JP2007169236A - テトラキスアミノフェノール化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの樹脂が、半導体用の絶縁膜として用いられる場合、酸化膜等の無機絶縁膜と比較して、低比誘電率であるという特徴があるため、特に、層間絶縁膜用途において、有機材料の適用が広く検討されている。また、絶縁膜形成用の材料としては、ポリイミド樹脂が広く知られているが(例えば、特許文献1参照。)、半導体装置の高速化、微細化、高集積化及び低消費電力化などの、更なる高性能化に対応するためには、比誘電率がなお十分でないという問題があった。
1.ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するテトラキスアミノフェノール化合物、
2.前記テトラキスアミノフェノール化合物は、オルト位に位置するヒドロキシル基とアミノ基とを有するものである第1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
3.前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)で表される構造を有するものである、第1項乃至第2項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
6.前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)および一般式(2)におけるArとしてフェニレン基を有するものである、第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
7.前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)および一般式(2)におけるArとしてビフェニルジイル基を有するものである、第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
8.前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)および一般式(2)におけるArとしてフルオレンジイル基またはジフェニルフルオレンジイル基を有するものである、第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
9.前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第1項乃至第8項のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物、
を提供するものである。
前記水素原子と置換される脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基及びブトキシ基などのアルコキシ基;ビニル基、プロペニル基及びブテニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基及びブチニル基などのアルキニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基及びビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基;、などが挙げられ、前記水素原子と置換される芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びナフトキシ基;、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子と置換される脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
更に、ダイヤモンドイド構造より構成される基を、一般式(1)で表される構造におけるRとして、1以上、20個以下有し、R’Tとして、0以上、3個以下有する。
また、ダイヤモンドイド構造より構成される基を、一般式(2)で表される構造におけるRとして、1個以上、20個以下有し、これらにより、低比誘電率を有する樹脂が得ることができる。また、これらRとしての数において、得られる樹脂の溶剤等への溶解性を考慮する場合、1個以上、4個以下が好ましい。
5,5',7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス(5’−[5−{1−(3,5−ジメチルアダマンチル)}−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル])−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(5’−[5−{1−(3,5−ジメチルアダマンチル)}−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル])−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5'−テトラメチル−7,7’−ビス{5’−(3,3'−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1'−ビアダマンタン及び3,3’−ビス{5’−(3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1'−ビアダマンタンなどのビアダマンタン構造とビフェニル構造を含むテトラキスアミノフェノール化合物、
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(7,7’−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(7−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9'−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタン及び3,3’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンなどのビアダマンタン構造とフルオレン構造を含むテトラキスアミノフェノール化合物、
などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)におけるqが0の化合物の場合、まず、ダイヤモンドイド構造を含む脂環式化合物を、臭素やヨウ素などのハロゲン化剤を用いて、前記ダイヤモンドイド構造におけるメチレン基上の水素をハロゲン化することにより、ダイヤモンドイド構造より構成される基を含むジハロゲン化化合物を得る。ジハロゲン化化合物としては、例えば、ジブロモハロゲン化物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記ハロゲン化反応において、溶媒としては、特には限定されないが、酢酸、ヘキサンまたはペンタンなどが好ましく、特に臭素を用いる場合は無溶媒で行ってもよい。また、反応を促進するために、触媒を用いてもよく、触媒としては、塩化アルミニウムおよび臭化アルミニウムなどのルイス酸触媒が好ましいが、無触媒で行ってもよい。触媒の使用量としては、前記ダイヤモンドイド構造を含む化合物に対して、0.05当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、0.05当量倍以上、1当量倍以下、更に好ましくは、0.05当量倍以上、0.5当量倍以下である。反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、−50℃以上、100℃以下が好ましい。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下が好ましく、より好ましくは、24時間以上、100時間以下である。
