックゲートとゲート電極とを接続した端子をアノード端子とし、PMOSトランジスタのソースをカソード端子とするダイオードとして機能する。このトランジスタについては、図8及び9を用いて既に説明したので、ここでは、改めて説明はしない。
(4)以上、説明したような構成のトランジスタ及びダイオードは、ラッチアップを起こさないため、本発明のスイッチ回路に適している。
3. 実施の形態3
以下に、本発明の実施の形態3にかかるスイッチ回路3について図面を用いて説明する。
3.1 スイッチ回路3の概要
スイッチ回路3は、実施の形態1において説明したスイッチ回路1に、さらに、ダイオードを接続したものである。このダイオードは、アノード端子を電源電位に接続されており、カソード端子をPMOSトランジスタ113のバックゲートに接続されている。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位は、少なくとも電源電位以上になるため、入出力端子から入力される電位が、レベルシフト回路の動作閾値に満たない場合であっても、レベルシフト回路は、正常に動作することができる。
以下の説明において、実施の形態1と同様の部分の説明は省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。また、図15において、実施の形態1と同様の構成要素には同一の参照符号を付している。
3.2 スイッチ回路3の構成
スイッチ回路3は、図15に示すように、入出力端子111及び112、PMOSトランジスタ113、ダイオード115及び116、レベルシフト回路114、ダイオード171から構成される。また、図15においては省略しているが、図1のスイッチ回路1と同様に、PMOSトランジスタ113は、2個の寄生ダイオード117及び118を含んでいる。ダイオード171以外の各構成要素及び、相互の接続については、実施の形態1のスイッチ回路1と同様であるので説明を省略する。
ダイオード171は、アノード端子を電源電位に接続されており、カソード端子をPMOSトランジスタ113のバックゲートに接続されている。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位が電源電位よりも低い場合、導通状態になり、電源電位をPMOSトランジスタ113のバックゲートに伝達する。ダイオード171には、任意のダイオードを採用できるが、ここでは、図3(a)に示すダイオード115と同様の構成であるとする。
なお、スイッチ回路3の動作は、実施の形態1のスイッチ回路1と同様であるので、説明を省略する。
3.3 効果
上記の構成により、スイッチ回路3を構成するPMOSトランジスタ113のバックゲートの電位は、入出力端子111の電位、入出力端子112の電位及び電源電位のうち、最も電位が高いものと等しくなる。
スイッチ回路3を構成するレベルシフト回路114は、正側の高電圧の電源端子をPMOSトランジスタ113のバックゲートに接続されており、バックゲートから動作電位を取得している。取得した動作電位が、動作閾値以上であれば正常に動作する。
本発明のスイッチ回路3においては、入出力端子111及び112の電位が、レベルシフト回路114の動作閾値より小さい場合であっても、ダイオード171及びPMOSトランジスタ113のバックゲートを介して、電源電位が供給される。これにより、レベルシフト回路114は、常に、正常にNMOSトランジスタ113のオン・オフを制御することができる。
3.4 変形例
上記のスイッチ回路3を構成するダイオード115、116及び171は、図3に示すPN接合ダイオードであるとしてきたが、任意のダイオードを用いてもよい。しかし、実施の形態1でも、述べたように、ダイオード115及び116は、PMOSトランジスタ113の寄生ダイオードに流れる順バイアス電流を緩和するため、積極的に大電流を流す必要がある。また、ダイオード171についても、入出力端子111及び112の電位が低い場合、ダイオード171のみで、PMOSトランジスタ113のバックゲートに電位を伝達することになる。従って、ラッチアップを起こさない構成、具体的には、実施の形態1で述べた条件の何れかを満たすことが望ましい。
上記のスイッチ回路3では、条件1を満たすダイオードとして、図3(a)の構成のPN接合ダイオードを採用していが、これに代わって、図4に示す構成のPN接合ダイオードを用いてもよい。
また、実施の形態1においても説明したように、条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタを用いてもよい。このトランジスタの詳細については、実施の形態1において、図5〜9を用いて既に説明しているので、ここでは、簡単な説明にとどめる。
図16〜図18は、それぞれ、ダイオード115、116及び171に代わって、ダイオードとして機能するトランジスタを採用したスイッチ回路を示している。
図16は、スイッチ回路3の備える3つのダイオードに代わって、トランジスタ173、174及び175を備えたスイッチ回路3aである。トランジスタ173、174、175は、図5に示すトランジスタ174と同様の構成である。バックゲートを接地電位に接続されているNMOSトランジスタであって、ドレインをカソード端子とし、ソースとゲート電極とを接続した端子をアノード端子とするダイオードとして機能する。
図17は、スイッチ回路3の備える3つのダイオードに代わって、トランジスタ176、177及び178を備えたスイッチ回路3bである。トランジスタ176、177、178は、図6のトランジスタ135と同様の構成であり、PMOSトランジスタのソースをアノード端子とし、ドレインとバックゲートとゲート電極とを接続した端子をカソード端子とするダイオードとして機能する。
図18は、スイッチ回路3の備える3つのダイオードに代わって、トランジスタ178、179及び181を備えたスイッチ回路3cである。トランジスタ178、179及び181は、図8に示すトランジスタ141と同様に、NMOSトランジスタのソースをカソード端子とし、ドレインとバックゲートとゲート電極とを接続した端子を、アノード端子とするダイオードとして機能する。
4. 実施の形態4
以下に、本発明の実施の形態3にかかるスイッチ回路4について図面を用いて説明する。
4.1 スイッチ回路4の概要
スイッチ回路4は、実施の形態2において説明したスイッチ回路2に、さらに、ダイオードを接続したものである。このダイオードは、アノード端子をNMOSトランジスタ153のバックゲートに接続されており、カソード端子を接地電位に接続されている。トランジスタ153のバックゲートの電位は、必ず接地電位以下になるので、入出力端子の電位が、レベルシフト回路の動作閾値よりも高い場合であっても、レベルシフト回路は、正常に動作することができる。以下の説明において、実施の形態2と同様の部分の説明は省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。また、図19において、実施の形態2と同様の構成要素には同一の参照符号を付している。
4.2 スイッチ回路4の構成
スイッチ回路4は、図19に示すように、入出力端子111及び112、NMOSトランジスタ153、ダイオード155及び156、レベルシフト回路154、ダイオード191から構成される。また、図19においては省略したが、図10のスイッチ回路2と同様に、NMOSトランジスタ153は、寄生ダイオード157及び158を含んでいる。ダイオード191以外の各構成要素及び、相互の接続については、実施の形態2のスイッチ回路2と同様であるので説明を省略する。
ダイオード191は、アノード端子をNMOSトランジスタ153のバックゲートに接続されており、カソード端子を接地電位に接続されている。NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位が接地電位よりも高い場合、順方向に電流を流し、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を接地電位まで引き下げる。ダイオード191には、任意のダイオードを採用できるが、一例として、図11に示すダイオード155と同様の構成であるとする。
スイッチ回路4の動作は、実施の形態2のスイッチ回路2と同様であるので、説明を省略する。
4.3 効果
上記の構成により、スイッチ回路4を構成するNMOSトランジスタ153のバックゲートの電位は、入出力端子111の電位、入出力端子112の電位及び接地電位のうち、最も電位が低いものと等しくなる。
スイッチ回路4を構成するレベルシフト回路154は、負側の高電圧の電源端子を介して、NMOSトランジスタ153のバックゲートから動作電位を取得する。取得した動作電位が、動作閾値(ここでは、接地電位とする)以下であれば、正常に動作する。
