JP3879984B2 - 半導体用有機絶縁膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用有機絶縁膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体用材料には、必要とされる特性に応じて、無機材料、有機材料などが、様々な部分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相法で作製した二酸化シリコン等の無機酸化膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体の高速化、高性能化に伴い、上記のような無機酸化膜では、比誘電率が高いことが問題となっている。この改良手段の一つとして、有機材料の適用が検討されている。
【0003】
半導体用途の有機材料としては、耐熱性、電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。また、ポリイミド樹脂に比べて、耐熱性、吸水性、電気特性に関して、より優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂があり、様々な分野への適用が試みられている。特に、半導体用層間絶縁膜として有機材料を適用する場合、無機材料に匹敵する耐熱性、機械特性、吸水性を要求され、その上で更なる低誘電率化が求められている。
【0004】
このような高性能化の要求に対して、ベース樹脂に熱分解性成分を反応させた共重合体から得られる発泡重合体を有機絶縁膜材料として、絶縁膜を形成することが試みられている。
【0005】
有機絶縁膜材料は、一般に適当な溶媒に溶解させた樹脂の状態で使用され、このような樹脂をシリコンウエハー等の半導体素子基板上に塗布する方法としては、主にスピンナーを用いた回転塗布が用いられる。その後、塗膜を乾燥させるためにホットプレートまで基板を搬送するが、その際、搬送する支持体が、基板端部に付着する樹脂で汚染されて、パーティクルが発生する可能性があることから、一般に基板端部の樹脂を適当な溶剤で除去する工程が取られ、これをエッジリンスという。
【0006】
エッジリンスは、樹脂を回転塗布中に行われるが、樹脂自体がリンス液に押し返され盛り上がりを生じたり、また、それによって盛上りの幅が広くなる問題がある。図を用いて従来の例を説明する。図1において樹脂を半導体素子基板3上の絶縁膜形成面に回転塗布を行っている際に、塗布し形成された有機絶縁膜2の端部をノズル1より、リンス液を吹き付け流して(流れ方向4)基板端部を除去するが、図2に示すような端部での樹脂の盛り上がりを生じていた。このような樹脂の盛り上がりは、高すぎると乾燥した後も残り、搬送中又は他の工程中に欠損してパーティクルの原因となり、クラックやパターン配線欠落の原因となる。また盛上りの幅が広すぎる場合には、良質な半導体装置を得られる面積が少なくなり歩留まりが低下することから、エッジリンス後の膜の外観形状が良好な形成方法が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体装置の製造において、エッジリンス後の膜の外観形状に優れた有機絶縁膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体素子基板上に塗布することにより半導体用有機絶縁膜を形成する方法において、半導体有機絶縁膜が、一般式(A)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを、反応せしめた共重合体からなり、且つ、前記半導体有機絶縁膜のエッジリンスを行う際、溶解度パラメーター値が17.0〜27.0(MPa)1/2で、より好ましくは、20℃の粘度が0.8〜4.0mPa・sである有機溶剤からなるエッジリンス液を用いることを特徴とする半導体有機絶縁膜形成方法である。
【0009】
【化2】
[式(1)中、nは1〜1000までの整数であり、Xは2個のOH基あるいはOR基(RはHまたは1価の有機基であり同じであっても異なっても良い)を有する2価の有機基を示し、式中のアミド基とOH基もしくはOR基とが、それぞれ有機基の隣り合った炭素に結合している。Yは2価の有機基を示す。]
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる一般式(A)で表される繰り返し単位を有するポリアミドは、一般式(A)におけるXで表される2価の基を有するビスアミノフェノール化合物と一般式(A)におけるYで表される2価の基を有するジカルボン酸とを、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により、合成することで、得ることが出来る。
【0011】
本発明で用いるポリアミドにおいて、一般式(A)におけるで表される2価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4 ’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、9,9−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、1種または2種以上を用いることができる。
【0012】
本発明で用いるポリアミドにおいて、一般式(A)におけるYで表される2価の基を有するジカルボン酸としては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフタル酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−テレフタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、3−フェニルエチニルフタル酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、3−ヘキシニルフタル酸、4−へキシニルフタル酸、2−へキシニルイソフタル酸、4−へキシニルイソフタル酸、5−へキシニルイソフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、3−へキシニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジヘキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジへキシニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジへキシニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ヘキシニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、1,2−ビフェニレンジカルボン酸、1,3−ビフェニレンジカルボン酸、1,4−ビフェニレンジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、1,6−ビフェニレンジカルボン酸、1,7−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、2,3−ビフェニレンジカルボン酸、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸、4,4’−トランジカルボン酸、3,4’−トランジカルボン酸、3,3‘−トランジカルボン酸、2,4’−トランジカルボン酸、2,3’−トランジカルボン酸、2,2’−トランジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明におけるポリアミドは、繰り返し単位の数である式(A)中のnについて、nは、1≦n≦1000、を満たす整数である。nは、好ましくは5以上100以下である。ここでnが、前記下限値未満であると成膜性が低下し、膜の機械強度が十分でなくなる恐れがある。また、前記上限値を越えると分子量が大きくなりすぎて、溶剤に溶けにくくなったり、溶解しても粘調なワニスとなり、実用にそぐわなくなる恐れがある。
