JP2006206857A - ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置 - Google Patents

ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置 Download PDF

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尚史 榎
Atsushi Izumi
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Abstract

【課題】 ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体、耐熱性および低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】 少なくともダイヤモンドイド構造をいずれか一方に有する、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含むことを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。さらに、ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる第2の繰り返し単位を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体。前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を脱水閉環反応して得られるポリベンゾオキサゾール樹脂。
前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体またはポリベンゾオキサゾール樹脂で構成される樹脂膜。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置に関する。
半導体用の層間絶縁膜としては、現在、CVD法(化学蒸着法)等で作製した酸化膜(SiOx膜)が主に使用されている。しかし、酸化膜等の無機絶縁膜は、誘電率が高いため、半導体の高速化、高性能化に対応するのが困難である。そこで、低誘電率の層間絶縁膜として、有機材料の適用が検討されている。層間絶縁膜に用いられる有機材料としては、耐熱性、電気特性に優れ、かつ低誘電率であることが要求される。
従来、有機材料としては、ポリイミド樹脂、ポリキノリン樹脂、ポリキノキサリン樹脂等が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ポリイミド樹脂は、耐熱性が低い、誘電率が高い、吸湿性が高い等の問題があった。そのため、その用途は信頼性の上でバイポーラ半導体素子などの一部の半導体素子に限られていた。
一方、ポリイミド樹脂より高耐熱性、低誘電率性、低吸湿性を兼ね備えたポリキノリン樹脂、ポリキノキサリン樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、樹脂のガラス転移点以上の温度に曝された場合、樹脂のパターンが変形し、半導体製造時に問題となる場合があった。
特開2000−195853号公報
本発明の目的は、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を提供することにある。
また、本発明の目的は、耐熱性および低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(22)に記載の本発明により達成される。
(1) 少なくともダイヤモンドイド構造をいずれか一方に有する、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含むことを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(2) さらに、ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる第2の繰り返し単位を含む第(1)に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(3) 前記ダイヤモンドイド構造は、該ダイヤモンドイド構造以外の官能基に有するものである、第(1)ないし第(2)に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(4) ダイヤモンドイド構造を有しない、ビスアミノフェノール化合物および/またはジカルボン酸化合物が、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するものである第(1)ないし第(3)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(5) 前記ダイヤモンドイド構造がアダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第(1)ないし第(4)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(6) 前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基は、アセチレン結合を有するものである第(3)ないし第(5)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(7) 前記ジカルボン酸化合物は、フタル酸、ビス安息香酸、ビフェニルジカルボン酸の中から選ばれる1種以上である第(1)ないし(6)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(8) 前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸は、アダマンタンジカルボン酸、ビアダマンタンジカルボン酸およびテトラアダマンタンジカルボン酸から選ばれる1種以上である第(1)ないし第(7)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(9) 前記第1の繰り返し単位と、第2の繰り返し単位とが共重合されているものである第(2)ないし第(8)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(10) 下記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

[式(1)中のRおよびRはそれぞれ独立に水素原子または有機基、kは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(2−1)および式(2−2)、


(式(2−1)および式(2−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下であり、iは1以上12以下である。)、
および下記式(3)

(式(3)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下である;Xは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基(例えば、フェニレン基、ナフタレン基、フルオレニリデン基など。));Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;である。)で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;式(1)中のYは:下記式(4)

(式(4)中のWは:下記式(5)

で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基)
、下記式(6−1)、下記式(6−2)


、下記式(7−1)、下記式(7−2)


(式(7−1)、式(7−2)中のRは、有機基(アルキル基、脂環式基、芳香族基など。)を示す。)
、下記式(8)

および下記式(9)

で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
(11) 下記式(10)に表される第4の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

[式(10)中のRおよびRはそれぞれ独立に水素原子または有機基、mは2〜1,000の間の整数;Xは:上記式(2−1)、上記式(2−2)および上記式(3)で表される化合物の中から選ばれる基;式(10)中のYは:下記式(11−1)および式(11−2)


、下記式(12−1)および下記式(12−2)


(式(11−1)、式(11−2)、式(12−1)および式(12−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下である。iは1以上12以下である。)
、で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
(12) 上記第3の繰り返し単位を有する第(11)に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(13) 下記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

[式(13)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基、nは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(14)

(式(14)中のXは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基(例えば、フェニレン基、ナフタレン基、フルオレニリデン基など。);Arは3価以上の芳香族基;Rは水素、または、有機基;rは0または1;qは1〜4の整数;)
、下記式(15)

(式(15)中のXは:下記式(16)

で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。)
で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;
式(13)中のYは:上記式(11−1)、上記式(11−2)、上記式(12−1)および上記式(12−2)
で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
(14) 上記第3の繰り返し単位および/または第4の繰り返し単位を有する第(13)に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
(15) さらに、下記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するものである第(10)ないし第(14)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

[式(17)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基、nは2〜1,000の間の整数;Xは:上記式(14)、上記式(15)で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;式(17)中のYは:上記式(4)、上記式(6−1)、上記式(6−2)、上記式(7−1)、上記式(7−2)、上記式(8)および上記式(9)で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
(16) 第(1)ないし第(15)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を脱水閉環反応して得られることを特徴とするポリベンゾオキサゾール樹脂。
(17) 上記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、上記式(10)で表される第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体または上記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を必須成分とし、該第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第5の繰り返し単位を有するベンゾキサゾール樹脂前駆体および上記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体から選ばれる2種以上を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物。
(18) 第(1)ないし第(15)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体、第(16)に記載のポリベンゾキサゾール樹脂または第(17)に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物と、これらを溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とするワニス。
(19) 第(1)ないし第(15)のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体、第(16)に記載のポリベンゾオキサゾール樹脂または第(17)記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物で構成されることを特徴とする樹脂膜。
(20) 前記樹脂膜は、平均孔径10nm以下の微細孔を有するものである第(19)に記載の樹脂膜。
(21) 前記樹脂膜は、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれるものの一つである第(19)または第(20)に記載の樹脂膜。
(22) 第(19)ないし第(21)のいずれかに記載の樹脂膜を有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。
また、本発明によれば、耐熱性および低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置を得ることができる。
また、特定の官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の場合、有機溶剤への溶解性を保持することで、加工性を維持すると共に、オキサゾール環が閉環後の耐熱性を向上させることができる。
また、微細な空孔を有する樹脂膜とした場合、特に電気特性(特に誘電特性)、物理特性および機械特性にも優れる樹脂膜を得ることができる。
以下、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置について説明する。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、少なくともいずれか一方にダイヤモンドイド構造を含む、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含むものである。
また、本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂は、上記に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を反応して得られることを特徴とするものである。
また、本発明の樹脂膜は、上記に記載のポリベンゾキサゾール樹脂前駆体またはポリベンゾオキサゾール樹脂を含む樹脂組成物で構成される。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の樹脂膜を有するものである。
まず、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体について説明する。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、少なくともいずれか一方にダイヤモンドイド構造を有する、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含むものである。例えば、ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物とダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる繰り返し単位、ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物とダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸化合物とを反応して得られる繰り返し単位、ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物とダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸化合物とを反応して得られる繰り返し単位を含むものである。前記ダイヤモンドイド構造は、該ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有していても良い。また、前記ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物および前記ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物において、少なくとも一方が、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するものであることが好ましい。これにより、ダイヤモンドイド構造を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができ、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体から得られるポリベンゾオキサゾール樹脂は、耐熱性を有し、高弾性率および低誘電率を発現することができる。また、耐湿性を向上することができる。
本発明におけるダイヤモンドイド構造としては、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものであり、この構造を有する基としては、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基など多環式骨格構造を有する基が挙げられ、更には、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基などが挙げられる。前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基としては、オリゴ構造やポリ構造を有する基などが挙げられるが、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基の場合、例えば、ジ(1,3−アダマンタン)基およびジ(2,2−アダマンタン)基などのビアダマンチル基、トリ(1,3−アダマンタン)基およびトリ(2,2-アダマンタン)基などのトリアダマンチル基、テトラ(1,3−アダマンタン)基およびテトラ(2,2−アダマンタン)基などのテトラアダマンチル基、ペンタ(1,3-アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基などのペンタアダマンチル基、ヘプタ(1,3-アダマンタン)基およびヘプタ(2,2−アダマンタン)基などのヘプタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカアダマンチル基などのオリゴアダマンタン構造を有する基や、更にアダマンチル基の個数の多いポリアダマンタン構造を有する基などが挙げられ、また、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基以外の基の場合、前記オリゴアダマンタン構造を有する基やポリアダマンタン構造を有する基において該アダマンチル基を置換した基が挙げられ、例えば、ビ−(ジアマンタン)基、トリ−(ジアマンタン)基、テトラ−(ジアマンタン)基、ペンタ−(ジアマンタン)基、ヘキサ−(ジアマンタン)基、ヘプタ−(ジアマンタン)基、オクタ−(ジアマンタン)基、ノナ−(ジアマンタン)基、デカ−(ジアマンタン)基およびウンデカ−(ジアマンタン)基、などのジアマンタン基を複数個有する基、ビ−(トリアマンタン)基、トリ−(トリアマンタン)基、テトラ−(トリアマンタン)基、ペンタ−(トリアマンタン)基、ヘキサ−(トリアマンタン)基、ヘプタ−(トリアマンタン)基、オクタ−(トリアマンタン)基、ノナ−(トリアマンタン)基、デカ−(トリアマンタン)基およびウンデカ−(トリアマンタン)基、などのトリアマンタン基を複数個有する基、ビ−(テトラアマンタン)基、トリ−(テトラアマンタン)基、テトラ−(テトラアマンタン)基、ペンタ−(テトラアマンタン)基、ヘキサ−(テトラアマンタン)基、ヘプタ−(テトラアマンタン)基、オクタ−(テトラアマンタン)基、ノナ−(テトラアマンタン)基、デカ−(テトラアマンタン)基およびウンデカ−(テトラアマンタン)基、などのテトラアマンタン基を複数個有する基、などが挙げられる。これらの中でも、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基が好ましく、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ジ(1,3−アダマンタン)基、トリ(1,3−アダマンタン基)、テトラ(1,3−アダマンタン)基、ペンタ(1,3−アダマンタン)基、ジ(2,2−アダマンタン)基、トリ(2,2−アダマンタン)基、テトラ(2,2−アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基がより好ましい。これらの構造を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体から得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性を保持し、誘電率を下げ、耐湿性を向上することができる。上記アダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。
本発明において、ダイヤモンドイド構造以外の官能基にダイヤモンドイド構造を有するものとしては、例えば、アダマンチルエチニル基、ジアマンチルエチニル基、トリアマンチルエチニル基、テトラマンチルエチニル基、ペンタマンチルエチニル基、ヘキサマンチルエチニル基、ヘプタマンチルエチニル基、オクタマンチルエチニル基、ノナマンチルエチニル基、デカマンチルエチニル基およびウンデカマンチルエチニル基、ビアダマンチルエチニル基、トリアダマンチルエチニル基、テトラアダマンチルエチニル基、ヘキサアダマンチルエチニル基、ヘプタアダマンチルエチニル基、オクタアダマンチルエチニル基、ノナアダマンチルエチニル基、デカアダマンチルエチニル基、ウンデカアダマンチルエチニル基、アダマンチルフェニルエチニル基、ジアマンチルフェニルエチニル基、トリアマンチルフェニルエチニル基、テトラマンチルフェニルエチニル基、ペンタマンチルフェニルエチニル基、ヘキサマンチルフェニルエチニル基、ヘプタマンチルフェニルエチニル基、オクタマンチルフェニルエチニル基、ノナマンチルフェニルエチニル基、デカマンチルフェニルエチニル基、ウンデカマンチルフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェニルエチニル基、トリアダマンチルフェニルエチニル基、テトラアダマンチルフェニルエチニル基、ペンタアダマンチルフェニルエチニル基、ヘキサアダマンチルフェニルエチニル基、ヘプタアダマンチルフェニルエチニル基、オクタアダマンチルフェニルエチニル基、ノナアダマンチルフェニルエチニル基、デカアダマンチルフェニルエチニル基、ウンデカアダマンチルフェニルエチニル基、アダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ジアマンチルフェノキシフェニルエチニル基、トリアマンチルフェノキシフェニルエチニル基、テトラマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘキサマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘプタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、オクタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ノナマンチルフェノキシフェニルエチニル基、デカマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ウンデカマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、トリアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、テトラアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘキサアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘプタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、オクタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ノナアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、デカアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基およびウンデカアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基などを挙げることができる。また、上記エチニル基以外の官能基で前記ダイヤモンドイド構造を有する官能基としては、アセチレン結合を有する官能基、ビフェニレン基、シアナト基、マレイミド基、ナジイミド基、ビニル基およびシクロペンタジエニル基等の官能基に前記ダイヤモンドイド構造を有するものが挙げられる。上記ダイヤモンドイド構造以外の官能基のダイヤモンドイド構造は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。これらの中でも、特にアダマンチルフェニルエチニル基、ジメチルアダマンチルフェニルエチニル基、トリメチルアダマンチルフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェニルエチニル基、テトラメチルビアダマンチルフェニルエチニル基、ペンタメチルビアダマンチルフェニルエチニル基、アダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ジメチルアダマンチルフェニルエチニル基、トリメチルアダマンチルフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、テトラメチルビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタメチルビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基などが好ましい。
本発明において、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基としては、例えば、アセチレン結合を有する官能基、ビフェニレン基、シアナト基、マレイミド基、ナジイミド基、ビニル基およびシクロペンタジエニル基等が挙げられる。これにより、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の溶媒への溶解性を向上することができる。さらに、このベンゾオキサゾール樹脂前駆体から得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性を向上することもできる。
これらの中でもアセチレン結合を有する官能基が好ましい。前記アセチレン結合を有する官能基として、具体的にはエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アントリルエチニル基、キノリルエチニル基、キノキサリルエチニル基、アルキルエチニル基およびプロパルギルエーテル基等が挙げられる。これらの中でもエチニル基、フェニルエチニル基およびナフチルエチニル基の中から選ばれる1以上の官能基が好ましい。これにより、得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性、特にガラス転移温度を向上することができる。ポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性が向上するのは、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体中に官能基を有することによって、得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上することができるからである。さらに、ポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上すると、かかるポリベンゾオキサゾール樹脂を用いてナノフォームを形成して層間絶縁膜を得た場合に、ナノフォームが凝集等すること無くその形状を保持することが可能となる。これにより、層間絶縁膜の誘電率を低下することができる。
1. 第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
1−1 ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物
前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物とは、分子内にダイヤモンドの単位構造を有するものである。
1−1−1 ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物
該ビスアミノフェノール化合物としては、例えば、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシル−フェニル)アダマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)アダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)アダマンタンおよびビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)アダマンタンなどのダイヤモンドイド構造の最小単位を有する化合物、
また、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ジアマンタンや、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ジアマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)テトラマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ヘプタマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ヘプタマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ヘキサマンタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ジアマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ジアマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)トリマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)トリマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)テトラマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)テトラマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ヘプタマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ヘプタマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ヘキサマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ヘキサマンタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ジアマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ジアマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)テトラマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)テトラマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ヘプタマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ヘプタマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ヘキサマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ヘキサマンタン、
などのダイヤモンドイド構造の多環式骨格構造を有する化合物:、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ビアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ビアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)トリアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)トリアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)テトラアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ヘプタアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ヘプタアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサアダマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ヘキサアダマンタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ビアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ビアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)トリアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)トリアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)テトラアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)テトラアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ヘプタアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ヘプタアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)ヘキサアダマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)ヘキサアダマンタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ビアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ビアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)トリアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)トリアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)テトラアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)テトラアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ヘプタアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ヘプタアダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ヘキサアダマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ヘキサアダマンタン、
などのオリゴアダマンタン構造やアダマンチル基の数をさらに多く有するポリアダマンタン構造を有する化合物、
さらには、3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3−アダマンチル−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−テトラマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンなどの、側鎖にダイヤモンドイド構造を有していても良い、主鎖にダイヤモンドイド構造を有する化合物、
などが挙げられるが、これらに限定されない。これら以外にも、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカマンチル基などを有するビスアミノフェノールなども挙げられる。
また、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有するオリゴ構造を有する化合物として、例えば、6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシル−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビ(ジアマンタン)なども挙げられるが、ダイヤモンドイド構造の定義内にある構造であれば、これに限定されない。また、多環式骨格構造を有する基の結合位置もこれに限定されない。
上記ビスフェノール化合物中のアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。これらの化合物の例としては、
3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン、
3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン、
3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチルアダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−(5,5’,7,7’−テトラメチル)ビアダマンタン、
3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’−ジブチル)−1,1’−ビアダマンタン、
などが挙げられるが、これらに限定されない。
これらのビスアミノフェノール化合物は、単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ダイヤモンドイド構造をビスアミノフェノール化合物に導入する方法としては、例えば、ジブロモ−アダマンタンとフェノールとのフリーデル−クラフツ反応からビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−アダマンタンを合成し、ヒドロキシル基のオルソ位をニトロ化、更にアミノ基へと還元することにより、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−アダマンタンを合成することができる。また、ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−アダマンタンと4−ニトロ−3−ベンジロキシ−1−フルオロベンゼンとをエーテル化反応させ、更にベンジロキシ基の脱保護およびニトロ基の還元反応により、ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ−)フェニル]1,3−アダマンタンを合成することができる。
1−1−2 ダイヤモンドイド構造以外の官能基にダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物
該ビスアミノフェノール化合物の内、エチニル基を介してダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェール化合物の例としては、
2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−アダマンチルエチニル−1,1’−ビナフタレンおよび2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−ジアマンチルエチニル−1,1’−ビナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ビナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−アダマンチルエチニル−ナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−ジアマンチルエチニル−ナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2−アダマンチルエチニルナフタレンおよび1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−アダマンチルエチニルナフタレン等のエチニル−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−ジアマンチルエチニル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンおよび9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−ジアマンチルエチニル−フルオレン等のエチニル−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−アダマンチルエチニル−ベンゼン、1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−ジアマンチルエチニル−ベンゼン、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−アダマンチルエチニル−ベンゼンおよび1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−ジアマンチルエチニル−ベンゼン等のエチニル−ベンゼンを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−アダマンチルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−ジアマンチルエチニル−ジフェニルエーテルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−トリアマンチルエチニル−ジフェニルエーテル等のエチニル−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−アダマンチルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−ジアマンチルエチニル−ビフェニルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−トリアマンチルエチニル−ビフェニル等のエチニル−ビフェニルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ビスアダマンチルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ビスジアマンチルエチニル−ジフェニルスルホンおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ビストリアマンチルエチニル−ジフェニルスルホン等のエチニル−ジフェニルスルホンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−アダマンチルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−ジアマンチルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−トリアマンチルエチニル−フェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−テトラマンチルエチニル−フェニル)−プロパン等のエチニル−フェニル−プロパンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−アダマンチルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−ジアマンチルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−トリアマンチルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−テトラマンチルルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン等のエチニル−フェニル−ヘキサフルオロプロパンを有するビスアミノフェノール化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。これら以外にも、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカマンチル基、アダマンチルフェニル基、ジアマンチルフェニル基、トリアマンチルフェニル基、テトラマンチルフェニル基、ペンタマンチルフェニル基、ヘキサマンチルフェニル基、ヘプタマンチルフェニル基、オクタマンチルフェニル基、ノナマンチルフェニル基、デカマンチルフェニル基、ウンデカマンチルフェニル基、ビアダマンチルフェニル基、トリアダマンチルフェニル基、テトラアダマンチルフェニル基、ペンタアダマンチルフェニル基、ヘキサアダマンチルフェニル基、ヘプタアダマンチルフェニル基、オクタアダマンチルフェニル基、ノナアダマンチルフェニル基、デカアダマンチルフェニル基、ウンデカアダマンチルフェニル基、アダマンチルフェノキシフェニル基、ジアマンチルフェノキシフェニル基、トリアマンチルフェノキシフェニル基、テトラマンチルフェノキシフェニル基、ペンタマンチルフェノキシフェニル基、ヘキサマンチルフェノキシフェニル基、ヘプタマンチルフェノキシフェニル基、オクタマンチルフェノキシフェニル基、ノナマンチルフェノキシフェニル基、デカマンチルフェノキシフェニル基、ウンデカマンチルフェノキシフェニル基、ビアダマンチルフェノキシフェニル基、トリアダマンチルフェノキシフェニル基、テトラアダマンチルフェノキシフェニル基、ペンタアダマンチルフェノキシフェニル基、ヘキサアダマンチルフェノキシフェニル基、ヘプタアダマンチルフェノキシフェニル基、オクタアダマンチルフェノキシフェニル基、ノナアダマンチルフェノキシフェニル基、デカアダマンチルフェノキシフェニル基およびウンデカアダマンチルフェノキシフェニル基などがエチニル基に結合したビスアミノフェノール化合物なども挙げられる。これらのビスアミノフェノール化合物は単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ビスフェノール化合物中のアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。
また、ダイヤモンドイド構造を有する官能基をビスアミノフェノール化合物に導入する方法としては、ダイヤモンドイド構造を有するエチニル基の場合、例えば、1−エチニルアダマンタンとハロゲン化化合物とのカップリング反応の方法を挙げることができる。具体的には、オルソ−ヒドロキシ−ニトロベンゼン構造を有するハロゲン化化合物とエチニルアダマンタンとのカップリング反応を基本とし、最適な触媒の選択によりアセチレン結合を還元せずにアミノ化反応を行うことでアダマンチルエチニル基をビスアミノフェノール化合物に導入することができる。
1−2 ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物
1−2−1ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するビスアミノフェノール化合物
ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するビスアミノフェノール化合物の例としては、2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−エチニル−1,1’−ビナフタレンおよび2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−フェニルエチニル−1,1’−ビナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ビナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−エチニル−ナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−フェニルエチニル−ナフタレン)、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2−フェニルエチニルナフタレンおよび1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニルナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレンおよび9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン等のエチニル(フェニルエチニル)−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−エチニル−ベンゼン、1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−フェニルエチニル−ベンゼン、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−エチニル−ベンゼンおよび1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニル−ベンゼン等のエチニル(フェニルエチニル)−ベンゼンを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ジフェニルエーテルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ビフェニルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ビフェニル等のエチニル(フェニルエチニル)−ビフェニルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホンおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルスルホンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−プロパンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−ヘキサフルオロプロパンを有するビスアミノフェノール化合物等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、エチニル(フェニルエチニル)−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物およびエチニル(フェニルエチニル)−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物より選ばれる1種以上の官能基を有するビスアミノフェノール化合物が好ましい。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の高温時の弾性率を向上することができる。
ダイヤモンドイド構造以外の官能基をビスアミノフェノール化合物に導入する方法としては、例えばハロゲン化化合物へのカップリング反応の方法を挙げることができる。具体的には、オルソ−ヒドロキシ−ニトロベンゼン構造を有するハロゲン化化合物とエチニルベンゼンとのカップリング反応を基本とし、最適な触媒の選択によりアセチレン結合を還元せずにアミノ化反応を行うことで官能基をビスアミノフェノール化合物に導入することができる。
1−2−2 ダイヤモンドイド構造およびダイヤモンドイド構造以外の官能基を有しないビスアミノフェノール化合物
ダイヤモンドイド構造とダイヤモンドイド構造以外の官能基とを有しないビスアミノフェノール化合物の例としては、
3,4−ジアミノ−レゾルシノールおよび2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシルベンゼン等のジヒドロキシルベンゼンを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニルおよび3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル等のジヒドロキシ−ビフェニルを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル等のジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有する化合物:、
2,2’−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビナフタレン等のビナフタレン骨格を有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン、ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)スルホンおよびビス(4−(4−ヒドロキシ−3−アミノ)フェノキシ−フェニル)スルホン等のスルホン基を有する化合物:、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のフッ素またはフッ素化アルキル基を有する化合物が挙げられる。これらのビスアミノフェノール化合物は、単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ジヒドロキシルベンゼンを有する化合物、ジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物、ビナフタレン骨格を有する化合物の中から選ばれる1種以上のビスアミノフェノール化合物が好ましい。
1−3 ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸
前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸は、特に限定されないが、分子内に前記ダイヤモンドイドの単位構造を有するものである。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の弾性率をさらに向上することができる。
1−3−1 ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸
ダイヤモンドイド構造を有し、かつ、ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有さないジカルボン酸の例としては、例えば、1,3−アダマンタン−ジカルボン酸、2,2−アダマンタン−ジカルボン酸および1,2−アダマンタン−ジカルボン酸等のアダマンタン−ジカルボン酸:、
1,6−ジアマンタンジカルボン酸、4,9−ジアマンタンジカルボン酸および2,2−ジアマンタンジカルボン酸等のジアマンタンジカルボン酸類:、
1,3−トリアマンタンジカルボン酸および1,6−トリアマンタンジカルボン酸等のトリアマンタンジカルボン酸類:、
1,3−テトラマンタンジカルボン酸、1,6−テトラマンタンジカルボン酸および1,8−テトラマンタンジカルボン酸等のテトラマンタンジカルボン酸類:、
3,3’−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,5−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、2,2−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、2,2’−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸および2,5−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸等のビアダマンタン−ジカルボン酸類:、
1,3’’−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、2,2−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、2’,2’−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、3,5−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、3’,5’−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸および3’,5’’−(1,1’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸等のトリアダマンタンジカルボン酸類:、
1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(2−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、1,3−ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−トリアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−トリアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−トリアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−テトラアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−テトラアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−テトラアマンタン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−アダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−ジアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−ジアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−ジビアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−トリアマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−テトラアマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−テトラアマンタンおよびビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−テトラアマンタン、などのダイヤモンドイド構造の多環式骨格構造を有するビス安息香酸:
ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’−トリアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンおよびビス(2−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン、などのオリゴアダマンタン構造やアダマンチル基の数をさらに多く有するポリアダマンタン構造を有するビス安息香酸、
さらには、3,3’−ビス[4−(3−カルボキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(3−カルボキシ−6−(3−アダマンチル−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−カルボキシ−6−テトラマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンなどの、側鎖にダイヤモンドイド構造を有していても良い、主鎖にダイヤモンドイド構造を有する化合物、
などが挙げられるが、これらに限定されない。これら以外の例として、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカマンチル基などを有するジカルボン酸類なども挙げられる。また、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有するオリゴ構造を有する化合物として、例えば、1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸、6,6’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス[4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビ(ジアマンタン)なども挙げられるが、ダイヤモンドイド構造の定義内にある構造であれば、これに限定されない。また、多環式骨格構造を有する基の結合位置も同様に限定されない。
上記ジカルボン酸中のアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。これらの化合物の例としては、3,3’−(5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−(5,5’,7,7’−テトラエチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−(5,5’,7,7’−テトラブチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−(5,5’−ジメチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−(5,5’−ジエチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−(5,5’−ジブチル−1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,3’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1‘−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−(5,5’,7,7’)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−カルボキシ−6−(3,5−ジメチルアダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−(5,5’,7,7’−テトラメチル)ビアダマンタン、3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’−ジブチル)−1,1’−ビアダマンタン、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の中でも、アダマンタンジカルボン酸、ビアダマンタンジカルボン酸、テトラアダマンタンジカルボン酸が好ましく、これらの具体例としては、アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸、5,7−ジメチル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸、テトラアダマンタンジカルボン酸などが好ましいが、ビアダマンタンジカルボン酸がより好ましい。これらのジカルボン酸におけるアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基(具体的にしました)などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。
これらのジカルボン酸は単独または2種類以上組み合わせて使用しても良い。
ダイヤモンドイド構造を有する官能基を前記ジカルボン酸化合物に導入する方法としては、例えば、ジブロモ−アダマンタンとブロモベンゼンとのフリーデル−クラフツ反応からビス−(4−ブロモ−フェニル)−1,3−アダマンタンを合成し、ブロモ基をアルキルリチウムでアニオン化し、炭酸ガス、酸で処理することにより、ビス−(4−カルボキシ−フェニル)−1,3−アダマンタンを合成することができる。また、ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−アダマンタンと4−ブロモ安息香酸メチルとをエーテル化反応させ、更に脱エステル還元反応により、ビス−[4−(4−カルボキシ−フェノキシ−)フェニル]1,3−アダマンタンを合成することができる。
1−3−2 ダイヤモンドイド構造以外の官能基にダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸
該ジカルボン酸の内、エチニル基を介してダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸としては、例えば、3−アダマンチルエチニルフタル酸、4−アマンチルエチニルフタル酸、5−アマンチルエチニルイソフタル酸等のエチニルイソフタル酸、2−アマンチルエチニルテレフタル酸および3−アマンチルエチニルテレフタル酸等のエチニルテレフタル酸等のエチニルフタル酸:、
2−アマンチルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸および3−アマンチルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸等のエチニル−ナフタレンジカルボン酸:、
4,4’−ビスアダマンチルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸および5,5’−ビスアマンチルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のジエチニル−ビフェニルジカルボン酸:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−3−アマンチルエチニルフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(2−カルボキシ−4−アマンチルエチニルフェニル)プロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)プロパン:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−4−アマンチルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス(3−カルボキシ−5−アマンチルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン:、
4−アダマンチルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−アマンチルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−アダマンチルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−アダマンチルエチニル−ベンゼンの構造異性体および5−(3−アダマンチルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−アダマンチルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)フタル酸などが挙げられるが、これらのジカルボン酸におけるアダマンチルエチニル部位はジアマンチルエチニル基、トリアマンチルエチニル基、テトラマンチルエチニル基、ペンタマンチルエチニル基、ヘキサマンチルエチニル基、ヘプタマンチルエチニル基、オクタマンチルエチニル基、ノナマンチルエチニル基、デカマンチルエチニル基およびウンデカマンチルエチニル基などの基、ビアダマンチルエチニル基、トリアダマンチルエチニル基、テトラアダマンチルエチニル基、ペンタアダマンチルエチニル基、ヘキサアダマンチルエチニル基、ヘプタアダマンチルエチニル基、オクタアダマンチルエチニル基、ノナアダマンチルエチニル基、デカアダマンチルエチニル基およびウンデカアダマンチルエチニル基などの基、アダマンチルフェニルエチニル基、ジアマンチルフェニルエチニル基、トリアマンチルフェニルエチニル基、テトラマンチルフェニルエチニル基、ペンタマンチルフェニルエチニル基、ヘキサマンチルフェニルエチニル基、ヘプタマンチルフェニルエチニル基、オクタマンチルフェニルエチニル基、ノナマンチルフェニルエチニル基、デカマンチルフェニルエチニル基およびウンデカマンチルフェニルエチニル基などの基、ビアダマンチルフェニルエチニル基、トリアダマンチルフェニルエチニル基、テトラアダマンチルフェニルエチニル基、ペンタアダマンチルフェニルエチニル基、ヘキサアダマンチルフェニルエチニル基、ヘプタアダマンチルフェニルエチニル基、オクタアダマンチルフェニルエチニル基、ノナアダマンチルフェニルエチニル基、デカアダマンチルフェニルエチニル基およびウンデカアダマンチルフェニルエチニル基などの基、アダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ジアマンチルフェノキシフェニルエチニル基、トリアマンチルフェノキシフェニルエチニル基、テトラマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘキサマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘプタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、オクタマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ノナマンチルフェノキシフェニルエチニル基、デカマンチルフェノキシフェニルエチニル基およびウンデカマンチルフェノキシフェニルエチニル基などの基、ビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、トリアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、テトラアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘキサアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ヘプタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、オクタアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ノナアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、デカアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基およびウンデカアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基などの基であっても良い。これらの中でも、アダマンチルフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェニルエチニル基、アダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基などがより好ましい。
また、5−フェニルエチニル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5−エチニル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5−フェニルエチニル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸、5−エチニル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸など、カルボン酸がアダマンタン構造に結合した化合物も好ましい。これらのジカルボン酸を単独または2種類以上組み合わせて使用しても良い。上記ジカルボン酸化合物中のアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基及びtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。これらの中でも、特にジメチルアダマンチルフェニルエチニル基、トリメチルアダマンチルフェニルエチニル基、テトラメチルビアダマンチルフェニルエチニル基、ペンタメチルビアダマンチルフェニルエチニル基、ジメチルアダマンチルフェニルエチニル基、トリメチルアダマンチルフェニルエチニル基、テトラメチルビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基、ペンタメチルビアダマンチルフェノキシフェニルエチニル基などが好ましい。
1−4 ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸
1−4−1 ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸
ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸としては、例えば3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、5−エチニルイソフタル酸等のエチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸および3−エチニルテレフタル酸等のエチニルテレフタル酸等のエチニルフタル酸:、
2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸および3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸等のエチニル−ナフタレンジカルボン酸:、
4,4’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸および5,5’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のジエチニル−ビフェニルジカルボン酸:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)プロパン:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン:、
4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸および5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)フタル酸:、
5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸等の(エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸等の(エチニル−フェニル)−テレフタル酸等の(エチニル−フェニル)−フタル酸:、
3−フェニルエチニルフタル酸および5−フェニルエチニルイソフタル酸等のフェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸および3−フェニルエチニルテレフタル酸等のフェニルエチニルテレフタル酸等のフェニルエチニルフタル酸:、
2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸等のフェニルエチニル−ナフタレンジカルボン酸、
3,3’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のジフェニルエチニル−ビフェニルジカルボン酸および2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン等のビス(カルボキシ−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(カルボキシ−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸および5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)フタル酸等のフェニルエチニル骨格を有するジカルボン酸:、
3−ヘキシニルフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体および5−(3−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸等のアルキル基エチニル基を有するジカルボン酸:、
4,4’−トランジカルボン酸および3,4’−トランジカルボン酸等のトランジカルボン酸等の分子内にアセチレン骨格を有するジカルボン酸:、
1,2−ビフェニレンジカルボン酸および1,3−ビフェニレンジカルボン酸等のビフェニレン骨格を有するジカルボン酸:、等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、エチニルイソフタル酸、(エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、フェニルエチニル−イソフタル酸および(フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸から選ばれる1種以上のジカルボン酸が好ましい。これにより、最終的に得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度をより向上することができる。
ダイヤモンドイド構造以外の官能基を前記ジカルボン酸に導入する方法としては、例えば特開2002−201158号公報に記載されている方法を挙げることができる。すなわち、ハロゲン化されたジカルボン酸エステルまたは水酸基が導入されたジカルボン酸エステルを用いて官能基を導入することができる。より具体的には、出発原料としてハロゲン化されたジカルボン酸エステルを用いてフェニルアセチレンとカップリング反応によって、フェニルエチニル−ジカルボン酸エステルを得て、更にアルカリ加水分解で脱エステルすることにより、フェニルエチニル−ジカルボン酸を得ることができる。
また、前記トランジカルボン酸は、例えば安息香酸エステル誘導体からスチルベンを作製し、その後にトラン骨格を作製して合成する方法、安息香酸エステル誘導体とフェニルエチニル誘導体からヘック反応を用いてトラン骨格を導入することにより合成する方法等で得ることができる。
また、前記ビフェニレン骨格を有するジカルボン酸は、例えば、Journal of
Polymer Science:Polymer Letters Edition,Vol.16,653−656(9178)に記載されている方法を挙げることができる。具体的には、4,4’−ビフェニル−ジカルボン酸ジメチルのヨウ素化、脱ヨウ素によるビフェニレン化、更に脱エステル化反応で、2,7−ビフェニレンジカルボン酸を得ることができる。
1−4−2 ダイヤモンドイド構造およびダイヤモンドイド構造以外の官能基を有しないジカルボン酸
該ジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸および2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸等のフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルおよび4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル等のビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸および3,3’−オキシビス安息香酸等のビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス−カルボキシフェニル−プロパン(ヘキサフルオロプロパン)、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレンおよび9,9−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するジカルボン酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニルおよび4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル等のビス−カルボキシフェニル−ターフェニル等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
1−5 第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製法
第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸との反応、前記ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸との反応、または、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸との反応により得ることができるが、この反応方法としては、例えば酸クロリド法を挙げることができる。具体的には、N,N’−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、前記ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶化してジカルボン酸クロリドを得る。
次に、このジカルボン酸クロリドと、前記ビスアミノフェノール化合物とをN−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、−30℃ないし室温程度で反応させることにより、第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体(側鎖に官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体)を得ることができる。前記第1の繰り返し単位の繰り返し単位数は、特に限定されないが、2〜1,000が好ましく、特に5〜100が好ましい。繰り返し単位数が前記範囲内であると、特に溶解性、作業性に優れる。
また、酸クロリド法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
2. 第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
前記第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、さらに前記第2の繰り返し単位を含んでいても良い。前記第2の繰り返し単位は、ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる。
前記第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、ダイヤモンドイド構造を有しないポリベンゾオキサゾール樹脂を形成するものである。
前記第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体に用いるダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物としては、前記第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体に用いる1−2)記載のダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、1−4)記載のダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを用いることができる。
2−1 第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸との反応には、前述したような酸クロリド法を挙げることができる。その結果、側鎖にダイヤモンドイド構造を有しないベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。
前記第2の繰り返し単位の繰り返し単位数は、特に限定されないが、2〜1,000が好ましく、特に5〜100が好ましい。繰り返し単位数が前記範囲内であると、特に溶解性、作業性が優れる。
また、酸クロリド法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
3. 第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
さらに、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を詳細に説明すると、前記一般式(1)で表される第3の繰り返し単位を有するものである。
前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、ビスアミノフェノール化合物に由来するダイヤモンドイド構造を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体である。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に弾性率が向上する。弾性率が向上すると、半導体装置を作製するプロセス中の加工性が向上できる。
前記第3の繰り返し単位の繰り返し単位数(k)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
3−1 第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、下記一般式(18)で表され、該式中のXとして、前記一般式(2)及び(3)で表される基の中から選ばれる基を有するビスアミノフェノール化合物と、下記一般式(19)で表され、該式中のYとして、前記一般式(4)、(6−1)、(6−2)、(7−1)、(7−2)、(8)及び(9)で表される基の中から選ばれる基を有するジカルボン酸化合物とを反応させて合成することができ、例えば、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と前記官能基を有しないジカルボン酸と、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸とを、或いは、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と前記官能基を有しないジカルボン酸と前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸とを前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。これらの組合せについては、目的とする特性(例えば誘電率)を得るために自由に選択することができるが、樹脂膜において、より低い誘電率を得る上では、微細な空孔を有する樹脂膜とすることが好ましく、その場合、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と前記官能基を有するジカルボン酸の組合せがより好ましい。