スイッチ回路4において、入出力端子111及び112の電位が、レベルシフト回路154の動作閾値よりも高い場合であっても、ダイオード191及びNMOSトランジスタ153のバックゲートを介して、接地電位が供給される。これにより、レベルシフト回路154は、常に正常にNMOSトランジスタ153のオン・オフを制御することができる。
4.4 変形例
上記のスイッチ回路4において、ダイオード155、156及び191は、図11に示すPN接合ダイオードであるとして説明してきたが、任意のダイオードを用いてもよい。しかし、実施の形態1及び2でも、述べたように、寄生ダイオード157及び158と並列に接続されるこれらのダイオードは、寄生ダイオード157及び158に流れる順バイアス電流を緩和することを目的とするため、積極的に大きな電流を流す必要がある。また、ダイオード191についても、入出力端子111及び112の電位が高い場合、ダイオード191のみで、NMOSトランジスタ153のバックゲートに電位を伝達することになる。従って、ラッチアップを起こさない構成、具体的には、実施の形態1で述べた2つの条件の何れかを満たすことが望ましい。
上記のスイッチ回路4では、条件1を満たす図11の構成のPN接合ダイオードを採用していが、これに代わって、図3(a)に示す構成のPN接合ダイオードを用いてもよい。
また、実施の形態2においても説明したように、条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタを用いてもよい。このトランジスタについては、実施の形態1及び2において、図6〜9、12〜14を用いて既に説明しているので、ここでは、簡単な説明にとどめる。図20〜図22は、それぞれ、ダイオード155、156及び191に代わって、ダイオードとして機能するトランジスタを採用したスイッチ回路を示している。
図20は、スイッチ回路4の備える3つのダイオードに代わって、トランジスタ196、197、198を備えたスイッチ回路4aである。トランジスタ196、197、198は、図12において説明したトランジスタ161と同様に、バックゲートを電源電位に接続したPMOSトランジスタであって、ソースをアノード端子とし、ドレインとゲート電極とを接続した端子を、カソード端子とするダイオードとして機能する。
図21は、スイッチ回路4の備える3つのダイオードに代わって、トランジスタ201、202、203を備えたスイッチ回路4bである。トランジスタ201、202、203は、図7に示すトランジスタ135と同様に、PMOSトランジスタのソースをアノード端子とし、ドレインとバックゲートとゲート電極とを接続した端子をカソード端子としたダイオードとして機能する。
図22は、スイッチ回路4の備える3つのダイオードに代わって、NMOSトランジスタを用いたトランジスタ206、207、208を備えたスイッチ回路4cである。トランジスタ206、207、208は、図8に示すトランジスタ141と同様に、NMOSトランジスタのソースをカソード端子とし、ドレインとバックゲートとゲート電極とを接続した端子をアノード端子するダイオードとして機能する。
5. 実施の形態5
以下に、本発明の実施の形態5に係るスイッチ回路5について、図面を用いて説明する。
5.1 スイッチ回路5
スイッチ回路5は、実施の形態3において説明したスイッチ回路3にさらに、NMOSトランジスタとインバータとを接続して構成される。NMOSトランジスタは、PMOSトランジスタ113と並列に接続されている。入出力端子111及び112の電位と接地電位との電位差が、PMOSトランジスタ113の閾値電圧よりも低い場合には、スイッチ回路5は、PMOSトランジスタ113と並列に接続されたNMOSトランジスタを介して、入出力端子111及び112間を導通させる。
以下の説明において、実施の形態3と同様の箇所については説明を省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。また、図23において、実施の形態3と同様の構成要素には、同一の参照符号を付している。
5.2 スイッチ回路5の構成
スイッチ回路5は、図23に示すように、入出力端子111、入出力端子112、PMOSトランジスタ113、レベルシフト回路114、ダイオード115、ダイオード116、ダイオード171、NMOSトランジスタ211及びインバータ212から構成される。
入出力端子111、入出力端子112、PMOSトランジスタ113、レベルシフト回路114、ダイオード115、ダイオード116、ダイオード171の構成及び相互の接続については、実施の形態3において説明した通りであるので説明を省略する。
NMOSトランジスタ211は、バックゲートを接地電位に接続され、ソース又はドレインの一方を入出力端子111に接続され、他方を入出力端子112に接続されている。ゲート電極は、インバータ212の出力端子と接続されており、インバータ212から、Hレベル(電源電位)またはLレベル(接地電位)の信号を入力される。ゲート電極と入出力端子111の電位差がNMOSトランジスタ211の閾値電圧以上の場合、又は、ゲート電極と入出力端子112の電位差がNMOSトランジスタ211の閾値以上の場合、オン状態になる。なお、NMOSトランジスタ211が伝達可能な電位の範囲は、接地電位から、電源電位から閾値電圧を減じた値までの間である。
インバータ212は、外部回路から入力された制御信号を、反転してNMOSトランジスタのゲート電極へ出力する。具体的には、制御信号がHレベルであれば、Lレベル(接地電位)の信号を出力し、制御信号がLレベルであれば、Hレベル(電源電位)の信号を出力する。
5.3 スイッチ回路5の動作
スイッチ回路5の動作について、以下に説明する。ここで、電源電位をE、入出力端子111の電位をVa、入出力端子112の電位をVb、PMOSトランジスタ113の閾値電圧をTp、NMOSトランジスタ211の閾値電圧をTn、レベルシフト回路114の動作閾値をTsであるとする。ここで、電源電位Eは、閾値電圧Tp及びTn、動作閾値Tsに比べて十分大きいとする。
実施の形態1において述べたように、PMOSトランジスタ113が伝達可能な電位は、接地電位(0V)にPMOSトランジスタ113の閾値電圧を加算した値以上の電位、つまり、Tp以上に限定される。
入出力端子111及び112、それぞれに、電位が印加されると、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位は、Va、Vb及びEのうちの最大のものと等しくなる。バックゲートの電位は、動作閾値Ts以上であるので、レベルシフト回路114は正常に動作する。
ここで、Va<TpかつVb<Tpの場合を想定する。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位はEである。
制御信号がHレベルである場合、レベルシフト回路114は、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位Eを出力する。このとき、PMOSトランジスタ113のゲート電極とバックゲートの電位差は0Vであり、PMOSトランジスタ113はオフ状態になる。
また、インバータ212は、制御信号を反転し、Lレベルの信号をNMOSトランジスタ211のゲート電極へ出力する。NMOSトランジスタ211のバックゲートは接地電位に接続されているので、NMOSトランジスタ211は、オフ状態になる。PMOSトランジスタ113及びNMOSトランジスタ211が共にオフ状態であるので、スイッチ回路5は、入出力端子111及び112間を遮断している。
制御信号が、Lレベルの場合、レベルシフト回路114は、接地電位を出力する。このとき、ゲート電極とバックゲートとの電位差はEであるが、入出力端子111とゲート電極との電位差がVaであり、入出力端子112とゲート電極との電位差がVbであり、いずれも、Tpに満たないので、PMOSトランジスタ113はオフ状態のままになる。
一方、インバータ212は、Lレベルの制御信号を反転して、Hレベル(電源電位)の制御信号をNMOSトランジスタ211のゲート電極に出力する。電源電位Eは、閾値電圧Tp及びTnに比べて十分大きいので、E−Tn>Tpが成り立つ。また、Tp>Vaであるため、E−Tn>Vaとなる。従って、E−Va>Tn、つまり、ゲート電極の電位と入出力端子111との電位差が、NMOSトランジスタ211の閾値以上であるので、NMOSトランジスタ211はオン状態になる。
PMOSトランジスタ113はオフ状態であるが、NMOSトランジスタ211は、オン状態であるので、入出力端子111及び112間は導通する。
5.4 効果
