JP2007178028A - ダクトレス座席空調システム - Google Patents

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昌宏 松下
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恭久 藤崎
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Abstract

【課題】低コストかつ省エネルギーで快適な空調を実現でき、設計上の制約も少ないダクトレス座席空調システムを提供する。
【解決手段】給気孔8を開口する床面の上方に座席台14を横設するとともに、この座席台の下面に、送風口32を適所に有するエアチャンバー18を形成し、上記給気孔からエアチャンバー下面側へ吹き込んだ空気を、エアチャンバー内部を経由して上記送風口32より送風するように設けた座席空調システムであって、上記給気孔とエアチャンバー下面との間に、外界に連続する空所30を設け、かつエアチャンバーの底壁のうち給気孔と向き合う個所にエア導入孔26を開口するとともに、このエア導入孔を除く底壁部分を逆流防止板28とし、上記給気孔8側から吹き上げる噴流が、上記エアチャンバー内の空気を送風口から押し出すのに必要な動圧を存してエア導入孔内へ入るように、噴流速度を設定している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダクトレス座席空調システムに関する。
尚、本明細書において、ダクトレス座席空調システムとは、床側の給気孔から、座席台の下面側のエアチャンバーのエア導入孔へ、ダクトを経由せずに空気を吹き込み、エアチャンバーの一部に設けた送風口より所定方向へ給気するように構成したものをいう。
劇場やホールの床面上に支持脚を介して架設した横材に、複数の座席を載置してなる客席用の床構造において、床面上に開口した吹込み口から、ダクトを介して、横材下方にエアダクト内へ空調空気を吹き込み、このエアダクトの前後両面に設置した給気口から給気を行うように設けたものが知られている(特許文献1)。
また、床面から起立する支持脚の上端に、背もたれ付きの座椅子を設置するとともに、各座椅子の位置に対応して床に形成した吹込み口から、上記背もたれの後面に沿って人の身体に触れないように空気を吹き出すものも知られている(特許文献2)。
特公昭49−23696号 特開平6−193956号
特許文献1の構成では、吹込み口からダクトを介してエアチャンバーへ接続しているから、各部材の接合箇所の位置合わせをしなければならないので、施工が面倒であり、またダクトを複数設ける場合にはその材料費も高くつく。また、ダクトを介して送風するため、吹込み口及び給気口での空気の温度が殆ど同じであり、その送風に触れた利用者が不快感を感じないように送風温度の下げ過ぎを避けねばならないので、一定の冷房効果を得るために必要な送風量が多くなり、エネルギー効率が低い。
また、特許文献2のものでは、吹込み口と各座席の背もたれとを対応させなければならないので、設計上の自由度が制限されるとともに、その位置合わせも大変である。
本発明は、床側の給気孔とエアチャンバーとの間にダクトを介在させなくとも噴出空気をエアチャンバー内に無駄なく吹き込むともに、エアチャンバーの一部に開口した給気口から給気することができるように設け、低コストかつ省エネルギーで快適な空調を実現でき、設計上の制約も少ないダクトレス座席空調システムを提供することを目的とする。
第1の手段は、給気孔8を開口する床面の上方に座席台14を横設するとともに、
この座席台の下面に、送風口32を適所に有するエアチャンバー18を形成し、
上記給気孔8からエアチャンバー18下面側へ吹き込んだ空気を、エアチャンバー内部を経由して上記送風口32より送風するように設けた座席空調システムであって、
上記給気孔8とエアチャンバー18下面との間に、外界に連続する空所30を設け、
かつエアチャンバー18の底壁のうち給気孔8と向き合う個所にエア導入孔26を開口するとともに、このエア導入孔を除く底壁部分を逆流防止板28とし、
上記給気孔8側から吹き上げる噴流が、上記エアチャンバー18内の空気を送風口32から押し出すのに必要な動圧を存してエア導入孔26内へ入るように、噴流速度を設定している。
