JP5515397B2 - ポリアミド系樹脂、光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイス - Google Patents

ポリアミド系樹脂、光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイス Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド系樹脂、光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイスに関する。
光通信に代表される光学材料として、その多様な用途に応じたさまざまな無色透明材料が検討されているが、情報機器の急速な小型軽量化や表示素子の高精細化に伴い、材料自体に要求される要求も高度なものになってきている。高い耐熱性を有した上で、高透明性であることが必要とされている。例えば石英ガラス等の無機材料は、製作プロセスに高温が必要であり、構成や装置が複雑であるために高コストとなる等の問題があった。
これに対して、プラスチック材料としては、光学特性の優れたポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールに代表される耐熱樹脂が知られている。しかし、ポリメタクリル酸メチルは無色透明性を有しているが、耐熱性の観点から必ずしも十分であるとは言えずその適用が制限されていた。
また、ポリカーボネートは比較的高いガラス転移点を有しているが、耐熱変色性という観点では満足できるものではなかった。
高い耐熱性と高透明性とを有している脂環構造を有する新規なポリイミドが提案されているが、ポリイミド構造中のカルボニル基による吸湿性のため、例えば電子部材周辺への用途においては腐食を伴う不具合が発生しやすい問題を持っており、光学部品に用いることは難しいものであった(特許文献1参照)。
このように、耐熱性と高透明性とを有し、光学部品に適用可能な樹脂の開発が望まれていた。
特開2003−155342号公報
本発明の目的は、耐熱性と高透明性とを有し、光学部品に適用可能なポリアミド系樹脂を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上述のようなポリアミド系樹脂を用いた光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイスを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)に記載の本発明により達成される。
(1)光学部品に用いるためのポリアミド系樹脂であって、前記ポリアミド系樹脂は、ビスアミノフェノール化合物(A)と、下記式(1)で示される化合物およびその誘導体で示されるジカルボン酸化合物(B)とを、前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合して得られるものであることを特徴とするポリアミド系樹脂。
(2)前記ビスアミノフェノール化合物(A)および前記ジカルボン酸化合物(B)のモル比(A/B)が、0.6〜0.9となるように重合してなる上記(1)に記載のポリアミド系樹脂。
(3)前記ビスフェノール化合物(A)は、下記式(2)で示されるものである上記(1)または(2)に記載のポリアミド系樹脂。
(4)前記ポリアミド系樹脂の末端が、カルボン酸である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポリアミド系樹脂。
(5)前記ポリアミド系樹脂の末端の85%以上が、カルボン酸である上記(4)に記載のポリアミド系樹脂。
(6)前記ポリアミド系樹脂は、ポリベンゾオキサゾール系樹脂である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のポリアミド系樹脂。
(7)前記ポリアミド系樹脂の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000〜15,000である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のポリアミド系樹脂。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の前記ポリアミド系樹脂と、溶剤とを含むことを特徴とする光学部品用樹脂組成物。
(9)さらに、無機粒子を含むものである上記(8)に記載の光学部品用樹脂組成物。
(10)上記(8)または(9)に記載の光学部品用樹脂組成物の硬化物で、光学素子を被覆することを特徴とする被覆部材。
(11)波長633nmでの屈折率が、1.68以上である上記(10)に記載の被覆部材。
(12)上記(10)または(11)に記載の被覆部材を有することを特徴とする光学部品。
(13)上記(12)に記載の光学部品を有することを特徴とする光学デバイス。
本発明によれば、耐熱性と高透明性とを有し、光学部品に適用可能なポリアミド系樹脂を得ることができる。
また、本発明によれば、性能に優れた光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイスを得ることができる。
本発明の光学部品の1つである光導波路の構造例を説明するための断面図である。
以下、本発明のポリアミド系樹脂、光学部品用樹脂組成物、被覆部材、光学部品および光学デバイスについて詳細に説明する。
本発明のポリアミド系樹脂は、光学部品として用いるためのポリアミド系樹脂であって、前記ポリアミド系樹脂は、ビスアミノフェノール化合物(A)と、下記式(1)で示される化合物およびその誘導体で示されるジカルボン酸化合物(B)とを、前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合して得られるものであることを特徴とする。