以上説明したように、PMOSトランジスタ113のバックゲートは、入出力端子111、入出力端子112及び電源電位のうち最も電位の高いものと同電位になる。制御信号がLレベルの場合、レベルシフト回路114は、接地電位を出力し、PMOSトランジスタ113のバックゲートとゲート電極との間に電位差が生じるので、PMOSトランジスタ113は、オン状態になるはずである。しかし、入出力端子111とゲート電極間の電位差、及び、入出力端子112とゲート電極間の電位差が、何れも、PMOSトランジスタ113の閾値に満たない場合、PMOSトランジスタ113は、オフ状態のままになる。
しかし、本実施の形態のスイッチ回路5は、NMOSトランジスタ211を備えており、NMOSトランジスタ211は、PMOSトランジスタ113がオフ状態の場合、オン状態になる。従って、スイッチ回路5伝達可能な電位の範囲を、接地電位以上に拡張することができる。
5.5 実施の形態5の変形例
上記のスイッチ回路5を構成するダイオード、115、116及び171は、図3(a)に示すPN接合ダイオードを採用している。これに代わって、任意のダイオードを採用してもよいが、実施の形態1〜4と同様に、上記の条件1及び条件2の何れかを満たすことが望ましい。スイッチ回路5を構成するダイオード、115、116及び171は、条件1を満たす。これに代わって、図4に示す構成のPN接合ダイオードを用いてもよい。
また、実施の形態1〜4で説明したように、条件2を満たすダイオードとして機能する、トランジスタを用いてもよい。図24〜図26は、それぞれ、ダイオードとして機能するトランジスタ備えたスイッチ回路の一例を示している。図24〜26のスイッチ回路5a〜5cを構成しているトランジスタについては、実施の形態3において既に述べたとおりであるので、ここでは、説明を割愛する。
6. 実施の形態6
以下に、本発明の実施の形態6に係るスイッチ回路6について、図面を用いて説明する。
6.1 スイッチ回路6
スイッチ回路6は、実施の形態4において説明したスイッチ回路4にさらに、PMOSトランジスタとインバータとを接続して構成される。PMOSトランジスタは、NMOSトランジスタ153と並列に接続されている。入出力端子111及び112の電位と電源電位との電位差が、NMOSトランジスタ153の閾値電圧よりも低い場合には、スイッチ回路6は、NMOSトランジスタ153と並列に接続されたPMOSトランジスタを介して、入出力端子111及び112間を導通させる。
以下の説明において、実施の形態4と同様の箇所については説明を省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。また、図27において、実施の形態4と同様の構成要素には、同一の参照符号を付している。
6.2 スイッチ回路6の構成
スイッチ回路6は、図27に示すように、入出力端子111、入出力端子112、NMOSトランジスタ153、レベルシフト回路154、ダイオード155、ダイオード156、ダイオード191、PMOSトランジスタ231及びインバータ232から構成される。
入出力端子111、入出力端子112、NMOSトランジスタ153、レベルシフト回路154、ダイオード155、ダイオード156、ダイオード191の構成及び相互の接続については、実施の形態4において説明した通りである。
PMOSトランジスタ231は、バックゲートを電源電位に接続され、ソース又はゲートの一方を入出力端子111に接続され、他方を入出力端子112に接続されている。ゲート電極は、インバータ232の出力端子と接続されており、インバータ232から、Hレベル(電源電位)またはLレベル(接地電位)の信号を入力される。ゲート電極にLレベルの信号が入力され、入出力端子111又は入出力端子112とゲート電極との電位差がPMOSトランジスタ231の閾値電圧以上の場合、又は、入出力端子112とゲート電極との電位差がPMOSトランジスタ231の閾値以上の場合、オン状態になる。なお、PMOSトランジスタ231が伝達可能な電位の範囲は、閾値電圧から電源電位の間に限定される。
インバータ232は、外部回路から入力された制御信号を、反転してPMOSトランジスタ231のゲート電極へ出力する。具体的には、制御信号がHレベルであれば、Lレベルの信号を出力し、制御信号がLレベルであれば、Hレベルの信号を出力する。
6.3 スイッチ回路6の動作
スイッチ回路6の動作について、以下に説明する。ここで、電源電位をE、入出力端子111の電位をVa、入出力端子112の電位をVb、NMOSトランジスタ153の閾値電圧をTn、PMOSトランジスタ231の閾値電圧をTp、レベルシフト回路154の動作閾値をTs(≦0V)とする。電源電位Eは、閾値電圧Tp及びTn、動作閾値Tsに比べて十分大きいとする。
NMOSトランジスタ153は、実施の形態2においても述べたように、伝達可能な電位の範囲が、電源電位から、NMOSトランジスタ153の閾値電圧を減じて算出される電位以下、つまり、E-Tn以下に限定される。
入出力端子111及び112それぞれに、電位が印加され、NMOSトランジスタ153のバックゲートは、入出力端子111及び112の電位、接地電位のうち、最も低い電位と同電位になる。このとき、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位は、Ts以下になるので、レベルシフト回路154は、正常に動作する。
ここで、E−Va<Tnかつ、E−Vb<Tnであると想定する。このとき、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位は接地電位(0V)である。
制御信号がLレベルである場合、レベルシフト回路154は、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を出力する。このとき、NMOSトランジスタ153のゲート電極とバックゲートの電位差は0Vであり、NMOSトランジスタ153はオフ状態になる。
また、インバータ232は、制御信号を反転し、Hレベルの信号をPMOSトランジスタ231のゲート電極へ出力する。ゲート電極にHレベルの信号を入力されるので、PMOSトランジスタ231は、オフ状態になる。
NMOSトランジスタ153及びPMOSトランジスタ231が共にオフ状態であるので、スイッチ回路6は、入出力端子111及び112間を遮断している。
制御信号が、Hレベルの場合、レベルシフト回路154は、電源電位を出力する。このときの、バックゲートとゲート電極との電位差は、E−0=E>Tnである。しかし、ゲート電極と入出力端子111の電位差がE−Va、ゲート電極と入出力端子112の電位差がE−Vbであり、いずれもTnに満たないので、NMOSトランジスタ153はオフ状態のままになる。
一方、インバータ232は、Hレベルの制御信号を反転して、Lレベルの制御信号をPMOSトランジスタ231のゲート電極に出力する。このとき、入出力端子111とPMOSトランジスタ231のゲート電極との電位差はVaになる。今、E−Va<Tnが成り立つので、E−Tn<Vaである。また、Eは、Tp及びTnに比べて十分大きいので、Tp<E−Tnであるといえる。よって、Tp<Vaが成り立ち、PMOSトランジスタ231のゲート電極と入出力端子111との電位差は、閾値Tp以上であり、PMOSトランジスタ231は、オン状態になる。
NMOSトランジスタ153は、オフ状態であるが、PMOSトランジスタ231は、オン状態であるので、入出力端子111及び112間は導通する。
6.4 効果
以上説明したように、NMOSトランジスタ153のバックゲートは、入出力端子111の電位、入出力端子112の電位及び接地電位のうち電位の低いものと同電位になる。制御信号がHLレベルの場合、レベルシフト回路154は、電源電位を出力し、NMOSトランジスタ153のバックゲートとゲート電極との間に電位差が生じるが、入出力端子111とゲート電極との電位差、及び、入出力端子111とゲート電極との電位差が、いずれも、NMOSトランジスタ153の閾値電圧に満たない場合、オフ状態のままになる。
しかし、本実施の形態のスイッチ回路6は、PMOSトランジスタ231を備えており、PMOSトランジスタ231は、入出力端子111及び112に印加される電位が高いためNMOSトランジスタ153がオフ状態になる場合であっても、オン状態になる。従って、スイッチ回路6の伝達可能な電位の範囲の上限を、電源電位まで引き上げることができる。
6.5 実施の形態6の変形例
上記のスイッチ回路6を構成するダイオード155、156及び191は、図11に示すPN接合ダイオードを採用している。これに代わって、任意のダイオードを採用してもよいが、実施の形態1〜4と同様に、上記の条件1及び条件2の何れかを満たすことが望ましい。ダイオード155、156及び191は、条件1を満たす。これに代わって、図3(a)に示す構成のPN接合ダイオードを用いてもよい。
また、実施の形態1〜4で説明したように、条件2を満たすダイオードとして機能する、トランジスタを用いてもよい。図28〜図30は、それぞれ、ダイオード155、156及び191に代わって、ダイオードとして機能するトランジスタを備えたスイッチ回路の例を示している。図28〜30のスイッチ回路6a〜6cに含まれるトランジスタについては、実施の形態4において既に述べたとおりであるので、ここでは、説明を割愛する。
