JP3844121B2 - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜並びに半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜並びに半導体装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、電気特性、熱特性、機械特性などに優れ、かつ低誘電率化が可能であって、半導体の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などに好適に用いられる絶縁膜用材料、このものを含む絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜、並びに該絶縁膜を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体用材料には、必要とされる特性に応じて、無機材料、有機材料などが、様々な部分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相法で作製した二酸化ケイ素等の無機酸化物膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体の高速化、高性能化に伴い、上記のような無機酸化物膜では、比誘電率が高いことが問題となっている。この改良手段の一つとして、有機材料の適用が検討されている。
【0003】
半導体用途の有機材料としては、耐熱性、電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂はイミド環にカルボニル基を2個有していることから、吸水性、電気特性に問題がある。これらの問題に対して、フッ素あるいはフッ素含有基を有機高分子内に導入することにより、吸水性、電気特性を改良することが試みられており、実用化されているものもある。また、ポリイミド樹脂に比べて、耐熱性、吸水性、電気特性に関して、より優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂があり、様々な分野への適用が試みられている。例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸からなる構造を有するもの、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からなる構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂等がある。
しかしながら、さらに厳しい耐熱性、電気特性、吸水性等の向上を要求されている先端分野では、このような要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。つまり、優れた耐熱性を示すが、誘電率等の電気特性は十分ではなく、また、フッ素導入により電気特性は向上するものの、耐熱性の低下を招くといった不具合が発生している。特に、半導体用層間絶縁膜として有機材料を適用する場合、無機材料に匹敵する耐熱性、機械特性、吸水性が要求され、その上で更なる低誘電率化が求められている。
このような高性能化の要求に対して、無機材料である無機酸化物膜の膜中に微細孔を開けることにより、低密度化を図り、比誘電率を低減させる方法が検討されている。空気の比誘電率は1であり、膜中に空気を導入して比誘電率を下げることは、米国特許第3,883,452号明細書に記載されている約20μmの平均孔径を有する発泡重合体を生成させる方法から類推される。しかしながら、空気を膜中に導入することによって効果的な絶縁体にするためには、膜厚がサブマイクロメーターオーダーで、平均化された比誘電率を有する必要があり、そして膜自体の機械特性も各工程に耐え得るものでなければならい。このような問題を克服する無機材料が、未だ得られていないのが現状である。
【0004】
一方、有機材料においては、サブマイクロメーターオーダーの微細孔を得る技術については、ブロックコポリマーを加熱処理して、サブマイクロメーターオーダーの微細孔を有する樹脂を生成させる技術が開示されている(米国特許第5,776,990号明細書)。ブロックコポリマーがサブマイクロメーターオーダーで相分離することは、公知のことであり[T.Hashimoto, M.Shibayama, M.Fujimura and H.Kawai,"Microphase Separation and the Polymer-polymer Interphase in Block Polymers" in "Block Copolymers-Science and Technology",p.63, Ed. By D.J.Meier(Academic Pub., 1983)]、天井温度の低いポリマー類が容易に分解することも、高分子化学の分野では、一般に良く知られていることである。しかしながら、比誘電率のみならず、機械特性、電気特性、耐吸水性、耐熱性を満足させながら、微細孔を有する樹脂組成物を得るためには、樹脂、ブロック化技術、熱分解性成分などの組合わせの選択が非常に限定され、すべての特性を満足できるものは得られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、電気特性、熱特性、機械特性などに優れ、かつ低誘電率化を可能とする絶縁膜用材料、このものを含む絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜、並びに該絶縁膜を有する半導体装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリアミドと、反応性オリゴマーとを反応させてなる共重合体を、絶縁膜用材料の膜形成成分として用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(A)で表されるポリアミド構造の一部に、ビスアミノフェノール類と多官能カルボン酸とで反応させて得られた枝分かれ構造を有するポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を膜形成成分として含むことを特徴とする絶縁膜用材料、
【化11】
[式中のR1〜R4は、それぞれ独立して水素原子又は一価の有機基、Xは下記式(B)で表される基の中から選ばれる四価の基を示し、2つのXは同一でも異なっていてもよく、Yは下記式(C)、式(D)、式(E)及び式(F)で表される基の中から選ばれる少なくとも1種の二価の基、Zは式(G)で表される基の中から選ばれる二価の基を示し、m及びnは、それぞれm>0、n≧0、2≦m+n≦1000及び0.05≦m/(m+n)≦1の関係を満たす整数であり、繰り返し単位の配列はブロック的、ランダム的のいずれであってもよい。]
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
[式(B)及び式(G)中のX1は、式(H)
【化19】
で表される基の中から選ばれる二価の基を示し、式(D)中のRはアルキル基又は式(I)
【化20】
で表される基の中から選ばれる一価の基を示す。また式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)及び式(H)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。]
(2)多官能カルボン酸が、トリメリック酸、トリメシン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、5,5'-ビスイソフタル酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−(1,1’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビフェニル)テトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸から選ばれる、第1項記載の絶縁膜材料、
(3)ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(C)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである第1項ないし第2項記載の絶縁膜用材料、
(4)ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(D)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである第1項ないし第2項記載の絶縁膜用材料、
(5)ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(E)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである第1項ないし第2項記載の絶縁膜用材料、
(6)ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(F)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである第1項ないし第2項記載の絶縁膜用材料、
(7)反応性オリゴマーが、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン及びポリウレタンの中から選ばれる少なくとも1種である第1項ないし第6項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、
