JP2003105086A - 耐熱性樹脂前駆体、耐熱性樹脂及び絶縁膜材料並びに半導体装置 - Google Patents

耐熱性樹脂前駆体、耐熱性樹脂及び絶縁膜材料並びに半導体装置

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JP2003105086A
JP2003105086A JP2001302665A JP2001302665A JP2003105086A JP 2003105086 A JP2003105086 A JP 2003105086A JP 2001302665 A JP2001302665 A JP 2001302665A JP 2001302665 A JP2001302665 A JP 2001302665A JP 2003105086 A JP2003105086 A JP 2003105086A
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JP
Japan
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naphthylethynyl
bis
acid
formula
group
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Application number
JP2001302665A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ishida
雄一 石田
Hisafumi Enoki
尚史 榎
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂前駆体の有機溶剤への溶解性を保持するこ
とで、加工性を維持すると共に、使用形態である閉環後
の耐熱性を向上させ、また、電気特性、物理特性及び機
械特性にも優れ、半導体の層間絶縁膜等の用途に適した
樹脂を提供する。 【解決手段】 一般式(A)で表わされる繰り返し単位
を有するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体、及び該前
駆体から、脱水縮合及び架橋反応を経てオキサゾール化
して得られる、ポリベンゾオキサゾール樹脂を含む絶縁
膜用材料、更には該絶縁膜用材料からなる絶縁膜を有す
る半導体装置。 【化1】 式中、m及びnは、その合計が2〜1000までを示
し、かつ、次式を満たす整数である。 0.05≦(m/(m+n))≦1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂前駆
体、耐熱性樹脂及び絶縁膜材料並びに半導体装置に関す
る。更に詳しくは、電気特性、機械特性、物理特性に優
れ、中でも特に熱特性に優れ、半導体用の層間絶縁膜、
保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板の
カバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等に好
適に用いられる、ポリベンゾオキサゾール樹脂を与える
前駆体、それから得られる前記特性を有するポリベンゾ
オキサゾール樹脂、及びこのポリベンゾオキサゾール樹
脂を含む絶縁膜用材料、並びに前記絶縁膜用材料からな
る絶縁膜を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体用の層間絶縁膜としては、現在、
CVD法(化学蒸着法)等で作製した酸化膜(SiOx
膜)が主に使用されている。しかしながら、酸化膜等の
無機絶縁膜は誘電率が高く、半導体の高速化、高性能化
のため、低誘電率絶縁膜の候補として、有機材料の適用
が検討されている。半導体用途の有機材料としては、電
気特性、機械的特性、物理特性などに優れた耐熱性樹脂
が提案されている。
【0003】このような耐熱性樹脂として、ポリベンゾ
オキサゾール樹脂の適用が試みられている。ポリベンゾ
オキサゾール樹脂は、一般的には、ビスアミノフェノー
ル化合物とジカルボン酸化合物から、ポリベンゾオキサ
ゾール樹脂前駆体を作製し、この前駆体をフィルム等に
加工した後に、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変換す
る。具体的な例としては、4,4'−ジアミノ−3,3'−
ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸から合成したポ
リベンゾオキサゾール樹脂や、4,4'−ジアミノ−3,
3'−ジヒドロキシビフェニルと4,4’―ビフェニル
ジカルボン酸から合成したポリベンゾオキサゾール樹脂
等がある。
【0004】このように、その樹脂骨格を剛直化するこ
とにより、耐熱性の向上を図ることは容易に可能である
が、その一方で、樹脂前駆体の有機溶剤に対する溶解性
が低下するため、コーティング等による膜形成などの加
工が極めて困難になる。これに対して、例えば、2,2
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンとイソフタル酸からのポリベンゾオキ
サゾール樹脂の場合は、その前駆体は有機溶媒に対して
溶解性があり、種々の形状に容易に加工することが可能
であるが、ポリベンゾオキサゾールへの変換後の耐熱性
は、前者に比べるとやや低下する傾向にある。
【0005】半導体の層間絶縁膜等に代表されるよう
に、これらの耐熱性樹脂が、無機化合物の代替材料とし
て検討されることから、これまでの耐熱性樹脂のさらな
る耐熱性向上の要求は著しく、有機溶媒に対する溶解性
を保持することで加工性を維持しながら、耐熱性の向上
を図ることが必要になってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気特性、
物理特性及び機械特性を維持し、かつ有機溶剤への溶解
性を保持させることで加工性を維持すると共に、使用形
態である閉環後の耐熱性が向上した、半導体の層間絶縁
膜等の用途に適した耐熱性樹脂を与える前駆体、それか
ら得られる前記特性を有するポリベンゾオキサゾール樹
脂、及びこのポリベンゾオキサゾール樹脂を含む絶縁膜
用材料、並びに前記絶縁膜用材料からなる絶縁膜を有す
る半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、主鎖
構造中に、三次元架橋可能な官能基であり、かつ嵩高い
置換基であるナフチルエチニル基を導入してなる、ポリ
ベンゾオキサゾール樹脂前駆体が、溶解性を保持し、そ
の後、加熱することにより通常の縮合反応(脱水閉環反
応)に加えて、架橋反応が起こり三次元化し、耐熱性の
高い樹脂に変換することで、本発明の目標を満たし得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、一般式(A)で表わされる
構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体であ
り、また、この樹脂前駆体から、縮合反応および架橋反
応を経て得られたポリベンゾオキサゾール樹脂である。
【0009】
【化6】 (但し、式中のm及びnは、m>0、n≧0、2≦m+
n≦1000、及び0.05≦m/(m+n)≦1を満
たす整数である。また、Xは、式(B)で表される基の
中から選ばれる四価の基を示し、Yは、式(C)で表さ
れる基の中から選ばれる少なくとも1つの二価の基を示
