JP4702057B2 - ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置 - Google Patents

ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置に関する。
半導体用の層間絶縁膜としては、現在、CVD法(化学蒸着法)等で作製した酸化膜(SiOx膜)が主に使用されている。しかし、酸化膜等の無機絶縁膜は、誘電率が高いため、半導体の高速化、高性能化に対応するのが困難である。そこで、低誘電率の層間絶縁膜として、有機材料の適用が検討されている。層間絶縁膜に用いられる有機材料としては、耐熱性、電気特性に優れ、かつ低誘電率であることが要求される。
従来、有機材料としては、ポリイミド樹脂、ポリキノリン樹脂、ポリキノキサリン樹脂等が検討されている(例えば、特開2000−195853号公報参照)。
しかし、ポリイミド樹脂は、耐熱性が低い、誘電率が高い、吸湿性が高い等の問題があった。そのため、その用途は信頼性の上でバイポーラ半導体素子などの一部の半導体素子に限られていた。
一方、ポリイミド樹脂より高耐熱性、低誘電率性、低吸湿性を兼ね備えたポリキノリン樹脂、ポリキノキサリン樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、樹脂のガラス転移点以上の温度に曝された場合、樹脂のパターンが変形し、半導体製造時に問題となる場合があった。
本発明の目的は、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を提供することにある。
また、本発明の目的は、耐熱性および低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、
アセチレン結合を備える官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位と、
官能基を有しないビスアミノフェノール化合物と、官能基を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる第2の繰り返し単位とを含むことを特徴とする。
これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。
また、前記ビスアミノフェノール化合物の官能基がアセチレン結合を有することにより、有機溶剤への溶解性を保持することができ、それによって加工性を維持すると共に、閉環後の耐熱性を向上させることができる。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記ジカルボン酸化合物がフタル酸、ビス安息香酸、ビフェニルジカルボン酸の中から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記ジカルボン酸化合物がさらにアセチレン結合を備える官能基を有することが好ましい。
これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性をさらに向上することができる。
また、前記ジカルボン酸の官能基がアセチレン結合を有することにより、オキサゾール樹脂前駆体の溶媒への溶解性をより向上することができる。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記第1の繰り返し単位と、前記第2の繰り返し単位とが共重合されていることが好ましい。
また、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、下記式(1)に示す繰り返し単位、または下記式(5)に示す繰り返し単位を第1の繰り返し単位として有することが好ましい。
Figure 0004702057
[式(1)中のR1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基、kは2〜1,000の間の整数;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
(式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
で表される化合物]
Figure 0004702057
[式(5)中のR1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基、mは2〜1,000の間の整数;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
(式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y2は:式(6−1)、式(6−2)、式(7−1)、式(7−2)、式(8)または式(9)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
で表される化合物]
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、下記式(10)に示す繰り返し単位を第2の繰り返し単位として有するものであることが好ましい。
Figure 0004702057
[式(10)中のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基、nは2〜1,000の間の整数;X3は:式(11)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
式(11)中のX4は:式(12)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
で表される化合物]
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記式(1)に示す繰り返し単位、または前記式(5)に示す繰り返し単位と、前記式(10)に示す繰り返し単位とが共重合されているものであることが好ましい。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂は、上述に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を反応して得られることを特徴とする。
これにより、耐熱性に優れ、かつ低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂を得ることができる。
本発明の樹脂膜は、上述に記載のポリベンゾオキサゾール樹脂を含む樹脂組成物で構成されることを特徴とする。
本発明の樹脂膜は、平均孔径10nm以下の微細孔を有することが好ましい。
これにより、特に電気特性(特に誘電特性)、物理特性および機械特性にも優れる。
本発明の樹脂膜は、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれるものの一つであることが好ましい。
本発明の半導体装置は、上述に記載の樹脂膜を有することを特徴とする。
これにより、接続信頼性に優れ、信号損失および配線遅延等が低く電気特性にも優れる半導体装置を得ることができる。
本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜および半導体装置について説明する。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含む。
また、本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂は、上記に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を反応して得られることを特徴とするものである。
また、本発明の樹脂膜は、上記に記載のポリベンゾオキサゾール樹脂を含む樹脂組成物で構成される。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の樹脂膜を有するものである。
まず、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体について説明する。
本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位を含む。これにより、側鎖に官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。さらに、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体から得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性を向上することができる。ここで、耐熱性とは、高温時(具体的には200℃)の弾性率に優れることを意味する。ポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性が向上するのは、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体中のビスアミノフェノール化合物が官能基を有することによって、得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上することができるからである。ポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上すると、かかるポリベンゾオキサゾール樹脂を用いてナノフォーム(微細孔)を形成して層間絶縁膜を得た場合に、ナノフォームが凝集等すること無く、その形状を保持することが可能となる。これにより、層間絶縁膜の誘電率を低下することができる。
さらに、架橋反応を比較的低温で行うことができる。すなわち、ナノフォームを形成するポロジェンが分解する温度以下で架橋することができ、ポロジェンが発生する温度では高い弾性率を有する。したがって、微細で均一なナノフォームの形成を容易にできる。
1. 第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
1−1 官能基を有するビスアミノフェノール化合物
前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物とは、分子内に架橋反応可能な官能基を有するものであって、該官能基は例えばポリベンゾオキサゾール樹脂を得る際に3次元架橋反応することが可能となるものである。
1−1−1 ビスアミノフェノール化合物の官能基
前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物を構成する官能基としては、例えばアセチレン結合を有する官能基、ビフェニレン基、シアナト基、マレイミド基、ナジイミド基、ビニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられる。これらの中でもアセチレン結合を有する官能基が好ましい。これにより、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の溶媒への溶解性を向上することができる。さらに、このベンゾオキサゾール樹脂前駆体から得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性を向上することもできる。
前記アセチレン結合を有する官能基として、具体的にはエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アントリルエチニル基、キノリルエチニル基、キノキサリルエチニル基、アルキルエチニル基、プロパルギルエーテル基等が挙げられる。これらの中でもエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基の中から選ばれる1以上の官能基が好ましい。これにより、特にポリベンゾオキサゾール樹脂のガラス転移温度を向上することができる。また、前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物は工業的な生産性にも優れる。さらに、前記官能基を導入したビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸とを反応して得られるベンゾオキサゾール樹脂前駆体の作業性に優れ(適度な温度で架橋させることが可能)、かつ最終的に得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性、誘電特性のバランスに優れる。
従来、アセチレン結合のような官能基をビスアミノフェノール化合物に導入する場合、例えばニトロ基をアミノ基に還元する際に、導入したアセチレン結合等の官能基も一緒に還元されてしまい、ビスアミノフェノール化合物に官能基を導入するのは困難であった。
これに対して、本発明では以下の方法によりビスアミノフェノール化合物に官能基を導入することが可能となった。
官能基を後述するビスアミノフェノール化合物に導入する方法としては、例えばハロゲン化化合物へのカップリング反応の方法を挙げることができる。具体的には、オルソ−ヒドロキシ−ニトロフェノール構造を有するハロゲン化化合物へのエチニルベンゼンのカップリング反応を基本とし、フェノール基の脱保護および最適な触媒の選択によりアセチレン結合を還元せずにアミノ化反応を行うことで官能基をビスアミノフェノール化合物に導入することができる。
1−1−2 ビスアミノフェノール化合物
前記ビスアミノフェノール化合物としては、例えば2,4−ジアミノ−レゾルシノール、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシルベンゼン等のジヒドロキシルベンゼンを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル等のジヒドロキシ−ビフェニルを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル等のジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有する化合物:、
