JP4461841B2 - カルボン酸化合物 - Google Patents
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Description
一方、これらの樹脂は一般的に熱可塑性の高分子であり、高い耐熱性を有していることから、高温の環境にさらされる用途に多く用いられている。また、これらの樹脂において、より耐熱性を高める手段として、熱硬化可能な置換基を導入する試みがなされており、熱硬化可能な置換基を導入したカルボン酸化合物の技術例が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)が、更にこれらを用いた樹脂の特性である低誘電性、機械的強度における改善が、さらに望まれている。
B.J.Jensen and P.M.Hergenrother, Journal of Polymer Science: Polymer Chemistry Edition, Vol.23, 2233−2246, 1985.
1. 下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物、
(R)m−X−(COOH)n (1)
[式(1)中、Xはアダマンチル基、またはジアマンチル基を示し、Rはエチニル基、フェニルエチニル基、アダマンチルエチニル基、またはビアダマンチルエチニル基を示し、mは1の整数であり、nは1〜2の整数である。]、
を提供するものである。
(R)m−X−(COOH)n (1)
式(1)中、Xはダイヤモンドイド構造で構成される基を示し、Rはアセチレン結合を有する基を示す。mは1〜10の整数であり、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。nは1〜10の整数であり、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
前記アダマンタン構造を最小単位とする構造を有する基としては、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基:、などや、前記ポリアダマンタン構造を有する基として、アダマンチル基を含む基としては、例えば、ビアダマンチル基、テルアダマンチル基、アダマンチルメタン基、ジアダマンチルメタン基、トリアダマンチルメタン基、テトラアダマンチルメタン基、ジアダマンチルエーテル基、ジアダマンチルアセチレン基、ジアダマンチルケトン基、ジアダマンチルスルホン基、アダマンチルベンゼン基、ジアダマンチルベンゼン基、トリアダマンチルベンゼン基、アダマンチルオキシベンゼン基、ビス(アダマンチルオキシ)ベンゼン基、トリス(アダマンチルオキシ)ベンゼン基、ジフェニルアダマンタン基、トリフェニルアダマンタン基、テトラフェニルアダマンタン基、ジフェノキシアダマンタン基、トリフェノキシアダマンタン基およびテトラフェノキシアダマンタン基:、などや、前記ポリアダマンタン構造を有する基として、ジアダマンチル基を含む基としては、例えば、ビジアマンチル基、テルジアマンチル基、ジアマンチルメタン基、ジジアマンチルメタン基、トリジアマンチルメタン基、テトラジアマンチルメタン基、ジジアマンチルエーテル基、ジジアマンチルアセチレン基、ジジアマンチルケトン基、ジジアマンチルスルホン基、ジアマンチルベンゼン基、ジジアマンチルベンゼン基、トリジアマンチルベンゼン基、ジアマンチルオキシベンゼン基、ビス(ジアマンチルオキシ)ベンゼン基、トリス(ジアマンチルオキシ)ベンゼン基、ジフェニルジアマンタン基、トリフェニルジアマンタン基、テトラフェニルジアマンタン基、ジフェノキシジアマンタン基、トリフェノキシジアマンタン基およびテトラフェノキシジアマンタン基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、フッ素原子または有機基の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。前記有機基としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基:、などや、アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基:、などや、アルケニル基、例えば、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基:、などや、アルキニル基、例えば、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基:、などや、脂環式脂肪族基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基:、などや、芳香族基、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記有機基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
上記ダイヤモンドイド構造で構成される基の数としては、1個以上であれば特に限定されず、2個以上の時は、互いに同一であっても異なっていても良い。
上記アセチレン結合を含む基の数としては、1個以上であれば特に限定されず、2個以上の時は、互いに同一であっても異なっていても良い。
上記カルボン酸化合物中のカルボキシ基の数としては、1個以上であれば特に限定されず、2個以上の時は、互いに同一であっても異なっていても良い。
ベンゼンカルボン酸化合物、例えば、4−(1−(3−エチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、3,5−ビス(1−(3−エチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5−エチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5−(4−エチニルフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5−エチニル)アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5−(4−エチニルフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5,7−ジエチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5,7−ビス(4−エチニルフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5,7−ジエチニル)アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5,7−ビス(4−エチニルフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−フェニルエチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、3,5−ビス(1−(3−フェニルエチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5−フェニルエチニル)アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5−(4−(フェニルエチニル)フェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5−フェニルエチニル)アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5−(4−(フェニルエチニル)フェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5,7−ビス(フェニルエチニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5,7−ビス(4−(フェニルエチニル)フェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5,7−ビス(フェニルエチニル))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(4−カルボキシフェノキシ)−5,7−ビス(4−(フェニルエチニル)フェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(1−アダマンチルエチニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、3,5−ビス(1−(3−(1−アダマンチルエチニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(1−アダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(4−(1−アダマンチルエチニル)フェニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(1−アダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(4−(1−アダマンチルエチニル)フェノキシ)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(1−アダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(4−(1−アダマンチルエチニル)フェニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(1−アダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(4−(1−アダマンチルエチニル)フェノキシ)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(3−(3−ビアダマンチルエチニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、3,5−ビス(1−(3−(3−ビアダマンチルエチニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(3−ビアダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(4−(3−ビアダマンチルエチニル)フェニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(3−ビアダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5−(4−(3−ビアダマンチルエチニル)フェノキシ)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(4−(3−ビアダマンチルエチニル)フェニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸、4−(1−(5,7−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸および4−(1−(5,7−ビス(4−(3−ビアダマンチルエチニル)フェノキシ)−3−(4−カルボキシフェノキシ))アダマンチルオキシ)ベンゼン−1−カルボン酸:、などや、アダマンタンカルボン酸化合物、例えば、3−エチニルアダマンタン−1−カルボン酸、3,5−ジエチニルアダマンタン−1−カルボン酸、3,5,7−トリエチニルアダマンタン−1−カルボン酸、5−エチニルアダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5,7−ジエチニルアダマンタン−1,3−ジカルボン酸、7−エチニルアダマンタン−1,3,5−トリカルボン酸、3−(フェニルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5−ビス(フェニルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5,7−トリス(フェニルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5,7−ビス(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、7−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3,5−トリカルボン酸、3−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5−ビス(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5,7−トリス(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5,7−ビス(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、7−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3,5−トリカルボン酸、3−(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、3,5,7−トリス(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1−カルボン酸、5−(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5,7−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸および7−(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3,5−トリカルボン酸:、などや、ジアマンタンカルボン酸化合物、例えば、4−エチニルジアマンタン−1−カルボン酸、4,9−ジエチニルジアマンタン−1−カルボン酸、4,6,9−トリエチニルジアマンタン−1−カルボン酸、4−エチニルジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、4,9−ジエチニルジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、9−エチニルジアマンタン−1,6,4−トリカルボン酸、4−(フェニルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,9−ビス(フェニルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,6,9−トリス(フェニルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4−(フェニルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、4,9−ビス(フェニルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、9−(フェニルエチニル)ジアマンタン−1,6,4−トリカルボン酸、4−(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,9−ビス(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,6,9−トリス(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