す。Zは、式(D)で表される基の中から選ばれる二価
の基を示す。一般式(A)において繰り返し単位の配列
は、ブロック的であってもランダム的であっても構わな
い。)
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 (但し、式(B)及び式(D)中、X1は式(E)で表
される基の中から選ばれる二価の基を示す。また、式
(B),式(C),式(D),及び式(E)で表される
基における、ベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、及びトリフルオ
ロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置
換されていても良い。)
【0010】また、本発明は、前記ポリベンゾオキサゾ
ール樹脂を含むことを特徴とする絶縁膜用材料である。
更には、前記絶縁膜用材料からなる多層配線用層間絶縁
膜及び/又は表面保護膜を有することを特徴とする半導
体装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリベンゾオキサゾール
樹脂前駆体は、前記式(B)で表される四価の基の中の
いずれかを有するビスアミノフェノール化合物の少なく
とも1種と、式(C)で表される二価の基の中のいずれ
かを有するジカルボン酸の少なくとも1種とを用いて、
あるいはジカルボン酸として、前記ジカルボン酸と式
(D)で表される二価の基の中のいずれかを有するジカ
ルボン酸とを併用し、従来の酸クロリド法、活性化エス
テル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド
等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により得
ることが出来る。また、式(C)で表される二価の基を
有するジカルボン酸以外のジカルボン酸として、溶解性
や耐熱性といった特性を失わない程度に、ナフチルエチ
ニル基以外の架橋性基、例えばエチニル基、フェニルエ
チニル基、ビフェニレン基といった置換基を有するジカ
ルボン酸を加えることもできる。
【0012】また、前記ナフチルエチニル基を有するポ
リベンゾオキサゾール樹脂前駆体に、従来から用いられ
てきた、架橋反応しないタイプの別のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂前駆体を組み合わせて、相互侵入網目構造と
することによっても、同様に高耐熱性の樹脂を得ること
が可能である。この場合、ナフチルエチニル基を有さな
いポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、前記式(B)
で表される四価の基の中のいずれかを有するビスアミノ
フェノール化合物の少なくとも1種と、式(D)で表さ
れる二価の基の中のいずれかを有するジカルボン酸の少
なくとも1種とを用いて、同様の方法により得ることが
出来る。さらに、このナフチルエチニル基を有するポリ
ベンゾオキサゾール樹脂前駆体に、別の架橋性基を有す
る構造のポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を組み合わ
せることによっても、三次元的架橋により、同様に高耐
熱性の樹脂を得ることが可能である。
【0013】本発明で用いる、式(B)で表される四価
の基を有するビスアミノフェノール化合物としては,2,
4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾル
シノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4
−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,
4 ’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェ
ニル、9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロ
キシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキ
シ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−アミ
ノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン、9,9
−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル))
フルオレン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2−ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロ
キシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリ
フルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−
トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジア
ミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,
3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメ
チル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒ
ドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフ
ェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,
3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジア
ミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて使用し
てもよい。
【0014】本発明で用いる、式(C)で表される二価
の基を有するナフチルエチニル骨格を持つジカルボン酸
の例としては、3−(1−ナフチルエチニル)フタル
酸、3−(2−ナフチルエチニル)フタル酸、4−(1
−ナフチルエチニル)フタル酸、4−(2−ナフチルエ
チニル)フタル酸、2−(1−ナフチルエチニル)イソ
フタル酸、2−(2−ナフチルエチニル)イソフタル
酸、4−(1−ナフチルエチニル)イソフタル酸、4−
(2−ナフチルエチニル)イソフタル酸、5−(1−ナ
フチルエチニル)イソフタル酸、5−(2−ナフチルエ
チニル)イソフタル酸、2−(1−ナフチルエチニル)
テレフタル酸、2−(2−ナフチルエチニル)テレフタ
ル酸、2−(1−ナフチルエチニル)−1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2−(2−ナフチルエチニル)−
1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−(1−ナフチル
エチニル)−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−
(2−ナフチルエチニル)−1,5−ナフタレンジカル