(8)反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜40,000のものである第1項ないし第7項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、
(9)反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜20,000のものである第8項記載の絶縁膜用材料、
(10)反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜10,000のものである第9項記載の絶縁膜用材料、
(11)共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜70重量%を導入したものである第1項ないし第10項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、
(12)共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜50重量%を導入したものである第11項記載の絶縁膜用材料、
(13)共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜40重量%を導入したものである第12項記載の絶縁膜用材料、
(14)第1項ないし第13項のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする、絶縁膜用コーティングワニス、
(15)第1項ないし第13項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、又は、第14項記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して縮合反応及び架橋反応せしめて得られるポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、かつ、微細孔を有することを特徴とする絶縁膜、
(16)絶縁膜の微細孔の大きさが、1μm以下である第15項記載の絶縁膜、
(17)絶縁膜の微細孔の大きさが、500nm以下である第16項記載の絶縁膜、
(18)絶縁膜の微細孔の大きさが、100nm以下である第17項記載の絶縁膜、
(19)絶縁膜の微細孔の大きさが、20nm以下である第18項記載の絶縁膜、
(20)絶縁膜の空隙率が、5〜70%である第15項ないし第19項のいずれかに記載の絶縁膜、
(21)絶縁膜の空隙率が、5〜50%である第20項記載の絶縁膜、
(22)絶縁膜の空隙率が、5〜40%である第21項記載の絶縁膜、
(23)半導体の多層配線用層間絶縁膜として用いる第15項ないし第22項のいずれかに記載の絶縁膜、
(24)半導体の表面保護膜として用いる第15項ないし第22項のいずれかに記載の絶縁膜、及び
(25)第23項記載の絶縁膜からなる多層配線用層間絶縁膜及び/又は第24項記載の絶縁膜からなる表面保護層を有することを特徴とする半導体装置、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁膜用材料は、ポリアミドと反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を膜形成成分として含むものであって、該共重合体中のポリアミドユニットの主鎖に、予め架橋構造として機能する枝分かれ構造と、加熱により架橋するエチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビフェニレン、及び内部アセチレンの少なくとも1種の骨格を導入し、アミド基の閉環反応によるポリベンゾオキサゾールへの変換と共に、エチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビフェニレン、内部アセチレン骨格の架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させることにより、高い耐熱性を有する樹脂を与えることができる。そして、共重合体中のオリゴマーユニットを、樹脂加熱工程において熱分解させ、揮散せしめることにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする樹脂膜中に、容易に微細孔を形成させ低誘電率化し、耐熱性と電気特性を両立させた多孔質絶縁膜を得ることが、本発明の骨子である。
【0009】
本発明の絶縁膜用材料における共重合体中のポリアミドユニットを構成するポリアミドは、前記一般式(A)で表される構造を有するものである。このポリアミドは、前記式(B)で表される四価の基の中のいずれかを有するビスアミノフェノール化合物の少なくとも1種と、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)に表される二価の基の中のいずれかを有するジカルボン酸の少なくとも1種とを用いて、あるいはジカルボン酸として、前記ジカルボン酸と式(G)に表される二価の基の中のいずれかを有するジカルボン酸とを併用し、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により得ることが出来る。
一部に使用されるビスアミノフェノール類と多官能カルボン酸とで反応させて得られる枝分かれ構造を有するポリアミド構造も、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により導入出来る。
また、このエチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビフェニレン、及び内部アセチレンの少なくとも1種の骨格を有するポリアミドに、従来から用いられてきた、架橋反応基を有さない(架橋反応しない)タイプの別のポリアミドを組み合わせて、相互侵入網目構造とすることによっても、同様に高耐熱性の樹脂を得ることが可能である。
この場合、エチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビフェニレン、内部アセチレン骨格を有さないポリアミドは、前記式(B)に表される四価の基の中のいずれかを有するビスアミノフェノール化合物の少なくとも1種と、式(G)に表される二価の基の中のいずれかを有するジカルボン酸の少なくとも1種とを用いて、同様の方法により得ることが出来る。
【0010】
本発明で用いる、式(B)に表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、9,9−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−5,5'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−6,6'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−6,6'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0011】
本発明で用いる、式(C)に表される二価の基を有するエチニル骨格を持つジカルボン酸の例としては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフタル酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−テレフタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0012】
本発明で用いる、式(D)に表される二価の基を有するジカルボン酸の例としては、3−フェニルエチニルフタル酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジフェニルエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジフェニルエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられる。
【0013】
更に、本発明で用いる、式(D)に表された構造で、Rが、式(I)で表される一価の基の内、ビフェニル基であるビフェニルエチニル基を有するジカルボン酸の例としては、3−ビフェニルエチニルフタル酸、4−ビフェニルエチニルフタル酸、2−ビフェニルエチニルイソフタル酸、4−ビフェニルエチニルイソフタル酸、5−ビフェニルエチニルイソフタル酸、2−ビフェニルエチニルテレフタル酸、3−ビフェニルエチニルテレフタル酸、5−ビフェニルエチニル−テレフタル酸、2−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3'−ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジビフェニルエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジビフェニルエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−ビフェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ビフェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0014】
Rがアルキル基である例としては、3−ヘキシニルフタル酸、4−へキシニルフタル酸、2−へキシニルイソフタル酸、4−へキシニルイソフタル酸、5−へキシニルイソフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、3−へキシニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジヘキシニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジへキシニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジへキシニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジへキシニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジへキシニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジへキシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジへキシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ヘキシニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0015】
本発明で用いる、式(E)に表される二価の基を有するビフェニレン骨格を持つジカルボン酸の例としては、1,2−ビフェニレンジカルボン酸、1,3−ビフェニレンジカルボン酸、1,4−ビフェニレンジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、1,6−ビフェニレンジカルボン酸、1,7−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、2,3−ビフェニレンジカルボン酸、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸などが挙げられ、得られる塗膜の性能から、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸が特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
本発明で用いる式(F)で表される二価の基を有するジカルボン酸の例としては、4,4'−トランジカルボン酸、3,4'−トランジカルボン酸、3,3'−トランジカルボン酸、2,4'−トランジカルボン酸、2,3'−トランジカルボン酸、2,2'−トランジカルボン酸などを1種、または2種以上混合して用いることができる。
【0017】
本発明で用いる、式(G)に表される二価の基を有するジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−スルホニルビス安息香酸、3,4'−スルホニルビス安息香酸、3,3'−スルホニルビス安息香酸、4,4'−オキシビス安息香酸、3,4'−オキシビス安息香酸、3,3'−オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ジメチル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジメチル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3'−ビス(3―カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、9,9−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(4−カルボキシ−フェニル)フルオレン、ビス−((2−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((4−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((5−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((6−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス(4−(2−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス(4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9、9−ビス((4−(2−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((4−(3−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)及び式(H)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0018】
本発明に用いる多官能カルボン酸として、好ましくはトリメリック酸、トリメシン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、5,5’−ビスイソフタル酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−(1,1’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビフェニル)テトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上組合せて使用しても良い。多官能カルボン酸の使用量としては、使用される前記ジカルボン酸1モルに対して0.001〜0.1モルが好ましく、より好ましくは0.005〜0.08モルである。0.001よりも小さいと空孔サイズが不均一になる恐れがある。また、0.1モルよりも大きいと反応中にゲル化が起こり使用できなくなる恐れがある。
また、枝分かれ構造を有するポリアミドに用いるビスアミノフェノール類としては、前記式(B)に表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と同じであって良い。
【0019】
本発明におけるポリアミドは、架橋する骨格を有する繰り返し単位と、架橋する骨格を持たない繰り返し単位の数である一般式(A)中のmとnについて、m及びnは 、それぞれm>0、n≧0、2≦m+n≦1000及び0.05≦m/(m+n)≦1の関係を満たす整数である。mとnの和は、好ましくは5以上100以下である。ここでmとnの和が、2未満であると成膜性が低下し、樹脂膜の機械強度が十分でなくなる。また1000を越えると分子量が大きくなりすぎて、溶剤に溶けにくくなったり、溶解しても粘調なワニスとなり実用的でない。m及びnは0.05≦m/(m+n)≦1を満たす整数であることが必須であり、さらには、0.5≦m/(m+n)≦1を満たすことが好ましい。0.05>m/(m+n)であると、架橋する骨格を持つ繰り返し単位の数が少ないことを意味し、架橋反応部位が少ないため耐熱性が向上せず、微細孔が保持できなかったり、不均一な微細孔となり好ましくない。
【0020】
一般式(A)において繰り返し単位の配列は、ブロック的であっても、ランダム的であってもかまわない。例えば、ブロック的な繰り返し単位の製造方法としては、酸クロリド法による場合、式(B)から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(G)から選ばれる二価の基を有するジカルボン酸のクロリドとを、予め反応させて分子量を上げた後、式(B)から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と多官能カルボン酸のクロリドとを反応させ、更に式(B)から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、式(C)、式(D)、式(E)及び式(F)で表される二価の基の中から選ばれる架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを反応させることにより得ることができる。これらの順番については、ブロック的な構造となれば、限定されない。
【0021】
ランダムな繰り返し単位の場合は、式(B)から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(G)か選ばれる二価の基を有するジカルボン酸のクロリドと式(C)、式(D)、式(E)及び式(F)で表される二価の基の中から選ばれる架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸と多官能カルボン酸のクロリドとを、同時に反応させることにより得ることができる。
【0022】
本発明において、ポリアミドとの反応にて使用する反応性オリゴマーは、その構造中にポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応し得る反応性置換基を有しており、反応性置換基としては、カルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基を持つことが必須であり、そしてポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化するオリゴマーでなければならない。
具体的に例示すると、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリテトラヒドロフラン等のポリオキシアルキレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
この反応性オリゴマーとしては、側鎖もしくは主鎖の片末端または両末端に反応性置換基を導入したものを用いることができる。工業的に入手が容易であるのは、主鎖の末端を修飾した反応性オリゴマーである。より具体的には、4−アミノ安息香酸エステル化末端スチレンオリゴマー、4-アミノ安息香酸エステル化末端ポリ(プロピレングリコール)オリゴマー、両ヒドロキシ末端ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)などが挙げられる。