一般式(1)におけるnが1以上の場合、さらに、得られたダイヤモンドイド構造より構成される基を含むテトラヒドロキシ芳香族化合物と、上記と同様にして得たダイヤモンドイド構造より構成される基を含むハロゲン化化合物とのフリーデル−クラフツ反応を行うことで得られる。
前記フリーデル−クラフツ反応において、溶媒としては、特には限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリルまたはニトロメタンなどが好ましいが、無溶媒で行ってもよい。溶媒の使用量としては、この反応に使用される原料に対して、0.5重量倍以上、50重量倍以下が好ましく、より好ましくは、0.5重量倍以上、10重量倍以下である。触媒としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム及び塩化鉄(III)などのルイス酸触媒が好ましいが、無触媒で行ってもよい。触媒の使用量としては、前記ハロゲン化化合物に対して、0.05当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、0.05当量倍以上、1当量倍以下、更に好ましくは、0.05当量倍以上、0.5当量倍以下である。反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、−20℃以上、200℃以下が好ましく、無触媒で反応を行う場合は、100℃以上、200℃以下が好ましい。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下、より好ましくは、1時間以上、48時間以下である。この反応に使用されるジヒドロキシ芳香族化合物のモル比は、目的のダイヤモンドイド構造より構成される化合物に対して、2当量倍以上、20当量倍以下であることが望ましく、好ましくは2当量倍以上、10当量倍以下、更に好ましくは2当量倍以上、4当量倍以下であることが望ましい。
続けて、これを、テトラヒドロフラン、エタノールまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒に、分散または溶解させ、水素雰囲気下、室温で、パラジウム−活性炭もしくは白金−活性炭などで処理するか、または、酸性条件下でスズもしくは塩化スズなどで処理することにより、目的のテトラキスアミノフェノール化合物を得ることができる。
前記エーテル化反応において、反応温度としては、50℃以上、150℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以上、150℃以下である。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下、より好ましくは、24時間以上、100時間以下である。
前記カルボン酸化合物としては、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸及びナフタレンテトラカルボン酸などや、これらのカルボン酸塩素化化合物またはカルボン酸ベンゾトリアゾールエステル化化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
得られた化合物は、特性評価のため、質量分析および元素分析を行った。各特性の測定条件は、次の通りとした。
[試験方法]
(1)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着法で測定した。
(2)元素分析:PERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
(3)比誘電率:日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、下記で得られた測定用試料を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。皮膜は、測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスを、スピンコート法により、シリコンウエハ上に塗布して、均一な膜厚とした後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。また、前記測定用試料は、次の様にして作製した。
まず、100mLフラスコに、テトラアミノフェノール化合物1.1mmolおよびN−メチルピロリドン20mLを投入し、窒素気流下、10℃で攪拌しながら、イソフタル酸ジクロリド2mmolを投入した後、反応液を20℃で24時間攪拌した。反応液をイオン交換水500mLに投入し、濾過により回収した固体は、更にイオン交換水500mL中で1時間攪拌洗浄した。更に、60℃で2日間減圧乾燥して得たものを測定用試料とした。
5,5’,7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}−1,1’−ビアダマンタンの合成
100mLナスフラスコに、1,3−ジヒドロキシベンゼン15g(136.2mmol)と5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド6.60g(13.62mmol)を、トルエン20mL中、窒素気流下、130℃で16時間攪拌を行った後、反応液を水300mL中に滴下した。30分攪拌した後ろ過し、5,5',7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)}−1,1'−ビアダマンタン59gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1295(M+)
元素分析:理論値(/%):C,77.86;H,7.93;N,4.32;O,9.88、実測値(/%):C,77.92;H,7.89;N,4.35;O,9.86
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.75
3,3’−ビス{3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例1において、5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド6.60g(13.62mmol)の代わりに、3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン5.83g(13.62mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、3,3’−ビス{3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}−1,1’−ビアダマンタンを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1239(M+)
元素分析:理論値(/%):C,77.51;H,7.64;N,4.52;O,10.33、実測値(/%):C,77.50;H,7.62;N,4.53;O,10.32
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.76
5,5’,7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}−1,1’−ビアダマンタンの合成 100mLナスフラスコに、1,3−ジヒドロキシベンゼン15g(136.2mmol)と5,5’,7,7’−テトラメチル−3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン5.83g(13.62mmol)をトルエン20mL中、窒素気流下、130℃で16時間攪拌を行った後、反応液を水300mL中に滴下した。30分攪拌した後ろ過し、5,5’,7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)}−1,1'−ビアダマンタン52gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):971(M+)