ボン酸、4−(1−ナフチルエチニル)−1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、4−(2−ナフチルエチニル)−
1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−(1−ナフチル
エチニル)−2,6−ナフタレンジカルボン酸、1−
(2−ナフチルエチニル)−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、3−(1−ナフチルエチニル)−2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、3−(2−ナフチルエチニル)−
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−(1−ナフチル
エチニル)−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−
(2−ナフチルエチニル)−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2−(1−ナフチルエチニル)−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸、2−(2−ナフチルエチニル)−
1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−(1−ナフチル
エチニル)−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−
(2−ナフチルエチニル)−1,6−ナフタレンジカル
ボン酸、4−(1−ナフチルエチニル)−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸、4−(2−ナフチルエチニル)−
1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−(1−ナフチル
エチニル)−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−
(2−ナフチルエチニル)−1,6−ナフタレンジカル
ボン酸、7−(1−ナフチルエチニル)−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸、7−(2−ナフチルエチニル)−
1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−(1−ナフチル
エチニル)−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−
(2−ナフチルエチニル)−1,6−ナフタレンジカル
ボン酸、3,3’−(1,1’−ジナフチルエチニル)
−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−
(2,2’−ジナフチルエチニル)−2,2’−ビフェ
ニルジカルボン酸、4,4’−(1,1’−ジナフチル
エチニル)−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,
4’−(2,2’−ジナフチルエチニル)−2,2’−
ビフェニルジカルボン酸、5,5’−(1,1’−ジナ
フチルエチニル)−2,2’−ビフェニルジカルボン
酸、5,5’−(2,2’−ジナフチルエチニル)−
2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−(1,
1’−ジナフチルエチニル)−2,2’−ビフェニルジ
カルボン酸、6,6’−(2,2’−ジナフチルエチニ
ル)−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−
(1,1’−ジナフチルエチニル)−3,3’−ビフェ
ニルジカルボン酸、2,2’−(2,2’−ジナフチル
エチニル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,
4’−(1,1’−ジナフチルエチニル)−3,3’−
ビフェニルジカルボン酸、4,4’−(2,2’−ジナ
フチルエチニル)−3,3’−ビフェニルジカルボン
酸、5,5’−(1,1’−ジナフチルエチニル)−
3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−(2,
2’−ジナフチルエチニル)−3,3’−ビフェニルジ
カルボン酸、6,6’−(1,1’−ジナフチルエチニ
ル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−
(2,2’−ジナフチルエチニル)−3,3’−ビフェ
ニルジカルボン酸、2,2’−(1,1’−ジナフチル
エチニル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,
2’−(2,2’−ジナフチルエチニル)−4,4’−
ビフェニルジカルボン酸、3,3’−(1,1’−ジナ
フチルエチニル)−4,4’−ビフェニルジカルボン
酸、3,3’−(2,2’−ジナフチルエチニル)−
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2
−カルボキシ−3−(1−ナフチルエチニル)フェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−
(2−ナフチルエチニル)フェニル)プロパン、2,2
−ビス(2−カルボキシ−4−(1−ナフチルエチニ
ル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキ
シ−4−(2−ナフチルエチニル)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−(1−ナフチ
ルエチニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(2−
カルボキシ−5−(2−ナフチルエチニル)フェニル)
プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−(1−
ナフチルエチニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−6−(2−ナフチルエチニル)フェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−
(1−ナフチルエチニル)フェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−カルボキシ−2−(2−ナフチルエチニ
ル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキ
シ−4−(1−ナフチルエチニル)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−(2−ナフチ
ルエチニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシ−5−(1−ナフチルエチニル)フェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−(2−
ナフチルエチニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−カルボキシ−6−(1−ナフチルエチニル)フェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−
(2−ナフチルエチニル)フェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−カルボキシ−2−(1−ナフチルエチニ
ル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキ
シ−2−(2−ナフチルエチニル)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−(1−ナフチ
ルエチニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
カルボキシ−3−(2−ナフチルエチニル)フェニル)
プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−(1−
ナフチルエチニル)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−(2−ナフチ
ルエチニル)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス(3−カルボキシ−5−(1−ナフチルエチニ
ル)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−カルボキシ−5−(2−ナフチルエチニル)フェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カ
ルボキシ−2−(1−ナフチルエチニル)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
−2−(2−ナフチルエチニル)フェニル)ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−
(1−ナフチルエチニル)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−(2−ナ
フチルエチニル)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4−(1−ナフチルエチニル)−1,3−ジカルボキシ
シクロプロパン、4−(2−ナフチルエチニル)−1,
3−ジカルボキシシクロプロパン、5−(1−ナフチル
エチニル)−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、5
−(2−ナフチルエチニル)−2,2−ジカルボキシシ
クロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノ
キシ)−5−ナフチルエチニル−ベンゼンの構造異性
体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−
ナフチルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−
(1−ナフチルエチニル)−フェノキシ)イソフタル
酸、5−(3−(2−ナフチルエチニル)−フェノキ
シ)イソフタル酸、5−(4−(1−ナフチルエチニ
ル)−フェノキシ)イソフタル酸、5−(4−(2−ナ
フチルエチニル)−フェノキシ)イソフタル酸、5−
(2−(1−ナフチルエチニル)−フェノキシ)イソフ
タル酸、5−(2−(2−ナフチルエチニル)−フェノ
キシ)イソフタル酸、2−(4−(1−ナフチルエチニ
ル)−フェノキシ)テレフタル酸、2−(4−(2−ナ
フチルエチニル)−フェノキシ)テレフタル酸、2−
(2−(1−ナフチルエチニル)−フェノキシ)テレフ
タル酸、2−(2−(2−ナフチルエチニル)−フェノ
キシ)テレフタル酸、2−(3−(1−ナフチルエチニ
ル)−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−(2−ナ
フチルエチニル)−フェノキシ)テレフタル酸、5−
(4−(1−ナフチルエチニル)−フェニル)イソフタ
ル酸、5−(4−(2−ナフチルエチニル)−フェニ
ル)イソフタル酸、5−(2−(1−ナフチルエチニ
ル)−フェニル)イソフタル酸、5−(2−(2−ナフ
チルエチニル)−フェニル)イソフタル酸、5−(3−
(1−ナフチルエチニル)−フェニル)イソフタル酸、
5−(3−(2−ナフチルエチニル)−フェニル)イソ
フタル酸、2−(4−(1−ナフチルエチニル)−フェ
ニル)テレフタル酸、2−(4−(2−ナフチルエチニ
ル)−フェニル)テレフタル酸、2−(2−(1−ナフ
チルエチニル)−フェニル)テレフタル酸、2−(2−
(2−ナフチルエチニル)−フェニル)テレフタル酸、
2−(3−(1−ナフチルエチニル)−フェニル)テレ
フタル酸、2−(3−(2−ナフチルエチニル)−フェ
ニル)テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらは単独で用いてもよく、また
2種類以上組み合わせて使用してもよい。また、2種以
上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0015】本発明で用いる、式(D)で表される二価
の基を有するジカルボン酸の例としては、イソフタル
酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフ
ェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン
酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニル
ビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,
4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息
香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4
−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カ
ルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−
ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’−ビフェニルジカ
ルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン
酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−
ビフェニルジカルボン酸、9,9−ビス(4−(4−カ
ルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−
ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フ
ルオレン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェ
ノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシ
フェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボ
キシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カ
ルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3
―カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス
(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、
4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−タ
ーフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキ
シ)−p−ターフェニル、3,3’−ビス(4−カルボ
キシフェノキシ)−p−ターフェニル、3,4’−ビス
(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル、
3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−タ
ーフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキ
シ)−p−ターフェニル、4,4’−ビス(3−カルボ
キシフェノキシ)−m−ターフェニル、3,4’−ビス
(3−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニル、
3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)−p−タ
ーフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキ
シ)−m−ターフェニル、3,3’−ビス(3−カルボ
キシフェノキシ)−m−ターフェニル、3−フルオロイ
ソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロ
テレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタ
ル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5
−トリフルオロメチルイソフタル酸等が挙げられ、これ
らは単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて
使用してもよい。
【0016】なお、式(B),式(C),式(D),及
び式(E)で表される基における、ベンゼン環上の水素
原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素
原子、及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少
なくとも1個の基で置換されていても良い。
【0017】本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体の
製造方法として、前記製造方法の中で、例えば、酸クロ
リド法では、使用する酸クロリドは、まず、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の触媒存在下で、ジカルボン酸と
過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし90℃で反応さ
せ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した
後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得
ることができる。このようにして製造したジカルボン酸
クロリドを、ビスアミノフェノール化合物と共に、通常
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存
在下で、室温ないし−30℃で反応させることにより、
ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることが出来る。
【0018】また、前記式(B)で表される四価の基の
中のいずれかを有するビスアミノフェノール化合物の少
なくとも1種と、式(C)で表される二価の基の中のい
ずれかを有するジカルボン酸の少なくとも1種とを、用
いることにより得られたポリベンゾオキサゾール樹脂前
駆体の繰り返し単位の配列は、ブロック的であってもラ
ンダム的であっても良い。また、一般式(A)におい
て、ナフチルエチニル基を有する繰り返し単位と、それ
を有しない繰り返し単位の配列は、ブロック的で合って
もランダム的であっても良い。この場合、異種ビスアミ
ノフェノール化合物又は異種ジカルボン酸を同時に反応
溶液に加えると繰り返し単位はランダム的配列になり、
異種ビスアミノフェノール化合物又は異種ジカルボン酸
を時間差をおいて反応溶液に加える、又は通常の反応操
作で得られるポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体反応溶
液を2種以上混合させることにより、繰り返し単位の配
列はブロック的になる。
【0019】本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂前駆
体は、加熱することにより縮合反応及び架橋反応を生じ
させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂を得ることができ
る。式(A)で示した構造中のm及びnは、前記のよう
にその合計が2〜1000までの整数であるが、好まし
くは、5〜100までとするのが良い。ここで、100
1以上の場合は、例えば有機溶剤へ溶解した際にワニス
の粘度が高く、取り扱いが非常に困難になり実用的では
ない。また、m及びnは次式の範囲の整数であるが、 0.05≦(m/(m+n))≦1 好ましくは、次式の範囲とするのが良い。 0.5≦(m/(m+n))≦1 ここで、次式の条件を満たす場合には、 (m/(m+n))<0.05 架橋反応の割合が少ないため、耐熱性向上の効果が非常
に小さくなる。
【0020】本発明においてポリベンゾオキサゾール樹
脂前駆体を溶解する、絶縁膜用材料として加工用に用い
る有機溶媒としては、用いる溶質の構造によりそれぞれ
異なるが、例えば、炭酸プロピレン、ジアセトンアルコ
ール、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクト
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレング
リコール1−モノ−n−ブチルエーテル、プロピレング
リコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、
メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3
−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピル
ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキ
シプロピオネート等を、1種、または2種以上混合して
用いることが出来る。
【0021】本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体
は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒
に溶解することでワニスを作製し、このワニスを適当な
支持体、例えば、シリコーンウエハーやセラミック基板
等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた
回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、
印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、乾
燥し、加熱処理をして、溶媒除去に続いて、縮合反応及
び架橋反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂とし、そ
れを含む絶縁膜として使用することが出来る。
【0022】本発明で用いる絶縁膜用材料には、必要に
応じて、各種添加剤として、界面活性剤、シラン系に代
表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカ
ルを加熱により発生するラジカル開始剤等を添加するこ
とができる。また、当該前駆体に、感光剤としてのナフ
トキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、感光性
樹脂組成物として用いることが可能である。
【0023】本発明の半導体装置は、上記ポリベンゾオ
キサゾール樹脂を含む絶縁膜用材料からなる多層配線用
層間絶縁膜及び/又は表面保護膜を有するものである。
本発明の絶縁膜を半導体装置の多層配線用層間絶縁膜に
用いる場合の例としては、まず、接着性を向上させる場
合、接着性コーティング剤を半導体基板上に、塗布し
て、塗膜を形成する。塗布の方法としては、スピンナー
による回転塗布、スプレーコーターによる噴霧塗布、浸
漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その
後、有機溶剤の沸点以上の温度でプリベークして有機溶
剤を蒸発乾燥させることにより、接着性コーティング膜
を形成する。次に、前記接着性コーティング膜の上に、
本発明に係る絶縁膜用材料の溶液を、前記同様の方法に
より、積層するように塗布して、塗膜を形成する。次い
で、塗膜を前記の条件でプリベークして有機溶剤を蒸発
乾燥し、更に、加熱処理することにより、層間絶縁膜を
形成することができる。同様にして、樹脂膜を形成して
表面保護膜とすることもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによって何んら限定されるものでは
ない。実施例及び比較例で合成した樹脂前駆体及びこの
樹脂前駆体から作製した絶縁膜フィルムを用いて、特性
評価のため、ガラス転移温度、熱分解温度、溶解性、比
誘電率を測定した。各特性の測定方法は次の通りとし、
その測定結果は表1にまとめて示した。
【0025】1.ガラス転移温度 セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用い
て、窒素ガス300ml/min.フロー下、昇温速度3℃/mi
n.、周波数1Hzの条件により測定し、tanδのピー
クトップ温度をガラス転移温度とした。
【0026】2.熱分解温度 セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA220を
用いて、窒素ガス200ml/min.フロー下、昇温速度1
0℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到
達した温度を熱分解温度とした。
【0027】3.溶解性 ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体1gと、N−メチル
−2−ピロリドン3gを、ふた付きのガラス製サンプル
容器に精秤し、攪拌子で1時間攪拌後の不溶物の有無に
より判断した。
【0028】4.比誘電率 JIS−K6911に準拠し、周波数100KHzで、
ヒューレットパッカード社製HP−4284A Pre
cision LCRメーターを用いてフィルムの容量
測定を行い下記計算式により比誘電率を算出した。比誘
電率=(容量測定値×フィルムの厚み)/(真空の誘電率
×測定面積)
【0029】「実施例1」窒素ガスフロー下で、3,3'
−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6
g(0.1mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロ
リドン500gに溶解し、ピリジン17.4g(0.2
2mol)を添加した後、−15℃に冷却し、5−(1
−ナフチルエチニル)イソフタル酸ジクロリド33.6
g(0.095mol)を、少しずつ添加した。滴下終
了後、−15℃で、1時間攪拌後、室温まで戻し、室温
で5時間攪拌した。その後、反応液を蒸留水4リットル
に小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することに
より、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。得ら
れたポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量
(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチ
レン換算で求めたところ、7,000であった。
【0030】このポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体1
0gを、N−メチル−2−ピロリドン50gに溶解し、
孔径200nmのテフロン(R)フィルターで濾過し
て、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体のワニスを得
た。このワニスを、ガラス板上にドクターナイフを用い
て塗布した。その後、窒素雰囲気のオーブン中で、70
℃/1時間、150℃/30分、420℃/1時間の順
で加熱し、ポリベンゾオキサゾール樹脂絶縁膜フィルム
を得た。
【0031】「実施例2」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、2,2−ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3
6.6g(0.1mol)を用いた以外は、全て実施例1
と同様にして、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得
た。この樹脂の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会
社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、
5,800であった。このポリベンゾオキサゾール前駆
体樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリベンゾオキ
サゾール樹脂フィルムを調製した。
【0032】「実施例3」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、3,3'−ジアミノ−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル23.2g(0.
1mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にし
て、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。この樹
脂の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPC
を用いてポリスチレン換算で求めたところ、8,350
であった。このポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用
いて、実施例1と同様にしてポリベンゾオキサゾール樹
脂フィルムを調製した。
【0033】「実施例4」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、9,9−ビス((3−ア
ミノ−4−ヒドロキシ)フェニル)フルオレン38.0
g(0.1mol)を用いた以外は、全て実施例1と同
様にして、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
この樹脂の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製
GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、1
0,000であった。このポリベンゾオキサゾール前駆
体樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリベンゾオキ
サゾール樹脂フィルムを調製した。
【0034】「実施例5」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、3,3'−ジアミノ−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル23.2g(0.
1mol)を、5−(1−ナフチルエチニル)イソフタ
ル酸ジクロリド33.6g(0.071mol)の代わ
りに、5−(1−ナフチルエチニル)イソフタル酸ジク
ロリド25.2g(0.071mol)とイソフタル酸
ジクロリド4.8g(0.024mol)を用いた以外
は、全て実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂前駆体を得た。この樹脂の数平均分子量(Mn)
を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算
で求めたところ、9,500であった。このポリベンゾ
オキサゾール前駆体樹脂を用いて、実施例1と同様にし
てポリベンゾオキサゾール樹脂フィルムを調製した。
【0035】「比較例1」実施例1において、5−(1
−ナフチルエチニル)イソフタル酸ジクロリド33.6
g(0.095mol)の代わりに、イソフタル酸ジク
ロリド19.3g(0.095mol)を用いた以外
は、全て実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂前駆体を得た。
【0036】このポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を
用いて、実施例1と同様にしてワニスを作製しようと試
みたが、ワニス中に不溶物が多く、フィルムを作製する
ことが出来なかった。そのため、サンプルの作製は、粉
末状のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を、実施例1
と同様の加熱条件で処理を行ない、ガラス転移温度はM
DSC(温度サイクルモード示差走査熱量計:TAイン
スツルメント製2910MDSC)により、昇温速度2
℃/分、温度振幅±2℃/分、N2ガス30ml/分の
条件で測定を試みたが、420℃までは変位点は観測さ
れなかった。また、熱分解温度は、フィルムの場合と同
様にして測定した。
【0037】「比較例2」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、2,2−ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3
6.6g(0.1mol)を、5−(1−ナフチルエチニ
ル)イソフタル酸ジクロリド33.6g(0.095m
ol)の代わりに、イソフタル酸ジクロリド19.3g
(0.095mol)を用いた以外は、全て実施例1と
同様にして、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得
た。この樹脂の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会
社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、
24,000であった。このポリベンゾオキサゾール前
駆体樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリベンゾオ
キサゾール樹脂フィルムを得た。
【0038】「比較例3」実施例1において、3,3'−
ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル21.6g
(0.1mol)の代わりに、9,9−ビス((4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ)フェニル))フルオレン56.
