JP4281384B2 - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜並びに半導体装置 - Google Patents

絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜並びに半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜並びに半導体装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、電気特性、熱特性、機械特性などに優れ、かつ低誘電率化が可能であって、半導体の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などに好適に用いられる絶縁膜用材料、このものを含む絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜、並びに該絶縁膜を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体用材料には、必要とされる特性に応じて、無機材料、有機材料などが、様々な部分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相法で作製した二酸化ケイ素等の無機酸化物膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体の高速化、高性能化に伴い、上記のような無機酸化物膜では、比誘電率が高いことが問題となっている。この改良手段の一つとして、有機材料の適用が検討されている。
【0003】
半導体用途の有機材料としては、耐熱性、電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂はイミド環にカルボニル基を2個有していることから、吸水性、電気特性に問題がある。これらの問題に対して、フッ素あるいはフッ素含有基を有機高分子内に導入することにより、吸水性、電気特性を改良することが試みられており、実用化されているものもある。また、ポリイミド樹脂に比べて、耐熱性、吸水性、電気特性に関して、より優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂があり、様々な分野への適用が試みられている。例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸からなる構造を有するもの、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からなる構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂等がある。
【0004】
しかしながら、さらに厳しい耐熱性、電気特性、吸水性等の向上を要求されている先端分野では、このような要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。つまり、優れた耐熱性を示すが、誘電率等の電気特性は十分ではなく、また、フッ素導入により電気特性は向上するものの、耐熱性の低下を招くといった不具合が発生している。特に、半導体用層間絶縁膜として有機材料を適用する場合、無機材料に匹敵する耐熱性、機械特性、吸水性が要求され、その上で更なる低誘電率化が求められている。
【0005】
このような高性能化の要求に対して、無機材料である無機酸化物膜の膜中に微細孔を開けることにより、低密度化を図り、比誘電率を低減させる方法が検討されている。空気の比誘電率は1であり、膜中に空気を導入して比誘電率を下げることは、米国特許第3,883,452号明細書に記載されている約20μmの平均孔径を有する発泡重合体を生成させる方法から類推される。しかしながら、空気を膜中に導入することによって効果的な絶縁体にするためには、膜厚がサブマイクロメーターオーダーで、平均化された比誘電率を有する必要があり、そして膜自体の機械特性も各工程に耐え得るものでなければならい。このような問題を克服する無機材料が、未だ得られていないのが現状である。
【0006】
一方、有機材料においては、サブマイクロメーターオーダーの微細孔を得る技術については、ブロックコポリマーを加熱処理して、サブマイクロメーターオーダーの微細孔を有する樹脂を生成させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。ブロックコポリマーがサブマイクロメーターオーダーで相分離することは、公知のことであり(例えば、非特許文献1参照。)、天井温度の低いポリマー類が容易に分解することも、高分子化学の分野では、一般に良く知られていることである。しかしながら、比誘電率のみならず、機械特性、電気特性、耐吸水性、耐熱性を満足させながら、微細孔を有する樹脂組成物を得るためには、樹脂、ブロック化技術、熱分解性成分などの組合わせの選択が非常に限定され、すべての特性を満足できるものは得られていないのが実状である。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,776,990号明細書
【非特許文献1】
T. Hashimoto et al, "Microphase Separation and the Polymer-polymer Interphase in Block Polymers" in "Block Copolymers-Science and Technology", Ed. By D. J. Meier(Academic Pub., 1982), p.63
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、電気特性、熱特性、機械特性、とりわけ耐吸湿性などに優れ、かつ、絶縁膜において微小の空孔を形成でき、低誘電率化を可能とする絶縁膜用材料、このものを含む絶縁膜用コーティングワニス及びこれらを用いた絶縁膜、並びに該絶縁膜を有する半導体装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有する2種以上のジカルボン酸を、特定のモル比にて、アミノフェノールと反応させて得られたポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を、絶縁膜用材料の膜形成成分として用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
1. 一般式(1)で表されるポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有すると共に上記ポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化する反応性オリゴマー反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を膜形成成分として含むことを特徴とする絶縁膜用材料、
【化10】
Figure 0004281384
[但し、式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立した水素原子又は一価の有機基を示し、Xは式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を示し、それぞれ同じであっても異なっても良く、Y1は式(3)で表される二価の基、Y2は式(4)で表される二価の基、また、Y3は式(5)で表される二価の基の中から選ばれる基を示し、k,m及びnは、k>0、m>0、n≧0で、2≦k+m+n≦1000,及び0.05≦(k+m)/(k+m+n)≦1を満たす整数であり、且つ、式(1)中のk及びmの比率として、k:m=0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲内の比率を有するものである。式(1)において繰り返し単位の配列(k、mおよびnの配列)は、ブロック的であってもランダム的であってもかまわない。]
【化11】
Figure 0004281384
【化12】
Figure 0004281384
【化13】
Figure 0004281384
【化14】
Figure 0004281384
【化15】
Figure 0004281384
【化16】
Figure 0004281384
[式(2)及び式(5)中の各X1は、式(6)で表される基の中から選ばれる二価の基を示し、式(4)中のRは式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基を示す。また式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、及び式(7)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。]
【化17】
Figure 0004281384
【化18】
Figure 0004281384
2. 反応性オリゴマーが、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン及びポリウレタンの中から選ばれる少なくとも1種である第1項記載の絶縁膜用材料、
3. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜40,000のものである第1項ないし第2項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、
4. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜20,000のものである第3項記載の絶縁膜用材料、
5. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜10,000のものである第4項記載の絶縁膜用材料、
6. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜70重量%を導入したものである第1項ないし第5項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、
7. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜50重量%を導入したものである第6項記載の絶縁膜用材料、
8. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜40重量%を導入したものである第7項記載の絶縁膜用材料、
9. 第1項ないし第8項のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス、
10. 第1項ないし第8項のいずれかに記載の絶縁膜用材料、又は、第9項記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して縮合反応及び架橋反応せしめて得られるポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、かつ、微細孔を有することを特徴とする絶縁膜、
11. 絶縁膜の微細孔の大きさが、100nm以下である第10項記載の絶縁膜、
12. 絶縁膜の微細孔の大きさが、20nm以下である第11項記載の絶縁膜、
13. 絶縁膜の微細孔の大きさが、10nm以下である第12項記載の絶縁膜、
14. 絶縁膜の空隙率が、5〜70%である第10項ないし第13項のいずれかに記載の絶縁膜、
15. 絶縁膜の空隙率が、5〜50%である第14項記載の絶縁膜、
16. 絶縁膜の空隙率が、5〜40%である第15項記載の絶縁膜、
17. 半導体の多層配線用層間絶縁膜又は表面保護膜として用いる第10項ないし第16項のいずれかに記載の絶縁膜、
18. 第17項記載の絶縁膜からなる多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護層を有することを特徴とする半導体装置、
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁膜用材料は、前記第1項に記載のモル比にて反応させた2種以上のジカルボン酸との反応より得られたポリアミドと上記ポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化する反応性オリゴマーとを反応させて得られたブロック共重合体を膜形成成分として含むものであって、該共重合体中のポリアミドユニットの主鎖に、加熱により架橋する式(3)で表される基の中から選ばれるエチニル基を有する二価の基と、式(4)中のRとして式(7)で表される置換基の中から選ばれる一価の基を有する二価の基を、それぞれ前記第1項記載のモル比で導入し、アミド基の閉環反応によるポリベンゾオキサゾール樹脂への変換と共に、式(3)で表される二価の基に含まれるエチニル基および、式(4)中のRとして式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基による架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させることにより、高い耐熱性を有する樹脂を与えることができる。そして、共重合体中のオリゴマーユニットを、樹脂加熱工程において熱分解させ、揮散させることにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする樹脂膜中に微細孔を形成させ低誘電率化し、耐熱性と電気特性を両立させた多孔質絶縁膜を得ることが、本発明の骨子である。
【0012】
本発明の絶縁膜用材料における共重合体中のポリアミドユニットを構成するポリアミドは、前記一般式(1)で表される構造を有するものである。このポリアミドは、前記式(2)で表される四価の基の中のいずれかの基を有するビスアミノフェノール化合物の少なくとも1種と、式(3)、及び式(4)で表される二価の基の中のいずれかの基を有するジカルボン酸のそれぞれ少なくとも1種とを用いて、あるいはジカルボン酸として、前記ジカルボン酸と式(5)で表される非架橋性の二価の基の中のいずれかの基を有するジカルボン酸とを併用し、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により得ることが出来る。
また、このエチニル基、及び式(4)中のRとして式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基を有する基を、それぞれ少なくとも1種有するポリアミドに、従来から用いられてきた、架橋反応基を有さない(架橋反応しない)タイプの別のポリアミドを組み合わせて、相互侵入網目構造とすることによっても、同様に高耐熱性の樹脂を得ることが可能である。
【0013】
本発明で用いる、式(2)に表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,5−ジアミノヒドロキノン、2,3−ジアミノヒドロキノン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、9,9’−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、9,9’−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、9,9’−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス((2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス((2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0014】
本発明で用いる、式(3)で表される二価の基を有するエチニル骨格を持つジカルボン酸の例としては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフタル酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−テレフタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0015】
本発明で用いる、式(4)で表される二価の基を有するジカルボン酸の例としては、3−フェニルエチニルフタル酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられる。
【0016】
更に、本発明で用いる、式(4)に表された構造で、Rが、式(7)で表される一価の基の内、ビフェニル基であるビフェニルエチニル基を有するジカルボン酸の例としては、3−ビフェニルエチニルフタル酸、4−ビフェニルエチニルフタル酸、2−ビフェニルエチニルイソフタル酸、4−ビフェニルエチニルイソフタル酸、5−ビフェニルエチニルイソフタル酸、2−ビフェニルエチニルテレフタル酸、3−ビフェニルエチニルテレフタル酸、5−ビフェニルエチニル−テレフタル酸、2−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジビフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジビフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−ビフェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ビフェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0017】
本発明で用いる、式(4)中のRとして式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基を含むジカルボン酸としては、前記式(4)で表される二価の基を有するジカルボン酸の例示において、Rに相当する部位に、式(7)で表される基が置換された化合物を挙げることができる。
【0018】