2,2’−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビナフタレン等のビナフタレン骨格を有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン、ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)スルホン、ビス(4−(4−ヒドロキシ−3−アミノ)フェノキシ−フェニル)スルホン等のスルホン基を有する化合物:、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のフッ素またはフッ素化アルキル基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でもジヒドロキシルベンゼンを有する化合物、ジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物、ビナフタレン骨格を有する化合物の中から選ばれる1種以上のビスアミノフェノール化合物が好ましい。これにより、ビスアミノフェノール化合物に前述したような官能基を他のビスフェノール化合物と比較して容易に導入できる。
1−1−3 官能基を有するビスアミノフェノール化合物の具体例
具体的に官能基を有するビスアミノフェノール化合物としては、2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−エチニル−1,1’−ビナフタレン、2,2'−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−フェニルエチニル−1,1’−ビナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ビナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−エチニル−ナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−フェニルエチニル−ナフタレン)、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2−フェニルエチニルナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニルナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン等のエチニル(フェニルエチニル)−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−エチニル−ベンゼン、1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−フェニルエチニル−ベンゼン、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−エチニル−ベンゼン、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニル−ベンゼン等のエチニル(フェニルエチニル)−ベンゼンを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ビフェニル等のエチニル(フェニルエチニル)−ビフェニルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルスルホンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−プロパンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−ヘキサフルオロプロパンを有するビスアミノフェノール化合物等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもエチニル(フェニルエチニル)−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物、エチニル(フェニルエチニル)−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物より選ばれる1種以上の官能基を有するビスアミノフェノール化合物が好ましい。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の高温時の弾性率を向上することができる。
1−2 ジカルボン酸
前記ジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸等のフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル等のビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸等のビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス−カルボキシフェニル−プロパン(ヘキサフルオロプロパン)、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するジカルボン酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル等のビス−カルボキシフェニル−ターフェニル等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
1−2−1 ジカルボン酸の官能基
前記ジカルボン酸は、特に限定されないが、官能基を有することが好ましい。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性をさらに向上することができる。
ここで、官能基を有するジカルボン酸とは、分子内に架橋反応可能な官能基を有するものであって、該官能基は例えばポリベンゾオキサゾール樹脂を得る際に3次元架橋反応することが可能となるものである。
前記官能基としては、例えばアセチレン結合を有する官能基、ビフェニレン基、シアナト基、マレイミド基、ナジイミド基、ビニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられる。また、分子内に官能基を有するものとして分子内部にアセチレン骨格を有するジカルボン酸、ビフェニレン骨格を有するジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもアセチレン結合を有する官能基が好ましい。これにより、オキサゾール樹脂前駆体の溶媒への溶解性を向上することができる。
前記アセチレン結合を有する官能基として、具体的にはエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アントリルエチニル基、キノリルエチニル基、キノキサリルエチニル基、アルキルエチニル基、プロパルギルエーテル基等が挙げられる。これらの中でもエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基の中から選ばれる1以上の官能基が好ましい。これにより、得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性、特にガラス転移温度を向上することができる。ポリベンゾオキサゾール樹脂の耐熱性が向上するのは、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体中のビスアミノフェノール化合物が官能基を有することによって、得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上することができるからである。さらに、ポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度を向上すると、かかるポリベンゾオキサゾール樹脂を用いてナノフォームを形成して層間絶縁膜を得た場合に、ナノフォームが凝集等すること無くその形状を保持することが可能となる。これにより、層間絶縁膜の誘電率を低下することができる。
さらに、官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、官能基を有するジカルボン酸とを反応して得られる第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体が最も好ましい。これにより、このベンゾオキサゾール樹脂前駆体を用いて得られるポリベンゾオキサゾール樹脂で構成される層間絶縁膜のナノフォームの形状保持性にさらに優れることができる。ナノフォームの形状保持性に優れると、さらなる低誘電率化を図ることができる。ナノフォームの形状保持性に優れる理由は、ポリベンゾオキサゾール樹脂の反応する際に架橋可能な官能基がビスアミノフェノール化合物およびジカルボン酸の両方に有る場合、架橋密度が向上するからであると考えられる。
1−2−2 官能基を有するジカルボン酸の具体例
具体的に官能基を有するジカルボン酸としては、例えば3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、5−エチニルイソフタル酸等のエチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸、3−エチニルテレフタル酸等のエチニルテレフタル酸等のエチニルフタル酸:、
2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸等のエチニル−ナフタレンジカルボン酸:、
4,4'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸等のジエチニル−ビフェニルジカルボン酸:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)プロパン:、
2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(カルボキシ−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン:、
4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(エチニル−フェノキシ)フタル酸:、
5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸等の(エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸等の(エチニル−フェニル)−テレフタル酸等の(エチニル−フェニル)−フタル酸:、
3−フェニルエチニルフタル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸等のフェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタル酸等のフェニルエチニルテレフタル酸等のフェニルエチニルフタル酸:、
2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸等のフェニルエチニル−ナフタレンジカルボン酸、
3,3'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸等のジフェニルエチニル−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン等のビス(カルボキシ−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(カルボキシ−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸等の(フェニルエチニル−フェノキシ)フタル酸等のフェニルエチニル骨格を有するジカルボン酸:、
3−ヘキシニルフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3,3'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸等のアルキル基エチニル基を有するジカルボン酸:、
4,4'−トランジカルボン酸、3,4'−トランジカルボン酸等のトランジカルボン酸等の分子内にアセチレン骨格を有するジカルボン酸:、
1,2−ビフェニレンジカルボン酸、1,3−ビフェニレンジカルボン酸等のビフェニレン骨格を有するジカルボン酸:、等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でもエチニルイソフタル酸、(エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、フェニルエチニルフタル酸、(フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸から選ばれる1種以上のジカルボン酸が好ましい。これにより、最終的に得られるポリベンゾオキサゾール樹脂の架橋密度をより向上することができる。
このような官能基を前記ジカルボン酸に導入する方法としては、例えば特開2002−201158号公報に記載されている方法を挙げることができる。すなわち、ハロゲン化されたジカルボン酸エステルまたは水酸基が導入されたジカルボン酸エステルを用いて官能基を導入することができる。より具体的には、出発原料としてハロゲン化されたジカルボン酸エステルを用いてフェニルアセチレンとカップリング反応によって、フェニルエチニル−ジカルボン酸エステルを得て、更にアルカリ加水分解で脱エステルすることにより、フェニルエチニル−ジカルボン酸を得ることができる。
また、前記トランジカルボン酸は、例えば安息香酸エステル誘導体からスチルベンを作製し、その後にトラン骨格を作製して合成する方法、安息香酸エステル誘導体とフェニルエチニル誘導体からヘック反応を用いてトラン骨格を導入することにより合成する方法等で得ることができる。