また、本発明の光学部品用樹脂組成物は、上記に記載の前記ポリアミド系樹脂と、溶剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明の光学部品は、上記に記載の光学部品用樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
また、本発明の光学デバイスは、上記に記載の光学部品を有することを特徴とする。
(ポリアミド系樹脂)
まず、ポリアミド系樹脂について説明する。
本発明のポリアミド系樹脂は、光学部品として用いるものである。光学部品に用いられるような高透明性を有することを目的としているものだからである。この光学部品を用いるような光学デバイスとしては、例えば光通信用プラスチック導波路、オンチップマイクロレンズ、集光レンズ、オンチップマイクロレンズとフォトダイオードの間に設ける光導波路等が挙げられる。
前記ポリアミド系樹脂は、ビスアミノフェノール化合物(A)と、前記式(1)で示される化合物およびその誘導体で示されるジカルボン酸化合物(B)とを、前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合して得られることを特徴とする。
前記ビスアミノフェノール化合物(A)としては、例えば2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール等のジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(アミノヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル等のジアミノジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のジアミノジヒドロキシジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のビス(アミノヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルフェニル)フルオレン等のビス(アミノヒドロキシフェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレン等のビス((アミノヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン等のビス(アミノヒドロキシフェノキシ)フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン等のビス((アミノヒドロキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、前記ビスアミノフェノール化合物(A)における環構造上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基もしくは芳香族基の中から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていても良い。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ターシャリブチル基などが挙げられ、芳香族基としてはフェニル基、トルイル基などが挙げられる。
前記ビスアミノフェノール化合物(A)の中でも下記式(2)の中から選ばれる1種以上の、フルオレン骨格を有する化合物が好ましい。これにより、透明性をより向上することができる。
前記ジカルボン酸化合物(B)は、下記式(1)で示されるものである。これにより、前記ビスアミノフェノール化合物(A)との組合せでポリアミド系樹脂の耐熱性を向上することができる。
前記式(1)で示されるジカルボン酸の具体例としては、例えば1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン等のビス(カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェニルスルファニル)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェニルスルファニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェニルスルファニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェニルスルファニル)ベンゼン等のビス(カルボキシフェニルスルファニル)ベンゼン、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸等のオキシビス安息香酸、4,4’−チオビス安息香酸、3,4’−チオビス安息香酸、3,3’−チオビス安息香酸等のチオビス安息香酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル等のビス(カルボキシフェニルスルファニル)ビフェニル、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸等のスルホニルビス安息香酸、9,9−ビス(2−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン等のビス(カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス((2−カルボキシ−3−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−カルボキシ−3−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((5−カルボキシ−3−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((6−カルボキシ−3−フェニル)フェニル)フルオレン等のビス(カルボキシ−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン等のビス((カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−(2−カルボキシフェノキシ)−3−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−(3−カルボキシフェノキシ)−3−フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−(4−カルボキシフェノキシ)−3−フェニル)フェニル)フルオレン等のビス((カルボキシフェノキシ)フェニル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−カルボキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン、等のビス((カルボキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ジカルボン酸化合物の中でも、4,4’−チオビス安息香酸、3,4’−チオビス安息香酸、3,3’−チオビス安息香酸等のチオビス安息香酸が特に好ましい。これにより、屈折率を向上することができる。
また、前記式(1)で示されるジカルボン酸化合物はその誘導体を含む。その誘導体とは、酸ハロゲン化物や活性化エステル化物等を示す。例えば、酸クロリド化物は、まず、N,N’−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、前記ジカルボン酸化合物と、過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度の温度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。
本発明のポリアミド系樹脂は、上述した前記式(1)で示されるジカルボン酸と他のジカルボン酸等とを併用しても構わない。
併用するジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸等のフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(3−カルボキシフェニル)メタン等のビス(カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン等のビス(カルボキシフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸等のジメチル−ビフェニルジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のシクロヘキサンジカルボン酸、1,3−デカリンジカルボン酸、1,4−デカリンジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸等のデカリンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、2,2−アダマンタンジカルボン酸、5−メチル−1,3−アダマンタンジカルボン酸等のアダマンタンジカルボン酸、3,3’−(2,2−アダマンチル)フェニルジカルボン酸、4,4’−(2,2−アダマンチル)フェニルジカルボン酸等のアダマンチルフェニルジカルボン酸、3,3’−(2,2−アダマンチルオキシ)フェニルジカルボン酸、4,4’−(2,2−アダマンチルオキシ)フェニルジカルボン酸等の(アダマンチルオキシ)フェニルジカルボン酸、3,3’−(1,3−アダマンチル)フェニルジカルボン酸、4,4’−(1,3−アダマンチル)フェニルジカルボン酸等のアダマンチルフェニルジカルボン酸、3,3’−(1,1’−ビアダマンタン)ジカルボン酸、3,5−(1,1’−ビアダマンタン)ジカルボン酸、3,3’−(1,1’−ビアダマンタン)ジカルボン酸、3,5’−(1,1’−ビアダマンタン)ジカルボン酸等のビアダマンタンジカルボン酸、3’,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,5−ジカルボン酸、5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,3’ジカルボン酸および3’,5,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン−3,5’−ジカルボン酸等のテトラメチルビアダマンタンジカルボン酸などが挙げられる。
本発明のポリアミド系樹脂は、上述したように前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合して得られることを特徴とする。これにより、ポリアミド系樹脂の末端をカルボン酸とすることができ、これによってポリアミド系樹脂の透明性を特に向上することができる。さらには、熱処理後の透明性に特に優れる。
従来のポリアミド系樹脂は、得られるポリアミド系樹脂の分子量の制御を容易とするために、通常、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とをビスアミノフェノール化合物が過剰となるようなモル比で重合している。このようなビスアミノフェノールが過剰となるような条件下で反応したポリアミド系樹脂の末端は、アミノフェノール基となる。このアミノ基は、酸化されやすく樹脂の着色原因となり、透明性に低下させる原因となる場合がある。このため従来のポリアミド系樹脂でも末端のアミノ基をモノカルボン酸化合物およびモノカルボン酸のハロゲン化物や活性化エステル化物、もしくは酸無水物化合物で封止する場合があるが、一度ビスアミノフェノール化合物が過剰となるような条件で反応して得られたポリアミド系樹脂の末端のみを効率よく封止することは難しく、その封止率は80%を超えることは難しい。さらに封止率を上げようとしてその封止成分の添加量を増加させた場合、ポリマー末端だけでなくポリアミド樹脂鎖中のヒドロキシ基と反応するのを避けられず、熱処理後の耐熱性に悪影響を及ぼす場合がある。
