JP4915064B2 - カルボン酸化合物およびその誘導体 - Google Patents
カルボン酸化合物およびその誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4915064B2 JP4915064B2 JP2005242658A JP2005242658A JP4915064B2 JP 4915064 B2 JP4915064 B2 JP 4915064B2 JP 2005242658 A JP2005242658 A JP 2005242658A JP 2005242658 A JP2005242658 A JP 2005242658A JP 4915064 B2 JP4915064 B2 JP 4915064B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carboxylic acid
- hydroxyphenyl
- amino
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
これらの樹脂は、電気、電子分野など幅広い分野で用いられているが、例えば、半導体用の絶縁膜として用いられる場合、酸化膜等の無機絶縁膜と比較して、前記樹脂を用いた絶縁膜は低比誘電率であるという特徴があるため、特に、半導体用の層間絶縁膜用途において、有機材料として適用が広く検討されている。また、絶縁膜形成用の有機材料としては、ポリイミド樹脂が広く知られているが(例えば、特許文献1参照。)、半導体装置における、電気信号の高速化、電子部品の微細化、高集積化、および低消費電力化などの、更なる高性能化に対応するためには、絶縁膜としての比誘電率がなお十分でないという問題があり、これらに対応出来る樹脂が求められていた。
1. アミノヒドロキシフェニル基およびダイヤモンドイド構造より構成される基を有するカルボン酸化合物、
2. 前記カルボン酸化合物におけるカルボキシ基は、前記ダイヤモンドイド構造上に有するものである、第1項記載のカルボン酸化合物、
3. 前記ダイヤモンドイド構造は、アダマンタン構造を最小単位として有する多環式構造を1つまたは2つ有するものである、第1項乃至第2項記載のカルボン酸化合物、
4. 前記カルボン酸化合物は、アミノヒドロキシフェニル基またはカルボキシ基のいずれかを2個以上有する、第1項乃至第3項のいずれかに記載のカルボン酸化合物、
5. 第1項乃至第4項のいずれかに記載のカルボン酸化合物におけるカルボキシ基の水素原子が、有機基で置換された構造を有する、カルボン酸誘導体、
を提供するものである。
なお、ダイヤモンドイド構造より構成される脂環式化合物への、ハロゲン原子、カルボキシ基およびヒドロキシ芳香族基の導入は、文献(I.K.Moiseev,Russian.Cehm.Rev.,68(12),1001−1020,1999)に記載の方法に従い、合成を行った。
また、前記ハロゲン化化合物におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などを挙げることができる。
このとき、反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、10℃以上、100℃以下が好ましく、反応時間としては、10時間以上、100時間以下である。
[試験方法]
(1)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着法で測定した。
(2)元素分析:PERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
(3)比誘電率:日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、下記で得られた測定用試料を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。
前記測定用試料は、まず、下記実施例で得たカルボン酸化合物またはカルボン酸化合物誘導体5g、N−メチルピロリドン20mLおよび攪拌子を、0.1Lフラスコに投入し、窒素気流下、100℃で24時間攪拌した後、反応液をメタノール0.3Lに投入した。析出固体をメタノール0.3Lで洗浄し、60℃で2日間減圧乾燥して得たものを測定用試料とした。
皮膜は、上記で得た測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスを、スピンコート法により、シリコンウエハ上に塗布して、均一な膜厚の被膜を形成した後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。
(1)60%硝酸0.2L、濃硫酸2L、発煙硫酸1Lおよび攪拌子を3Lフラスコに投入し、続けて、1,3−ジブロモアダマンタン235g(0.8mol)およびギ酸221g(4.8mol)を投入し、30℃で4時間攪拌した。反応液を氷水10Lに投入し、析出固体を水3Lおよび10%水酸化ナトリウム水溶液3Lで洗浄した後、減圧乾燥することにより、3,5−ジブロモアダマンタン−1−カルボン酸84gを得た(収率31%)。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):394(M+)
元素分析:理論値(/%):C,70.03;H,6.64;N,7.10;O,16.22、実測値(/%):C,69.89;H,6.34;N,7.00
比誘電率:2.8
実施例1(1)において、1,3−ジブロモアダマンタン235g(0.8mol)を1−ブロモアダマンタン86g(0.4mol)に、実施例1(2)において、60%硝酸32g(0.3mol)を60%硝酸10g(0.1mol)とした以外は、実施例1と同様にして、5−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸5gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):331(M+)
元素分析:理論値(/%):C,65.24;H,6.39;N,4.23;O,24.14、実測値(/%):C,65.77;H,6.51;N,4.02
比誘電率:2.7
実施例1(1)において、1,3−ジブロモアダマンタン235g(0.8mol)を3,3’−ジブロモ−1,1’−ビアダマンチル171g(0.4mol)とした以外は、実施例1と同様にして、5,5’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1’−ビアダマンチル−3,3’−ジカルボン酸9gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):572(M+)
元素分析:理論値(/%):C,71.31;H,7.04;N,4.89;O,16.76、実測値(/%):C,71.84;H,7.23;N,4.73
比誘電率:2.7
実施例1(3)で得た3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸19g(0.04mol)、3−ヒドロキシピリジン4.17g(0.04mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物1.5g(0.008mol)、4−ジメチルアミノピリジン1g(0.008mol)、テトラヒドロフラン100mLおよび攪拌子を0.5Lフラスコに投入した。ここに、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド13g(0.06mol)およびテトラヒドロフラン13mLの溶液を投入し、室温で4時間攪拌した。反応液を濾過した後、溶媒を減圧除去して得た粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸−(3−ピリジル)エステル8g(収率36%)を得た。
次に、実施例1(4)において、3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸19g(0.04mol)を3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸−(3−ピリジル)エステル8g(0.015mol)とした以外は、実施例1(4)と同様にして、3,5−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸−(3−ピリジル)エステル6gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:茶色固体