【0023】
該反応性オリゴマーは、数平均分子量が100〜40,000の範囲のものが好ましい。より好ましくは、数平均分子量が100〜20,000であり、更に好ましくは、数平均分子量が100〜10,000の範囲のものである。分子量が100未満であると、分解・気化した後の空隙が小さく潰れやすいため、比誘電率の低減を発現させることができにくい。また分子量が40,000を越えると、空隙が大きくなりすぎて絶縁膜の機械特性が極端に低下し、実用に供すことができなくなるといった問題が発生するおそれがある。
本発明においては、共重合体中の前記反応性オリゴマーユニットの導入量は、5〜70重量%が好ましい。より好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜40重量%である。この導入量が5重量%未満であると絶縁膜中の空隙率が小さく、誘電率を低減させることが不十分であり、また、70重量%を越えると、膜中の空隙率が大きくなり膜の機械強度が極端に低下したり、空隙が連続し不均一となり、誘電率が場所により異なる等の問題が発生し好ましくない。したがって、ポリアミドと反応性オリゴマーを反応させる場合、それぞれの使用量を、得られる共重合体中の反応性オリゴマーユニットの導入量が上記範囲になるように、調整することが重要である。
【0024】
本発明において、共重合体の製造方法の例としては、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法を用いることができる。例えば、酸クロリド法では、使用するジカルボン酸クロリド及び多官能カルボン酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度の温度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。
このようにして製造したジカルボン酸クロリド及び多官能カルボン酸クロリドと、前記他のジカルボン酸を併用する場合、同様にして得られる酸クロリドとを、ビスアミノフェノール化合物と共に、通常N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等の酸受容剤存在下に、室温ないし−30℃程度の温度で反応させ、ポリアミドを合成し、これに更に、 予め反応性オリゴマーをγ−ブチロラクトンなどに溶解したものを加えて反応させる。次いで反応液を水とイソプロピルアルコールの混合溶液などに加え、沈殿物を集め,乾燥することによりポリアミドと反応性オリゴマーとを反応せしめた共重合体を得ることができる。また、極性溶媒中、酸クロライド、ビスアミノフェノール化合物、反応性オリゴマーを同時に反応させてランダムに共重合体を合成することも可能である。
【0025】
ジカルボン酸及び多官能カルボン酸クロリドと、ビスアミノフェノール化合物の仕込みモル比は、得られるポリアミドの分子量に大きく影響し、またポリアミドの末端基構造を制御するのに重要である。すなわち、反応性オリゴマーと共重合反応させるには、ポリアミドの末端をオリゴマーの反応性基と反応し得るようにしなければならない。つまり、ジカルボン酸及び多官能カルボン酸クロリド/ビスアミノフェノール化合物のモル比を、1未満とすると、得られるポリアミドの末端は、アミノ基とヒドロキシル基を有し、カルボキシル基を有するオリゴマーとの共重合が可能となる。また、酸クロリド/ビスアミノフェノールのモル比を、1より大きくすると、得られるポリアミドの末端は、カルボキシル基を有し、アミノ基またはヒドロキシル基を有する反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。この場合、オリゴマーの末端反応基は、求核性の強いアミノ基の方がより好ましい。
この際、オリゴマーの末端水酸基をアミノ基に変換する例としては、水酸基末端反応性オリゴマーと4−ニトロ安息香酸クロリドを、通常テトラヒドロフランなどの溶媒中において、ピリジン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃程度の温度で反応させることにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリゴマーを得ることができる。その後、この末端オリゴマーをテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウム炭素などの還元触媒存在下、水素ガス雰囲気下で反応させ、その反応液から触媒を取り除いたのち、溶媒を濃縮して除去することにより4−アミノ安息香酸エステル末端のオリゴマーを得て、これをアミノ基末端反応性オリゴマーとして使用することができる。また、ポリアミドユニットの主鎖構造中の水酸基に、カルボキシル基やイソシアネート基を持つ反応性オリゴマーと反応させてグラフト共重合体を合成し用いることも可能であるが、水酸基と反応する反応性オリゴマーであれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明の絶縁膜用材料には、膜形成成分である上記共重合体の他に、目的に応じて各種添加剤を含有させることができる。各種添加剤としては、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒等が挙げられる。
また、本発明におけるポリアミドは、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、また、式(A)中のヒドロキシル基の少なくとも一方の末端が、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基で置換された場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0027】
本発明の絶縁膜用材料の使用方法としては、適当な有機溶媒に溶解させるか又は均一に分散させて、コーティングワニスとして使用することが可能である。具体的に例示すると、当該絶縁膜用材料を有機溶媒に溶解又は均一に分散させ、適当な支持体、例えば、ガラス、繊維、金属、シリコンウエーハ、セラミック基板等に塗布する。その塗布方法は、浸漬、スクリーン印刷、スプレー、回転塗布、ロールコーティングなどが挙げられ、塗布後に加熱乾燥して溶剤を揮発せしめ、タックフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理して、ポリベンゾオキサゾール樹脂架橋体に変換して用いるのが好ましい。また、ジカルボン酸成分、ビスアミノフェノール化合物成分及び反応性オリゴマー成分を選択することにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾール樹脂として用いることもできる。
【0028】
本発明の絶縁膜用材料を溶解又は分散させる有機溶媒としては、固形分を完全に溶解する溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてよい。
コーティングワニスを調製する場合の溶媒使用量としては、絶縁膜用材料を完全に溶解し得る量であればよく、特に制限されず、その用途に応じて適宜調整することができるが、一般的にはワニス中の溶媒含有量は、70〜95重量%程度が好ましい。
【0029】
本発明の絶縁膜用材料は、上記のようにして得られた塗膜を、通常80〜200℃の範囲の温度で溶媒を蒸発させ、200〜500℃程度の温度で加熱処理することにより、絶縁膜用材料中のポリアミドユニットが、環化縮合反応及び架橋反応を生じポリベンゾオキサゾール樹脂となり、また、絶縁膜用材料中の該オリゴマーユニットは、この際、熱分解して、分解物が気化・揮散し、ポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層に微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜である本発明の絶縁膜を得ることができる。この際の熱履歴も微細孔を形成させるには重要である。通常は、オーブンなどにより、徐々にしかも段階的に昇温加熱して、微細孔の形成を行うが、本発明の絶縁膜用材料によれば、ホットプレートなどによりに一気に加熱しても、良好な微細孔が得られる。熱処理は、不活性ガス雰囲気下、または真空中で行なうことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンなどが挙げられる。この際、系中の酸素濃度は100ppm以下が好ましい。
【0030】
本発明のポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、微細孔を有してなる絶縁膜における、微細孔の大きさは、絶縁膜の用途や膜の厚みにもよるが、一般的には、1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下であり、半導体用層間絶縁膜等の用途においては、好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下であることが望ましい。
半導体用層間絶縁膜においては、孔径が20nmより大きいと配線間に用いられた絶縁膜における空隙が不均一になり、電気特性が一定とならない。また、膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出る等の問題が発生する。ただし、フィルムの用途により最適な膜厚、最適な微細孔の大きさがあるので必ずしも5nmが必要というわけではない。