これに対して、本発明のポリアミド系樹脂は、前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合するため、ビスフェノール化合物のアミノ基はほぼ消費され、ポリアミド系樹脂の末端部はカルボン酸構造となり、アミノ基の酸化による透明性の低下の影響を限りなく小さくすることができるため、ポリアミド系樹脂の透明性を向上することができるものである。
上述したように、ポリアミド系樹脂を前記ビスアミノフェノール化合物よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合する場合、得られるポリアミド系樹脂は枝分かれ樹脂となる場合が多い。
したがって、通常用いられているような線状のポリアミド系樹脂を得るためには、ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比で重合するようなことはなされていなかった。これに対して、本発明のポリアミド系樹脂は、特に線状のポリマーを要求されないため、ジカルボン酸化合物(B)を過剰となるようなモル比で重合することができるものである。ジカルボン酸化合物(B)を過剰となるようなモル比で重合することにより、本発明のポリアミド系樹脂が枝分かれ構造を有した場合、通常の線状構造を有するポリマーに比較し、樹脂末端の数が増えることとなるが、末端部はカルボン酸構造であるため、透明性に悪影響は及ぼさないと考えられる。
前記ポリアミド系樹脂を重合する際のモル比は、前記ジカルボン酸化合物が過剰となる範囲であれば特に限定されないが、前記ビスアミノフェノール化合物および前記ジカルボン酸化合物(B)のモル比(A/B)が、0.6〜0.9となることが好ましく、特に0.7〜0.85であることが好ましい。前記モル比(A/B)が前記上限値よりも大きいと、分子量が大きくなり過ぎ、分散媒への溶解性が低下する場合がある。また、前記モル比(A/B)が前記下限値未満であると、比較的低分子の成分が多く生じるため、その除去等のために工程が複雑化する場合がある。
前記ポリアミド系樹脂の末端のカルボン酸比率は、特に限定されないが、前記末端全体の85%以上がカルボン酸となっていることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。末端のカルボン酸量が前記範囲内であると、特に透明性に優れる。
前記ポリアミド系樹脂の末端のカルボン酸比率を測定する方法としては、例えば電位差滴定を用いた中和滴定による定量を挙げることができる。
さらに具体的には、ある基準量でのポリアミド系樹脂中の末端アミノ基の定量(x)とカルボキシル基の定量(y)との電位差滴定を用いた中和滴定をそれぞれ行うことで、ポリアミド系樹脂の末端のカルボン酸比率(z)は下記数式(1)で導かれる。
z(%)=100*y/(x+y) (1)
前記ポリアミド系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000〜15,000が好ましく、特に7,000〜13,000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、前記ジカルボン酸が過剰となるような条件下で重合してもポリアミド系樹脂がゲル化するのを抑制することができる。
前記重量平均分子量は、例えば高速液体クロマトグラフを用い、標準ポリスチレンで検量線を作成し、ポリスチレン換算で求めることができる。具体的には、装置として、東ソー株式会社製高速液体クロマトグラフSC−8020システムに、TSKgelGMH−HRH高速SEC用カラム、UV(λ=270nm)検出器を用い、移動相としてLiBr0.5%を添加したN−メチル−2−ピロリドン液を用いて40℃にて測定し、標準ポリスチレンとして、東ソー製PS−オリゴマーキットにより、リテンションタイムと分子量の検量線を作製し、ポリアミド系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
前記ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド樹脂、加熱することにより縮合閉環反応を生じさせるポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリベンゾオキサゾール樹脂が好ましい。これにより、耐熱性と透明性をより向上することができる。
またこれらの樹脂はブロック的、ランダム的に共重合されていてもよく、またそれぞれの樹脂を別個に合成した後に混合しても用いることができる。
(光学部品用樹脂組成物)
本発明の光学部品用樹脂組成物は、上述したようなポリアミド系樹脂と、溶剤とを含んでいる。これにより、液状での取り扱いが可能となり、作業性を向上することができる。
前記溶剤としては、上述したポリアミド系樹脂を溶解可能なものであれば特に限定されず、例えば、ケトン系分散媒として、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4−メチル−シクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、炭酸プロピレン、ジアセトンアルコールおよびγ−ブチロラクトン等;エーテル系分散媒として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール1−モノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル等;エステル系分散媒として、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチルおよびメチル−3−メトキシプロピオネート等;非プロトン系極性分散媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシド等;等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中で、加熱により脱水または脱アルコール反応する樹脂(特に、ヒドロキシアミド重合体)の構造により異なるが、シクロペンタノンと上記シクロペンタノン以外の分散媒の混合物、シクロヘキサノンと上記シクロヘキサノン以外の分散媒の混合物を、好適に使用することができる。