7. 実施の形態7
以下に、本発明の実施の形態7に係るスイッチ回路7について、図面を用いて説明する。
7.1 スイッチ回路7の概要
スイッチ回路7は、実施の形態3において説明したスイッチ回路3と実施の形態4において説明したスイッチ回路4を並列に接続して構成されており、正負の電位を伝達することができる。
以下の説明において、実施の形態3及び4と同様の部分の説明は省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。
7.2 スイッチ回路7の構成
スイッチ回路7は、図31に示すように、入出力端子111及び112、PMOSトランジスタ113、レベルシフト回路114、ダイオード115、ダイオード116、ダイオード171、NMOSトランジスタ153、レベルシフト回路154、ダイオード155、ダイオード156、ダイオード191及びインバータ249から構成される。図31において、実施の形態3及び4と同一の構成要素には、図15及び図19と同一の参照符号を付している。
スイッチ回路7のうち、入出力端子111、入出力端子112、PMOSトランジスタ113、レベルシフト回路114、ダイオード115、ダイオード116及びダイオード171から構成される部分は、実施の形態3のスイッチ回路3と同一である。
スイッチ回路7のうち、入出力端子111、入出力端子112、NMOSトランジスタ153、レベルシフト回路154、インバータ249、ダイオード155、ダイオード156及びダイオード191から構成される部分は、実施の形態4のスイッチ回路4の入出力端子111とレベルシフト回路154との間にインバータ249を配したものである。
インバータ249以外のスイッチ回路7の、各構成要素及び相互の接続関係については、実施の形態3及び4で説明したので、ここでは、詳細な説明は省略する。なお、実施の形態3及び4と同様に、PMOSトランジスタ113及びNMOSトランジスタ153は、内部のPN接合面により形成される寄生ダイオード117、118、157及び158を含んでいるが、図31では省略している。
インバータ249の入力端子は、制御部信号を出力する外部回路と接続されており、出力端子は、NMOSトランジスタ153のゲート電極と接続されている。インバータ249は、外部回路から入力される制御信号を反転し、レベルシフト回路154へ出力する。
7.3 スイッチ回路7の動作
スイッチ回路7の動作について、以下に説明する。
電源電位をE、入出力端子111の電位をVa、入出力端子112の電位をVb、PMOSトランジスタ113の閾値電圧をTp、NMOSトランジスタ153の閾値電圧をTn、レベルシフト回路114の動作閾値をTsであるとする。ここで、電源電位Eは、閾値電圧Tp及びTn、動作閾値Tsに比べて十分大きいとする。
実施の形態1において述べたように、PMOSトランジスタ113が伝達可能な電位の範囲は、接地電位(0V)にPMOSトランジスタ113の閾値電圧を加算した値以上の電位に限定される。つまり、Tp以上に限定される。
また、実施の形態2において述べたように、NMOSトランジスタ153の伝達可能な電位の範囲は、電源電位からNMOSトランジスタ153の閾値電圧を減じた値以下に限定される。つまり、E−Tn以下に限定される。
(1)Va≧Tp又はVb≧Tp の場合
NMOSトランジスタ153の伝達可能な電位の範囲は、E−Tn以下にの範囲であるので、これを満たさない場合は、常にオフ状態になる。Va又はVbの何れか一方がE−Tn以下の場合、ゲート電極に入力される信号によってオン・オフが切り替わる。
Va又はVbの何れか一方がTp以上であるので、PMOSトランジスタ113は、正常に動作するので、スイッチ回路7に入力される制御信号がHレベルの場合、PMOSトランジスタ113は、オフ状態になる。制御信号がLレベルの場合、PMOSトランジスタ113は、オン状態になる。
なお、インバータ249は、外部回路から出力される制御信号を反転して、レベルシフト回路154に出力するので、Va又はVbの何れか一方がE−Tn以下の場合、PMOSトランジスタ113とNMOSトランジスタ153とは同期して、オン・オフを切り替える。
(2)E−Tn≧Va又はE−Tn≧Vb の場合
PMOSトランジスタ113の伝達可能な電位の範囲は、Tp以上の範囲であるので、これを満たさない場合は、常にオフ状態になる。Va又はVbの何れか一方がTp以上の場合、ゲート電極に入力される信号によってオン・オフが切り替わる。
Va又はVbの何れか一方がE−Tn以下のであるので、NMOSトランジスタ153は、常に正常に動作する。インバータ249は、スイッチ回路7に入力される制御信号を反転するので、外部回路から入力される制御信号がHレベルの場合、NMOSトランジスタ153は、オフ状態になる。外部回路から入力される制御信号がLレベルの場合、NMOSトランジスタ153は、オン状態になる。
(3)E−Tn≧Va≧Tp又はE−Tn≧Vb≧Tp の場合
このとき、Va又はVbの何れかが、PMOSトランジスタ113の伝達可能な電位の範囲と、NMOSトランジスタ153の伝達可能な電位の範囲との共通部分に含まれているので、PMOSトランジスタ113、NMOSトランジスタ153は、何れも正常に動作する。
このとき、インバータ249は、外部回路から入力される制御信号を反転させるので、レベルシフト回路114及び154は、同期して、PMOSトランジスタ113とNMOSトランジスタ153のオン・オフを切り替える。
7.4 効果
以上、説明してきたように、実施の形態7のスイッチ回路7を構成するレベルシフト回路114及び154は同期して、PMOSトランジスタ113及びNMOSトランジスタ153のオン・オフを切り替える。入出力端子111及び112から入力される信号が、PMOSトランジスタ113の閾値電圧以上の場合、PMOSトランジスタ113は、レベルシフト回路114からの信号に従って、オン・オフを切り替える。
入出力端子111及び112から入力される電位にかかわらず、PMOSトランジスタ113及びNMOSトランジスタ153の少なくとも一つは、正常動作する。従って、スイッチ回路7は、正の電圧から負の電圧まで、広範囲の電位を伝達することができる。
なお、スイッチ回路7に含まれる6個のダイオードは、図3及び4に示すPN接合ダイオードであると説明してきたが、上記の実施の形態と同様に、条件1または条件2を満たすダイオードに置き替えてもよい。
8. 実施の形態8
以下に、実施の形態8に係るスイッチ回路8について、図面を用いて説明する。
8.1 スイッチ回路8の概要
スイッチ回路8は、実施の形態1において説明したスイッチ回路1に、さらに、PMOSトランジスタを2つ接続して構成される。これらのPMOSトランジスタは、ソース又はドレインの一方を入出力端子間の導通・遮断の機能を担うPMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。これらのPMOSトランジスタは、必要に応じてオン状態になり、ダイオード115又は116と並行して電流を流し、PMOSトランジスタ113の寄生ダイオードに流入する電流を抑制する。
以下の説明において、実施の形態1と同様の部分については説明を省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。
8.2 スイッチ回路8の構成
図32は、スイッチ回路8の構成を示す回路図である。図32では、実施の形態1のスイッチ回路1と同様の構成要素については、同一の参照符号を付している。
スイッチ回路8は、図32に示すように、PMOSトランジスタ113、ダイオード115、ダイオード116、レベルシフト回路114、入出力端子111、入出力端子112、PMOSトランジスタ301及びPMOSトランジスタ302から構成される。PMOSトランジスタ113、ダイオード115、ダイオード116、レベルシフト回路114、入出力端子111及び入出力端子112の構成及び相互の接続は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。また、実施の形態1において、説明した寄生ダイオード117及び118は省略した。
PMOSトランジスタ301は、ソース及びドレインのうちの一方を入出力端子111と接続されており、他方をPMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。さらに、ゲート電極は、入出力端子112に接続されており、バックゲートは、PMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。
PMOSトランジスタ302は、ソース又はドレインの一方を入出力端子112と接続されており、他方をPMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。さらに、ゲート電極は、入出力端子111と接続されており、バックゲートは、PMOSトランジスタ113のバックゲートと接続されている。
8.3 スイッチ回路8の動作
スイッチ回路8の動作について、以下の3つの場合に分けて説明する。説明の便宜上、入出力端子111に印加する電位をVa、入出力端子112に印加する電位をVb、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位をVbacと表記する。
(1)Va>Vb、Vbac<Va、Vbac<Vbの場合
Va>Vbであり、かつ、入出力端子111及び112に、それぞれ、Va、Vbが印加される前の時点では、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位が、Vbac<Va、Vbac<Vbを満たしていると想定する。なお、このとき、Va−Vbは、PMOSトランジスタ301の閾値電位以上であるとする。
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbが印加されると、PMOSトランジスタ301のゲート電極の電位は、Vbになる。PMOSトランジスタ301は、オン状態になる。ダイオード115及びPMOSトランジスタ113の寄生ダイオードと並行して、PMOSトランジスタ301は、入出力端子111から、PMOSトランジスタ113のバックゲートへ電流を流し、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位VbacがVaと等しくなると、電流は停止する。
このとき、PMOSトランジスタ302のゲート電極の電位はVaである。PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位、つまり、PMOSトランジスタ302のバックゲートの電位は、常にVa以下であるのでPMOSトランジスタ302は、オフ状態のままである。
(2)Va<Vb、Vbac<Va、Vbac<Vbの場合
Va<Vbであり、かつ、入出力端子111及び112に、それぞれ、Va又はVbが印加される前の時点でのPMOSトランジスタ113のバックゲートの電位が、Va及びVbよりも低い場合を想定する。なお、Vb−Vaは、PMOSトランジスタ301の閾値電位以上であるとする。
この場合、上記の(1)の場合とは、逆に、PMOSトランジスタ302がオン状態になり、ダイオード116及びPMOSトランジスタ113の寄生ダイオードと並行して、PMOSトランジスタ113のバックゲートへ電流を流し、PMOSトランジスタ301は、オフ状態のままになる。
(3)Va<Vbac、Vb<Vbac
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbが印加される前の段階での、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位Vbacが、Va及びVbよりも高い場合を想定する。
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbを印加すると、PMOSトランジスタ301のゲート電極の電位はVbになる。PMOSトランジスタ301のバックゲートの電位はPMOSトランジスタ113のバックゲートの電位と等しくVbacであり、Vb<Vbacであるため、PMOSトランジスタ301は、オン状態になる。Va<Vbacであるので、PMOSトランジスタ113のバックゲートから、入出力端子111へ電流が流れる。
一方、PMOSトランジスタ302のゲート電極の電位はVaになる。PMOSトランジスタ302のバックゲートの電位はPMOSトランジスタ113のバックゲートの電位と等しくVbacであり、Va<Vbacであるため、PMOSトランジスタ302は、オン状態になる。Vb<Vbacであるので、PMOSトランジスタ113のバックゲートから、入出力端子112へ電流が流れる。
PMOSトランジスタ301及び302が、両方ともオン状態になり、PMOSトランジスタ113のバックゲートから、入出力端子111及び112へ電流を流し、これに伴って、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位Vbacは低下する。
Va>Vbであれば、Vbac=Vaとなると、PMOSトランジスタ302は、バックゲートとゲート電極の電位差が0Vになるため、オフ状態になる。また、Vbac=Vaになると、PMOSトランジスタ301は、オン状態のままであるが、ソース・ドレイン間の電位差が0Vになるので、電流は停止する。
Va<Vbであれば、Vbac=Vbになると、PMOSトランジスタ301のバックゲートとゲート電極間の電位差は0Vになるので、PMOSトランジスタ301は、オフ状態になる。また、Vbac=Vbになると、PMOSトランジスタ302は、オン状態のままであるが、ソース・ドレイン間の電位差が0Vになるので、電流は停止する。
8.4 効果
以上説明してきたように、スイッチ回路8は、入出力端子111の電位が入出力端子112の電位よりも高い場合、PMOSトランジスタ301はオン状態になり、入出力端子111からPMOSトランジスタ113のバックゲートへ電流を流す。従って、PMOSトランジスタ113の寄生ダイオード117(図32には、図示していないが、図1に記載)に流れる順バイアス電流を抑制することができる。一方、PMOSトランジスタ302は、オフ状態になるので、PMOSトランジスタ301と302を介して、入出力端子111から112へ、直接、電流が流れることはない。
逆に、入出力端子112の電位が入出力端子111の電位よりも高い場合、PMOSトランジスタ301は、オフ状態になり、PMOSトランジスタ302は、オン状態になり、入出力端子112からPMOSトランジスタ113のバックゲートへ電流を流す。従って、PMOSトランジスタ113の寄生ダイオード118(図32には、図示されていないが、図1に記載)に流れる順バイアス電流を抑制することができる。
さらに、入出力端子111又は112に高電位を印加した後に、続いて、低い電位を印加する場合、PMOSトランジスタ301及び302は、共にオン状態になり、PMOSトランジスタ113のバックゲートの電位を引き下げる。そのため、PMOSトランジスタ113の基板バイアス効果による電流能力の低下を防止することができる。
8.5 実施の形態8の変形例
実施の形態1の場合と同様に、スイッチ回路8を構成するダイオード115及び116に代わって、上記の条件1又は2を満たすダイオードを用いてもよい。
図33〜図35は、ダイオード115及び116に代わって、条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタを備えたスイッチ回路を示している。これらのスイッチ回路に含まれるトランジスタについては、実施の形態1において、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
9. 実施の形態9
以下に、実施の形態9に係るスイッチ回路9について、図面を用いて説明する。
9.1 スイッチ回路9の概要
スイッチ回路9は、実施の形態2において説明したスイッチ回路2に、さらに、NMOSトランジスタを2つ接続して構成される。これらのNMOSトランジスタは、ソース又はドレインの一方を、入出力端子間の導通・遮断の機能を担うNMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。これらのNMOSトランジスタは、必要に応じてオン状態になり、ダイオード155又は156と並行して電流を流し、NMOSトランジスタ153の寄生ダイオードに流入する電流を抑制する。
以下の説明において、実施の形態2と同様の部分については説明を省略し、本実施の形態の特徴部分を中心に説明する。
9.2 スイッチ回路9の構成
図36は、スイッチ回路9の構成を示す回路図である。図36では、実施の形態2のスイッチ回路2と同様の構成要素については、同一の参照符号を付している。
スイッチ回路9は、図36に示すように、NMOSトランジスタ153、ダイオード155、ダイオード156、レベルシフト回路154、入出力端子111、入出力端子112、NMOSトランジスタ321及びNMOSトランジスタ322から構成される。NMOSトランジスタ153、ダイオード155、ダイオード156、レベルシフト回路154、入出力端子111及び入出力端子112の構成及び相互の接続は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