また、絶縁膜の空隙率としては、5〜70%が好ましく、より好ましくは5〜50%、さらに好ましくは5〜40%である。空隙率が5%より小さいと十分な誘電率の低下が発揮されにくいし、70%よりも大きいと膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出る等の問題が発生するおそれがある。
【0031】
本発明の絶縁膜の厚みとしては、その使用目的に応じて異なるが、通常0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜20μmの範囲である。
本発明の絶縁膜用材料及び絶縁膜は、半導体用層間絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の形成に用いることができる。
【0032】
本発明の絶縁膜を半導体装置の多層配線用層間絶縁膜に用いる場合の例としては、まず、接着性を向上させる場合、接着性コーティング剤を半導体基板上に、塗布して、塗膜を形成する。塗布の方法としては、スピンナーによる回転塗布、スプレーコーターによる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、有機溶剤の沸点以上の温度でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥させることにより、接着性コーティング膜を形成する。
次に、前記接着性コーティング膜の上に、本発明の絶縁膜用材料の溶液を、前記同様の方法により、積層するように塗布して、塗膜を形成する。次いで、塗膜を前記の条件でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥し、更に、加熱処理することにより、微細孔を有する樹脂膜とし、層間絶縁膜を形成することができる。
同様にして、樹脂膜を形成して表面保護膜とすることもできる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何んら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で作製したフィルムについて、下記の方法により比誘電率、耐熱性、ガラス転移温度及び吸水率を測定すると共に、フィルムの断面を観察した。
(1)比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて測定を行った。
(2)耐熱性
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速度10℃/分の条件により、重量減少5%の際の温度を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用いて、窒素ガス300mL/分フロー下、測定周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件で、引張りモードで測定し、損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス転移温度とした。
(4)吸水率
5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
(5)フィルム断面観察
フィルムの断面について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、微細孔の有無とその孔径を観察した。
【0034】
製造例1
スチレン10g(96mmol)を乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン100gに溶解して、−78℃まで冷却し、ここへ反応試剤として1.3mol/L濃度のsec−ブチルリチウム溶液(溶媒:シクロヘキサン)0.77mLを加えて3時間攪拌した。続けてエチレンエポキシド0.044g(1.0mmol)を加えて3時間攪拌した後、メタノール3gを加え、この溶液を濃縮して溶媒を除去したものをテトラヒドロフラン100gに溶解しろ過した。得られた濾液を減圧濃縮、乾燥させることにより、末端が水酸基で数平均分子量9,600のスチレンオリゴマーを得た。
得られたオリゴマー93g(9.68mmol)を乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン80gに溶解し、ピリジン1.15g(14.52mmol)を滴下後、5℃でテトラヒドロフラン20gに4−ニトロ安息香酸クロリド2.63g(14.52mmol)を溶解したものを30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をろ過してピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を濃縮して除去することによりスチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルを得た。このスチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルをテトラヒドロフラン100gに溶解した後、5重量%パラジウム炭素0.5gを水素ガス雰囲気下で混合し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をセライトでろ過し、溶媒を濃縮して除去することにより末端を4−アミノ安息香酸エステル化したスチレンオリゴマーを得た。
【0035】
製造例2
スチレン10g(96mmol)をスチレン49.9g(480mmol)に代えた以外は製造例1と同様にして、末端が水酸基で数平均分子量50,000のポリスチレンを得た。
得られたポリスチレン100g(2mmol)を乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン100gに溶解し、ピリジン1.15g(14.52mmol)を滴下後、5℃でテトラヒドロフラン20gに4−ニトロ安息香酸クロリド2.63g(14.52mmol)を溶解したものを30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をろ過してピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を濃縮して除去することによりポリスチレンの4−ニトロ安息香酸エステルを得た。このポリスチレンの4−ニトロ安息香酸エステルをテトラヒドロフラン100gに溶解した後、5重量%パラジウム炭素0.5gを水素ガス雰囲気下で混合し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をセライトでろ過し、溶媒を濃縮して除去することにより末端を4−アミノ安息香酸エステル化した4-アミノ安息香酸エステル末端ポリスチレンを得た。
【0036】
製造例3
5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの製造
(1)5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチルの合成
温度計、ジムロー卜冷却管、塩化カルシウム管、撹拌機を備えた4つ口の5Lフラスコに、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル190.0 g(0.904mol)、脱水トルエン3L、脱水ピリジン214.7g(2.718mol)を仕込み、撹拌しながら−30℃まで冷却した。ここに無水トリフルオロメタンスルホン酸510.2g(1.808mol)を、温度が−25℃以上に上がらないように注意しながら、ゆっくりと滴下した。この場合、滴下が終了するまでに1時間を要した。滴下終了後、反応温度を0℃に昇湿し1時間、さらに室温に昇温し5時間反応した。得られた反応混合物を4Lの氷水に注ぎ、水層と有機層を分離した。更に水層を500mLのトルエンで2回抽出し、これを先の有機層とあわせた。この有機層を水3Lで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム100gで乾燥、ろ過により無水硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去、減圧乾燥することによって、淡黄色固体の5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチルを294.0 g得た(収率95%)。この粗生成物をヘキサンで、再結晶することによって白色針状晶を得、これを次の反応に用いた。
(2)4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オールの合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管、撹拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記(1)で得られた5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル125g(0.365mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール33.73g(0.401mol)を仕込み、窒素を流した。脱水トリエチルアミン375mLおよび脱水ピリジン200mLを加え、撹拌溶解した。l時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを水500mLに注ぎ析出した固形物をろ取し、さらに水500mL、5モル/リットル濃度塩酸500mL、水500mLで各2回洗浄した。この固形物を、50℃で減圧乾燥することにより、98.8gの4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オールを得た(収率98%)