これらの中でも、溶剤としては、その沸点が好ましくは70〜210℃程度のもの、より好ましくは120〜170℃程度のものが用いられる。沸点が前記下限値より低いと、樹脂組成物で構成される液状被膜を基板上に形成する際に、液状被膜中から早期に脱分散媒して、均一な膜厚の液状被膜が形成されないおそれがある。また、沸点が前記上限値より高いと、組成物の硬化物を得る際に、この硬化物中に分散媒が残存し、これに起因して、硬化物の屈折率および透明性が低下するおそれがあり好ましくない。
なお、このような溶媒としては、上述したもののうち、例えば、シクロペンタノン(沸点:131℃)およびシクロヘキサノン(沸点:156℃)等が好ましく用いられる。
前記溶媒の前記光学部品用樹脂組成物中の含有量は、特に限定されないが、ポリアミド系樹脂100質量部に対して、400質量部〜4,000質量部が好ましく、900質量部〜2,500質量部がより好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に液状皮膜の膜厚の均一性に優れる。
前記光学部品用樹脂組成物は、特に限定されないが、無機粒子を含有することが好ましい。これにより、最終的に得られる光学部品を高屈折率にすることができる。
前記無機粒子としては、例えば酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、硫化鉛粒子、硫化亜鉛粒子、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、窒化ガリウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、それ自身の触媒活性を抑制するためや、ポリアミド系樹脂や溶剤との分散性を向上させるために、粒子表面がシリカやアルミナ等で被覆されていてもよい。これらの中でも酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子の中から選ばれる1種以上の無機粒子が好ましい。これにより、前記光学部品用樹脂組成物をより高屈折率化することができる。
前記無機粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、1〜60nmが好ましく、1〜40nmがより好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、特に透明性を向上することができる。
また、前記平均粒子径は、例えば動的光散乱法による有効径として測定することができる。
前記無機粒子の前記光学部品用樹脂組成物中の含有量は、特に限定されないが、ポリアミド系樹脂100質量部に対して、20質量部〜1900質量部程度が好ましく、50質量部〜900質量部程度がより好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に光学部品用樹脂組成物の溶液粘度の調整が容易となる。
前記光学部品用樹脂組成物には、上述したようなポリアミド系樹脂、無機粒子、溶剤以外に、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤等を含んでいても良い。
このような光学部品用樹脂組成物の溶液粘度は、特に限定されないが、特定の条件により形成される塗膜の厚みが450〜550nmとなり、さらに、該組成物の溶液粘度が下記の範囲となるように、ポリアミド系樹脂の含有量を調整することが製膜性の上で好ましい。
上記溶液粘度としては、25℃で測定した時、5〜11mPa・sが好ましく、特に、7〜10mPa・sが好ましい。溶液粘度が前記範囲内であると、下地基板への濡れ性に優れ、製膜時のマージンが広く取れるまたは膜厚均一性に優れるといった利点がある。
このような光学部品用樹脂組成物は、例えばスピンナーによる回転塗布、スプレーコーターによる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等を用いて膜を形成し、その後に所定温度(例えば40℃以上、400℃以下)でプリベーク後、加熱(例えば300℃以上、400℃以下)および/または活性エネルギー線を照射して、被覆部材を形成できる。前記活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線領域から赤外線領域の任意波長の光線を用いることができる。
(被覆部材および光学部品)
次に、本発明の被覆部材および光学部品について、好適な実施形態に基づいて説明する。
光学部品100は、基板1と、基板1に埋め込まれているフォトダイオード11と、フォトダイオード11を覆うように設けられている被覆部材5と、被覆部材5の側面を囲むように設けられた絶縁材2と、絶縁材2中に設けられた回路配線21と、被覆部材5および絶縁材2の上面(図1中の上側)に設けられたカラーフィルター3と、カラーフィルター3の上面に設けられた平坦化膜4と、被覆部材5の上方に相当する、平坦化膜4の上側の位置に設けられたレンズ6とで構成されている。このような構成により、レンズ6にから入射した光信号7が、平坦化膜4およびカラーフィルター3を透過して、被覆部材5に入射される。
ここで、レンズ6に垂直方向に入射する光は、光漏れ等を特に生じることなくフォトダイオード11に入射される。これに対して、レンズ6に対して入射角度θが大きい光は、被覆部材5で光漏れ等が生じる場合があった。本発明では、被覆部材5は前述したように高屈折率の光学部品用樹脂組成物の硬化物で構成されているので、入射角度θが大きい光信号7に対しても光信号7を外部に漏らすことなく、フォトダイオード11に誘導することができる。