また、前記ビフェニレン骨格を有するジカルボン酸は、例えばJournal of Polymer Science: Polymer Letters Edition, Vol. 16,653-656(1978)に記載されている方法を挙げることができる。具体的には、4,4’−ビフェニル−ジカルボン酸ジメチルのヨウ素化、脱ヨウ素によるビフェニレン化、更に脱エステル化反応で、2,7−ビフェニレンジカルボン酸を得ることができる。
1−3 第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製法
前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸(官能基を有するジカルボン酸)との反応には、例えば酸クロリド法を挙げることができる。具体的には、N,N'−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶化してジカルボン酸クロリドを得る。
次に、このジカルボン酸クロリドと、官能基を有するビスアミノフェノール化合物とをN−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、−30℃ないし室温程度で反応させることにより、第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体(側鎖に官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体)を得ることができる。前記第1の繰り返し単位の繰り返し単位数は、特に限定されないが、2〜1,000が好ましく、特に5〜100が好ましい。繰り返し単位数が前記範囲内であると、特に溶解性、作業性に優れる。
2. 第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂
前記第1の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、さらに前記第2の繰り返し単位を含んでいても構わない。前記第2の繰り返し単位は、官能基を有しないビスアミノフェノール化合物(無置換のビスアミノフェノール化合物)と、官能基を有しないジカルボン酸(無置換のジカルボン酸)とを反応して得られる。
前記第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、側鎖に官能基を有しない直鎖状のポリベンゾオキサゾール樹脂を形成するものである。
前記第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
2−1 官能基を有しないビスアミノフェノール化合物
前記官能基を有しないビスアミノフェノール化合物とは、無置換のビスアミノフェノール化合物を意味し、具体的には2,4−ジアミノ−レゾルシノール、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシルベンゼン等のジヒドロキシルベンゼンを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル等のジヒドロキシ−ビフェニルを有する化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル等のジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有する化合物:、
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有する化合物:、
2,2’−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビナフタレン等のビナフタレン骨格を有する化合物:、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のフッ素またはフッ素化アルキル基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でもジヒドロキシ−ビフェニルを有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物、ビナフタレン骨格を有する化合物の中から選ばれる1種以上のビスアミノフェノール化合物が好ましい。これにより、耐熱性を特に向上することができる。さらに、フルオレンまたはビナフタレン骨格を有する化合物を用いると樹脂前駆体の溶解性にも優れる。
2−2 官能基を有しないジカルボン酸
前記官能基を有しないジカルボン酸としては、未置換のジカルボン酸を意味し、具体的には、イソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸等のフタル酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル等のビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4'−スルホニルビス安息香酸、3,4'−スルホニルビス安息香酸、3,3'−スルホニルビス安息香酸、4,4'−オキシビス安息香酸、3,4'−オキシビス安息香酸、3,3'−オキシビス安息香酸等のビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス−カルボキシフェニル−プロパン(ヘキサフルオロプロパン)、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するジカルボン酸、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル等のビス−カルボキシフェニル−ターフェニル等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でもテレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルカルボン酸、フルオレン骨格を有するジカルボン酸等から選ばれる1種以上のジカルボン酸が好ましい。これにより、溶解性、靭性、耐熱分解性を向上することができる。
2−3 第2の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記官能基を有しないビスアミノフェノール化合物と、官能基を有しないジカルボン酸との反応には、前述したような酸クロリド法を挙げることができる。その結果、側鎖に官能基を有しないベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。
前記第2の繰り返し単位の繰り返し単位数は、特に限定されないが、2〜1,000が好ましく、特に5〜100が好ましい。繰り返し単位数が前記範囲内であると、特に溶解性、作業性が優れる。
3. 第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
さらに、本発明のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を詳細に説明すると下記式(1)で示される第3の繰り返し単位を有するものである。
Figure 0004702057
[式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
(式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは、0または1;qは、1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
(式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
で表される化合物]
前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、側鎖(ビスアミノフェノール化合物に由来する)に官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体である。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に架橋密度が向上する。架橋密度が向上すると前述したようにナノフォームの形状保持性が向上するため、層間絶縁膜とした際の誘電特性に優れる。
前記X2としては、具体的にはエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アントリルエチニル基、キノリルエチニル基、キノキサリルエチニル基、アルキルエチニル基等のエチニル基、プロパルギルエーテル基が挙げられる。
前記第3の繰り返し単位の繰り返し単位数(k)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
3−1 第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、例えば前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、官能基を有しないジカルボン酸とを前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。
4. 第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
さらに、前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、特に限定されないが、下記式(5)で示される第4の繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 0004702057
[式(5)中のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
(式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは、0または1;qは、1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y2は:式(6−1)、式(6−2)、式(7−1)、式(7−2)、式(8)または式(9)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
Figure 0004702057
で表される化合物]
前記X2としては、具体的にはエチニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アントリルエチニル基、キノリルエチニル基、キノキサリルエチニル基、アルキルエチニル基等のエチニル基、プロパルギルエーテル基が挙げられる。
前記第4の繰り返し単位の繰り返し単位数(m)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
前記第3の繰り返し単位と第4の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位と第4の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
4−1 第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第4の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、例えば前記官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、官能基を有するジカルボン酸とを前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。
5. 第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体
さらに、前記第3の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、特に限定されないが、下記式(10)で示される第5の繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 0004702057
[式(10)中のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基;X3は:式(11)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
Figure 0004702057
(式(11)中のX4は:式(12)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
(式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
Figure 0004702057
で表される化合物]
前記第5の繰り返し単位の繰り返し単位数(n)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜100までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
前記第3の繰り返し単位と第5の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位と第5の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
また、さらに前記第3の繰り返し単位と、第4の繰り返し単位と、第5の繰り返し単位とは、共重合体または単なる混合物の状態でベンゾオキサゾール樹脂前駆体を構成しても良い。さらに、共重合体の場合、前記第3の繰り返し単位と、第4の繰り返し単位と、第5の繰り返し単位とはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであっても良い。
5−1 第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
前記第5の繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得る方法としては、例えば前記官能基を有しないビスアミノフェノール化合物と、官能基を有しないジカルボン酸とを前述したような酸クロリド法で反応させる方法が挙げられる。
6. ポリベンゾオキサゾール樹脂
次にポリベンゾオキサゾール樹脂について説明する。
本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂は、上述したようなベンゾオキサゾール樹脂前駆体を反応して得られる。前記反応は、例えば縮合反応および架橋反応である。
ポリベンゾオキサゾール樹脂を得るには、例えば前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を150〜425℃×5(分)〜24(時間)で反応する方法、UV照射する方法、電子線照射する方法等が挙げられる。
また、前記ポリベンゾオキサゾール樹脂を後述する層間絶縁膜として用いる場合、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体のカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られるものを用いることが好ましい。これにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂から層間絶縁膜を形成した際にナノフォームを容易に形成できる。
前記カルボキシル基と反応し得る置換基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基等が挙げられる。
また、前記アミノ基と反応し得る置換基としては、例えばカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、無水マレイン酸基、マレイミド基、酸無水物基、アクリレート基等が挙げられる。
また、前記ヒドロキシル基と反応し得る置換基としては、例えば酸無水物基、カルボキシル基、グリシジル基等が挙げられる。
前記反応性オリゴマーのベース樹脂としては、例えばポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でもポリオキシアルキレンまたはポリカーボネートが好ましい。これにより、特に微細なナノフォームを形成できる。
前記反応性オリゴマーの数平均分子量は、特に限定されないが、100〜40,000が好ましく、特に200〜20,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、ナノフォームが凝集し難く、微細で均一なナノフォームを形成できる。
前記ポリベンゾオキサゾール樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、400℃以上が好ましく、特に420℃以上が好ましく、最も450〜500℃が好ましい。ガラス転移温度が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂から得られる樹脂膜の線膨張係数を低下することができる。
7. 樹脂膜
次に、樹脂膜について説明する。
本発明の樹脂膜は、前述したようなポリベンゾオキサゾール樹脂を含む樹脂組成物で構成されるものである。これにより、密着性および寸法安定性に優れる。
前記樹脂膜としては、例えば半導体用の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜、エッチング保護膜(エッチングストッパー)、接着剤等が挙げられる。これらの中でも半導体用の層間絶縁膜および表面保護膜、エッチング保護膜として好適に用いられる。
前記樹脂膜を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、各種添加剤として、界面活性剤、シランカップリング剤に代表されるカップリング剤、加熱により酸素ラジカルやイオウラジカルを発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類等の触媒等を添加することができる。
また、前記樹脂組成物に感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物等を添加することにより、感光性を有する表面保護膜として用いることもできる。
樹脂膜が前記半導体用の層間絶縁膜の場合、該層間絶縁膜は、特に限定されないが、微細孔(ナノフォーム)を有することが好ましい。
前記ナノフォームの平均孔径は、特に限定されないが、10nm以下が好ましく、より6nm以下が好ましく、最も3nm以下が好ましい。平均孔径が前記範囲内であると、特にプロセス中での適合性が高く、パターン形成における誘電特性に優れる。
樹脂膜が半導体用の層間絶縁膜の場合、前記樹脂組成物を構成するポリベンゾオキサゾール樹脂としては、前述したベンゾオキサゾール樹脂前駆体のカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基と、反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られるものが好ましい。これにより、層間絶縁膜に容易にナノフォームを形成することができる。
また、前記樹脂組成物にナノフォームを形成する発泡剤(ポロゲン、ポア・ジェネレーター)を添加しても良い。
前記発泡剤としては、例えば中空構造を有するカーボンナノチューブやフラーレン、かご型シルセスキオキサン、シクロデキストリン、融点の高い有機化合物、界面活性剤、アゾビス化合物、有機化酸化物、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等が挙げられる。これらの中でも界面活性剤またはハイパーブランチポリマーが好ましい。これにより、発泡剤をポリベンゾオキサゾール樹脂中に均一に分散することが可能となる。発泡剤を均一に分散できると、更に加熱、抽出処理により、微細なナノフォームを得ることができる。
前記層間絶縁膜の空隙率は、特に限定されないが、5〜70%が好ましく、特に7〜50%が好ましい。空隙率が前記下限値未満であると十分な誘電率の低下が発現しなくなる場合があり、前記上限値を超えると膜の機械強度が低下し、弾性率や接着性が低下する場合がある。
前記層間絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましく、特に0.05〜10μmが好ましく、最も0.1〜0.7μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、プロセス適合性に優れる。
前記層間絶縁膜を得る場合、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒に溶解することでワニスを作製し、このワニスを適当な支持体、例えば、シリコンウエハやセラミック基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、乾燥し、加熱処理をして、溶媒除去に続いて、縮合反応および架橋反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂とし、それを含む樹脂組成物で構成される層間絶縁膜とすることができる。
さらに、ナノフォームを形成する場合、前記層間絶縁膜を、さらに加熱処理することにより、微細孔を有する層間絶縁膜とすることもできる。
また、樹脂膜が前記半導体用の保護膜の場合も層間絶縁膜同様に、前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、例えば炭酸プロピレン、ジアセトンアルコール、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒に溶解することでワニスを作製し、このワニスを適当な支持体、例えば、シリコンウエハやセラミック基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、乾燥し、加熱処理をして、溶媒除去に続いて、縮合反応および架橋反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂とし、それを含む樹脂組成物で構成される保護膜とすることができる。
前記保護膜の厚さは、特に限定されないが、0.05〜70μmが好ましく、特に0.1〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に半導体素子の保護特性および加工性の両方に優れる。
8. 半導体装置
次に、半導体装置について好適な実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図1上側)に設けられた窒化珪素膜2と、窒化珪素膜2の上に設けられた層間絶縁膜3およびバリア層6で覆われた銅配線層4を有している。
層間絶縁膜3には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部内には銅配線層4が設けられている。
層間絶縁膜3は、ナノフォーム(微細孔)31が形成されている。
また、層間絶縁膜3と、銅配線層4との間には、改質処理層5が設けられている。
また、層間絶縁膜3の上側(窒化珪素膜2と反対側面)には、ハードマスク層7が形成されている。
なお、本実施の形態では、層間絶縁膜3にはナノフォーム31が形成されているが、本発明はこれに限定されない。
また、本実施の形態では、層間絶縁膜3を用いた半導体装置100について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の半導体装置は、上述したような層間絶縁膜を用いているので寸法精度に優れ、絶縁性を十分に発揮できるので、それにより接続信頼性が優れている。
また、上述したような層間絶縁膜は、配線層との密着性に優れるので、半導体装置の接続信頼性をさらに向上できる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、半導体装置の信号損失を低下することができる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、得られた化合物の同定には、以下の方法を用いた。
1. 核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR、13C(1H)−NMR):日本電子製JNM−GSX400型を用いて測定した。1H−NMRは共鳴周波数400MHz、13C(1H )−NMRは共鳴周波数100MHzで、それぞれ測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
2. 赤外分光分析(IR):PERKIN ELMER社製1640型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
3. 質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
[実施例1]
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の4工程により、1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼンを得た。
1−1)1,3−ビス−(3−ベンジロキシ−4−ニトロフェノキシ)−5−ブロモベンゼン(第1の中間体)の合成
温度計、攪拌機、還流管、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、5−ブロモレソルシノール38g(0.20mol)、2−ベンジロキシ−4−フルオロニトロベンゼン109g(0.44mol)、DMF300mLを入れ、窒素気流下、室温で攪拌した。
完全に溶解した後に、炭酸カリウム152g(1.10mol)を加え、120℃まで加熱し、その温度で攪拌を続けた。その後、冷水約2,000mL中に注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。
得られた再結晶物を減圧乾燥することにより、生成物110gを得た。赤外線吸収スペクトル(IR)測定によりニトロ基の吸収が1,500cm−1付近および1,370cm−1付近にある点、分子量が642である点および質量分析の結果より、生成物が第1の中間体であることが示された。
1−2)1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェノキシ)−5−ブロモベンゼン(第2の中間体)の合成
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記第1の中間体64g(0.10mol)、ジクロロメタン300mLを入れ、窒素気流下、室温で攪拌した。
そこに、シリンジを使用して、ヨードトリメチルシラン48g(0.24mol)を、少しずつ加えていった。添加終了後、2時間反応を続けた。その後、冷水約2000mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。
粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた固体を、減圧乾燥することにより、生成物34gを得た。
核磁気共鳴(NMR)測定によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、分子量が462である点より、生成物が第2の中間体であることが示された。
1−3)1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼン(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記第2の中間体28g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、エチニルベンゼン13.48g(0.132mol)、脱水トリエチルアミン72mLおよび脱水ピリジン38mL、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら、105℃で1時間、加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに、水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500mLで洗浄した。
この固形物を、50℃で1日間、減圧乾燥することにより、生成物26.5gを得た。IR測定によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、分子量が484である点および質量分析の結果より、生成物が第3の中間体であることが示された。
1−4)1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼン(官能基を有するビスアミノフェノール)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、上記第3の中間体4.84g(0.01mol)、ジクロロメタン50mLを入れ、室温下で完全に溶解するまで攪拌し、その後、純水10mLを加えて、そのまま窒素気流下、室温で攪拌を続けた。そこに、ハイドロサルファイト13.92g(0.08mol)、1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジウム0.54g(0.001mol)、炭酸カリウム8.29g(0.06mol)を水40mLに溶解させた水溶液を、滴下漏斗を用いて、徐々に滴下した。35℃で6時間反応させた後、分液漏斗を用いて有機溶媒層を抽出した。カラム操作により、精製を行い、生成物2.64gを得た。
IR測定によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、NMR測定によりOH基のプロトンの吸収が8.8−9.5ppmに、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、分子量が424である点および質量分析の結果より、生成物が1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼン(官能基を有するビスアミノフェノール化合物)であることが示された。
2)ジカルボン酸(無置換)
ジカルボン酸として、テレフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
4)樹脂膜の製造
上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(「テフロン」は登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用のワニスを得た。このワニスを、シリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。その後、窒素雰囲気のオーブン中で、90℃/1分間、250℃/1時間、330℃/1時間の順で加熱し、樹脂膜を得た。
[実施例2]
ビスアミノフェノール化合物およびジカルボン酸として下記に記載の合成方法により得られたものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の4工程により、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレンを得た。
1−1)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンの(第1の中間体)合成
温度計、撹拌機、還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、20%硝酸水溶液200mL(0.64mol)を入れ、激しく撹拌しながら、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン102g(0.29mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mL中に注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。
得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物70gを得た。
IRによりニトロ基の吸収が1,500cm−1付近および1,370cm−1付近にある点、分子量が440である点および質量分析の結果により、生成物が第1の中間体であることが示された。
1−2)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレン(第2の中間体)の合成
温度計、撹拌機、還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに四塩化炭素200mL、臭素10g(0.063mol)を入れ、撹拌しながら、上記第1の中間体25g(0.057mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物29.0gを得た。IR測定によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1にある点、分子量が598である点および質量分析の結果により、生成物が第2の中間体であることが示された。
1−3)9,9−ビス−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記で第2の中間体35.9g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、エチニルベンゼン6.74g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mLおよび脱水ピリジン38mL、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら、105℃で1時間、加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに、水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500mLで洗浄した。この固形物を、50℃で1日間、減圧乾燥することにより、生成物28.8gを得た。
IR測定によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、分子量が641である点および質量分析の結果により、生成物が第3の中間体であることが示された。
1−4)9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(官能基を有するビスアミノフェノール)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mLとエタノール30mLを仕込み、さらに、上記第3の中間体13.7g(0.021mol)を、撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15gをエタノール20mLに溶かしたものを、30℃以下の温度で、1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を濾過し、エタノール−塩酸混合液から再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物10.4gを得た。
IR測定によりエチニル基の吸収が2,260〜2,190cm−1付近にある点、NMR測定によりOH基のプロトンの吸収が8.8〜9.5ppmにある点、NH基のプロトンの吸収が4〜4.5ppmにある点、分子量が581である点および質量分析の結果により、生成物が9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン(官能基を有するビスアミノフェノール化合物)であることが示された。
2)官能基を有するジカルボン酸
下記の工程により、官能基を有するジカルボン酸(5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド)を得た。
2−1)5−ブロモイソフタル酸(第1の中間体)の合成
温度計、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコに5−アミノイソフタル酸99.18g(0.55mol)と48重量%臭化水素酸165mL、蒸留水150mLを入れ、撹拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、ここへ亜硝酸ナトリウム39.4g(0.57mol)を、蒸留水525mLに溶解したものを、1時間かけて滴下し、ジアゾニウム塩水溶液を得た。温度計、ジムロート冷却管、滴下ロート、撹拌機を備えた4つ口の3Lフラスコに、臭化第一銅94.25g(0.66mol)と48重量%臭化水素酸45mLを入れ、撹拌した。
フラスコを0℃以下に冷却し、上記のジアゾニウム塩水溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後に室温で30分間撹拌し、続けて30分間還流させた。放冷後、析出物を濾別し、蒸留水2Lで2回洗浄し、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、粗生成物117gを得た。精製せずに次の反応へ用いた。
2−2)5−ブロモイソフタル酸ジメチル(第2の中間体)の合成
撹拌機、ジムロート冷却管を備えた500mLフラスコに、上記第1の中間体(5−ブロモイソフタル酸)110g、メタノール500mL、濃硫酸10gを入れ、6時間還流させた。放冷後、蒸留水1L(リットル)に滴下し、これを5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出物を濾別し、蒸留水2L(リットル)で2回洗浄した後、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、5−ブロモイソフタル酸ジメチル109g(0.4mol)を得た(収率89%)。
2−3)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチル(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管、撹拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記第2の中間体(5−ブロモイソフタル酸ジメチル)99.7g(0.365mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール33.73g(0.401mol)を仕込み、窒素を流した。脱水トリエチルアミン375mLおよび脱水ピリジン200mLを加え、撹拌溶解した。l時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mLに注ぎ析出した固形物を濾取し、さらに水500mL、5モル/リットル濃度塩酸500mL、水500mLで各2回洗浄した。この固形物を、50℃で減圧乾燥することにより、80.6gの5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチルを得た(収率75%)。
2−4)5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩(第4の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3リットル、水酸化カリウム(85%)180g(2.72mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記第3の中間体(5−フェニルエチニルイソフタル酸ジメチル)80g(0.272mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1リットルで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって90.35gの5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩を得た。
2−5)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに5−フェニルエチニルイソフタル酸二カリウム塩82.1g(0.24mol)、1,2−ジクロロエタン400mLを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後、濾過して結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。濾液と洗浄液とを併せて、40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル200mLで2回抽出濾過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の組成生物を得た。これを乾燥したn−ヘキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで13.8gの5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド(官能基を有するジカルボン酸)を得た(収率19%)。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン52.3g(0.09mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、22,000であった。
[実施例3]
ビスアミノフェノール化合物およびジカルボン酸として下記に記載の合成方法により得られたものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物の合成
下記の4工程により、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ジフェニルエチニル−1,1’−ジナフタレンを得た。
1−1)2,2’−ビス(3−ベンジロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−6,6’−ジブロモ−1,1’−ジナフタレン(第1の中間体)の合成
実施例1の1−1)の合成において、5−ブロモレソルシノール38g(0.20mol)の代わりに2,2’−ジヒドロキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ジナフタレン88.8g(0.20mol)を用いた以外は、実施例1の1−1)と同様に反応を行い、第1の中間体を得た。
1−2)2,2’-ビス(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−6,6’−ジブロモ−1,1’−ジナフタレン(第2の中間体)の合成
実施例1の1−2)の合成において、上記第1の中間体89.9g(0.10mol)を用いた以外は、同様に反応を行い、第2の中間体を得た。
1−3)2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)6,6’−ジフェニルエチニル−1,1’−ジナフタレン(第3の中間体)の合成
実施例1の1−3)の合成において、上記第2の中間体43.1g(0.06mol)を用いた以外は、同様に反応を行い、第3の中間体を得た。
1−4)2,2’-ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ジフェニルエチニル−1,1’−ジナフタレンの合成
実施例1の1−4)の合成において、上記第3の中間体7.61g(0.01mol)を用いた以外は、同様に反応を行い、架橋基を有するビスアミノフェノールを得た。
2)ジカルボン酸(無置換)
ジカルボン酸として、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
3)官能基を有しないビスアミノフェノール(無置換)
3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル(東京化成製)を用いた。
4)官能基を有しないジカルボン酸(無置換)
テレフタル酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ジフェニルエチニル−ナフタレン31.6g(0.045mol)と3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル9.73g(0.045mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド14.0g(0.05mol)とテレフタル酸ジクロリド10.2g(0.05mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
[実施例4]
ビスアミノフェノール化合物およびジカルボン酸として下記に記載の合成方法により得られたものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物(9,9−ビス−[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル−]−2,7−ジエチニル−フルオレンの)合成
1−1)9,9−ビス[4(3−ベンジロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジブロモ−フルオレン(第1の中間体)の合成
実施例1の1−1)の合成において、5−ブロモレソルシノール38g(0.20mol)の代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジブロモ−フルオレン101.6g(0.20mol)を用いた以外は、実施例1の1−1)と同様に反応を行い、第1の中間体を得た。
1−2)9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジブロモ−フルオレン(第2の中間体)の合成
実施例1の1−2)の合成において、上記第1の中間体96.3g(0.10mol)を用いた以外は、同様に反応を行い、第2の中間体を得た。
1−3)9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)−フルオレン(第3の中間体)の合成
実施例1の1−3)の合成において、上記第2の中間体46.9g(0.06mol)、およびエチニルベンゼン6.74g(0.066mol)の代わりに3−メチル−1−ブチン−3−オール5.55g(0.066mol)を用いた以外は、同様に反応を行い、第3の中間体を得た。
1−4)9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(エチニル)−フルオレン(第4の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3L、水酸化カリウム(85%)182g(2.763mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記で合成した第3の中間体271.3g(0.344mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1Lで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、第4の中間体を得た。
1−5)9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(エチニル)−フルオレン(架橋基を有するアミノフェノール)の合成
上記第4の中間体6.73g(0.01mol)を用いた以外は、実施例1の1−4)と同様に反応を行い、架橋基を有するビスアミノフェノールを得た。
2)官能基を有するジカルボン酸の合成
5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸ジクロリドは、以下の反応経路で合成した。
2−1)[5−(4−ニトロフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第1の中間体)の合成]
温度計、攪拌機、ディーンスターク蒸留器を備えた4つ口の2Lフラスコに5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル133.24g(0.63mol)と4−フルオロニトロベンゼン107.33g(0.76mol)、N,N−ジメチルホルムアミド760mL、トルエン190mLをいれ、副生する水をトルエンで共沸除去しながら165℃で4時間攪拌した。冷却後、反応液を3Lのイオン交換水に投入し、生成物を析出させた。析出物を濾別し、イオン交換水、エタノールで洗浄し、得られた淡黄色固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第1の中間体142.01gを得た(収率68%)。
2−2)[5−(4−アミノフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第2の中間体)の合成]
1Lナスフラスコに上記で得た第1の中間体である5−(4−ニトロフェノキシ)イソフタル酸ジメチル66.24g(0.2mol)と10%パラジウム−活性炭6.39g、テトラヒドロフラン440mL、エタノール220mLをいれ、水素雰囲気下で24時間攪拌した。反応液をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮した。これにヘキサンを加え、析出物を濾別し、得られた白色固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第2の中間体55.96gを得た(収率93%)。
2−3)[5−(4−ヨードフェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第3の中間体)の合成]
温度計、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコにイオン交換水450mL、濃硫酸75mL、上記で得た第2の中間体である5−(4−アミノフェノキシ)イソフタル酸ジメチル45.20g(0.15mol)をいれ、攪拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、亜硝酸ナトリウム12.42g(0.18mol)をイオン交換水25mLに溶解したものを、20分かけて滴下し、5℃以下で40分間攪拌してジアゾニウム塩水溶液を得た。この溶液に、ヨウ化カリウム27.39g(0.165mol)をイオン交換水33mLに溶解したものを加えた。つづけて5℃以下で1時間、室温で1時間攪拌した。析出物を濾別し、酢酸エチル300mLに溶解後、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液200mLで2回、イオン交換水200mLで2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、少量のヘキサンを加えて褐色の粗生成物を析出させた。ソックスレー抽出器を用いて生成物をヘキサンで抽出し、溶媒留去後にメタノールで再結晶することにより、淡黄色固体を得た。濾別した固体を50℃で1日間減圧乾燥し、第3の中間体25.40gを得た(収率41%)。
2−4)[5−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル(第4の中間体)の合成]
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記で得た第3の中間体である5−(4−ヨードフェノキシ)イソフタル酸ジメチル24.73g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール5.55g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mLおよび脱水ピリジン38mL、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら105℃で1時間加熱還流した。その後トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに水500mLで洗浄した。この固形物を50℃で1日間減圧乾燥することにより、第4の中間体15.14gを得た(収率75%)。
2−5)[5−(4−エチニル)フェノキシ]イソフタル酸二カリウム塩(第5の中間体)の合成]
1Lのナスフラスコにn−ブタノール450mL、水酸化カリウム(85%)47.53g(0.32mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに合成した上記で得た第4の中間体である5−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル13.46g(0.04mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をイソプロパノール200mLで2回洗浄し、濾取後50℃で減圧乾燥することにより、第5の中間体13.91gを得た(収率97%)。
2−6)[5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸二カリウム塩から5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸(第6の中間体)の合成]
上記で得た第5の中間体である5−(4−(エチニル)−フェノキシ)イソフタル酸二カリウム塩7.17g(0.02mol)を40mLのイオン交換水に溶解し、5C濾紙にて濾過する事によって不溶物を除去した。この濾液に塩酸をpHが1になるまで撹拌しながら加えた。析出した固形物を濾取し、更にイオン交換水での洗浄、濾過を2回繰り返した。得られた固形物を50℃で減圧乾燥する事により、第6の中間体5.42gを得た(収率96%)。
2−7)[5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸から5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸ジクロリドの合成]
温度計、ジムロート冷却管を備えた500mLの4つ口フラスコに上記で得た第6の中間体である5−(4−(エチニル)フェノキシ)イソフタル酸9.88g(0.035mol)、1,2−ジクロロエタン100mL、塩化チオニル9.16g(0.077mol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム8.0mg(0.00035mol)を仕込み、3時間加熱還流した。溶液を熱時濾過し、溶媒を減圧濃縮後、ヘキサンを加え再結晶した。得られた固体を減圧乾燥することにより、融点68−69℃で淡黄色の結晶の生成物5.14gを得た(収率46%)。
3)官能基を有しないビスアミノフェノール(無置換)
3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテルは、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを原料として、硝酸を用いたヒドロキシル基のオルソ位のニトロ化、さらに、ニトロ基からアミノ基へのパラジウムカーボン触媒による還元反応により合成した。
4)官能基を有しないジカルボン酸(無置換)
イソフタル酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
5−1)官能基を有するビスアミノフェノールと、官能基を有するジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体の合成
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(エチニル)−フルオレン55.1g(0.09mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸ジクロリド31.9g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
5−2)官能基を有しないビスアミノフェノールと、官能基を有しないジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体の合成
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル20.9g(0.09mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりにイソフタル酸ジクロリド27.9g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、19,000であった。
5−3)ベンゾオキサゾール樹脂のブレンド
官能基を有するビスアミノフェノールと、官能基を有するジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体50重量%と、官能基を有しないビスアミノフェノールと、官能基を有しないジカルボン酸とで構成されるベンゾオキサゾール樹脂前駆体50重量%とを溶剤N−メチルピロリドンに溶解して樹脂固形分20重量%のワニスとした。
[実施例5]
ビスアミノフェノール化合物およびジカルボン酸として下記に記載の合成方法により得られたものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物
実施例1で合成した1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼンを用いた。
2)官能基を有しないジカルボン酸(無置換)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリドは、2,6−ナフタレンジカルボン酸を原料として、塩化チオニルによる酸クロライド化反応により合成した。
3)官能基を有しないビスアミノフェノール(無置換)
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレンは、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレンを原料として、硝酸によるニトロ化でヒドロキシル基のオルソ位にニトロ基を導入し、さらにニトロ基をパラジウムカーボン触媒による還元反応によりアミノ基に変換して合成した。
4)官能基を有するジカルボン酸の合成
4−1)5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル(第1の中間体)の合成
温度計、ジムロー卜冷却管、塩化カルシウム管、撹拌機を備えた4つ口の5Lフラスコに、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル190.0g(0.904mol)、脱水トルエン3L、脱水ピリジン214.7g(2.718mol)を仕込み、撹拌しながら−30℃まで冷却した。ここに無水トリフルオロメタンスルホン酸510.2g(1.808mol)を、温度が−25℃以上に上がらないように注意しながら、ゆっくりと滴下した。この場合、滴下が終了するまでに1時間を要した。滴下終了後、反応温度を0℃に昇温し1時間、さらに室温に昇温し5時間反応した。得られた反応混合物を4Lの氷水に注ぎ、水層と有機層を分離した。更に水層を500mLのトルエンで2回抽出し、これを先の有機層とあわせた。この有機層を水3Lで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム100gで乾燥、濾過により無水硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去、減圧乾燥することによって、淡黄色固体の5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル(第1の中間体)を294.0 g得た(収率95%)。この粗生成物をヘキサンで、再結晶することによって白色針状晶を得、これを次の反応に用いた。
4−2)4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オール(第2の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管、撹拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記1)で得られた5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル125g(0.365mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール33.73g(0.401mol)を仕込み、窒素を流した。脱水トリエチルアミン375mLおよび脱水ピリジン200mLを加え、撹拌溶解した。1時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mLに注ぎ析出した固形物を濾取し、さらに水500mL、5モル/リットル濃度塩酸500mL、水500mLで各2回洗浄した。この固形物を、50℃で減圧乾燥することにより、98.8gの4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オール(第2の中間体)を得た(収率98%)。
4−3)5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩(第3の中間体)の合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3L、水酸化カリウム(85%)182g(2.763mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記第2の中間体である4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オール95g(0.344mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をエタノール1Lで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、88.87gの5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩(第3の中間体)を得た(収率97%)。
4−4)5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、上記第3の中間体である5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩80g(0.3mol)、クロロホルム400Lを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を、5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後濾過して結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。濾液と洗浄液をあわせて40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル200mLで2回抽出濾過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の粗生成物を得た。これを乾燥したn−へキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで13gの5−エチニルイソフタル酸ジクロリドを得た(収率19%)。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン19.1g(0.045mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド12.7g(0.05mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン17.1g(0.045mol)を滴下して、均一に溶解した後に、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド11.4g(0.05mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、20,000であった。
[実施例6]
1)官能基を有するビスアミノフェノール
2、2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ジフェニルエチニル−1,1’−ジナフタレンを実施例3と同様にして合成した。
2)官能基を有するジカルボン酸
5−ヒドロキシ−イソフタル酸ジメチルの代わりに、2−ヒドロキシ−テレフタル酸ジメチルを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−フェニルエチニル−テレフタル酸ジクロリドを合成した。
また、5−エチニル−イソフタル酸ジクロリドは、実施例5と同様にして合成した。
3)官能基を有さないビスアミノフェノール(無置換)
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル(東京化成製)および9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−フルオレンを用いた。9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−フルオレンは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンと1−フルオロ−3−ベンジロキシ−4−ニトロ−ベンゼンからのエーテル化反応で、9,9−ビス[4−(3−ベンジロキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−フェニル]−フルオレンを合成した後に、パラジウムカーボン触媒による脱ベンジル及びニトロ基の還元反応から合成した。
4)官能基を有さないジカルボン酸(無置換)
イソフタル酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
5)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、2、2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ジフェニルエチニル−1,1’−ジナフタレン21.0g(0.03mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、2−フェニルエチニル−テレフタル酸ジクロリド10.0g(0.033mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル6.49g(0.03mol)を滴下して、均一に溶解した後に、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド7.49g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。更に、−15℃に冷却した後、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ−フェニル)−フルオレン16.9g(0.03mol)を添加して、均一に溶解した後に、イソフタル酸ジクロリド6.70g(0.033mol)を、少しずつ添加した。添加終了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、21,000であった。
(比較例1)
1)官能基を有しないビスアミノフェノール化合物
官能基を有しないビスアミノフェノールとして、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル(東京化成製)を用いた。
2)官能基を有しないジカルボン酸
官能基を有しないジカルボン酸として、イソフタル酸ジクロリド(東京化成製)を用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル19.5g(0.09mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりにイソフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、17,000であった。
(比較例2)
1)官能基を有しないビスアミノフェノール化合物(無置換)
官能基を有しないビスアミノフェノールとして、実施例4の3)で合成した3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを用いた。
2)官能基を有するジカルボン酸
官能基を有するジカルボン酸として、実施例2で合成した5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドを用いた。
3)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)の代わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル20.9g(0.09mol)を、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)の代わりに5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.10mol)を用いた以外は、実施例1の3)と同様に反応を行い、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、19,000であった。
実施例1〜6および比較例1、2で得られた樹脂膜について以下の評価を行った。評価項目を方法と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1. 溶解性
ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体1gと、N−メチル−2−ピロリドン3gを、ふた付きのガラス製サンプル容器に精秤し、撹拌子で1時間撹拌後の不溶物の有無により判断した。
2. 耐熱性
耐熱性は、ガラス転移温度および熱分解温度で評価した。ガラス転移温度は、得られた樹脂膜を動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100)で窒素ガス300mL/min.フロー下、昇温速度3℃/min.、周波数1Hzの条件により測定し、tanδのピークトップ温度をガラス転移温度とした。
また、熱分解温度は、得られた樹脂膜をTG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA220)を用いて、窒素ガス200mL/min.フロー下、昇温速度10℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到達した温度を熱分解温度とした。
3. 比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて半導体用接着フィルムの容量測定を行い下記計算式により比誘電率を算出した。
比誘電率=(容量測定値×フィルムの厚み)/(真空の誘電率×測定面積)
Figure 0004702057
表1から明らかなように実施例1〜6は、ガラス転移温度および熱分解温度が高く、耐熱性に優れていた。
また、実施例1〜6は、溶剤に溶解可能であり、かつ誘電率が低く、作業性および誘電特性に優れていることが示された。
また、比較例1は、溶解性が悪く、樹脂膜を作製することができず、ガラス転移温度、熱分解温度、誘電率が測定できなかった。
次に、層間絶縁膜および半導体装置について説明する。
[実施例7]
コーティング用ワニスの製造
1)官能基を有するビスアミノフェノール化合物の合成
実施例1で得られた1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニルベンゼンを用いた。
2)ジカルボン酸(無置換)
ジカルボン酸として、テレフタル酸クロリド(東京化成製)を用いた。
3)反応性オリゴマー
反応性オリゴマーとして、数平均分子量2,000のポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(アルドリッチ製)を用いた。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼン38.2g(0.09mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、−15℃に冷却した後に、数平均分子量2,000のポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.02mol)を少しずつ滴下し、−15℃で1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4Lに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、26,000であった。上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(「テフロン」は登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用ワニスを得た。
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に実施例7で得られたコーティング用ワニスを塗布して、250℃で1時間および420℃で1時間加熱処理して、厚さ0.3μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、前記層間絶縁膜に所定のパターンを形成するように金属配線を形成して、半導体装置を得た。
[実施例8]
コーティング用ワニスとして以下のものを用いた以外は、実施例7と同様にした。
1)官能基を有するビスアミノフェノール
官能基を有するビスアミノフェノールとして、実施例2で合成した9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレンを用いた。
2)官能基を有するジカルボン酸
官能基を有するジカルボン酸として、実施例2で合成した5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドを用いた。
3)反応性オリゴマー
反応性オリゴマーとして、分子量4,000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(アルドリッチ製)を用いた。
4)ベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造
窒素ガスフロー下で、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジフェニルエチニル−フルオレン52.3g(0.09mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、−15℃に冷却した後に、数平均分子量4,000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.01mol)を少しずつ滴下し、−15℃で1時間攪拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、(側鎖に)官能基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、28,000であった。上記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(「テフロン」は登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用のワニスを得た。
得られた層間絶縁膜および半導体装置について、前記樹脂膜と同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。なお、空孔サイズの評価には、小角X線散乱法を用いた。
Figure 0004702057
表2から明らかなように実施例7および8は、ガラス転移温度および熱分解温度が高く耐熱性に優れていることが示された。
また、実施例7および8は、溶剤に溶解可能であり、かつ誘電率が特に低く、作業性および誘電特性が特に優れていた。
また、実施例7および8は、微細な空孔が形成されているのが確認された。
次に、得られた半導体装置について配線遅延速度を評価した。
実施例7および8の層間絶縁膜を用いて得られた半導体装置と、この半導体装置と同様な構成でSiO絶縁膜を有する半導体装置との配線遅延の程度を比較した。評価の基準には、リングオシュレータの発信周波数から換算して求めた信号遅延時間を採用した。両者を比較した結果、本発明で得られた半導体装置では、配線遅延が少なく、約20%の速度の向上があることが確認された。
本発明によれば、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。また、ビスアミノフェノール化合物の官能基として、アセチレン結合を有するものを用いることにより、有機溶剤への溶解性を保持することができ、それによって加工性を維持すると共に、閉環後の耐熱性を向上させることができる。また、本発明によれば、耐熱性および低誘電率であるポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置をえることができる。また、樹脂膜は、平均孔径10nm以下の微細孔を有することにより、特に電気特性(特に誘電特性)、物理特性および機械特性にも優れる。
したがって、産業上の利用可能性を有する。

Claims (12)

  1. アセチレン結合を備える官能基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とを反応して得られる第1の繰り返し単位と、
    官能基を有しないビスアミノフェノール化合物と、官能基を有しないジカルボン酸化合物とを反応して得られる第2の繰り返し単位とを含むことを特徴とするベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  2. 前記ジカルボン酸化合物は、フタル酸、ビス安息香酸、ビフェニルジカルボン酸の中から選ばれる1種以上である請求の範囲第1項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  3. 前記ジカルボン酸化合物が、さらにアセチレン結合を備える官能基を有するものである請求の範囲第1項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  4. 前記第1の繰り返し単位と、前記第2の繰り返し単位とが共重合されているものである請求の範囲第1項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  5. 下記式(1)に示す繰り返し単位、または下記式(5)に示す繰り返し単位を第1の繰り返し単位として有する請求の範囲第1項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
    Figure 0004702057
    [式(1)中のR1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基、kは2〜1,000の間の整数;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
    Figure 0004702057
    (式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    で表される化合物]
    Figure 0004702057
    [式(5)中のR1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基、mは2〜1,000の間の整数;X1は:式(2)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
    Figure 0004702057
    (式(2)中のX2は、エチニル基またはプロパギルエーテル基;Zは、−O−、−SO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、または2価の芳香族基(フルオレニリデン基を含む);Arは3価以上の芳香族基;rは0または1;qは1〜4の整数;)で表される化合物の中から選ばれる4価の基;Y2は:式(6−1)、式(6−2)、式(7−1)、式(7−2)、式(8)または式(9)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    Figure 0004702057
    Figure 0004702057
    Figure 0004702057
    Figure 0004702057
    Figure 0004702057
    で表される化合物]
  6. 下記式(10)に示す繰り返し単位を第2の繰り返し単位として有する請求の範囲第5項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
    Figure 0004702057
    [式(10)中のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基、nは2〜1,000の間の整数;X3は:式(11)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の4価の基
    Figure 0004702057
    式(11)中のX4は:式(12)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    Y1は:式(3)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    式(3)中のWは:式(4)で示されるものの中から選ばれる少なくとも1種の2価の基
    Figure 0004702057
    で表される化合物]
  7. 前記式(1)に示す繰り返し単位、または前記式(5)に示す繰り返し単位と、前記式(10)に示す繰り返し単位とが共重合されているものである請求の範囲第6項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体。
  8. 請求の範囲第1項に記載のベンゾオキサゾール樹脂前駆体を反応して得られることを特徴とするポリベンゾオキサゾール樹脂。
  9. 請求の範囲第8項に記載のポリベンゾオキサゾール樹脂を含む樹脂組成物で構成されることを特徴とする樹脂膜。
  10. 前記樹脂膜は、平均孔径10nm以下の微細孔を有するものである請求の範囲第9項に記載の樹脂膜。
  11. 前記樹脂膜は、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれるものの一つである請求の範囲第9項に記載の樹脂膜。
  12. 請求の範囲第9項に記載の樹脂膜を有することを特徴とする半導体装置。
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