5g(0.1mol)を、5−(1−ナフチルエチニ
ル)イソフタル酸ジクロリド33.6g(0.095m
ol)の代わりに、イソフタル酸ジクロリド19.3g
(0.095mol)を用いた以外は、全て実施例1と
同様にして、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得
た。この樹脂の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会
社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、
13,000であった。このポリベンゾオキサゾール前
駆体樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリベンゾオ
キサゾール樹脂フィルムを得た。
【0039】「比較例4」実施例1において、5−(1
−ナフチルエチニル)イソフタル酸ジクロリド33.6
g(0.095mol)の代わりに、テレフタル酸ジク
ロリド19.3g(0.095mol)を用いた以外
は、全て実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂前駆体を得た。
【0040】このポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を
用いて、実施例1と同様にしてワニスを作製しようと試
みたが、ワニス中に不溶物が多く、フィルムを作製する
ことが出来なかった。そのため、サンプルの作製は、粉
末状のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を、実施例1
と同様の加熱条件で処理を行ない、ガラス転移温度はM
DSC(温度サイクルモード示差操作熱量計:TAイン
スツルメント製2910MDSC)により、昇温速度2
℃/分、温度振幅±2℃/分、N2ガス30ml/分の
条件で測定を試みたが、420℃までは変位点は観測さ
れなかった。また、熱分解温度は、フィルムの場合と同
様にして測定した。
【0041】
【表1】
【0042】表1にまとめた結果から明らかなように、
比較例1のポリベンゾオキサゾール前駆体では、N−メ
チル−2−ピロリドンへの溶解性が低く、フィルムへの
加工ができず、また、比較例2では、N−メチル−2−
ピロリドンへ溶解し、フィルムは作製できたが、ガラス
転移温度が低く、熱分解温度もやゝ低く、耐熱性が不十
分であった。これに対して、本発明による実施例では、
N−メチル−2−ピロリドンへ溶解性してフィルムが作
製でき、かつ、耐熱性が極めて優れたものとなり、本発
明の目的を十分満足させるものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂
は、その樹脂前駆体は有機溶媒に対する溶解性があり、
かつポリベンゾオキサゾールへの変換後は、極めて優れ
た熱特性を示し、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層
回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコー
ト、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適
に使用することが出来るものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA58 AF06 AF13 AF39 AF40 AF45 AH12 AH13 AH16 BA02 BB02 BC02 4J043 PA04 PA08 PA09 PA19 PC015 PC016 PC145 PC146 QB15 QB34 RA06 RA52 SA06 SA71 SB01 TA12 TA47 UA121 UA131 UA151 UA152 UA162 UA171 UA172 UA181 UA261 UA262 UB011 UB012 UB121 UB122 UB301 UB302 VA021 VA022 VA031 VA032 VA061 VA062 VA071 VA072 YA06 ZA46 ZB11 ZB47 ZB50 5F058 AA10 AC10 AF04 AG01 AH02 AH03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A)で表わされる構造を有す
    る、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体。 【化1】 (但し、式中のm及びnは、m>0、n≧0、2≦m+
    n≦1000、及び0.05≦m/(m+n)≦1を満
    たす整数である。また、Xは、式(B)で表される基の
    中から選ばれ四価の基を示し、Yは、式(C)で表され
    る基の中から選ばれる少なくとも1つの二価の基を示
    す。Zは、式(D)で表される基の中から選ばれる二価
    の基を示す。一般式(A)において繰り返し単位の配列
    は、ブロック的であってもランダム的であっても構わな
    い。) 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (但し、式(B)及び式(D)中、X1は式(E)で表
    される基の中から選ばれる二価の基を示す。また、式
    (B),式(C),式(D),及び式(E)で表される
    基における、ベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エ
    チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
    ブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、及びトリフルオ
    ロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置
    換されていても良い。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリベンゾオキサゾール
    樹脂前駆体から、縮合反応及び架橋反応を経て得られた
    ことを特徴とするポリベンゾオキサゾール樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のポリベンゾオキサゾール
    樹脂を含むことを特徴とする絶縁膜用材料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の絶縁膜用材料からなる多
    層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜を有すること
    を特徴とする半導体装置。
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