ここで、被覆部材5は、上述したような光学部品用樹脂組成物の硬化物で構成されている。そのため、耐熱性および透明性に優れているものである。そのため、光学部品を実装する際の熱履歴に充分耐えることが可能であり、またフォトダイオードの受光量を向上することができる。
さらに、被覆部材5が、高屈折率を有する光学部品用樹脂組成物の硬化物で構成されている場合、光漏れ等を低減することができるため、フォトダイオードの受光量を向上することができる。
また、このような被覆部材5を形成する場合、予め被覆部材5に相当する部分が凹部となっており、そこに前述の光学部品用樹脂組成物を埋め込んだ後に、硬化させる手法が取られている。
このような凹部の大きさとしては、例えば径0.4〜1μm、深さ0.5〜2μmの場合が挙げられ、非常に小さい空間である。このような凹部に前述した光学部品用樹脂組成物を埋め込むためには、光学部品用樹脂組成物の室温での溶液粘度を低いものとして流動性を十分に確保する必要がある。そのような室温での溶液粘度としては、例えば5〜11mPa・sであることが好ましく、特に7〜10mPa・sであることが好ましい。溶液粘度が前記範囲内であると、凹部への埋込み性に優れる。
具体的には、上述したような凹部に本発明の光学部品用樹脂組成物を埋め込み、250〜400℃×0.5〜5分間で加熱・乾燥して被覆部材5を得て、最終的な光学部品100を得る。
被覆部材5の633nmでの屈折率は、特に限定されないが、1.68以上であることが好ましく、特に1.69以上であることが好ましい。屈折率が前記範囲内であると、光信号7が被覆部材5よりもれるのを防止する効果が特に優れる。
前記屈折率は、例えばプリズムカップリング法を用いた屈折率測定装置、プリズムカプラー(メトリコン社製2010プリズムカプラー)を用いて評価することができる。その際の測定には、直径2インチ、厚み1mmの石英基板上に本発明の光学部品用樹脂組成物の液状被膜を作成し、加熱・乾燥させたものを用いる。
被覆部材5は、特に限定されないが、波長400nmにおける厚み1μmでの光線透過率が90%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。光線透過率が前記範囲内であると、特に透明性に優れる。
このような光学部品100の具体例としては、例えば光学レンズ、光学フィルター、光スイッチ、光導波路、光ファイバー、集光レンズ等が挙げられる。
また、このような光学部品100は、上述したような被覆部材5で光学素子が被覆されているので、光漏れが小さく、光学素子の受光特性に優れる。
また、上述したような光学部品100を有する光学デバイスとしては、例えば光電集積回路、光集積回路、CCDセンサ、CMOSセンサ等の光学デバイス等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
1.ジカルボン酸化合物の合成(4,4’−オキシビス安息香酸ジクロライドの合成)
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた300mLの4つ口フラスコに、東京化成工業(株)製4,4’−オキシビス安息香酸10.33g(0.04mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.08g(0.0004mol)および塩化チオニル50g(0.42mol)を加え、3時間還流した。100℃で塩化チオニルを留去し、残留物を60℃で12時間真空乾燥し、10.9gの4,4’−オキシビス安息香酸ジクロライドを得た(収率92%)。
2.ポリアミド系樹脂の重合
窒素ガスフロー下で、ビスアミノフェノール化合物(A)として9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン30.44g(0.08mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、ジカルボン酸化合物(B)として上述の4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリド29.5g(0.1mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで3時間かけて戻し、さらに室温で2時間撹拌した(反応モル比A/B=0.8)。その後、反応液を50%メタノール水溶液4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めた。さらに、50%メタノール水溶液4リットル中での攪拌、沈殿物の回収を3回繰り返した。その後、沈殿物を乾燥することにより、ポリアミド系樹脂(P1)を得た。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
3.フィルム(被覆部材)の作製
このポリアミド系樹脂1gと、N−メチル−2−ピロリドン9gをガラス製サンプル瓶中で溶解して混合した後、孔径0.1μmテフロン(登録商標)フィルターでろ過して、光学部品用樹脂組成物を得た。この光学部品用樹脂組成物を用いて、シリコン基板上に、スピンコートにより、塗膜を形成し、該塗膜をNガス雰囲気下で、200℃/90秒間加熱して乾燥し、さらに380℃/250秒間熱処理をし、被覆部材に相当するフィルムを得た。
(実施例2)
ジカルボン酸化合物(B)として、下記で合成した3,3’−チオビス安息香酸ジクロライド31.1g(0.1mol)を用いて、ポリアミド系樹脂(P2)を得た以外は、実施例1と同様にした。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
1.ジカルボン酸化合物の合成(3,3’−チオビス安息香酸ジクロライド)
(1)3,3’−チオビス安息香酸の合成