MS(FD)(m/z):471(M+)
元素分析:理論値(/%):C,71.32;H,6.20;N,8.91;O,13.57、実測値(/%):C,70.56;H,6.53;N,8.47
比誘電率:2.8
実施例1(3)において、3,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン−1−カルボン酸38g(0.1mol)を4−ヒドロキシフタル酸19g(0.1mol)とした以外は、実施例1(3)および実施例(4)と同様にして、5−アミノ−4−ヒドロキシフタル酸10gを得た。
比誘電率:3.3
Claims (3)
- アミノヒドロキシフェニル基およびダイヤモンドイド構造より構成される基を有するカルボン酸化合物であって、前記カルボン酸化合物は、前記アミノヒドロキシフェニル基およびカルボキシ基をダイヤモンドイド構造上に有する構造からなり、アミノヒドロキシフェニル基またはカルボキシ基のいずれかを2個以上有し、前記ダイヤモンドイド構造は、アダマンタン構造を最小単位として有する多環式構造を1つまたは2つ有することを特徴とするカルボン酸化合物。
- 前記カルボン酸化合物におけるカルボキシ基は、前記ダイヤモンドイド構造上に有するものである、請求項1記載のカルボン酸化合物。
- 請求項1または2に記載のカルボン酸化合物におけるカルボキシ基の水素原子が、有機基で置換された構造を有する、カルボン酸誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005242658A JP4915064B2 (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | カルボン酸化合物およびその誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005242658A JP4915064B2 (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | カルボン酸化合物およびその誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007055930A JP2007055930A (ja) | 2007-03-08 |
JP4915064B2 true JP4915064B2 (ja) | 2012-04-11 |
Family
ID=37919715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005242658A Expired - Fee Related JP4915064B2 (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | カルボン酸化合物およびその誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4915064B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2741878B1 (fr) * | 1995-12-01 | 1998-01-09 | Cird Galderma | Composes biaromatiques portant un groupement adamantyl en ortho, compositions pharmaceutiques et cosmetiques les contenant et utilisations |
KR20050044430A (ko) * | 2001-12-07 | 2005-05-12 | 셰브런 유.에스.에이.인크. | 기능화된 고급 다이아몬드형 |
JP4876496B2 (ja) * | 2005-02-28 | 2012-02-15 | 住友ベークライト株式会社 | 芳香族化合物およびその誘導体 |
-
2005
- 2005-08-24 JP JP2005242658A patent/JP4915064B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007055930A (ja) | 2007-03-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Diederich et al. | Complexation of arenes by macrocyclic hosts in aqueous and organic solutions | |
Yakimova et al. | Pillar [5] arenes bearing amide and carboxylic groups as synthetic receptors for alkali metal ions | |
KR20060116201A (ko) | 예비중합체, 예비중합체 조성물, 공동 구조를 갖는고분자량 중합체 및 절연막 | |
CN105348201A (zh) | 一种含羟基苯并咪唑二胺及其制备方法 | |
JP4204880B2 (ja) | ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン誘導体及びその製造方法 | |
JP2007297317A (ja) | ジアミノジヒドロキシベンゼン化合物 | |
JP4915064B2 (ja) | カルボン酸化合物およびその誘導体 | |
JP4876496B2 (ja) | 芳香族化合物およびその誘導体 | |
JP2006008642A (ja) | アミノフェノール化合物、熱硬化性化合物およびその製造法 | |
JP4507658B2 (ja) | 環状アミノフェノール化合物、環状熱硬化性樹脂、その製造法、絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及び、これらを用いた絶縁膜並びに半導体装置 | |
WO2006085493A1 (ja) | 芳香族ジアミン及びその製造方法 | |
JP2007291058A (ja) | フルオレン誘導体およびその製造方法 | |
JPS6357589A (ja) | ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2無水物類およびその製法 | |
US6861560B2 (en) | Bis-o-aminophenols and processes for producing bis-o-aminophenols | |
JP4428270B2 (ja) | ビスアミノフェノール化合物 | |
JP2011173806A (ja) | リン含有ジアミン化合物および難燃性ポリイミド | |
JP5061459B2 (ja) | テトラキスアミノフェノール化合物 | |
JP4345298B2 (ja) | 芳香族カルボン酸誘導体及びその酸塩化物誘導体 | |
JP2006151936A (ja) | ビスアミノフェノール化合物 | |
JP2007186493A (ja) | ビスアミノフェノール化合物 | |
JP4461841B2 (ja) | カルボン酸化合物 | |
JP4397823B2 (ja) | ニトロ又はアミノアリールポリアダマンタン誘導体とその製造法 | |
JP2019218269A (ja) | 新規な環式ジオール化合物 | |
JPH01165552A (ja) | 4,4,’−ビス〔2−(4−ヒドロキシフエニル)ヘキサフルオロイソプロピル〕ジフエニルエーテルを基本とするフッ素含有化合物、その製造方法及びその使用方法 | |
JP2015074612A (ja) | アリーレンジオキシ−ビス(無水コハク酸)及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110627 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20110705 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111004 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111227 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120109 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |