JP2003277504A - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、絶縁膜、及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、絶縁膜、及びこれを用いた半導体装置

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JP2003277504A
JP2003277504A JP2002082415A JP2002082415A JP2003277504A JP 2003277504 A JP2003277504 A JP 2003277504A JP 2002082415 A JP2002082415 A JP 2002082415A JP 2002082415 A JP2002082415 A JP 2002082415A JP 2003277504 A JP2003277504 A JP 2003277504A
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insulating film
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acid
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bis
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Application number
JP2002082415A
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Mitsuru Murata
満 村田
Akihiro Hirata
明広 平田
Hidenori Saito
英紀 齋藤
Masahiro Tada
昌弘 多田
Michio Nakajima
道男 中嶋
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体用途において、熱特性、電気特性、機
械特性、耐吸水性に優れ、かつ低誘電率化を可能にす
る、絶縁膜用樹脂組成物およびそれを用いた絶縁膜を提
供する。 【解決手段】 一般式(A)で表わされる繰り返し単位
を有する、アセチレン基を含有するポリアミド(1)、
もしくは一般式(B)で表されるビスアミノフェノール
化合物(2)、および、式(C)〜式(F)で表される
構造から選ばれる基を有するジカルボン酸誘導体と、ポ
リアルキレングリコール及びその誘導体とを、モル比が
ジカルボン酸誘導体/ポリアルキレングリコール及びそ
の誘導体=0.1〜10/1になる割合で反応させて得
られた、活性化変成ポリアルキレングリコール(3)を
反応させて得られる、絶縁膜用樹脂組成物を用いて絶縁
膜を形成させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用の層間絶
縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅
張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜
などの用途に用いられる、電気特性、熱特性、機械特性
に優れた、絶縁膜用材料および絶縁膜に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体用材料には、必要とされる特性に
応じて無機材料、有機材料などが、様々な部分で用いら
れている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化
学気相法で作製した二酸化シリコン等の無機酸化膜が使
用されている。しかしながら、近年の半導体の高速化、
高性能化に伴い、上記のような無機酸化膜では、比誘電
率が高いことが問題となっている。その改良手段のひと
つとして、有機材料の適用が検討されている。
【0003】半導体用途の有機材料としては、耐熱性、
電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げ
られ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜など
に用いられている。しかしながら、一般に、ポリイミド
樹脂は、イミド環にカルボニル基を2個有していること
から、耐吸水性、電気特性に問題がある。これらの問題
に対して、フッ素あるいはフッ素含有基を有機高分子内
に導入することにより、耐吸水性、電気特性を改良する
ことが試みられており、実用化されているものもある。
【0004】また、ポリイミド樹脂に比べて、耐熱性、
耐吸水性、電気特性に関して、より優れた性能を示すポ
リベンゾオキサゾール樹脂があり、様々な分野への適用
が試みられている。例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'
−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸からなる構造
を有するもの、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸
からなる構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂等が
ある。
【0005】しかし、さらに厳しい耐熱性、電気特性、
耐吸水性等の向上を要求されている先端分野では、この
ような要求の全てを満足する材料は、未だ得られていな
いのが現状である。つまり、優れた耐熱性を示すが、誘
電率等の電気特性は十分ではなく、また、フッ素導入に
より、電気特性は向上するものの、耐熱性の低下を招く
等の問題を生じている。特に、半導体用層間絶縁膜とし
て有機材料を適用する場合、無機材料に匹敵する耐熱
性、機械特性、耐吸水性を要求され、その上で更なる低
誘電率化が求められている。
【0006】このような高性能化の要求に対して、無機
材料である無機酸化膜の膜中に微細孔を設けることによ
り、低密度化を図り、比誘電率を低減させる方法が検討
されている。空気の比誘電率は1であり、膜中に空気を
導入して比誘電率を下げることは、Scheuerleinらの米
国特許第3,883,452号(1975年5月13日発
行)の、約20μmの平均孔径を有する発泡重合体を生
成させる方法から類推される。しかしながら、空気を膜
中に導入することによって、効果的な絶縁体にするため
には、膜厚がサブマイクロメーターオーダーで、平均化
された比誘電率を有する必要があり、そして膜自体の機
械特性も、各工程に耐え得るものでなければならい。こ
のような問題を克服する無機材料が未だ得られていない
のが現状である。
【0007】一方、有機材料においては、サブマイクロ
メーターオーダーの微細孔を得る技術については、Hedr
ickらの米国特許第5,776,990号(1998年7
月7日発行)には、ブロックコポリマーからサブマイク
ロメーターオーダーの微細孔を有する樹脂を生成させる
ことが開示されている。ブロックコポリマーがサブマイ
クロメーターオーダーで相分離することは公知(T.Hash
imoto, M.Shibayama,M.Fujimura and H.Kawai," Microp
hase Separation and the Polymer-polymer Interphase
in Block Polymers " in " Block Copolymers-Science
and Technology ", p.63, Ed. By D.J.Meier (Academi
c Pub., 1983))のことであり、天井温度の低いポリマ
ー類が容易に分解することも、高分子化学の分野では、
一般に良く知られていることである。しかしながら、比
誘電率のみならず、機械特性、電気特性、耐吸水性、耐
熱性を満足させながら、微細孔を有する樹脂組成物を得
るためには、樹脂、ブロック化技術、熱分解性成分を組
み合わせる、その選択が非常に限定され、すべての特性
を満足できるものは得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体用途
において、優れた耐熱性、機械特性を維持し、低誘電率
化を可能とする絶縁膜用樹脂組成物、及びこれを用いた
絶縁膜を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定
構造のポリアミドと反応性オリゴマーとを反応させて得
られる共重合体、及び界面活性能を有する化合物を必須
成分とする絶縁膜用材料が、本発明の目的を満たし得る
ことを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち本発明は、一般式(A)で表わされる
繰り返し単位を有する、アセチレン基を含有するポリア
ミド(1)、もしくは一般式(B)で表されるビスアミ
ノフェノール化合物(2)、および、式(C)〜式
(F)で表される構造から選ばれる基を有するジカルボ
ン酸誘導体と、ポリアルキレングリコール及びその誘導
体とを、モル比がジカルボン酸誘導体/ポリアルキレン
グリコール及びその誘導体=0.1〜10/1になる割
合で反応させて得られた、活性化変成ポリアルキレング
リコール(3)を、反応させて得られることを特徴とす