式(18)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基を示し、前記有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基などの炭素数1〜20のアルキル基、−C(=O)−O−結合を介した炭素数1〜20のアルキル基、−(O=)C−を介した炭素数1〜20のビニル基を有する基を示す。
また、酸クロリド法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
4. 第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
また、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は前記一般式(10)で表される繰り返し単位を有するものである。さらに、前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、特に限定されないが、前記一般式(10)で表される第4の繰り返し単位を有することが好ましい。
前記第4の繰り返し単位の繰り返し単位数(m)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
前記第3の繰り返し単位と第4の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位と第4の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
4−1 第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、前記一般式(18)で表され、該式中のXとして、前記一般式(2)及び(3)で表される基の中から選ばれる基を有するビスアミノフェノール化合物と、下記一般式(20)で表され、該式中のYとして、前記一般式(11)、(12−1)及び(12−2)で表される基の中から選ばれる基を有するジカルボン酸化合物とを反応させて合成することができ、例えば、前記ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸とを前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。
また、酸クロリド法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
5. 第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
また、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は前記一般式(13)で表される繰り返し単位を有するものである。さらに、前記第3の繰り返し単位および第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、特に限定されないが、前記一般式(13)で表される第5の繰り返し単位を有することが好ましい。
前記第5の繰り返し単位の繰り返し単位数(m)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
前記第3の繰り返し単位および第4の繰り返し単位と第5の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位および/または第4の繰り返し単位と第5の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
5−1 第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、下記一般式(21)で表され、該式中のXとして、前記一般式(14)及び(15)で表される基の中から選ばれる基を有するビスアミノフェノール化合物と、前記一般式(20)で表され、該式中のYとして、前記一般式(11)、(12−1)及び(12−2)で表される基の中から選ばれる基を有するジカルボン酸化合物とを反応させて合成することができ、例えば、前記ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物および/または前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸とを、前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。これらの組合せについては、上記同様に目的とする特性(例えば誘電率)を得るために自由に選択することができるが、樹脂膜において、より低い誘電率を得る上では、微細な空孔を有する樹脂膜とすることが好ましく、その場合、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するビスアミノフェノール化合物と前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸の組合せがより好ましい。

式(21)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基を示し、前記有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基などの炭素数1〜20のアルキル基、−C(=O)−O−結合を介した炭素数1〜20のアルキル基、−(O=)C−を介した炭素数1〜20のビニル基を有する基を示す。
また、酸クロリド法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
6. 第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
さらに、前記第3の繰り返し単位、前記第4の繰り返し単位および前記第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、特に限定されないが、前記一般式(17)で表される第6の繰り返し単位を有することが好ましい。
前記第6の繰り返し単位の繰り返し単位数(n)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜100までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
前記第3の繰り返し単位、第4の繰り返し単位および/または第5の繰り返し単位と第6の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位、第4の繰り返し単位および/または第5の繰り返し単位と第6の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
6−1 第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、前記一般式(21)で表され、該式中のXとして、前記一般式(14)及び(15)で表される基の中から選ばれる基を有するビスアミノフェノール化合物と、前記一般式(19)で表され、該式中のYとして、前記一般式(4)、(6−1)、(6−2)、(7−1)、(7−2)、(8)及び(9)で表される基の中から選ばれる基を有するジカルボン酸とを反応させて合成することができ、例えば、前記官能基を有しないビスアミノフェノール化合物と前記官能基を有しないジカルボン酸及び/又は前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸化合物とを、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するビスアミノフェノール化合物と前記官能基を有しないジカルボン酸及び/又は前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するジカルボン酸化合物とを、前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。
また、酸クロ法の代わりに活性エステル法を用いてもかまわない。活性エステル法では、例えば、上記ジカルボン酸クロリドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応によりベンゾトリアジルエステルを製造し、このエステルと上記ビスアミノフェノールを上記したのと同様に室温またはそれ以上の温度で反応させれば良い。
また、ビスアミノフェノールとジカルボン酸を反応させるモル比に応じて、末端を1官能カルボン酸誘導体、酸無水物、または1官能のo−アミノフェノール、アミン誘導体で反応させ、末端を封止してもかまわない。
7. ベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物
本発明おいて、上記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、上記式(10)で表される第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、上記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体および上記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、それぞれ混合してベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物として用いる場合は、上記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、上記式(10)で表される第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体および上記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を必須成分とし、該第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第5の繰り返し単位を有するベンゾキオサゾール樹脂前駆体および上記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体から選ばれる2種以上を含む組成物とすることが、本発明の目的である耐熱性および低誘電率に優れた樹脂およびそれから得られる樹脂膜を得る上で好ましい。また、第4の繰り返し単位は、高弾性率化を付与する上で好ましく、第6の繰り返し単位は、密着性を付与する上で好ましいが、どちらも、本発明の目的とする特性を損なわない程度で使用することができる。
8. ポリベンゾオキサゾール樹脂
次にポリベンゾオキサゾール樹脂について説明する。
本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂は、上述したようなベンゾオキサゾール樹脂前駆体を脱水閉環反応して得られる。前記反応は、例えば縮合反応および架橋反応である。
ポリベンゾオキサゾール樹脂を得るには、例えば、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を150〜425℃×5(分)〜24(時間)で反応する方法、UV照射する方法、電子線照射する方法等が挙げられる。
また、前記ポリベンゾオキサゾール樹脂を後述する層間絶縁膜として用いる場合、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体のカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する熱分解性を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られるものを用いることができる。また、高温で分解或いは飛散する有機化合物を反応或いはブレンドして用いることもできる。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂から層間絶縁膜を形成した際にナノフォームを容易に形成できる。
前記カルボキシル基と反応し得る置換基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基等が挙げられる。
また、前記アミノ基と反応し得る置換基としては、例えばカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、無水マレイン酸基、マレイミド基、酸無水物基、アクリレート基等が挙げられる。
また、前記ヒドロキシル基と反応し得る置換基としては、例えば酸無水物基、カルボキシル基、グリシジル基等が挙げられる。
前記反応性オリゴマーのベース樹脂としては、例えばポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でもポリオキシアルキレンまたはポリカーボネートが好ましい。これにより、特に微細なナノフォームを形成できる。
前記反応性オリゴマーの数平均分子量は、特に限定されないが、100〜40,000が好ましく、特に200〜20,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、ナノフォームが凝集し難く、微細で均一なナノフォームを形成できる。
前記ポリベンゾオキサゾール樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、400℃以上が好ましく、特に420℃以上が好ましく、最も450〜500℃が好ましい。ガラス転移温度が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂から得られる樹脂膜の線膨張係数を低下することができる。
9. ワニス
前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾキサゾール樹脂またはベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物は、樹脂膜などを作製する際に、これらを溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒に溶解または分散させることによりワニスとして、樹脂膜などの製造に用いるのが好ましい。前記有機溶媒として、例えば、N−メチル-2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン等を挙げることができ、これら以外であっても、溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒であれば、用いることができる。これらの有機溶媒は1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてよい。
また、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾキサゾール樹脂またはベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物と、前記有機溶媒との割合としては、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物が完全に溶解又は分散し得る量であればよく、特に制限されず、その用途に応じて適宜調整することができるが、一般的には、ワニス中の溶媒含有量は、70〜95重量%程度が好ましい。
本発明のワニスには、前記成分の他に、必要に応じて、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルや硫黄ラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒類などの添加剤を用いることができる。
また、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体およびジアミノフェノール化合物において、一般式(1)、(10)、(13)、(17)および(20)中のR及びRとして、少なくとも一方が水素原子を有する場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、また、R及びRとして、少なくとも一方が、メタクリロイル基のような光架橋性基を含む基を有する場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
また、R及びRとして、少なくとも一方が、炭素数1〜20のアルキル基、−C(=O)−O−結合を介した炭素数1〜20のアルキル基を有する場合は、ワニスへの溶解性を向上させることができる。
10. 樹脂膜
次に、樹脂膜について説明する。
本発明の樹脂膜は、前述したようなベンゾオキサゾール樹脂前駆体もしくは樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物あるいはこれらを含む樹脂組成物で構成されるものである。これにより、密着性および寸法安定性に優れる。
前記樹脂膜としては、例えば半導体用の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜、エッチング保護膜(エッチングストッパー)、接着剤等が挙げられる。これらの中でも半導体用の層間絶縁膜および表面保護膜、エッチング保護膜として好適に用いられる。
前記樹脂膜を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、各種添加剤として、界面活性剤、シランカップリング剤に代表されるカップリング剤、加熱により酸素ラジカルやイオウラジカルを発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類等の触媒等を添加することができる。
また、前記樹脂組成物に感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物等を添加することにより、感光性を有する表面保護膜として用いることもできる。
樹脂膜が前記半導体用の層間絶縁膜の場合、該層間絶縁膜は、特に限定されないが、例えば、より低い誘電率が望まれる場合は、微細孔(ナノフォーム)を有することが好ましい。
前記ナノフォームの平均孔径は、特に限定されないが、10nm以下が好ましく、より6nm以下が好ましく、最も3nm以下が好ましい。平均孔径が前記範囲内であると、特にプロセス中での適合性が高く、パターン形成における誘電特性に優れる。
樹脂膜がナノフォームを形成する半導体用の層間絶縁膜の場合、前記樹脂組成物において、それを構成するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体に、前述したベンゾオキサゾール樹脂前駆体のカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基と、反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られるものを用いるのが好ましい。これにより、層間絶縁膜に容易にナノフォームを形成することができる。また、高温で分解或いは飛散する有機化合物を反応或いはブレンドしてナノフォームを形成することができる。
また、前記樹脂組成物にナノフォームを形成する発泡剤(ポロゲン、ポア・ジェネレーター)を添加しても良い。
前記発泡剤としては、例えば中空構造を有するカーボンナノチューブやフラーレン、かご型シルセスキオキサン、シクロデキストリン、融点の高い有機化合物、揮発性の低い有機化合物、界面活性剤、アゾビス化合物、有機化酸化物、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等が挙げられる。これらの中でも界面活性剤またはハイパーブランチポリマー、融点の高い有機化合物、揮発性の低い有機化合物が好ましい。これにより、発泡剤をポリベンゾオキサゾール樹脂中に均一に分散することが可能となる。発泡剤を均一に分散できると、更に加熱、抽出処理により、微細なナノフォームを得ることができる。
前記層間絶縁膜の空隙率は、特に限定されないが、5〜70%が好ましく、特に7〜50%が好ましい。空隙率が前記下限値未満であると十分な誘電率の低下が発現しなくなる場合があり、前記上限値を超えると膜の機械強度が低下し、弾性率や接着性が低下する場合がある。
前記層間絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましく、特に0.05〜10μmが好ましく、最も0.1〜0.7μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、プロセス適合性に優れる。
前記層間絶縁膜を得る場合、例えば、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を含む樹脂組成物を、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒に溶解することでワニスを作製し、このワニスを適当な支持体、例えば、シリコンウエハやセラミック基板等に塗布して塗膜を形成する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、塗膜を乾燥し、加熱処理をして、溶媒除去に続いて、縮合反応および架橋反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂とし、それを含む樹脂組成物で構成される層間絶縁膜とすることができる。また、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体から樹脂に変換したものが有機溶媒に溶解するものであれば、予め、ベンゾオキサゾール樹脂としてワニスを作製し同様の方法により、層間絶縁膜を得ることができる。その際、塗膜の加熱処理において、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を樹脂に変換する工程を必要としないので、加熱処理時間の短縮をすることができる。
さらに、ナノフォームを形成する場合、前記層間絶縁膜を、さらに加熱処理することにより、微細孔を有する層間絶縁膜とすることもできる。
また、樹脂膜が前記半導体用の保護膜の場合も層間絶縁膜同様に、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、例えば炭酸プロピレン、ジアセトンアルコール、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒に溶解することでワニスを作製し、このワニスを適当な支持体、例えば、シリコンウエハやセラミック基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、乾燥し、加熱処理をして、溶媒除去に続いて、縮合反応および架橋反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂とし、それを含む樹脂組成物で構成される保護膜とすることができる。
前記保護膜の厚さは、特に限定されないが、0.05〜70μmが好ましく、特に0.1〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に半導体素子の保護特性および加工性の両方に優れる。
10. 半導体装置
次に、半導体装置について好適な実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図1上側)に設けられた窒化珪素膜2と、窒化珪素膜2の上に設けられた層間絶縁膜3およびバリア層6で覆われた銅配線層4を有している。
層間絶縁膜3には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部内には銅配線層4が設けられている。
層間絶縁膜3は、ナノフォーム(微細孔)(図示せず。)が形成されている。
また、層間絶縁膜3と、銅配線層4との間には、改質処理層5が設けられている。
また、層間絶縁膜3の上側(窒化珪素膜2と反対側面)には、ハードマスク層7が形成されている。
なお、本実施の形態では、層間絶縁膜3にはナノフォームが形成されているが、本発明はこれに限定されない。
また、本実施の形態では、層間絶縁膜3を用いた半導体装置100について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の半導体装置は、上述したような層間絶縁膜を用いているので寸法精度に優れ、絶縁性を十分に発揮できるので、それにより接続信頼性が優れている。
また、上述したような層間絶縁膜は、配線層との密着性に優れるので、半導体装置の接続信頼性をさらに向上できる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、半導体装置の信号損失を低下することができる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、得られた化合物の同定には、以下の方法を用いた。
1. 核磁気共鳴スペクトル分析(H−NMR、13C(H)−NMR):日本電子製JNM−GSX400型を用いて測定した。H−NMRは共鳴周波数400MHz、13C(H)−NMRは共鳴周波数100MHzで、それぞれ測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−dあるいはCDClを用いた。
2. 赤外分光分析(IR):PERKIN ELMER社製1640型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
3. 質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
1)ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の3工程により、1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタンを得た。
1−1)1,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン(第1の中間体の合成)
温度計、攪拌機、還流管、窒素導入管および30%水酸化ナトリウム水溶液が入ったトラップへの排気管を備えた5つ口の500mLフラスコを氷浴中で冷却し、そのフラスコに、1,3−ジブロモ−アダマンタン6.47g(0.022mol)、フェノール200ml、3臭化アルミニウム2.6g(0.01mol)を入れ、0℃で6時間撹拌した。更に、60℃で4時間加熱し反応させた。反応物を酸性の氷水2,000Lに注ぎ、氷が融けた後、有機層を取り出し、純水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、メタノール中に注ぎ、生成物を析出させた。得られた生成物を減圧乾燥することにより、生成物3.5gを得た。
IR分析によりヒドロキシル基の吸収が3,550〜3,200cm−1にあること、分子量が320である質量分析の結果より、生成物が第1の中間体であることが示された。
1−2)1,3−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン(第2の中間体の合成)
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、20%硝酸水溶液200mL(0.64mol)を入れ、激しく撹拌しながら、上記の操作を繰り返して得た1,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン35g(0.11mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mL中に注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。
得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物30gを得た。
IR分析によりニトロ基の吸収が1,500cm−1付近および1,370cm−1付近にある点、分子量が410である質量分析の結果により、生成物が第2の中間体であることが示された。
1−3)1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタンの合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mLとエタノール30mLを仕込み、さらに、上記第2の中間体8.6g(0.021mol)を、撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15gをエタノール20mLに溶かしたものを、30℃以下の温度で、1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を濾過し、エタノール−塩酸混合液から再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物6.7gを得た。
NMR分析によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、分子量が350である質量分析の結果により、生成物が1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン(ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物)であることが示された。
2)ジカルボン酸(無置換)
ジカルボン酸として、イソフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、ダイヤモンドイド構造を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
4)樹脂膜の製造
上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用のワニスを得た。このワニスを、シリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。その後、窒素雰囲気のオーブン中で、90℃/1分間、250℃/1時間、330℃/1時間の順で加熱し、樹脂膜を得た。
1)ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物の合成
1−1)テトラマンタンの合成
W.Burnsら(Journal Of Chemical Society, Chemical Communication, 1976, 893(1976))の方法に従って、テトラマンタンを合成した。
1−2)1,9−ジブロモ−テトラマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、四塩化炭素200mL、臭素10g(0.063mol)を入れ、撹拌しながら、上記で得たテトラマンタン16.6g(0.057mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物29.0gを得た。IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1にある点、分子量が450である点および質量分析の結果により、生成物が1,9−ジブロモ−テトラマンタンであることが示された。
1−3)1,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタンの合成
実施例1のビスアミノフェノール化合物の合成において、1,3−ジブロモ−アダマンタン(0.022mol)の代わりに上記で得た1,9−ジブロモ−テトラマンタン(0.022mol)を使用した以外は実施例1と同様の方法で、1,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−テトラマンタンを合成した。
2)ジカルボン酸(無置換)
ジカルボン酸として、テレフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)官能基を有するジカルボン酸
下記の工程により、官能基を有するジカルボン酸(5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド)を得た。
3−1)5−ブロモイソフタル酸(第1の中間体)の合成
温度計、撹拌機および滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコに5−アミノイソフタル酸99.18g(0.55mol)と48重量%臭化水素酸165mL、蒸留水150mLを入れ、撹拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、ここへ亜硝酸ナトリウム39.4g(0.57mol)を、蒸留水525mLに溶解したものを、1時間かけて滴下し、ジアゾニウム塩水溶液を得た。温度計、ジムロート冷却管、滴下ロート、撹拌機を備えた4つ口の3Lフラスコに、臭化第一銅94.25g(0.66mol)と48重量%臭化水素酸45mLを入れ、撹拌した。
フラスコを0℃以下に冷却し、上記のジアゾニウム塩水溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後に室温で30分間撹拌し、続けて30分間還流させた。放冷後、析出物を濾別し、蒸留水2Lで2回洗浄し、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、粗生成物117gを得た。精製せずに次の反応へ用いた。
3−2)5−ブロモイソフタル酸ジメチル(第2の中間体)の合成
撹拌機およびジムロート冷却管を備えた500mLフラスコに、上記第1の中間体(5−ブロモイソフタル酸)110g、メタノール500mL、濃硫酸10gを入れ、6時間還流させた。放冷後、蒸留水1L(リットル)に滴下し、これを5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出物を濾別し、蒸留水2L(リットル)で2回洗浄した後、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、5−ブロモイソフタル酸ジメチル109g(0.4mol)を得た(収率89%)。
3−3)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチル(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管および撹拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記第2の中間体(5−ブロモイソフタル酸ジメチル)99.7g(0.365mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)、フェニルアセチレン41.0g(0.401mol)を仕込み、窒素を流した。脱水トリエチルアミン375mLおよび脱水ピリジン200mLを加え、撹拌溶解した。1時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mLに注ぎ析出した固形物を濾取し、さらに水500mL、5モル/リットル濃度塩酸500mL、水500mLで各2回洗浄した。この固形物を、50℃で減圧乾燥することにより、80.6gの5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチルを得た(収率75%)。
3−4)5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩(第4の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管および撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3リットル、水酸化カリウム(85%)180g(2.72mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記第3の中間体(5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチル)80g(0.272mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1リットルで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって90.35gの5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩を得た。
3−5)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
温度計、ジムロート冷却管および撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩82.1g(0.24mol)、1,2−ジクロロエタン400mLを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後、濾過して結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。濾液と洗浄液とを併せて、40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル200mLで2回抽出濾過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の組成生物を得た。これを乾燥したn−ヘキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで13.8gの5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド(官能基を有するジカルボン酸)を得た(収率19%)。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た1,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−テトラマンタン45.5g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりにテレフタル酸クロリド10.1g(0.05mol)と上記の操作を繰り返して得た5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド15.2g(0.05mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、23,000であった。
1)9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンの合成
1−1)1−エチニルアダマンタンの合成
1−エチニルアダマンタンは、M.Foroozeshら(Chem. Res. Toxicol,10,91(1997)に記載の方法で1−アダマンチルメチルケトン(アルドリッチ製)から合成した。
1−2)[9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレンの合成]
2,7−ジブロモフルオレン−9−オンを用いて、Macromolecules,Vol.35,No.26,p9673−9677(2002)に記載された方法に従って、合成した。
1−3)[9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレンの合成]
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mlフラスコに、20%硝酸水溶液200ml(0.64モル)を入れ、激しく撹拌しながら、上記で得た9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレン147.4g(0.29モル)を、少しずつ添加した。添加中、フラスコの内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き、1時間反応を続けた。その後、反応液を、冷水約500ml中に注ぎ、得られた粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶して、固体を得た。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物156gを得た。この生成物を用いて、IR分析を行ったところ、ニトロ基の吸収が1500cm−1付近及び1370cm−1付近にあること、また、ブロモ基の吸収が690〜515cm−1にあること、さらには、質量分析分析を行ったところ、分子量440であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
1−4)[9,9−ビス−(4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジニトロ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル]−フルオレンの合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記で得た9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレン35.9g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、1−1)で得た1−エチニル−アダマンタン10.6g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mlおよび脱水ピリジン38ml、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら、105℃で1時間、加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに、水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500mlで洗浄した。この固形物を、50℃で1日間、減圧乾燥することにより、生成物27.2gを得た。得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、エチニル基の吸収が2260〜2190cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量が757であることより、得られた生成物は、目的物であることを示していた。
1−5)[9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル]−フルオレンの合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mlとエタノール30mlを仕込み、さらに、上記で得た9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン15.9g(0.021モル)を撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15g(g)をエタノール20mlに溶かしたものを、30℃以下の温度で1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を、ろ過し、エタノール−塩酸混合液により再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物11.7gを得た。得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、エチニル基の吸収が2260〜2190cm−1付近にあること、NMR分析を行ったところ、OH基のプロトンの吸収が8.8−9.5ppmに、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにあること、また、質量分析を行ったところ、分子量697であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2)ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸
1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドは、1,3−アダマンタンジカルボン酸(アルドリッチ製)から以下の方法で合成した。
温度計およびジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに1,3−アダマンタンジカルボン酸7.85g(0.035mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル9.16g(0.077mol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム8.0mg(0.00035mol)を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、融点68−69℃で淡黄色の結晶の生成物5.48gを得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量261であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た[9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル]−フルオレン62.7g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに上記の操作を繰り返して得た1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリド26.1g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
1)3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1)3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン
温度計、攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた4つ口の10Lセパラフラスコに、3,3’−ジブロモ−1,1’−ビアダマンタン64.5g(0.15mol)、フェノール1032g(10.95mol)を仕込み155℃で30分間加熱還流した。その後、室温まで冷却した後、メタノール4.3Lを投入し、55℃で10分間加熱還流した。析出物を濾取し、固体をメタノールで洗い流した。60℃で24時間減圧乾燥することにより生成物64.2gを得た(収率93.7%)。
得られた生成物は、DMSO-d溶液中のNMR分析により、
8.79ppm(2H)、7.12ppm(4H)、6.67ppm(4H)、2.12ppm(4H)、1.72ppm(8H)、1.59ppm(16H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−2)3,3’−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、窒素導入管、攪拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記での方法で得た3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン45.46g(0.100mol)およびジクロロメタン600mLを仕込み、フラスコ中に窒素を流した。フラスコをメタノール/氷浴で冷却し、攪拌しながら、60%硝酸水溶液27.30g(0.260mol)を滴下した。続いて内温0℃以下で30分攪拌後、水/氷浴に換えて0〜5℃で2時間攪拌し、さらに水/氷浴をはずして室温で2時間攪拌した。反応液を濾過して、濾物として得られた黄色固体をイオン交換水1000mLで3回洗浄し、60℃で1日減圧乾燥することにより、3,3’−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン31.04gを得た(収率57%)。
得られた生成物は、DMSO-d溶液中のNMR分析により、1.43ppm(s、16H)、1.70−1.80ppm(m、8H)、2.14ppm(s、4H)、7.07ppm(d、2H)、7.60ppm(d、2H)、7.75ppm(s、2H)、10.72ppm(OH)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−3) 3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
上記で得られた3,3’−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン31.04g(0.057mol)および10%パラジウム活性炭2.42g(0.00114mol)、テトラヒドロフラン310mL、N−メチルピロリドン62mLを、水素雰囲気下、室温で30時間攪拌した。さらにN−メチルピロリドン31mLを加えて15分攪拌後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水1200mLに滴下して析出した固体をメタノール620mLおよびイオン交換水620mLの混合液で3回洗浄し、60℃で2日間減圧乾燥することにより、目的物である灰色粉末の3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン23.21gを得た(収率84%)
得られた生成物は、DMSO-d溶液中のNMR分析により、1.53−1.69ppm(m、24H)、2.10ppm(s、4H)、4.30ppm(NH)、6.35ppm(d、2H)、6.53ppm(d、2H)、6.61ppm(s、2H)、8.70ppm(OH)にそれぞれ、プロトンのピークがあること、質量分析より分子量が483であることより、目的物であることを示していた。
2)5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸の合成
実施例2の官能基を有するジカルボン酸の合成において、フェニルアセチレンの代わりに実施例3で合成した1−エチニルアダマンタンを用いた以外は、実施例2の3−3)〜3−5)記載の方法で合成した。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記で得た3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン43.6g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに上記で得た5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸ジクロリド36.1g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,000であった。
1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例1と同様にして合成した1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタンを用いた。
2)置換のジカルボン酸
実施例1と同様に、ジカルボン酸として、イソフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むビスアミノフェノール
実施例3と同様にして合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンを用いた。
4)ダイヤモンドイド構造を含むジカルボン酸
実施例3と同様にして合成した1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドを用いた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン22.8g(0.045mol)と9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン34.8g(0.045mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりにイソフタル酸クロリド10.1g(0.05mol)と1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリド13.1g(0.05mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,000であった。
1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例2と同様にして合成した1,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタンを用いた。
2)官能基を含むジカルボン酸
実施例2と同様にして合成した5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドを用いた。
3)無置換のジカルボン酸
実施例2と同様にテレフタル酸クロリドを用いた。
4)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例4と同様にして合成した3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタンを用いた。
5)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むジカルボン酸
実施例4と同様にして合成した5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸を用いた。
6)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例2と実施例4と同一のものを製造した。
7)ベンゾオキサゾール樹脂のブレンド
上記で得たダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノールと、官能基を含むジカルボン酸と、官能基を有さないジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体50重量%と、上記で得たダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノールと、ダイヤモンドイドエチニル構造を含むジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体50重量%とを溶剤N−メチルピロリドンに溶解して樹脂固形分20重量%のワニスとした。
1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例1と同様にして合成した1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタンを用いた。
2)無置換のジカルボン酸
実施例1と同様に、ジカルボン酸として、イソフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例4と同様にして合成した3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタンを用いた。
4)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むジカルボン酸
実施例4と同様にして合成した5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸ジクロリドを用いた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン15.8g(0.045mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、イソフタル酸クロリド10.2g(0.05mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、3,3’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン21.8g(0.045mol)を滴下して、均一に溶解した後に、
5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸ジクロリド18.1g(0.05mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノールと、無置換のジカルボン酸から構成される繰り返し単位と、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、19,500であった。
1)第3の繰り返し単位に使用されるビスアミノフェノールとジカルボン酸
1−1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例1と同様にして合成した1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタンを用いた。
1−2)無置換のジカルボン酸
実施例1と同様に、ジカルボン酸として、イソフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
2)第4の繰り返し単位に使用されるビスアミノフェノールとジカルボン酸
2−1)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むビスアミノフェノール
実施例3と同様にして合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンを用いた。
2−2)ダイヤモンドイド構造を含むジカルボン酸
実施例3と同様にして合成した1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドを用いた。
3)第5の繰り返し単位に使用されるビスアミノフェノールとジカルボン酸
3−1)官能基を含むビスアミノフェノール
下記の4つの工程により、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレンを得た。
3−1−1)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンの(第1の中間体)合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、20%硝酸水溶液200mL(0.64mol)を入れ、激しく撹拌しながら、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン102g(0.29mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mL中に注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。
得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物70gを得た。
IR分析によりニトロ基の吸収が1,500cm−1付近および1,370cm−1付近にある点、分子量が440である点および質量分析の結果により、生成物が第1の中間体であることが示された。
3−1−2)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレン(第2の中間体)の合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに四塩化炭素200mL、臭素10g(0.063mol)を入れ、撹拌しながら、上記第1の中間体25g(0.057mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物29.0gを得た。IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1にある点、分子量が598である点および質量分析の結果により、生成物が第2の中間体であることが示された。
3−1−3)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記第2の中間体35.9g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、エチニルベンゼン6.74g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mLおよび脱水ピリジン38mL、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら、105℃で1時間、加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに、水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500mLで洗浄した。この固形物を、50℃で1日間、減圧乾燥することにより、生成物28.8gを得た。
IR分析によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、分子量が641である点および質量分析の結果により、生成物が第3の中間体であることが示された。
3−1−4)9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(官能基を有するビスアミノフェノール)の合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mLとエタノール30mLを仕込み、さらに、上記第3の中間体13.7g(0.021mol)を、撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15gをエタノール20mLに溶かしたものを、30℃以下の温度で、1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を濾過し、エタノール−塩酸混合液から再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物10.4gを得た。
IR分析によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、NMR分析によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、分子量が581である点および質量分析の結果により、生成物が9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(官能基を有するビスアミノフェノール化合物)であることが示された。
3−2)無置換のジカルボン酸
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリドは、2,6−ナフタレンジカルボン酸を原料として、塩化チオニルによる酸クロライド化反応により合成した。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン10.5g(0.03mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、イソフタル酸クロリド6.70g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン20.9g(0.03mol)を滴下して、均一に溶解した後に、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリド8.62g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン17.4g(0.03mol)を滴下して、均一に溶解した後に、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド8.35g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、第3の繰り返し単位、第4の繰り返し単位、第5の繰り返し単位がブロック的に結合したベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,500であった。
1)第3の繰り返し単位のビスアミノフェノールとジカルボン酸
1−1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例2と同様にして合成した1,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタンを用いた。
1−2)官能基を含むジカルボン酸
実施例2と同様にして合成した5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドを用いた。
2)第4の繰り返し単位のビスアミノフェノールとジカルボン酸
2−1)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むビスアミノフェノール
実施例3と同様にして合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンを用いた。
2−2)ダイヤモンドイド構造を含むジカルボン酸
実施例3と同様にして合成した1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドを用いた。
3)第5の繰り返し単位のビスアミノフェノールとジカルボン酸
3−1)無置換のビスアミノフェノール
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレンは、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレンを原料として、硝酸によるニトロ化でヒドロキシル基のオルソ位にニトロ基を導入し、さらにニトロ基をパラジウムカーボン触媒による還元反応によりアミノ基に変換して合成した。
3−2)官能基を含むジカルボン酸
5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸ジクロリドは、以下の反応経路で合成した。
3−2−1)[5−(4−ニトロフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第1の中間体)の合成]
温度計、攪拌機、ディーンスターク蒸留器を備えた4つ口の2Lフラスコに5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル133.24g(0.63mol)と4−フルオロニトロベンゼン107.33g(0.76mol)、N,N−ジメチルホルムアミド760mL、トルエン190mLをいれ、副生する水をトルエンで共沸除去しながら165℃で4時間攪拌した。冷却後、反応液を3Lのイオン交換水に投入し、生成物を析出させた。析出物を濾別し、イオン交換水、エタノールで洗浄し、得られた淡黄色固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第1の中間体142.01gを得た(収率68%)。
3−2−2)[5−(4−アミノフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第2の中間体)の合成]
1Lナスフラスコに上記で得た第1の中間体である5−(4−ニトロフェノキシ)イソフタル酸ジメチル66.24g(0.2mol)と10%パラジウム−活性炭6.39g、テトラヒドロフラン440mL、エタノール220mLをいれ、水素雰囲気下で24時間攪拌した。反応液をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮した。これにヘキサンを加え、析出物を濾別し、得られた白色固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第2の中間体55.96gを得た(収率93%)。
3−2−3)[5−(4−ヨードフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第3の中間体)の合成]
温度計、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコにイオン交換水450mL、濃硫酸75mL、上記で得た第2の中間体である5−(4−アミノフェノキシ)イソフタル酸ジメチル45.20g(0.15mol)をいれ、攪拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、亜硝酸ナトリウム12.42g(0.18mol)をイオン交換水25mLに溶解したものを、20分かけて滴下し、5℃以下で40分間攪拌してジアゾニウム塩水溶液を得た。この溶液に、ヨウ化カリウム27.39g(0.165mol)をイオン交換水33mLに溶解したものを加えた。つづけて5℃以下で1時間、室温で1時間攪拌した。析出物を濾別し、酢酸エチル300mLに溶解後、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液200mLで2回、イオン交換水200mLで2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、少量のヘキサンを加えて褐色の粗生成物を析出させた。ソックスレー抽出器を用いて生成物をヘキサンで抽出し、溶媒留去後にメタノールで再結晶することにより、淡黄色固体を得た。濾別した固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第3の中間体25.40gを得た(収率41%)。
3−2−4)[5−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第4の中間体)の合成]
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記で得た第3の中間体である5−(4−ヨードフェノキシ)イソフタル酸ジメチル24.73g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール5.55g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mLおよび脱水ピリジン38mL、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら105℃で1時間加熱還流した。その後トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに水500mLで洗浄した。この固形物を50℃で1日間減圧乾燥することにより、第4の中間体15.14gを得た(収率75%)。
3−2−5)[5−(4−エチニル)フェノキシ]イソフタル酸二カリウム塩(第5の中間体)の合成]
1Lのナスフラスコにn−ブタノール450mL、水酸化カリウム(85%)47.53g(0.32mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに合成した上記で得た第4の中間体である5−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル13.46g(0.04mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をイソプロパノール200mLで2回洗浄し、濾取後50℃で減圧乾燥することにより、第5の中間体13.91gを得た(収率97%)。
3−2−6)[5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸二カリウム塩から5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸(第6の中間体)の合成]
上記で得た第5の中間体である5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸二カリウム塩7.17g(0.02mol)を40mLのイオン交換水に溶解し、5C濾紙にて濾過する事によって不溶物を除去した。この濾液に塩酸をpHが1になるまで撹拌しながら加えた。析出した固形物を濾取し、更にイオン交換水での洗浄、濾過を2回繰り返した。得られた固形物を50℃で減圧乾燥する事により、第6の中間体5.42gを得た(収率96%)。
3−2−7)[5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸から5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸ジクロリドの合成]
温度計、ジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに上記で得た第6の中間体である5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸9.88g(0.035mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル9.16g(0.077mol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム8.0mg(0.00035mol)を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、融点68−69℃で淡黄色の結晶の生成物5.14gを得た(収率46%)。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタン15.2g(0.03mol)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン20.9g(0.03mol)、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン11.4g(0.03mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド10.0g(0.033mol)、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリド8.62g(0.033mol)、5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸ジクロリド10.5g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、第3の繰り返し単位、第4の繰り返し単位、第5の繰り返し単位がランダムに結合したベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,500であった。
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物
実施例8の3−1)記載の方法で9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレンを得た。
2)ダイヤモンドイド構造および官能基を有するジカルボン酸化合物
5−[3−(1,1’−ビアダマンタン)]−エチニル−イソフタル酸ジクロリドは、以下の方法で合成した。
2−1) 3−エチニル−(1,1’−ビアダマンタン)の合成
温度計、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口の500mLフラスコを予め−30℃に冷却し、臭化ビニル250mL、3−ブロモ−(1,1’−ビアダマンタン)20.3g(0.058mol)を入れ、撹拌しながら、臭化アルミ6.0g(0.022mol)を少しずつ添加し、−30℃で1時間反応した。その後、塩化メチレン250mLで希釈し、2%の塩酸水溶液2Lに徐々に滴下した。有機層を分離し、水層は塩化メチレンで3回抽出した。併せた有機層を、2%の塩酸水溶液200mLで2回、イオン交換水200mLで2回、食塩水200mLで2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口の500mLフラスコ中で、ジメチルスルホキシド250mLに粗生成物を溶解させ、カリウムtert−ブトキシド31.4g(0.28mol)を室温で加えた。この溶液を室温で3日間撹拌した。その後、塩化メチレン250mLで希釈し、氷水2Lに徐々に滴下した。有機層を分離し、水層は塩化メチレンで抽出した。併せた有機層を、イオン交換水200mLで5回、食塩水200mLで1回、洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲル(90%ヘキサン/塩化メチレン)で精製し、3−エチニル−(1,1’−ビアダマンタン)を得た(収率61%)。
2−2) 5−[3−(1,1’−ビアダマンタン)]−エチニル−イソフタル酸ジクロリドの合成
実施例2の官能基を有するジカルボン酸の合成において、フェニルアセチレンの代わりに2−1)で合成した3−エチニル−(1,1’−ビアダマンタン)を用いた以外は、実施例2の3−3)〜3−5)記載の方法で合成した。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記で得た9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン52.3g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、5−[3−(1,1’−ビアダマンタン)]−イソフタル酸ジクロリド49.5g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
1)ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の5つの工程により、3,3’’’−ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを得た。
1−1)1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
松岡ら(Polymer Preprints,Japan Vol.50,No.2、p277(2001))の方法に従って、1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを合成した。
1−2)3,3’’’−ジブロモ−テトラアダマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、四塩化炭素200mL、臭素10g(0.063mol)を入れ、撹拌しながら、上記で得た1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン30.7g(0.057mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物31.8gを得た。IR測定によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1にある点、分子量が697である点および質量分析の結果により、生成物が3,3’’’−ジブロモ−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
1−3)3,3’’’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
温度計、攪拌機、還流管、窒素導入管および30%水酸化ナトリウム水溶液が入ったトラップへの排気管を備えた5つ口の500mLフラスコを氷浴中で冷却し、そのフラスコに、上記で得た3,3’’’−ジブロモ−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン15.3g(0.022mol)、フェノール200ml、3臭化アルミニウム2.6g(0.01mol)を入れ、0℃で6時間撹拌した。更に、60℃で4時間加熱し反応させた。反応物を酸性の氷水2,000Lに注ぎ、氷が融けた後、有機層を取り出し、純水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、メタノール中に注ぎ、生成物を析出させた。得られた生成物を減圧乾燥することにより、生成物12.7gを得た。
IR分析によりヒドロキシル基の吸収が3,550〜3,200cm−1にあること、分子量が723である質量分析の結果より、生成物が3,3’’’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
1−4)3,3’’’−ビス[(3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)−フェニル]−テトラアダマンタンの合成
上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン88.2g(0.122mol)、3−フルオロ−6−ニトロフェニル ベンジル エーテル36.2g(0.146mol)、N,N−ジメチルホルムアミド300mLの溶液に、炭酸カリウム42.1g(0.304mol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mLで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、3,3’’’−ビス[(3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)−フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン129.3gを得た。
IR分析を行ったところ、ニトロ基の吸収が1500cm−1付近及び1370cm−1付近にあること、また、質量分析分析を行ったところ、分子量1178であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
1−5)3,3’’’−ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
上記で得られた3,3’’’−ビス[(3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)−フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン104.6g(0.0888mol)および、10%パラジウム活性炭4.96g(4.66mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド300mLを、水素雰囲気下、室温で36時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をメタノール200mLおよびイオン交換水2000mLの混合液に滴下した。析出した固体をメタノール200mLおよびイオン交換水2000mLの混合液で3回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、生成物66.6gを得た。
NMR分析によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、質量分析より分子量が937である点より、生成物が3,3’’’−ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
2)ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸化合物の合成
下記の5つの工程により、3,3’’’−ビス−(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを得た。
2−1)3,3’’’−ビス(4−ブロモ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
温度計、攪拌機、還流管、窒素導入管および30%水酸化ナトリウム水溶液が入ったトラップへの排気管を備えた5つ口の500mLフラスコを氷浴中で冷却し、そのフラスコに、実施例11の1−1)および1−2)と同様にして得た3,3’’’−ジブロモ−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン15.3g(0.022mol)、ブロモベンゼン200ml、3臭化アルミニウム2.6g(0.01mol)を入れ、0℃で6時間撹拌した。更に、60℃で4時間加熱し反応させた。反応物を酸性の氷水2,000Lに注ぎ、氷が融けた後、有機層を取り出し、純水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、メタノール中に注ぎ、生成物を析出させた。得られた生成物を減圧乾燥することにより、生成物13.1gを得た。
IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1にあること、元素分析よりBr量が18.8%であること、分子量が849である質量分析の結果より、生成物が3,3’’’−ビス(4−ブロモ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
2−2)3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
温度計、撹拌機、還流管を備えた4つ口の1Lフラスコに乾燥エーテル260ml、上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−ビス(4−ブロモ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン68.8g(0.081モル)を入れ、ブチルリチウム15.1g(0.235モル)を65mlの乾燥エーテルに溶解した溶液を、撹拌しながら、少量ずつ添加した。添加中、内温は10℃以下に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、1時間還流反応を続けた。その後、その反応溶液を、砕いたドライアイス325g(7.38モル)に注いで、30分後、5%水酸化カリウム溶液で抽出した。抽出液を塩酸で酸性側にすることにより、3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを析出させ濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物36.6gを得た(収率58%)。得られた生成物は、IR分析により、カルボン酸の吸収が1710〜1680cm−1にあること、質量分析により、分子量が779であることにより、目的物であることを示していた。
2−3)3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−安息香酸ジクロリド)の合成
温度計およびジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに上記で合成した3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン27.3g(0.035mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル9.16g(0.077mol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム8.0mg(0.00035mol)を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物19.4gを得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量816であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン84.4g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−安息香酸ジクロリド)81.6g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、25,000であった。
1)ダイヤモンドイド構造を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の2つの工程により、3,3’’’−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを得た。
1−1)3,3’’’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、20%硝酸水溶液200mL(0.64mol)を入れ、激しく撹拌しながら、実施例11と同様にして得た1,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン79.5g(0.11mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mL中に注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。
得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物71.5gを得た。
IR分析によりニトロ基の吸収が1,500cm−1付近および1,370cm−1付近にある点、分子量が813である質量分析の結果により、生成物が3,3’’’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
1−2)3,3’’’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mLとエタノール30mLを仕込み、さらに、上記で得た3,3’’’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン17.1g(0.021mol)を、撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15gをエタノール20mLに溶かしたものを、30℃以下の温度で、1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を濾過し、エタノール−塩酸混合液から再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物12.7gを得た。
NMR分析によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、分子量が753である質量分析の結果により、生成物が3,3’’’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンであることが示された。
(2)ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸化合物の合成
下記の3つの工程により、3,3’’’−ビス−[4−(4−カルボキシ−フェノキシ)フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを合成した。
2−1)3,3’’’−ビス[(4−カルボキシメチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
実施例11と同様にして合成した3,3’’’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン88.2g(0.122mol)、4−ブロモ安息香酸メチル65.4g(0.146mol)、N,N−ジメチルホルムアミド300mLの溶液に、炭酸カリウム42.1g(0.304mol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mLで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、3,3’’’−ビス[(4−カルボキシメチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン96.9gを得た。
IR分析を行ったところ、エステル基の吸収が1730〜1715cm−1にあること、また、質量分析分析を行ったところ、分子量991であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2−2)3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸二カリウム塩)の合成
温度計、ジムロート冷却管および撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3リットル、水酸化カリウム(85%)180g(2.72mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−ビス[(4−カルボキシメチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン269.6g(0.272mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1リットルで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって生成物269.5gを得た。
IR分析によりカルボン酸カリウム塩の吸収が690〜515cm−1にあること、元素分析よりK量が7.5%であること、分子量が1039である質量分析の結果より、生成物が3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸二カリウム塩)であることが示された。
2−3)3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸ジクロリド)の合成
温度計、ジムロート冷却管および撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに上記で得た3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸二カリウム塩)249.5g(0.24mol)、1,2−ジクロロエタン600mLを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後、濾過して結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。濾液と洗浄液とを併せて、40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル200mLで2回抽出濾過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の組成生物を得た。これを乾燥したn−ヘキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで118.5gの3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸ジクロリド)を得た)。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量1000であることより、得られた生成物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た3,3’’’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン73.2g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記で得た3,3’’’−(1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン)−ビス−(4−フェノキシ−4−安息香酸ジクロリド)100.0g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、24,000であった。
1) 1,1’−ビ(ジアマンタン)の合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、金属ナトリウム4.6g(0.2mol)とn−オクタン200mlを入れ、内温を0℃に冷やした。激しく撹拌しながら、n−オクタン100mlに予め溶解した1−ジアマンタン26.7g(0.1mol)を徐々に滴下した。滴下中、内温は、0℃〜5℃に保った。滴下終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に組成生物を、熱ヘキサンにより、再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物26.2gを得た。
IR分析によりBr基の吸収(690−515cm−1付近)が消失し、分子量が375である質量分析の結果により、生成物が1,1’−ビ(ジアマンタン)であることが示された。
2)6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ(ジアマンタン)の合成
実施例2の1−2)において、テトラマンタンの代りに、上記で合成した1,1’−ビ(ジアマンタン)21.4g(0.057mol)を用いた以外は実施例2の1−2)と同様に反応を行い、目的物を得た。IR分析によりBr基の吸収が690−515cm−1にある点、分子量が532である質量分析の結果より、生成物が6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ(ジアマンタン)であることが示された。
3)6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)の合成
実施例1の1)において、1,3−ジブロモ−アダマンタン6.47g(0.022mol)の代りに6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ(ジアマンタン)11.7gを用いたい外は、実施例1の1)と同様に反応させて、3ステップで6,6‘−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)を得た。
4)1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
4−1)1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸の合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、96%硫酸水溶液100mLを入れ、0℃に冷却し、激しく撹拌しながら、ギ酸数滴と四塩化炭素50mLに予め溶解した6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ(ジアマンタン)1.74g(0.327mmol)を加えた。98%ギ酸25mLを4時間かけて徐々に滴下した。
その後、反応混合物を冷水約500mLに注ぎ、エーテル100mLで生成物を抽出し、エーテルを蒸発させて抽出物を得た。抽出物を5%アンモニウム水溶液に溶解し、塩酸で酸性条件にした後、エーテルで抽出し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エーテルを蒸発させて、減圧乾燥することにより、生成物1.1gを得た。
IR分析によりBr基の吸収(690−515cm−1付近)が消失し、カルボン酸の吸収が1720−1706cm−1に現れ、分子量が463である質量分析の結果により、生成物が1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸であることが示された。
4−2)1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸ジクロリド
実施例11の2−3)において、3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン27.3g(0.035mol)の代りに1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸16.2g(0.035mol)を用いた以外は実施例11の2−3)と同様にして反応を行った。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量500であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記3)の合成方法で得た6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)53.01g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記の操作を繰り返して得た1,1’−ビ(ジアマンタン)−6,6’−ジカルボン酸ジクロリド50.0g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
1) 3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1) 3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
2Lナスフラスコにマグネシウム9.8g(0.4mol)を秤量し、窒素気流下で、ジエチルエーテル80mLを投入し、攪拌した。次に、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン97.28g(0.4mol)をジエチルエーテル40mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、30分間還流させた。室温に戻した後、真空ポンプにより、ジエチルエーテルを全て除去した。次に、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン48.64g(0.2mol)をジクロロメタン600mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、5時間還流させた。反応液を、イオン交換水400mLに投入し、分液ロートを用いて、ジクロロメタンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去した。さらに、ヘキサン40mLに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製した。エバポレーターにより溶媒を留去して、3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン30.70g(収率47%)を得た。質量分析による分子量が327であることより目的物であることがわかった。
1−2) 3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
500mLナスフラスコに前記3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン30.08g(0.092mol)を秤量し、窒素気流下で、シクロヘキサン200mLを投入し、溶解させた。氷浴により0℃に保ち、t−ブチルブロミド39.2g(0.252mol)と、臭化アルミニウム1.6g(0.0056mol)を投入して、2時間反応させた。反応液にイオン交換水200mLを投入し、分液ロートを用いて、シクロヘキサンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去して、目的物である3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.66g(収率89%)を得た。質量分析による分子量が484であることより目的物であることがわかった。
1−3) 3,3’−ビス(4-ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた4つ口の5Lセパラフラスコに、3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン48.4g(0.1mol)、フェノール688g(7.3mol)を仕込み155℃で30分間加熱還流した。その後、室温まで冷却した後、純水4.3Lを投入し、80℃で10分間加熱還流した。析出物を濾取し、固体を7Lの純水と混合し10分間攪拌後、濾取した。60℃で24h減圧乾燥することにより3,3’−ビス(4-ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン50.6gを得た(収率99.0%)。
得られた生成物は、質量分析による分子量が511であること、DMSO-d溶液中のNMR分析により、9.10ppm(2H)、7.12ppm(4H)、6.67ppm(4H)、1.42−1.05ppm(24H)、0.86ppm(12H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−4) 3,3’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、窒素導入管、攪拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記で得られた3,3’−ビス(4-ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン51.08g(0.100mol)およびジクロロメタン770mLを仕込み、フラスコ中に窒素を流した。フラスコをメタノール/氷浴で冷却し、攪拌しながら、60%硝酸水溶液25.20g(0.240mol)を滴下した。続いて内温0℃以下で30分攪拌後、水/氷浴に換えて0〜5℃で3時間攪拌し、さらに水/氷浴をはずして室温で15分攪拌した。反応液を濾過して、濾物として得られた黄色固体をイオン交換水1500mLで3回洗浄し、60℃で1日減圧乾燥することにより、3,3’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン35.44gを得た(収率59%)。
得られた生成物は、黄色粉末であり、以下のNMR分析により目的物であることがわかった。
H−NMR(δ/ppm,DMSO−D):0.88(s,Me,12H),1.07(m,Adm),1.09−1.30(m,Adm),1.33−1.47(m,Adm),7.05(D,PH,2H),7.60(D,PH,2H),7.75(s,PH,2H)
1−5) 3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
上記で得られた3,3’−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン35.44g(0.059mol)および10%パラジウム活性炭2.50g(0.00118mol)、テトラヒドロフラン350mL、N−メチルピロリドン71mLを、水素雰囲気下、室温で26時間攪拌した。さらにN−メチルピロリドン35mLを加えて15分攪拌後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水1420mLに滴下して析出した固体をメタノール710mLおよびイオン交換水710mLの混合液で3回洗浄し、60℃で2日間減圧乾燥することにより、3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン5.74gを得た(収率18%)。得られた生成物は、紫色粒状であり、質量分析による分子量が541であること、以下のH NMRのデータより目的物であることがわかった。
H−NMR(δ/ppm,DMSO−D):0.86(s,Me,12H),1.05(m,Adm),1.19−1.27(m,Adm),1.37−1.40(m,Adm),4.38(s,NH2),6.33(D,PH,2H),6.53(D,PH,2H),6.61(s,PH,2H),8.70(s,OH)
2. 5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1) 5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸の合成
温度計、撹拌機、還流管を備えた4つ口の1Lフラスコに乾燥エーテル260ml、上記1−2)で得た3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.23g(0.081モル)を入れ、ブチルリチウム15.1g(0.235モル)を65mlの乾燥エーテルに溶解した溶液を、撹拌しながら、少量ずつ添加した。添加中、内温は10℃以下に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、1時間還流反応を続けた。その後、その反応溶液を、砕いたドライアイス325g(7.38モル)に注いで、30分後、5%水酸化カリウム溶液で抽出した。抽出液を塩酸で酸性側にすることにより、5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸を析出させ濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物19.48gを得た(収率58%)。得られた生成物は、IR分析により、カルボン酸の吸収が1710〜1680cm−1にあること、質量分析により、分子量が415であることにより、目的物であることを示していた。
2−2) 5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例3の(2)において、1,3−アダマンタンジカルボン酸7.85g(0.035mol)の代わりに、上記で合成した5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸14.52g(0.035mol)を用いた以外は、同様にして合成し、白色固体を得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1791cm−1付近にあること、CDCl溶液中のNMR分析により、1.51−1.65ppm(12H),1.07−1.24ppm(12H),0.92ppm(12H)にそれぞれプロトンのピークがあること、また、質量分析を行ったところ分子量452であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン48.67g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリド44.86g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
1) 3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1) 3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ベンジロキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた4つ口の1Lセパラフラスコに、実施例4の1−1)で得られた3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン45.45g(0.1mol)、3−ベンジロキシ−4−ニトロ−1−フルオロベンゼン55.6g(0.225mol)、炭酸カリウム55.3g(0.400mol)、N.N’−ジメチルホルムアミ度590mlを仕込み135℃で4時間加熱還流した。その後、室温まで冷却した後、析出物を濾取した。濾取した固体を1800mlの純水と混合し30分間攪拌後、濾取した。濾取した固体を1800mlのメタノールと混合し30分間攪拌後、濾取した。60℃で24h減圧乾燥することにより生成物69.1gを得た(収率76.0%)。
得られた生成物は、CDCl溶液中のNMR分析により、7.93ppm(2H)、7.41−7.32ppm(14H)、6.96ppm(4H)、6.66ppm(2H)、6.50ppm(2H)、2.23ppm(4H)、1.86ppm(8H)、1.73−1.69ppm(16H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−2)3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンの合成
1Lナスフラスコに、上記で得られた3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ベンジロキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン 90.9g(0.1mol)、10%パラジウム活性炭2.12g(0.002mol)、テトラヒドロフラン576mLおよび撹拌子を投入した後、フラスコ内部を水素ガスで置換した。フラスコ内部の水素圧を50psiに保ちながら、20℃で72時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水3.6Lに投入し、固体を再沈殿させて回収した。得られた固体は、イオン交換水13.6L中で30分間攪拌洗浄を2回行い、室温で24時間減圧乾燥することにより、暗赤色粉末状の生成物58.2gを得た(収率87.0%)。
得られた生成物は、DMSO−d溶液中のNMR分析により、9.40−9.10ppm(2H)、7.27ppm(4H)、6.80ppm(4H)、6.56ppm(2H)、6.35ppm(2H)、6.26ppm(2H)、4.60−4.20ppm(2H)、2.12ppm(4H)、1.78−1.69ppm(8H)、1.58ppm(16H)にそれぞれ、プロトンのピークがあること、及び質量分析より分子量が669であることより、から目的物であることを示していた。