まず、温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、3−ヨード安息香酸49.6g(0.200mol)、炭酸カリウム13.8g(0.100mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド200mLを入れ、窒素ガスフロー下で、100℃で溶解させた後、硫化ナトリウム8.6g(0.110mol)およびヨウ化銅3.8g(0.020mol)を加え、12時間還流した。反応液に水1Lおよび活性炭20gを加え、100℃で1時間加熱した。ろ過により活性炭を除き、反応液を6mol/Lの塩酸100mLを滴下して中和し、沈殿物を集め、蒸留水1Lで2回洗浄した。得られた沈殿物を60℃で12時間真空乾燥し、11.52gの3,3’−チオビス安息香酸を得た(収率42%)。
(2)3,3’−チオビス安息香酸ジクロライドの合成
温度計、ジムロート冷却管、撹拌機を備えた300mLの4つ口フラスコに、得られた3,3’−チオビス安息香酸10.97g(0.04mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.08g(0.0004mol)および塩化チオニル50g(0.42mol)を加え、3時間還流した。100℃で塩化チオニルを留去し、残留物を60℃で12時間真空乾燥し、11.8gの3,3’−チオビス安息香酸ジクロライドを得た(収率95%)。
(実施例3)
実施例1のジカルボン酸化合物(B)として、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリド29.5g(0.1mol)の代わりに、9,9−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)フルオレン43.3g(0.1mol)を用いて、ポリアミド系樹脂(P3)を得た以外は、実施例1と同様にした。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
(実施例4)
実施例1のジカルボン酸化合物(B)として、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリド29.5g(0.1mol)の代わりに、ビス(4−(4−クロロカルボニルフェニル)スルファニルフェニル)ベンゼン41.9g(0.1mol)を用いてポリアミド系樹脂(P4)を得た以外は、実施例1と同様にした。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
(実施例5)
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの代わりに、9,9−ビス(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレン45.2g(0.08mol)を用いてポリアミド系樹脂(P5)を得た以外は、実施例1と同様にした。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸だった。
(実施例6)
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの代わりに、9,9−ビス(4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルファニルフェニル)フルオレン47.7g(0.08mol)を用いてポリアミド系樹脂(P6)を得た以外は、実施例1と同様にした。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸だった。
(実施例7)
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン30.44g(0.08mol)の代わりに、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン22.8g(0.06mol)を用いてポリアミド系樹脂(P7)を得た以外は、実施例1と同様にした(反応モル比A/B=0.6)。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
参考例3
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン30.44g(0.08mol)の代わりに、9,9
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン34.2g(0.09mol
)を用いてポリアミド系樹脂(P8)を得た以外は、実施例1と同様にした(反応モル比A/B=0.9)。得られたポリアミド系樹脂の末端は、82%がカルボン酸であった。

(実施例9)
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの代わりに、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン30.1g(0.08mol)を、ジカルボン酸化合物(B)として4,4’−オキシビス安息香酸ジクロライドの代わりに、3,3’−チオビス安息香酸ジクロライド31.1g(0.1mol)を用いてポリアミド系樹脂(P9)を得た以外は、実施例1と同様にした(反応モル比A/B=0.8)。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
(参考例1)
実施例1のビスアミノフェノール化合物(A)として、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン30.44g(0.08mol)の代わりに、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン38.0g(0.1mol)を、ジカルボン酸化合物(B)として、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリド29.5g(0.1mol)の代わりに、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリド23.6g(0.08mol)を用いてポリアミド系樹脂(Q1)を得た以外は、実施例1と同様にした(反応モル比A/B=1.25)。得られたポリアミド系樹脂の末端は、殆どがビスフェノールであり、カルボン酸は5%以下だった。