【0014】
本発明において、ポリアミドとの反応にて使用する反応性オリゴマーは、その構造中にポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応し得る反応性置換基を有しており、反応性置換基としては、カルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基を持つことが必須であり、そしてポリアミドの熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化するオリゴマーでなければならない。具体的に例示すると、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体等のポリオキシアルキレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられる。反応性置換基は、側鎖あるいは主鎖の片末端または両末端に導入したものを用いることができる。工業的に入手が容易であるのは、主鎖の末端を修飾した反応性オリゴマーである。より具体的には、4−アミノ安息香酸エステル化末端スチレンオリゴマー、4-アミノ安息香酸エステル化末端ポリ(プロピレングリコール)オリゴマー、両ヒドロキシ末端ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)などが挙げられる。
【0015】
該オリゴマーは、数平均分子量が100〜40,000の範囲のものが好ましい。より好ましくは、数平均分子量が100〜20,000であり、更に好ましくは、数平均分子量が100〜10,000の範囲のものである。分子量が100未満であると、分解・気化した後の空隙が小さく、潰れやすくなり、比誘電率の低減を発現させることができなくなる恐れがある。また、分子量が40,000を越えると、空隙が大きくなりすぎて、絶縁膜の機械特性が極端に低下し、実用に供すことができなくなる恐れがある。
【0016】
共重合体における該オリゴマーの配合量に関しては、ポリアミド100重量部に対して、5〜70重量部の該オリゴマーを反応させることが好ましい。より好ましくは、5〜50重量部であり、更に好ましくは、5〜40重量部である。反応させた後の樹脂中の該オリゴマー成分量も同様に、5〜70重量部を満たすことが好ましい。5重量部未満であると絶縁膜中の空隙率が小さく、誘電率を低減させることが不十分であったり、また、70重量部を越えると、膜中の空隙率が大きくなり膜の機械強度が極端に低下したり、空隙が連続し不均一となり、誘電率が場所により異なる等の問題が発生する恐れがある。
【0017】
本発明において、共重合体の製造方法の例としては、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法を用いることが出来る。例えば、酸クロリド法では、使用する酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。このようにして製造したジカルボン酸クロリドと、ビスアミノフェノール化合物と共に、通常N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等の酸受容剤滴下後、室温ないし−30℃で反応させ、ポリアミドを合成し、更に、予め反応性オリゴマーをγ―ブチロラクトンなどに溶解したものを滴下する。滴下終了後、室温まで戻し攪拌する。反応液を蒸留水とイソプロピルアルコールの混合溶液に滴下し、沈殿物を集め、乾燥することにより、ポリアミドと反応性オリゴマーとを反応せしめた共重合体を得ることが出来る。
【0018】
酸クロリドとビスアミノフェノール化合物の仕込みモル比は、得られるポリアミドの分子量に大きく影響し、またポリアミドの末端基構造を制御するのに重要である。すなわち、反応性オリゴマーと共重合反応させるには、ポリアミドの末端をオリゴマーの反応性基と反応し得るようにしなければならない。つまり、酸クロリド/ビスアミノフェノール化合物のモル比を、1未満とすると、得られるポリアミドの末端は、アミノ基とヒドロキシル基を有し、カルボキシル基を有するオリゴマーとの共重合が可能となる。また、酸クロリド/ビスアミノフェノールのモル比を、1より大きくすると、得られるポリアミドの末端は、カルボキシル基を有し、アミノ基またはヒドロキシル基を有する反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。この場合、オリゴマーの末端反応基は、求核性の強いアミノ基の方がより好ましい。
【0019】
この時、オリゴマーの末端水酸基をアミノ基に変換する例としては、水酸基末端反応性オリゴマーと共に4−ニトロ安息香酸クロリドを、通常、テトラヒドロフラン中に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃で反応させることにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリゴマーを得ることが出来る。その後、この末端オリゴマーをテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウム炭素触媒存在下、水素ガス雰囲気下で、室温で反応させ、その反応液をセライトで濾過し、溶媒を濃縮して除去することにより、4−アミノ安息香酸エステル末端のオリゴマーを得て、これをアミノ基末端反応性オリゴマーとして使用することができる。また、ポリアミドユニットの主鎖構造中の水酸基に、カルボキシル基やイソシアネート基を持つ反応性オリゴマーと反応させて、グラフト共重合体を合成し、用いることも可能であるが、水酸基と反応する反応性オリゴマーであれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0020】
本発明において、上記共重合体の他に、目的に応じて添加剤を用いて絶縁膜用材料とすることができる。各種添加剤としては、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒等が挙げられる。
【0021】
また、本発明に用いられる絶縁膜材料は、感光剤としてナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0022】