2) 1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1) 1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸の合成
実施例14の(2−1)において、3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.23g(0.081mol)の代わりに3,3’−ジブロモ−1,1’−ビアダマンタン34.69g(0.081mol)を用いた以外は、同様にして合成した。
得られた生成物は、IR分析により、カルボン酸の吸収が1710〜1680cm−1にあること、質量分析により、分子量が359であることにより、目的物であることを示していた。
2−2) 1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例3の2.において、1,3−アダマンタンジカルボン酸7.85g(0.035mol)の代わりに、上記で合成した1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸12.5g(0.035mol)を用いた以外は、同様にして合成し白色結晶を得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1792cm−1にあること、CDCl溶液中のNMR分析により、2.21ppm(4H)、1.85−1.97ppm(8H)、1.79ppm(4H)、1.54−1.67ppm(12H)にそれぞれプロトンのピークがあること、また、質量分析において分子量395であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン60.21g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリド39.55g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,000であった。
1) 3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(1−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1) (5−(1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼンの合成)
300mLナスフラスコに、3−フルオロフェノール87.3g(779mmol)、1−ブロモアダマンタン83.8g(389mmol)、トルエン60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、140℃で24時間攪拌を行った。反応液を室温で静置して析出した固体を濾過により回収した。回収固体を冷トルエンで洗浄した後、60℃で減圧乾燥することにより、4−(1−アダマンチル)−3−フルオロフェノール63.2gを得た。
次に、500mLナスフラスコに、上記で得られた4−(1−アダマンチル)−3−フルオロフェノール63.2g(236mmol)、ジクロロメタン300mL、60%硝酸水溶液24.5g(236mmol)および攪拌子を投入し、10℃で1時間攪拌を行った。反応液に1%炭酸水素ナトリウム水溶液100mLを投入した後、分液ロートを用いて有機層を回収し、更に溶媒を減圧除去した。得られた個体を2−プロパノール1200mLより再結晶することにより、(5−(1−アダマンチル)−2−ヒドロキシ−4−フルオロニトロベンゼンの39.5gを得た。
次に、500mLナスフラスコに、上記で得られた(5−(1−アダマンチル)−2−ヒドロキシ−4−フルオロニトロベンゼン30.1g(103mmol)、ベンジルブロミド26.5g(155mmol)、炭酸カリウム42.2g(305mmol)、アセトニトリル200mLおよび攪拌子を投入し、100℃で5時間攪拌を行った。反応液を濾過し、室温で静置して析出した固体を濾過により回収した。回収固体を冷アセトニトリルで洗浄した後、60℃で減圧乾燥することにより、5−(1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼン27.8gを得た。
1−2)3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(1−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例15の1−1)の合成において、3−ベンジロキシ−4−ニトロ−1−フルオロベンゼン55.6g(0.225mol)の代わりに、上記で得られた3−(1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼン92.1g(0.225mol)を用いた以外は、実施例15の1−1)〜1−2)に記載の方法で合成し、目的物を得た。質量分析による分子量が937であることより目的物であることがわかった。
2) 5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1) 5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸の合成
アダマンタン10g(73mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド1.2g(7.4mmol)、コバルト(II)アセチルアセトナート80mg(0.31mmol)、エチニルベンゼン9.2g(90mmol)および酢酸150mLを窒素雰囲気下で撹拌した。ここに一酸化炭素2.0Lおよび酸素0.50Lの混合ガスを、圧力7.5kg/cmで導入し、60℃で12時間撹拌した。反応液を、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を液体クロマトグラフィーおよび再結晶により精製し、5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):324(M
元素分析:理論値(/%):C,74.06;H,6.21;O,19.73、実測値(/%):C,74.54;H,6.42
2−2) 5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例3の(2)において、1,3−アダマンタンジカルボン酸7.85g(0.035mol)の代わりに、上記で合成した5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸11.35g(0.035mol)を用いた以外は、同様にして合成した。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量361であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3‘−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(1−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン84.33g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリド36.13g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
1)3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ−フェニル)−5,5’−ジ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1) 1−(n−ブチル)アダマンタンの合成
1Lナスフラスコにマグネシウム4.9g(0.2mol)を秤量し、窒素気流下で、ジエチルエーテル80mLを投入し、攪拌した。次に、n−ブチルブロミド27.4g(0.2mol)をジエチルエーテル20mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、30分間還流させた。室温に戻した後、真空ポンプにより、ジエチルエーテルを全て除去した。次に、1−ブロモアダマンタン21.5g(0.1mol)をジクロロメタン300mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、5時間還流させた。反応液を、イオン交換水200mLに投入し、分液ロートを用いて、ジクロロメタンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去した。さらに、ヘキサン20mLに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製した。エバポレーターにより溶媒を留去して、目的物である無色透明液体の1−(n−ブチル)アダマンタン7.3gを得た。(収率38%)
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
H−NMR(400MHz,クロロホルム−d):δ1.92(s,3H)、1.65(m,6H)、1.45(d,6H)、1.22(m,4H)、1.02(m,2H)、0.89(t,3H)
MS(FD)(m/z):192.2
元素分析:理論値 C:87.42% H:12.58%
実測値 C:88.00% H:12.90%
1−2) 1−ブロモ−3−(n−ブチル)アダマンタンの合成
200mLナスフラスコに前記1−(n−ブチル)アダマンタン8.8g(0.046mol)を秤量し、窒素気流下で、シクロヘキサン100mLを投入し、溶解させた。氷浴により0℃に保ち、t−ブチルブロミド8.8g(0.063mol)と、臭化アルミニウム0.4g(0.0014mol)を投入して、2時間反応させた。反応液にイオン交換水100mLを投入し、分液ロートを用いて、シクロヘキサンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去して、目的物である無色透明液体の1−ブロモ−3−(n−ブチル)アダマンタン10.4gを得た。(収率84%)
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
H−NMR(400MHz,クロロホルム−d):δ2.28(m,4H),2.12(t,2H)、2.09(s,2H)、1.64(m,2H)、1.48(d,4H)、1.22(m,4H)、1.10(m,2H)、0.90(t、3H)
MS(FD)(m/z):270.1
元素分析:理論値 C:61.99% H:8.55%
実測値 C:60.99% H:8.01%
1−3)3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ−フェニル)−5,5’−ジ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例14の1−1)において、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン97.28g(0.4mol)の代わりに、上記方法で合成した1−ブロモ−3−(n−ブチル)アダマンタン108.50g(0.4mol)を、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン48.64g(0.2mol)の代わりに、1−ブロモ−3−(n−ブチル)アダマンタン54.25g(0.2mol)を用いた以外は同様にして反応させ、3,3’−ジ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタンを得て、引き続き実施例14の1−2)、1−3)の方法に従って反応させ、3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ−フェニル)−5,5’−ジ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタンを得た。
得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量597であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2) 5,5’,7,7’−テトラ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1) 1,3−ジ(n−ブチル)−アダマンタンの合成
1Lナスフラスコにマグネシウム4.9g(0.2mol)を秤量し、窒素気流下で、ジエチルエーテル80mLを投入し、攪拌した。次に、n−ブチルブロミド27.4g(0.2mol)をジエチルエーテル20mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、30分間還流させた。室温に戻した後、真空ポンプにより、ジエチルエーテルを全て除去した。次に、上記1−2)の方法で得られた1−ブロモ−3−(n−ブチル)−アダマンタン27.1g(0.1mol)をジクロロメタン300mLに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後、5時間還流させた。反応液を、イオン交換水200mLに投入し、分液ロートを用いて、ジクロロメタンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去した。さらに、ヘキサン20mLに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製した。エバポレーターにより溶媒を留去して、目的物である1,3−ジ(n−ブチル)−アダマンタン8.20g得た。(収率33%)
得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量249であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2−2) 1−ブロモ−3,5−ジ(n−ブチル)アダマンタンの合成
200mLナスフラスコに前記方法で得た1、3−ジ(n−ブチル)アダマンタン11.43g(0.046mol)を秤量し、窒素気流下で、シクロヘキサン100mLを投入し、溶解させた。氷浴により0℃に保ち、t−ブチルブロミド8.8g(0.063mol)と、臭化アルミニウム0.4g(0.0014mol)を投入して、2時間反応させた。反応液にイオン交換水100mLを投入し、分液ロートを用いて、シクロヘキサンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去して、目的物である1−ブロモ−3,5−ジ(n−ブチル)アダマンタン12.65gを得た。(収率84%)
得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量327であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2−3) 3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラ(n−ブチル)−1,1‘−ビアダマンタンの合成
実施例14の1−1)において、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン48.64g(0.2mol)の代わりに上記の方法で合成した1−ブロモ−3,5−ジ(n−ブチル)アダマンタン65.47g(0.2mol)を用いた以外は、実施例14の1−1)、1−2)の方法に従って合成し、3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタンを得た。
得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量653であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
2−4) 5,5’,7,7’−テトラブチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例14の2−1)において、3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.23g(0.081モル)の代わりに、上記方法で合成した3,3‘−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタン52.87gを用いた以外は、実施例14の2−1)及び2−2)の方法に従って合成し、目的物である5,5’,7,7’−テトラブチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドを得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量620であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ−フェニル)−5,5’−ジ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタン53.7g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た5,5’,7,7’−テトラ(n−ブチル)−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリド62.0g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、23,000であった。
1) 3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
実施例15の1)において、3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン45.45gの代わりに、実施例14の1−3)で得た3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン51.08gを用いた以外は同様に反応を行い、3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンを得た。
2) 5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1)5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸の合成
実施例16の2−1)において、エチニルベンゼン9.2g(90mmol)を1−エチニルアダマンタン14g(87mmol)とした以外は、実施例16と同様にして、5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):382(M
元素分析:理論値(/%):C,75.36;H,7.91;O,16.73、実測値(/%):C,75.58;H,7.87
2−2) 5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例3の(2)において、1,3−アダマンタンジカルボン酸7.85g(0.035mol)の代わりに、上記で合成した5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸13.39g(0.035mol)を用いた以外は、同様にして合成した。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量419であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン65.25g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸ジクロリド41.94g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
1) 3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
1−1)(5−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼンの合成)
実施例16の1−1)において、1−ブロモアダマンタンの代わりに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンを使用した以外は、同様にして合成を行い、5−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼンを得た。
質量分析による分子量が410であることより目的物であることがわかった。
1−2) 3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ベンジルオキシ−6−(3,5−ジメチル)−アダマンチル)−フェノキシ]−フェニル−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた4つ口の2Lセパラフラスコに、実施例14の1−1)の方法で得た3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン51.08g(0.1mol)、1−1)で得た(5−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロニトロベンゼン83.95g(0.205mol)、炭酸カリウム55.3g(0.400mol)、N.N’−ジメチルホルムアミド1000mlを仕込み135℃で4時間加熱還流した。その後、室温まで冷却した後、反応液を10Lの純水と混合し30分間攪拌後、濾取した。濾取した固体を10Lのメタノールと混合し30分間攪拌後、濾取した。60℃で24h減圧乾燥することにより生成物109.6gを得た(収率85.0%)。
得られた生成物は、CDCl溶液中のNMR分析により、
7.97ppm(2H)、7.38ppm(4H)、7.29ppm(6H)、7.20ppm(4H)、6.88ppm(4H)、6.32ppm(2H)、4.95ppm(4H)、2.13−1.17ppm(50H)、0.96ppm(12H)、0.85ppm(12H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−3) 3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチル)−アダマンチル)−フェノキシ]−フェニル−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、攪拌機および窒素導入管を備えた4つ口の2Lセパラフラスコに、上記1−2)の方法で得た3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ベンジルオキシ−6−(3,5−ジメチル)−アダマンチル)−フェノキシ]−フェニル−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン128.97g(0.1mol)、トリメチルシリルヨーダイト160g(0.8mol)、クロロホルム1290mlを仕込み25℃で17時間攪拌した。その後、215mlのメタノールを投入し、10分間攪拌した。反応液を5wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液1290ml、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液1290mlそして純水1290mlを用いてこの順に洗浄した。洗浄後の有機層を減圧留去して固体を得た。この固体を60℃で24h減圧乾燥することにより生成物85.4gを得た(収率77.0%)。
得られた生成物は、CDCl溶液中のNMR分析により、
10.73ppm(2H)、8.03ppm(2H)、7.44ppm(4H)、7.03ppm(4H)、6.28ppm(2H)、2.17−1.15ppm(50H)、0.95ppm(12H)、0.88ppm(12H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
1−4) 3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチル)−アダマンチル)−フェノキシ]−フェニル−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の10Lフラスコに、上記で得た3,3’−ビス[4−(4−ニトロ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチル)−アダマンチル)−フェノキシ]−フェニル−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン110.95g(0.1mol)、ジクロロメタン1760mlを入れ、室温下で完全に溶解するまで攪拌し、その後、アセトニトリル700ml、純水410mlを加えて、そのまま窒素気流下、室温で攪拌を続けた。そこに、ハイドロサルファイトナトリウム208.9g(1.2mol)、1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジウム5.42g(0.01mol)、炭酸カリウム124.38g(0.9mol)を水2600mlに溶解させた水溶液を、滴下漏斗を用いて、徐々に滴下した。35℃で6時間反応させた後、分液漏斗を用いて有機溶媒層を抽出した。カラム操作により、精製を行い、室温で24時間減圧乾燥することにより、生成物87.1gを得た(収率83.0%)。
得られた生成物は、質量分析より、分子量が1050であること、DMSO−d溶液中のNMR分析により、
8.87ppm(2H)、7.28ppm(4H)、6.78ppm(4H)、6.57ppm(2H)、6.11ppm(2H)、4.28ppm(4H)、1.99−1.08ppm(50H)、0.88ppm(12H)、0.77ppm(12H)にそれぞれ、プロトンのピークがあることから目的物であることを示していた。
2) 5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン−3,3’’’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
2−1) 3−ブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
500mLナスフラスコに実施例14の1−1)の方法で合成した3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン30.08g(0.092mol)を秤量し、窒素気流下で、シクロヘキサン200mLを投入し、溶解させた。氷浴により0℃に保ち、t−ブチルブロミド19.6g(0.126mol)と、臭化アルミニウム0.8g(0.0028mol)を投入して、2時間反応させた。反応液にイオン交換水200mLを投入し、分液ロートを用いて、シクロヘキサンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去して、目的物である3−ブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン32.45g(収率87%)を得た。質量分析による分子量が406であることより目的物であることがわかった。
2−2) 3,3’,3’’,3’’’,5,5’,5’’,5’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
実施例14の1−1)において、3,5−ジメチル−1−ブロモアダマンタン97.28g(0.4mol)の代わりに、上記の方法で得られた3−ブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン162.4g(0.4mol)を用いた以外は、同様の方法で目的物である3,3’,3’’,3’’’,5,5’,5’’,5’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンを得た。質量分析による分子量が651であることより目的物であることがわかった。
2−3) 3,3’’−ジブロモ−5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタンの合成
500mLナスフラスコに前記3,3’,3’’,3’’’,5,5’,5’’,5’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン59.89g(0.092mol)を秤量し、窒素気流下で、シクロヘキサン200mLを投入し、溶解させた。氷浴により0℃に保ち、t−ブチルブロミド39.2g(0.252mol)と、臭化アルミニウム1.6g(0.0056mol)を投入して、2時間反応させた。反応液にイオン交換水200mLを投入し、分液ロートを用いて、シクロヘキサンで抽出し、エバポレーターで溶媒を留去して、目的物である3,3’’’−ジブロモ−5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン63.26g(収率85%)を得た。質量分析による分子量が809であることより目的物であることがわかった。
2−4) 5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン−3,3’’’−ジカルボン酸ジクロリドの合成
実施例14の2−1)において、3,3’−ジブロモ−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.23g(0.081モル)の代わりに3,3’’’−ジブロモ−5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン65.52gを用いた以外は、実施例14の2−1)、2−2)と同様にして合成し、目的物である5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン−3,3’’’−ジカルボン酸ジクロリドを得た。
得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、酸クロライドの吸収が1815〜1785cm−1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量776であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、上記1)の合成方法で得た3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−(5,5’、7,7’−テトラメチル)ビアダマンタン94.46g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、上記2)の合成方法で得た5,5’,5’’,5’’’,7,7’,7’’,7’’’−オクタメチル−1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンタン−3,3’’’’−ジカルボン酸ジクロリド77.61g(0.1mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、26,000であった。
1)5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物の合成
1−1)[4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェノールの合成]
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管、及び攪拌機を備えた2リットルフラスコに、フェノール77.4g(0.822mol)及び1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン20.0g(0.0822mol)を仕込み、フラスコ中に窒素を流し、オイルバスで30分間加熱還流した。その後、水800mLを加えて、オイルバスで10分間加熱還流することにより、2層に分離した溶液を得た。この溶液を氷浴で冷やすことにより、下層の橙色溶液を白色固体化させ、デカンテーションにより白色固体を取り出し、2%水酸化ナトリウム水溶液500mL中で2回、水500mL中で2回攪拌し、濾過することにより、7.8gの4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェノールを得た(収率37%)。
1−2)[1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−トリフルオロメタンスルホニロキシベンゼンの合成]
温度計、窒素導入管、及び攪拌機を備えた4つ口の100ミリリットルフラスコに、上記で得た4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェノール4.0g(0.0157mol)及びピリジン20mLを仕込み、フラスコ中に窒素を流して、攪拌溶解した。その後、氷/メタノール浴で冷やすことにより−15℃にし、滴下ロートを用いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下し、滴下終了後、室温で2時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル100mL及び飽和塩化ナトリウム水溶液100mLを加えて、分液ロートに移した。酢酸エチル層を取り出し、飽和塩化ナトリウム水溶液100mLで2回洗浄した。その後ロータリーエバポレーターにより酢酸エチルを減圧留去し、5.4gの1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−トリフルオロメタンスルホニロキシベンゼンを得た(収率88%)。
1−3)[1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−(1−ブチニル))ベンゼンの合成]
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管および攪拌機を備えた4つ口の100ミリリットルフラスコに、上記で得た1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−トリフルオロメタンスルホニロキシベンゼン2.0g(0.0051mol)、トリフェニルホスフィン0.4g(0.0015mol)、ヨウ化銅0.2g(0.0010mol)および2−メチル−3−ブチン−2−オール1.1g(0.0134mol)を仕込み、フラスコ中に窒素を流した。続いて、脱水トリエチルアミン10mlおよび脱水ピリジン10mlを加え、撹拌溶解した。1時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.2g(0.0003mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mlに注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500ml、5mol/L塩酸500ml、水500mlで各2回洗浄した。この固形物を50℃で減圧乾燥することにより、1.5gの1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−(1−ブチニル))ベンゼンを得た(収率91%)。
1−4)[1−(4−エチニルフェニル)−3,5−ジメチルアダマンタンの合成]
温度計、ジムロート冷却管および攪拌機を備えた5Lの4つ口フラスコに、n−ブタノール3リットルおよび水酸化カリウム(85%)226g(2.72mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに、上記で得た1−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−(1−ブチニル))ベンゼン110.0g(0.341mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1リットルで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、81.1gの1−(4−エチニルフェニル)−3,5−ジメチルアダマンタンを得た(90%)。
1−5)[5−ブロモ−イソフタル酸ジメチルから5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸ジメチルの合成]
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管および攪拌機を備えた4つ口の1リットルフラスコに、5−ブロモ−イソフタル酸ジメチル125g(0.458mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)および上記で得た1−(4−エチニルフェニル)−3,5−ジメチルアダマンタン106.0g(0.401mol)(0.401mol)を仕込み、フラスコ中に窒素を流した。続いて、脱水トリエチルアミン375mlおよび脱水ピリジン200mlを加え、撹拌溶解した。1時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mlに注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500ml、5mol/L塩酸500ml、水500mlで各2回洗浄した。この固形物を50℃で減圧乾燥することにより、137.3gの5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸ジメチルを得た(収率75%)。
1−6)[5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸ジメチルから5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩の合成]
温度計、ジムロート冷却管および攪拌機を備えた5Lの4つ口フラスコに、n−ブタノール3リットルおよび水酸化カリウム(85%)226g(2.72mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに、上記で得た5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸ジメチル137.3g(0.301mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1リットルで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、142.8gの5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩を得た(収率94%)。
1−7)[5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩から5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸の合成]
上記で得た5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩9.6g(0.019mol)を20mlのイオン交換水に溶解し、5C濾紙にて濾過することによって不溶物を除去した。この濾液に5mol/L塩酸を、pHが1になるまで撹拌しながら加えた。析出した固形物を濾取し、更にイオン交換水での洗浄、濾過を2回繰り返した。得られた固形物を50℃で減圧乾燥することにより、5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸8.0gを得た(収率98%)。
1−8)[5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩から5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物の合成]
温度計、ジムロート冷却管および攪拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、上記で得た5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二カリウム塩121.1g(0.24mol)および1,2−ジクロロエタン400mlを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を5℃以下で1時間にかけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mlおよびヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後、濾過により冷却時に生じた結晶を除き、その結晶をクロロホルム150mlで洗浄した。濾液と洗浄液とをあわせて、40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣を、ジエチルエーテル200mで2回抽出濾過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の粗生成物を得た。これを、乾燥したn−ヘキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで、38.0gの5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物を得た(収率34%)。
上記得られた5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物のスペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
[5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物(C2826Cl)]
外観:白色粉末
IR:1800−1770cm−1(カルボン酸塩化物)、2260−2190cm−1(エチニル基)
MS(FD)(m/z):394(M−2Cl)
元素分析:理論値 C:72.26% H:5.63% Cl:15.24 O:6.88%
実測値 C:72.41% H:5.08% Cl:15.70 O:6.81%
2)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、実施例9の3−1)で得た9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン17.1g(0.045mol)と実施例14−1)で得た3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−(5,5’,7,7’−テトラメチル)−1,1’−ビアダマンタン24.3g(0.045mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに、実施例14−2)で得た5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’−ジカルボン酸ジクロリドの合成31.64g(0.07mol)と上記で得た5−(2−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)エチニル)イソフタル酸二塩化物13.95g(0.03mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、25,000であった。
(比較例1)
1)官能基を有しないビスアミノフェノール化合物
官能基を有しないビスアミノフェノールとして、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル(東京化成製)を用いた。
2)官能基を有しないジカルボン酸
官能基を有しないジカルボン酸として、イソフタル酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)の代わりに、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル19.5g(0.09mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、17,000であった。
(比較例2)
1)官能基を有しないビスアミノフェノール化合物(無置換)
官能基を有しないビスアミノフェノールとして、実施例9の3−1)と同様にして合成した9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレンを用いた。
2)官能基を有するジカルボン酸
官能基を有するジカルボン酸として、実施例2の3)と同様にして合成した5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドを用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)アダマンタン31.5g(0.09mol)g(0.09mol)の代わりに、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン34.2g(0.09mol)を、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,000であった。
実施例1〜19および比較例1、2で得られた樹脂膜について以下の評価を行った。評価項目を方法と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1. 溶解性
ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体1gと、N−メチル−2−ピロリドン3gを、ふた付きのガラス製サンプル容器に精秤し、撹拌子で1時間撹拌後の不溶物の有無により判断した。
2. 耐熱性
耐熱性は、ガラス転移温度および熱分解温度で評価した。ガラス転移温度は、得られた樹脂膜を動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100)で窒素ガス300mL/min.フロー下、昇温速度3℃/min.、周波数1Hzの条件により測定し、tanδのピークトップ温度をガラス転移温度とした。
また、熱分解温度は、得られた樹脂膜をTG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA220)を用いて、窒素ガス200mL/min.フロー下、昇温速度10℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到達した温度を熱分解温度とした。
3. 比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて半導体用接着フィルムの容量測定を行い下記計算式により比誘電率を算出した。
比誘電率=(容量測定値×フィルムの厚み)/(真空の誘電率×測定面積)
表1から明らかなように実施例1〜20は、ガラス転移温度および熱分解温度が高く、耐熱性に優れていた。
また、実施例1〜20は、溶剤に溶解可能であり、かつ誘電率が低く、作業性および誘電特性に優れていることが示された。
また、比較例1は、溶解性が悪く、樹脂膜を作製することができず、ガラス転移温度、熱分解温度、誘電率が測定できなかった。
また、比較例2は、ガラス転移温度および熱分解温度は優れていたが、誘電率は高かった。
次に、層間絶縁膜および半導体装置について説明する。
コーティング用ワニスおよび半導体装置の製造
実施例3で得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用ワニスを得た。
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に上記で得られたコーティング用ワニスを塗布して、250℃で1時間および420℃で1時間加熱処理して、厚さ0.3μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、前記層間絶縁膜に所定のパターンを形成するように金属配線を形成して、半導体装置を得た。
1)ダイヤモンドイド構造と官能基を有するビスアミノフェノール
実施例3と同様にして合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンを用いた。
2)ダイヤモンドイド構造を含むジカルボン酸
実施例3と同様にして合成した1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドを用いた。
3)熱分解性の反応性オリゴマー
反応性オリゴマーとして、数平均分子量2,000のポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(アルドリッチ製)を用いた。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、上記で得た9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン62.7g(0.09mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、上記で得た1,3−アダマンタンジカルボン酸26.1g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、−15℃に冷却した後に、数平均分子量2,000のポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.02mol)を少しずつ滴下し、−15℃で1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、26,000であった。上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用ワニスを得た。
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に得られたコーティング用ワニスを塗布して、250℃で1時間および420℃で1時間加熱処理して、厚さ0.3μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、前記層間絶縁膜に所定のパターンを形成するように金属配線を形成して、半導体装置を得た。
コーティング用ワニスとして以下のものを用いた以外は、実施例21と同様にした。
1)ダイヤモンドイド構造を含むビスアミノフェノール
実施例1と同様にして合成した1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタンを用いた。
2)無置換のジカルボン酸
実施例1と同様に、ジカルボン酸として、イソフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)ダイヤモンドイドエチニル構造を含むビスアミノフェノール
実施例3と同様にして合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレンを用いた。
4)ダイヤモンドイド構造を含むジカルボン酸
実施例3と同様にして合成した1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリドを用いた。
5)熱分解性の反応性オリゴマー
反応性オリゴマーとして、分子量4,000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(アルドリッチ製)を用いた。
6)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、上記で得た1,3−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アダマンタン15.8g(0.045mol)と上記で得た9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−アダマンチルエチニル−フルオレン31.4g(0.045mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、イソフタル酸クロリド10.2g(0.05mol)と上記で得た1,3−アダマンタンジカルボン酸ジクロリド13.1g(0.05mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、−15℃に冷却した後に、数平均分子量4,000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.01mol)を少しずつ滴下し、−15℃で1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、28,000であった。上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用のワニスを得た。
得られた層間絶縁膜および半導体装置について、前記樹脂膜と同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。なお、空孔サイズの評価には、小角X線散乱法を用いた。
表2から明らかなように実施例21、22及び23は、ガラス転移温度および熱分解温度が高く耐熱性に優れていることが示された。
また、実施例21、22及び23は、溶剤に溶解可能であり、かつ誘電率が特に低く、作業性および誘電特性が特に優れていた。
また、実施例22および23は、微細な空孔が形成されているのが確認された。
次に、得られた半導体装置について配線遅延速度を評価した。
実施例21、22及び23の層間絶縁膜を用いて得られた半導体装置と、この半導体装置と同様な構成でSiO絶縁膜を有する半導体装置との配線遅延の程度を比較した。評価の基準には、リングオシュレータの発信周波数から換算して求めた信号遅延時間を採用した。両者を比較した結果、本発明で得られた半導体装置では、配線遅延が少なく、実施例21では約10%の速度が向上し、また、実施例22および23では約20%の速度の向上があることが確認された。
図1は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 窒化珪素膜
3 層間絶縁膜
4 銅配線層
5 改質処理層
6 バリア層
7 ハードマスク層
100 半導体装置