本発明で用いる、式(5)で表される非架橋性の二価の基を有するジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、9,9’−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3―カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、9,9’−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9’−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン、9,9’−ビス−(4−カルボキシ−フェニル)フルオレン、ビス−((2−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((4−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((5−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、ビス−((6−カルボキシ−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス(4−(2−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス(4−(3−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス(4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス((4−(2−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス((4−(3−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9’−ビス((4−(4−カルボキシ−フェノキシ)−3−フェニル)−フェニル)−フルオレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)及び式(6)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0019】
本発明に用いるポリアミドにおいて、一般式(1)中の架橋基を有する繰り返し単位の数であるk及びmと、架橋基を持たない繰り返し単位の数であるnは、それぞれk>0、m>0、n≧0を満たす整数である。k,m及びnの和は、2以上1000以下であり、好ましくは5以上100以下である。ここでk、m、nの和が、前記下限値未満であると成膜性が低下し、樹脂膜の機械強度が十分でなくなる。また前記上限値を越えると分子量が大きくなりすぎて、溶剤に溶けにくくなったり、溶解しても粘調なワニスとなり実用的でない。ポリアミドにおける架橋基を有する繰り返し単位の割合((k+m)/(k+m+n))は、0.05以上1以下であり、さらには、0.5以上1以下を満たすことが好ましい。前記下限値未満であると、架橋基を有する繰り返し単位の数が少ないことを意味し、架橋反応部位が少ないため耐熱性が向上せず、微細孔が保持できなかったり、不均一な微細孔となり好ましくない。
また、一般式(1)において、繰り返し単位kとmの比率(k:m)としては、k:m=0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲内であるが、好ましくは、k:m=0.2:0.8〜0.5:0.5である。ここでmの繰り返し単位の比率が前記上限値を越える場合、微細孔の大きさが大きくなり、樹脂膜の機械強度が十分でなくなる。逆に、kの繰り返し単位の比率が前記上限値を越える場合、孔の大きさは微細であるが、式(4)中のRとして式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基の割合が減り、耐熱性が落ちる。
【0020】
一般式(1)において繰り返し単位の配列は、ブロック的であっても、ランダム的であってもかまわない。例えば、ブロック的な繰り返し単位の製造方法としては、酸クロリド法による場合、式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(5)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するジカルボン酸のクロリドとを、予め反応させて分子量を上げた後、更に式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、式(3)、及び式(4)で表される二価の基の中から選ばれる架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを反応させることにより得ることができる。
【0021】
また、逆に、式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、式(3)、及び式(4)で表される二価の基の中から選ばれる架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを、予め反応させて分子量を上げた後、更に式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(5)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するジカルボン酸クロリドとを反応させてもよい。
【0022】
ランダムな繰り返し単位の場合は、式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(5)で表される基の中から選ばれる二価の基を有するジカルボン酸のクロリドと式(3)、及び式(4)で表される二価の基の中から選ばれる架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを、同時に反応させることにより得ることができる。
【0023】
本発明において、ポリアミドとの反応にて使用する反応性オリゴマーは、その構造中にポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応し得る反応性置換基を有しており、反応性置換基としては、カルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基を持つことが必須であり、そしてポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化するオリゴマーでなければならない。
具体的に例示すると、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリテトラヒドロフラン等のポリオキシアルキレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
この反応性オリゴマーとしては、側鎖もしくは主鎖の片末端又は両末端に反応性置換基を導入したものを用いることができる。工業的に入手が容易であるのは、主鎖の末端を修飾した反応性オリゴマーである。より具体的には、4−アミノ安息香酸エステル化末端スチレンオリゴマー、4−アミノ安息香酸エステル化末端ポリ(プロピレングリコール)オリゴマー、両ヒドロキシ末端ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)などが挙げられる。
【0024】
該反応性オリゴマーは、数平均分子量において、100以上、40,000以下のものが好ましい。より好ましくは、100以上、20,000以下であり、更に好ましくは、100以上、10,000以下のものである。分子量が前記下限値未満であると、分解・気化した後の空隙が小さく潰れやすいため、比誘電率の低減を発現させることができにくい。また、分子量が前記上限値を越えると、空隙が大きくなりすぎて絶縁膜の機械特性が極端に低下し、実用に供すことができなくなるといった問題が発生する恐れがある。
本発明においては、共重合体中の前記反応性オリゴマーユニットの導入量は、5重量%以上、70重量%以下が好ましい。より好ましくは5重量%以上、50重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以上、40重量%以下である。この導入量が前記下限値未満であると絶縁膜中の空隙率が小さく、誘電率を低減させることが不十分となる恐れがあり、また、前記上限値を越えると、膜中の空隙率が大きくなり膜の機械強度が極端に低下したり、空隙が連続し不均一となり、誘電率が場所により異なる等の問題が発生する恐れがある。
【0025】
本発明において、共重合体の製造方法の例としては、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法を用いることができる。例えば、酸クロリド法では、使用するジカルボン酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度の温度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。
【0026】