【0037】
(3)5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩の合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコにn−ブタノール3L、水酸化カリウム(85%)182g(2.763mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに上記(2)で合成した4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オール95g(0.344mol)を加えて30分間加熱還流した。これを氷浴にて冷却し、析出した結晶をろ取した。この結晶をエタノール1Lで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、88.87gの5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩を得た(収率97%)。
(4)5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、上記(3)で得られた5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩80g(0.3mol)、クロロホルム400Lを仕込み、0℃に冷却した。これに塩化チオニル391g(4.5mol)を、5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後ろ過して結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせて40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル200mLで2回抽出ろ過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の粗生成物を得た。これを乾燥したn−へキサンで洗浄し、続いてジエチルエーテルで再結晶することで13gの5−エチニルイソフタル酸ジクロリドを得た(収率19%)。
また、上記の方法に準拠して、5−エチニルテレフタル酸ジクロリド及び4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリドを製造した。
【0038】
製造例4
5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの製造
(1)5−ブロモイソフタル酸の合成
温度計、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコに5−アミノイソフタル酸99.18g(0.55mol)と48重量%臭化水素酸165mL、蒸留水150mLを入れ、撹拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、ここへ亜硝酸ナトリウム39.4g(0.57mol)を、蒸留水525mLに溶解したものを、1時間かけて滴下し、ジアゾニウム塩水溶液を得た。温度計、ジムロート冷却管、滴下ロート、撹拌機を備えた4つ口の3Lフラスコに、臭化第一銅94.25g(0.66mol)と48重量%臭化水素酸45mLを入れ、撹拌した。フラスコを0℃以下に冷却し、上記のジアゾニウム塩水溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後に室温で30分間撹拌し、続けて30分間還流させた。放冷後、析出物をろ別し、蒸留水2Lで2回洗浄し、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、粗生成物117gを得た。精製せずに次の反応へ用いた。
(2)5−ブロモイソフタル酸ジメチルの合成
撹拌機、ジムロート冷却管を備えた500mLフラスコに、上記(1)で得られた5−ブロモイソフタル酸110g、メタノール500mL、濃硫酸10gを入れ、6時間還流させた。放冷後、蒸留水1Lに滴下し、これを5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出物をろ別し、蒸留水2Lで2回洗浄した後、得られた白色固体を50℃で2日間減圧乾燥し、5−ブロモイソフタル酸ジメチル109g(0.4mol)を得た(収率89%)。
(3)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
製造例4(2)において、5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル125g(0.365mol)を、上記(2)で得られた5−ブロモイソフタル酸ジメチル99.7g(0.365mol)とする以外は同様にして80.8gの1−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−フェニルエチンを得た(収率75%)。
以下、製造例3(3)及び(4)と同様にして、5−(2−フェニルエチニル)イソフタル酸二カリウム塩を得たのち、5−(2−フェニルエチニル)イソフタル酸ジクロリドを得た。
【0039】
製造例5
4,4'−トランジカルボン酸ジクロリドの製造
(1)4−エチニル安息香酸メチルの合成
まず、「J.Org.Chem.」第57巻、第6998〜6999ページ(1992年)に記載されている方法に従って、4−エチニル安息香酸クロリドを合成した。
次に、氷浴中で、メタノール300mL中にテトラヒドロフラン30mLに溶解した4−エチニル安息香酸クロリド24.7g(0.15mol)を滴下した。滴下終了20分後より濁りが発生し、そのまま2時間撹拌した。その後、さらに室温で2時間撹拌し、ろ過、乾燥し、21gの4−エチニル安息香酸メチルを得た(収率87%)。
(2)4,4'−トランジカルボン酸ジメチルの合成
上記(1)で得られた4−エチニル安息香酸メチル16.0g(0.1mol)、メチル−4−ブロモベンゾエート21.5g(0.1mol)、トリフェニルホスフィン0.288g(0.0011mol)、ヨウ化第一銅0.07g(0.00037mol)、トリエチルアミン250mL、ピリジン37.5mLの混合物を撹拌し、87℃(還流)まで昇温した。その後、還流しなくなる温度に冷却し、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.098g(0.00014mol)を添加し、3時間還流した。反応液を冷却し、エバポレーターで濃縮し、生じた沈殿物をろ過し、乾燥後、酢酸エチル500mLで2回洗浄した。
その後、テトラヒドロフラン中で加熱撹拌して、熱ろ過後、ろ液から再結晶し、4,4'−トランジカルボン酸ジメチル14.7gを得た(収率50%)。
(3)4,4'−トランジカルボン酸ジクロリドの合成
水酸化カリウム16.83g(0.3mol)をメタノール450mLに溶解し、上記(2)で得られた4,4'−トランジカルボン酸ジメチル8.22g(0.033mol)を添加後、昇温して、18時間還流した。その後、冷却し、沈殿物をろ過により回収し、水1Lに溶解した。この溶液から残渣をろ過により除去後、ろ液を0.1モル/リットル濃度の塩酸を用いて徐々にpH3に調整し、4,4'−トランジカルボン酸を析出させ、ろ過、乾燥し6.7gの4,4'−トランジカルボン酸を得た(収率76%)。
次に、この4,4'−トランジカルボン酸6.5g(0.024mol)、1,2−ジクロロエタン60mL、塩化べンジルトリエチルアンモニウム10.013g、塩化チオニル3.9mLを混ぜて、昇温し、10時間還流した.反応液にn−ヘキサン40mLを加えて、熱時ろ過により、ろ液から再結晶した。この結晶をさらに1,2−ジクロロエタンとヘキサンの混合溶媒から再結晶し、3gの4,4'−トランジカルボン酸ジクロリドを得た(収率41%)。
【0040】
製造例6
2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリドの製造
「J.Poly.Sci.:Polymer Letters Edition」第16巻、第653〜656ページ(1978年)に記載されている方法に従って、2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリドを製造した。
【0041】
実施例1
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン35.9g(0.098mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液にトリメシン酸トリクロリド0.53g(0.002mol)、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド27.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLに、製造例1で合成した4−アミノ安息香酸エステル末端スチレンオリゴマー38.4g(0.004mol、数平均分子量9,600)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体80.9gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量50、000、分子量分布4.23であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は37重量%であった。
得られた共重合体5.00gをN−メチル−2−ピロリドン20.00gに溶解し、0.2μmのテフロン(R)フィルターでろ過してワニスを得た。このワニスをスピンコーターを用いてアルミニウムを蒸着したシリコンウエーハ上に塗布した。この際熱処理後の膜厚が約5μmとなるようにスピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、120℃のホットプレート上で240秒間乾燥した後、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、300℃で60分間で加熱させることで、末端をオリゴマーと反応させたポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。さらに、400℃で60分間加熱してオリゴマーユニットを分解し、細孔を有するポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。皮膜上にアルミニウムを蒸着してパターンニングを行い所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエーハ側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ2.1であった。また、この皮膜について断面をTEMにより観察したところ、得られた空隙は、15nm以下の細孔で非連続であった。耐熱性、Tg、吸水率も併せて第1表にまとめた。
【0042】
実施例2
9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン51.9g(0.092mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液に5,5’−ビスイソフタル酸テトラクロリド1.212g(0.003mol)、5−エチニルテレフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)64.0g(0.016mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することによ10とにより、共重合体104gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量6,4000、分子量分布4.20であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は46重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0043】
実施例3
3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル41.1g(0.19mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン660mLに溶解し、この溶液にトリメシン酸トリクロリド0.796g(0.003mol)、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.1mol)、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.1mol) を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン44.6g(0.44mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.01mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体96gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量50,300、分子量分布4.21であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は32重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0044】
実施例4
3、3’−ジアミノー4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニルエーテル29.4g(0.127mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン400mLに溶解し、この溶液にトリメリック酸トリクロリド0.706g(0.00266mol)、5−フェニルエチニルイソフタル酸30.3g(0.1mol)、5−エチニルテレフタル酸7.6g(0.033mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン29.6g(0.29mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)53.3g(0.0133mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体89.8gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量48,000、分子量分布4.31であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は46重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0045】
実施例5
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン34.8g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液にビフェニルエーテル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸テトラクロリド0.42g(0.001mol)2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリド27.6g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.01mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体87.9gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量54,300、分子量分布4.23であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は37重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0046】
実施例6
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン34.8g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液に1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリド0.543g(0002mol)、4,4'−トランジカルボン酸ジクロリド30.3g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40g(0.01mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体90.8gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量52,100、分子量分布4.10であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は38重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0047】
比較例1
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン34.8g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液にトリメシン酸トリクロリド0.53g(0.002mol)、5−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド7.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、ポリマー53.5gを得た。得られたポリマーの分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量44,600、分子量分布4.11であった。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0048】
比較例2
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン35.9g(0.098mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液にトリメシン酸トリクロリド0.53g(0.002mol)、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド27.7g(0.002mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン3mLに製造例3で得られた4−アミノ安息香酸末端ポリスチレン50.0g(0.001mol、数平均分子量50,000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体82gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量83,000、分子量分布4.3であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は45重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0049】