本手段では、床面上方に横設した座席台の下面にエアチャンバーを形成するとともに、床面とエアチャンバーの下面との各対向部分に給気孔及びエア導入孔を開口し、かつエアダクトを介在させることなく、給気孔からエア導入孔内へ空調用空気を噴入するように構成している。この構成によれば、まず資材を節約することができる。また、給気孔から空調空気を噴き出すと、その噴流側へ周囲の空気が誘引され混合するものと考えられ、これによりエアチャンバーの送風口の空気温度に比べ、床面の給気孔の空気温度を低く設定することができるので、省エネルギー効果が期待できる。
尚、上記の如く給気孔から噴き出す気流(噴流本体)と周囲からの誘引空気とが合流してしまうと、両者を区別することは困難である。そこで本明細書では、特に断らない限り、「噴流」というときには、上記の如く給気孔から噴出する噴流本体に誘引されて混合・合流した空気も含むものとする。
「給気孔」は、空調エリアの床面に露出しているが、空調エリアへ空気を吹き出すための吹出し口ではなく、上記エア導入口を介してエアチャンバー内へ噴流を噴射するためのものである。尚、給気孔は、周囲の空気を誘引・混合し、エア導入孔へ導入しやすくするためには、上方から見て円形とすることが望ましいが、矩形その他の形状としても良い。
上記噴流は、エアチャンバー内に入ることでエアチャンバー内の空気を送風口から押し出し、これにより、送風口からの送風が得られる。そのためには、噴流がエア導入孔に入った時点で上記エアチャンバー内の空気の押し出しに必要な動圧を残しているように給気孔からの噴出速度を設定することが必要である。ここでエア導入孔に入るときの噴流の総圧(動圧+静圧)をPin,送風口を出るときの気流の総圧をPout,送風口を通過するときの圧力損失をΔPとすると,Pin≒Pout+ΔPとなる。圧力損失としては、その他にエア導入孔を噴流が通過するとき、及び、エアチャンバーを気流が通るときの損失があるが、これらは上記ΔPに比べれば小さいので、上記の式に基づいてPinを設定することができる。
「空所」は、上記噴流の通り道であって、外界と連続していることで、周囲の空気との接触・混合により、噴流として噴き出す冷気又は暖気との間に熱交換を生じるように設計されている。具体的には、給気孔とエア導入孔との距離を20〜40cm程度としたときに、給気孔からの冷風の噴出速度が1〜2m/s程度であり、かつ周囲の空気との温度差が2〜4℃であれば、噴流の温度は約2℃上昇する。尚、本明細書において「外界」とは、座席の外部である空間をいい、屋外・屋内の空間を問わない。
「座席台」は、適当な支持面(例えば床面、或いは階段状の観客席にあっては各段差の前面)に固定部材を介して連結させれば良い。この座席台は、複数人掛け用の長椅子タイプとしても良く、又は一人掛け用として形成しても良い。
「エアチャンバー」は、一種の蓄圧室として、エア導入孔から吹き込まれた噴流の動圧を内部に蓄積して、空調空気を送風口から徐々に送風する機能を有する。この機能を維持するために、エアチャンバーはある程度の気密性を有する。即ち、エアチャンバーの下面側は、エア導入口の開口個所を除いて、逆流防止板を形成する底壁部分によって閉塞されており、またエアチャンバーの側面及び上面は送風口の開口個所を除いて閉塞している。エア導入孔及び送風口は、それぞれ単数又は複数設けることができ、かつ両者の数が同じである必要はない。
「逆流防止板」は、エアチャンバー内へ噴き込まれた空気がエア導入孔から下方へ逆流することを防止するためのものである。そのためには、エア導入孔の大きさを、上記噴流の広がりに応じて、その広がりと同じであるか或いはやや小さくすることが望ましい。具体的には、上記噴流を、エアチャンバー内への押込み用の動圧を有する中心部分と、それ以外の周囲部分とに分けて、その中心部分の半径をパラメータとして、所定半径の中心部分を吹き込んだときのエアチャンバーの内圧を計算し、更にその中心部分の周縁位置での流れの総圧(動圧+静圧)を計算して、少なくとも後者が前者を上回るように中心部分の半径を決定すると、エアチャンバーからの逆流を生ずることなく、噴流をエアチャンバー内に押し込むことができる。また、一般に風速が0.2m/s以上となると不快感を生ずるので、上記噴流を、その横断面で見て、0.2m/s以上の流速を有する中心部分と、それ以外の部分とに分けて、その中心部分とエア導入孔との各サイズを同じとすると、快適な環境を維持することができる。
また、エア導入孔は、噴流の横断面形状に対応した形とするため、エアチャンバーの側壁から離してエアチャンバーの底壁中寄りに開口することが望ましい。
「送風口」は、必要とされる送風の向きに応じてエアチャンバーの適所に設ける。具体的には、座席に座っている利用者の身体に直接当たらないようにエアチャンバーの後壁或いは側壁に開口することが好ましいが、必ずしもこれらに限定されない。