このようにして製造したジカルボン酸クロリドと、前記他のジカルボン酸を併用する場合、同様にして得られる酸クロリドとを、ビスアミノフェノール化合物と共に、通常、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等の酸受容剤存在下に、室温ないし−30℃程度の温度で反応させ、ポリアミドを合成し、これに更に、予め、反応性オリゴマーをγ−ブチロラクトンなどに溶解したものを加えて反応させる。次いで、反応液を、水とイソプロピルアルコールの混合溶液などに加え、沈殿物を集め、乾燥することにより、ポリアミドと反応性オリゴマーとを反応せしめた共重合体を得ることができる。また、極性溶媒中、酸クロライド、ビスアミノフェノール化合物、反応性オリゴマーを、同時に反応させて、ランダムに共重合体を合成することも可能である。
【0027】
ジカルボン酸クロリドとビスアミノフェノール化合物の仕込みモル比は、得られるポリアミドの分子量に大きく影響し、またポリアミドの末端基構造を制御するのに重要である。すなわち、反応性オリゴマーと共重合反応させるには、ポリアミドの末端をオリゴマーの反応性基と反応し得るようにしなければならない。つまり、ジカルボン酸クロリド/ビスアミノフェノール化合物のモル比を、1未満とすると、得られるポリアミドの末端は、アミノ基とヒドロキシル基を有し、カルボキシル基を有するオリゴマーとの共重合が可能となる。また、酸クロリド/ビスアミノフェノールのモル比を、1より大きくすると、得られるポリアミドの末端は、カルボキシル基を有し、アミノ基またはヒドロキシル基を有する反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。この場合、オリゴマーの末端反応基は、求核性の強いアミノ基の方がより好ましい。
【0028】
この際、オリゴマーの末端水酸基をアミノ基に変換する例としては、水酸基末端反応性オリゴマーと4−ニトロ安息香酸クロリドを、通常テトラヒドロフランなどの溶媒中において、ピリジン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃程度の温度で反応させることにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリゴマーを得ることができる。その後、この末端オリゴマーを、テトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウム炭素などの還元触媒存在下、水素ガス雰囲気下で反応させ、その反応液から触媒を取り除いたのち、溶媒を濃縮して除去することにより、4−アミノ安息香酸エステル末端のオリゴマーを得て、これを、アミノ基末端反応性オリゴマーとして使用することができる。また、ポリアミドユニットの主鎖構造中の水酸基に、カルボキシル基やイソシアネート基を有する反応性オリゴマーと反応させてグラフト共重合体を合成し用いることも可能であるが、水酸基と反応する反応性オリゴマーであれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0029】
本発明の絶縁膜用材料には、膜形成成分である上記共重合体の他に、目的に応じて各種添加剤を含有させることができる。各種添加剤としては、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒等が挙げられる。
【0030】
また、本発明におけるポリアミドは、前記一般式(1)中のR1及びR2、R3及びR4あるいはR5及びR6の少なくとも一方が水素原子である場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、また、R1及びR2、R3及びR4あるいはR5及びR6の少なくとも一方が、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0031】
本発明の絶縁膜用材料の使用方法としては、適当な有機溶媒に溶解させるか又は均一に分散させて、コーティングワニスとして使用することが可能である。具体的に例示すると、当該絶縁膜用材料を有機溶媒に溶解又は均一に分散させ、適当な支持体、例えば、ガラス、繊維、金属、シリコンウエハ、セラミック基板等に塗布する。その塗布方法は、浸漬、スクリーン印刷、スプレー、回転塗布、ロールコーティングなどが挙げられ、塗布後に加熱乾燥して溶剤を揮発させて、タックフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理して、ポリベンゾオキサゾール樹脂架橋体に変換して用いるのが好ましい。また、ジカルボン酸成分、ビスアミノフェノール化合物成分及び反応性オリゴマー成分を選択することにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾール樹脂として用いることもできる。
【0032】
本発明の絶縁膜用材料を溶解又は分散させる有機溶媒としては、固形分を完全に溶解する溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてよい。
【0033】
コーティングワニスを調製する場合の溶媒使用量としては、絶縁膜用材料を完全に溶解又は分散し得る量であればよく、特に制限されず、その用途に応じて適宜調整することができるが、一般的にはワニス中の溶媒含有量は、70〜95重量%程度が好ましい。
【0034】
本発明の絶縁膜用材料は、上記のようにして得られた塗膜を、通常、80〜200℃の温度で溶媒を蒸発させ、200〜500℃程度の温度で加熱処理することにより、絶縁膜用材料中のポリアミドユニットが、環化縮合反応及び架橋反応を生じポリベンゾオキサゾール樹脂となり、また、絶縁膜用材料中の該オリゴマーユニットは、この際、熱分解して、分解物が気化・揮散し、ポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層に微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜である本発明の絶縁膜を得ることができる。この際の熱履歴も微細孔を形成させるには重要である。
【0035】
本発明のポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、微細孔を有してなる絶縁膜における、微細孔の大きさは、絶縁膜の用途や膜の厚みにもよるが、一般的には、1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下であり、半導体用層間絶縁膜等の用途においては、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm、さらに好ましくは5nm以下であることが望ましい。
半導体用層間絶縁膜においては、孔径が20nmより大きいと配線間に用いられた絶縁膜における空隙が不均一になり、電気特性が一定とならない。また、近年の配線の微細化に伴い、線間も微細化し、孔径に近づきつつあることから、孔径が大きいと、半導体プロセス上で不具合が発生する。また、膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出る等の問題が発生する。ただし、フィルムの用途により最適な膜厚、最適な微細孔の大きさがあるので必ずしも、より好ましい孔径である10nm以下やさらに好ましい孔径である5nm以下が必要というわけではない。
【0036】
また、絶縁膜の空隙率としては、5%以上、70%以下が好ましく、より好ましくは5%以上、50%以下、さらに好ましくは5%以上、40%以下である。空隙率が前記下限値より小さいと十分な誘電率の低下が発現しなくなる恐れがあり、前記上限値よりも大きいと膜の機械強度が低下し、弾性率や接着性に悪影響が出る等の問題が発生する恐れがある。
【0037】
本発明の絶縁膜の厚みとしては、その使用目的に応じて異なるが、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜20μmの範囲で用いられる。
【0038】
本発明の絶縁膜用材料及び絶縁膜は、半導体用層間絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の形成に用いることができる。
【0039】
本発明の絶縁膜を半導体装置の多層配線用層間絶縁膜に用いる場合の例としては、まず、接着性を向上させる場合、接着性コーティング剤を半導体基板上に、塗布して、塗膜を形成する。塗布の方法としては、スピンナーによる回転塗布、スプレーコーターによる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、有機溶剤の沸点以上の温度でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥させることにより、接着性コーティング膜を形成する。
次に、前記接着性コーティング膜の上に、本発明の絶縁膜用材料の溶液を、前記同様の方法により、積層するように塗布して、塗膜を形成する。次いで、塗膜を前記の条件でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥し、更に、加熱処理することにより、微細孔を有する樹脂膜とし、層間絶縁膜を形成することができる。
同様にして、樹脂膜を形成して表面保護膜とすることもできる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0041】