る絶縁膜用材料であり、さらには、該絶縁膜用材料とそ
れを溶解もしくは分散させることが可能な有機溶媒から
なり、絶縁膜を作製することが可能なコーティング用ワ
ニス、該コーティング用ワニスを加熱処理して縮合反応
及び架橋反応せしめて得られる、ポリベンゾオキサゾー
ルを主構造とする樹脂の層からなり、且つ、微細孔を有
する絶縁膜、及び、該絶縁膜を用いた半導体装置であ
る。
【0011】
【化11】
【0012】式中、X1およびX2は、式(G)及び式
(H)で表される構造から選ばれる基を表し、X1とX2
は同じであっても、異なっていてもかまわない。また、
1は、式(C)〜式(F)で表される構造の中から選
ばれる少なくとも1つの基、Y2は、式(J)で表される
構造の中から選ばれる基を表す。m及びnは、m>0,
n≧0,および1≦m+n≦1000の関係を満たす整
数で、繰り返し単位の配列は、ブロック的であってもラ
ンダム的であっても構わない。
【0013】
【化12】 式中、X3は、式(G)及び式(H)で表される構造の
中から選ばれる少なくとも1つの基を表す。
【0014】
【化13】
【0015】
【化14】
【0016】
【化15】
【0017】
【化16】
【0018】
【化17】
【0019】
【化18】
【0020】
【化19】
【0021】式(G)及び式(J)中、Zは、式(I)
で表される構造より選ばれる基を表し、R1、R2は、水
素またはアルキル残基を表す。式(C)及び式(D)中
のRは、水素原子、ナフタレン基、フェニル基、又はア
ルキル基を表す。
【0022】
【化20】
【0023】式(C)〜式(J)で表される構造中、ベ
ンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基の中
から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても
良い。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明には、3つの骨子がある。
先ず第1は、絶縁膜用材料の必須成分である、一般式
(A)で表わされる繰り返し単位を有する、アセチレン
基を含有するポリアミド(1)、もしくは一般式(B)
で表されるビスアミノフェノール化合物(2)、およ
び、式(C)〜式(F)で表される構造から選ばれる基
を有するジカルボン酸誘導体と、ポリアルキレングリコ
ール及びその誘導体とを、モル比がジカルボン酸誘導体
/ポリアルキレングリコール及びその誘導体=0.1〜
10/1になる割合で反応させて得られた、活性化変成
ポリアルキレングリコール(3)の加熱硬化反応に際し
て、ポリマー内において、ヒドロキシアミド基の閉環反
応による、ポリベンゾオキサゾールへの変換と共に、ポ
リアミド(1)もしくき変成ポリアルキレングリコール
(3)の分子鎖にある、エチニル、フェニルエチニル、
アルキルエチニル、ビフェニレン及び内部アセチレン
が、分子内及び分子間で架橋反応を生じて3次元化する
ことにより、高い耐熱性を有する樹脂が得られること、
【0025】第2は、ポリアミド(1)もしくは活性化
変成ポリアルキレングリコール(3)が、それぞれのエ
チニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビフェ
ニレン及び内部アセチレンの架橋反応により結合し、ミ
クロ相分離が制御されること、そして第3は、変成ポリ
アルキレングリコール(3)のポリアルキレングリコー
ル部分を、樹脂加熱時に熱分解させ、揮散せしめること
により、ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする樹
脂膜中に微細孔を形成させることである。
【0026】本発明において、ポリアミド(1)中のポ
リアミドユニットは、式(G)または式(H)で表され
た構造の中のいずれかを有する、ビスアミノフェノール
化合物の少なくとも1種と、式(C)〜式(F)に表さ
れた構造の中のいずれかを有する、ジカルボン酸の少な
くとも1種とを用いて、あるいはこのジカルボン酸と式
(J)で表された構造の中のいずれかを有するジカルボ
ン酸とを併用して、従来の酸クロリド法、活性化エステ
ル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等
の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により得る
ことが出来る。
【0027】本発明で用いる、式(G)及び式(H)で
表される構造から選ばれる基を有するビスアミノフェノ
ール化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノー
ル、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、3,3'−ジアミノ−4,4 '−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジ
ヒドロキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジ
ヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−((4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロ
キシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フル
オレン、9,9−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキ
シ)フェニル))フルオレン、3,3'−ジアミノ−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジア
ミノ−3,3'−ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオ
ロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリ
フルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒ
ドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−
トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−2,2'
−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ジ
アミノ−3,3'−ジヒドロキシ−2,2'−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、3,3'−ジアミノ−4,4'
−ジヒドロキシ−5,5'−ビス(トリフルオロメチル)
ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ
−5,5'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−6,6'−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ジアミ
ノ−3,3'−ジヒドロキシ−6,6'−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、1,1’−ビナフチル−3,3'
−ジアミノ−2,2'−ジオール、ビス(2−((4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ))−1,1'−ビナ
フチル、ビス(2−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)
フェノキシ))−1,1'−ビナフチル等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わ
せて使用してもよい。
【0028】式(C)及び式(D)で表される構造を有
する、エチニル骨格をもつジカルボン酸化合物の例とし
ては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、
2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフタル
酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタ
ル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−テレ
フタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、
1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−
エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチ
ニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチニル
−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,
6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,6−
ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレンジ
カルボン酸、3,3'−ジエチニル−2,2'−ビフェニル
ジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−2,2'−ビフェニ
ルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−2,2'−ビフェ
ニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル−2,2'−ビフ
ェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニル−3,3'−ビ
フェニルジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−3,3'−
ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−3,3'
−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル−3,
3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニル−
4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジエチニル
−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2
−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エチニル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−
6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6
−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カ
ルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カ
ルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−
カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプ
ロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプ
ロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)
−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス
(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼ
ンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−
イソフタル酸、5−(1−エチニル−フェノキシ)−イ
ソフタル酸、5−(2−エチニル−フェノキシ)イソフ
タル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル
酸、2−(2−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、
2−(3−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−
(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2
−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−エ
チニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニ
ル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−エチニル−
フェニル)−テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェ
ニル)−テレフタル酸、3−フェニルエチニルフタル
酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチ
ニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタル
酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニル
エチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタ
ル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,6
−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニ
ル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエ
チニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニ
ルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フ
ェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7
−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカル
ボン酸、3,3'−ジフェニルエチニル−2,2'−ビフェ
ニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエチニル−2,
2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジフェニルエ
チニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジ
フェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、
2,2'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカ
ルボン酸、4,4'−ジフェニルエチニル−3,3'−ビフ
ェニルジカルボン酸、5,5'−ジフェニルエチニル−
3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジフェニル
エチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−
ジフェニルエチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン
酸、3,3'−ジフェニルエチニル−4,4'−ビフェニル
ジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フ
ェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2
−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキ
シ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フ
ェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキ
シ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フ
ェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4
−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2
−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシク
ロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカルボ
キシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−
フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造
異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−
5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−
(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル
酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソ
フタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)
イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェ
ノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−
フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニ
ル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエ
チニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニ
ルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フ
ェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2
−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−
(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等
が挙げられる。
【0029】式(C)及び式(D)中のRがアルキル基
である例としては、3−ヘキシニルフタル酸、4−へキ
シニルフタル酸、2−へキシニルイソフタル酸、4−へ
キシニルイソフタル酸、5−へキシニルイソフタル酸、
2−へキシニルテレフタル酸、3−へキシニルテレフタ
ル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、3−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、4−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、1−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン
酸、3−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、3−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、4−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、7−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、8−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、3,3'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカル
ボン酸、4,4'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジ
カルボン酸、5,5'−ジヘキシニル−2,2'−ビフェニ
ルジカルボン酸、6,6'−ジへキシニル−2,2'−ビフ
ェニルジカルボン酸、2,2'−ジへキシニル−3,3'−
ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジへキシニル−3,
3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジへキシニル
−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジへキシ
ニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジへ
キシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−
ジへキシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,
2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキ
シ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−へキシニルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4
−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキ
シ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−
へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
−2−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパ
ン、5−ヘキシニル−2,2−ジカルボキシシクロプロ
パン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−
5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス
(4−カルボキシ−フェニル)−5−ヘキシニル−ベン
ゼンの構造異性体、5−(3−ヘキシニル−フェノキ
シ)−イソフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェノキ
シ)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェノキ
シ)イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェニル)
−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェニル)−
イソフタル酸、5−(3−ヘキシニル−フェニル)−イ
ソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェニル)−テレ
フタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェニル)−テレフ
タル酸、2−(3−ヘキシニル−フェニル)−テレフタ
ル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上組み
合わせて使用してもよい。
【0030】式(E)で表された構造を有するビフェニ
レン骨格を持つジカルボン酸の例としては、1,2−ビ
フェニレンジカルボン酸、1,3−ビフェニレンジカル
ボン酸、1,4−ビフェニレンジカルボン酸、1,5−ビ
フェニレンジカルボン酸、1,6−ビフェニレンジカル
ボン酸、1,7−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビ
フェニレンジカルボン酸、2,3−ビフェニレンジカル
ボン酸、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビ
フェニレンジカルボン酸などが挙げられ、得られる塗膜
の性能から、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7
−ビフェニレンジカルボン酸が特に好ましい。これらは
単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて使用
してもよい。
【0031】式(F)の構造を有するジカルボン酸の例
としては、4,4'−トランジカルボン酸、3,4'−トラ
ンジカルボン酸、3,3'−トランジカルボン酸、2,4'
−トランジカルボン酸、2,3'−トランジカルボン酸、
2,2'−トランジカルボン酸などを1種、または2種以
上混合して用いることが出来る。
【0032】式(J)で表された構造を有するジカルボ
ン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,
4'−ビフェニルジカルボン酸、3,4'−ビフェニルジ
カルボン酸、3,3'−ビフェニルジカルボン酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ス
ルホニルビス安息香酸、3,4'−スルホニルビス安息香
酸、3,3'−スルホニルビス安息香酸、4,4'−オキシ
ビス安息香酸、3,4'−オキシビス安息香酸、3,3'−
オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カル
ボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ジ
メチル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジ
メチル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジ
メチル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビ
ス(トリフルオロメチル)−4,4'−ビフェニルジカル
ボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'
−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオ
ロメチル)−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、9,9