元素分析:理論値(/%):C,74.30;H,6.86;N,5.78;O,13.19、実測値(/%):C,74.20;H,6.85;N,5.77;O,13.18
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.8
3,3’−ビス{4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}−1,1’−ビアダマンタンの合成 実施例3において、5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド6.59g(13.62mmol)の代わりに3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン5.83g(13.62mmol)を用いた以外は、実施例3と同様に反応を行い、3,3’−ビス{4,6−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル}}−1,1’−ビアダマンタンを3g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):915(M+)
元素分析:理論値(/%):C,73.50;H,6.39;N,6.12;O,13.99、実測値(/%):C,73.6;H,6.41;N,6.10;O,13.97
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.82
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(5’−[5−{1−(3,5−ジメチルアダマンチル)}−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル])−1,1’−ビアダマンタンの合成
100mLナスフラスコに、2,2’−ジヒドロキシビフェニル10g(53.70mmol)と5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド2.60g(5.370mmol)をトルエン30mL中、窒素気流下、130℃で16時間攪拌を行った後、反応液を水300mL中に滴下した。30分攪拌した後ろ過し、5,5',7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{5−(2,2’-ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1’−ビアダマンタンを3.3g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1079(M+)
元素分析:理論値(/%):C,80.11;H,8.78;N,5.19;O,5.93、実測値(/%):C,80.2;H,8.80;N,5.15;O,5.95
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.84
3,3’−ビス(5’−[5−{1−(3,5−ジメチルアダマンチル)}−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル])−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例5において5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド2.60g(5.370mmol)の代わりに3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン2.30g(5.370mmol)を用いた以外は、実施例5と同様に反応を行い、3,3’−ビス(5’−[5−{1−(3,5−ジメチルアダマンチル)}−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル])−1,1’−ビアダマンタン3gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1023(M+)
元素分析:理論値(/%):C,79.80;H,8.47;N,5.47;O,6.25、実測値(/%):C,79.80;H,8.48;N,5.49;O,6.24
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.8
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス{5’−(3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1‘−ビアダマンタンの合成 実施例5において得られる5,5',7,7’−テトラメチル−3,3’−ビス{5’−(2,2’-ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1’−ビアダマンタン5.47g(5.370mmol)、ジクロロメタン20mLおよび撹拌子を300mLナスフラスコに投入し、氷浴下で60%硝酸水溶液2.48g(23.62mmol)を滴下した。水浴下で1時間撹拌を行った後、反応液を3%炭酸水素ナトリウム水溶液200mLで1回、イオン交換水200mLで2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(5’−(3,3’−ジニトロ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル))−1,1’−ビアダマンタンを6.12g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):755(M+)
元素分析:理論値(/%):C,76.36;H,7.74;N,7.42;O,8.48、実測値(/%):C,76.37;H,7.76;N,7.45;O,8.50
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.86
3,3’−ビス{5’−(3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例7において5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド2.60g(5.370mmol)の代わりに3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン2.30g(5.370mmol)を用いた以外は、実施例7と同様に反応を行い、3,3’−ビス{5’−(3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ビフェニル)}−1,1’−ビアダマンタン3gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):698(M+)
元素分析:理論値(/%):C,75.62;H,7.21;N,8.02;O,9.16、実測値(/%):C,75.63;H,7.23;N,8.04;O,9.18
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.87
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(7,7’−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンの合成 実施例5において、2,2’−ジヒドロキシビフェニル10g(53.70mmol)の代わりに、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン18g(53.70mmol)を用いた以外は実施例5と同様に反応を行い、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(7,7’−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタン10g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1407(M+)
元素分析:理論値(/%):C,83.60;H,7.87;N,3.98;O,4.55、実測値(/%):C,83.58;H,7.85;N,3.99;O,4.54
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.72
3,3’−ビス(7−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンの合成 実施例9において、5,5',7,7’−テトラメチル−3,3'−ビアダマンタンジブロマイド2.60g(5.370mmol)の代わりに、3,3’−ジブロモ−1,1'−ビアダマンタン2.30g(5.370mmol)を用いた以外は、実施例9と同様に反応を行い、3,3’−ビス(7−{2−(3,5−ジメチルアダマンチル)−9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンを2g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1351(M+)
元素分析:理論値(/%):C,83.52;H,7.61;N,4.14;O,4.73、実測値(/%):C,83.50;H,7.60;N,4.12;O,4.71
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.73
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンの合成 実施例7において、2,2’−ジヒドロキシビフェニル10g(53.70mmol)の代わりに、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン18g(53.70mmol)を用いた以外は、実施例7と同様に反応を行い、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンを10g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1083(M+)
元素分析:理論値(/%):C,82.04;H,6.88;N,5.17;O,5.91、実測値(/%):C,82.02;H,6.89;N,5.16;O,5.90
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.76
3,3’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例8において、2,2’−ジヒドロキシビフェニル10g(53.70mmol)の代わりに、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン18g(53.70mmol)を用いた以外は、実施例8と同様に反応を行い、3,3’−ビス(2,2’−{9,9’−ビス−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)−フルオレンジイル})−1,1’−ビアダマンタン10g得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):1027(M+)
元素分析:理論値(/%):C,81.84;H,6.48;N,5.45;O,6.23、実測値(/%):C,81.82;H,6.50;N,5.43;O,6.21
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:2.78
(1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンの合成)
300mLナスフラスコに、1,3−ジヒドロキシベンゼン9.9g、2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼン44.4g、炭酸カリウム37.3g、N,N−ジメチルホルムアミド150mLおよび撹拌子を投入し、窒素気流下、135℃で12時間加熱撹拌を行った。反応液を濾過した後、イオン交換水1Lに投入した。析出固体を濾過により回収し、更にイオン交換水1L中で1時間撹拌した後、減圧下で乾燥させることで、1,3−ビス(4−ニトロ−3−ベンジルオキシフェノキシ)ベンゼン42.3gを得た。
次に、300mLナスフラスコに、上記で得られた1,3−ビス(4−ニトロ−3−ベンジルオキシフェノキシ)ベンゼン42.0g、10%パラジウム−活性炭2.00g、N,N−ジメチルホルムアミド200mLおよび撹拌子を投入し、水素雰囲気下、25℃で24時間撹拌を行った。反応液を濾過した後、イオン交換水1Lに投入した。析出固体を濾過により回収し、更にイオン交換水1L中で1時間撹拌した後、減圧下で乾燥させることで、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン30.5gを得た。
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:3.1
(2,7−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンの合成)
比較例1において、1,3−ジヒドロキシベンゼン9.9gを、2,7−ジヒドロキシナフタレン14.4gとした以外は、比較例1と同様にして、2,7−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレン20.2gを得た。
以下に、比誘電率の測定結果を示す。
比誘電率:3.1
Claims (9)
- ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記テトラキスアミノフェノール化合物は、ベンゼン環上のオルト位にヒドロキシル基とアミノ基とを有するものである請求項1に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(2)におけるmが1以上、4以下の整数である請求項4に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)及び一般式(2)におけるArとしてフェニレン基を有するものである、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)及び一般式(2)におけるArとしてビフェニルジイル基を有するものである、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記テトラキスアミノフェノール化合物は、一般式(1)及び一般式(2)におけるArとしてフルオレンジイル基又はジフェニルフルオレンジイル基を有するものである、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
- 前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基及びウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のテトラキスアミノフェノール化合物。
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