NMOSトランジスタ321は、ソース及びドレインのうちの一方を入出力端子111と接続されており、他方をNMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。さらに、ゲート電極は、入出力端子112に接続されており、バックゲートは、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。
NMOSトランジスタ322は、ソース又はドレインの一方を入出力端子112と接続されており、他方をNMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。さらに、ゲート電極は、入出力端子111と接続されており、バックゲートは、NMOSトランジスタ153のバックゲートと接続されている。
9.3 スイッチ回路9の動作
以下に、スイッチ回路9の動作について、以下の3つの場合に分けて説明する。説明の便宜上、入出力端子111に印加される電位をVa、入出力端子112に印加される電位をVb、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位をVbacと表記する。
(1)Va<Vb、Vbac>Va、Vbac>Vbの場合
Va<Vbであり、かつ、入出力端子111及び112に、それぞれ、Va、Vbが印加される前の時点では、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位Vbacが、Vbac>Va、Vbac>Vbを満たしていると想定する。なお、このとき、Vb−Vaは、NMOSトランジスタ321の閾値電位以上であるとする。
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbが印加されると、NMOSトランジスタ321のゲート電極の電位は、Vbになり、NMOSトランジスタ321は、オン状態になる。ダイオード155及びNMOSトランジスタ153の寄生ダイオードと並行して、NMOSトランジスタ321は、NMOSトランジスタ153のバックゲートから、入出力端子111へ電流を流す。NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位がVaと等しくなると、電流は停止する。
一方、NMOSトランジスタ322のゲート電極の電位はVaである。NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位、つまり、NMOSトランジスタ322のバックゲートの電位は、常にVa以上であるのでNMOSトランジスタ322は、オフ状態のままである。
(2)Va>Vb、Vbac>Va、Vbac>Vbの場合
Va>Vbであり、かつ、入出力端子111及び112に、それぞれ、Va又はVbが印加される前の時点でのNMOSトランジスタ153のバックゲートの電位Vbacが、Va及びVbよりも高い場合を想定する。なお、Va−Vbは、NMOSトランジスタ321及び322の閾値電位以上であるとする。
この場合、上記の(1)の場合とは、逆に、NMOSトランジスタ322がオン状態になり、ダイオード156及びNMOSトランジスタ153の寄生ダイオードと並行して、NMOSトランジスタ153のバックゲートから入出力端子112へ電流を流し、NMOSトランジスタ321は、オフ状態のままになる。
(3)Va>Vbac、Vb>Vbac
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbが印加される前の段階での、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位Vbacが、Va及びVbよりも低い場合を想定する。
入出力端子111及び112に、それぞれ、Va及びVbを印加すると、NMOSトランジスタ321のゲート電極の電位はVbとなる。このとき、NMOSトランジスタ321のバックゲートの電位Vbacは、Vb>Vbacであるため、NMOSトランジスタ321は、オン状態になり、入出力端子111から、NMOSトランジスタ153のバックゲートへ電流を流す。
一方、NMOSトランジスタ322のゲート電極の電位はVaであり、バックゲートの電位Vbacは、Va<Vbacであるため、NMOSトランジスタ322は、オン状態になり、入出力端子112から、NMOSトランジスタ153のバックゲートへ電流を流す。
NMOSトランジスタ321及び322が、両方ともオン状態になり、入出力端子111及び112から、NMOSトランジスタ153のバックゲートへ電流を流し、これに伴って、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位Vbacは上昇する。
Va<Vbの場合、Vbac=Vaとなると、NMOSトランジスタ322は、バックゲートとゲート電極の電位差が0Vになるため、オフ状態になる。また、Vbac=Vaになると、NMOSトランジスタ321は、オン状態のままであるが、ソース・ドレイン間の電位差が0Vになるので、電流は停止する。
Va>Vbの場合、Vbac=Vbになると、NMOSトランジスタ321のゲート電極とバックゲートの電位が等しくなり、NMOSトランジスタ321は、オフ状態になる。また、Vbac=Vbになると、NMOSトランジスタ322は、ソース・ドレイン間の電位差0Vであるので、電流は停止する。
9.4 効果
以上説明してきたように、スイッチ回路9において、入出力端子111の電位が入出力端子112の電位よりも低い場合、NMOSトランジスタ321はオン状態になり、NMOSトランジスタ153のバックゲートから入出力端子111へ電流を流す。従って、NMOSトランジスタ153の寄生ダイオード157(図2に記載)に流れる順バイアス電流を抑制することができる。一方、NMOSトランジスタ322は、オフ状態になるので、NMOSトランジスタ321と322を介して、入出力端子111から112へ、直接、電流が流れることはない。
逆に、入出力端子112の電位が入出力端子111の電位よりも低い場合、NMOSトランジスタ321は、オフ状態になり、NMOSトランジスタ322は、オン状態になり、NMOSトランジスタ153のバックゲートから入出力端子112へ電流を流す。従って、NMOSトランジスタ153の寄生ダイオード158(図2に記載)に流れる順バイアス電流を抑制することができる。
さらに、入出力端子111又は112に低電位を印加した後に、続いて、高い電位を印加する場合、NMOSトランジスタ321及び322は、共にオン状態になり、NMOSトランジスタ153のバックゲートの電位を引き上げる。そのため、NMOSトランジスタ153の基板バイアス効果による電流能力の低下を防止することができる。
9.5 実施の形態9の変形例
実施の形態2の場合と同様に、スイッチ回路9を構成するダイオード155及び156に代わって、上記の条件1又は2を満たすダイオードを用いてもよい。
図37〜図39は、ダイオード155及び156に代わって、条件2を満たすダイオードとして機能するトランジスタを備えたスイッチ回路を示している。これらのスイッチ回路を構成するトランジスタについては、実施の形態1において、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
10.その他の変形例
以上、実施の形態1〜9に基づいて、本発明について説明してきたが、これらに限定されるものではない。以下に説明する例も含む。
(1)実施の形態1において、寄生ダイオード117と並列に、ダイオード115を1個、接続しているが、これに限るものではない。寄生ダイオード117に並列に、複数のダイオードを接続してもよい。寄生ダイオード118に関しても、同様に、ダイオード116のみならず、複数のダイオードを並列に接続してもよい。
実施の形態2〜7についても、同様に、寄生ダイオードに並列に複数のダイオードを接続してもよい。
(2)また、変形例(1)において、並列に接続する複数のダイオードには、図3、図4を用いて説明したPN接合ダイオード、ショットキーバリアダイオード、図5〜9を用いて説明したトランジスタの何れを用いてもよいし、これらを、組み合わせて用いてもよい。
(3) 実施の形態1において、寄生ダイオード117と直列に、電圧降下を生じる素子を接続してもよい。一例としては、抵抗やMOSトランジスタが考えられる。このような素子を接続することで、寄生ダイオード117に印加される電圧を、減少させることができる。寄生ダイオード118についても同様である。
また、実施の形態2〜9においても、同様に、寄生ダイオードと直列に抵抗などを接続してもよい。
(4)また、本発明は、上記の実施の形態1〜9及び変形例を、それぞれ組み合わせたものであってもよい。
本発明は、各種の半導体回路を製造、販売する産業、半導体回路を使用する産業において、経営的、継続的、反復的に利用することができる。