4−(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、4,9−ビス(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、9−(1−アダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6,4−トリカルボン酸、4−(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,9−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4,6,9−トリス(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1−カルボン酸、4−(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸、4,9−ビス(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6−ジカルボン酸および9−(3−ビアダマンチルエチニル)ジアマンタン−1,6,4−トリカルボン酸:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、フッ素原子または有機基の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。前記有機基としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基:、などや、アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基:、などや、アルケニル基、例えば、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基:、などや、アルキニル基、例えば、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基:、などや、脂環式脂肪族基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基:、などや、芳香族基、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記有機基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明のカルボン酸化合物においてベンゼンカルボン酸化合物を合成する方法の例としては、例えば、まず、臭素および三臭化アルミニウムなどの臭素化剤とダイヤモンドイド構造を含む基を有する化合物と反応させて得られる臭素化物に、ベンゼン、tブチルブロミドおよび三塩化アルミニウムを加えて、Friedel−Crafts反応により、フェニル化合物を得る。次に、得られたフェニル化合物と、ヨウ素および[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンなどのヨウ素化剤とのヨウ素化反応により、ヨードフェニル化合物を得る。
次に、前記ヨードフェニル化合物と、secブチルリチウムなどのリチウム化剤とを反応させて、リチオフェニル化合物が得られ、このリチオフェニル化合物を、アセチレンもしくはアセチレン結合を有する化合物および二酸化炭素と反応させることにより、ダイヤモンドイド構造を含む基およびアセチレン結合を含む基を有してなるベンゼンカルボン酸化合物を得ることができる。
また、もう一つの合成例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒を用いて、上記同様にして得たヨードフェニル化合物とアセチレン結合を有する化合物とのカップリング反応で得られるアセチレン基を有するヨードフェニル化合物と、secブチルリチウムなどのリチウム化剤とを反応させて、リチオフェニル化合物が得られ、このリチオフェニル化合物を、二酸化炭素と反応させることにより、ダイヤモンドイド構造を含む基およびアセチレン結合を含む基を有してなるベンゼンカルボン酸化合物を得ることができる。
前記ダイヤモンドイド構造を含む基を有する化合物としては、例えば、アダマンタン、ジアダマンタン、ジアマンタンなどが挙げられる。
前記アセチレン結合を有する化合物としては、例えば、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルアダマンタン、エチニルビアダマンチルなどが挙げられる。
また、もう一つの方法としては、文献(M.Foroozesh, G.Primrose, Z.Guo, L.C.Bell, W.L.Alworth, F.P.Guengerich, Chemical Research in Toxicology, Vol.10, 91, 1997)に記載の方法によって得られるダイヤモンドイド構造を有してなるアセチレン結合を有する化合物と前記ラジカル化剤との反応により得られるラジカル化物を、一酸化炭素および酸素とを反応させることにより、ダイヤモンドイド構造を含む基およびアセチレン結合を含む基を有してなるアダマンタンカルボン酸化合物を得ることができる。
また、他のダイヤモンドイド構造を有するカルボン酸化合物も上記合成法と同様にして合成することができる。
得られた化合物は、特性評価のため、質量分析および元素分析を行った。各特性の測定条件は、次のとおりとした。
試験方法
(1)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
(2)元素分析:PERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
撹拌しながら0℃に冷却した臭素200mLに、アダマンタン100g(0.73mol)を0℃を保ちながら1時間かけて添加した。ここに、三臭化アルミニウム5.4g(20mmol)を添加し、0℃で3時間、更に20℃で20時間撹拌した。減圧下で臭素を除去した後、固体をジクロロメタン2.0Lに溶解させて濾過を行った。濾液は、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、水、食塩水の順番で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して得られた固体をカラムクロマトグラフィーにより精製し、1−ブロモアダマンタンを得た。
次に、得られた1−ブロモアダマンタン30g(0.14mol)、tブチルブロミド38g(0.28mol)およびベンゼン300mLを窒素気流下、0℃で撹拌した。ここに三塩化アルミニウム1.6g(12mmol)を30分間かけて0℃で添加後、20℃で1時間撹拌し、更に100℃で還流させながら1時間撹拌させた。反応液を室温まで冷却後、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入した。ここにベンゼン300mLを投入し、1時間撹拌した後、濾過を行った。濾物を熱クロロホルムで洗浄することにより、1,3,5,7−テトラフェニルアダマンタンを得た。
次に、得られた1,3,5,7−テトラフェニルアダマンタン20g(45mmol)、ヨウ素23g(90mmol)、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン39g(90mmol)およびクロロホルム200mLを窒素雰囲気下、20℃で4時間撹拌した。更にクロロホルム300mLを投入し、80℃で還流させながら1時間撹拌した後、熱時濾過を行った。濾液を5%亜硫酸水素ナトリウム、水、食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して得られた固体を再結晶により精製し、1,3,5,7−テトラキス(4−ヨードフェニル)アダマンタンを得た。