なお、実施例及び比較例で作製したフィルムについて、下記の方法により比誘電率、耐熱性、ガラス転移温度及び吸水率を測定すると共に、フィルムの断面を観察した。
(1)比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision KCRメーターを用いて測定を行った。
(2)耐熱性
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200を用いて、窒素ガス200mK/分フロー下、昇温速度10℃/分の条件により、重量減少5%の際の温度を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用いて、窒素ガス300mK/分フロー下、測定周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件で、引張りモードで測定し、損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス転移温度とした。(4)吸水率
5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
(5)フィルム断面観察
フィルムの断面について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、微細孔の有無とその孔径を観察した。
【0042】
製造例1
[スチレンオリゴマーの合成]
スチレン10g(96mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥したテトラヒドロフラン100gに溶解して、−78℃まで冷却し、ここへ、反応試剤として1.3mol/L濃度のsec−ブチルリチウム溶液(溶媒:シクロヘキサン)0.77mLを加えて、3時間攪拌した。続けて、エチレンエポキシド0.044g(1.0mmol)を加えて、3時間攪拌した後、メタノール3gを加え、この溶液を濃縮して溶媒を除去したものを、テトラヒドロフラン100gに溶解し、ろ過した。得られた濾液を、減圧濃縮、乾燥させることにより、末端が水酸基で数平均分子量9,600のスチレンオリゴマーを得た。得られたスチレンオリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で、熱重量分析にて測定したところ、365℃であった。
【0043】
[スチレンオリゴマー末端へのアミノ基導入]
得られたオリゴマー10g(1.00mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥したテトラヒドロフラン80gに溶解し、ピリジン1.15g(14.52mmol)を滴下後、5℃で、テトラヒドロフラン20gに4−ニトロ安息香酸クロリド2.63g(14.52mmol)を溶解したものを、30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をろ過して、ピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を濃縮して除去することにより、スチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルを得た。このスチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルを、テトラヒドロフラン100gに溶解した後、5重量%パラジウム炭素0.5gを、水素ガス雰囲気下で混合し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液を、セライトでろ過し、溶媒を濃縮して除去することにより、末端を4−アミノ安息香酸エステル化したスチレンオリゴマーを得た。得られたアミノ基末端スチレンオリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で、熱重量分析にて測定したところ、360℃であった。
【0044】
製造例2
[メチルメタクリレートオリゴマーの合成と該オリゴマー末端へのアミノ基導入]製造例1のオリゴマー合成において用いたスチレン10g(96mmol)の代わりにメチルメタクリレート9.6g(96mmol)を用いた以外は製造例1と同様にして、オリゴマーを合成して、末端を4−アミノ安息香酸エステル化した数平均分子量9,600のメチルメタクリレートオリゴマーを得た。得られたメチルメタクリレートオリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で、熱重量分析にて測定したところ、362℃であった。
【0045】
製造例3
[ポリカプロラクトンオリゴマーの合成と該オリゴマー末端へのアミノ基導入]
製造例1のオリゴマー末端へのアミノ基導入において、オリゴマーとして分子量9,600のスチレンオリゴマー10g(9.68mmol)の代わりに、ポリカプロラクトンジオール10g(ポリマー2.5mmol)(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル240、分子量4,000)を用いた以外は合成例1と同様にして、オリゴマー末端にアミノ基を導入して、末端を4−アミノ安息香酸エステル化した数平均分子量4,000のポリカプロラクトンオリゴマーを得た。得られたポリカプロラクトンオリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で、熱重量分析にて測定したところ、360℃であった。
【0046】
製造例4
[ポリα−メチルスチレンオリゴマー合成と該オリゴマー末端へのアミノ基導入]High Perform. Polym.,7(1995)133−147に準じて分子量7,300のアミノ基末端αメチルスチレンオリゴマーを合成した。得られたオリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で、熱重量分析にて測定したところ、355℃であった。
【0047】
製造例5
[5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの製造]
(1)5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチルの合成
温度計、ジムロー卜冷却管、塩化カルシウム管、撹拌機を備えた4つ口の5Lフラスコに、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル190.0g(0.904mol)、脱水トルエン3L、脱水ピリジン214.7g(2.718mol)を仕込み、撹拌しながら−30℃まで冷却した。ここに、無水トリフルオロメタンスルホン酸510.2g(1.808mol)を、温度が−25℃以上に上がらないように注意しながら、ゆっくりと滴下した。この場合、滴下が終了するまでに1時間を要した。滴下終了後、反応温度を0℃に昇温し1時間、さらに室温に昇温し5時間反応した。得られた反応混合物を、4Lの氷水に注ぎ、水層と有機層を分離した。更に、水層を、500mLのトルエンで2回抽出し、これを、先の有機層とあわせた。この有機層を、水3Lで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム100gで乾燥、ろ過により、無水硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去、減圧乾燥することによって、淡黄色固体の5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチルを294.0g得た(収率95%)。この粗生成物をヘキサンで、再結晶することによって白色針状晶を得、これを、次の反応に用いた。
【0048】
(2)4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オールの合成
温度計、ジムロート冷却管、窒素導入管、撹拌機を備えた4つ口の1Lフラスコに、上記(1)で得られた5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル125g(0.365mol)、トリフェニルホスフィン1.1g(0.00419mol)、ヨウ化銅0.275g(0.00144mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール33.73g(0.401mol)を仕込み、窒素を流した。脱水トリエチルアミン375mLおよび脱水ピリジン200mLを加え、撹拌溶解した。1時間窒素を流し続けた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.3g(0.000427mol)を素早く添加し、オイルバスで1時間加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これを、水500mLに注ぎ析出した固形物を、ろ取し、さらに、水500mL、5mol/L濃度塩酸500mL、水500mLで各2回洗浄した。この固形物を、50℃で減圧乾燥することにより、98.8gの4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オールを得た(収率98%)。