(参考例2)
実施例1のジカルボン酸化合物(B)として、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロリドの代わりに、グルタリルクロリド16.9g(0.1mol)を用いてポリアミド系樹脂(Q2)を得た以外は、実施例1と同様にした(反応モル比A/B=0.8)。得られたポリアミド系樹脂の末端は、90%以上がカルボン酸であった。
各実施例および参考例で得られたポリアミド系樹脂、光学部品用樹脂組成物およびフィルム(被覆部材)について以下の評価を行った。評価内容を項目と共に示す。得られた結果を表1に示す。
まず、ポリアミド系樹脂については、重量平均分子量を評価した。
1.(標準ポリスチレン換算)重量平均分子量
装置として、東ソー株式会社製高速液体クロマトグラフSC−8020システムに、TSKgelGMH−HRH高速SEC用カラム、LiBr0.5%入りN−メチル−2−ピロリドン移動相、UV(λ=270nm)検出器を用いて40℃にて測定し、標準ポリスチレン(東ソー製PS−オリゴマーキット)を用いて換算して重量平均分子量を求めた。
次に、光学部品用樹脂組成物について、溶液粘度を評価した。
2.溶液粘度
得られたポリアミド系樹脂1gとシクロヘキサノン9.0gをガラス製サンプル瓶中で溶解して混合した後、孔径0.5μmテフロン(登録商標)フィルターでろ過して、光学部品用樹脂組成物を得た。これを、23℃/湿度45%の雰囲気中で、スピンコータ(回転数1400rpm)によりシリコーンウェハー上に塗膜を形成し、さらに該塗膜を350℃/250秒加熱した後の塗膜の厚みが450〜550nmであることを確認した。次いで、前記光学部品用樹脂組成物を1.1mL測り取り、E型粘度計TVE−20L:東機産業(株)製を用い、25.0℃において、コーンロータ1°34’×R24を用い、コーンロータ回転数:50rpmで溶液粘度を測定した。測定はそれぞれ3回行い、平均値を算出した。
次に、上記で得た加熱後の塗膜については、ガラス転移温度および膜質均一性を評価した。
3.ガラス転移温度
上記で得た塗膜を削り落とした粉末について、MDSC(温度サイクルモード示差操作熱量計:ティー・エイ・インスツルメント社製2910MDSC)により、Nガスを30mL/分の流量で流しながら、昇温速度2℃/分、温度振幅±2℃/分の条件で昇温しながら、40℃から420℃までの温度範囲で測定を行い、リバース曲線の変移点から算出を行った。
4.膜質均一性
上記で得た加熱後の塗膜において、ウエハー面内をXY軸それぞれ10mm間隔に19ポイント(合計37ポイント)をn&k Technology Inc.社製n&kアナライザー1500を用いて測定し、膜厚の3シグマからバラツキ度を計算した。
次に、被覆部材としては、下記のような簡易的な評価を行った。
5.被覆部材の評価
被覆部材の評価は、上記と同様にして光学部品用樹脂組成物を用いて、石英基板上にスピンコートにより、熱処理後の最終膜厚が1μmとなるように塗膜を形成した。該塗膜をNガス雰囲気下で、350℃/250秒間熱処理をした被覆部材を得た。この被覆部材を用いて、下記のように光線透過率および屈折率を評価した。
6−1.光線透過率
上記で得た被覆部材を用いて、株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて波長400nmで測定した。
6−2.屈折率
上記で得た被覆部材を用いて、Metricon製プリズムカプラーを用いて、20℃での633nm(He−Neレーザーを使用)での膜面に対して垂直方向の屈折率(TM)を測定した。
表1から明らかなように、実施例1〜9で得られた被覆部材は、ガラス転移温度が高く、かつ光線透過率が高かった。ゆえに、耐熱性および高透明性であることが示唆された。
また、このような実施例1〜9で得られたポリアミド系樹脂の溶液粘度が低いことから凹部を有する光学部品の該凹部を埋め込むのを容易に実施することが示唆された。
また、実施例1〜9で得られた被覆部材の屈折率は高いので、光信号が被覆部材より漏れるのを防止する効果が高いことが示唆された。
1 基板
11 フォトダイオード
2 絶縁材
21 回路配線
3 カラーフィルター
4 平坦化膜
5 被覆部材
6 レンズ
7 光信号
100 光学部品

Claims (3)

  1. 光学部品に用いるためのポリアミド系樹脂であって、
    前記ポリアミド系樹脂は、下記式(2)で示される群より選らばれる1種のビスアミノフェノール化合物(A)と、下記式(1)で示される化合物およびその誘導体で示される群より選らばれる1種のジカルボン酸化合物(B)とを、前記ビスアミノフェノール化合物(A)よりも前記ジカルボン酸化合物(B)が過剰となるようなモル比の割合で重合して得られるものであり、前記ビスアミノフェノール化合物(A)および前記ジカルボン酸化合物(B)のモル比(A/B)が、0.6〜0.9となるように重合してなり、前記ポリアミド系樹脂の末端の85%以上が、カルボン酸であることを特徴とするポリアミド系樹脂。


  2. 前記ポリアミド系樹脂は、ポリベンゾオキサゾール系樹脂である請求項1記載のポリアミド系樹脂。
  3. 前記ポリアミド系樹脂の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000〜15,000である請求項1または2に記載のポリアミド系樹脂。
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