Claims (22)

  1. 少なくともダイヤモンドイド構造をいずれか一方に有する、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含むことを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  2. さらに、ダイヤモンドイド構造を有しないビスアミノフェノール化合物と、ダイヤモンドイド構造を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる第2の繰り返し単位を含む請求項1に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  3. 前記ダイヤモンドイド構造は、該ダイヤモンドイド構造以外の官能基に有するものである、請求項1または請求項2に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  4. ダイヤモンドイド構造を有しない、ビスアミノフェノール化合物および/またはジカルボン酸化合物が、前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基を有するものである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  5. 前記ダイヤモンドイド構造が、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  6. 前記ダイヤモンドイド構造以外の官能基は、アセチレン結合を有するものである請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  7. 前記ジカルボン酸化合物は、フタル酸、ビス安息香酸、ビフェニルジカルボン酸、の中から選ばれる1種以上である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  8. 前記ダイヤモンドイド構造を有するジカルボン酸は、アダマンタンジカルボン酸、ビアダマンタンジカルボン酸およびテトラアダマンタンジカルボン酸から選ばれる1種以上である請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  9. 前記第1の繰り返し単位と、第2の繰り返し単位とが共重合されているものである請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  10. 下記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

    [式(1)中のRおよびRはそれぞれ独立に水素原子または有機基、kは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(2−1)および式(2−2)、