比較例3
3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル30.3g(0.14mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン600mLに溶解し、この溶液にトリメシン酸トリクロリド1.59g(0.006mol)、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3g(0.1mol)、テレフタル酸ジクロリド20.3g(0.1mol) を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン44.6g(0.44mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン200mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)240g(0.06mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体245gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量40,300、分子量分布4.25であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は77重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0050】
比較例4
3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニルエーテル29.4g(0.127mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン400mLに溶解し、この溶液にトリメリック酸トリクロリド0.706g(0.00266mol)、テレフタル酸20.3g(0.1mol)、イソフタル酸6.70g(0.033mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン29.7g(0.29mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)53.3g(0.0133mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体85.8gを得た。得られた共重合体の分子量を東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量47,000、分子量分布4.25であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は49重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0051】
【表1】
【0052】
第1表にまとめた、実施例および比較例の評価結果から、本発明の絶縁膜用材料から得られた絶縁膜(被膜)は、優れた耐熱性と低吸水性を維持しながら、低誘電率化を可能とすることがわかる。また、測定した誘電率を用いて対数混合式から計算した空隙率と反応性オリゴマー導入率とほぼ一致した。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な微細孔が得られ、更には、優れた熱特性、電気特性、吸水性を達成することが可能な絶縁膜を形成できる絶縁膜用材料及びコーティング用ワニスを提供できる。本発明で得られる絶縁膜は、特に、誘電率の極めて低く、半導体用の層間絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適に使用することができる。
Claims (25)
- 一般式(A)で表されるポリアミド構造の一部に、ビスアミノフェノール類と多官能カルボン酸とで反応させて得られた枝分かれ構造を有するポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を膜形成成分として含むことを特徴とする絶縁膜用材料。
- 多官能カルボン酸が、トリメリック酸、トリメシン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、5,5'-ビスイソフタル酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−(1,1’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビフェニル)テトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸から選ばれる、請求項1記載の絶縁膜材料。
- ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(C)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである請求項1ないし請求項2記載の絶縁膜用材料。
- ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(D)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである請求項1ないし請求項2記載の絶縁膜用材料。
- ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(E)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである請求項1ないし請求項2記載の絶縁膜用材料。
- ポリアミドが、一般式(A)中のYとして、式(F)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するものである請求項1ないし請求項2記載の絶縁膜用材料。
- 反応性オリゴマーが、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン及びポリウレタンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし6のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜40,000のものである請求項1ないし7いずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜20,000のものである請求項8記載の絶縁膜用材料。
- 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜10,000のものである請求項9記載の絶縁膜用材料。
- 共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜70重量%を導入したものである請求項1ないし10のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜50重量%を導入したものである請求項11記載の絶縁膜用材料。
- 共重合体が、反応性オリゴマーユニット5〜40重量%を導入したものである請求項12記載の絶縁膜用材料。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の絶縁膜用材料、又は、請求項14記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して縮合反応及び架橋反応せしめて得られるポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、かつ、微細孔を有することを特徴とする絶縁膜。
- 絶縁膜の微細孔の大きさが、1μm以下である請求項15記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の微細孔の大きさが、500nm以下である請求項16記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の微細孔の大きさが、100nm以下である請求項17記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の微細孔の大きさが、20nm以下である請求項18記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の空隙率が、5〜70%である請求項15ないし19のいずれかに記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の空隙率が、5〜50%である請求項20記載の絶縁膜。
- 絶縁膜の空隙率が、5〜40%である請求項21記載の絶縁膜。
- 半導体の多層配線用層間絶縁膜として用いる請求項15ないし22のいずれかに記載の絶縁膜。
- 半導体の表面保護膜として用いる請求項15ないし22のいずれかに記載の絶縁膜。
- 請求項23記載の絶縁膜からなる多層配線用層間絶縁膜及び/又は請求項24記載の絶縁膜からなる表面保護層を有することを特徴とする半導体装置。
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