−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)
フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェ
ノキシ)フェニル)フルオレン、4,4'−ビス(4−カ
ルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(3−
カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4'−ビス(4
−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4'−ビス
(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3'−ビ
ス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3'−
ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4'
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニ
ル、4,4'−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−
ターフェニル、3,4'−ビス(4−カルボキシフェノキ
シ)−p−ターフェニル、3,3'−ビス(4−カルボキ
シフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4'−ビス(4
−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,3'
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニ
ル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−
ターフェニル、4,4'−ビス(3−カルボキシフェノキ
シ)−m−ターフェニル、3,4'−ビス(3−カルボキ
シフェノキシ)−p−ターフェニル、3,3'−ビス(3
−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4'
−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニ
ル、3,3'−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−m−
ターフェニル、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオ
ロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,
5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テ
トラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイ
ソフタル酸等が挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0033】本発明における、一般式(A)で表わされ
る繰り返し単位を有する、アセチレン基を含有するポリ
アミド(1)において、架橋する骨格を有する繰り返し
単位と、架橋する骨格を持たない繰り返し単位の数であ
る、式(A)中のm及びnは、m>0,n≧0,1≦m
+n≦の関係を満たす整数である。mとnの和は、好ま
しくは5以上100以下である。ここでmとnの和が、
1000を越えると分子量が大きくなりすぎて、溶剤に
溶けにくくなったり、溶解しても粘調なワニスとなり実
用にそぐわない。m及びnは0.05≦m/(m+n)
≦1の関係を満たすことが好ましい。0.05>m/
(m+n)であると、架橋する骨格を持つ繰り返し単位
の数が少ないことを意味し、架橋反応部位が少ないため
耐熱性が向上せず、微細孔が保持できなかったり、不均
一な微細孔となり好ましくない。
【0034】また、ポリアミド(1)において、繰り返
し単位の配列は、ブロック的であっても、ランダム的で
あってもかまわない。例えば、ブロック的な繰り返し単
位の場合は、ビスアミノフェノール化合物と式(J)か
ら選ばれる構造を有するジカルボン酸クロリドとを、予
め反応させて分子量を上げた後、更にビスアミノフェノ
ール化合物と、式(C)〜式(F)で表される構造の中
から選ばれる、架橋に寄与する構造を有するジカルボン
酸クロリドとを、反応させることにより得ることができ
る。また逆に、ビスアミノフェノール化合物と、式
(C)〜式(F)で表される構造の中から選ばれる、架
橋に寄与する構造を有するジカルボン酸クロリドとを、
予め反応させて分子量を上げた後、更にビスアミノフェ
ノール化合物と、式(J)から選ばれる構造を有するジ
カルボン酸クロリドとを反応させてもよい。ランダムな
繰り返し単位の場合は、ビスアミノフェノール化合物
と、式(J)から選ばれる構造を有するジカルボン酸ク
ロリドと、式(C)〜、式(F)で表される構造の中か
ら選ばれる、架橋に寄与する構造を有するジカルボン酸
クロリドとを、同時に反応させることにより得ることが
できる。
【0035】本発明において、式(C)〜式(F)のジ
カルボン酸誘導体との反応に使用するポリアルキレング
リコール及びその誘導体は、カルボン酸誘導体と反応し
得る反応性置換基を有しており、反応性置換基として
は、アミノ基またはヒドロキシル基を持つことが必須で
ある。そしてポリアミド(1)の熱分解温度より低い温
度で熱分解し、分解物が気化するオリゴマーでなければ
ならない。具体的に例示すると、ポリオキシメチレン、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重
合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合
体、ポリオキシメチレン−オキシブチレン共重合体、ポ
リオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオ
キシエチレン−オキシブチレン共重合体、これらポリオ
キシアルキレンの4―アミノ安息香酸エステル化末端
物、2−アミノプロピルエーテル末端等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わ
せて使用してもよい。反応性置換基は、側鎖あるいは主
鎖の片末端または両末端に導入したものを用いることが
できる。
【0036】ポリアルキレングリコール及びその誘導体
は、数平均分子量が100〜40,000の範囲のもの
が好ましい。より好ましくは、数平均分子量が100〜
10,000の範囲である。分子量が100未満である
と、分解・気化した後の空隙が小さく潰れやすいため、
比誘電率の低減を発現させることができない。また分子
量が40,000を越えると、空隙が大きくなりすぎて
絶縁膜の機械特性が極端に低下し、実用に供すことがで
きなくなるといった問題が発生する場合がある。また、
ポリアミド(1)もしくはビスアミノフェノール化合物
(2)と、変成ポリアルキレングリコール(3)を反応
させる場合の配合比に関しては、特に限定はなく任意に
設定できるが、ポリアミド(1)もしくはビスアミノフ
ェノール化合物(2)100重量部に対して、変成ポリ
アルキレングリコール(3)が10〜300重量部であ
ることが好ましい。10重量部未満であると絶縁膜中の
空隙率が小さく、誘電率を低減させることが不十分であ
る可能性があり、また、300重量部を越えると、膜中
の空隙率が大きくなり膜の機械強度が極端に低下した
り、空隙が連続し不均一となり、誘電率が場所により異
なる等の問題が発生する可能性がある。
【0037】ポリアミド(1)の製造方法の例として
は、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン
酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の
存在下での縮合反応等の方法を用いることが出来る。例
えば、酸クロリド法では、使用する酸クロリドは、ま
ず、N,N−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、
ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし
130℃で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減
圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶
することにより得ることができる。このようにして製造
したジカルボン酸クロリドと、前記他のジカルボン酸を
併用する場合、同様にして得られる酸クロリドとを、ビ
スアミノフェノール化合物と共に、通常N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性
溶媒に溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等の酸受容
剤滴下後、室温ないし−30℃で反応させ、ポリアミド
を合成し、得ることが出来る。酸クロリドとビスアミノ