【0049】
(3)5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩の合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコに、n−ブタノール3L、水酸化カリウム(85%)182g(2.763mol)を仕込み、加熱還流して溶解した。これに、上記(2)で合成した4−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−1−オール95g(0.344mol)を加えて、30分間加熱還流した。これを、氷浴にて冷却し、析出した結晶を、ろ取した。この結晶を、エタノール1Lで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、88.87gの5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩を得た(収率97%)。
【0050】
(4)5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、上記(3)で得られた5−エチニルイソフタル酸二カリウム塩80g(0.3mol)、クロロホルム400Lを仕込み、0℃に冷却した。これに、塩化チオニル391g(4.5mol)を、5℃以下で1時間かけて滴下した。その後、ジメチルホルムアミド4mL、ヒドロキノン4gを加え、45〜50℃で3時間撹拌した。冷却後、ろ過して、結晶を除き、結晶をクロロホルム150mLで洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせて、40℃以下で減圧濃縮し、得られた残渣を、ジエチルエーテル200mLで2回抽出ろ過した。抽出液からジエチルエーテルを減圧留去することで、半固体の粗生成物を得た。これを、乾燥したn−へキサンで洗浄し、続いて、ジエチルエーテルで再結晶することで、13gの5−エチニルイソフタル酸ジクロリドを得た(収率19%)。
また、上記5−エチニルイソフタル酸ジクロリドの製造において、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチルを、5−ヒドロキシテレフタル酸ジメチルに代えた以外は、同様にして5−エチニルテレフタル酸ジクロリドを製造し、また、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチルを、4−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに代えた以外は同様にして、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリドを製造した。
【0051】
製造例6
[5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの製造]
(1)5−ブロモイソフタル酸の合成
温度計、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口の1Lフラスコに、5−アミノイソフタル酸99.18g(0.55mol)と48重量%臭化水素酸165mL、蒸留水150mLを入れ、撹拌した。フラスコを5℃以下まで冷却し、ここへ、亜硝酸ナトリウム39.4g(0.57mol)を、蒸留水525mLに溶解したものを、1時間かけて滴下し、ジアゾニウム塩水溶液を得た。温度計、ジムロート冷却管、滴下ロート、撹拌機を備えた4つ口の3Lフラスコに、臭化第一銅94.25g(0.66mol)と48重量%臭化水素酸45mLを入れ、撹拌した。フラスコを、0℃以下に冷却し、上記のジアゾニウム塩水溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後に、室温で30分間撹拌し、続けて、30分間還流させた。放冷後、析出物を、ろ別し、蒸留水2Lで2回洗浄し、得られた白色固体を、50℃で2日間減圧乾燥し、粗生成物117gを得た。精製せずに、次の反応へ用いた。
【0052】
(2)5−ブロモイソフタル酸ジメチルの合成
撹拌機、ジムロート冷却管を備えた500mLフラスコに、上記(1)で得られた5−ブロモイソフタル酸110g、メタノール500mL、濃硫酸10gを入れ、6時間還流させた。放冷後、蒸留水1Lに滴下し、これを、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出物を、ろ別し、蒸留水2Lで2回洗浄した後、得られた白色固体を、50℃で2日間減圧乾燥し、5−ブロモイソフタル酸ジメチル109g(0.4mol)を得た(収率89%)。
【0053】
(3)5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリドの合成
製造例5(2)において、5−トリフルオロメタンスルホニロキシイソフタル酸ジメチル125g(0.365mol)を、上記(2)で得られた5−ブロモイソフタル酸ジメチル99.7g(70.365mol)とする以外は同様にして、80.8gの1−[3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル]−2−フェニルエチンを得た(収率75%)。
以下、製造例5(3)及び(4)と同様にして、5−(2−フェニルエチニル)イソフタル酸二カリウム塩を得たのち、5−(2−フェニルエチニル)イソフタル酸ジクロリドを得た。
【0054】
実施例1
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル19.46g(0.090mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン292mLに溶解し、この溶液に、乾燥窒素下5℃以下にて、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド11.35g(0.050mol)を添加した。次いで、同じく乾燥窒素下、5℃以下にて、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド15.16g(0.050mol)を添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で1時間撹拌した。5℃以下にした後、γ−ブチロラクトン100mLに、4−アミノ安息香酸エステル末端スチレンオリゴマー28.80g(0.0030mol、数平均分子量9,600)を溶解した溶液を、乾燥窒素下で添加した。次いでトリエチルアミン22.26g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水7Lとイソプロパノール3Lの混合溶液に滴下再沈し、析出沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体60.70gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量21,700、分子量分布2.74であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は38.4重量%であった。
【0055】
得られた共重合体5.00gを、N−メチル−2−ピロリドン20.00gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターで、ろ過して、ワニスを得た。スピンコーターを用いて、このワニスを、アルミニウム蒸着したシリコンウエハ上に塗布した。この際、熱処理後の膜厚が約5μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、90℃のホットプレート上で、240秒間乾燥した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、300℃で60分間、加熱させることで、末端をオリゴマーと反応させたポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。さらに、400℃で60分間加熱してオリゴマーユニットを分解し、細孔を有するポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。皮膜上に、アルミニウムを蒸着して、パターンニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハ側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に、皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ2.25であった。また、この皮膜について、断面を、TEMにより観察したところ、得られた空隙は、8nm以下の細孔で非連続であった。熱分解温度、Tg、吸水率も併せて第1表にまとめた。
【0056】
実施例2