本発明において共重合体からなる絶縁膜材料の使用方法としては、通常、適当な溶剤に溶解させてコーティングワニスとして使用することが好ましい。溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等を、1種、または2種以上混合して用いることが出来る。その使用量としては、絶縁膜用材料を完全に溶解し得る量ならば問題なく、その使用用途に応じて調整可能である。
【0023】
本発明における溶解度パラメーターδは、次の式により与えられるものである。
δ2=Ev/V
δ:溶解度パラメーター
Ev:理想気体に気化させるときのエネルギー
V:系全体のモル体積
【0024】
本発明においてエッジリンス液に用いる有機溶剤の溶解度パラメーター値は17.0〜27.0(MPa)1/2である。溶解度パラメーター値が17.0(MPa)1/2未満、または28.0(MPa)1/2超える場合には、本発明における有機絶縁膜を形成する樹脂が溶解しないために、基板端部の有機絶縁膜樹脂がエッジリンス液に押し返されて盛り上がりが大きくなったり、それにより盛り上がりの幅が広くなり、好ましくない。
【0025】
本発明においてエッジリンス液に用いる有機溶剤の20℃における粘度は0.8〜4.0mPa・sであることが、より好ましく、1.0〜3.0mPa・sであることがさらに好ましい。20℃での粘度が0.8〜4.0mPa・sの範囲であれば、吐出させることが容易で、作業性が良好となり、エッジリンス液としては好適である。20℃における粘度は、E型粘度計(東機産業(株)社製)で、48’xR24のローターを用い、100rpmの回転数で測定できる。
【0026】
本発明においてエッジリンス液に用いる有機溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルセルソルブ、酢酸エチルセルソルブ、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
これらの中で、特に好ましいものとしては、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンを挙げることができる。
【0028】
本発明の半導体有機絶縁膜の形成方法としては、例えば、有機絶縁膜用材料のワニスを、半導体素子基板上に、スピンコーター等を用いて回転塗布した後、続けてエッジリンス液により、エッジリンスを行う。その後、乾燥機を用いて乾燥し、有機絶縁膜を得る。
続いて、上記で得られる有機絶縁膜を、80℃〜200℃の温度範囲で溶媒を蒸発させ、200℃から500℃の温度範囲で加熱することにより、絶縁膜用材料中のポリアミドが、環化縮合反応及び架橋反応を生じポリベンゾオキサゾール樹脂となり、また、絶縁膜用材料中の該オリゴマーは、このとき熱分解して、分解物が気化・揮散し、ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする樹脂の層に微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜を得ることができ、有機絶縁膜の低誘電率化を達成することができる。
【0029】
本発明の方法で得られる有機絶縁膜は、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の形成に用いることが出来る。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0031】
「合成例1」
スチレン10g(96mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン100gに溶解して、−78℃まで冷却し、ここへ反応試剤として、1.3molのsec−ブチルリチウム(溶媒:シクロヘキサン)0.77mlを加えて3時間攪拌した。続けて、エチレンエポキサイド0.044g(1.0mmol)を加えて3時間攪拌した後、メタノール3gを加え、この溶液を濃縮して、溶媒を除去したものを、テトラヒドロフラン100gに溶解し濾過した。得られた濾液を減圧濃縮、乾燥させることにより、末端が水酸基で分子量9,600のスチレンオリゴマーを得た。
【0032】
得られたオリゴマー93g(9.68mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン80gに溶解し、ピリジン1.15g(14.52mmol)を滴下後、5℃でテトラヒドロフラン20部に4−ニトロ安息香酸クロリド2.63g(14.52mmol)を溶解したものを30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液を濾過してピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を濃縮して除去することにより、スチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルを得た。このスチレンオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルをテトラヒドロフラン100gに溶解した後、5%パラジウム炭素0.5gを水素ガス雰囲気下で混合し、室温で24時間攪拌した。その後、反応液をセライトで濾過し、溶媒を濃縮して除去することにより、末端を4−アミノ安息香酸エステル化したスチレンオリゴマーを得た。
【0033】
(実施例1)
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン35.9g(0.098mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液にイソフタル酸クロリド20.3g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン100mLに、合成例1で合成した4−アミノ安息香酸エステル末端スチレンオリゴマー38.4g(0.004mol、数平均分子量9,600)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、濾過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体76.8gを得た。得られた共重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量30,000、分子量分布2.23であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は36重量%であった。
【0034】
得られた共重合体5.00gをN−メチル−2−ピロリドン20.00gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターで濾過してワニス(A−1)を得た。
【0035】
このワニスをスピンコーターを用いて、半導体素子基板(ウエハー)に回転塗布した後、続けてN−メチル−2−ピロリドン(溶解度パラメーター:23.1(MPa)1/2、粘度:1.7(mPa・s))でエッジリンスを行った。その後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。接触式表面粗さ計により測定したウエハー端部の形状から、有機絶縁膜の盛り上がりの高さは、塗布膜の表面から0.02μm、盛り上がり幅は0.1mmであることが分かった。次の式に従い、盛上り量を算出したところ、4%であった。