    (式(2−1)および式(2−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下であり、iは1以上12以下である。)、
    および下記式(3)

    (式(3)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下である;Xは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基;Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;である。)で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;
    式(1)中のYは:下記式(4)

    (式(4)中のWは:下記式(5)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基)
    、下記式(6−1)、下記式(6−2)


    、下記式(7−1)、下記式(7−2)


    (式(7−1)、式(7−2)中のRは、有機基を示す。)
    、下記式(8)

    および下記式(9)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
  11. 下記式(10)に表される第4の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

    [式(10)中のRおよびRはそれぞれ独立に水素原子または有機基、mは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(2−1)および式(2−2)


    (式(2−1)および式(2−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下であり、iは1以上12以下である。)
    および下記式(3)

    (式(3)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下である;Xは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基;Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる基;
    式(10)中のYは:下記式(11−1)および式(11−2)


    、下記式(12−1)および下記式(12−2)


    (式(11−1)、式(11−2)、式(12−1)および式(12−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下であり、iは1以上12以下である。)
    、で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
  12. 上記第3の繰り返し単位を有する請求項11に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  13. 下記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有することを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

    [式(13)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基、nは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(14)

    (式(14)中のXは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基;Arは3価以上の芳香族基;Rは水素、または、有機基;rは0または1;qは1〜4の整数;)
    、下記式(15)

    (式(15)中のXは:下記式(16)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。)
    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;
    式(13)中のYは:下記式(11−1)および式(11−2)


    、下記式(12−1)および下記式(12−2)


    (式(11−1)、式(11−2)、式(12−1)および式(12−2)中のAdmは、ダイヤモンドイド構造の最小単位であるアダマンチル基を示し、pは1以上12以下であり、iは1以上12以下である。)
    、で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
  14. 上記第3の繰り返し単位および/または第4の繰り返し単位を有する請求項13に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  15. さらに、下記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するものである請求項9ないし請求項14のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。

    [式(17)中のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基、nは2〜1,000の間の整数;Xは:下記式(14)

    (式(14)中のXは、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または芳香族基;Arは3価以上の芳香族基;Rは水素、または、有機基;rは0または1;qは1〜4の整数;)
    、下記式(15)

    (式(15)中のXは:下記式(16)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。)
    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基;
    式(17)中のYは:下記式(4)

    (式(4)中のWは:式(5)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。)
    、下記式(6−1)、下記式(6−2)


    、下記式(7−1)、下記式(7−2)


    (式(7−1)、式(7−2)中のRは;有機基を示す。)
    、下記式(8)

    および下記式(9)

    で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。]
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を脱水閉環反応して得られることを特徴とするポリベンゾオキサゾール樹脂。
  17. 上記式(1)で表される第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、上記式(10)で表される第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体または上記式(13)で表される第5の繰り返し単位を有するベンゾキサゾール樹脂前駆体を必須成分とし、該第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体、該第5の繰り返し単位を有するベンゾキサゾール樹脂前駆体および上記式(17)で表される第6の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体から選ばれる2種以上を含むベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物。
  18. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体、請求項16に記載のポリベンゾキサゾール樹脂または請求項17に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物と、これらを溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とするワニス。
  19. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体または請求項16に記載のポリベンゾオキサゾール樹脂または請求項17記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体組成物で構成されることを特徴とする樹脂膜。
  20. 前記樹脂膜は、平均孔径10nm以下の微細孔を有するものである請求項19に記載の樹脂膜。
  21. 前記樹脂膜は、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれるものの一つである請求項19または請求項20に記載の樹脂膜。
  22. 請求項19ないし請求項21のいずれかに記載の樹脂膜を有することを特徴とする半導体装置。
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