4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル19.46g(0.090mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン292mLに溶解し、この溶液に、乾燥窒素下、5℃以下にて、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド6.81g(0.030mol)を添加した。次いで、同じく乾燥窒素下、5℃以下にて、2−フェニルエチニルテレフタル酸ジクロリド21.21g(0.070mol)を添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で1時間撹拌した。5℃以下にした後、γ−ブチロラクトン100mLに、4−アミノ安息香酸エステル末端メチルメタクリレートオリゴマー47.99g(0.0050mol、数平均分子量9,600)を溶解した溶液を、乾燥窒素下で添加した。次いで、トリエチルアミン22.26g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水9Lとイソプロパノール4Lの混合溶液に滴下再沈し、析出沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体79.36gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量18,200、分子量分布2.38であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は49.0重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0057】
実施例3
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル20.90g(0.090mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン315mLに溶解し、この溶液に、乾燥窒素下、5℃以下にて、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド6.81g(0.030mol)を添加した。次いで、同じく乾燥窒素下、5℃以下にて、2−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド15.16g(0.050mol)とテレフタル酸4.06g(0.020mol)を添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で1時間撹拌した。5℃以下にした後、γ−ブチロラクトン100mLに、4−アミノ安息香酸エステル末端ポリカプロラクトンオリゴマー40.00g(0.010mol、数平均分子量4,000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下で添加した。次いで、トリエチルアミン22.26g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水7Lとイソプロパノール3Lの混合溶液に滴下再沈し、析出沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体70.66gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量20,100、分子量分布2.57であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は44.0重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0058】
実施例4
9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン34.24g(0.090mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン514mLに溶解し、この溶液に、乾燥窒素下、5℃以下にて、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド6.81g(0.030mol)を添加した。次いで、同じく乾燥窒素下、5℃以下にて、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド21.22g(0.070mol)を添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で1時間撹拌した。5℃以下にした後、γ−ブチロラクトン100mLに、アルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)60.00g(0.015mol、数平均分子量4,000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下で添加した。次いで、トリエチルアミン22.26g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水12Lとイソプロパノール5Lの混合溶液に、滴下再沈し、析出沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体103.48gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量23,500、分子量分布2.25であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は47.0重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0059】
実施例5
3,3‘−ジアミノ−4,4’−ジヒロドキシビフェニル8.64g(0.04mol)と4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル10.80g(0.05mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン514mLに溶解し、この溶液に、乾燥窒素下、5℃以下にて、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド9.08g(0.04mol)を添加した。次いで、同じく乾燥窒素下、5℃以下にて、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド18.18g(0.060mol)を添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で1時間撹拌した。5℃以下にした後、γ−ブチロラクトン100mLに、アルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)56.00g(0.014mol、数平均分子量4,000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下で添加した。次いで、トリエチルアミン22.26g(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水12Lとイソプロパノール5Lの混合溶液に滴下再沈し、析出沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体85.48gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量23,000、分子量分布2.20であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は51.0重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0060】
実施例6
実施例1において、4−アミノ安息香酸エステル末端スチレンオリゴマー28.80g(0.0030mol、数平均分子量9,600)の代わりに、4−アミノ安息香酸エステル末端αメチルスチレンオリゴマー29.20g(0.0040mol、数平均分子量7,300)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、共重合体60.64gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量20,700、分子量分布2.37であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は39.5重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0061】
比較例1
実施例1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド11.35g(0.050mol)の代わりに、テレフタル酸ジクロリド10.15g(0.050mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、共重合体59.64gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量19,700、分子量分布2.52であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は39.1重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0062】
比較例1においては、一般式(1)におけるk、mの比はk:m=0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲を外れており、微細孔の径が大きく(20−50nm)、一部連続の孔も存在する。
【0063】
比較例2
実施例1において、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド15.16g(0.050mol)の代わりに、イソフタル酸ジクロリド10.15g(0.050mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、共重合体56.22gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量18,300、分子量分布2.58であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は41.5重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0064】
比較例3
実施例1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド11.35g(0.050mol)と5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド15.16g(0.050mol)の代わりに、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.70g(0.10mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、共重合体57.30gを得た。得られた共重合体の分子量は、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量18,200、分子量分布2.74であった。また、1H−NMRによる測定で、反応性オリゴマー成分の導入率は40.7重量%であった。
得られた共重合体を用い、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得て、測定結果を第1表にまとめた。
【0065】
比較例2および3においては、一般式(1)におけるk及びmの繰り返し単位の比がk:m=0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲を外れており、孔の径は微細であるが、骨格に占めるフェニル基の割合が減り、また、エチニル基が多すぎるため、樹脂の閉環反応より架橋反応が早く起こるために閉環不十分となり、耐熱性が落ち、かつ未反応アミノ基由来で吸湿性が高くなり、誘電率の増加が起こる。
【0066】
【表1】
Figure 0004281384
【0067】
第1表にまとめた実施例および比較例の評価結果から、本発明の絶縁膜用材料から得られた絶縁膜(皮膜)は、優れた耐熱性と低吸水性を維持しながら孔径の微細化に成功し、低誘電率化を可能とすることがわかる。また、測定した誘電率を用いて対数混合式から計算した空隙率と反応性オリゴマー導入率とほぼ一致した。
【0068】
【発明の効果】
本発明の絶縁膜用材料及びコーティング用ワニスにより得られる絶縁膜は、微小の空孔を有し、優れた熱特性、電気特性、および吸水性を両立することができ、特に、誘電率の極めて低く、半導体用の層間絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適に使用することができる。

Claims (18)

  1. 一般式(1)で表されるポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有すると共に上記ポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化する反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体を膜形成成分として含むことを特徴とする絶縁膜用材料。
    Figure 0004281384
    [但し、式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立した水素原子又は一価の有機基を示し、Xは式(2)で表される基の中から選ばれる四価の基を示し、それぞれ同じであっても異なっても良く、Y1は式(3)で表される二価の基、Y2は式(4)で表される二価の基、また、Y3は式(5)で表される二価の基の中から選ばれる基を示し、k,m及びnは、k>0、m>0、n≧0で、2≦k+m+n≦1000,及び0.05≦(k+m)/(k+m+n)≦1を満たす整数であり、且つ、式(1)中のk及びmの比率として、k:m=0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲内の比率を有するものである。式(1)において繰り返し単位の配列(k、mおよびnの配列)は、ブロック的であってもランダム的であってもかまわない。]
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
    [式(2)及び式(5)中の各X1は、式(6)で表される基の中から選ばれる二価の基を示し、式(4)中のRは式(7)で表される基の中から選ばれる一価の基を示す。また、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、及び式(7)で表される基におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。]
    Figure 0004281384
    Figure 0004281384
  2. 反応性オリゴマーが、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン及びポリウレタンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の絶縁膜用材料。
  3. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜40,000のものである請求項1ないし2のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
  4. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜20,000のものである請求項3記載の絶縁膜用材料。
  5. 反応性オリゴマーが、数平均分子量100〜10,000のものである請求項4記載の絶縁膜用材料。
  6. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜70重量%を導入したものである請求項1ないし5のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
  7. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜50重量%を導入したものである請求項6記載の絶縁膜用材料。
  8. 共重合体が、反応性オリゴマーユニットとして5〜40重量%を導入したものである請求項7記載の絶縁膜用材料。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
  10. 請求項1ないし8のいずれかに記載の絶縁膜用材料、又は、請求項9記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して縮合反応及び架橋反応せしめて得られるポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなり、かつ、微細孔を有することを特徴とする絶縁膜。
  11. 絶縁膜の微細孔の大きさが、100nm以下である請求項10記載の絶縁膜。
  12. 絶縁膜の微細孔の大きさが、20nm以下である請求項11記載の絶縁膜。
  13. 絶縁膜の微細孔の大きさが、10nm以下である請求項12記載の絶縁膜。
  14. 絶縁膜の空隙率が、5〜70%である請求項10ないし13のいずれかに記載の絶縁膜。
  15. 絶縁膜の空隙率が、5〜50%である請求項14記載の絶縁膜。
  16. 絶縁膜の空隙率が、5〜40%である請求項15記載の絶縁膜。
  17. 半導体の多層配線用層間絶縁膜又は表面保護膜として用いる請求項10ないし16のいずれかに記載の絶縁膜。
  18. 請求項17記載の絶縁膜からなる多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護層を有することを特徴とする半導体装置。
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