盛上り量(%)=盛上り高さ/絶縁膜膜厚x100
【0036】
(実施例2)
実施例1におけるエッジリンス液をプロピレングリコールモノメチルエーテル(溶解度パラメーター:18.8(MPa)1/2、粘度:1.9(mPa・s))に代えた他は実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0037】
(実施例3)
実施例1におけるエッジリンス液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶解度パラメーター:21.5(MPa)1/2、粘度:1.3(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0038】
(実施例4)
実施例1におけるエッジリンス液をシクロヘキサノン(溶解度パラメーター20.2(MPa)1/2、粘度:2.2(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0039】
(実施例5)
実施例1におけるエッジリンス液をγ−ブチロラクトン(溶解度パラメーター25.8(MPa)1/2、粘度:1.7(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0040】
(実施例6)
9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン119.2g(0.21mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン900mLに溶解し、この溶液に5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)、5−フェニルエチニルイソフタル酸ジクロリド30.3(0.1mol)、及びイソフタル酸ジクロリド4.5g(0.022mol)とを、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン49.5g(0.49mol)を添加し、次いでγ−ブチロラクトン250mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)88.9g(0.022mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、濾過した液をイオン交換水15Lとイソプロパノール15Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体211.8gを得た。得られた共重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量25,000、分子量分布2.20であった。1H−NMRにより反応性オリゴマー成分の導入率は33重量%であった。
得られた共重合体5gをγ−ブチロラクトン25gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターでろ過して共重合体(A−2)ワニスを得た。
【0041】
実施例1において共重合体(A−1)ワニスを共重合体(A−2)ワニスに、代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0042】
(実施例7)
実施例1において共重合体(A−1)ワニスを実施例6で得た共重合体(A−2)ワニスに、エッジリンス液をγ−ブチロラクトン(溶解度パラメーター25.8(MPa)1/2、粘度:1.7(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0043】
(比較例1)
実施例1におけるエッジリンス液をジエチルエーテル(溶解度パラメーター15.1(MPa)1/2、粘度:0.3(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0044】
(比較例2)
実施例1において共重合体(A−1)ワニスを実施例8で得た共重合体(A−2)ワニスに、エッジリンス液をメタノール(溶解度パラメーター29.7(MPa)1/2)、粘度:0.6(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0045】
(比較例3)
実施例1において共重合体(A−1)ワニスを実施例8で得た共重合体(A−2)ワニスに、エッジリンス液をエチレングリコール(溶解度パラメーター29.9(MPa)1/2、粘度:0.6(mPa・s))に代えた他は、実施例1と同様にして塗膜を形成し評価を行った。
【0046】
以上実施例1〜7、比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
なお、エッジリンス液の粘度は、E型粘度計(東機産業(株)社製)で、20℃とし、48’xR
24のローターを用い、100rpmの回転数で測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、半導体装置の製造において、エッジリンス後の膜の外観形状に優れた有機絶縁膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッジリンス中の塗布基板端部の断面を表す。
【図2】エッジリンス後の塗布基板端部の断面を表す。
【符号の説明】
1 エッジリンス液が流れるノズル
有機絶縁膜
半導体素子基板
エッジリンス液の流れる方向
a 塗布膜の表面からの樹脂の盛り上がりの高さ
b 樹脂の盛り上がりの幅
Claims (4)
- 半導体素子基板上に半導体有機絶縁膜を形成する方法において、半導体有機絶縁膜が、一般式(A)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する反応性オリゴマーとを、反応せしめた共重合体からなり、17.0〜27.0(MPa)1/2の溶解度パラメーター値を有する有機溶剤からなるエッジリンス液により前記半導体有機絶縁膜のエッジリンスを行うことを特徴とする特徴とする半導体有機絶縁膜形成方法。
- エッジリンス液が、20℃において0.8〜4.0mPa・sの粘度を有する有機溶剤からなる請求項1記載の半導体有機絶縁膜形成方法。
- 反応性オリゴマーが、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン及びポリウレタンの中から選ばれる、少なくとも1種である請求項1乃至2記載の半導体有機膜形成方法。
- エッジリンス液が、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド及びN-メチル−2−ピロリドンの中から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体用有機絶縁膜形成方法。
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