フェノール化合物の仕込みモル比は、得られるポリアミ
ド(1)の分子量に大きく影響し、また、ポリアミドの
末端基構造を制御するのに重要である。
【0038】本発明においてもう一方の必須成分であ
る、活性化変成ポリアルキレングリコール(3)の製造
方法は、例えば、ポリアミド(1)と同様にして、酸ク
ロリドを得て、ポリアルキレンレングリコール及びその
誘導体と同様に反応し、変成ポリアルキレングリコール
(3)を得ることができる。この場合、ポリアルキレン
グリコール及びその誘導体の末端反応基は、求核性の強
いアミノ基の方がより好ましい。さらに、ポリアミド
(1)もしくはビスアミノフェノール化合物(2)、と
変成ポリアルキレングリコール(3)の反応方法は、ポ
リアミド(1)の製造法と同様にして得ることができ
る。
【0039】ポリアルキレングリコールの末端水酸基を
アミノ基に変換する方法としては、例えば、水酸基末端
ポリアルキレングリコールと共に4−ニトロ安息香酸ク
ロリドを、通常テトラヒドロフラン中に溶解し、ピリジ
ン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃で反応さ
せることにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリ
ゴマーを得ることが出来る。その後、この末端オリゴマ
ーをテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウ
ム炭素触媒存在下、水素ガス雰囲気下で室温で反応さ
せ、その反応液をセライトで濾過し、溶媒を濃縮して除
去することにより4−アミノ安息香酸エステル末端のオ
リゴマーを得て、これをアミノ基末端反応性オリゴマー
として使用することができる。また、カルボン酸誘導体
と反応する官能基であれば、イソシアネート基等に変換
しても可能であり、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0040】本発明の絶縁膜用材料は、必要により各種
添加剤を用いることができ、例としては、界面活性剤、
シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルや
イオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、
ジスルフィド類などの触媒等が挙げられる。
【0041】また、本発明におけるポリアミド(1)
は、その構造によっては、感光剤としてナフトキノンジ
アジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹
脂組成物として用いることが可能である。
【0042】本発明の絶縁膜用材料の使用方法として
は、適当な有機溶媒に溶解させるか、均一に分散させ
て、コーティングワニスとして使用することが可能であ
る。具体的に例示すると、当該絶縁膜用材料を有機溶媒
に溶解又は均一に分散させ、適当な支持体、例えば、ガ
ラス、繊維、金属、シリコンウエハー、セラミック基板
等に塗布する。その塗布方法は、浸漬、スクリーン印
刷、スプレー、回転塗布、ロールコーティングなどが挙
げられ、塗布後に加熱乾燥して溶剤を揮発せしめ、タッ
クフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理
して、ポリベンゾオキサゾール樹脂架橋体に変換して用
いるのが好ましい。また、ジカルボン酸成分、ビスアミ
ノフェノール成分、反応性オリゴマー成分及びオリゴマ
ー成分を選択することにより、溶剤に可溶なポリベンゾ
オキサゾール樹脂として用いることも出来る。
【0043】本発明の絶縁膜用樹脂組成物を溶解させ
る、有機溶媒としては、固形分を完全に溶解する溶媒が
好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−
ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、
メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3
−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピル
ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキ
シプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テ
トラヒドロフラン等を、1種、または2種以上混合して
用いることが出来る。その使用量としては、該ポリアミ
ドと該有機化合物を完全に溶解し得る量ならば問題な
く、その使用用途に応じて調整可能である。
【0044】本発明の絶縁膜用材料は、上記のようにし
て得られた塗膜を、80〜200℃の温度範囲で溶媒を
蒸発させ、200℃から500℃の温度範囲で加熱する
ことにより、絶縁膜用材料中の変成ポリアルキレングリ
コール(3)の、アセチレン基を有するユニットが、環
化縮合反応及び架橋反応を生じてポリベンゾオキサゾー
ル樹脂となり、また、絶縁膜用材料中の変成ポリアルキ
レングリコール(3)のポリアルキレングリコールユニ
ットは、このとき熱分解して、分解物が気化・揮散し、
ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする樹脂の層に
微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜である本
発明の絶縁膜を得ることができる。この際の熱履歴も微
細孔を形成させるには重要である。
【0045】絶縁膜中における微細孔の大きさは、絶縁
膜の用途や膜の厚みにもよるが、一般的には、少なくと
も1μ以下、好ましくは20nm以下であることが望ま
しい。半導体用層間絶縁膜においては、孔径が20nm
より大きいと配線間に用いられた絶縁膜における空隙が
不均一になり、電気特性が一定とならない可能性や、ま
た、膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出る等の
問題が発生する可能性がある。
【0046】また、絶縁膜の空隙率としては、特に制限
はないが、5〜40%であることが好ましい。空隙率が
5%より小さいと十分な誘電率の低下が見られない可能
性や、空隙率が40%よりも大きいと膜の機械強度が低
下し、接着性に悪影響が出る等の問題が発生する可能性
がある。
【0047】本発明の絶縁膜用材料及び絶縁膜は、半導
体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレ
キシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、
液晶配向膜等の形成に用いることが出来る。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによってなんら限定されるものでは
ない。実施例及び比較例で作成したフィルムを用いて、
特性評価のため、下記の方法により、誘電率、耐熱性、
ガラス転移温度、及び吸水率を測定した。また、フィル
ムの断面を観察し、これらの結果は表1にまとめて示し
た。
【0049】1.比誘電率 JIS−K6911に準拠し、周波数100KHzで、
ヒューレットパッカード社製HP−4284A Pre
cision LCRメーターを用いて測定を行った。
【0050】2.耐熱性 セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA620
0を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速
度10℃/分の条件により、重量減少5%の時の温度を
測定した。
【0051】3.ガラス転移温度(Tg) セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用
いて、窒素ガス300mL/分フロー下、測定周波数1
Hz、昇温速度3℃/分の条件で、引張りモードで測定
し、損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス
転移温度とした。
【0052】4.弾性率 4inchSiウエハー上に、厚み1μm±0.05μ
mで作製したサンプルを、エリオニクス製ENT−11
00により、押し込み深さが0.05〜0.10μmの
範囲より得た値の中から一番小さい値を、弾性率とし
た。
【0053】「合成例1」4−エチニル−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸クロリド27.7g(0.1mol)
を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン130mLに
溶解し、この溶液に分子量3,500のポリ(プロピレ
ングリコール)52.5g(0.015mol)(アルド
リッチ社製)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加
後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌して反
応溶液Aを得た。一方、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン31.
1g(0.085mol)を、乾燥したN−メチル−2
−ピロリドン200mL中に溶解して、反応溶液Bを得
た。
【0054】次に、反応溶液Bの中に反応溶液Aを乾燥
窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続
いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエ
チルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、添加
後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を濾過してトリエチルアミン塩
酸塩を除去し、濾過した液をイオン交換水6.6Lとイ
ソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を
集めて乾燥することにより、重合体85.8gを得た。
得られた重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを
用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子
量22,000、分子量分布2.50であった。
【0055】「合成例2」4−エチニル−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸クロリド8.3g(0.03mol)
を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン130mLに
溶解し、この溶液に分子量3,500のポリ(プロピレ
ングリコール)52.5g(0.015mol)(アルド
リッチ社製)を乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、
10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌して反応溶
液Aを得た。一方、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン31.1g
(0.085mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピ
ロリドン200mL中に溶解し、この溶液に4−エチニ
ル−1,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド19.4g
(0.07mol)を乾燥窒素下10℃で添加した。添
加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌て反
応溶液Bを得た。
【0056】次に、反応溶液Bの中に反応溶液Aを乾燥
窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続
いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエ
チルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、添加
後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を濾過してトリエチルアミン塩
酸塩を除去し、濾過した液をイオン交換水6.6Lとイ
ソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を
集めて乾燥することにより、重合体82.8gを得た。
得られた重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを
用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子
量21,000、分子量分布2.43であった。
【0057】「合成例3」4−エチニル−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸クロリド1.4g(0.005mo
l)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン130m
Lに溶解し、この溶液に分子量3,500のポリ(プロ
ピレングリコール)52.5g(0.015mol)(ア
ルドリッチ社製)を乾燥窒素下10℃で添加した。添加
後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌して反
応溶液Aを得た。一方、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン29.
3g(0.08mol)を、乾燥したN−メチル−2−
ピロリドン200mL中に溶解し、この溶液に4−エチ
ニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド26.3
g(0.095mol)を乾燥窒素下10℃で添加し
た。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹
拌して反応溶液Bを得た。
【0058】次に、反応溶液Bの中に反応溶液Aを乾燥
窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続
いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエ
チルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、添加
後、10℃で1時間、続いて20℃で20時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を濾過してトリエチルアミン塩
酸塩を除去し、濾過した液をイオン交換水6.6Lとイ
ソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を
集めて乾燥することにより、重合体83.8gを得た。
得られた重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを
用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子
量24,000、分子量分布2.42であった。
【0059】「合成例4」2,2−ビス(3−アミノ−
4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3
4.8g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−
2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液に4−エ
チニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド2
7.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加し
た。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹
拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g
(0.22mol)を添加後、10℃で1時間、続いて
20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液を濾過
してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、濾過した液をイ
オン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶
液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、重合
体51.5gを得た。得られた重合体の分子量を、東ソ
ー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めた
ところ、重量平均分子量25,000、分子量分布2.5
2であった。
【0060】(実施例1)合成例1で得た重合体10g
を、γ―ブチロラクトン100gに溶解し、孔径0.2
μmのテフロン(R)フィルターで濾過してワニスを得
た。このワニスをスピンコーターを用いて、アルミニウ
ムを蒸着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき
熱処理後の膜厚が約1〜10μmとなるように、スピン
コーターの回転数と時間を設定した。塗布後、100℃
のホットプレート上で240秒間乾燥した後、窒素を流
入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブン
を用いて、300℃で60分間で加熱させ、引き続き4
00℃で60分間加熱してポリベンゾオキサゾール樹脂
の皮膜を得た。
【0061】皮膜上にアルミニウムを蒸着してパターン
ニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコ
ンウエハー側のアルミニウムと、この電極による容量を
測定し、測定後に皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマに
よりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定する
ことにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出した
ところ2.2であった。また、この皮膜について断面を
TEMにより観察したところ、得られた空隙は平均孔径
10nm以下であった。耐熱性、Tg、弾性率も併せて
表1にまとめた。
【0062】(実施例2〜3)合成例2および合成例3
で得た重合体10gを、それぞれγ−ブチロラクトン1
00gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィ
ルターで濾過してワニスを得た。得られたワニスを実施
例1と同様に操作して、評価用サンプルを作成し、特性
の評価に供した。測定結果を表1にまとめた。
【0063】(比較例1)合成例4で得た重合体10g
を、γ−ブチロラクトン100gに溶解し、孔径0.2
μmのテフロン(R)フィルターで濾過してワニスを得
た。得られたワニスを実施例1と同様に操作して、評価
用サンプルを作成し、特性の評価に供した。測定結果を
表1にまとめた。
【0064】
【表1】
【0065】表1にまとめた実施例および比較例の評価
結果から、本発明の絶縁膜用材料から得られた絶縁膜
(被膜)は、優れた耐熱性と機械特性を維持しながら、
低誘電率化を可能とすることが分かる。
【0066】
【発明の効果】本発明の絶縁膜用材料及びコーティング
用ワニスにより得られる絶縁膜は、優れた熱特性、電気
特性、耐吸水性を達成することができ、特に、誘電率が
極めて低く、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路
の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソ
ルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適に使用
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/00 H01B 3/00 F 3/30 3/30 C H M H01L 21/312 H01L 21/312 A (72)発明者 多田 昌弘 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 中嶋 道男 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DA041 DF041 DH041 GA01 GA09 GA12 GA13 NA04 NA09 NA14 NA21 PB09 4J043 PA01 PA04 PA08 PA09 PA19 PC046 QB15 QB23 QB24 QB33 RA05 RA06 RA24 RA52 SA06 SA47 SA71 SA72 SB01 SB02 TA12 TA26 TA32 TB01 TB02 UA042 UA052 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA151 UA152 UA161 UA162 UA232 UA241 UA261 UA262 UB012 UB021 UB022 UB061 UB062 UB102 UB121 UB122 UB131 UB132 UB141 UB302 WA05 WA16 WA25 XA13 YA06 ZA06 ZA12 ZA31 ZA43 ZA46 ZB03 ZB11 ZB47 ZB50 ZB60 5F058 AA04 AA10 AC10 AF04 AG01 AH02 AH03 5G303 AA05 AA07 AB05 BA03 CA09 5G305 AA06 AA07 AA11 AB10 BA05 CA20 CA27 CA51 CB16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A)で表わされる繰り返し単位
    を有する、アセチレン基を含有するポリアミド(1)、
    もしくは一般式(B)で表されるビスアミノフェノール
    化合物(2)、および、式(C)〜式(F)で表される
    構造から選ばれる基を有するジカルボン酸誘導体と、ポ
    リアルキレングリコール及びその誘導体とを、モル比が
    ジカルボン酸誘導体/ポリアルキレングリコール及びそ
    の誘導体=0.1〜10/1になる割合で反応させて得
    られた、活性化変成ポリアルキレングリコール(3)
    を、反応させて得られることを特徴とする絶縁膜用材
    料。 【化1】 式中、X1およびX2は、式(G)及び式(H)で表され
    る構造から選ばれる基を表し、X1とX2は同じであって
    も、異なっていてもかまわない。また、Y1は、式
    (C)〜式(F)で表される構造の中から選ばれる少な
    くとも1つの基、Y2は、式(J)で表される構造の中か
    ら選ばれる基を表す。m及びnは、m>0,n≧0,お
    よび1≦m+n≦1000の関係を満たす整数で、繰り
    返し単位の配列は、ブロック的であってもランダム的で
    あっても構わない。 【化2】 式中、X3は、式(G)及び式(H)で表される構造の
    中から選ばれる少なくとも1つの基を表す。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 式(G)及び式(J)中、Zは、式(I)で表される構
    造より選ばれる基を表し、R1、R2は、水素またはアル
    キル残基を表す。式(C)及び式(D)中のRは、水素
    原子、ナフタレン基、フェニル基、又はアルキル基を表
    す。 【化10】 式(C)〜式(J)で表される構造中、ベンゼン環上の
    水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
    ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フ
    ッ素原子、及びトリフルオロメチル基の中から選ばれ
    る、少なくとも1個の基で置換されていても良い。
  2. 【請求項2】 ポリアミドの構造を表す一般式(A)中
    のYが、式(C)の中から選ばれた構造を有することを
    特徴とする、請求項1記載の絶縁膜用材料。
  3. 【請求項3】 ポリアミドの構造を表す一般式(A)中
    のYが、式(D)の中から選ばれた構造を有することを
    特徴とする、請求項1記載の絶縁膜用材料。
  4. 【請求項4】 ポリアミドの構造を表す一般式(A)中
    のYが、式(E)の中から選ばれた構造を有することを
    特徴とする、請求項1記載の絶縁膜用材料。
  5. 【請求項5】 ポリアミドの構造を表す一般式(A)中
    のYが、式(F)の中から選ばれた構造を有することを
    特徴とする、請求項1記載の絶縁膜用材料。
  6. 【請求項6】 ポリアルキレングリコール及びその誘導
    体が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
    ール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコー
    ルポリプロピレングリコール共重合体の中から選ばれ
    た、少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1
    〜請求項5のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
  7. 【請求項7】 活性化変成ポリアルキレングリコール
    (3)の数平均分子量が、100〜10,000である
    ことを特徴とする、請求項6記載の絶縁膜用材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載さ
    れた絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解もしくは分
    散させることが可能な有機溶媒からなることを特徴とす
    る、絶縁膜を作製することが可能なコーティング用ワニ
    ス。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載さ
    れた絶縁膜用材料、又は、請求項8に記載されたコーテ
    ィング用ワニスを、加熱処理して縮合反応及び架橋反応
    せしめて得られる、ポリベンゾオキサゾールを主構造と
    する樹脂の層からなり、且つ、微細孔を有してなること
    を特徴とする絶縁膜。
  10. 【請求項10】 絶縁膜の微細孔の大きさが、20nm
    以下であることを特徴とする、請求項9記載の絶縁膜。
  11. 【請求項11】 絶縁膜の空隙率が、5〜40%である
    ことを特徴とする、請求項9または請求項10記載の絶
    縁膜。
  12. 【請求項12】 請求項9〜請求項11のいずれかに記
    載された絶縁膜を用いたことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005038825A1 (ja) * 2003-10-17 2005-04-28 Sumitomo Bakelite Company, Ltd. 絶縁膜用ワニスおよび絶縁膜
JP2005242343A (ja) * 2004-01-27 2005-09-08 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法

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