第2の手段は、上記第1の手段を有し、かつ上記給気孔8とエア導入孔26との間の距離を、上記噴流のうち時間的に流脈が略定常である上流部分Uの長さよりも短くしている。
現実の噴流の流脈線(流れの任意の一点に色付きの流体を注入したときにその色の筋として表れる流れ部分)を観察すると、例えば図6に示す如く、流脈線は、噴出口(本願では給気孔)近くの上流部分Uでは、ほぼ一定であるが、下流L側に向かうに従って渦などの発生により時間的に変動することとなる。そこで本手段では、噴流の中心部分を効果的かつ確実にエアチャンバー内へ噴入するため、流脈線が一定である定常流として上記噴流がエア導入孔を通過するように、給気孔とエア導入孔との間の距離を設定する必要がある。一般に給気孔からの噴出速度が1〜2m/s程度であれば、給気孔とエア導入孔との距離は20〜40cm程度とすると良い。尚、本明細書において、上流とは、噴流の流域のうち噴き出し孔である給気孔から近い部分を、また、下流とは、給気孔から遠い部分をそれぞれ指すものとする。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ上記エア導入孔26の形状を、エアチャンバー18下面の高さでの噴流の横断面の形状に相似させている。
本手段では、給気孔の形状を円形・長方形の様な多角形など各種形状としたときに、その形状に対応させてエア導入孔を設計できるようにしている。もっとも給気孔の形状が例えば6角形であった場合に、一定距離を隔てた後の噴流の横断面形状はほぼ円形となるため、エアチャンバー下面の高さでの噴流の横断面形状を基準にエア導入孔の形状を設計するようにしている。尚、上記噴流の横断面形状とは、エアチャンバーがないとした場合の上記高さでの形状をいう。
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ上記エア導入孔26の孔縁に、上記噴流の流入方向と筒軸とを平行に配向させた導気筒40を付設し、この導気筒の内面に、上記給気孔8側より上外方へ広がる噴流の外縁全周部分が衝突するように設計している。
上記の如くエア導入口の大きさは噴流の広がりに応じて設定することが望ましいが、例えば噴流の広がり角度は風速が低下すると広がることが知られている。従って仮に中程度の風速に対する広がり角度を想定して、エア導入孔のサイズを決定したときには、風速の下降により、所定量以上の動圧を有する噴流部分がエアチャンバーの底壁下面に沿って周囲に流れ出したり、また風速の上昇により、所定量以上の動圧を有する噴流部分とエア導入孔の孔縁との間にギャップを生じる可能性がある。
そこで本手段では、エア導入孔の孔縁に導気筒を付設して、この導気筒の内面に上記噴流部分の外周全体が斜めに衝突するように設け、これにより、気流が円滑にエアチャンバー内へ送り込まれるようにしている。
「導気筒」は、上記噴出速度による噴流の広がり角度の変動分に対応して、一定の変動範囲内で上記噴流の外縁部分が導気筒に衝突するように導気筒の長さを設定すると良い。その噴流の広がり角度は、具体的な形状の給気孔毎に実験で定めるものとする。尚、導気筒は、エア導入孔の孔縁より、上方乃至下方或いはこれら双方へ延出することができる。
第5の手段は、第1の手段乃至第4の手段の何れかを有し、かつ上記給気孔8を、上端に近づく程に流路が縮小する絞り形状に形成している。
この構成では、上記噴流は、給気孔を噴き出した直後に流れの幅が縮まり、その後に再び広がっていくことになる。このとき、その縮流個所で噴流の流速が大きくなるために、周囲からの空気の誘引効果を高めることができる。
第6の手段は、第1の手段乃至第5の手段の何れかを有し、かつ上記座席台14は、複数人が同時に腰掛けることが可能な長椅子タイプとし、座席台に対応して左右に長く設けたエアチャンバー18の長手方向に複数の送風口32を開口するとともに、それぞれの送風口32に各送風口32を通過する風量を調整する手段34を設置している。
風量調整手段は、各送風口からの風量を適正にする機能を有する。特に長椅子タイプの座席において、エア導入口よりも送風口の数が多い場合に、各送風口の開口面積が大きいときには、エア導入口に近い送風口に比べて、エア導入口から遠い送風口において、十分な送風量が得られなくなる可能性がある。こうした場合に、風量調整手段で各送風口の流路面積を絞ることで、エア導入孔から導入された空調空気がエアチャンバー内に満遍なく行き渡るようにし、各送風口からの風量を均一化することができる。尚、エア導入孔からの距離が近い送風口ほど、その流路面積を絞るように調整しても良い。風量調整手段は、有孔板やガラリ戸の如く風量固定式のもの、ダンパーの如く風量可変式のものの何れでも良い。