スイッチ回路1の構成を示す回路図である。 スイッチ回路1の形成された基板の断面図である。 ダイオード115の断面構造を示す断面図と、ダイオード115に寄生する寄生サイリスタ121及び126を示す回路図である。 ダイオード130の構造を示す断面図である。 スイッチ回路1aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路1bの構成を示す回路図である。 トランジスタ135の断面構造を示す断面図である。 スイッチ回路1cの構成を示す回路図である。 トランジスタ141の断面構造を示す断面図である。 スイッチ回路2の構成を示す回路図である。 スイッチ回路2の断面構造を示す断面図である。 スイッチ回路2aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路2bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路2cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路3の構成を示す回路図である。 スイッチ回路3aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路3bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路3cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路4の構成を示す回路図である。 スイッチ回路4aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路4bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路4cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路5の構成を示す回路図である。 スイッチ回路5aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路5bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路5cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路6の構成を示す回路図である。 スイッチ回路6aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路6bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路6cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路7の構成を示す回路図である。 スイッチ回路8の構成を示す回路図である。 スイッチ回路8aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路8bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路8cの構成を示す回路図である。 スイッチ回路9の構成を示す回路図である。 スイッチ回路9aの構成を示す回路図である。 スイッチ回路9bの構成を示す回路図である。 スイッチ回路9cの構成を示す回路図である。
符号の説明
1 スイッチ回路
2 スイッチ回路
111 入出力端子
112 入出力端子
113 PMOSトランジスタ
114 レベルシフト回路
115 ダイオード
116 ダイオード
117 寄生ダイオード
118 寄生ダイオード
153 NMOSトランジスタ
154 レベルシフト回路
155 ダイオード
156 ダイオード
157 寄生ダイオード
158 寄生ダイオード

Claims (22)

  1. 第1及び第2入出力端子と、
    ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたMOSトランジスタと、
    前記第1入出力端子と前記MOSトランジスタのバックゲートとの間に設けられた第1整流手段と、
    前記第2入出力端子と前記MOSトランジスタのバックゲートとの間に設けられた第2整流手段と、
    制御信号に基づいて前記MOSトランジスタのオン・オフを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするスイッチ回路。
  2. 前記第1整流手段は、前記MOSトランジスタのソースとバックゲートとの間に寄生する寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続され、
    前記第2整流手段は、前記MOSトランジスタのドレインとバックゲートとの間に寄生する寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路。
  3. 前記MOSトランジスタは、
    バックゲートを構成する第1導電型の半導体領域と、
    前記半導体領域上に形成され、ソースを構成する第2導電型の第1半導体層と、
    前記半導体領域上に形成され、ドレインを構成する第2導電型の第2半導体層とを含み、
    前記第1整流手段は、前記第1半導体層と前記半導体領域との接合面に寄生する寄生ダイオードと同一方向に並列に接続され、
    前記第2整流手段は、前記第2半導体層と前記半導体領域との接合面に寄生する寄生ダイオードと同一の方向に並列に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路。
  4. 前記MOSトランジスタは、Pチャネル型であり、
    前記第1整流手段及び第2整流手段は、それぞれ、電流の入力を受け付けるアノード端子及び電流を出力するカソード端子を備え、
    前記第1整流手段のアノード端子は、前記第1入出力端子に接続され、カソード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続されており、
    前記第2整流手段のアノード端子は、前記第2入出力端子に接続され、カソード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  5. 前記スイッチ回路は、さらに、
    アノード端子を電源電位に接続し、カソード端子を前記MOSトランジスタのバックゲートに接続した第3整流手段を備え、
    前記制御手段は、動作電位を前記MOSトランジスタのバックゲートから取得する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ回路。
  6. 前記スイッチ回路は、さらに、
    Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続され、バックゲートが接地電位に接続された補助トランジスタを備え、
    前記制御手段は、さらに、前記MOSトランジスタのオン・オフに同期して前記補助トランジスタのオン・オフを制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載のスイッチ回路。
  7. 前記スイッチ回路は、さらに、
    Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第1入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第2入出力端子に接続された第1調整トランジスタと、
    Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第2入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第1入出力端子に接続された第2調整トランジスタとを備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ回路。
  8. 前記制御手段は、前記制御信号に基づいて、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位と接地電位とのいずれか一方を出力することによって前記MOSトランジスタのオン・オフを制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ回路。
  9. 前記MOSトランジスタはNチャネル型であり、
    前記第1整流手段及び第2整流手段は、それぞれ、電流の入力を受け付けるアノード端子及び電流を出力するカソード端子を備え、
    前記第1整流手段のアノード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子は、前記第1入出力端子に接続され、