次に、得られた1,3,5,7−テトラキス(4−ヨードフェニル)アダマンタン5.0g(5.3mmol)およびテトラヒドロフラン30mLを、窒素雰囲気下、−75℃で撹拌し、ここにsec−ブチルリチウム(1.4mol/Lシクロヘキサン溶液)32mL(45mmol)を、反応液温度を−70℃以下に保ちながら2時間かけて滴下し、続けて20℃で2時間撹拌した。次に、窒素気流を停止し、アセチレン(50mL/分)および二酸化炭素(50mL/分)を細管を用いて反応液中に導入しながら、20℃で12時間撹拌した。反応液を、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を再結晶により精製し、4−(1−(3−(4−カルボキシフェニル)−5,7−ビス(4−エチニルフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):576(M+)
元素分析:理論値(/%):C,83.31;H,5.59;O,11.10、実測値(/%):C,82.72;H,5.62
参考例1で得た1,3,5,7−テトラキス(4−ヨードフェニル)アダマンタン20g(21mmol)、1−エチニルアダマンタン7.2g(45mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム32mg(0.046mmol)、ヨウ化銅18mg(0.095mol)、トリフェニルホスフィン36mg(0.14mmol)、トリエチルアミン300mLおよびピリジン300mLを、窒素雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を再結晶により精製し、5,7−ビス(4−(1−アダマンチルエチニル)フェニル)−1,3−ビス(4−ヨードフェニル)アダマンタンを得た。
次に、得られた5,7−ビス(1−アダマンチルエチニル)−1,3−ビス(4−ヨードフェニル)アダマンタン5.3g(5.3mmol)およびテトラヒドロフラン30mLを窒素雰囲気下、−70℃で撹拌し、ここにsec−ブチルリチウム(1.4mol/Lシクロヘキサン溶液)32mL(45mmol)を、反応液温度を−60℃以下に保ちながら2時間かけて滴下し、続けて20℃で2時間撹拌した。次に、窒素気流を停止し、二酸化炭素(50mL/分)を細管を用いて反応液中に導入しながら、20℃で12時間撹拌した。反応液を、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を再結晶により精製し、4−(1−(5,7−ビス(4−(1−アダマンチルエチニル)フェニル)−3−(4−カルボキシフェニル))アダマンチル)ベンゼン−1−カルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):845(M+)
元素分析:理論値(/%):C,85.27;H,7.16;O,7.57、実測値(/%):C,85.49;H,7.63
アダマンタン10g(73mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド1.2g(7.4mmol)、コバルト(II)アセチルアセトナート80mg(0.31mmol)および酢酸150mLを窒素雰囲気下で撹拌した。ここに、一酸化炭素2.0L、酸素0.50Lおよびアセチレン2.5Lの混合ガスを、圧力7.5kg/cm2で導入し、45℃で2時間撹拌した。反応液を、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を液体クロマトグラフィーおよび再結晶により精製し、3−エチニルアダマンタン−1−カルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):204(M+)
元素分析:理論値(/%):C,76.44;H,7.90;O,15.67、実測値(/%):C,77.20;H,7.79
実施例3において、45℃を60℃に、2時間を12時間とした以外は、実施例3と同様にして、5−エチニルアダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):248(M+)
元素分析:理論値(/%):C,67.73;H,6.50;O,25.78、実測値(/%):C,67.37;H,6.89
アダマンタン10g(73mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド1.2g(7.4mmol)、コバルト(II)アセチルアセトナート80mg(0.31mmol)、エチニルベンゼン9.2g(90mmol)および酢酸150mLを窒素雰囲気下で撹拌した。ここに一酸化炭素2.0Lおよび酸素0.50Lの混合ガスを、圧力7.5kg/cm2で導入し、60℃で12時間撹拌した。反応液を、0℃に冷却した5mol/L塩酸水溶液に投入し、固体を濾過により回収した。得られた固体を液体クロマトグラフィーおよび再結晶により精製し、5−(フェニルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):324(M+)
元素分析:理論値(/%):C,74.06;H,6.21;O,19.73、実測値(/%):C,74.54;H,6.42
実施例5において、エチニルベンゼン9.2g(90mmol)を1−エチニルアダマンタン14g(87mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、5−(1−アダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):382(M+)
元素分析:理論値(/%):C,75.36;H,7.91;O,16.73、実測値(/%):C,75.58;H,7.87
実施例5において、エチニルベンゼン9.2g(90mmol)を3−エチニルビアダマンチル27g(92mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、5−(3−ビアダマンチルエチニル)アダマンタン−1,3−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):516(M+)
元素分析:理論値(/%):C,79.03;H,8.58;O,12.39、実測値(/%):C,79.40;H,8.42
実施例3において、アダマンタン10g(73mmol)をジアマンタン14g(74mmol)とした以外は実施例3と同様にして、4−エチニルジアマンタン−1−カルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):256(M+)
元素分析:理論値(/%):C,79.65;H,7.86;O,12.48、実測値(/%):C,79.39;H,7.85
実施例3において、アダマンタン10g(73mmol)をジアマンタン14g(74mmol)に、45℃を60℃に、2時間を12時間とした以外は実施例3と同様にして、4−エチニルジアマンタン−1,6−ジカルボン酸を得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):300(M+)
元素分析:理論値(/%):C,71.98;H,6.71;O,21.31、実測値(/%):C,72.42;H,6.73
Claims (1)
- 下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物。
(R)m−X−(COOH)n (1)
[式(1)中、Xはアダマンチル基、またはジアマンチル基を示し、Rはエチニル基、フェニルエチニル基、アダマンチルエチニル基、またはビアダマンチルエチニル基を示し、mは1の整数であり、nは1〜2の整数である。]
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