風量調整手段は、送風口内或いはその上流側乃至下流側に設けることができる。送風口内或いは下流側に風量調整手段を設置する場合には、隣接する別の座席に座る人の身体に当たらないように適当な方向(好ましくは斜め上方)へ風向を調整する機能を与えると良い。
第7の手段は、第1の手段乃至第6の手段の何れかを有し、かつ上記エアチャンバー18の後壁に送風口32を設置して、この送風口32より後方へ空気を供給するように設けている。
第1の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○ダクトを用いないで床下からエアチャンバー18を経由して座席の周りで送風するようにしたから、ダクトの材料費を削減できるとともに、取り付けの際に正確な位置合わせも不要となるので施工性が高まり、コストの低減を図ることができる。
○床Fとエアチャンバー18との間に外界と連続する空所30を介在させたから、給気孔へ搬送する空調空気の温度を通常の設定温度よりも冷房時には低く、暖房時には高く設定しても、上記空所において噴流と周囲の空気との間で熱を交換して、送風口を出るときには適切な温度となるので、空気の搬送量を低減することができ、省エネルギーに寄与し、更に送風を身体に受けても不快感を生じない。
第2の手段に係る発明によれば、噴流のうち時間的に略定常な上流部分Uがエア導入孔26を通過するように上記給気孔8とエア導入孔26との間の距離を設定したから、所定以上の動圧を有する噴流の中心部分が、流れの時間的変動により部分的にエア導入孔26に入り切らないということがなく、上記動圧を有効利用することができる。
第3の手段に係る発明によれば、上記エア導入孔26の形状を、エアチャンバー18下面の高さでの噴流の横断面の形状に相似させたから、空気の逆流を確実に防止し、効率の良い空調システムとすることができる。
第4の手段に係る発明によれば、噴流の広がり角度の変化によらず、上記噴流(特に噴流の中心部分)を確実にエア導入孔内へ導くことができる。
第5の手段に係る発明によれば、上記給気孔8を、上端に近づく程に流路が縮小する絞り形状としたから、その給気孔8を出た直ぐ後の直流部分が縮流することで、周囲の空気の誘引効果が高まり、これにより上記の如く搬送風量を少なくすることができるので、更に省エネルギーに資する。
第6の手段に係る発明によれば、上記送風口32を通過する風量を調整する手段34を設置したから、エアチャンバー内に空調空気が十分行き渡るようにして、各送風口からの風量のばらつきを少なくさせることができる。
第7の手段に係る発明によれば、上記エアチャンバー18の後壁に送風口32を設置したから、その座席に着座した人の足に送風が当たることがない。
図1から図6は、本発明の第1実施形態に係る座席空調システムを示している。尚、以下の例では、主として冷房運転の場合を例にとって説明するが、温度の設定などを適宜置き換えるだけで温風運転についても同様に適用することができる。
この座席空調システムは、送風機構2と、座席本体10とで構成されている。
送風機構2は、図示しない空調ファンから劇場などの床下を延びる主風路4を有し、この主風路4から分岐路6を介して、図2の如く床面に開口する複数の(図示例では2つの)給気孔8へ連通している。各給気孔は、好ましくは直径10〜20cm程度の円形とすると良い。送風機構は、上記給気孔8から、所定流速の噴流を噴出できるように構成している。
座席本体10は、図2に示す如く固定手段12である左右一対の脚板の間に、複数人が着座可能な横長の長方形とした座席台14を架設してなり、上記各給気孔を開口する床の上に設置されている。座席本体10の座席台14上面から前面側にかけてはクッション部16を取り付けている。
また、上記座席台14の下面には、そのほぼ全面に沿って横長のエアチャンバー18を設けている。図示のエアチャンバー18は、座席台14の下面と、この下面周縁部から矩形の周壁20の内面と、この周壁下端面を閉塞する底壁22上面とで形成している。また、このエアチャンバー底壁22は、図3に示す如く、エアチャンバーの周壁20から適当な距離をおいて、左右方向に複数のエア導入孔26を開口するとともに、残りの底壁部分を逆流防止板28としている。上記エア導入孔26は、上記給気孔8と向かい合っており、この給気孔から円錐状に噴き出す噴流の横断面形に応じたサイズを有している。図1に描かれている噴流は、座席本体が無いとした場合の噴流の全流域(図6参照)のうち、比較的給気孔に近くて、流れの輪郭や流脈線が時間的に一定と認められる上流部分Uである。図1ではこの上流部分のうち、更に流速が0.2m/s以上の動圧を有する中心部分の円錐形の境界面Sで表し、この境界面が上記エアチャンバーの下面で有する横断面の形状及びサイズに合わせてエア導入孔26の形状及びサイズを設計している。エアチャンバーの底壁22は、エア導入孔部分を穿設したスチール板で形成して、そのスチール板の周辺部を上記エアチャンバーの周壁20下面にビス止めなどにより連結させることができる。