    前記第2整流手段のアノード端子は、前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子は、前記第2入出力端子に接続されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  10. 前記スイッチ回路は、さらに、
    アノード端子を前記MOSトランジスタのバックゲートに接続し、カソード端子を接地電位に接続した第3整流手段を備え、
    前記制御手段は、前記MOSトランジスタのバックゲートから、動作電位を取得する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスイッチ回路。
  11. 前記スイッチ回路は、さらに、
    Pチャネル型のMOSトランジスタであって、ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続され、バックゲートが電源電位に接続された補助トランジスタを備え、
    前記制御手段は、さらに、前記MOSトランジスタのオン・オフに同期して前記補助トランジスタのオン・オフを制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載のスイッチ回路。
  12. 前記スイッチ回路は、さらに、
    Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第1入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第2入出力端子に接続された第1調整トランジスタと、
    Nチャネル型のMOSトランジスタであって、ソース又はドレインのうち一方が前記第2入出力端子に接続され、ソース又はドレインのうち他方及びバックゲートが前記MOSトランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記第1入出力端子に接続された第2調整トランジスタとを備える
    ことを特徴とする請求項9に記載のスイッチ回路。
  13. 前記制御手段は前記制御信号に基づいて、前記MOSトランジスタのバックゲートの電位と電源電位とのいずれか一方を出力することによって、前記MOSトランジスタのオン・オフを制御する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスイッチ回路。
  14. 前記第1及び第2整流手段のうち少なくとも1つは、
    第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、
    前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と第2導電型の第3拡散層とから構成され、
    前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続された第1端子と、
    前記第3拡散層が接続された第2端子とを有するダイオードである
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  15. 前記第1、第2整流手段のうち少なくとも一つは、
    第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、
    前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と、
    前記第2半導体領域内に形成された第2導電型の内部MOSトランジスタとから構成され、
    前記第1拡散層と前記第2拡散層と前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの一方とゲートとが接続された第1端子と、
    前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの他方が接続された第2端子とを有することを特徴とするダイオードである
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  16. 前記内部MOSトランジスタの閾値電圧は、前記寄生ダイオードのビルトイン電位よりも低い
    ことを特徴とする請求項15に記載のスイッチ回路。
  17. 前記第1及び第2整流手段のうち、少なくとも一つは、
    ショットキーバリアダイオードである
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  18. 前記スイッチ回路は、さらに、
    前記MOSトランジスタのソースと前記第1入出力端子との間及び前記MOSトランジスタのドレインと前記第2入出力端子との間のうち少なくとも一方に、所定の電圧降下を生じさせる分圧手段を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ回路。
  19. 第1及び第2入出力端子と、
    ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたPチャネル型MOSトランジスタと、
    電流が入力されるアノード端子が前記第1入出力端子に接続され、電流を出力するカソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第1整流手段と、
    アノード端子が前記第2入出力端子に接続され、カソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第2整流手段と、
    アノード端子が電源電位に接続され、カソード端子が前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続された第3整流手段と、
    前記Pチャネル型MOSトランジスタのバックゲートから、動作電位を取得し、制御信号に基づいて前記Pチャネル型MOSトランジスタのオン・オフを制御する第1制御手段と、
    ソースが前記第1入出力端子に接続され、ドレインが前記第2入出力端子に接続されたNチャネル型MOSトランジスタと、
    アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が前記第1入出力端子に接続された第4整流手段と、
    アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が前記第2入出力端子に接続された第5整流手段と、
    アノード端子が前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートに接続され、カソード端子が接地電位に接続された第6整流手段と、
    前記Nチャネル型MOSトランジスタのバックゲートから動作電位を取得し、前記制御信号に基づいて前記Nチャネル型MOSトランジスタのオン・オフを制御する第2制御手段と
    を備えることを特徴とするスイッチ回路。
  20. 第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、
    前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と第2導電型の第3拡散層とから構成され、
    前記第1拡散層と前記第2拡散層とが接続された第1端子と、
    前記第3拡散層が接続された第2端子とを有する
    ことを特徴とするダイオード。
  21. 前記ダイオードにおいて、
    前記第1導電型は、P型であり、前記第2導電型はN型であり、
    前記第1端子は、電流の供給を受け付けるアノード端子であり、
    前記第2端子は、電流を出力するカソード端子である
    ことを特徴とする請求項20に記載のダイオード。
  22. 第1導電型の半導体基板上に形成された第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域内に形成された第2導電型の第1拡散層と、
    前記第1半導体領域内に形成された第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域内に形成された第1導電型の第2拡散層と、
    前記第2半導体領域内に形成された第2導電型の内部MOSトランジスタとから構成され、
    前記第1拡散層と前記第2拡散層と前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの一方とゲートとが接続された第1端子と、
    前記内部MOSトランジスタのソース又はドレインの他方が接続された第2端子を有する
    ことを特徴とするダイオード。
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