また上記エア導入孔26と給気孔8との間の空所30は、噴流の通り道であり、座席本体10の外部と連続している。この空所の上下長さは、短すぎると、周囲から空気を十分に誘引できなくなり、また、長過ぎると、噴流部分と周囲の空気との境目が不明瞭となるため、適当に調整することが望ましい。好適な長さは20〜40cm程度である。
また、上記エアチャンバー18の後壁部20aには送風口32を開口し、更に図示の様にこの送風口の内側に風量調整手段34を、送風口の内部に風向調整手段35をそれぞれ設けると良い。図示の風量調整手段34は、有孔板で形成されており、また、図示の風向調整手段35は、風向を上後方へ向けるために調整した羽根板とすることができる。
図示例では、図1及び図4に示す如く、上記エアチャンバー18の後壁部20aのうち上部及び下端部を除く中間部分を左右に長く開口するとともに、この開口部を、上記後壁部20a上部側に上端部を差し込ませた前後巾広の仕切り板36…で、左右方向に等間隔に仕切って、これら仕切り板同士の開口部分及び仕切り板とエアチャンバーの左右両壁20b,20bとの間の開口部分を、それぞれ送風口32としている。また、各仕切り板の上端部とエアチャンバー18の前壁部20c上端部分との間には、上端面を座席台14下面に当接させて補助板38を架設している。尚、これら補助板38同士によって区切られた椅子部分は、それぞれ一人掛け用のスペースを提供しており、図示例では座席本体全体で5人になっている。上記エア導入孔26及び給気孔8は、それら各椅子部分に対応するエアチャンバーの底壁部分及び床部分にそれぞれ開口しても良いが、図示例では、1つ置きの椅子部分に対応させて、所定の底壁部分及び床部分に設けている。
図5は、本発明の座席空調システムの適用例を略図で示しており、劇場や集会場などにおいては、複数の座席本体10を、一定間隔を存して設置し、それぞれに給気孔を設けると良い。
上記構成において、送風機構2を作動させると、給気孔8から空調空気の噴流が円錐状エア導入孔26側へ噴き出す。この空調空気の温度は、送風口からの吹出し温度の設定温度に比べて、冷房の場合には約2度程度低くしている。給気孔8とエア導入孔26との間の空所30では、上記噴流により周囲の空気が誘引され、この誘引空気の一部は上記噴流と合流して、或いは接触により熱を伝達して、気流の温度を、冷房運転の場合にあっては上昇させ、暖房運転の場合では下降させる。
上記エア導入孔26は、上述の通り供給孔8から噴き上げられた噴流のうち、流速が0.2m/s以上の中心部分のみを通過させるような大きさになっている。流速0.2m/s以下の気流部分は、逆流防止板の下面に衝突して周囲に流れ出すように設計されており、エアチャンバー内に入らなくとも結局空調エリアの空調に役立つので、無駄にはならない。また、エア導入孔26から外に漏れる空気の流速は高々0.2m程度であるので、利用者が足元で冷風感をおぼえることを防止できる。エア導入孔26からエアチャンバー18内へ噴流が入ることで、エアチャンバー18内にもともとあった空気が押し出されるように送風口32から斜め上後方へ吹き出される。
また、エアチャンバー18の下面は、エア導入孔26を除いて逆流防止板28で閉塞されており、かつエア導入孔26の孔縁では上記噴流が0.2m/sの動圧を有しているので、エア導入孔26の孔縁付近からエアチャンバー内の空気が下方へ逆流することはない。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。これらの実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については、同一符号を付することで説明を省略する。
図7は、本発明の第2実施形態を示している。本実施形態では、エアチャンバー底壁22のエア導入孔26に導気筒40を付設したものである。給気孔8から噴出される噴流の広がり角度は、流速などにより変動するため、その変動巾が一定の範囲Δθ内であるときには、導気筒40の内面の上下方向の何れかに噴流の中心部分の境界面Sが衝突して、噴流がスムーズにエアチャンバー18内へ導かれるように構成している。
このためには、一日中、或いは一年中を通じて噴出速度に応じた広がり角度の変動巾Δθを求め、このΔθに対応して導気筒40の長さを設計することが望ましい。
尚、図示例の導気筒40は、エア導入孔の孔縁から上下双方に延びているが、施工性の面からは上方のみへ延びているものの方が好適である。
図8は、本発明の第3の実施形態を示している。この実施形態では、給気孔8の孔面を上端に近づくほど窄まるように形成して、流路面積が徐々に絞られるように設けている。この構成では、給気孔8から噴き出した噴流は、図示のように一旦縮流した後に拡開することとなり、この縮流個所で流速が増大するために、周囲からの空気の誘引力が大となり、これにより過冷気(又は暖気)の温度緩和作用が増大するので、より少ない空気量で所定の空調効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る座席空調システムの縦断面図である。 図1のシステムの正面図である。 図2のIII−III方向から見た、同システムの座席本体の断面図である。 図1のシステムの座席本体の後面図である。 図1のシステムの使用状態の説明図である。 図1のシステムの作用説明のための噴流の可視化実験の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る座席空調システムの縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る座席空調システムの縦断面図である。
符号の説明
2…送風機構 4…主風路 6…分岐路 8…給気孔 10…座席本体
12…固定手段 14…座席台 16…クッション部 18…エアチャンバー
20…周壁 22…底壁 26…エア導入孔 28…逆流防止板 30…空所
32…送風口 34…風量調整手段 35…風向調整手段 36…仕切り板
38…補助板 40…導気筒

Claims (7)

  1. 給気孔8を開口する床面の上方に座席台14を横設するとともに、
    この座席台の下面に、送風口32を適所に有するエアチャンバー18を形成し、
    上記給気孔8からエアチャンバー18下面側へ吹き込んだ空気を、エアチャンバー内部を経由して上記送風口32より送風するように設けた座席空調システムであって、
    上記給気孔8とエアチャンバー18下面との間に、外界に連続する空所30を設け、
    かつエアチャンバー18の底壁のうち給気孔8と向き合う個所にエア導入孔26を開口するとともに、このエア導入孔を除く底壁部分を逆流防止板28とし、
    上記給気孔8側から吹き上げる噴流が、上記エアチャンバー18内の空気を送風口32から押し出すのに必要な動圧を存してエア導入孔26内へ入るように、噴流速度を設定したことを特徴とする、ダクトレス座席空調システム。
  2. 上記給気孔8とエア導入孔26との間の距離を、上記噴流のうち時間的に流脈が略定常である上流部分Uの長さよりも短くしたことを特徴とする、請求項1記載のダクトレス座席空調システム。
  3. 上記エア導入孔26の形状を、エアチャンバー18下面の高さでの噴流の横断面の形状に相似させたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のダクトレス座席空調システム。
  4. 上記エア導入孔26の孔縁に、上記噴流の流入方向と筒軸とを平行に配向させた導気筒40を付設し、この導気筒の内面に、上記給気孔8側より上外方へ広がる噴流の外縁全周部分が衝突するように設計したことを特徴とする、請求項3記載のダクトレス座席空調システム。
  5. 上記給気孔8を、上端に近づく程に流路が縮小する絞り形状に形成したことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のダクトレス座席空調システム。
  6. 上記座席台14は、複数人が同時に腰掛けることが可能な長椅子タイプとし、座席台に対応して左右に長く設けたエアチャンバー18の長手方向に複数の送風口32を開口するとともに、それぞれの送風口32に各送風口32を通過する風量を調整する手段34を設置したことを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のダクトレス座席空調システム。
  7. 上記エアチャンバー18の後壁に送風口32を設置して、この送風口32より後方へ空気を供給するように設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のダクトレス座席空調システム。
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